スポーツマックス(SPORTMAX)の2020年春夏コレクションが、イタリア・ミラノで発表された。軽やかに躍動する、強く美しい海の女戦士たちミラノの真ん中で、潮風が感じられそうなほどの爽やかなムードを漂わせた会場。そこに登場するのは、ネオロマンティックな女性らしさと精緻な仕立てを融合させたワードローブの数々だ。特に今回は、軽やかさ、動き、そして女性らしさに対する考えをアップデートするコレクションでもある。スポーツマックスの描く海辺の女性たちは、強くたくましく、そして美しい。セーラーカラーのチュニックや航海士の正装にも似たダブルのコートなどからも分かるように、海の戦士たちの面影を留めている。繊細なドレスやシャツルックには、首元や袖口にレザーをあしらい、グラフィカルな格子縞のセットアップは、レザーの編み込みで表現して、強さと洗練を両立させた。セーリングの帆を想わせるドレスのアシンメトリーなシルエットやロープのディテールは、今季スポーツマックスが注目した“動き”を発展させるもの。その2つの手段で、シルエットに緩急をつけ、美しさを見出していく。一方“軽やかさ”の演出のため加えた透明感のあるファブリックは、強さや逞しさとは対照的な儚さを匂わせた。解体と再構築による複雑なテーラリングは、フェミニンな色使いと柔らかいファブリックも相まって重厚感ではなく、むしろソフトな印象へと導かれた。ジャケットで言えば、ウエストラインを敢えて切り替え、スリットを入れることでより自由なシルエットを可能にしている。
2019年09月25日エトロ(ETRO)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2020年9月20日(金)にイタリア・ミラノで発表された。可能性は無限大、世界を旅するエトロウーマン冒険の旅を描くエトロの2020年春夏ウィメンズコレクション。その上でイメージしたのは、カリブ海で活動した自由なワイルドな精神をもつパイレーツと、世界から注目を浴びるアイコニックな存在、アリストグルーピーだ。2つの対照的なものをブレンドさせることで、旅は“無限大”の楽しさと希望に包まれた。世界への旅は、多くの刺激を与えたようだ。特にムヘレス島やイビサなどの島を中心に、世界各国様々な文化や思想に触れた、その名残が、あらゆる場所に反映されている。特にその象徴となったのが、蝶々のモチーフで、今季はエトロのアイコニックなペイズリー柄にも蝶々が羽ばたいている。そもそも再生、飛躍、美、変容などを含む幸運の意味をもつ蝶々の存在は、この旅をハッピーなオーラに導いた。旅のイメージからは、チマヨ風のセットアップや着物スリーブのアウター、フリンジがなびくベストなどが登場し、トライバルやボヘミアンなムードが濃厚に混ざり合う。そんな中顔を出す、パイレーツの面影は、豪快な立体的な刺繍からなるベストや、フェミニンなスカート風のシフォンパンツなどから読み取れる。ペイズリーと並んで登場したレオパードパターンはセンシュアルでありながら野性的な魅力を放つ。シューズにはパイレーツブーツをあわせて、足元から気風のよいスタイリングを提案している。一方で、ワイルドグルービーたちのセレブリティなイメージは、フェミニンなドレスルックを筆頭に表現されている。幾度と登場するシフォンスカートは、フリルやアシンメトリーなデザインが、優雅に靡く様子が印象的だ。視線を落とせば、スカーフやビジューのストラップをまるでアクセサリーのように足首に巻き付ける、華奢なヒールサンダルが合わせられている。後半に登場するペイズリーのジャカードやベルベットは、また異なる一面をもち艶やかさを引き出した。色柄に溢れるエトロならではのテキスタイルに、ナイトシーンを想起させるゴールドやシルバーの刺繍を施して、旅とおなじ“無限大”の女性の魅力を感じさせた。
2019年09月25日ヴェルサーチェ(VERSACE)は、2020年春夏ウィメンズコレクションを2019年9月22日(日)にイタリア・ミラノで発表した。ジェニファー・ロペスが纏った1着のドレスを起点に今シーズンのヴェルサーチェは、2000年度グラミー賞授賞式でジェニファー・ロペスが纏ったドレスを着想源としている。トロピカルでゴージャスなそのドレスは、たちまち世界からの注目を浴び、皆がインターネットで検索したことで、当時Googleで最も検索件数の高いトピックのひとつとなった。しかし、検索してもジェニファーのドレスは表示されることがなく、それがきっかけでGoogleチームが画像ページを生み出したという。テクノロジーの発展に寄与したドレスに捧げるオマージュファッションがテクノロジーの発展に寄与した、その1着のドレスにオマージュを捧げ制作する今回のコレクションは、とびきりゴージャスでトロピカル。特に、彼女のドレスが、ジャングルや自然の柄を取り入れていたことから、その表現が多用され、現代的かつより豪華絢爛に昇華されている。タイトなカクテルドレスからデニムジャケットまで、グリーンのトロピカル柄が配され、花のビジューによって煌びやかを纏う。今回はクラシカルなチェック柄でさえ、柔らかなグリーンのプリントが派生した。ストライプのシャツには自然を描く精緻な刺繍が施され、マニッシュなトレンチコートにはグリーンのグラデーションが染み渡っている。これらのデイリーなスタイルに加えて、ジェニファーさながらの煌びやかなドレスがランウェイを飾った。全身がビジューで構成されたドレスはまるでミラーボールのような輝き。PVCのスケルトンコートは、その印象的な柄が浮きだち、3Dで常夏のムードを楽しむようだ。リゾート感たっぷりのテキスタイルと並列して、グリーンやピンクのマーブル模様が、ストリート感も加味しながら取り入れられているのも面白い。ジェニファーのドレスの大胆な肌の見せ方も今季のルックに反映され、は大きなV字の胸元を採用したカクテルドレスや、スラッシュ状に切り込みが施されたトップスなども登場している。そういった女性らしいセクシーな表現とは対照的に、女性の強さを表現するパワーショルダーを加えたことも今季の特徴的なところだ。ワードローブと同じく煌びやかな小物類には、ドナテラ・ヴェルサーチェの遊び心をたっぷり込めた。使いかけのマッチや、本物さながらの工具、そして錠剤の代わりにメドゥーサを収めたケースなどを、すべてゴールドで表現し、アクセサリーに転換している。さらに、“V”が輝く新たなバッグ「ヴィルトゥス」バッグは、最小様々な大きさとシルエットで、片手に携えられている。
2019年09月25日アニオナ(AGNONA)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月21日(土)にイタリア・ミラノで発表された。かつてのミラネーゼが愛したスタイルを今クリエイティブディレクターのサイモン・ホロウェイは、このコレクションを製作するため、80年代初期のミラノとその特徴的なスタイルを回顧した。そして完成したのは、彼がアニオナで探求し続けている快適な着心地の良さを保ちつつ、イタリアのレディトゥウェアを讃えるワードローブ。今回は、ミラネーゼの美しい着こなしの提案であると同時に、アニオナの新しい物語でもある。テーラリングは、ごく軽いファブリックとレイヤードによって、新しいスタイルを構築する。1枚1枚が軽やかだから、ジャケットをレイヤードしてもライトな印象は全く崩れない。かつてのミラノで愛されたボックスシルエットのジャケットは、ある意味この軽快なスタイルには最適で、大きくはみ出した肩からストンと落ちるそのテクスチャーが、女性の華奢な体のラインをむしろ強調している。特に今季目立ったのは、ハイウエストボトムスにトップスをタックインする着こなしか、あるいはロングレングスのワンピースにウエストマークをあわせる着こなしに、レングスの長いアウターを遊ばせるスタイリングだ。時折混ざるシースルーのワンピースやボトムスなどは、ジャケットスタイルの中に透明感を差し込む。カラーパレットは、ヌーディーなベージュ、マニッシュなカーキやグレー、そしてピンクやグリーンのペールトーン。淡い水彩画のようなファブリックと、極めてクラシックなチェック柄、そしてほんの少しのレザーが、今回のエフォートレスなコレクションにグッと力を加える。
2019年09月25日GCDS(ジーシーディーエス)の2020年春夏メンズコレクションが、イタリア・ミラノで発表された。なお、ランウェイにはモデル・タレントのkemioが登場している。ストリートに落とし込む東京の“かわいい”文化GCDSは常夏の楽園の中で、日本の“かわいい”を意味する“K-Hawaii”をキーワードに掲げた。それを体現するために用いたのはマンガやアニメの文化。ヒロインの登場する“愛”をコンセプトとしたファンタジーを描いた。ウィメンズでは、カワイイを表現するため、ケアベアやハローキティなどのポップなシンボルが多用されているが、メンズではジュラシックパークのモチーフが目を引いた。また、ソーシャルメディアの日常生活におけるユビキタスな存在は、文化的美学を語る上で今や欠かせないという考えのもと、フィルタリングされたエロ漫画もデザインに取り込んでいる。アニメと並ぶのが、ネオンカラーのサイケディックなグラフィックを筆頭に、MA-1やブロークン加工のプルオーバーに用いられたミリタリーカーキなど。さらに、リッチなパイソン柄やデニムのタイダイ柄、トライバルなマルチストライプなど、ハイブリッドな東京の今を映し出すかのように多彩なファブリックが登場している。ワードローブのベースは“東京”を彷彿させるストリートシーン。デニムやオーバーサイズのロゴ入りプルオーバーなど、原宿・渋谷の若者カルチャーが浸透している。
2019年09月25日ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)が9月19日、ミラノで2020年スプリングコレクションを発表した。
2019年09月24日マルニ(MARNI)の2020年春夏ウィメンズコレクションが2019年9月20日(金)にイタリア・ミラノで発表された。2020年春夏メンズの続編、マルニの陽気なジャングルへようこそ2020年春夏メンズコレクションのストーリーの続編を描いたマルニ。メンズコレクションの際、天井は水面に見立てられて、フィッシュネットの上に海から収集したペットボトルやプラスチック製品をちりばめた。迫りくる環境問題への警鐘を鳴らした、そんなストーリーから続く第2章となる今回、プラスチックは一切の姿を消し、生い茂るジャングルの緑へと変貌した。ウィメンズコレクションでは、そのジャングルを舞台に陽気なワードローブを繰り広げる。大胆な手書き風のフラワーまたはボタニカルモチーフが、今シーズンをトロピカルなムードで満たしていく。ビタミンたっぷりのオレンジから、ヴィヴィッドなピンク、爽快なグリーン、そして鮮烈なブルーまで、ウキウキするカラーパレットが、レザーやシルクなどテクスチャーを違いをものともせず続々と現れる。時にチェックやストライプなど、直線的グラフィックをハイブリッドして、変わらぬマルニの十八番も共存する。漁網を想起させるメッシュ状のドレス、レイヤードしたフリルが躍るマーメイドシルエット、そしてフラダンサーのようなエプロン型のスカート……。海の傍を連想させる風景は今季のマルニの味方らしい。前述したカラフルな花のテキスタイルはビーチスタイルに倣い、ウエストで大きなリボン結びをしてラップスカートのように着こなしている。クラフト感溢れるマルニらしいディテールは、この夢のようなジャングルを思う存分楽しむ秘訣。それは、立体的なニッティングや、風に踊るランダムなニットのパターン、スカートをふわりと浮かせるギャザーの寄せ集めなど様々だ。必需品を納めるための大きなバッグ、砂浜をかけたくなるフラットサンダルといった小物使いもまた、この第2章のストーリーに相応しい。
2019年09月24日ブルマリン(Blumarine)の2020年春夏コレクションが、イタリア・ミラノで2019年9月20日(金)に発表された。花が咲き乱れるハートフルなフラワーストーリーとびきりスイートなブルマリンのランウェイに花が咲き乱れた。今季は最初から最後まで、フラワーモチーフがメインとして用いられている。ミラーボールのようにキラキラと輝くメッシュから透けて見える花のカクテルドレス、ヴィヴィッドピンクの大きなフラワーモチーフをあしらったキャミソールとローズが咲くタイトスカートのコンビネーション、モノトーンのクールなパンツスタイルなど。シフォンドレスに乗せた花は、風を孕んでまるで3Dのように咲いている。そのフェミニンな装いに拍車をかけるレースや刺繍、そしてフリルの表現も見逃せない。胸元やヘムで遊ぶフリルは甘い服の動きに余韻を残す。ライトなカラーパレットも相まって、ハートフルなドレスルックが完成している。“タフさ”も重要、甘いだけが女性じゃない女性らしさは、甘いだけでなく、“タフさ”も重要。ヒョウ柄やスパンコールは、フラワーモチーフでは表現できない艶っぽさや芯の強さの演出している。サファリテイストのシャツやデニムを織り交ぜて、マスキュリンにも手を伸ばした。ランジェリーのようなシルクとレースのキャミソールは、グッと力強くもセンシュアルな一面を連想させるルックだ。大半を占めるドレスルックのシルエットは、タイトなものがほとんど。シフォン素材は立ち止まれば身体のラインを隠すが、歩けば身体のラインにぴたっと添って、女性性を強調する。大胆な肌の見せ方も今季のポイントで、ベアトップやキャミソールのワンピースで思い切りセクシーに着こなすのが主流となった。
2019年09月23日エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)の2020年春夏コレクションがイタリア・ミラノにてプレゼンテーションで発表された。エミリオ・プッチを語る上で欠かせないプリントにフォーカスエミリオ・プッチの2020年春夏コレクションは、歴史を築いてきたダイナミックなプリント柄にフォーカスし、自由でプレイフル、そしてエレガントなスタイルを提案する。その上で、日常生活における3つのシーンを想定した。スポーツシーンでのアグレッシブなヴィヴァラモチーフまずひとつにスポーツシーン。代表的なヴィヴァラモチーフは、レギンスとフ ィット感のあるトップスに透かし彫りで再現されている。ナイロンやジャージーなど機能的かつ実用的なファブリックをベースに配置されるエネルギッシュなプリントは、エレガンスな要素を一切失わず、それでいてアグレッシブだ。デイタイムでのエレガントなチワラプリントもうひとつはデイタイム。カジュアルなサファリシャツは、あえてオールホワイトにすることで無垢で品のあるスタイルで展開する。サマーツイードは、チワラプリントのカラーを織り交ぜて上品なジャンプスーツで。異素材を組み合わせることで、淡いカラーで描くチワラプリントが際立つ。ナイトシーンを彩るヴィヴァラモチーフの魅惑そしてナイトシーンには、とびきりゴージャスな工夫を凝らした。シースルーの素材に落とし込んだヴィバラモチーフは、重なり合うことで柄が立体化されている。繊細な刺繍はスパンコールとともに施され、オールブラックのカクテルドレスの上に、魅惑的なモチーフを浮かび上がらせる。
2019年09月23日トッズ(TOD’S)の2020年春夏コレクションがイタリア・ミラノで2019年9月20日(金)に発表された。トッズだから成せる軽快なレザーの表現朝一番に開催されたショーは、心が浄化されるような爽やかなムードたっぷり。トッズの真骨頂であるレザーもまたそのオーラを纏い、気品に満ちていて、シルクのような滑らかさも、コットンのような軽やかさも表現している。レザーを知り尽くしたトッズだからこそ成せる、エレガントなレザーの世界が今季も繰り広げられる。レザージャケットは、襟下にジッパーを施して故意的に切り込みを入れることで、動きを出した。スカートやコートには、ランダムにサークル状のカッティングを施して、まるでレースのような繊細さを演出。そういった多面的な表情は、マニッシュなスタイルにも、レディライクなスタイルにも万能に適応している。上質なレザーのテクスチャーと共存させたのは、シルクの滑らかさと、プリーツの軽快さ。ミックスすることで、より一層春夏らしい清々しい 表現を可能にした。リブニットは、サイドに大胆なスリットを入れたり、大胆な肌見せを楽しむバックスタイルにしたりして、体の動きとしなやかに連動するよう工夫を凝らしている。足元は、飾りすぎぬよう、抜け感のあるピンヒールサンダルや、スクエアトゥのパンプスを提案。小さなコインケースを連ねたような小さなバッグや、ゴールドのTが輝く小さなショルダーバッグをあわせた。ノーブルな雰囲気に似合うこれらのバッグは、まるでお気に入りのアクセサリーのように何気なく馴染んでいる。
2019年09月23日グッチ(GUCCI)が、クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)による2020年春夏コレクションをミラノで発表した。
2019年09月23日マックスマーラ(Max Mara)の2020年春夏コレクションが、2019年9月19日(木)にイタリア・ミラノで発表された。強く生きる女性像を、架空の“女性スパイ”をもとに描くナターシャ・ウォルターの作品から、女性スパイが活躍する架空の映画を描いた今季のマックスマーラ。ナターシャと言えば、女性の社会進出がまだ珍しかった時代に、その在り方を変える作品を発表したフェミニスト作家だ。今季のランウェイでは、彼女を失望させまいと、「007」さながらの快活の女性像が具現化されている。シャープなショルダーのジャケットとベスト、バミューダパンツのスリーピースを筆頭に、軸に置いたのはマニッシュな風貌だ。サファリシャツはタイトなシルエットで、ハーフパンツには揺れ動くアウトポケットを取り付けて、あるいは足元にシースルーのハイソックスをあわせて、強くありつつも女性らしさは忘れない。ジャケットにはエポレットや、古典的トレンチコートに倣う長めのアンブレラヨークを配した。片手にはアイコニックなホイットニーバッグを携えているが、今季はビッグサイズをメインに採用して冒険への準備も万端といったところだ。身体のラインを浮き彫りにする淡いペイズリー柄のドレスは、クラシックなグレンチェックのジャケットと交わることで新たな表情を手に入れた。ペールトーンのカラーパレットも、今季ばかりはフェミニンな印象に留まることなく、序盤から続いたセットアップや、バックスタイルにストラップを取り入れたスポーティなドレスルックにも採用されている。ディテールに目を向ければ、ダブルステッチが走り、ミリタリー感を助長している。ある意味繊細に打ち込まれたステッチは、まるで強い女性像を強調する縁取り線みたいだ。
2019年09月23日モスキーノ(MOSCHINO)の2020年春夏コレクションが、2019年9月19日(木)にイタリア・ミラノで発表された。ジェレミー・スコットの飛び出すアート!?デザイナーのジェレミー・スコットは、今シーズン“芸術”に目を向けた。招待状は絵の具をのせたパレットと筆のセットで、来場者皆がそのパレットをもって参加する。大勢の“アーティスト”が集うショーなのだから、ジェレミー・スコットも気合を入れて、とびきり大きな金色の額縁を、会場のランウェイのスタート口と中央部分に用意した。モデルたちは、まるで絵画の世界から飛び出すように、その額縁をくぐって闊歩していく。“アーティスト”たちも納得のアートの世界は、大胆な筆致の現代アート風から、キュビズムの世界を思わせるものまでジャンルは様々だ。色彩豊かにドレスやスーツを彩っていく。今回のジェレミーが提案した“芸術”は、ジャンルレスなテクニックで描く過去に類を見ないゴージャスな大作のようだ。蝶々の羽根のように広がった袖や歪なシルエットのドレスは、まるで立派な彫刻。ふんわり広がる袖や極端に膨らんだバルーン型のスカートなどは、陶芸を連想させる。モノクロで女性の裸体を描いた写生絵画は、きちんと額縁に納めてドレスに仕立てた。“芸術”は絵画だけでなく、音楽へも派生する。大きなチェロのドレスやバイオリンのクラッチバッグなどクラシック音楽に欠かせない弦楽器が登場したかと思えば、ベルベットやドットのタイトドレスなどスペインの情熱に溢れる伝統的フラメンコものぞかせる。セピア色に色褪せた古い楽譜は、ドレスに落とし込み、音楽をファッションに転換させている。ベースには、きわめてクラシカルな表現も多い。肩の強調したジャケット、バッスル風のドレス、コルセットのディテールなどがその好例だ。そして前述した“壺”のような大きく膨らんだ袖も中世ヨーロッパの貴族たちを真似てのことかもしれない。その中に、闘牛士やオリエンタルな表現など国境をまたぐ表現もプラスしている。
2019年09月23日アンテプリマ(ANTEPRIMA)の2020年春夏コレクションが、イタリア・ミラノで2019年9月19日(木)に発表された。心躍るバカンスムードたっぷりの2020年春夏コレクションバカンスムード満点の今季のアンテプリマは、心が躍るようなワードローブのオンパレードだ。オフショルダーのニットセットアップ、大胆なスリット入りのホルターネックワンピース、ラフィアで編んだ爽やかなウエストマークがポイントのロングスカートなど、リゾート感たっぷりの要素を挙げればきりがない。色彩溢れるテキスタイルは、マルチストライプやボタニカルパターンなど。さらに、シースルーの軽やかなメロディーと、フリンジやアコーディオンプリーツのアップテンポなリズムが加わっていく。上品な光沢をもつリネンや、メッシュ、クロッシェレースの共演も楽しげだ。特に目に留まったのは、マルチボーダーのジャンプスーツに、シースルーまたはメッシュがハイブリッドされたチュニックやワンピースをレイヤードするスタイリング。陽気で快活なスタイルをフェミニンなベールで覆って、愛らしい女性像を浮き彫りにしている。手元にはアンテプリマのアイコニックなワイヤーバッグを携えた。あるいは、リゾートを思い切り楽しめるようにと、アクティブな人に向けた便利なウエストバッグも提案している。
2019年09月23日MM6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)の2020年春夏コレクションが、プレゼンテーション形式にて2019年9月18日(水)に発表された。ジョン・レノンとオノ・ヨーコの活動「ベッドイン」を着想に今季の着想は、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが起こした平和のための活動「ベッドイン」。この活動は、1969年に結婚した2人が、ベトナム戦争で世界が混乱する中、マスコミに大々的に取り上げられる自分たちのハネムーンを平和のコマーシャルにしようと行ったものだ。会場を縦横無尽に歩き回るモデル達は、手にスピーカーを持っており、そこからジョン・レノンの「イマジン」、車のクラクション、街の人々の話し声、教会の鐘、ロックミュージック……と、各自様々な音を流している。通り過ぎる際に生まれる調和と不協和音が、平和を忘れかけた混沌とした世界を再現するかのようにも思える。複数のアイデンティティが混在する中での進化の模索これらの演出もそうだが今季のワードローブには、「時に交わり、時にぶつかる複数のアイデンティティが共存すれば進化の可能性が見える」というMM6 メゾン マルジェラの考えがある。だからこそコレクションには、ジャケット、トラックスーツ、ドレスルック、ブラックレザー、デニムパンツなどあらゆるものが混在している。アクセサリーは“アクセサリーらしさ”のあるものだけでなく、大きなハウスキーやコルク栓、安全ピンなどをモチーフに再考された。“何がこうあるべき”だという線引きは皆無だ。2人の活動に倣うウェディングを連想させるものそんな中、そもそもジョン・レノンとオノ・ヨーコのウエディングに際した「ベッドイン」が着想なことから、ウェディングを連想させるルックが多数登場する。揺れ動くチュールに不釣り合いなカットソーのドッキングや、白いベールに包まれたシャツブラウスなどがその好例。ウィメンズでは、ヌードボディスーツを巧みに使用して、ドレスルックさながらのベアトップを装いつつも、ボトムスには男性的なワイドスラックスやデニムパンツをセットした。一方、メンズのタキシードジャケットは、解体されたシルエットで、既成イメージを取り払っている。英国と日本の伝統の交わり今季の疑問への答えを導くため、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの生まれ故郷である英国と日本の伝統も、同じく寄せ集めたようだ。特に顕著に表れたのがジャケットスタイル。紳士的なジャケットは、まるで着物のような前合わせのスタイルで提案している。素材はジャケットだからと言ってフォーマルに限らず、ホワイトサテンや濃淡のあるデニムを使用しているのも面白い。多様性ある世界で伝える“愛”そして象徴的に用いられた花束は、「ベッドイン」の際に発表した、花に囲まれ、白いシーツと布団に覆われたベッドの中で微笑む2人の写真が伝えた、柔和な空気と同じ“愛”の温かさを感じさせる。混沌とした世界に平和をもたらすメッセージとした「ベッドイン」が伝えた“愛”の表現は、多様性のある世界が乱雑にならず進化への一途をたどる、その源となっているようだ。
2019年09月22日グッチ(GUCCI)が、クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレによる2020年春夏ウィメンズ&メンズコレクションショーを、9月22日23時(現地時間同日16時)よりライブストリーミング配信する。ショーの様子はこちらから放映(※会場の状況により開始が遅れる場合あり)。
2019年09月22日アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)の2020年春夏コレクションが、ミラノファッションウィーク中の2019年9月18日(水)発表された。“エレガンス”を根底に日常を謳歌する女性像カジュアルからドレッシーまで、日常を謳歌する女性のあらゆるスタイルを描くようにランウェイを構成したアルベルタ フェレッティの2020年春夏コレクション。極めてマニッシュなルックから甘くセンシュアルなルックまでが揃う中、今季も変わらず根底に置いたのは“エレガンスであること”だ。特に目に留まったのは、技巧的なディテールの数々。シースルーのカクテルドレスにはビジューがドラマティックに施される一方、スエードのシャツには小さなスタッズや編みの刺繍が規則正しく並ぶ。クラシカルなケープ風のクロップド丈トップスには、揺れとともに光を浴びて煌めくビジューを配した。レザーパッチワークのセットアップ、カットワークと刺繍を施したブラウスやドレスも繰り返し登場している。今季はボトムスのバランスも面白く、クロップド丈のトップスには、レトロ感漂うブーツカットを組み合わせた。肩を抜いて着るクリーンなシャツやボヘミアンなブラウスは、ハイウエストのタック入りパンツでウエストマークとともにスタイリングしている。ミニスカートやショートパンツも同様、ハイウエストの持ち味を思い切り活かして着こなす。思い切りマニッシュに舵を切るわけでもなく、ナードな印象でもないこれらのルックは、エレガンスという言葉がしっかり当てはまっている。赤、オレンジ、パープル、イエローなどの鮮やかな色味と、サイケデリックなテキスタイルの混合は70年代のムードを漂わせると同時に、野性味を加えている。サロペットやセットアップに、タイダイ染めを提案しているのも印象的だ。こうして生まれた個性は、古典的なエレガンスを多角的かつモダンに昇華させる。
2019年09月22日アレッサンドロ・デラクア(Alessandro dell’Acqua)によるヌメロ ヴェントゥーノ(N21)がミラノで2020年春夏コレクションを発表。
2019年09月20日MM6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)が、ミラノで2020年春夏コレクションを発表した。
2019年09月19日バーバリー(BURBERRY)が、ロンドンで2020年春夏コレクションを発表した。© Courtesy of Burberry© Courtesy of Burberry
2019年09月18日ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)が2020年春夏コレクションを発表。
2019年09月17日サポートサーフェス(support surface)の2020年春夏コレクションが、2019年9月10日(火)に発表された。ブレることの無い“軸”のある服作りショーの舞台となったのは、東京国立博物館 表慶館。デザイナー研壁宣男が切望したというこの歴史ある建造物での開催は、2019年春夏コレクションに次ぐ、2度目となる。今シーズンのキーワードになったのは「Vanishing point」。直訳すると“消点”という意味を持つこの言葉は、一方で、デザインの“起点”のような意味も持つのではないか。研壁はそんな思いを巡らせながら、デザインの“起点”となるようなブレることのない軸を意識して、シルエット作りに取り組んだ。構築的でありながら柔らかなニュアンスを持つシルエット研壁が生み出すデザインの軸となっているのは、構築的なディテールを備えつつも、人が動いた時に柔らかなニュアンスを孕むように設計したシルエット。洋服を纏った女性の動作によって生まれる布の動きを想定し、フォルムを作り込んでいる。たとえば、ノーカラーのシャツドレスは、一枚の布を身体に覆い被せたかのようなビッグシルエットでありながら、サイドに丸みを帯びた深いスリットを入れることで、裾が軽やかに揺れ動くように仕立てている。ドット柄のパンチングを施したアシンメトリーなブラウスは、細やかなプリーツが腕の動きによって異なる表情を生み出し、エレガントなムードを放つように設計した。透け感のあるテキスタイル透け感のあるテキスタイルを起用しているのも今シーズンのポイント。歩くたびに空気をふわりと含むキュプラのシャツドレスや、格子柄のパフスリーブブラウス、バックスタイルにレース生地を配したジャケットから、素肌を覗かせることにより、フェミニティ薫るスタイルに仕上げている。研壁があまり使用することのない新鮮なボーダー柄トップスにも、シースルーのファブリックを織り交ぜた。多彩なパターンや鮮やかなカラーコレクションにリズムを生むのは、多彩なパターンや鮮やかなカラー。千鳥格子のハイウエストスカートや煌めきを纏ったマルチストライプのパンツ、カラフルな花柄のシャツドレスなどが、ランウェイに華を添える。レッド、ブルー、ピンクなど様々なカラーのフリンジを組み合わせたノースリーブワンピースも、存在感を放っていた。遊び心溢れる小物遣いコーディネートにアクセントを加える小物使いにも注目。スタイリッシュなパンツスタイルにも、上品なスカートスタイルにも、足元には一貫してスニーカーを合わせて、アクティブなムードを演出している。ブラウン、モノトーンといったベーシックカラーのパンツやワンピースには、クリア素材のベルトを取り入て、遊び心溢れるスタイリングに仕上げた。
2019年09月13日アキコアオキ(AKIKOAOKI)が2020年春夏コレクションを8月30日、プレゼンテーション形式にて発表した。ギリシャ語で「ひとつ」を意味する「monos」をタイトルとしたコレクションのテーマは、“ユニフォームと⺠族衣装”。
2019年09月09日2018年はJリーグのベストイレブンにも選ばれた、タイ出身の北海道コンサドーレ札幌MF・チャナティップ選手。キュートな笑顔とチームを牽引する攻撃力でサポーターを虜にする彼の魅力に迫ります!写真・黒川ひろみ 文・薮内加奈「将来はサッカーの神さま・マラドーナのように」。父からはサッカー英才教育を。ーー現在25歳。4歳からサッカーを始められたそうですが、きっかけは?物心ついた時から、サッカー経験者の父にサッカーを教えてもらっていました。元アルゼンチン代表・マラドーナの大ファンでもあった父は、「将来はディエゴ・マラドーナのような選手になってほしい」と、独自で練習メニューを考えて教えてくれていたのを覚えています。ーーお父さまがあっての今のチャナティップ選手があるんですね。チャナティップ選手が考えるサッカーの魅力とは何ですか?サッカーは世界中で人気のスポーツなので、Jリーグも、代表戦も、海外リーグもあり、選手もたくさんいるから、自分の好きな選手を見つけて観戦を楽しめると思います。プレーする側からすると、チームスポーツなので、人間関係の構築に適していると思います。僕も小さい頃からサッカーで協調性を学びました。チャナティップ選手の天才的ドリブルが引き出すのは…?ーーなるほど。そんなチャナティップ選手のプレーで注目すべきは、小柄な体格ながら対戦相手を翻弄する素早いドリブルと圧倒的なボールキープ力だと思います。女性に自分の「こんなプレーを見てほしい!」というウリはありますか?(少し考えた後照れながら)自分のドリブルは女性の心を引き出せると思います。(笑)ーー!!! Jリーグを代表する名ドリブラーとして意味深発言! 恋愛もプレースタイルと同じく積極的に攻め込むタイプですか?好きな女性ができたらストレートに伝えます(笑)。ちゃんと言います、「好きだよ」「付き合ってくれませんか?」って。そういうところはもしかするとプレースタイルと似ているのかな。恋愛の駆け引きとかは基本得意ではないですね、というか方法がわかりません、誰か教えてほしい(終始照れながら)!ーーズバリ好きな女性のタイプは?明るい女性が好きですね。あ、僕、ひと目惚れしやすいです(笑)。美人で、歯並びがよくて、足がキレイな人。この3つが揃っていればもう完璧です(笑)。ーーちなみに日本の有名人で好きな人はいますか?女優の新木優子さん! 笑顔がかわいいですね! 日本人の女性と知り合う機会はあまりないのですが、シャイな人が多いイメージですね。タイの女性は喜怒哀楽がしっかり顔に表れる人が多いですが、日本の女性はそこまで強くなさそうと思っています。温かく受け入れてくれたサポーターとチームメイトに感謝。ーー慣れない恋愛質問に真摯に答えてくれたチャナティップ選手。タイから移籍し、3年目となる日本での生活。印象を聞くと……。実は日本に来るまでは、日本人は気難しくシリアスなイメージを持っていました。もちろん練習や試合中は厳しいムードの時もあるけれど、クラブ内の選手もサポーターもとてもフレンドリーで本当にうれしい。それはもしかすると、僕は基本相手には笑顔で接するから、相手も笑顔になってくれるのかもしれないですね。ーーチャナティップ選手の笑顔は周りを幸せにする力がありますよね。練習を拝見させていただきましたが、とても雰囲気がよく、練習を観に来ていたサポーターのみなさんとも距離が近いように感じました。札幌のサポーターは本当に温かく、いつも応援してくださることに感謝しかありません。クラブのメンバーも僕が加入した直後、慣れない練習の中で仲良くしてくれました。みんな仲が良いけれど、特にいいのは深井一希選手。彼はかっこいい。見た目がタイの女性に人気がありそうだし。(笑)好みのタイプを探しにスタジアムへ行くのがオススメ!ーー北海道コンサドーレ札幌に加入して3シーズン目に入るチャナティップ選手。あまりサッカーを観たことがない女性がJリーグを観戦するポイントを聞いてみました。サッカー選手は体格もしっかりしているし、何より見た目がかっこいい。女性にモテそうなおしゃれもしているしね(笑)。あまりサッカーを観たことがないという女性も、一度スタジアムに足を運んでみて、見た目が好みの選手を探してみたら楽しめるはず! もちろんコンサドーレの試合の時は、僕の「サイコー!」ポーズも期待していて!時折、「勉強している真っ最中」という日本語の単語を入れながら、こちらの目を見て真面目にインタビューに答えてくれたチャナティップ選手。周りを幸せにするタイの笑顔の英雄にこれからも目が離せません!Information現在、チャナティップ選手は、2022 FIFAワールドカップ・アジア2次予選を戦うタイ代表としてタイへ遠征中!チャナティップ選手Instagramチャナティップ選手のドリブルを実際に見に行こう!次のホームゲームは……?9月14日(土)ベガルタ仙台戦 ※札幌厚別公園競技場/14:00キックオフ食欲の秋!スタジアムグルメが充実!北海道コンサドーレ札幌公式ホームページリーグスタジアムへ行くのが難しい!という方はこちらで試合が観れます!
2019年09月07日エズミ(EZUMi)の2020年春夏コレクションが、2019年9月3日(火)に発表された。タイトルは「Untitled:0339」。サンティアゴ・カラトラバの建築から着想デザイナー・江角泰俊がJALの新制服を手掛けたことでも話題を集めているエズミ(EZUMi)が、2年ぶりにファッションショーを開催。今シーズン、インスピレーションの源となったのは、サンティアゴ・カラトラバが手掛ける建築や彫刻作品だ。彼は人体構造、骨、鳥の翼など自然界の理にかなった構造形状から発想した建築作品でその名を馳せるスペインの建築家・構造家である。ベルトやドローコードを多用デザイナーの江角は、サンティアゴ・カラトラバの建築や彫刻作品における構造表現や、力のつり合いからインスパイアされた構造やディテールを、コレクションピースに落とし込んだ。具体的にはベルトやドローコードなど布をつる力を持つディテールを洋服に取り入れることで、独自のシルエットを生み出している。たとえば、コントラストを効かせたバイカラーのブラウスにはドローコードを組み込むことで、ウエストとスリーブをぐっと絞った。江角が得意とする美しいプリーツを取り入れたワンピースも、胸元にベルトをぐるりと巻き付けることで新鮮な表情を加えている。グラフィカルなチェック柄また、サンティアゴ・カラトラバの作品が持つ形態の反復による強いビジュアルは、グラフィカルなチェック柄で表現。3種類のチェックを組み合わせ、トレンチコートやドレープスカートなど多彩なアイテムに取り入れることで、コレクションをリズミカルに仕上げている。チェック柄を構成する鮮やかなカラーは、アートディレクターの多田明日香が手掛ける、人間の骨格を押し花で表現したアート作品にもインスパイアされたもの。マジェンダ、イエロー、グリーンなど豊かな色彩を織り交ぜている。
2019年09月06日アキコアオキ(AKIKOAOKI)の2020年春夏コレクションが、2019年8月30日(金)に発表された。現代のユニフォーム×東洋の民族衣装今シーズン、デザイナーの青木明子が取り組んだのは、以前から服作りのベースとしていた“ユニフォーム”に、東洋の民族衣装の要素を加えるというアプローチ。現代社会を生きる人々ならば誰でもそのシルエットが思い浮かぶテーラードジャケットやYシャツといった“ユニフォーム”を、それとはかけ離れた存在である東洋の民族衣装と掛け合わせることにより再構築した。一枚の布から生み出されるシルエットを意識コレクションのベースとなったのは、グレンチェックのテーラードジャケットや、ピンストライプのシャツなどマスキュリンな“ユニフォーム”たち。そこに、東洋の民族衣装から着想を得て、一枚の正方形の布から生み出されるドレープやボリューム感を意識したディテールを落とし込み、フェミニンなピースに仕上げている。例えばブラックのシャツは、歩くたびに空気を含み、裾が美しく揺れ動くドレスに姿を変えている。グレンチェックのテーラードジャケットも、ボリューミーなドレープを取り入れたオールインワンに再構築された。青木が今まで意識してきた西洋の構築的な服作りから脱却し、一枚の布を身体に巻き付けて服を創り出すような東洋的なアプローチを試みたという。男性的な“ユニフォーム”にフェミニティをプラスまた、下半身に布をたっぷりと使いつつも、胸元やサイド、バックスタイルを大きく開けて肌を露出させることで、フェミニティをプラス。ウエストにリボンやテープを結んだり、コルセット風のベルトを配したりと、青木が得意とするディテールを取り入れることで、男性的な“ユニフォーム”を女性的なシルエットへと昇華する手法も見て取れた。フューチャーリスティックな演出披露の舞台となったのは、宇宙を意識したフューチャーリスティックな空間。強いライトが差し込む真っ白なフロアに、鏡面を配した柱状のモニュメントが立ち並んでいた。またRMK(アールエムケー)とのコラボレーションによるメイクアップも、ブルーのアイシャドウやホワイトのアイラインを駆使した未来的な仕上がり。フューチャーリスティックな演出で、民族衣装をコンセプトとしたコレクションピースを引き立たせた。
2019年09月02日エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)は、2020年春夏ウィメンズ&メンズコレクションを発表した。“フランス”から着想今シーズンのテーマは“フランス”。フランスならではの多民族性や、フランスの作家・ジャズトランペット奏者のボリス・ヴィアンから着想を得たコレクションを展開する。軽快でアヴァンギャルドな雰囲気の漂うプリントTシャツや、様々なファブリックを使ったウェアからは、多様な主張を受容するフランスの空気を読み取ることができる。ジャカードやプリントなど多彩なファブリック注目したいのは、トロピカルなハワイアン柄のファブリックや、一見パッチワークのように見える、様々な柄を組み合わせたプリント、カラフルなマドラスチェック、小花柄など、多様性を表現するかのように多彩なテキスタイル。アクティブなベージュのブルゾン、カーゴパンツには、ホワイトのシャツ、エスニックジャカードのベストを組み合わせて、着こなしにアクセントをプラスする。淡いピンクやライトブルーのストライプのジャカード生地は、凹凸のあるソフトな質感が特徴的。ポンチョとワンピースを組み合わせることで、軽快で開放的な着こなしに。目の異なるチェックを組み合わせたマドラスチェックのワンピースには、同柄のジレを重ねることで流れるようなドレープが加わり、より遊びのあるシルエットを作り出す。ツイードジャケットやボーダーカットソーなど加えて象徴的なのは、ツイードで仕立てたノーカラージャケットだ。一見するとシックなオーラを放つものの、中に着た活動的なジャケットや、ラフなワンピースと組み合わせることで、カジュアルな雰囲気に溶け込んでいく。身頃には、紋章を思わせるゴールドのブローチを複数飾り、華やかに仕上げた。また、フレンチシックを彷彿させるボーダーのフーディーやカットソー、パンツなども展開する。フラワー刺繍デニムのオールインワンやジャケットカラフルなフラワーモチーフの刺繍を配したインディゴデニムは、ジャケットやベスト、パンツ、オールインワンに用いられている。柔らかな肌触りと表情豊かなシワ感に、花の色彩が映え、春夏らしい穏やかな空気感を作り出す。オールインワンには、細かいドットの半袖パーカー、ボーダーカットソーを組み合わせることで、爽やかな雰囲気を演出する。バブアー、キーンとコラボまた、バブアー(Barbour)とコラボレーションしたアノラックパーカーやショートジャケット、コートは、洗いにかけた、独特の風合いが印象的。キーン(KEEN)とコラボレーションしたサンダルも登場する。
2019年08月20日ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)は、2020年春夏ウィメンズ&メンズコレクションを発表した。インダストリアル&エレクトロパンクの精神を表現「Deeper Than Night」と題した今季は、インダストリアルミュージックとエレクトロパンクの精神を表現。ノイジーな電子音楽とともに、“インダストリアル”から連想される工業的なイメージも投影し、ダークでゴスな世界観を繰り広げる。金属的な表現象徴的なのは、金属を用いたハードなデザインだ。パワーショルダーのクラシカルなコートやバイカージャケットの背中や裾、袖にはシルバージップがあしらわれ、自在に開閉する事ができる。つなぎ目を残した武骨で大ぶりなチェーンのネックレスやベルトチェーンは、スタイリングのアクセントとして用いられている。ヨシコ クリエーション(YOSHiKO CREATiON)とコラボレーションした、指を象ったリングも大胆でアイキャッチなアクセサリーだ。また、フロッキー加工やアルミの粉によって、光とともにグラデーションを描くパンツやTシャツも、無機質な表情。布地にダイレクトに人工的かつ金属的な装飾をあしらうことで、異なる物質同士を同化させた、ノイジーなムードを漂わせた。ノイジーな表情の布地ヴィンテージライクなシワ感のレザーで仕立てたセットアップや、所々褪せたような質感のデニムジャケット、風合いのある不均一な光沢感のブラックレザーコートなど、素材の表情から読み取れる退廃的な空気感も印象的だ。カットソーやシャツにあしらわれたグラフィックプリントは、デザイナー・柳川荒士の友人でもあるフォトグラファー・コリー・ブラウン(Coley Brown)が手がけたもの。陰影の中に浮かぶ木々や、枯れた花は、絵画的な美しさを見せながらも、儚い存在として写し出されている。変形可能なパターンメイキング前述したシルバージップ付きアウターも含め、変形可能なパターンで仕立てたジャケットやニット、スウェットなどが散見された。デニムジャケットやメッシュのカットソーは、袖を後ろに垂らすようにして着用し、カーキのテーラードジャケットは、バックに配したボタンを外して背中を開け、インナーを見せるようにしてスタイリング。既存の袖とは異なる部分から腕を通したトレンチコートは、パワーショルダーの造形がより際立っている。尚、前シーズンに引き続き、ランウェイショーではダークなエレクトロバンド・ダイスピープル(Dicepeople)がライブパフォーマンスを行った。
2019年08月17日デザイナー山岸慎平によるメンズブランド、ベッドフォード(BED j.w. FORD)がミラノで2020年春夏コレクションを発表。
2019年08月08日エルメネジルド ゼニア クチュール(Ermenegildo Zegna)の2020年春夏コレクションがミラノで発表された。
2019年08月07日