東洋新薬はこのほど、同社商品「サポート乳酸菌 YM」にロタウイルス感染による下痢発症抑制作用が確認されたことを発表した。ロタウイルスによる感染性胃腸炎は、年末から徐々に患者数が増加し、春先にピークを迎えるとのこと。ロタウイルスは、感染力が非常に強いため感染予防は極めて難しく、5歳までに世界中のほぼすべての小児が感染し、胃腸炎を発症するとされている。日本でも感染者数は非常に多く、小児感染症における重要な病原体の一つだという。一方でサポート乳酸菌とは、「阿波晩茶(あわばんちゃ)」から単離された乳酸菌のこと。抗ウイルス作用をもつ「サポート乳酸菌 YM(Lactobacillus pentosus)」と、抗アレルギー作用をもつ「サポート乳酸菌 FG(Lactobacillus plantarum)」がある。阿波晩茶は茶葉を微生物によって発酵させた"後発酵茶"と呼ばれるお茶で、中国のプーアル茶はその一つである。日本国内では阿波晩茶(徳島県)のほか、「富山黒茶(とやまくろちゃ)」(富山県)、「碁石茶(ごいしちゃ)」(高知県)、「石槌黒茶(いしづちくろちゃ)」(愛媛県)があり、限られた地域で古くから伝わる伝統的なお茶だという。「近年、後発酵茶による血糖値抑制作用、肝機能の向上など機能性食品としての一面が注目されています」と同社。同社の実験では、母マウスに「サポート乳酸菌 YM」を出産6週間前から摂取させ、その子マウスにロタウイルスを感染させた時の下痢発症率を調べた。その結果、予防接種をしていない「ロタウイルス非免役群」の場合、「サポート乳酸菌 YM」摂取群の下痢発症率は非摂取群より約40%以上減少した。同様に、予防接種をしている「ロタウイルス免役群」の場合も、「サポート乳酸菌 YM」摂取群の下痢発症率は非摂取群の約10分の1以下に下がっている。これらのことから、「サポート乳酸菌 YM」にはウイルス性の下痢の発症を抑制する抗ウイルス作用があることがいえるという。
2015年02月17日トレンドマイクロは2日、Flash Playerの脆弱性を悪用した不正広告を確認したと注意を喚起した。この脆弱性「CVE-2015-0313」は、Flash Playerの最新版16.0.0.296に影響するため、同社は更新プログラムがリリースされるまで、Flash Playerを無効にすることを推奨している。この脆弱性を悪用した攻撃として、動画共有サイト「Dailymotion」(dailymotion.com)を訪れたユーザーが、複数のWebサイトに誘導され、最終的にエクスプロイトコードが組み込まれたWebサイト(hxxp://www.retilio.com/skillt.swf)に誘導される攻撃が確認されている。Webサイトを訪れると自動で不正広告が読み込まれる設計のため、該当サイトを閲覧したユーザーは悪意のあるコードに自動的に感染してしまう。同社は、感染は広告プラットフォームから実行されるため、「Dailymotion」のサイトに限らないとして注意を喚起。なお、同社セキュリティ製品では、このエクスプロイトコードを「SWF_EXPLOIT.MJST」としてブロックする。なお、Adobeはこの脆弱性を修正した更新プログラムを今週中に配布予定という。
2015年02月03日リンジー・ローハンがめずらしいウィルスに感染し、ロンドンで一時入院した。リンジーは昨年末、休暇で訪れていたボラボラ島で蚊を媒介にするチクングニア熱ウイルスに感染、発熱や関節痛、疲労感に苦しんだという。潜伏期間は2日から2週間程度で、リンジーも休暇中から体調を崩し、インスタグラムにジェットスキーを楽しむ自分の画像を投稿して「チクングニアに感染する前」とキャプションをつけていた。リンジーはその後も「病気になるなんてつまらない」「ゆったりした休暇がウイルスに台無しにされるなんて、お断りよ」などとつぶやき、ボラボラ島からロサンゼルスに向かったが、ロンドンに戻った時点で高熱と関節痛を訴え、21日(現地時間)、キング・エドワード7世病院に入院した。その後、熱が下がってリンジーは退院したが、母のディナさんがロンドンに向かっているという。(text:Yuki Tominaga)
2015年01月23日トイレで用を足しているときに、ふと違和感を覚えるほどの痛みに襲われたことはないだろうか。もしその状況が続くようならば、それはSTD(性病・性感染症)に感染している可能性がある。では、STDの中でも具体的にどのような感染症が疑われるのだろうか。STDの郵送検査キットを販売するアルバコーポレーションの萬田和志社長に話を伺った。○疑われるSTDの特徴をチェック萬田社長によると、「排尿時の痛みや違和感」では、「性器クラミジア感染症」「淋菌感染症」「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」の3つのSTDが可能性として浮上してくるという。各感染症の特徴を具体的に見ていこう。性器クラミジア感染症「クラミジアトラコマティス」という病原体により感染する同感染症は、日本で最も感染者数が多いSTDで、その感染者数は100万人以上とされている。粘膜同士の接触や精液・腟分泌液を介して感染するため、あらゆる性行為で感染の可能性がある。■症状男性では「尿道からのうみ」「尿道のかゆみや不快感」「軽い排尿痛」「精巣上体の腫れ」「軽い発熱や痛み」などが主な症状として出る。「特に10~20代女性の間で感染が広がっています。感染に気づかないままパートナーに広げてしまうことも考えられるため、注意が必要です」と萬田社長は警鐘を鳴らす。淋菌感染症「淋菌」が病原菌の感染症で、クラミジアと同様にあらゆる性行為により感染する。■症状男性の場合は「激しい排尿痛」を感じやすく、「尿道からのうみ」の量も多いので感染に気づかず放置されるケースは少ない。「最近では、オーラルセックスで咽頭(のど)から性器へ感染するケースが増えています。まだ広く知られていませんが、オーラルセックス時にもコンドーム等での予防を心がけてください」。非クラミジア性非淋菌性尿道炎クラミジア・淋菌以外の病原菌が原因で起こる尿道炎。原因は、細菌のマイコプラズマやウレアプラズマなど複数あると言われており、あらゆる性行為で感染する。■症状感染すると、男性は「尿道からのうみ」「軽い排尿痛」「尿道のかゆみや不快感」などを感じる場合がある。○疑わしいときは、必ず放置しないこと「排尿時の違和感」に関連したSTDは、主にこれらの3つである。もしも今回紹介したような症状が実際に出ていたり、最近自分の中で不安に思うような行為があったりしたら、そのまま放置せずに必ず適切な処置を取ることが大切だ。病気の進行やパートナーへの感染を防ぐためにも、なるべく早く医療機関を受診して、きちんと医師の診断をあおぐようにしよう。また、「不安だけど、はっきりした症状もないし病院はちょっと……」という人は、自分でできる検査キットを郵送で受け取るサービスなどもある。まずはそういったサービスを利用してみるのも一つの手だろう。写真と本文は関係ありません取材協力: アルバコーポレーションSTD(性病・性感染症)の不安を感じながらも対面での検査を受けにくいと感じている人のために、匿名で検査ができる郵送検査キット「STDチェッカー」による検査サービスを提供。運営サイト「STD研究所」を通して、STDについての正しい情報を発信し、STDにまつわるさまざまな不安や悩みの解決を目指す。
2014年12月17日STDという言葉を聞いたことはあるだろうか。「Sexually Transmitted Diseases」の頭文字で、性病・性感染症のことを意味する。代表的なものに「クラミジア」「淋病」「梅毒」といった感染症があり、それらを耳にしたことがある人もいるだろう。また、「HIV感染症 / エイズ」もSTDに含まれる。STDの怖いところは、自身の健康を損ねるだけでなく、パートナーや家族にまで感染させてしまう可能性があることだ。では、感染を防ぐためにはどうしたらよいのだろうか。STDの郵送検査キットを販売するアルバコーポレーションの萬田和志社長に、STDの基礎知識や予防策について解説してもらった。○「自分は大丈夫」という認識は危ないSTDは、感染している人との性行為により感染する。病原菌を含む精液や腟(ちつ)分泌液、血液などが、相手の口や性器の粘膜、皮膚などに接触することで感染が起こるという。近年は、カップルや夫婦間でもSTDが広がっているため、萬田社長は「誰にでも起こりうる病気です」と警鐘を鳴らす。「一昔前までは、『性病・性感染症』というと、風俗街の病気というイメージでとらえられていましたが、今では10~20代の若い人たちの間でも広がっています。HIV感染症 / エイズについては、若い人だけでなく中高年男性でも増加していますし、昔の性病といったイメージのある梅毒も、近年の増加が報告されています」。もしも、「自分は特定の相手としかセックスをしていないから大丈夫」という認識を持っていたらそれは間違いだ。過去のパートナーがSTDに感染していた可能性もあるし、その「特定の相手」が過去に複数の相手とセックスをしていれば、当然感染のリスクは出てくる。STDは、誰もがしっかりと向き合うべき病気なのだ。○STDは不妊症の原因にもなりかねない実際にSTDは私たちにどのような悪影響を及ぼすのだろうか。萬田社長は、主に以下の4点があると話す。■自覚症状が出にくいものもあり、気づかないうちに病気が進行したり、パートナーに感染させたりすることがある■男女ともに不妊症の原因にもつながる■出産時に子どもに感染することもある■HIV(エイズの原因ウイルス)に感染しやすくなる可能性も「性感染症の中には、症状を感じにくいものがあります。症状がなくても感染していればパートナーにうつす可能性がありますし、気づかないまま病気が進行し、男女ともに不妊症の原因になる場合もあります。感染に気づかないまま出産にいたると、子どもへうつってしまうこともあります。子どもに感染すると肺炎や失明の原因になったり、死にいたったりすることもあります。妊婦検診をきちんと受けて、STDが見つかった場合は、対応について先生としっかり相談してください」。また、萬田社長は「何らかの性感染症にかかっていると、HIVに感染する可能性が高くなると言われています」という。これは、粘膜が炎症を起こした状態になり、抵抗力が落ちやすくなることが原因とされている。例えばクラミジアに感染していると、HIVに感染する可能性は3~5倍にもなると言われているそうだ。○大切なのは「STEADY」と「SAFER」STDから身を守る最大の防御方法は、セックスをしないことだ。だが、セックスはパートナーとの愛を確かめ合うための大切な手段。ずっとしないというわけにもいかない。それではどうすればよいのか。キーワードとなるのは、「STEADY」と「SAFER」の2つのS。すなわち、相手を限定(STEADY)し、より安全な(SAFER)セックスを心がけるということだ。「コンドームを使用することで、HIV感染症 / エイズなど多くのSTDを予防することができます。セックスの最初から最後まで正しく使用することが大切です。最近はオーラルセックスが一般的になってきていますが、クラミジアや淋菌などの病原菌が、オーラルセックスで咽頭(のど)にも感染するということはほとんど知られていません。オーラルセックス時にもコンドーム等で予防を心がけてください」。コンドーム以外の予防法としては、セックスの前後にシャワーやトイレをすませることや、寝具を清潔にするといったことも大切なポイントとなってくると萬田社長は解説。自身の体やベッド・布団周りをきれいにしておくことが大切だ。○早期発見・早期治療が大切萬田社長は、STDの大半は治療すればしっかりと治ると話す。反面、すり傷や切り傷と違い、自然に治ることはない。STDは早期発見、早期治療が大切だ。万一、「排尿時に痛みがある」「性器周辺がはれている」など、STDが疑わしい症状が出てしまったら、自身はもちろん、パートナーにも早期の受診をお勧めする。男性は泌尿器科など、女性は婦人科などで相談できる。STDは、飛沫(ひまつ)感染するインフルエンザなどと異なり、セックスという"濃密な接触"以外では通常感染しない。正しい知識と予防法を知ることで、安全な性生活を送ってほしい。取材協力: アルバコーポレーションSTD(性病・性感染症)の不安を感じながらも対面での検査を受けにくいと感じている人のために、匿名で検査ができる郵送検査キット「STDチェッカー」による検査サービスを提供。運営サイト「STD研究所」を通して、STDについての正しい情報を発信し、STDにまつわるさまざまな不安や悩みの解決を目指す。
2014年12月16日今夏もかなりの流行が見られた夏風邪「ヘルパンギーナ」。主に乳幼児が罹患(りかん)する感染症ではあるが、実は大人もかかる可能性があるのだ。どのような症状で、どう予防すれば良いのかをライオンのヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんに伺った。○ヘルパンギーナってどんな病気?ヘルパンギーナは、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスを原因とする感染症で、夏季に流行する。6月ごろから急激に感染が増え、通常は7月末から8月にピークを迎える。2010年にも大きな流行が見られた。手足口病と症状が似ているが、水疱(すいほう)が口内に出やすく、急に高熱(38度以上)となることが多い。また、喉の痛みや食欲低下も伴う。手足口病同様、乳幼児に発症例が多く、潜伏期間は3~6日間。症状は2~4日間続くとされる。○ヘルパンギーナを予防するには効果的な予防法はというと、「やはり、うがい・手洗いを徹底することが予防につながります」。ヘルパンギーナは、せきなどによる飛沫(ひまつ)感染、水筒やコップの共有による接触感染、おむつ交換などによる糞口(ふんこう)感染によって感染する。学習塾や公園での遊戯など、乳幼児は集団と接することが多いため、タオルやハンカチ、食器の共有はなるべく避けて過ごすようにしたい。また、栄養のある食事と睡眠をしっかりとることで、体力や免疫力をつけて夏バテにならないようにし、ウイルスを寄せ付けない体作りをしておくことも肝要だ。○ヘルパンギーナにかかってしまったら口内の水疱(すいほう)を刺激しないよう、おかゆやスープなど、のどを通りやすい食事で栄養を取るようにし、水分を十分摂取するようにする。「水分は一気に摂(と)ると、体の電解質が薄まりよくありません。1時間に1回を目安に、こまめに摂(と)るようにしましょう」。また、ヘルパンギーナは、免疫力が落ちていると大人でも感染することがある。大人が感染すると、発疹の症状が重くなり痛みが増すことも多い。二次感染しないように、十分に気をつけたい。「大人であれば、夏バテなどで食欲がなかったり、疲れていたりするときには栄養ドリンクなどで補助的に栄養補給することも効果的です。とにかくしっかりと体を休め、体力を回復するように心がけてください」。ヘルパンギーナも手足口病と同様、症状が治まった後も便にウイルスを含むため、乳児のおむつなどの取り扱いには注意しよう。写真と本文は関係ありません○取材協力: ライオン ヘルスケアマイスター: 山岸理恵子さんボディーソープほか、スキンケア商品の開発に長年携わった後、現在のヘルスケアマイスターとなる。商品開発の経験を生かし、主にライオン快適生活研究所にて健康で快適な暮らしのための情報発信に尽力している。
2014年08月23日赤ちゃんの初めての発熱として、もっとも多いのがこの突発性発疹。はしかや水ぼうそうのウイルスほど感染力は強くないものの、季節を問わず発生し、ほとんどの子が1歳までに突発性湿疹にかかります。そうしたことがわかっていても、生後まもない赤ちゃんが「さっきまで普通だったのに突然40度近い高熱!」となると、心配になりますよね。そこで今回は、突発性発疹にかかった時のケアや回復までの経過をお伝えしたいと思います。■突発性発疹の原因と症状突発性発疹には2種類あり、ほとんどがヒトヘルペスウィルス6型(HHV-6)の初感染による症状ですが、一部ヒトヘルペスウィルス7型(HHV-7)も存在します。そのため「突発性発疹は一度かかると再びかかることはない」といわれていますが、まれにもう一度かかる場合があるようです。感染後の潜伏期間は10日から2週間。突然40度近い高熱を出すわりには元気で、発熱期間は3~4日。平熱に戻った翌日くらいからお腹や背中を中心に赤い発疹が出て全身に広がると、血中に中和抗体が現れるため完治と診断されます。数日間かけて発疹は消えますが、かゆがることは少ないです。また、発熱しても比較的機嫌が良く、元気もあるのが特徴ですが、数日間は夜寝付きが悪かったり、ぐずったりすることもあります。病院へ行くと薬が処方されますが、発熱で食欲も落ちやすいため、食べ物に混ぜて服用させようとすると全量飲めないことがあるので気をつけましょう。服用薬以外に解熱剤の座薬を入れても、数時間後に高熱に戻ってしまうこともよくあります。水分補給をこまめにし、脇の下などリンパがある場所をやさしく冷やして、「大丈夫だよ」と安心させてあげてくだ下さい。■こんな時は要注意一般的な突発性発疹とは症状が少し違ったり、生後4ヵ月以下で「突発性湿疹と診断されるには少し早いかも…」という場合、腎臓の病気の可能性も考えられます。その見極めには、採血やおしっこの検査が実施されます。わが家の次女も生後4ヵ月で突発性発疹を発症し、採尿や採血をしました。その際、一緒にアレルギー検査をしてもらうこともできたので、お子さんのアレルギーが心配な方はお医者さんに相談してみるのもよいかもしれません。突発性湿疹は発疹が現れた時点で完治となりますが、赤ちゃんは発熱で体力をかなり消耗しています。1ヵ月近くは抵抗力の低下からほかの感染症にかかりやすいため、できるだけ人混みを避け、無理がかからないよう気をつけてあげましょう。「突発性発疹はどの子も必ず経験する」と言われていても、わが家の長女は2歳半まで熱ひとつ出さず、「いつ来るの…?」と待っているうちに幼稚園生になってしまいました。このような場合もある一方で、次女は早く(生後4ヵ月)にかかったので「発熱した時はしっかり見守る」ということを、子どもから改めて教わった気がします。親も常に知識をブラッシュアップさせながら、子どもの様子を見守っていくことが大切なのですね。
2014年08月22日前回『複数の男子と平行してエッチしてはいけない理由4つ』 の中で性感染症をうつされると身体も心も大変なことになるとお伝えしました。今回は女性に多い性感染症(STD、最近はSTIと言う。STI= Sexually Transmitted Infections)について性感染症医療の大御所、尾上泰彦先生に教えていただきました。エッチのあと「なんか下半身がいつもと違う」と感じたら注意。カレがSTIにかかっているかもしれません。女性に多い病気を4つご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。■1.クラミジア感染症クラミジアは、現在もっとも多く、性感染症の約半数を占めます。10歳代後半から、20歳代のもっともエッチが盛んな年代に多く、とくに女性患者は男性の2倍。感染するとおりものの増量、不正出血、下腹部痛、性交痛、排尿痛などの症状があります。しかし約70%は症状が出ないとも言われ、放置すると不妊症になる可能性もあります。この菌が手指を介して眼に入ってしまうとクラミジア性封入体結膜炎を起こす場合もあります。「目がまっ赤だよ!」「性感染症かも」という会話ができるくらい意識しておくとよいでしょう。■2.性器ヘルペス性器、その周辺に小さな水疱、ただれが左右対称性にたくさんでき、痛みやかゆみが出ます。熱が出たり、足の付け根のリンパ腺が腫れたりします。女性では膀胱炎症状も見られます。再発を繰り返す場合があるので必ず治療しましょう。■3.淋病感染症男性では尿道、女性では子宮頚管に感染することが多いです。ビックリな事実ですが、オーラルセックス増加により咽頭に感染する女性が増えています。さらに、アナルセックスにより直腸に、手指を介して眼にも感染します。膿みのようなおりもの、不正出血、下腹部痛、排尿痛があります。バルトリン腺に感染するとバルトリン腺部が腫れ、強い痛みが出ます。おそろしいのは、女性の約80%は淋病は無症状ということ。すると、治療をしないまま男性にうつしてしまうことになります。そして、後にカレと別れた場合、カレは別の彼女にうつしてしまう。これが永遠のループでつながってゆきます。無症状に経過すると卵管炎、子宮付属器炎、骨盤腹膜炎と感染が拡がっていき、不妊症になる可能性もあります。■4.尖圭コンジローマヒトパピローマウイルスの感染によりできるイボの一種です。性器の周りや肛門周辺にできます。潜伏期間は数週間から8ヶ月と長いので、複数のカレとエッチしていると誰からうつされたのかわからなくなります。もしもHPV16型、18型に感染すると女性では子宮頸癌になる恐れがあります。■おわりに「今日はコンドームなくていいよね」と耳元でささやくカレに負けてはいけません。妊娠だけでなくSTIから自分を守るという意味で、カレとはちゃんと話合うように。喉や眼にも菌が感染することは覚えておきましょう。(二松まゆみ/ハウコレ)監修:宮本町中央診療所院長尾上泰彦先生
2014年06月12日国際衛生機構「グローバル・ハイジーン・カウンシル」(Global Hygiene Council 、以下GHC)は、ニュースレター「災害時の感染制御」を発行した。2011年3月11日に発生した東日本大震災。未曾有の地震、そして津波によって、多くの人たちが犠牲となった。街がヘドロで覆われるなど、周囲の衛生環境が悪化したことに加え、水や電気などのライフラインが断絶。また、大人数の避難所での生活では、さまざまな原因による感染症が発生した。同機構のニュースレター第2弾では、「災害時の感染制御」について、GHCのメンバーでもある東北大学の賀来満夫教授による災害時の感染症発生の実態の解説と、「防災の日」に家庭で確認したい感染制御の方法や対策グッズを紹介している。■「環境から」発生する感染症 津波や地震によるがれきやゴミ、土や水などにより汚染された環境が発生することにより、病原体による感染症が引き起こされる。傷の化膿(かのう)や、「破傷風」「レジオネラ肺炎」などが疑われる場合には、医療機関への早急な受診が必要となる。■「ヒトから」発生する感染症 避難所では、多くの人が共同で狭い場所に生活することになり、また感染症への対策が実施できない場合も多いため、「インフルエンザ」や「感染性胃腸炎(ノロウイルス)」、「麻疹(ましん)」など伝播性の高い感染症が起こりやすくなる。■「自分から」発生する感染症 避難所では、食べ物や水などの配給が滞ることによる栄養状態の悪化や、寒さなどによる体力の低下、また口腔(こうくう)ケアが十分でないことなどにより、免疫機能低下や嚥下障害などを引き起こし、「誤嚥性肺炎」や「二次性の細菌性肺炎」、膀胱炎などの「尿路感染症」が発生した。9月1日の「防災の日」には、防災グッズの確認や準備を行う人も多いはず。GHCでは、感染制御の観点から、防災グッズの中に「感染症対策の三種の神器」を加えておくことを提言している。1.「ウェットティッシュ/アルコール手指消毒液」 感染症を防ぐためには、なによりも手や身体を清潔に保つことが重要。特に、抵抗力の弱い小さな子どもや高齢者のいる家庭では、忘れずに準備したい。2.「マスク」 感染症にうつらないため、また周りにうつさないためにも、少なくとも1週間分のマスクの準備を。3.「マウスウォッシュ」 災害時には口腔内を清潔に保つ手段がない。「誤嚥性肺炎」を防ぐため、口をすすぐものの用意を。また、災害が起こってしまった際には、以下の「感染予防のための8カ条」の実行を。<可能な限り守りたいこと> (1)食事は可能な限り加熱したものを摂(と)るようにしよう (2)安心して飲める水だけを飲料とし、きれいなコップで飲もう (3)ごはんの前、トイレの後には手を洗おう(水やアルコール手指消毒液で手洗いを) (4)嘔吐(おうと)・下痢などの汚物やおむつは所定の場所に捨て、よく手洗いを <症状があるときは> (5)咳(せき)が出るときは、周りに飛ばさないように口をおおう(マスクがあるときにはマスクの装着を) (6)熱っぽい、のどが痛い、咳(せき)、けが、嘔吐(おうと)、下痢などがあるとき、特に周りに同じような症状が増えているときには、かかりつけの医師または保険師、避難所では代表者に相談を (7)熱や咳(せき)が出ている人、介護する人はなるべくマスクを (8)咳(せき)がひどい、黄色い痰(たん)が多くなっている、息苦しい、呼吸が荒い、ぐったりしている、顔色が悪いなどの症状がある場合には、肺炎の可能性が。早めに医師に相談を 【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月13日