福岡で働きたいと考えるクリエイターを支援する福岡市では、クリエイター同士と地元IT・クリエイティブ企業との交流を行なうイベント「ぼくらの福岡クリエイティブキャンプ IN FUKUOKA ~移住クリエイター×地元クリエイターでつくるぼくらの未来~」を、福岡市内の福岡県Ruby・コンテンツ産業振興センターにて開催する。開催日は2014年12月20日。同イベントは、福岡市内のIT・クリエイティブ企業や、福岡を始めとした九州のクリエイターたちが出会い・交流し、福岡で働くことや、これからの福岡のクリエイティブシーンを考える場をつくることを目的としたもの。参加対象者は、福岡や九州のクリエイター・エンジニアをはじめとしたIT・クリエイティブに関わる人や、福岡のIT企業で働きたいと考えている人となっている。トークゲストとして、鎌倉に拠点を構える村式の住吉優代表が登場。IT企業と地元企業が繋がり、鎌倉を盛り上げている『カマコンバレー』の一員として、IT・クリエイティブで地域をどう面白くさせているかという事例を紹介する予定だ。ほか、同イベントに参加する企業は現在求人を行っている企業のため、来場した採用担当者と、直接コミュニケーションをとることも可能となっている。なお、来場者特典として、「博多英語漬けシェアハウス」の1カ月滞在権(1名)や、九州大学芸術工学部大橋キャンパスで開催するイベント「dotFes 2014 福岡」(12月21日)の当日券が割引購入できる優待券(10名)をプレゼントする。現在、同イベントの公式サイトにて参加者を募集している。
2014年12月10日PhotoshopやIllustratorなど、クリエイターには欠かせないアプリケーションを提供しているアドビ システムズが、満を持してリリースした"ハードウェア"であるiPad対応デジタルペン&定規「Adobe Ink & Slide」。デジタルペン単体ではなく、「デジタル定規」という新機軸のデバイスとセットで用いることにより、「iPad上で"定規"を使って直線を引く」という懐かしくも新鮮な体験を可能にしている。同製品に対応した描画アプリは複数あるが、直線を描くという機能を存分に使うには、製図などを想定したアプリ「Illustrator Line」が適している。今回は、「Adobe Ink & Slide」と「Illustrator Line」を組み合わせてクリエイターに使ってもらう中で発見された、同製品を"仕事"で使うケースについてお届けする。○クリエイティブ心をくすぐるパッケージマイナビニュースでは、国内発売に先駆けた製品担当者インタビューやタッチアンドトライイベントのレポートなどを掲載してきたが、実機に触れる機会はまだ多いとは言えない現状がある。そのため、まだ実際にこのハードウェアに触れたことがない、というクリエイターもいるかもしれない。以前、「クリエイターのかばんと"中身"、見せてください!」というシリーズ記事にて取材に応じてくれたエディトリアル/グラフィック・デザイナーのSさんも、そんなクリエイターのひとり。「Adobe Ink & Slide」について聞いてみたところ、InDesignやPhotoshop、Illustratorといったアドビ製品は毎日必ず業務で使うものの、同製品にはまだ触れたことがないという。そこで今回、「Ink & Slide」初体験のSさんに、タッチアンドトライを行ってもらった。まずSさんが着目したのは、パッケージのできばえ。製品写真が印刷されたスリーブを外すと、透明なインクで立体的にCreative Cloudのマークが控えめにあしらわれている点に注目していて、その細やかな仕様には「アドビらしいデザイン」と一言。本体を収めているプレートも傾斜がつけられ、スムーズに出し入れができるようになっていることに対して、「ユーザーへのデザイン面からの配慮は、実務にあたっているデザイナーにとっても好ましく見えます」と語った。○「Ink & Slide」を"実務"で使うシーンを考えるSさんは普段、雑誌や企業広報誌などのエディトリアルデザインを手がけている。そのため、iPad対応ペンのレビューに多く見られるイラスト描画による使用感ではなく、何よりもデジタル定規「Slide」に興味を示していた。というのも、Sさんにとって、定規は実務を行う上で手放せないツールだからだ。ページレイアウトのラフを引く時には必ず定規を用いるため、直線を引くという行為が日常の仕事に根付いているという。それから、Sさんは「Illustrator Line」を立ち上げ、右手にデジタルペン「Ink」、左手にデジタル定規「Slide」を持ち、まずはSlideで直線を何度か描いた。それから、Slideに搭載されているボタンを押すことで、直線のガイドが円や三角形のものに切り替わる動作を試すと、「スムーズに切り替えられて使いやすいですね」とコメントした。その後、線や図形をいったんすべて消してしまうと、Sさんは直線を引いて画面中央に長方形を描き、何か細かく書き込み始めた。聞くと、これは仮想のページレイアウトのラフだという。普段はノートに手書きでラフを描いて、その後InDesignで実際のレイアウトなどを決めて行くということで、最初のラフと実際の作業との間には、デジタルとアナログの壁ができているそうだ。最後に、今回のタッチアンドトライの感想を聞いたところ、仮想のラフをある程度描き込み終えたSさんは、「もしもプロジェクトに参加しているメンバー全員にiPadとこのデバイスが支給されたら、Creative Cloud経由でラフのデータを共有して、遠隔地にいる人との確認作業が可能になるかもしれません」と、デジタルならではの利便性に言及。続けて、「Illustratorと連携できるのも便利そうですが、個人的にはInDesignと連携するアプリが出てきたらかなり嬉しいですし、業務のフローに組み込めて便利そうです」と、ラフの「デジタル化」と、アドビがアプリケーションやサービスをクラウド化したことによって可能になったシームレスな「共有」に期待をこめていた。ちなみに、アドビの技術をアプリに組み込むことを可能にする「Creative SDK」の配布によって、今後続々と「Ink & Slide」に対応したサードパーティアプリが登場することが予想される。その中に、Sさんが語った「InDesign連携のモバイルアプリ」が登場することもあり得るかもしれない。デジタルペンによる描画と言えば「イラスト」というイメージが強いが、エディトリアルデザインをはじめとしたその他の分野でも、このツールが生かされるようなアプリが登場することを期待したい。
2014年12月03日エイベックスは、作曲家、トラックメーカー、リミキサー、DJ等を募集する「クリエイター・DJオーディション」を開催している。音楽ジャンル、プロアマ、経験、実績等は不問。優秀者には、プロデビューへのチャンスが与えられるほか、楽曲制作またはDJコースのレッスンを無償提供される。エントリーの締め切りは来年2月15日。審査費用は無料。同オーディションは、エイベックスが若い才能を発掘すべく、J-POP、アニソン、ボカロから、EDM、HIP HOP、R&B、ハウス、テクノ、ダブステップといったクラブサウンドまでジャンルを問わず、クリエイターやDJを募集するもの。優秀者には、同社所属アーティストへの楽曲提供やリミックスのチャンスが与えられるほか、国内外トッププロデューサーやライターとの共同楽曲制作、レーベルのディレクターによる制作ディレクションなどの機会も与えられる。さらに副賞として、DJスクール「International DJ & Production School」(東京都・千代田区)の楽曲制作コースまたはDJコースのレッスンを半年間、無償提供されるなど、トップDJやプロデューサーとしてのプロデビューに向けてのバックアップが約束されている。エントリー希望者は、2015年2月15日までに同オーディションの特設サイトの下部にある「エントリー」ボタンから、写真や楽曲、動画ファイルをアップロードするとともに、設置された入力フォームにて必要事項を送信する(郵送不可)。応募終了後、3週間~1か月以内に一次通過者のみに連絡され、全国5都市の会場(札幌・東京・名古屋・大阪・福岡)で面談審査が行われるということだ。
2014年11月25日現在、様々な会社から発売されているスタイラスペン。ペンタブレット「Intuos」や「Cintiq」シリーズを展開する、クリエイター御用達のメーカー ワコムからも「Bamboo Stylus solo」「Bamboo Stylus duo」、「Bamboo Stylus fineline」、「Intuos Creative Stylus 2」といった数種のスタイラスペンが販売されている。今回はこれらの製品に対する同社の想いを、マーケティング担当者である則行あかね氏に聞いた。――iPhone6が発売され、画面サイズが大きくなりました。よりスタイラスペンの需要が増してきたなか、9月に4つの新製品を発表されましたね。はい。第3世代目となるBamboo Stylus solo、Bamboo Stylus duoと新しくペン先の細いタイプで筆圧感知をするBamboo Stylus fineline、Intuos Creative Stylus 2を発表しました。今回のBamboo Stylus soloとduoで、目新しさはペン先ですね。導電繊維を使っているので、滑らかさが増したのと、摩擦が少なくなるので、かなり耐久性もアップしました。それから、第2世代はペン先の細さを追求し5ミリだったものを6ミリに変更しました。これは近年様々なデバイスが発売されていて、それらのデバイスに幅広く使えるように最適化を図った結果です。――使われている導電繊維もワコム独自のものを採用されているとのことですが、その理由は?他社のものを利用することもできたのですが、今回はナイロンに炭素粉末を混ぜた特殊な繊維を、ワコムオリジナルで開発しました。そこにこだわった理由はやはり滑らかさと耐久性にあります。当社の検証結果ではこれまでの自社スタイラスペンの10倍ほどの耐久性を実現しています。スタイラスペンというと、絵を描いたり、文字を書いたりすることを想像される方が多いのですが、実は一番多い使われ方としては、画面のナビゲーション操作なのです。操作をする上でのスムーズさを追求したことと、ゴム素材だと画面にタッチした跡が残りやすいなどの課題を改善するため、オリジナル導電繊維を採用しました。――そのほか、たくさんある他社のスタイラスペンとの違いは?ひとつのペンを永く使っていただきたいので、当社の製品は基本的にペン先が交換できるようになっています。壊れてしまったら新しいものを購入いただかないといけない製品が多い中、ペン先が交換できる製品はめずらしいですね。交換用のペン先も他社よりお求めやすい価格でご提供しています。――デザインに関してもこだわりはありますか?第3世代Bamboo Stylus soloとduoに関しては1枚のアルミ板をプレスして作っているデザインが特徴です。また、書くことに集中できるデザインがテーマでしたので、ペン先の形状をよりアナログなペンらしさを実現するということを意識して開発しました。実はこの製品は、全世界共通して“Made in Japan”なんです。我々の製品はその製品によって商品企画やデザイナーのメンバーが違うのですが、今回は商品企画もデザイナーも日本人が担当しています。――iPad向けの極細スタイラスペン「Bamboo Stylus fineline」の特徴は?大きく分けて5つあります。やはり一番の特徴は細いペン先です。その細いペン先でより自然で滑らかな書き心地を実現させるため、ペン先に“ポリアセタール”という樹脂を使っています。ふたつ目は対応するアプリケーションをご使用いただくことで活用いただける筆圧感知です。よりアナログに近い感覚をiPad上で再現できるようにこだわっています。3つ目は対応するアプリケーションによって異なるのですが、サイドスイッチの割り当てです。例えば当社が開発しているBamboo Paperでは、サイドスイッチに消しゴムを割り当てることで、ペンを選択しておきながらも、サイドスイッチを押したまま操作をすることで消しゴムとして使うことができるのです。アンドゥなどに設定することもできるのですが、デジタルならではの機能だと思います。4つ目は、パームリジェクション機能です。対応しているアプリで、パームリジェクション機能に対応している場合、手を画面につきながらペンを使ってもペンに優先して反応するため、誤動作なく作業ができるようになります。最後に、2時間の充電で約26時間の連続使用ができることも特徴ですね。充電が必要となるスタイラスペンの中ではかなり長いほうだと思います。――クリエイター向けのハイエンド製品にあたる「Intuos Creative Stylus 2」の特徴は?デザインは「Intuos Pro」のペンを踏襲したもので、“フレア形状”と呼ばれる持ちやすさが特徴ですね。クリエイターの場合、長時間使用になるので持ちやすさに対する要望が強いのです。また、前機種ではペン先の素材はゴムで6mm径でしたが、使う方の好みもありますが、径が太いと描く際に描画される線とペン先との位置関係が分かりづらいという声もありました。ペン先の材質をゴムから樹脂に変更することで、ペン先の太さを細くするとともによりアナログのペンに近い形状にすることができました。それから、この製品とBamboo Stylus finelineは1本1本工場でスペック通りの筆圧感知が出ることを確認し、SDKを介してきちんと表現できるように調整してから出荷しています。そこは当社のこだわりですね。――今回からバッテリーが乾電池ではなくなっていますよね。そうです。乾電池を入れると後ろが重くなってどうしても書く際にバランスが悪くなってしまっていたのが改善されました。USB経由で充電できるコネクタを仕込んであります。――クリエイターの方が独自でグリップを作って換えたりカスタマイズしている方も多いのですが、メーカー側で純正の商品を発売するということは考えていないのでしょうか。技術的な制約がない限りはやってみたいとは思っていますが、スタイラスペンでのグリップというのは今のところはないですね。Intuos Proの場合はグリップが太いものもあります。――デジタルペンのこれからのあり方についてワコムとしてはどのように考えていらっしゃいますか?紙を完璧になくすべきだとは思っていません。紙は紙で良い部分がありますし、それを踏まえた上でデジタルペンの便利さを提供していきたいと考えています。例えば、アナログのペンにも種類がたくさんあるのと同様に太さやデザインが異なる製品を提供したり、ノートの代わりとなるアプリなど使用環境も踏まえて開発を行っています。今回発売したBamboo Stylus finelineのようによりアナログっぽさを体感できる製品を、今後も開発していきたいと思っています。――ビジネス用途での筆圧感知機能の搭載にはどのような意図があるのでしょうか。これまでも紙にメモを書く時に意識はしていなくても薄い字があったり、太い字があったりしますよね。それをデジタルでも表現したいというのが当社のこだわりなのです。筆圧感知はイラスト制作のための機能だと思われがちですが、我々としてはデジタル上でアナログを再現させるひとつの要素であると考えています。なくてもいいという方もいらっしゃると思いますし、実際社内でもなくてもいいのではないかという議論もありました。私自身も最初はなくてもいいのかなと思っていたのですが、アナログで書いている時は、少なからず筆圧は関係しています。それをあえてデジタル上でなくす必要はないよねという結論に至りました。――ありがとうございました。クリエイターがより繊細なタッチを再現するために磨いてきたと思っていた筆圧感知機能を同社では「デジタル上でアナログを再現させるひとつの要素」と表現したことが非常に興味深かった。タブレットPCやスマートフォンなど、"紙"に代わるデバイスは数多く生まれているのに対し、"筆"に代わるものがあまり生まれていない現状。この状況をどう打開していくのか、今後のワコムに期待したい。
2014年11月15日●「Adobe MAX」で発表された内容の"ベスト"な部分をおさらいアドビシステムズは、東京都・六本木の東京ミッドタウンホールにおいてクリエイターの祭典「Adobe CREATE NOW "Best of MAX"」を開催した。ここでは、午前中に行われた「キーノート」セッションの模様をレポートする。「Adobe CREATE NOW "Best of MAX"」は、"Inspire"、"Learn"、"Connect"という3つのキーワードをテーマとした3部で構成されている。そのオープニングプログラムであるキーノートセッションでは、"Inspire"をキーワードに、ゲストスピーカーによる講演や、10月4日~8日に米国ロサンゼルスで開催された「Adobe MAX」の内容を受けたCreative Cloudの最新情報などが紹介された。○高解像度デジタル映像の需要により、制作現場にも変化キーノートセッションは、アドビ JAPAC地域マーケティング バイスプレジデント・木ノ本尚道氏の挨拶で幕を開けた。木ノ本氏は、近年、高解像度のデジタル映像へのニーズが非常に高まっているとし、12月12日に公開される映画「ゴーン・ガール」の編集に「Premiere Pro」が使われていることや、日本の次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)において、4K放送のデータ制作ツールとして「Premiere Pro CC」が指定されていることを紹介した。こうした環境の遷移によって、制作現場でもさまざまな変化が起こっており、デザイナーがコーディングを覚えたり、Webデザイナーが動画編集を学んだりするなど、クリエイターは常に新しいツールを学び、それを使いこなしているという。また、デザインの領域においても変化が激しくなっているとし、さらにビジネスの分野においても「クリエイティブを重要視している会社は10%以上収益の成長率が高い」というデータを紹介したうえで、「アドビはすべてのクリエイターのデザイン能力を信じ、デザインに敬意を表し、今後も長い間サポートしていきたいと考えています」と聴講者にアピールした。一方、「Adobe MAX」で発表された数多くのアップデートの中でも、特に注目してほしいのが「モバイル」だと強調。昨今のモバイルデバイスのパワー向上に関して「このパワーをコンテンツ消費のためだけでなく、制作ツールとしても利用できると考えている」と述べ、あいさつを締めくくった。○「Adobe MAX」で発表されたアップデート内容とは次に、同社マーケティング本部 西山正一氏とCreative Cloud エバンジェリスト 仲尾毅氏のふたりが登壇。西山氏は冒頭で、Twitter上でのキャンペーンについて案内。続いて「Adobe MAX」でのアップデート内容について、"クラウド時代のワークフロー"と言える制作環境を実現する「クリエイティブプロファイル」、クリエイティブプロファイルを通じて、デスクトップとモバイル間を連携する9つの新しい「モバイルアプリ」、キーボードやマウスがない環境でのクリエイティブへの取り組みである「タッチインタフェース」、そしてアップデートによってさらに進化した「デスクトップアプリ」という4つのポイントを紹介した。続いて、仲尾氏によるふたつの新しいモバイルアプリのデモへと移行。カメラで撮影したモノの輪郭を検出して自動的にベクトルデータ化するアプリ「Shape CC」のデモでは、筆で書かれた文字をiPhoneカメラで撮影し、即座にベクター形式のデータとして保存。それをクリエイティブプロファイルを通じて、iPad上の「Adobe Draw」やデスクトップの「Illustrator」上で読み込んで活用する様子を実演した。続いて、身の回りにあるさまざまなアイテムから「Photoshop」や「Illustrator」、「Photoshop Sketch」(モバイルアプリ)で使える"ブラシ"を作成できるアプリ「Brush CC」のデモ。チューブから絞り出した本物の絵の具をiPhoneカメラで撮影し、ターゲット(利用アプリ)や種類、切り抜き、調整などを行って作成したブラシを、iPad上の「Photoshop Sketch」上で利用する様子を披露。さらに、同アプリで作成したビットマップ画像をIllustratorへ転送し、Illustratorの「オブジェクト」メニューから「Sketch and Line Art」→「パスまで拡張」を選択することによって、パスに自動変換されるという新機能もあわせて紹介された。さらに西山氏が「Creative SDK」がパブリックベータとして公開されたことを案内。これにより、モバイルアプリの機能の数々やクリエイティブライブラリへのアクセス、「Photoshop Mix」の画像編集機能などを、サードパーティー製アプリが無償で搭載できるというものだ。既に「Snapwire」などのアプリでCreative SDKの画像編集機能が使われているという。そして、数々のデスクトップアプリのアップデート内容として、「Dreamweaver」が64ビット化を果たしたことなどを紹介。特に注目してほしいアップデートとして、6月の時点ではベータ版であった「Creative Cloud Extract」(旧称:Project Parfait)が晴れて正式リリースされた点を挙げた。これは、Photoshopを使わずにPSDファイルを編集できるという強力な機能で、夏にCreative Cloud上のストレージサービスのひとつとして登場したものが、このたびPhotoshopやDreamweaverに追加されたということだ。仲尾氏のデモでは、Creative Cloudのストレージ上にPSDファイルをアップするだけで動的なプレビューができるとともに、CSSを瞬時に生成する機能などを実演。同機能がこのたびDreamweaverに搭載されたことを紹介し、グラデーションの抽出や画像の移動および形式変換などをPhotoshopなしで行えることをデモで見せてくれた。最後のテーマとなったのは、同社の「タッチインタフェース」に対する取り組みについてだ。今後、このタッチ操作どのようなクリエイティビティが実現できるかを、マイクロソフトとの協業で進めていくという。ここで仲尾氏が「Surface Pro 3」のタッチインタフェースによる、最新版のillustrator CCの操作シーンをデモした。ジェスチャーによる操作や付属のペンのみによる描画、タッチ操作による直感的な編集、タッチスライドや雲形定規、ペンの筆圧に応じた描画、雑に引いた線をつなげてくれる「連結ツール」などを実演したのち、「Surface Pro 3でのタッチとペン操作による新感覚のIllustratorをぜひ皆さんにも体験していただきたいと思います」と語った。西山氏によれば、今後はアドビとマイクロソフトとで「タッチインタフェースによるクリエイティブワーク」についてのセミナーを開催していく予定だという。また、Illustrator以外にも、さまざまなアプリケーションに応じたタッチインタフェースの開発を進めていくということだ。●クリエイティブ表現の最前線を走る2名によるトークセッション○人の顔を使ったプロジェクションマッピング「OMOTE」の舞台裏ここからは2名のゲストスピーカーを迎えてのセッションとなる。最初は、映像制作会社「P.I.C.S.」のプロデューサー・浅井宣通氏による「テクノロジーは夢を見る」。浅井氏は、世界中で話題を集めた"人間の顔"に投影するプロジェクションマッピング「OMOTE」の制作者として、一躍時の人となった人物だ。冒頭の挨拶では作品の反響の大きさをあらためて実感している様子が窺えた。映像制作会社でミュージックビデオやCMを作っていたが、最近になってプロジェクションマッピングの企画やプロデュース、テクニカルディレクションに携わるようになったという浅井氏。「OMOTE」は仕事ではなく、プライベートなプロジェクトとして友人と3人で作ったという。8月中旬に動画投稿サイト「Vimeo」にアップロードしたところ、1日で100万アクセスという世界的な広がりを見せ、まだ公開から2カ月ほどしか経っていないにも関わらず、世界各国からイベント出演依頼や具体的な制作依頼が相次ぐなど目まぐるしい日々が続いているという。「OMOTE」は自主的なプロジェクトのため予算がなく、有名なモデルを使うこともTVや新聞などでの紹介もなかったが、同作品がコンテンツの力だけで世界に伝わったことによって、「作品力(おもしろさ)=媒体力」であることをあらためて感じたという。面白い物を作れば世界中の人が見てくれるということは、すべての人に開かれている可能性であり、素晴らしいことだと語った。続いて、「OMOTE」のメイキングの紹介となった。同作品のタイトル「オモテ」とは「能のお面」のこと。3Dで制作したお面を顔にかぶせることがコンセプトになっているという。まずは女性モデルの顔を3Dスキャニングして「ポイントクラウド」と呼ばれる点の集まりからなるデータを作成。その点同士をつないで面にした3Dモデルを作り、同時に発泡スチロール製のモックアップを組み上げたという。次に行ったのは「テクスチャシューティング」。ヘアメイクアーティストが実際に顔にメイクしたものを3方向から撮影し、そのデータを3DCGソフトで3Dモデルにテクスチャとして貼り付けることで、パソコン内で動かせるリアルな3Dモデルになるという。そのテクスチャをはがした、やや不気味な2Dの顔データを土台として、アニメーションを作成していくとのことだ。続いて、顔の位置を検出する「キャリブレーション」や動いた顔の位置を取り込む「モデリング」をすることで、パソコン内の3Dモデルと実際の女性モデルの顔の動きと同期し、パソコンの画面に映っているものを女性モデルの顔にプロジェクターで投影することで、ピッタリ合う仕組みになっているという。また、このような作品を作る上での大切なポイントとして、「テクノロジーの精度」(位置がズレていたりタイムラグが生じると面白くないから)、「クライアントワークでは精度の追求が難しい」(開発時間が足りないから)、「表現について」(テクノロジーのギミックだけでは、人は感動しない)、「普遍性と時代性」(変わらないものと時代によって変わるものの両方が必要だと語る。OMOTEの場合の"普遍性"は日本の伝統や美意識、"時代性"はテクノロジーによるギミック)、そして「根性」(あきらめないこと。OMOTEは途中何度も挫折しかけたが、6カ月かかって完成した)という5つを挙げた。このほか、友だちが集まって作りはじめたが内容がまとまらず、毎週夜中まで徹底的に議論して皆が納得できるまで詰めた結果、ひとりではできない優れた作品ができたという経験から感じた「コラボレーションのメリットとデメリット」や、好きでなければ夢中になれない、好きでやっていれば気づいたときには上達しているという"「好き」力"や、自分が面白いと思うことによってエネルギー源となる"「ワクワク」力"、そして記憶をコーヒー豆、パッションは熱湯、創造力を作品に例えた方程式「創造力=記憶×パッション」、そして自分の中のやる気は何だろうと考えた浅井氏が共感できるという楽曲として、槇原敬之の「ぼくの一番欲しかったもの」を紹介。会場内に曲が流れたのちエンディングとなった。○「無から有を生み出す物」と言う意味ではクリエイターは「創造主」キーノートセッションのラストは、クリエイティブラボ「PARTY」を率いるクリエイティブディレクター・伊藤直樹氏による「BE CREATOR! ~君は神になりたいか~」と題されたセッションだ。伊藤氏は最初に「クリエイター」という言葉について、イギリス人の英会話の先生から「クリエイターを英語にすると創造主(つくりぬし)を意味する」と指摘されたエピソードを紹介。その瞬間は顔が赤らんだものの、自分でクリエイターと名乗ることもあながち悪いことではないと感じたという。その理由として、「創造主」や「神」というのは言い換えれば「無から有を生み出した者」であり、われわれクリエイターが常に感じている「今までになかったものをこの世に生み出したい」という思いと合致しているからだという。ネット上には多くの「神」が存在するが、その人たちはきっと無から有を生み出した人であるからこそ称賛されるのだとし、「自分たちも常にそうでありたい」という思いを明かした。続いてスクリーンに映し出されたのは「12(9)」という数字。これは、同社で最も多くのソフトウェアを扱えるデザイナーが、実際に扱えるソフトウェアの数だという。合計12種類で、そのうちアドビ製品が9種もあり、ひとりで何でもできてしまう「フルスタック系」として頑張っているという。ここで伊藤氏は自分の過去を振り返り、20歳では「何かを作りたい」という思いがあったものの引きこもりであったが、25歳で広告代理店に入社してひきこもりは卒業。それでも「1人がいい」と思っていたが、30歳になりもの作りはできるが「ひとりでは限界」だと感じたという。35歳でもの作りをしてきたが「皆とやることは大変だ」という思いが募ったが、40歳で皆とのやり方がわかり、震災直後に「PARTY」という会社を設立。東京とニューヨークに拠点を置き、現在30名ほどのクリエイターが在籍しもの作りをしているという。PARTYとは「徒党」であり、その意味は「あることをなすために団結する」ことだ。伊藤氏は、本当は「孤高」が好きだが、無から有を生み出すためには徒党を組むほうがいいと感じたとそうだ。続いて、同社が携わった数々のプロジェクトを、制作費とそれに関わった人数とともに紹介。最後に制作費300億円(当時の貨幣価値で30億円)で21万人もの人が関わった「東京タワー」の例を挙げ、「いつかは21万人の規模で東京タワーのようなものを作りたい」という夢を語り、キーノートの最後を締めくくった。
2014年11月13日ニューヨーク発の自転車の祭典「バイシクル フィルム フェスティバル(bicycle Film Festival、以下BFF)」が、11月1・2日に東京・青山にて開催される。東京での開催は3年ぶり。世界中から数百もの応募があった中から厳選されたプログラムを始め、日本での未発表作品を加えたベストヒットのプログラムを用意。青山学院・アスタジオ等で上映する。青山国際連合大学前広場のファーマーズマーケットでは、自転車関連グッズの販売や各種ワークショップを実施予定。1日の21時より「バイクス ロック パーティー(Bikes Rock Party)」も開催され、大人から子供まで楽しめるイベントが目白押しだ。チケットは1プログラムあたり前売り1,000円、当日1,100円でPeatixにて販売中。全プログラム共通のパスも2,800円で用意。BFFは2001年にニューヨークで誕生した、自転車にまつわる映像作品を集めたイベント。メキシコシティーやブエノスアイレスを始めとする中南米の都市や、イスタンブール、ケープタウンでも開催されている。プロアマ問わず数百の映像作品が集結し、BFFでしか観られないバラエティーに富んだプログラムがそろう。
2014年10月24日TOKYO WORK DESIGN WEEK事務局は、11月19日~25日にかけて、働き方の祭典「Tokyo Work Design Week 2014(通称:TWDW)」を開催する。○「しごと体験」など4つの体験プログラムを開催同イベントは、11月の「勤労感謝の日」にあわせて開催するもので、今年で2回目となる。今回は7日間にわたり、東京都の「渋谷・ヒカリエ」を中心に都内各所で開催。20代・30代の今後の新しい働き方やビジネスの未来について考える機会を設ける。イベントには、4つの体験プログラムを用意。「カンファレンス」では、7日間で20以上の働き方にまつわるスペシャルプログラムを開催する。国内外の新しい働き方の旗手たちのプレゼンテーションやパネルディスカッション、ワークショップなどを予定している。ヒカリエ以外にも、都内各所のサテライト会場で実施する。「新しい武器展」では、これからの働き方には欠かせない次世代ビジネスツールやコミュニケーションガジェット、書籍を"新しい働き方の武器"として展示する。入場無料。渋谷ヒカリエ8階のギャラリースペースで開催する。「しごと体験」は、憧れの職業を1日体験できるサービス「仕事旅行社」とのコラボレーション企画。毎日7日間、異なるしごと体験ができる。「照明デザイナーになる旅」(11月19日)、「ものづくり系女子になる旅」(11月20日)、「仕事旅行社で働く旅」(11月21日)、「社内起業家コンサルタントになる旅」(11月22日)などを予定している。また、お酒を飲みながら、みんなで気軽に"新しい働き方"について話ができるバー「しごと Bar」が、リトルトーキョー(虎ノ門)に期間中オープンする。ゲストとして、高島友和さん(日本財団)、玉樹真一郎さん(わかる事務所)、ナカムラケンタさん(日本仕事百貨/リトルトーキョー)などが、1日マスターとして登場する。同イベントのチケットは、公式ウェブサイトにて10月15日から応募受付を開始した。イベント詳細もウェブサイトにて順次発表していく。
2014年10月21日2014年10月5日(日)に東京・秋葉原にて開催される電撃文庫ファンへの大感謝祭「電撃文庫 秋の祭典2014」。その会場内に、「電撃文庫 秋の祭典2014×とある自治体の地域振興」のオリジナルデザイン自動販売機が1日限定で設置される。自動販売機はもちろん「ヤシの実&パインサイダー」(価格:120円)の専用機となる(※当日は、補給体制が整えられるが、販売状況によっては常温に近い状態での販売になることもある)。さらに翌日の10月6日(月)からは電撃のオフィシャル通販サイト「電撃屋」でのケース販売が開始されるので、複数本購入したい方はこちらもオススメだ。ケース販売は24本入りで、価格は2,880円(送料別)。また、今回の自動販売機の設置に協力した「とある自治体の地域振興×グルーヴガレージ」ブース(電撃文庫SHOP対面)では、立川限定のとある自治体の地域振興オリジナルグッズをはじめ、同社のとあるシリーズの人気グッズが販売されるので、こちらも注目したい。(C)鎌池和馬/アスキー・メディアワークス/PROJECT-INDEX MOVIE(C)鎌池和馬/冬川基/アスキー・メディアワークス/PROJECT-RAILGUN S
2014年10月01日「ディオール(Dior)」は伊勢丹新宿店1階ザ・ステージにて、香りと色の祭典「ディオール レ パルファン」を開催する。会期は8月20日から25日まで。「香り」に関しては、ディオール フレグランスのスペシャリスト達が、12種類の限定フレグランス「ラ コレクション プリヴェ クリスチャン ディオール」から、1人ひとりに最も合った香りをセレクトするというサービスを提供。ディオール独自のクリエーティビティーの集大成ともいえる同コレクションは、「クチュリエであり、パフューマーである」という、ブランド創設期より受け継がれるエスプリの象徴。12種類はいずれもディオール ハウスと関係が深い名前を持ち、値段は各3万1,500円(125ml)。ディオール本店のアドレス「モンテーニュ通り 30番地」を表現したシプレーの香りを楽しめる「グリ モンテーニュ(GRIS MONTAIGNE)」、光り輝くフローラルブーケの香りでディオールが魅了された大舞踏会を表した「グラン バル(GRAND BAL)」などがそろう。また、伝統的キャンドルメイキングの技術から生まれた5種類のキャンドル「エクスクルーシブ キャンドルコレクション」もお目見え。各9,500円で、別売りでキャンドル アクセサリーもそろえる。そして「色」に関しては、カラーのエキスパートである、ディオール メイクアップ アーティスト達が、アイシャドウやネイルの限定カラーを用いながら、フレグランスのイメージに合わせたメイクを提案。「グリ モンテーニュ」にインスパイアされて誕生した限定アイシャドウ パレット「サンク ルール #656 パステル ショック」(7,600円)、「グラン バル」にインスパイアされた色味のアイシャドウ パレット「トワ クルール スモーキー #531」(5,800円)を使ったルックは、ともに秋冬に似合うエレガントな表情が魅力だ。加えて、ネイルも限定色が販売される。併せて、同店1階ファッションゾーン フレグランスコーナーでもディオールの限定フレグランスの販売を開始する。
2014年08月20日マイナビニュースは、クリエイティブに携わる人の制作・業務中の"あるあるネタ"をテーマとした川柳を募集するコンテスト「クリエイター川柳」のグランプリ作品を決定した。同コンテストでは、クリエイティブ職の人からそれを目指す学生まで、制作・業務中にありがちな事柄に関する川柳を募集。得票数上位の作品を編集部内で審査した結果、Webデザイナーの悲しい熱帯魚さんの作品「エクセルで 画像を送るな パワポもな!」が選ばれた。賞品として、マイナビニュース内の人気コンテンツ「デザイナー 哀の劇場」作者である漫画家のまずりん先生による、世界でひとつだけのSNS向けアイコンが贈られる。ちなみに、選出理由としては、クリエイターの制作現場でよくありがちな場面を切り取っていること、川柳自体の語気の強さと裏腹なコミカルかつ腰の低いコメントなどが挙げられた。なお、そのほかのクリエイター川柳についても特設ページから見ることができるので、現在クリエイティブに携わっている人も、逆にクリエイターへ依頼を行う側の人も、悲哀が込められた川柳の数々を読んでみてほしい。
2014年06月24日スーパーオクトーバーフェスト in 東京ドーム 2012実行委員会は30日~12月2日までの3日間、東京ドームにて、ドイツビールの祭典「スーパーオクトーバーフェスト in 東京ドーム 2012」を開催する。同イベントは、その年醸造された新ビールを祝福する世界最大のビールの祭典としてドイツ・ミュンヘンで行われている「オクトーバーフェスト」の日本版イベント。2003年に日本に上陸して以来、10年目となる本年は、本場ドイツ・ミュンヘンの雰囲気と迫力、臨場感を東京ドームに再現する初めての試みとなる。イベント初日の30日17時より、会場中央に設けたステージにて、バイエルン州駐日代表部代表のクリスティアン・ゲルティンガーさんらをゲストに迎え、イベント・アンバサダーの蝶野正洋さん、春香クリスティーンさんとともに、「ビール樽割りセレモニー」を実施する。本場ミュンヘンで今年仕込まれた「オクトーバーフェストビール」の大樽を豪快に割り、豊作の秋に感謝の意をささげる開会式となる。会場内の来場者とともに、「PROSIT!(ドイツ語で「乾杯」の意)」の歌を合唱する。また、セレモニー後は、オクトーバーフェストの代名詞ともいえる伝統の民族衣装に身を包んだ春香クリスティーンさんが、販売ブースにて「一日店長」として、会場を盛り上げる。開催日は、11月30日・12月1日・2日の3日間。営業時間は、10時~23時で、最終入場は営業終了90分前の21時30分まで。会場は東京ドーム(東京都文京区後楽1-3-61)。通常前売り券は、各日1,200円、3日間通し券2,500円。当日入場券は各日1,300円。中学生以下は無料となる。その他、詳細は「スーパーオクトーバーフェスト in 東京ドーム 2012」Webページまで。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月22日