OL兼漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!第9回アクマの辞典ラ行【ロ】▶「ロミオメール」(ろみおめーる)恋人と別れたことによりポエムの才能に目覚めたならプラスと言える今回のテーマはラ行から「ロミオメール」だ。ロミオメール、というのを皆さんはご存知だろうか、主に何故か別れた瞬間、ポエムの才能に目覚めてしまった元カレから送られてくる、自分に泥酔しているメールのことを指す。逆に元カノから送られてくるのは「ジュリエットメール」である。「ロミオ」と称される通り、大体別れた原因は己の浮気やギャンブル癖だったりするのだが、何故か彼の中では「運命に引き裂かれた」というようなストーリーになっており「俺は愛の翼広げて待っているから、いつでも帰ってきていいんだよ、素直になりな」と、いつのまにか許す側に回っているため、こちらは「も、もしかして私たち(立場が)入れ替わっちゃってる~!?」と驚愕するしかない。こんなメールを、愛情が残っていない相手から送られてきたら、怒りと不愉快さで爆発必至であり、すぐさま消去されるものがほとんどだろう。しかし、ロミオメールはポエムとしての完成度は高いのだ。この作品を、怒りに任せて、ゴミ箱に捨ててしまうのは、大きな文化の損失である。そんな己の感情より「文化財の保存」を優先してくれた者たちのおかげで、今でも多くのロミオメールが現存している。ちなみに保存方法は「ネットに晒す」である。ロミオメールのみならず、どれだけ心を込めたメールでも、相手から「どうでもいい奴」と思われていたら、全て「爆笑メール」として、晒していいものとされてしまうのだ。逆に好きな相手からなら、タイトル欄に「りょ」としか書かれていないメールでも、保護る、そんなものである。そんな、人の無慈悲さのおかげで、今でも「ロミオメール まとめ」などで検索すれば、多くの文化遺産を鑑賞できる。昔は私もこの美術鑑賞を趣味としていた時期があるが、今はもう見られない。人間関係、特に他人の恋愛のいざこざを笑って見られるのは、心身ともに元気がある若い時だけなのである。だから今はもう、ロミオメールは胃にもたれてしまい、見ることができず、「ギャンブルの借金で困っている人」など、あっさりしたものしか鑑賞することができない。「老後の楽しみ」という言葉もあるが、若い時にしか楽しめないものも、歴然と存在するのだ。そうなった時後悔がないよう、今のうちにロミオメールを鑑賞しておくといい。【ラ】▶ラブレター」(らぶれたー)昔は回し読みぐらいで済んだが、今は写真でネットに晒される、読んだら爆発する機能がない限りは、出さない方がいい【リ】▶「理系男子」(りけいだんし)メガネで細身の白衣が似合う賢いイケメン以外はただの理系【ル】▶「ルイボスティー」(るいぼすてぃー)何にでも効く、女にとっての進研ゼミ的存在つまりやっていてもそんなに効かない【レ】▶「レンタル彼氏」(れんたるかれし)「デートの練習などに」と書かれているが、彼氏にレンタル彼氏でデートの練習をしたと知られたら別れそう【ロ】▶「ロミオメール」(ろみおめーる)恋人と別れたことによりポエムの才能に目覚めたならプラスと言えるプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2018年04月06日OL兼漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第8回アクマの辞典ヤ行【ヤ】▶「やけぼっくい」木の燃えカス、お前らのモトサヤ恋愛はそんなに美しいものではないと教えてくれる今回のテーマはヤ行から「やけぼっくい」だ。今まで「松ぼっくり」のようなものをイメージしていたが正しくは「木杭」と書き、文字通り木の杭や切り株などを指す。だからと言って、延々と木の燃えカスについて話せ、という意味ではないはずだ。むしろそれで1000文字書ける奴の方が怖い。おそらく「やけぼっくいに火がついた」の方について書け、ということだろう。逆にこの慣用句以外でやけぼっくいという言葉を聞いたことがない。「やけぼっくいに火がついた」とは「過去に関係があった者同士は、一度縁が切れても元の関係に戻りやすい」というたとえだ、特に男女に使われることが多く、簡単に言えば、よりを戻す、モトサヤだ。だが、元に戻りやすい、と言うが「男の恋愛はフォルダ別保存で女は上書き保存」と言われるように、男は昔の女をいつまでも覚えているが、女は次の男ができたら前の男のことはさっさと忘れる、とも言われている。つまり、女は一度好きでなくなった男を、もう一度好きになることはあんまりない、ということだ。しかし、現にモトサヤカップルは存在する、では一体どういう時に「やけぼっくいに火がつく」のか。一番美しいのは「別れて初めてお互いの大切さに気づいた」だろうが、それはTim Tamぐらいソースイートだ、確かに口ではそう言うかもしれないが、実際はもっと打算があるはずである。まず、別れた相手がアップグレードしていた場合だ。わかりやすく言うと「別れたヒモバンドマンがミュージックステーションに出てた」時である。同じデータをもう一回保存する気にはなれなくても、新しいデータになっているなら話は別ということだ。しかしこの段階で「あなたの大切さに気づいた」などと言っても、相手も馬鹿ではない、型落ち機に再インストールされてくれることは希で、すでに別のハイスペック機のものになっている場合がほとんどだ。次は「上書きしたデータの方がクソだった」バージョンアップが全て「改善」とは限らない、「改悪」の場合もままある。あとでじっくり鑑賞しようと「ファボ」しておいた破廉恥画像が、何故かフォロー先のタイムラインに表示されてしまう機能等、ツイッターがよくやるやつである。そんな時、誰しも思うだろう「前の方が良かった」と。つまり「別れて大切さに気づいた」のではなく「新しい男がクソすぎて前の男のマシさがわかった」パターンである。最後に「衰え」だ。年を取ってから、新しいゲームより、昔のゲームのリバイバルの方に魅力を感じることが多くなった。懐かしさもあるが、そういうゲームの一番の利点は「もう大体知っている」ことだ。つまり、もう新しい相手と一から関係を築いていく元気も時間的猶予もなく、それよりは性感帯の位置まで把握している相手ともう1回付き合うほうが手っ取り早いし楽、という時だ。以上のことから、例えに「木の燃えカス」が使われているのはこれ以上なく正しい、昔の人は偉大である。【ヤ】▶「やけぼっくい」木の燃えカス、お前らのモトサヤ恋愛はそんなに美しいものではないと教えてくれる【ヰ】▶「ヰキペヂア」何かと思ったらウィキペディアのこと、私のコラムはこれの知識のみで書かれている【ユ】▶「ゆるふわ」頭、もしくは股につけられる形容詞【ヱ】▶「ヱヴァ」かつて彼らと同年代が今35歳【ヨ】▶「欲求不満」金で解決するのが一番安全プロフィールカレー沢薫OLであり漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2018年03月06日100種類以上のバラエティー豊かな蕎麦猪口が集結する「蕎麦猪口大辞典」が、7月7日から19日まで東京・青山のコトモノミチ(coto mono michi)at TOKYOで開催される。元々は“猪口”と呼ばれ、つゆ入れはもちろん、小鉢や酒、お茶を飲むカップなど様々な用途に使えるフリーカップとして多く作られ、今でも日本全国で幅広く使用されている蕎麦猪口。今回は現代の生活にあった器を提供する馬場商店の協力を得て、波佐見焼・有田焼の様々な技法を用いて作られた100種類以上の蕎麦猪口を展開する。前菜の小鉢やキャンドルホルダー、グリーンをいれてプランターにするなど、“猪口”の新たな可能性を見つけられる機会となっている。【イベント情報】「蕎麦猪口大辞典」展会場:コトモノミチat TOKYO住所:東京都港区南青山5-2-16 青山フレックス A会期:7月7日~19日時間:11:00~20:00(7月19日は17:00まで)定休日:水曜日
2016年06月25日英語を学ぼうとする人が英和・和英、または英英辞書を手放せないのと同じように、アナウンサーにとって手放せないのが「アクセント辞典」。ちょっと重いのと、お高いのが難点ですが、正しい日本語を話すことを職業としている者にとってはまさにバイブルなのです。■18年ぶりに改訂されて1万語もアップ!いくつかの出版社から発行されていますが、なかでも高い人気と信頼性を誇るのが『NHK日本語発音アクセント辞典』。放送で使われている言葉を中心に約6万5,000語が掲載されているこの辞典は、初版が昭和18年に発行されて以来、時代に合わせて改訂が行われてきました。そしてこのたび18年ぶりに大改訂され、『NHK日本語発音アクセント新辞典』として5月に発売。今回は過去最高の約7万5,000語が掲載されています。改訂にあたっては、NHKのアナウンサー約500人を対象に、大規模なアクセント調査を3回実施したそうです。言葉は生もの。かつては間違いとされた発音が、大多数の人が使うようになったらそちらが正しいと認識されるようになるなど、歴史の流れのなかで変化をしていくのが常です。変化の基準として、「日本語としての正しい発音を学んだNHKのアナウンサーの大半が使うようになったら正しい」と考えてもいいということかもしれません。■ベテランアナウンサーほど戸惑う改訂ぶりこれで5回目の改訂となるNHKのアクセント辞典ですが、「これぞ現代のアクセント辞典」と謳っているだけあって、これまでとはくらべものにならない大規模な改訂になりました。まず目を引くのは、1966年の改訂から使われてきたアクセントを示す記号が、一新されたこと。ひとつの単語のなかで、「どの音までを高めに発音し、どの音から下げるか」を示すために、これまでは「棒カギ式」と呼ばれる記号が使われていました。しかし今回はもっと単純に、「ここで音を下げる」ことを示す「斜線」が採用されたのです。……というのは、アナウンサーにとっては非常に衝撃的なニュースなのですが、ちょっと専門的な話ですので深い説明は省きますね。アクセントの記号が変わるのと同時に、これまで正しいとされてきたアクセントについても、いまではほとんど使われていないものは削除され、実際の放送でよく使われているアクセントに変更されています。たとえば「二次会」という単語。これまで、「スズラン」と同じように、「にじ」までを高く「かい」を下げるのが正しいアクセントとされ、「国会」と同じような平らな読み方は「許容範囲」のアクセント、とされてきました。でも、「二次会」を「スズラン」と同じアクセントで発音する人って、あまりいませんよね?今回の改訂でとうとう、「スズラン」型のアクセントは辞書から消えて、「二次会」は平らな読み方だけになったのです。私が群馬県でアナウンサーをしていたころには、「前橋」のアクセントでずいぶん怒られたものでした。地元の人は「前橋」を平らに発音しますが、アクセント辞典に掲載されているのは「ま」を高く、「えばし」を下げて発音するアクセント。私は当時、どうしても「まえ」まで高めの「スズラン」型で「前橋」を発音してしまっていたのです。正しいアクセントでもなければ、地元の発音でもありません。だから「アナウンサーのくせに」と眉を顰められていました。でも、今回の改訂で「ま」だけが高いアクセントは消え、「まえ」までが高いアクセントが採用されています。いまなら、怒られずに済んだかもしれません。このような改訂はもちろん現代の事情に合わせたものですが、これまで一生懸命正しいアクセントをおぼえようとしてきたベテランアナウンサーにとっては、また新しいアクセントをおぼえなおさなければいけないということで、戸惑っている人も多いようです。■「4億」「4日」の正しいアクセントもさらに今回の改訂では、巻末に「ものや事柄を数える言葉」の一覧表が充実していることも目を引きます。たとえば、4という数字は、「4億(ヨンオク)」だけど「4日(ヨッカ)」で「4円(ヨエン)」といった具合に、後ろにつく単位や数助詞によって読み方が変化します。そこが日本語の味わいでもあるのですが、複雑で間違えやすいのも事実ですよね。そこをひとつひとつ表記して、もちろんアクセントも記載しています。これを見ると、「8回」は正しくは「ハッカイ」ではなく「ハチカイであるとか(「ハッカイ」も許容範囲)、「八区」は「ハチク」だけど「八句」は「ハック」である、などがわかります。ところで、最近よく民放のアナウンサーでも間違って発音しているのが「2月」「4月」のアクセント。この『NHK日本語発音アクセント新辞典』でもまだ、従来の平らな読み方が正しいアクセントとして記載されています。でも「5月」「9月」と同じように、数字だけ高めで「月」の部分を低めに発音する人が増えていますよね。次回、十数年後に改訂されるときには、もしかしたら「2月」「4月」のアクセントも、変更されているかもしれません。(文/アナウンサー・宮本ゆみ子) 【参考】※NHK放送文化研究所(2016)『NHK日本語発音アクセント新辞典』NHK出版
2016年06月07日キーエンスはこのほど、寸法測定・検査にかかる時間の短縮を実現した事例を集つめたウェブサイト「寸法測定“超”時短辞典」を公開した。 一般的な測定器は測定する点を1カ所ずつ測る必要があるため、複雑な形状のものほど測定箇所も多くなり、測定に要する時間もかかる。また、最近ではCADの普及に伴い、図面上の測定指示が増えており、製造業にとっては寸法測定・検査に要する時間が増加傾向にあるのが課題の1つとなっている。「寸法測定“超”時短辞典」は寸法測定の課題と解決事例を、歯車やスプールバルブなど製品ごとに掲載。事例はすべて実績に基づいており、今後も随時事例を追加していくとしている。
2015年10月09日三省堂は17日、IT(ICT)用語を解説した書籍『ICTことば辞典』(大谷和利、三橋ゆか里、江口晋太朗 著)の電子書籍版の配信をKindleストアおよび楽天Kobo電子書籍ストアで開始した。希望小売価格は税別1,600円。iBookstore、BookLive!、Reader Store、ブックパスなどからも購入可能。同書は、画像、図版、やさしい言葉を用いて、身近な事例を交えながら、IT(ICT)用語を解説した辞典。収録用語は250ワード。時代のニーズや話題性の高い項目を選び、"読む"ことにも重点を置き、一般書の面白さも兼ね備えたものになっているという。また、脳科学者の茂木健一郎氏や言語学者の投野由紀夫氏、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏、劇作家の柴幸男氏など、各界の第一線で活躍する10名のコラムも収録、幅広い視点からIT(ICT)の知識が身につくという。電子書籍版は前ページがフルカラーとなっており、文字の大きさや行間を任意のサイズに設定できる。
2015年08月17日Webサイト「リクスー女子株式会社」では、”建前だらけの就活をブラックに皮肉る”ブラック就活用語辞典を展開している。同辞典は、2006年頃、2ちゃんねるでまとめられた「悪魔の就活用語辞典」をベースに、同サイトのメンバーが絵を付け、現代風に言葉をアレンジしたもの。取り上げられた就活用語には、以下のようなものがある。「お前んとこの看板で楽して稼ぎたい」という人間の本能を企業に合わせて書き換えたもの。作成する際は0から1を生みだす非常にクリエイティブな作業となる。学歴や志望に際しての質問事項を記入する審査書類。自分がいかに優れている人間であるかを捏造(ねつぞう)・脚色する文章力が問われる。同サイトでは今後、毎週5点更新していく予定とのこと。他にも、スーツ女子の写真を毎週更新したりと、ビジネスで遊ぶWebサイトとなっているという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月21日