1995年1月17日に起こった阪神・淡路大震災のとき、約100名の被災者の皆さんに、避難時の知恵などについてアンケートをとりました。あれから16年たつ今も、教訓として役に立つこの声。「いちばん困ったこと」、「いちばん怖かったこと」から見える備えをご紹介します。■「いちばん困ったことは?」1.眼鏡・コンタクトレンズ圧倒的多数の意見が「眼鏡」でした。「就寝中のことなので、飛び起きたときにはどこに置いたのか記憶がすっ飛んでいた」、など、多くの方が「眼鏡、眼鏡……」と暗闇のなかで手探りをしていたと証言しています。コンタクトレンズも同様でした。阪神・淡路大震災は暗闇の時間帯に起こったため、「避難時に、よく見えないことが原因で負傷した」という人も多くいらっしゃいました。また、めがね店の多くは商品を破損していてなかなか再開せず、その後の生活にもとても困ったとのことでした。2.靴一瞬で家具やモノが散乱したため、玄関まで歩くにも足の裏をケガする人が続出。「枕元には、靴やスリッパを置いて寝ること」、「余震が続くときは、最低、靴下を履いて寝る! はだしではとても逃げられないですよ」という声が多数あがりました。3.電気大災害のときは一瞬で停電になることがあるため、寝室やベッドのすぐそばに懐中電灯を常備しておきましょう。ホテルなど宿泊施設のベッドサイドには必ず設置してありますね。「懐中電灯の電池の間に紙片をはさんでおくと、いざというときの電池切れを防げます」、「懐中電灯はあっても、点灯しない人が多かった。電池は季節ごとに点検をすべきです!」という教えも重要です。4.通信1995年当時は、現在ほど通信網が発達しておらず、地域によっては1週間以上も固定電話がつながらないケースが続出しました。「電話が命綱と思っていたが、あてにならない。過信しないように」、「電話が通じないので、倒れた家に張り紙をしておいたら家族と会えた」など、通信手段が途絶えたときの心の混乱ぶりを訴える人が多くいました。そして、「災害のときには電話はつながらないものだ、とあらかじめ思っておくほうが精神的にいいよ」という考え方に行き着きました。このほか、中高年の方では「入れ歯」も目立ちました。「入れ歯をなくすと食べ物を飲み込まないといけなくなる。内臓にも支障をきたす」との声が相次ぎました。余震が続くときは、「ケースに入れた眼鏡、入れ歯、靴やスリッパ、携帯電話と電池式充電器、懐中電灯を一つの箱に入れて枕元に置いておく。これらはすぐに取り出せるようにしておくことが重要」とのこと。精神的にも安心です。■いちばん怖かったことは?「いちばん怖かったのは、部屋のモノが自分に襲いかかっているように見えたこと」と口々に言う体験者のみなさん。なかでも、切実なアドバイスは、「照明が落ちた場合は建物が倒壊する可能性があるので一目散に逃げて」ということです。本棚や食器棚、ピアノなど大きな家具のそばで寝てはいけないのは当然ですが、照明については気づいていない人が多いのではないでしょうか。地震が起こったときは、揺れが収まってから、照明のねじを締める、電球の破損のチェックなど、安定性の確認とメンテナンスを行ってください! 何より、「照明の下で寝たらアカンで!」という被災者の声を心に刻んでおきたいものです。■いちばん役立ったことは?1.目の前の見知らぬ人との声の掛け合い「誰もが不安と孤独のなかにいる。ちょっと声をかけてもらうだけでも気分が前向きになるものです」との証言を多数得ました。今回の東北地方太平洋沖地震は日中の出来事であり、家族は各自の職場、学校、自宅、外出先とばらばらに過ごしていることが多かったと思います。そんなとき、頼りになるのは目の前にいる人。知らない人であっても、気後れすることなく、「大丈夫ですか?」とか「すみません、助けてください」と声をかけあいましょう。災害の現場でありがたいのは、人の温かさ、誰かの声なのです。「声をかける」、「訪問する」、「メールする」。未曾有の大災害時、誰かとつながっている感覚こそが気力の礎となるのでしょう。2.笛笛は、小中学生の防犯グッズとしても使用されており、危険が迫ったときに生存を知らせる道具として重宝されます。防犯ブザーは電池がなくなる、いざというときに鳴らなかったなどというトラブルもあるので、笛のほうがよいのです。余震が続くときにはぜひ、携帯してください。官公庁発表の「地震緊急時マニュアル」などにも、笛の携帯がすすめられています。また、鈴も役に立ちます。「キーホルダーや携帯のストラップについていた鈴が役に立った」という声も複数ありました。いかがでしょうか?まとめると、「眼鏡、靴やスリッパ、入れ歯、携帯電話と電池式充電器、懐中電灯はそばにおく」「照明の下で寝たらアカン」「笛、鈴はいざというときに持っておく」どれも大切な教訓ですが、買い占めなどが報道される今、「目の前の見知らぬ人との声の掛け合い」こそがもっとも必要なのではないでしょうか。(朝日奈ゆか/ユンブル)【関連リンク】【コラム】スイミーは実在した。地震の影響か海外で『スイミー現象』【コラム】東北地方太平洋沖地震まとめ【コラム】東北地方太平洋沖地震による不正行為や便乗行為にご注意下さい。
2011年03月20日覆面作家・舞城王太郎が原案を手がけた映画『NECKネック』が8月に公開されるが、これに先駆けて本日7月16日(金)より本作の公式Twitter上で、舞城さんが新たな小説「NECK the seventh」の連載を開始することが分かった。映画『NECKネック』は独自の研究でお化けを作り出そうとする女の子・杉奈と彼女に恋する大学生の首藤友和、杉奈の幼なじみで人気小説家の越前魔太郎と彼の担当の美人編集者・赤坂英子の4人の恐怖体験を描いた“胸キュンホラー”。映画と同じ溝端淳平を主演に配し、すでに舞台作品(演出・河原雅彦)が上演されているが、舞城さん曰く「同一のモチーフによる別のストーリーの作品」になっているという。また、本作に関しては、ほかにも様々なメディア展開が発表されており、映画、舞台とはまた異なる物語を収めた文庫小説が講談社文庫より発売されるほか、劇中の越前魔太郎名義による作品が文芸雑誌「メフィスト」に掲載されることなどが決まっている。さらに今回、ついに日本人ユーザーが1,000万人を突破したTwitter上でしか読めないという異色の新連載が決定!Twitter上ということで、当然のことながら1度のつぶやきは140字以内となるが、こうした条件にもかかわらず舞城さんは執筆を快諾したという。気になる物語は探偵もの!探偵・台無策太郎(だいぶさくたろう)が、録音技師の殺人事件の捜査で犯人と思しき男を追い詰めるのだが、そこには更なる深い闇が…!7月16日(金)から8月15日(日)までの連載で1日に4回更新される予定だという。これまで、様々な形で文学界をにぎわせてきた“異端児”の新たな挑戦に映画と併せて期待が集まる。『NECKネック』は8月21日(土)よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開。「NECK the seventh」著者:舞城王太郎連載予定期間:7月16日(金)〜8月15日(日)※1日4回(12:00/15:00/18:00/21:00)更新を行う予定アドレス:※『NECKネック』公式Twilog()にてつぶやきをブログ形式で保存■関連作品:NECKネック 2010年8月21日よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010『NECK』製作委員会■関連記事:小松彩夏5年間の“初恋”は「気持ちを確かめ合っただけ」ドキドキを体験!『NECKネック』カップル限定試写会に45組90名様ご招待ドキドキ満載“胸キュンホラー”『NECK』携帯クリーナーを10名様プレゼント溝端淳平首だけの演技にトラウマ?「テンション下がる…」覆面作家・舞城王太郎が出版界をジャック!数種類の「NECK」の物語を楽しめる
2010年07月16日