更新日:2021/05/18
学資保険・つみたてNISA・ジュニアNISAを比較! 子供の教育費積立はどれがおすすめ?
- 教育資金準備方法3選「学資保険」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」とは?
- それぞれの特徴とおすすめな人
- 併用はあり?具体的なシミュレーションで解説
- NISAを始めるならどの証券会社がおすすめ?
内容をまとめると
- 子どもの教育費用は、学資保険かNISAでの準備がおすすめ
- 堅実にコツコツ増やすのが学資保険
- リスクは取りつつ大きく増やすのがNISA
- ジュニアNISAは2023年で終了になるが駆け込み運用もあり
- 学資保険またはつみたてNISA+ジュニアNISAの併用もおすすめ
- 証券会社はネットのみがおすすめ
- 子どもの人数や家庭の経済状況はバラバラなので、保険のプロへの無料保険相談がおすすめ
- 今ならスマホ1つで無料のオンライン相談ができるので、教育資金の悩みを解決しましょう!
目次を使って気になるところから読みましょう!
学資保険・つみたてNISA・ジュニアNISAを比較 ジュニアNISAは廃止になる?
子どもを考えるようになったり、実際に生まれたりすると気になるのが、子どもの教育資金です。
いまは大学進学率も50%を超えていて、学習塾や予備校に通う子どもも増えています。そのため、いままで以上に教育にお金がかかるようになっています。
多くのお父さん・お母さんが「お金を理由に子どもに夢を諦めさせたくない」と考えています。そんなお父さん・お母さんにとって大切になるのは教育にかかるお金の準備でしょう。
もちろん銀行で貯金するのも一つの選択肢ですが、より効率的に準備するなら保険や国が支援してくれる仕組みの活用がおすすめです。有名どころで言えば
- 学資保険
- つみたてNISA
- ジュニアNISA
そこでまずは以下の内容について見ていきます。
- 学資保険・つみたてNISA・ジュニアNISAの概要を比較
- それぞれどんな仕組み?を解説
学資保険・つみたてNISA・ジュニアNISAの比較
- 学資保険
- つみたてNISA
- ジュニアNISA
学資保険 | ①つみたてNISA ②ジュニアNISA | |
---|---|---|
利益率 | 低い | 高い |
堅実性 | 高い | 低い |
途中解約 | できる | ①できる ②できない(原則) |
利益への税金 | かかる (非課税枠あり) | かからない |
メリット | 親(契約者)死亡での保険料免除 節税効果あり | ①学資保険より増え幅が大きい ②子どもへの資金贈与可能 |
デメリット | そこまで増えない | ①運用成果次第で元本割れの可能性あり ②途中解約で課税 |
簡単にまとめると、手堅く小さく増やすのが学資保険で、多少のリスクを取りながらも大きく増やすのがつみたてNISA・ジュニアNISAです。
学資保険とは?元本割れは心配ない?
学資保険は子どもの教育資金のための保険です。
保険料を払い続ければ、あらかじめ設定した満期のタイミングでお金がもらえます。
もし親(契約者)が亡くなっても、その後の保険料の払込なしで将来お金がもらえます。このように、親の万が一にも備えられるのが人気のポイントです。
学資保険に入るメリットは次の3つです。
- 強制的に教育資金への貯金ができる
- 受け取るタイミングを決められる
- 税金の面で優遇される
- 保険料を払っているときは生命保険料控除が適用される
- 保険料から受け取った学資金を引いた額が50万円以下なら受け取り時も非課税
つみたてNISAとはどんな制度?子供でもできるの?
できるだけ教育資金を増やしたいなら、つみたてNISAを検討しましょう。
この仕組みを使うと、1年あたり40万円までの投資で出た利益が非課税になります。
「投資って難しそう…」と不安に思う人も多いかもしれません。ただ、つみたてNISAで投資できる対象は国が選んだよりすぐりのものばかりなので、難しい投資判断が必要ありません。
簡単に言えば、投資先を選んで積み立てるだけです。そのため、投資初心者のお父さん・お母さんでも挑戦しやすい魅力があります。
つみたてNISAで気をつけるべき点は次の2つです。
- 20歳以上が対象なので子ども名義はNG
- 投資なので元本割れする可能性がある
ジュニアNISAとは、子供名義のNISAのこと?
ジュニアNISAという言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。これは簡単に言えば子どものためのNISAです。
つみたてNISAは20歳以上の人を対象にしていましたが、こちらは20歳未満の人を対象にしています。
基本的な仕組みはつみたてNISAと同じです。国が選んだ安全性の高い銘柄を使って投資できるので、安心です。
つみたてNISAとの違いは以下の3点です。
- 子ども名義の口座を使って、親が運用する
- 1年あたり80万円までの投資で出た利益が非課税になる
- 子どもが18歳になるまでは引き出しできない
ジュニアNISAは2023年に廃止になる?かけこみ運用する方がよい?
ジュニアNISAは2023年に廃止されます。つまり、2024年からはその口座を使って投資できません。
すでにジュニアNISAに取り組んでいる人はもちろん、駆け込みで開設しようという人もいるでしょう。その場合、以下の2つの状況が起こりえます。
(1)2023年で20歳になっていない
この場合にできることは次の2つです。
- 20歳になるまでは非課税のまま金融商品を持っておくこと
- 持っている金融商品を売ること
新しく買って積み立てられませんが、それ以外はそのまま継続されます。
また非課税というメリットがなくなるのは、次の2つのタイミングです。
- 売ったタイミングで利益(売却代金)が課税口座に移る
- 20歳で課税口座に払い出される
2023年までに20歳になる
20歳になったタイミングで、自動的にNISA口座が作られます。そしてNISAかつみたてNISAを選びます。
学資保険がおすすめな人とは?
「子どもの教育資金といえば学資保険」と考えているお父さん・お母さんは少なくないでしょう。
しかし教育資金準備だからといって安易に学資保険を選ぶと、思ったような結果が得られない可能性もあります。なぜなら教育資金準備方法には、向き不向きがあるからです。
そこでここでは、学資保険がおすすめな人を解説します。簡単に説明すると、以下の通りです。
- 高い返戻率が欲しい
- 損をするリスクをできるだけ抑えたい
銀行貯金よりも高い返戻率を求める人におすすめ
学資保険がおすすめなのは、返戻率の高さを重視している人です。
子どもの教育資金に備えるとき、銀行口座でコツコツ貯金していく人も多いでしょう。学資保険はきちんと選べば、銀行でただ貯めるよりも最終的に多いお金がもらえます。
もし銀行口座に毎月1万5,000円を10年間積み立てたとすると、
1.5万円×12ヶ月×10年×0.02%=180万円
これだけ貯まります。もしこの銀行の金利が0.02%であれば、10年後にもらえる利息は1,410円です。
似たような学資保険プランであれば、約10万円も増やすことができます。
【受取金】200万円−【保険料】1,894,560円(15,788円×12ヶ月×10年)=105,440円
このときの返戻率は105.5%です。このように学資保険を使えば、ただ貯めるよりも多いお金を受け取ることができます。
NISAなどの投資信託よりも、リスクを抑えたい人におすすめ
さらにリスクを抑えたい人にも学資保険はおすすめです。
つみたてNISAやジュニアNISAはあくまで投資です。投資は運用結果によってもらえる金額が変わります。
つまり、運用実績が良ければ予想以上に大きなリターンが得られますし、その逆もあり得ます。つまり確実性がありません。
一方で学資保険は受け取る金額を決めて契約します。そのため「思ったよりもらえなかった…」ということが起こりにくくなっています。
もし学資保険の返戻率内で教育資金がまかなえるなら、あえてリスクの高い投資を選ぶ必要はないでしょう。もし学資保険で足りずとも、リスクをできるだけ避けたい人にも学資保険はおすすめです。
学資保険に入るなら途中で解約しない
学資保険で元本割れして損をする可能性が全くないわけではありません。それは、保険料を払っている途中で、契約を解約してしまうケースです。
学資保険は満期までしっかり契約を続けることで、高い返戻率を得られます。言い換えれば、途中で解約すると返戻金が全くなかったり、あったとしても払った金額以下しかもらえないことがほとんどです。
そのため学資保険に入るなら、払う保険料を無理のない金額に設定しておくことが大切です。
つみたてNISAがおすすめな人とは?
堅実性が高い学資保険に比べると、つみたてNISAには確実性がありませんでした。ですが、つみたてNISAがおすすめできる人もいます。
それは
- いままでほとんど投資をしたことがない
- 多少リスクがあっても問題ない
- 大きな教育資金が必要になるまで長い期間がある
運用初心者で、少しのリスクなら許容できる人におすすめ
つみたてNISAは、政府が「だれでも投資にチャレンジできるように」という意図で作った制度です。
長期・分散投資に適していて、投資初心者でも安心して始められます。つみたてNISAで選べる投資先は、国が「安全性が高い」と認めた金融商品ばかりです。
もちろんすでに説明してきた通り、運用実績によってもらえる金額が変わります。そのため学資保険のように「確実に増える」という保障はありません。
しかしつみたてNISAは、長い間続けることで利益を得ることを目的としています。
瞬間的なマイナスが許容でき、学資保険以上のリターンを狙いたい人にはおすすめだと言えるでしょう。
長期間の積立が出来る人におすすめ
つみたてNISAは長期・分散投資に適している投資初心者向けの制度です。そのため、できるだけ長い期間で取り組むことが大切になります。
もし子どもがまだ小さいお父さん・お母さんであれば、つみたてNISAのこのメリットを生かすことができるのでおすすめです。
子どもを育てていくなかで教育資金が一番かかるのは、子どもが大学に進学するタイミングです。
大学進学は18歳ですから、0歳から始めれば18年ほどの時間があります。18年コツコツ続ければ、すでに説明してきたこの制度が持つ投資的リスクをできるだけ抑えることができます。
もし子どもがまだ小さいなら、つみたてNISAを長い目で見て続けていき、上手く活用することができるのでおすすめです。
ジュニアNISAがおすすめな人とは?
ジュニアNISAにも確実性はありません。また子どもが18歳になるまではお金を引き出せないのが、つみたてNISAとの違いです。
つまり教育資金対策のために、この制度をより効率的に使うには
- すでに最低限の教育資金があってプラスアルファの資金源を考えている
- 贈与税の対策をしたい
最低限の資金があり、さらに運用したい人におすすめ
ジュニアNISAはどのような結果になっても、子どもが18歳になるまでは引き出せません。そのため、途中から別の教育資金対策へ切り替えることが難しいと言えます。
もしこの制度を使っていくなら、万が一うまくお金が増えなかったときに備えて、別の教育資金対策をしておくことが必要でしょう。言い換えればこの制度を使うなら、すでに最低限の教育資金がある人がおすすめです。
いま準備している資金以外に、さらに運用することでプラスアルファの資金が欲しいという人はぜひ検討してみましょう。
贈与税の対策をしたい人におすすめ
ジュニアNISAは子どもの口座名義で親が運用します。なお二親等の親族でも運用できます。
そのためおじいちゃん・おばあちゃん(お父さん・お母さん)が贈与税の非課税枠を活用して、相続税の節税対策をすることもできます。
この制度を使うとき、1年間で投資する金額は80万円までと決まっています。その点、贈与税は1年間で110万円までの贈与であれば税金がかかりません。
いずれ子どもやお孫さんに相続してもらうならば相続税がかかります。それよりも、ジュニアNISAで贈与税の非課税枠を活用すれば、よりたくさんのお金を子ども(孫)に渡すことができます。
このNISAであれば18歳までは引き出せないので、そのお金を教育費に使えば、十分な教育資金対策だと言えるでしょう。
参考:学資保険とジュニアNISAを併用するのもおすすめ
今回は学資保険とつみたてNISA・ジュニアNISAの3つの教育資金対策をご紹介しましたが、それぞれの特徴やメリット・デメリットを生かしながら併用するのもおすすめです。
今回は、
- 学資保険とジュニアNISAの併用パターン
- つみたてNISAトジュニアNISAの併用パターン
学資保険とジュニアNISAを比較
この2つはそれぞれのデメリットを補い合います。
特徴 | 学資保険 | ジュニアNISA |
---|---|---|
利益率 | 低い | 高い |
堅実性 | 高い | 低い |
途中解約 | できる | できない |
学資保険は手堅くコツコツと資金準備ができます。なかなかお金が増えませんが、その点はより投資性の高いジュニアNISAで補えます。
また、もし途中で資金繰りが苦しくなったときは学資保険を解約しても引き続きジュニアNISAで教育資金が準備できます。
そこで、
- 学資保険を使って最低限の準備をする
- ジュニアNISAでさらなる資金力アップを狙いつつ、万が一のリスクに備える
学資保険とジュニアNISAを併用した場合のシミュレーション
この2つを併用する上で重要なのが、資金源の割り振りです。それまでの預貯金等にもよりますが、
学資保険:ジュニアNISA=7:3
になるとバランスが良いでしょう。
例えば
- 両親が30歳
- 子ども0歳
- 毎月2万円を教育の資金の準備に当てる
学資保険 (10歳まで払込) | ジュニアNISA (15歳まで) | |
---|---|---|
金額 | 約15,000円×12ヶ月×10年 ↓ 180万円 ↓ 200万円もらえる (返戻率105.5%) | 約5,000円×12ヶ月×15年 ↓ 90万円×利率1.43% ↓ 約98万円になる |
参考:ジュニアNISAとつみたてNISAを併用する運用方法もあり
実はNISA同士を併用するのも、一つの選択肢です。
基本的にNISAは、一人につき1つの口座しか持てません。しかしこの2つのNISAはそれぞれ対象となる年齢が違うので、
- つみたてNISAは親名義
- ジュニアNISAは子ども名義
ジュニアNISAとつみたてNISAを比較
同じNISAでも特徴が違うので、正しい理解と上手な活用が重要です。
特徴 | つみたてNISA | ジュニアNISA |
---|---|---|
入れる年齢 | 20歳〜 | 〜19歳 |
学資保険と比べて | 利益率:高い 堅実性:低い | 利益率:高い 堅実性:低い |
途中解約 | できる | できない (〜18歳) |
どちらも投資性の高い商品なので堅実性は高くありませんが、利益率は高めです。この点ではどちらを選んでも同じです。
違いは、
- 入れる名義が親か?子どもか?
- 途中解約できるか?できないか?
- つみたてNISA:最低限の資金準備
- ジュニアNISA:プラスアルファの資金アップと万が一のリスクヘッジ
ジュニアNISAとつみたてNISAを併用した場合のシミュレーション
では実際の併用シミュレーションで確認しましょう。
つみたてNISA | ジュニアNISA | |
---|---|---|
利率 | 1.43% | 3.0% |
運用期間① | (親名義)〜19歳 | (子ども名義)〜19歳 |
金額 | 15,000円×12ヶ月×19年 ↓ 342万円×1.43% ↓ 約381万円になる | 5,000円×12ヶ月×19年 ↓ 114万円×3.0% ↓ 約144万円になる |
運用期間② | (子ども名義)20歳〜22歳 | ーーー |
金額 | 20,000円×12ヶ月×3年 ↓ 72万円×1.43% ↓ 約73万になる | ーーー |
合計 | 598万円 | ーーー |
途中で引き出しができないジュニアNISAには、あまり大きな金額を入れないように注意します。
ジュニアNISAは子どもが20歳になったら、子ども名義のつみたてNISAに移行できます。すると子どものための(教育)資金としては約600万円ほど準備できることになります。
参考:ジュニアNISAやつみたてNISA、運用するなら証券会社はどこがいい?
NISAを始めようと思ったときに、証券会社選びに悩む人はたくさんいます。特にいままで投資経験がないお父さん・お母さんなら特に、どうやって選べば良いか心配でしょう。
そこで、これからNISAを始めるお父さん・お母さんに知ってほしい、後悔しない証券会社選びのコツを説明します。簡単に言えば次の2つです。
- 選ぶならネット証券がおすすめ
- 銀行は避けるべし
運用するなら、ネット証券会社がおすすめ
銀行での運用はおすすめしない
実は一番身近な銀行は、あまりおすすめできません。それには理由が3つあります。
- 店舗や人件費がかかるので、手数料などが高くなりやすい
- 選べる商品数が少ない
- こちらの預金状況が把握されている
まとめ 子供の教育費は、学資保険・つみたてNISA・ジュニアNISAを上手に運用しよう
ここまで子どもの教育資金の準備方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事のポイントは、
- 子どもの教育資金準備は「学資保険」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」
- 貯金が苦手でリスクは犯したくない人は学資保険がおすすめ
- 多少のリスクが許容できて長期間コツコツできる人はつみたてNISAがおすすめ
- ジュニアNISAはもうすぐ廃止になる
- 「堅実にコツコツと」なら学資保険で「リスクは取りつつ利益アップ」ならNISA
- それぞれ併用するのも選択肢としてあり
- NISAをするならネット証券を選ぶべき