アスリートやモデル、俳優たちの割れた腹筋、いったいどうすればあのようなおなかになれるのでしょうか。ボディメイク・ダイエット専門家でボディメイク・ジムShapes(シェイプス)代表の尾関紀輝(おぜき・としあき)トレーナーに、男女ともにお勧めする「腹筋を割る方法」をレクチャーしていただきました。■腹筋運動だけでは筋肉は割れない尾関トレーナーは、腹筋が割れている状態についてこう説明します。「おなかの中央にある腹直筋は、そもそも割れている筋肉です。見た目に腹筋が割れるのは、おなかの脂肪が薄くなり、腹筋の凹凸(おうとつ)が浮き出たためです。そのため、体脂肪率が10%を切っても腹筋が割れない場合や、15%以上あっても腹筋が割れる、ということもあるのです」具体的にどのようにすれば、割れた腹筋を手に入れることができるのでしょうか。「やみくもに筋トレをしても意味がありません。ポイントは2つ、『おなかの脂肪を減らすこと』と『腹筋自体の筋肉を大きくすること』です。よく、腹筋の脂肪をとるために腹筋運動を○回やっています!と耳にしますが、腹筋だけを行っても、あまり効果がありません。エクササイズとして、『太ももやお尻など体の大きな部位の筋肉を使う運動=脂肪の燃焼効率を高める運動を行ってから部位ごとに鍛える』というのが大原則です。脂肪を燃焼する器官は筋肉です。そして、太ももからお尻、おなかなど体の大きな部位の筋肉を効率よく鍛えられるエクササイズと言えば、スクワットなんです。まずは、スクワットでそれらの「大きな筋肉」を鍛え 、脂肪の燃焼効率を高めて『やせ体質』をつくります。その上で腹筋を鍛えると効果的な『腹われトレーニング』になります」(尾関トレーナー)この2つで割れた腹筋が手に入ると思うと、頑張れそうです。では、実践法を教えていただきましょう。・エクササイズ1やせ体質をつくる「ボディメイク・スクワット」両足を肩幅に開いて立ちます。背中をまっすぐに伸ばし、顔、おへそ、つま先、ひざは、まっすぐ前を向いた状態にします。両腕は頭の後ろに組む、または胸の前で交差させるなど、動きやすい姿勢をとります。鼻から息を吸いながら、1から8までカウントしつつゆっくりと腰を落とし、8で太ももと床が平行になるようにします。このとき、ひざが内側を向かないように注意し、また、かかとが浮かないように床にしっかりとつけてください。息を吐きながら、1拍で戻すぐらいの速さでスッと腰を伸ばし、元の姿勢に戻ります。これを10回で1セットとして、2~3セット。・エクササイズ2腹筋を大きくする「MRクランチ」MRとは、Maximum Range=最大範囲、クランチとは、腹筋運動の意味です。腹筋運動をする姿勢から、ひざを90度に曲げて両手を頭の後ろで組みます。背中に少し高めのクッションや枕などを置くと、腹筋運動を行いやすくなります。ポイントは、背中をクッションから離さず、おへそのあたりをしっかりと見ることです。20回を1セットとして、2~3セット。「エクササイズの1と2を1日おきに行います。特に2の『MRクランチ』は、おなかの筋肉の可動域を最大限大きく使うことになるエクササイズです。個人差はありますが、筋肉の細胞は1カ月で約60%、残りの40%は約1年で入れ替わると言われています。日々の食事のコントロールを合わせて行うと、3カ月前後で腹筋は割れてくるでしょう。まずは、3カ月で腹筋を割る!など、目標を立てて実践することもおなか割れへの早道です」(尾関トレーナー)腹筋の回数が肝心だとばかり思っていましたが、「大きな筋肉を使う運動から始めると全身の運動効率がアップする」ということです。さらに、腹筋だけにいそしむのではなく、「やせ体質をつくってから、腹筋を割るぞ」という意識をしながら取り組むことで、効果が期待できそうです。監修:尾関紀輝氏。株式会社Shapes代表取締役。AFAA認定パーソナルトレーナー。「ダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーナー」の日本における第一人者。ボディメイク指導歴は20年以上、1万人超の指導実績を持つ。『きほんのダイエット』(池田書店)、『体脂肪を落とすトレーニングプログラム』(西東社)、『一日5分で変わる体脂肪筋力トレーニング』(西東社)など著書多数。株式会社Shapes東京都渋谷区道玄坂1-20-1-B1F TEL:03-3463-6666岩田なつき/ユンブル)
2012年03月05日腰痛から解放されるために、自宅で一生懸命腹筋の筋力トレーニングを続けている人がいますが、これは本当に効果があるのでしょうか?今回も、カイロプラクティック理学士の檜垣先生に「腹筋と腰痛」の関係についてお聞きしました。(以下、檜垣先生)腹筋の筋力トレーニング方法にも、強度に応じていくつかの種類がありますが、軽度の負荷をかけるトレーニングにもかかわらず「かえって腰が痛くなってしまいました」と腰痛を悪化させてしまうケースもあります。これは、腹筋に力が入ることで、腰椎(ようつい)の背部にある筋肉の圧力が上昇してしまい、負荷が強まるためです。すると、一時的に筋肉の血流低下が起こり、もともと腰痛のある人は、痛みが誘発されやすくなる可能性があります。また、姿勢が変化すると、腰椎(ようつい)の本来有る自然なカーブが損なわれ、腰椎(ようつい)の背部にある筋肉への負担が増します。その姿勢とは……★あおむけで寝た状態で足を上げる★お辞儀は60度前傾までは、筋肉の頑張りがメインとなり、それ以上曲げると腰椎(ようつい)の関節や靱帯(じんたい)に負荷がかかります★いすに座ったり、あぐらをかいたりといった座り姿勢も負荷が強く、最も負荷が低いのは正座になります。★デスクワークでは、自然と前傾姿勢になりやすいですが、30~60度傾くだけでも負荷が上昇しますこのような負荷がかかりやすい姿勢は、腹筋よりも腰椎(ようつい)の背部にある筋肉とのかかわりが強いと言われています。つまり、腰椎(ようつい)の背部にある筋肉が疲労して、姿勢を支える働きが低下してしまい、腰部がしっかり安定せず、ぎっくり腰など腰痛発症につながってしまうというわけです。腰痛発症を予防するためには、腹筋の筋力トレーニングで、疲労した背部の筋肉にさらなる負荷をかけるよりは、背部の筋肉の働きを回復させましょう。下記にやり方を記します。●背部の筋肉疲労をためない方法★デスクワークや屈(かが)んで作業をすることが多い人は、同じ姿勢を続けないようにして、長くても1時間ごとに、歩いたり伸びをしたりするなどして、姿勢を変えてみる★帰宅したら、お風呂に浸かり、腰を温める★市販のホットパックを10分間ほど腰にあてて、腰部の血流を回復させる★丸めたバスタオルを腰にあててあおむけになり、バンザイ姿勢で10秒間ほどのびをする★布団の上にうつぶせに寝て、両手をバンザイし、両足を伸ばすポーズをした後、両手両足を交互に、バタバタさせて、背部の筋力をUP(プールの基本練習で、バタバタさせるような動作)ぜひ、腰痛持ちの方は、腹筋を鍛えるのではなく、上記のポイントに注意しながら、生活してみてください。●著者プロフィール檜垣 暁子オールアバウト肩こり・腰痛ガイドカイロプラクティック理学士・日本カイロプラクターズ協会正会員。現在は、横浜市に治療室を開院し、日々、肩こりや腰痛を始めとする不調を訴える患者さんの診療に当たっている。【関連リンク】【コラム】食欲の秋からエクササイズの秋に! 毎日たった5分の腹筋プログラム [無料]【コラム】鍛えるのは腹筋?!ビリーのネタ動画が人気急上昇中【コラム】北川景子が、減量に成功。「腹筋われました。」
2011年12月18日