劇団印象-indian elephant-第29回公演『カレル・チャペック~水の足音~』が、10月7日から10日に東京芸術劇場シアターウエストで上演される。「国家と芸術家」シリーズの最終作となる『カレル・チャペック~水の足音~』は、新しい“国民”のための文学をチェコ語で確立をしようとするカレル・チャペックが、ドイツ語を母語とするドイツ系住民と対立する様子や、そのドイツ系住民がヒトラーの思想に絡め捕られていく様子を、チャペックの代表作『山椒魚戦争』をモチーフに使いながら描く群像劇。カレルのほか、兄で画家・作家・舞台美術家のヨゼフ・チャペック。親友で軍医・作家のフランティシェク・ランゲル。恋人で女優のオルガ・シャインプフルゴヴァー。そして、大統領トマーシュ・マサリクらが活躍。周辺国が軒並み軍事独裁体制に移行する中で、民主主義を貫き通した東欧で唯一の国、チェコスロバキア第一共和国。その時代にもがき苦しみながらも、民主主義と平和を守ろうとした芸術家たちの姿が描かれる。また、10月7日の18時30分公演、10月8日・9日の18時公演終了後にアフタートークが行われることが発表された。チケットは現在一般発売中。■鈴木アツト(作・演出)コメント『ロボット(R.U.R.)』『山椒魚戦争』で知られるチェコの劇作家・小説家カレル・チャペックと、チェコスロバキア共和国内に住む、ドイツ語話者たち(ズデーテン・ドイツ人)との関係を描きたいと思い、この物語を書いている。チェコスロバキア共和国は、第一次世界大戦中の1918年に、ハプスブルク(オーストリア)帝国の解体によって生まれた新しい国だった。しかし、新生の共和国は領域内に、様々な民族を抱え込んでいた。特に、ハプスブルク帝国時代に支配言語であったドイツ語の話者たちは、チェコ時代になって、二級市民扱いされたことによって不満を溜め、軋轢が生まれていった。その鬱屈は、二十年をかけて大きくなっていき、やがて、ドイツ語話者が多く住むズデーテン地方をナチスドイツに割譲するという、ミュンヘン協定に繋がっていく。同じ土地を故郷に持ちながら、母語が違うというだけで、分断されていく国民たち。文化は言語を通して生まれ、育まれる。だからこそ人間は母語に誇りを持つ。しかし、同じ言葉を喋らない人々に対して不寛容になり、時に恐怖心さえ持ってしまう。母語は、個人のアイデンティティーと分かち難く結びつき、“よそ者”を作り出す、人間の原罪の一つだ。チャペック兄弟の人生を借りながら、この母語と国家をめぐる物語を届けたいと思う。<公演情報>劇団印象-indian elephant-第29回公演『カレル・チャペック~水の足音~』10月7日(金)~10日(月・祝) 東京芸術劇場シアターウエスト作・演出:鈴木アツト劇団印象-indian elephant-第29回公演『カレル・チャペック~水の足音~』ビジュアル【キャスト】二條正士:カレル・チャペック根本大介:ヨゼフ・チャペック岡田篤弥:フランティシェク・ランゲル今泉舞:オルガ・シャインプフルゴヴァー山村茉梨乃(※):アレナ・チャプコヴァー岡崎さつき:ヤルミラ・チャプコヴァー柳内佑介:ヤン・マサリク井上一馬:トマーシュ・マサリク勝田智子:ギルベアタ・ゼリガー(※)=劇団印象-indian elephant-所属【アンサンブル】河波哲平、佐藤慶太、佐藤勇輝、星野真央、堀慎太郎、松浦プリシラ亜梨紗【アフタートーク】■10月7日(金) 18:30ゲスト:沈池娟(シム・ヂヨン)(翻訳家、ドラマトゥルク)トークテーマ:「劇作家とドラマトゥルク、その共同作業の先に見える景色とは?」■10月8日(土) 18:00ゲスト:阿部賢一氏(東京大学准教授、『ロボット RUR』(中公文庫)翻訳者)トークテーマ:「カレルとヨゼフチェコが生んだ偉大な兄弟の実像とは?」■10月9日(日) 18:00出演者座談会(出演者が、歴史劇を演じる際の役作り等について語ります。)【チケット情報】(全席指定 / 税込)一般:4,500円U-25:3,000円■初回割(10月7日(金) 14:00の回)一般:4,000円U-25:2,500円※U-25は25歳以下が対象です。当日、年齢のわかる書類をお持ちください。※未就学児童のご入場はご遠慮ください。チケット一般発売中公式サイト:
2022年10月06日チェコ・アニメーションの巨匠カレル・ゼマンの初期から晩年に渡る代表作を上映する「チェコ・ファンタジー・ゼマン!」が新宿K’s cinemaにて開催が決定した。ゼマン監督は、人形アニメーションや絵本で人気の高いイジー・トゥルンカと並ぶチェコ・アニメーションの創設者のひとり。第二次世界大戦中、チェコ・アニメーションの発祥地ズリーンを拠点にアニメーションの制作を開始し、チェコの伝統でもある人形劇への愛着を強く持つ一方で、切り紙アニメに人形アニメ、実写とアニメの合成など様々なスタイルを駆使した斬新な作品を多く生み出した。また、少年時代にのめり込んだジュール・ヴェルヌの小説のように、潜水艦や飛行船、恐竜や架空の動物など魅惑的な乗り物や動物が次々に登場する、SF冒険小説を思わせる作風が特徴的といえる。これらはスティーヴン・スピルバーグ、宮崎駿、ジョージ・ルーカス、ピーター・ジャクソンなどの監督たちにも多大な影響を与えたという。この度の特集上映では、初期から晩年に至る詩情とロマン溢れる代表作を集めた。ジュール・ヴェルヌ原作の『悪魔の発明』、『盗まれた飛行船』、『彗星に乗って』をはじめ、G.ビュルガーの原作をアニメと実写の合成で作り上げたファンタジー大作『ほら男爵の冒険』。『盗まれた飛行船』ペルシャ細密画のような作風で描いた大人の絵本のような初の長編作『鳥の島の財宝』。恐竜映画史に残るSFトリック・フィルムの傑作『前世紀探検』。戦争の愚かさを描いた『狂気のクロニクル』。『狂気のクロニクル』7つの短編で構成された切り絵アニメーション『シンドバッドの冒険』。ゼマン晩年の傑作『クラバート』。ゼマン最後の長編ファンタジー『ホンジークとマジェンカ』がラインアップ。『シンドバッドの冒険』また、『ホンジークとマジェンカ』と共に、短編『プロコウク氏 映画制作の巻』も同時上映される。「チェコ・ファンタジー・ゼマン!」は4月23日(土)~5月6日(金)新宿K’s cinemaにて開催。(cinemacafe.net)
2022年03月17日ジョン・クラシンスキーとスティーブ・カレルが映画で初めて共演することになった。作品は、クラシンスキーが監督、プロデューサー、脚本、主演を務める『IF』。キャロリナスキーとカレルが共演するのは、コメディ番組『ジ・オフィス』以来のこと。クラシンスキーは無名の駆け出しだった時に、カレルが主演するこの番組でレギュラーの役を獲得し、ブレイクを果たしている。映画にはほかにライアン・レイノルズ、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、『ミナリ』の子役アラン・キムも出演。レイノルズはプロデューサーも兼任する。配給はパラマウント。北米公開は来年11月。文=猿渡由紀
2022年01月26日大統領選でトランプに大敗した民主党選挙参謀が田舎の町長選挙で大波乱を巻き起こす、スティーヴ・カレル主演の選挙エンタメコメディ『スイング・ステート』の公開日が9月17日(金)に決定。併せてポスタービジュアルと特報映像が解禁された。この度解禁された特報映像では、民主党逆転のキーマンとして田舎で酪農家をしているジャック(クリス・クーパー)を抜擢したゲイリー・ジマー(スティーヴ・カレル)が、町長選に勝つさせるべく裏の手奥の手を駆使してフェイス・ブルースター(ローズ・バーン)と仁義なき戦いを繰り広げる様子の一端が描かれる。「ゲーム開始だ」と息巻くゲイリー、ドヤ顔で銃をぶっ放すジャック、ゲイリーの顔を舐め回すフェイス・ブルースター、コミカルな名演技が笑いを誘う。ポスタービジュアルでは、“選挙は最高!”のキャッチコピーとともに存在感あるアメリカの国旗柄の帽子を被ったスティーヴ・カレルを中心に、ローズ・バーン、クリス・クーパーなどの個性的なキャストが周りを囲む。“この選挙何かおかしい!?”の言葉そのままに舞い散る札束の中には牛も混じっており、大波乱の選挙戦を予感させるビジュアルとなっている。『スイング・ステート』は9月17日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スイング・ステート 2021年9月17日よりTOHOシネマズ日比谷・渋谷シネクイントほか全国にて公開©2021 Focus Features, LLC. All Rights Reserved
2021年07月19日スティーブ・カレルが主演するロバート・ゼメキス監督最新作『Welcome to Marwen』(原題)が、『マーウェン』の邦題で7月19日(金)より日本公開決定。場面写真も到着した。5人の男に暴行されたマーク・ホーガンキャンプは、瀕死の重傷を負い、9日間の昏睡状態に陥る。目が覚めたときには自分の名前も覚えておらず、歩くことさえままならなかった。脳に障害を抱え、襲撃の後遺症(PTSD)に苦しむ彼はまともなセラピーも受けられず、治療代わりにフィギュアの撮影を始める。自宅に作った空想の世界“マーウェン”では、G.Iジョーのホーギー大佐と5人のバービー人形が迫り来るナチス親衛隊と日々戦いを繰り広げていた。次第にマーウェンの写真は評価され、やがてマークの個展が開かれることに。そして、勇気を与えられたマークは、避けていた暴行事件の裁判で証言しようと決意するが…。ゼキメスワールドが全開!共演にダイアン・クルーガーら本作は、ヘイトクライム(憎悪犯罪)の被害者で、障害を抱えながらも独自の世界観でカメラマンとして認められた、マーク・ホーガンキャンプのドキュメンタリー『Marwencol』を、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ 一期一会』のゼメキス監督が待望の映画化。主演は、『フォックスキャッチャー』や『バイス』、『ビューティフル・ボーイ』などに出演。「ドキュメンタリーを見てすぐに、どのような形でもいいから関わりたいと思った」と自ら出演を申し出たスティーブ・カレル。今回演じるのは、5人の男からリンチを受け、脳に障害を負った実在の男性マーク・ホーガンキャンプ。命の危機に瀕する程の大怪我を負い、リハビリのためにフィギュアの撮影を始めるマーク。自分や友人たち、そして自分を襲った男たちを模した人形を使い、第2次世界大戦時の村という設定のミニチュアを自宅の庭に築き、現実世界と向き合っていく。キャストにはほかにも、『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』のレスリー・マン、『ナショナル・トレジャー』シリーズのダイアン・クルーガー、歌手としても活躍するジャネール・モネイ、『ベイビー・ドライバー』のエイザ・ゴンザレス、『スター・ウォーズ』シリーズのグウェンドリン・クリスティー、メリット・ウェヴァー、レスリー・ゼメキスが出演している。また、本作の現実と空想が交差する壮大な世界を表現するため、3,900万ドル(およそ44億円)の製作費が注ぎ込まれたという本作。マークが制作したジオラマの中を、ミニチュア人形となった美女たちが動きまわるというファンタジーに溢れた本作は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズファンも喜ぶ“あのマシン”を登場させるなど、ゼメキスワールド全開となっている。『マーウェン』は7月19日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年05月24日リチャード・リンクレイターの次回作に、スティーブ・カレル、ブライアン・クランストン、ローレンス・フィッシュバーンらが主演することになった。タイトルは『Last Flag Flying』。その他の情報原作はダリル・ポニックサンが2005年に出版した本で、1970年の『The Last Detail』の続編に当たる。『The Last Detail』は、『さらば冬のかもめ』として、ジャック・ニコルソン主演、ハル・アシュビー監督で、1973年に映画化された。リンクレイターは、『さらば冬のかもめ』の主要キャストを呼び戻すことも考えたらしいが、最終的に、新しいキャスティングにすると決めたようだ。リンクレイターの最新作は、『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』。カレルの最新作は、ウディ・アレンの『カフェ・ソサエティー(原題)』。クランストンは『トランボハリウッドに最も嫌われた男』で今年のオスカー主演男優部門にノミネートされた。文:猿渡由紀
2016年08月31日ゴア・ヴァービンスキーが監督する心理スリラーに、スティーヴ・カレルが主演することがわかった。映画のタイトルは未定。脚本は『LIFE!』のスティーヴン・コンラッドが執筆する。ストーリーや、カレルの役柄はわかっていない。撮影は来年3月開始予定。その他の情報『40歳の童貞男』『エバン・オールマイティ』『ゲット スマート』などのコメディ映画やTVドラマ『The Office』で人気を集めたカレルは、近年、シリアスな作品で演技力を証明し始めている。カンヌ映画祭でプレミア上映されたブレット・ミラー監督の『フォックスキャッチャー(原題)』では、オスカー候補入りの可能性もささやかれているほどだ。『フォックスキャッチャー』は11月14日北米公開予定。文:猿渡由紀
2014年10月09日