昨年夏の参院選で“ウグイス嬢”に規定以上の報酬を支払っていたとして、公職選挙法違反の疑いで広島地検から家宅捜索を受けた自民党・河井案里議員(46)。疑惑について説明せず適応障害を理由に国会を休んでいたが、1月15日に記者団の取材に応じた。約2カ月半ぶりに、公の場へと姿を見せた河井議員。各メディアによると「洗いざらい調べていただき、真実を明らかにしていただきたい」と発言したものの、疑惑については「お答えすることを差し控えたい」と繰り返し返答。辞職はしないと明かし、「国会議員をどのような思いで続けるのか」という問いに対しては「日本を変えたいからです」とコメント。その後も「日本を変えたいといっているが、2カ月半経っても説明できていない時点で責任を果たしていないのでは」と投げかけられたが、会見を切り上げたという。16日の「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)など、テレビ各局は河井議員の“表情”を伝えた。それは会見を後にし、背後にあった建物に入ったときのこと。会見では神妙な面持ちの河井議員だったが、建物の中では打って変わって笑顔を見せていたのだ。そして報道陣の姿を窓から確認した途端、再び顔を戻した河井議員。その変わりように、記者たちからも思わず「笑ってたね……」と驚きの声が上がったという。「騒動の影響で、夫である河井克行議員(56)が法務大臣を辞任。国政にも影響を与えた上に他にも疑惑が報じられているのですが、会見の案里議員には立場を理解していないような言動が目立ちました。2カ月半経ってからの登場というのも、家宅捜査の段階に入れば『何も答えなくていい』という戦術が見え隠れします」(全国紙記者)また克行議員と同時期に経済産業大臣を辞任した菅原一秀議員(58)も、“雲隠れ”を続けている。昨年10月、菅原議員はメロンやカニを選挙区内の有権者に配ったという疑惑などを問われ、「国会で説明する」と発言していた。しかし、突如辞任した。「『説明する』と話した翌日に、説明することなく辞任を発表。その突然の舵きりは『一晩考えて今朝決めた』という自己中心的なものでした。ですが、その直後のブログには『本日、自らの決断をした』と一行だけ投稿。まるで英断のように見せていますが、その認識ははたして正しいものでしょうか」(前出・全国紙記者)それぞれの疑惑が報じられた後、河井夫妻や菅原議員は国会を1カ月以上も欠席した。しかし昨年12月の西日本新聞によると、通常の歳費に加えて菅原議員と克行議員には323万円強、そして案里議員には194万円強のボーナスが満額で支給されたという。そのためTwitterでは3議員への批判の声が。また彼らに厳しい態度を示さない自民党に対しても、《税金払ってる側からすると仕事せずに貰うものもらって休むって腹が立つなぁ。減給は?それを放置してた自民党は何してるの?》《自民党も甘すぎる》と姿勢を問う声が上がっている。
2020年01月17日宝塚歌劇団を10月に卒業後、間髪入れずに初のライブコンサート『紅-ing!!』の開催を発表した紅ゆずる。新たな一歩を踏み出すにあたって「これまでの男役プラス、少しだけ背伸びした“進行形(ing)”の私を楽しんでもらいたい」と話す心境に耳を傾けた。【チケット情報はこちら】2016年に星組トップスターへ就任し、華やかでスタイリッシュな二枚目と持ち前のコメディセンスを遺憾なく発揮する三枚目ぶりを両立させ、唯一無二で規格外の“個性派”として宝塚歌劇を牽引してきた紅。次の一手となるコンサートでは「今まで培ってきた“男役”あっての紅ゆずるを皆さんと共有しつつ、新たな挑戦もできれば」と意気込む。「タカラジェンヌの自分を愛してくださった方々に共感していただけるステージへ」──。そんな思いから、2020年2月7日(金)12:00回、13日(木)18:00回では特別ゲストに宝塚歌劇と紅のファンを公言するゴールデンボンバーの歌広場淳を迎えることに。彼に寄せる紅の期待は大きく、「ファンの皆様と同じ目線に立ったトークをしてくださるのでは」「歌広場さんが疑問に感じるポイントは、ファンの方が今いちばん聞きたいことでもある気がして」とオファーの意図を明かす。共演者には、壱城あずさ、如月蓮、宇月颯といった宝塚歌劇団の卒業生も名を連ねている。中でも、ゲストの美弥るりか(東京公演のみ)も含めて、紅が在籍中に結成したユニット“紅5”メンバー(現役の天寿光希を除く)が集結する懐かしのシーンはファン垂涎ものだろう。「レパートリー2曲で場持ちするのは私たちくらい」と笑う横顔には、劇団主導でなく個人的な“趣味”で始めた活動がCS放送『TAKARAZUKA SKY STAGE』の出演を機に支持された喜び、苦楽をともにした元星組の仲間に対する信頼感がにじむ。コンサートには、それぞれ楽曲を変えて繰り広げられる東京・大阪の会場限定シーンも。紅は「お馴染みの宝塚ナンバーでも、男役として歌ってきた“これまで”と、卒業後にひとりの演者として披露する“これから”とではニュアンスが異なる」と分析。今後は自然体の女性として「新たな表現方法を模索していきたい」と抱負を述べた。公演は、2020年2月6日(木)から9日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、2月13日(木)から15日(土)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて実施される。チケットぴあでの一般発売は両会場ともに、2020年1月11日(土)10:00から。取材・文:岡山朋代
2020年01月10日2020年2月、元宝塚歌劇団星組トップスター紅ゆずるの退団後初となる1stコンサート『紅-ing!!』が決定した。構成・演出は宝塚歌劇団の藤井大介。共演に在団時のユニット「紅5」のメンバー壱城あずさ、如月蓮や、宝塚OG、男性キャスト、さらに一部日程ではスペシャルゲストに熱烈な紅ファンで知られるゴールデンボンバー歌広場 淳を迎える。「宝塚人生で培ったものをフルに活用しつつ、新たな自分を発掘したい」と紅が取材会で意気込みを語った。「紅ゆずる 1st CONCERT」チケット情報まだスカートには抵抗があり、この日もパンツスタイルで登場。宝塚、そして男役からの卒業に戸惑いを隠せないと明かす。「これからどうなるのか、自分自身ドギマギしています。私は男役を何十年とやってきて、そこから急に新たなものにするような器用さは持ち合わせていないので、藤井大介先生をはじめ、今まで苦楽をともにしてきた仲間にも、私が新たに開拓していく地のサポートをしていただけたら」。タイトルはいくつかの候補の中から、「今までがあっての今の私なので、“紅続行”の意味を込めて付けました」。自身初のコンサートは新旧の楽曲披露を中心に、多彩な内容を構想中だ。「お客様と互いに発信できるのが生の舞台の良さ。やはり笑っていただける場面は必要かなと思っています」。また、期間中はゲストやバレンタイン企画が付いたスペシャル回も。「ゲストの歌広場さんはファンの方が今何を知りたいのか、宝塚ファンの歌広場さんだからこそ分かることもあるのではないかと思います。当日は一般の方がなかなか踏み込めないようなことも質問していただけると、お客様にも喜んでいただけるのかなと期待しています。バレンタイン企画は男女共に喜んでいただけるものを考え中です」。今後の展望を聞かれると、「今まで舞台人として培ってきたものが今の私そのものです。お客様に楽しんでいただけるために今自分が何を発信して、どう行動すべきか、自分の感性で臨機応変に状況判断していきたい。それを自分の武器として、今後も舞台上から自分自身の新たな発見をしていきたいと思っています。あとは、絶対に直らない大阪弁を活かして(笑)、いろんな番組などに出演させていただけたら」と思いを語る。最後はファンにメッセージを。「宝塚への愛はそのままに、新たな一歩を踏み出します。当日は『紅ゆずるの新しい一面を見つけてみようかな!』という気持ちで一緒に盛り上げていただければと思います。ぜひいらしてください」。公演は2月6日(木)から9日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて、2月13日(木)から15日(土)まで東京国際フォーラムホールCにて上演。チケットは1月11日(土)発売開始。取材・文:石橋法子
2019年12月26日4年ぶりに復活した、吉本芸人のビジュアルを格付けする「よしもと男前ブサイクランキング2019」。その結果発表会見が12月18日に都内で行われ、「アインシュタイン」稲田直樹(34)がぶっちぎりで1位に輝いた。また相方の河井ゆずる(39)は「男前ランキング」の3位にランクインした。同コンビは10年11月に結成。「第1回上方漫才協会」で大賞を獲得するなど、関西ではその名を知られていた。そして稲田がブレイクするきっかけになったのは、7月25日に放送されたテレビ朝日系のトークバラエティー番組「アメトーーク!」だった。「その日のタイトルは『稲ちゃんカッコイイ芸人』。ケンドーコバヤシさん(47)や千原ジュニアさん(45)らが、稲田さんの魅力を語り尽くすというもの。稲田さんが『遊んだろか?』と言ってナンパするのに成功率が高いことや、話題の飲食店で複数の女性とデートを楽しんでいること。さらには同棲している彼女のような存在がいることも暴露されました。かなりマメで、実はモテモテのようです」(芸能記者)そして企画が実現したのは、身内の騒動が原因だったというのだ。「稲田さんの企画が放送された当時、すでに闇営業問題でMCをつとめる雨上がり決死隊・宮迫博之さん(49)は活動を自粛していました。しかしCMスポンサーはどんどん離れ、特定のジャンル・企業・商品などをテーマとして取り上げられないように。企画が枯渇してしまった結果、吉本の“身内ネタ”でしのぐことになったんです」(テレビ朝日関係者)おかげでブレイクした稲田だが、来年はさらなる活躍と「ブサイクランキング」の連覇に期待したい。
2019年12月19日来年105周年の節目を迎える宝塚歌劇団。その幕開きの大劇場公演に主演するのが、先ごろ第3回台湾公演を成功させた星組トップスター・紅ゆずる。「責任を感じますが、自分の人生において財産になれば」と、キリッとした表情で話す。【チケット情報はこちら】『霧深きエルベのほとり』は劇作家・菊田一夫氏が1963年に宝塚歌劇に書き下ろした名作で、今回36年ぶり5度目の上演。物語の舞台はドイツの港町、船乗りのカール(紅)と、家出をしてきた名家の令嬢マルギット(綺咲愛里)がビア祭りで出会い、恋に落ちるものの身分の違いなどからすれ違ってゆく。「ふたりだけのときは“お互いがいればそれでいい”と夢見心地だったのが、彼女の家に行って突然現実を突きつけられる。カールは我慢し、人のために自分を犠牲にするという、今の時代とは違った意味の男らしさがあり、難しいです。不器用で、投げつけたような言葉の中に温かさがある人です」。その人情深い部分を見つめ、「現代に忘れ去られつつあるものを甦らせたい」と意気込む。潤色・演出は、ときに繊細にときに大胆に作品世界へと引き込む気鋭の上田久美子。「明るく振る舞うところなど、カールは私と似ているとおっしゃるのですが、そうなのかな…」と笑う紅。「上田先生の要求されるものがとてもハイレベルなので、私としても組としても勉強になります。この公演を経て、星組全体の芝居力を上げることができれば」。再演では衣装のテイストや歌など変更点も。「衣装は、現代に近いイメージ。大階段を使ってのショーアップされたプロローグから違います。私自身古き良き宝塚を知り、現代にリメイクするなかで何かプラスアルファできたらと思います」。今作で退団する男役スター・七海(ななみ)ひろきは船乗り仲間を演じる。「彼女は普段から気配りができて、すごく心のあるお芝居をする人なので、惜しい存在です」と語った。同時上演の『ESTRELLAS(エストレージャス) ~星たち~』は、満天の星々を星組生にたとえたスーパー・レビュー。「宇宙的に始まるプロローグから突然スパニッシュになるなど、場面ごとに全くテイストが異なります。トップとして大階段での黒燕尾群舞は今回が初めてなので、それも楽しみです」と、男役の真髄を新たに見せる。台湾公演を経て、「“楽しんでほしい”という気持ちが1番大切」と実感した。「今は覚えること、考えることが100もある状態ですが、そういうなかで底力を出せたら。来年は挑戦することを恐れない1年にしたいです」。やはりどんなときも、明るく笑って突き進む。公演は1月1日(火・祝)から2月4日(月)まで、兵庫・宝塚大劇場、2月15日(金)から3月24日(日)まで、東京・東京宝塚劇場にて。取材・文:小野寺亜紀
2018年12月25日最近では電車の中でスマホを見ている人も多く、お年寄りや妊婦さんの存在に気づけない人も多いのではないでしょうか。また、座席をゆずりたいと思っても声をかける勇気がないという人も。パパママ世代に、電車での席の譲り方について聞いてみました。Q.電車でお年寄りや妊婦さんに席をゆずる?1.たいていゆずる 60.5%2.たまにゆずる 29.3%3.言われたらゆずる 1.5%4.ほとんどゆずらない 3.4%5.その他 5.2%たいていゆずるという人が60%と最も多い結果になりました。自分が妊婦だった経験もあるママたちは、先輩として後輩には席をゆずってあげたい気持ちもあるようです。■もちろん譲ります! お礼を言われると自分もうれしいお年寄りや妊婦さんがいたら、声をかけてゆずるという人がほとんど。そんなときに座ってくれない人だとちょっとつらい…。ゆずることも大切ですが、もし自分がゆずってもらったときには、気持ちよくお礼を言うようにすることも大切ですね。「自分も譲ってもらったことがあるから、次は私がゆずる番!」(鳥取県 40代女性)「超お年寄りや明らかに妊婦さんならもちろん、必ずお譲りします! その前に少し観察はしますよ。微妙な年齢の方もいらっしゃるし、妊婦さんなのか肥えている方なのか見極めないと…」(神奈川県 40代女性)「お年寄り、妊婦さん、小さい子連れのママさん、譲ったら気持ち良く座ってくださるとうれしいです。変に意固地になって座らない人に当たるとつらいです」(滋賀県 30代女性)「お年寄りよ、席を譲られたら『年寄り扱いしないでください』じゃなくて、『ありがとうございます』って言って座ってよ」(神奈川県 40代女性)■声をかけずに立ち上がって席を空ける人もゆずりかたのパターンとしては、声をかける以外にただ立ち去るという人もいました。もし、間違えだったり、ゆずられてもうれしくないという人もいるかもしれないので、この方法もありかもしれませんね。「必ずゆずるように心がけています。ただ、声をかけて断られると非常に居づらいので、相手にわかるように席を移動して空けます」(茨城県 40代男性)「声をかけても断られることもありますが、そのまま座らずに席を空けておくとだいたい座ってくれます。譲ったあとはなるべく離れたところに立ちます。お礼を言われるのがなんとなく照れくさいから…」(神奈川県 50代女性)「どうぞとゆずる勇気はないので、知らんぷりして席を離れます」(福島県 40代女性)■人は見かけによらない! 私の忘れられないほっこり体験妊娠中に働いていた女性なら、一度は満員電車で「もう無理!」と思ったこともあるのではないでしょうか。つわりで気持ち悪くなったり、おなかが張って痛くなったりなど、妊婦にとって通勤はかなり負担のかかるもの。また子連れのママにとっても、自分がつらいときに席を譲られた経験はいい思い出になっているようです。「妊婦のとき、切迫でかなりつらい状態で毎日出社して居ましたが、女性で席を譲ってくれる方は少なく、男性はほとんどの方がどうぞと声をかけてくれました。また、先日は私が2歳児を連れて抱っこで電車に乗っていたら、いかついお兄ちゃんが『どうぞ座ってください』とわざわざ言いにきてくれました。人は見かけによらないんだとほっこりした出来事でした」(神奈川県 30代女性)Q.電車でお年寄りや妊婦さんに席をゆずる?アンケート回答数:5940件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年01月26日宝塚歌劇団星組トップスター・紅ゆずるが、自身初の宝塚大劇場オリジナル主演作に挑む。ミュージカル『ベルリン、わが愛』は、演劇賞を受賞した『For the people ―リンカーン 自由を求めた男―』の原田諒による新作。1920年代から30年代のベルリンを舞台に、ナチスの圧力に抗い映画作りに邁進した人々が描かれる。【チケット情報はこちら】ポスターの扮装でもクラシカルで粋な雰囲気を出していた紅。「私はコスチューム系が多く、スーツものでの主演作はあまりないので、(スーツものならではの)様式美や佇まい、レトロな格好良さを出せたらと思います」と新たな男役像に意気込む。紅が演じるテオ・ヴェーグマンは、のちにヨーロッパ初のトーキ―映画を手掛ける映画監督。陰と陽、両方の面がある大人の男性だという。「“芯”が燃えているからこそ行動に出る情熱的な人。戦争との距離感など役作りは難しいです。ただ最初は戦争の影がないところから始まりますし、決して重たい作品ではありません。色々な困難を乗り越えて彼自身成長していく物語です」映画監督の「こだわりが強いところ」は自身と似ているとも。「稽古をしていて“違う”と思ったら、そのままにせず『もう一度させてください』と先生にお願いします。つかみきれないまま、スーッと流れてしまうのが嫌なんです」と笑う。星組トップスターに就任し約10か月。「組全体をすごく見るようになりました。例えばお稽古場でも『あの早替わりは間に合うのかな』とか、自分の場面だけではなく他の場面も気になります」。その広い視野とモチベーションの高さは今作の役で存分に活かされるだろう。同時上演の『Bouquet de TAKARAZUKA(ブーケ ド タカラヅカ)』は、ベテラン演出家・酒井澄夫が手掛けるレビュー。タカラヅカレビュー90周年を記念し、宝塚の名曲や新しいスパニッシュの場面などでバラエティ豊かに綴る。「最近の宝塚のショーとは一風違う、王道のレビューです。酒井先生は歌や踊りにも“どういう物語を感じるのか”など、内面からのアプローチを要求されるので、お稽古も楽しいです」と充実した笑顔を見せる。今年11月には紅と同期である宙組トップスター・朝夏まなとが退団する。先日朝夏の舞台を観劇した紅は、「(宝塚音楽学校の)予科のときから仲が良かったんです。トップスターとして今すごく輝いていて、『あの時の女の子が、よくぞここまで』と思いました」と嬉しそうに話す。来年は台湾公演も控えている紅。「私も頑張ります!」と明るく言い放つ言葉の裏に、宝塚歌劇団を頼もしく導く覚悟を感じた。公演は兵庫・宝塚大劇場にて9月29日(金)から11月6日(月)まで上演。チケットは発売中。東京宝塚劇場公演は11月24日(金)から12月24日(日)まで。10月22日(日)より一般発売が開始される。取材・文:小野寺亜紀
2017年09月25日宝塚歌劇団星組トップスター・紅ゆずるのプレお披露目公演として1月に東京で上演されたマサラ・ミュージカル『オーム・シャンティ・オーム ―恋する輪廻―』が、梅田芸術劇場メインホールで再演される。インド舞踊、ディスコミュージック、ラップなど多彩なエンターテインメントがミックスされたミュージカル。紅は東京初演の観客の熱い反応に「よし!」と手応えを感じたそうで、「関西のお客様にも面白いときは大いに笑っていただき、気楽に観てほしいです」と楽しさをアピールした。宝塚歌劇星組公演 マサラ・ミュージカル「オーム・シャンティ・オーム-恋する輪廻-」チケット情報舞台は1970年代と現代のインド映画界。脇役俳優のオーム・プラカーシュ・マキージャーが、スター俳優オーム・カプールとなって生まれ変わり、人気女優シャンティへの愛のために奮闘する。ふたりのオーム役を演じる紅はガラリと人格が変わるのがポイント。「1幕は周りに翻弄されている“のび太”くんのような感じですが(笑)、2幕は苦労を知らないワガママな御曹司。初演では典型的な嫌われ者としてコメディ風に演じていたのですが、今回はどうしようかなと考えているところです」。それぞれのキャラクターが個性的であればあるほど、盛り上がるのがこの作品の面白さだという。「1幕と2幕で役の年代が違うので全員でガラっと雰囲気を変えることができたらと思います。場面ごとに素敵なナンバーがあるので、各場面のキーポイントを定めて魅せていきたいです」。シャンティを裏切る夫のプロデューサー、ムケーシュ役は七海ひろきが新たに演じる。「大人の男を目指してほしいですね。オームから見たムケーシュは、“どこまで根が腐ってるんだ!”という悪代官のようで…(笑)」。ムケーシュとのサスペンス映画ばりの展開も見ものだ。今作はインド映画の傑作『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』の舞台化。そのストーリーラインがかなり忠実に再現されているので、映画ファンも喜ぶであろう箇所が随所に散りばめられている。さらに“夢を叶える”という普遍的なテーマが、様々なナンバーや台詞にのせて展開し、観客の胸を打つ。「小柳(奈穂子)先生の作品はコメディな部分はもちろん、ホロッとさせる場面も多いので、お客様に楽しんでいただきたいです」。大劇場お披露目公演『THE SCARLET PIMPERNEL』を経て感じたのは「宝塚歌劇という世界観を壊してはいけない」ということ。幼い頃から宝塚歌劇を愛してきた紅が、褐色の肌で歌い踊るマサラ・ミュージカルで夢の世界の裾野を広げる。公演は、7月22日(土)から8月7日(月)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて。チケットは発売中。取材・文:小野寺亜紀
2017年07月10日宝塚歌劇団星組新トップスター・紅(くれない)ゆずるが、本拠地・宝塚大劇場でのトップお披露目公演『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット ピンパーネル)』を控え、今稽古に励んでいる。2002年に初舞台後、満を持してのトップ就任だが、「千秋楽に作品が成功したと実感できた時、“夢が叶った”と思うのではないでしょうか」と、表情を引き締めた。宝塚歌劇星組『THE SCARLET PIMPERNEL』チケット情報本作は1997年にブロードウェイで初演、2008年に宝塚バージョンとして星組で日本初上演。2010年の月組公演とも好評を博した名作が、7年ぶりに再演される。紅はフランス革命の勃発後、恐怖政治に反感を抱いて立ち上がるパーシー・ブレイクニー役。9年前の星組で、新人公演初主演を務めた思い出深い役だ。「当時は本公演中、舞台袖から(本役の)安蘭けいさんをずっと見ていました。その時には気付かなかったパーシーの動きの意味など、新しい発見がいっぱいあります」と話す。パーシーは“スカーレット・ピンパーネル”と名乗り、妻にも正体を隠し、無実の罪で捕らわれた貴族たちを国外へと救い出す。変装して敵の目を欺くなど、飄々と痛快にやってのける異色のヒーローだ。「剣で戦うより、愉快にあっという間に助け出すところが魅力。正義感はもちろん、それだけではない一癖ある部分が出せたらいいですね。イギリス貴族という色々な面で余裕のある身分ならではの行動という部分も、うまく表現できればと思います」。フランク・ワイルドホーン作曲のドラマティックな楽曲で綴られる本作には、『ひとかけらの勇気』という宝塚版で生まれた名曲がある。「新人公演では一番のみだったのですが、フルバージョンで歌うと全く違うものに感じます。本当に新しい作品を創り上げている感覚。“到底できそうにないものを乗り越える”という意味を含む『ひとかけらの勇気』は、作品全体の、そして私自身にとってもメインテーマとなっています」と力を込める。下級生の頃、安蘭けいに自分の良さを“体当たりなところ”と言われた。「今もたまにそういう下級生がいると可愛くて仕方がない」と笑う。型にはまらない個性を持つ紅だけに、新たな星組カラーが生まれるだろう。星組トップとしては組子とのコミュニケーションを大切にしている。「自分をオープンにできないとお芝居もこもってしまいますので、メンタル面まで気にかけてあげたい。星組は一人一人の個性が強い組。それをぜひ舞台にも生かしたいです」。常に温かな目を組子に向ける紅。同じ関西出身のトップ娘役、綺咲愛里(きさき・あいり)には、潤色・演出の小池修一郎氏による「愛情溢れる喝」を共に受けつつ、「絶対に引いたら駄目、 前のめりで聞こう」と言っている。「前向きに、ポジティブに」と話す紅の想いが大作を成功へ導くだろう。兵庫・宝塚大劇場にて3月10日(金)から4月17日(月)まで上演。チケットは発売中。東京宝塚劇場公演は5月5日(金・祝)から6月11日(日)まで。4月2日(日)より一般発売が開始される。取材・文:小野寺亜紀
2017年02月28日陶芸家の河井寛次郎にフォーカスした展覧会「没後50年 河井寛次郎展 ~過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今~」が、9月15日から10月23日まで美術館「えき」KYOTOで開催される。河井寛次郎は、「日本民藝美術館設立趣意書」の起草に参加して柳宗悦や濱田庄司と民芸運動を推進し、多くの工芸家を牽引した陶芸家。1921年の初個展以来、高度な技術を駆使した中国や朝鮮古陶磁の手法に基づいた作品で好評を博していたものの、次第に自らの作陶の在り方に疑問を抱き、柳宗悦と親交を結ぶとそれまでの作風を一変し、実用を重んじた力強い作品を生み出していった。また、戦後は色鮮やかな釉薬を用いた重厚で変化にとんだ独自の作風を確立する一方で実用にとらわれない、自らの内面から湧き出る自由で独創的な造形表現を展開し、その卓抜した芸術性は没後50年を迎える今なお国内外で高い評価を受けている。同展では、京都の旧宅であった河井寛次郎記念館に所蔵されていた作品を中心に、陶芸や木彫や書、調度類など約150点にも及ぶ作品を紹介。作品を通して、河井寛次郎の仕事の全貌とその深い精神世界を辿っていく。また、会期中は関連イベントなども開催される予定だ。【イベント情報】「没後50年 河井寛次郎展 ~過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今~」会場:美術館「えき」KYOTO住所:京都府京都市下京区東塩小路街657会期:9月15日~10月23日時間:10:00~20:00(入館は閉館の30分前まで)料金:一般900円、高大生700円、小中学生500円会期中無休
2016年09月02日東北大学は11月28日、アインシュタインとボーアの論争で思考実験として提案された2重スリット実験を、酸素分子の2個の酸素原子を2重スリットに置き換えることによって実現したと発表した。同成果は、同大 多元物質科学研究所の上田潔教授、フランスのソレイユシンクロトロン放射光施設のCatalin Miron研究員のグループ、スウェーデン王立工科大学のFaris Gel’mukhanov教授らによるもの。詳細は、英国の科学雑誌「Nature Photonics」のオンライン版に掲載される。アインシュタインとボーアは20世紀前半、光や電子があわせ持つ波としての性質と粒子としての性質の2重性の解釈について、論争を繰り広げた。彼らが論争の際に用いた手法は思考実験で、実際には実験を行うことなく、理論的思考によって実験結果を演繹するものだった。彼らの思考実験は、当時、実現できないものばかりだったが、のちの研究者の想像力を大いに掻き立てた。そして、現在もさまざまな実験的検証が行われている。今回、研究グループはアインシュタインとボーアの論争でも主要な位置を占める2重スリット実験を分子レベルで実現した。まず、フランスの中型高輝度放射光施設ソレイユの最先端の軟X線ビームラインにおいて、酸素分子を励起し、放出された電子と電子放出の結果生成されたイオンの運動量を同時に計測した。この実験の結果、酸素分子または解離生成した酸素原子と高速電子との間の運動量の交換を測定することに成功した。ここで、2つのシナリオが考えられたという。第1のシナリオは、高速電子の放出が酸素分子の解離の前に起きる場合で、このとき、2個の酸素原子、つまり2つのスリットはつながっている。この場合、2個の酸素原子が受ける反跳運動量は同じである。従って、どちらの原子が電子を放出したかは決定できない。第2のシナリオは、分子が解離してから高速電子が放出される場合で、この場合、一方の酸素原子が高速電子の反跳運動量を受け取るため、どちらの原子が電子を放出したかを決定できる。研究グループはこの2つのシナリオに相当する現象をそれぞれ観測し、第1のシナリオの場合には有名なヤングの2重スリット実験のように干渉縞が現れ、第2のシナリオの場合には干渉縞が消えることを実証したという。この結果は、ボーアの反論を支持するものだったとしている。
2014年12月02日