出社する必要もなく、専門分野を生かしながら自分のペースで仕事に臨める「クラウドソーシング」が話題を呼んでいます。『クラウドワーキングで稼ぐ! ―時間と場所にとらわれない新しい働き方』(吉田浩一郎著、日本経済新聞出版社)は、日本最大級のクラウドソーシングサービスとして知られる「クラウドワークス」の創業者。クラウドソーシングに関する第一人者として、このビジネスの可能性を本書で明らかにしているわけです。とはいえ、クラウドソーシングについて漠然とわかってはいても、まだまだ知識が足りないと感じている方も少なくはないはず。そこで改めて、このビジネスの可能性についておさらいしてみましょう。■クラウドソーシングの意味「クラウド」は「群衆(crowd)」で、「ソーシング」は「外部委託(outsourcing)」の意。クラウドソーシングとは、この2つを組み合わせた造語です。2005年にこの考え方を初めて提案したのは、米「WIRED Magazine」の編集者・ライターであるマーク・ロビンソン、ジェフ・ハウの両氏。クラウドソーシングについては、「従業員によって行われている機能を、ウェブ上に開かれた外部ネットワークを通して、世界中の群衆(crowd)へ委託(sourcing)すること」と定義しているそうです。クラウドソーシング、つまり業務を委託する主体は当然ながら企業ということになります。■クラウドワーキングの意味同じく注目しておきたいワードが、業務を委託される側の立場に立った「クラウドワーキング」。ちなみにこちらの「クラウド」は、クラウドソーシングの「群衆(crowd)」ではなく、「雲(cloud)」のこと。これはIT業界で使われている「クラウドコンピューティング(cloud computing)」の略称。いうまでもなく、さまざまなデータをインターネット上に保存するサービスです。著者によれば、クラウドソーシングとクラウドワーキングは、コインの表裏のような関係。大まかに説明すれば、前者の視点は「企業」であり、後者の視点は「個人」。クライアントである企業が、受注者としてのクラウドワーカー(おもに個人)に対して仕事を依頼する「群衆(Crowd)+外注(Sourcing)」の関係がクラウドソーシング。そしてクラウドワーカーが、クライアントに対して業務実行・納品を行う「雲(Cloud)+働く(Working)」の関係がクラウドワーキング。■世界の市場は1兆円規模へ当然のことではありますが、クラウドワーキングが成立するためには、「企業がどれだけ仕事を依頼するか」というクラウドソーシングの市場規模が重要な意味を持つことになります。なお、その点について参考になるのが海外の事例。なぜなら欧米ではすでに、クラウドワーキングが広く浸透しているからです。そして、それを立証するものとして著者は興味ふかいエピソードを引き合いに出しています。2014年春に開催されたカンファレンス「クラウドソーシング・ウィーク(Crowdsourcing Week)」においての、当時のElance(イーランス)による役員による講演のこと。驚くべきことにその方は、2015年にはクラウドソーシングの世界市場が1兆円規模に達しているだろうと予測したというのです。事実、この見通しは正しいものになりつつあり、世界的な視野で捉えた場合、角国でクラウドソーシングサービスが急速に広がっていることが実感できるのだといいます。■国内でも市場が急成長中!そうなると、気になってくるのは日本の状況。この点について矢野経済研究所は、2015年に650億円、2018年には約1,820億円まで成長すると予想しているのだとか。およそ3年程度の期間で、一気に2,000億円規模にまでふくらむと指摘しているわけです。また、業界の活性化と健全な発展に貢献することを目的として、クラウドソーシング大手各社が立ち上げた「一般社団法人クラウドソーシング協会」の中長期予測によれば、8年後の2023年には国内市場もおよそ1兆円程度まで成長するだろうという試算結果が出たというのです。*つまり、これがクラウドソーシングの可能性。インターネットの普及と足並みを揃えてワークスタイルが刻々と変化していくなか、この動きには大きく注目する必要がありそうです。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※吉田浩一郎(2015)『クラウドワーキングで稼ぐ! ―時間と場所にとらわれない新しい働き方』日本経済新聞出版社
2016年02月22日NECネクサソリューションズは2月17日、マネージドネットワークサービス「Clovernet(クローバーネット)」シリーズとして、クラウドで管理を行うWi-Fiソリューション「Clovernet クラウドWi-Fi」の販売を開始した。同ソリューションでは、アクセスポイントにLANケーブルを接続するだけでWi-Fiが利用可能になる。接続するデバイスを制限できるため、1台のスマートデバイスから安全に社内外のネットワークに接続できる。クラウド上で設定を管理できるため、アクセスポイントごとの設定が不要であり、移設時の手間も軽減する。「Clovernet クラウドWi-Fiサポートセンター」で複数台、複数拠点のWi-Fi運用を支援するほか、同センターのオペレーターがエンドユーザーからの直接の問い合わせにも対応する。無線規格としてはIEEE802.11ac(無線区間の最大通信速度1.3Gbps)に対応しており、1台のWi-Fiアクセスポイントで50台までのモバイル端末の利用をサポートする。プランは2種類用意されている。ベーシックプラン(小規模向け)は基本機能(IEEE802.11acのギガWi-Fiも利用可能)を網羅しており、Wi-Fiアクセスポイント1個当たりの月額利用料は2980円から(税別)。ハイエンドプラン(中~大規模向け)は、来訪者向けに特定Webサイトを表示する指定Webサイト表示機能、ダッシュボード(利用状況表示画面)機能、Facebook Wi-Fi機能、高密度Wi-Fiアクセスポイントでの電波干渉を防ぐ電波出力自動調整機能などのを利用可能で、Wi-Fiアクセスポイント1個当たりの月額利用料4480円から(税別)。
2016年02月17日イタロ・ズッケーリ(Italo Zucchelli)によるカルバン・クライン コレクション(Calvin Klein Collection)が1月17日、ミラノにあるカルバン・クライン社欧州本社にて16-17AWメンズコレクションを発表した。
2016年01月24日Cerevoは1月22日、クラウド型スマートマイク「listnr」を発売。同日、製品発表会を開催し、Cerevo 代表取締役の岩佐琢磨氏がlistnrの開発経緯などをプレゼンテーションした。listnrは、CES 2016に参考出品されたクラウド型スマートマイク。もともとは2015年1月にInterphenomが発表した製品で、クラウドファンディングサイトKickstarerにて資金提供を募っていた。目標の50,000ドルを上回る約63,000ドルを集めたが、2015年3月にKickstarterからプロジェクトの停止勧告を受け、開発を中断。その後、プロジェクトはUPQの代表取締役でCerevoのプロダクトマネージャーを務める中澤優子氏に引き取られ、Cerevoが製品開発を引き継ぐこととなった。listnrの機能を一言でまとめるなら「人間の声から感情を推察し、スマートフォンにアイコンで通知する」とするのが適当だろうか。listnrは集音用マイクとWi-Fi機能(IEEE 802.11b/g/n)を内蔵し、感知した声を音声解析エンジンに送信。解析結果をスマートフォンに通知する。解析する音声の対象としているのは、声は発するが「言語」までは達していない0~2歳の乳幼児だ。音声の解析エンジンには、パナソニックが提供するサーバー「xauris(ゾウリス)」を採用。listnrが内蔵マイクで感知した乳幼児の声を解析し、乳幼児の感情を「Laugh(笑う)」「Cry(泣く)」「Babble(喃語)」「Growl(叫ぶ)」の4種類にカテゴライズする。解析結果はスマートフォンにアイコンで通知し、乳幼児の感情を離れた場所にいても知ることができる。アプリの対応OSはAndroid 4.4以降。iOS版アプリは追って提供する予定だ。今後は開発者向けにAPIを公開し、xauris以外の音解析エンジンや音認識サーバーを認識エンジンとして設定できるようにする予定だ。たとえば、「ドンガラガッシャーン」といったモノが壊れる音を感知すると、スマートフォンにメッセージを送るように設定するなど、listnrとスマートフォンを組み合わせたサービスを独自に開発できる。解析結果は、スマートフォンだけでなくlistnr本体にも通知され、LEDライトに色で表示する。listnrは、子どもの監視を目的としたツールというよりも、家族との繋がりを実感できる"ゆるい"コミュニケーションツールとしての活用を目指し開発されている。「いまだ電気が通っていないものをスマホ連携・ネット連動で改革する」というコンセプトで製品開発を行ってきたCerevo。これまでに、スマートフォンと連携したスノーボード用バインディング「SNOW-1」、自走式のプロジェクター搭載ロボット「Tipron」、センサー内蔵のロードバイク「ORBITREC」などをリリースしている。岩佐氏は、プレゼンテーションの中で、販売店が「どこの棚に置いたらいいのやら……」と迷うような新しい製品を開発したいと話していた。Cerevoの今後の展開にも目が離せない。
2016年01月22日一般財団法人 家電製品協会は1月22日、スマートハウス普及のための人材育成を目的とした新たな資格制度「スマートマスター」の設立を発表した。説明会では、家電製品協会 専務理事 伊藤章氏らが登壇。スマートハウスの定義や、スマートハウス普及に向けた課題、そして新資格制度の役割についての説明があった。○そもそも「スマートハウス」とは?スマートハウスとは文字通り「賢い家」だが、家電製品協会が定義する「スマートハウス」は大きく2つに分けられるという。1つめは、エネルギー消費効率の向上を目指したインフラを設置した家。設備間でデータをやりとりすることで、家庭内のエネルギーを最適に制御できる。具体的には、電力供給者と各家庭の連携をはかる「スマートメーター」や「スマートグリッド」などがこれにあたるだろう。家の中の設備としては、太陽光をはじめとする家庭内発電設備や蓄電池、これらのエネルギーを家庭内で統合管理する「HEMS」(※)の存在。こういったインフラ設備を駆使することで、効率的かつ快適に節電が可能だ。最終的には、家庭内で作った電気だけでエネルギーをまかなう「ゼロエネルギーハウス」を目指す。※HEMS:Home Energy Management Systemの略。家電や電気設備とつなぎ、エネルギー使用状況を可視化したり、自動制御したりするためのシステム。2つめの定義は「家庭内のニーズやライフスタイルに合わせたサービス」を提供できる家。ホームゲートウェイを介してスマートハウス機器をインターネットとつなげることで、留守時の防犯システムや、独居老人の見守りサービス、家の中のエアコンや照明などを外出先からコントロールするといったサービスが実現する。○問題は「専門家がいない」こと新築時やリフォーム時に「節電効果の高い設備にしたい」「便利なサービスを導入したい」というニーズは多い。現在も、さまざまなスマートハウス関連製品が発売されている。しかし、スマートハウスはインフラ設備から家電製品まで複雑に連携するため、「総合的にアドバイスできる人がいない」「誰に相談すればよいのかわからない」といった問題が起きている。そこで、一定の知識を持った専門家が、実現したい家のコンサルティングやアドバイスを行えるよう、専門の資格制度の導入が決定された。それが今回の「スマートハウス」だ。伊藤氏は「将来的には、スマートハウスについてはスマートマスターに相談すればよい、という時代にしたい」と意欲を見せた。○社会のエネルギー問題から家電製品まで説明会中盤では、家電製品協会 認定センター センター長 森拓生氏が登壇し、新資格制度の内容について説明した。森氏がスマートマスターの資格要件として挙げたのは以下8項目。これらを学習し、修めた人を「スマートマスター」として認定する。エネルギー問題を起点とする社会の変化と家庭の変化中核機器スマートメーター、HEMSの機能と「家」における役割ゼロエネルギーハウス(ZEH)の構成要件重要コンセプト「創エネルギー・蓄エネルギー・省エネルギー」を実現する製品スマートハウスの「家」としての基本的構造・仕様・機能スマートハウス化に向けたリフォームビジネスの基本スマートハウスが生み出す多様なサービス家電製品・技術が生み出す新たな付加価値上記に挙げたスマートマスターの資格要件は各関連業界の有識者の協力のもと決められた。森氏は「スマートハウス関連ビジネスや家電製品、エネルギー関連商材、リフォームにかかわるビジネスをしている人、それだけでなく、建築士・電気工事士・工事担当者などの国家資格を持つ人にはぜひ取得してもらいたい。電機、エネルギー、住宅関連業界への就職を目指している学生にとっても、有効な資格だと考えている」とコメントした。試験は年2回実施される予定で、第1回試験は2016年9月4日および7日の2回。受験申請期間は6月1日から7月25日まで。試験科目は「スマートハウスの基礎」と「家電製品」の2科目となる。受験料は2科目受験で税込9,230円、1科目受験で税込6,180円となり、合格した場合は11月1日付で認定証が交付される。森氏はスマートマスター資格の学習用教材として、自身が執筆委員として関わった学習用テキスト「家電製品資格シリーズ スマートマスター インテリジェント化する家と家電のスペシャリスト」についても紹介した。NHK出版から1月26日に税別3,800円で発売される。○スマートハウスの未来は最後に神奈川工科大学創造工学部 ホームエレクトロニクス開発学科教授・スマートハウス研究センター所長・HEMS認証支援センター センター長の一色正男氏が登壇。スマートハウスの展望について語った。一色氏は「スマートハウスにかかわる製品は、今までそれぞれの規格でコントロールしていた。我々は『ECHONET Lite』と呼ばれるサービスプラットフォームを推進し、現在さまざまなメーカーがこの企画に沿ってスマートハウス製品を開発している。ECHONET Liteはオープンプラットフォームなので、新しいメーカーも参入しやすい。このため、今後スマートハウス関連の製品はさらに活気づくだろう」とコメントした。
2016年01月22日IDCフロンティア(IDCF)は1月20日、同社のクラウドサービスである「IDCFクラウド」上で、パートナーが自社の製品やサービスを自由に公開し、それらを顧客(ユーザー)が無償で試用できる機会を提供する「エコアライアンス」を開始した。この「エコアライアンス」は、同社が昨年秋に発表したサービス戦略の1つである「データ集積地」の実現のための施策となっている。同社の取締役 兼 カスタマーサービス本部長を務める石田誠司氏は、「"サーバセンター"から"データセンター"にようやくなろうと決心した。これまではお客さまのサーバを預かり、それを運用するという"サーバセンター"であったが、ビッグデータやIoTをはじめとする、データをハンドリングする時代となり、ようやく本当の"データセンター"という定義ができるのではないだろうか。そうしたデータを集める場を、これから皆さまに提供していく」と語った。「エコアライアンス」は、クラウド上にマーケットプレイスを公開し、パートナーを顧客と有機的につなげるという構想。キーワードとして「Land and Expand」が掲げられており、まず1回使ってもらい、納得してもらったら拡大・拡張していくという考え方となっている。「フリーのエリアで、まずは使用感を味わってもらうことから始める」(石田氏)同社は昨年12月にコミュニティテンプレート機能を公開し、これまではIDCFクラウド上に作成したテンプレートをユーザー自身が使うことは可能だったが、同機能によって、ほかのユーザーに公開し、ユーザーはそのテンプレートから仮想マシンを作成することが可能となった。これにより、ユーザーはCMS(Contents Management System)やバックアップ、脆弱性診断や運用監視といった各パートナーによる専門性の高いアプリケーションをクラウド上で自由に試行錯誤して、自社に最適なインフラを構築できるようになった。同社のビジネス開発本部 パートナーセールス部 部長を務める霜鳥宏和氏は、IDCFクラウドを運営していく中で見えてきたという、アライアンスの成功パターンについて、次のように述べた。「1つめは、ユーザーに使ってもらう機会をかぎりなく増やすこと。2つめは、パートナー同士のサービスがつながること。ベンダー各社のサービスだけでは足りないものを、パートナーが補完することによって、付加価値のあるものに進化する。これがクラウド時代のアライアンスの新しいかたちではないだろうか」(霜鳥氏)現在、すでに20社が「エコアライアンス」のパートナーに認定されており、パートナーから公開されているテンプレートの数は5点だという。その中には、イノベーション・ファームが提供する秘密分散技術を活用した「分散PortKey」や、フィックスポイントが提供するシステム運用の自動化基盤「Kompira」などが挙げられた。IDCFでは、今後パートナーを拡大し、今年度中に100社の参加を目標に掲げている。
2016年01月21日米Razerは1月6日(現地時間)、「スマートウオッチではなく、スマート化された腕時計」を掲げるデジタルウオッチを2モデル発表した。直販サイト限定となる「Razer Nabu Watch Forge Edition」は1月6日の発売で、価格は199.99ドル。通常モデルの「Razer Nabu Watch」は149.99ドルで1月下旬の発売予定。日本での発売時期と価格は未定となっている。本体の素材はポリカーボネートで、通常モデルはRazerグリーンのハイライト仕上げ。一報の限定モデルは、ステンレススチール製のボタンを採用し、プレミアムブラックで仕上げている。いずれも、電源として交換可能なリチウムボタン電池(CR2032)を用いることで、時計機能において約12カ月の動作時間を実現した。防水性能は5気圧。デジタル腕時計としての機能は、毎時チャイム、1/100秒ストップウオッチ(ラップタイム/スプリットタイム対応)、カウントダウンタイマー、オートカレンダー、12時間/24時間の表示切り替え、多機能アラーム、世界時計など。スマートウオッチ部分の「Nabu」は、時計表示とは別の有機EL副スクリーンを使ってさまざまな情報を表示する。スマートウオッチ部分の電源は内蔵のリチウムポリマーバッテリーで、動作時間は約7日間だ。活動量計のほか、スマートフォンとBluetoothでペアリングすることで、電話、メッセージ、メール、アプリ通知などをすべて副スクリーン上で確認できる。「ウオッチ間コミュニケーション」機能を使うと、Razer Nabu Watchを腕に巻いたユーザー同氏が握手すると、FacebookやTwitterといったお互いの情報を交換可能だ。対応する端末は、iOS 8以降のiPhone 5 / 5s / 6 / 6 Plus / 6s / 6s Plus、およびBluetooth 4.0以降をサポートしたAndroid 4.3以降の端末。
2016年01月12日マネーフォワードは12月25日、クラウド型会計ソフト「MFクラウド会計・確定申告」および近日提供開始予定の「MFクラウド経費」において、電子帳簿保存法への対応を開始することを発表した。電子帳簿保存法対応に向けた機能の1つめは、パーソナルドキュメントスキャナ「ScanSnap」でスキャンされた領収書や請求書などの電子データを、「MFクラウド会計内」のMFクラウドストレージ(β)に保管することができること。2つめは、近日提供開始予定となっている「MFクラウド経費アプリ」を使用することにより、撮影した領収書を電子データとしてアプリ内に保管することができること。3つめは、「MFクラウド会計」において、電子化された領収書や請求書をそれぞれの仕訳に添付することができること。これにより、帳簿書類間の関連性の確保をよりスムーズに行うことが可能になるとしている。
2015年12月25日協和エクシオは12月24日、情報通信インフラの構築をはじめとする通信インフラ事業に新たにクラウド技術を組み合わせたクラウド総合エンジニアリング分野を強化すると発表した。クラウド技術・サービスと連携したネットワーク・システムエンジニアリングであるクラウド総合エンジニアリングの取り組みは、2018年度までにエクシオグループ全体で2,000名のクラウド技術者を育成し、全国でクラウド総合エンジニアリングを提供できる体制を構築する。この取り組みのもとで日本マイクロソフトと連携し、2020年度にはクラウド総合エンジニアリング分野で100億円以上の事業規模を目指す。同社は「トータルICTソリューションをグループ一体で推進し、価値創造と成長基盤を確立する」という中期ビジョンのもと、グループ一体で中核事業である通信インフラ構築関連事業を基盤とした成長事業の拡大に取り組んでいる。今回の取り組みは同社が創業以来培ってきた情報通信に関わるすべての設備について企画・設計から施工、運用・保守までの一貫したサービスを全国で提供する技術と体制にマイクロソフトのクラウドサービスを組み合わせ、クラウド総合エンジニアリングを提供するものだ。具体的な取り組みとして、マイクロソフトが提供する「Office 365」「Microsoft Azure」に対応したトレーニングを順次展開し、グループ全体で2018年度までに2,000人のクラウド技術者を育成。すでに同社では大規模IPネットワーク網構築の経験を備えたネットワーク機器ベンダー系資格者やマイクロソフト認定資格者、サーバ系認定資格者などの技術者を有しており、その技術者を中心に実施していく。また、マイクロソフトのクラウドを利用する顧客向けに協和エクシオのエンジニアリング技術の強みを生かし、クラウド総合エンジニアリングの提供を行う。主な分野としてマイクロソフト提供のOffice 365(Skype for Businessなど)を活用した顧客システムの構築・運用のほか、同社提供のIoT Suite(高度なビッグデータ分析など)を活用したセンサーネットワークの構築・運用を行う。そのほか、同社のクラウドサービスと連携したシンクライアント・仮想化環境の構築・運用を中心に取り組み、早期にマイクロソフトのクラウドコンピテンシーのGoldを取得する方針だ。
2015年12月24日●スマートロックとは2015年は日本のスマートロック元年と言えるだろう。4月にフォトシンスの「Akerun」が、5月にライナフの「NinjaLock」、8月にQrioの「Qrio Smart Lock」、と3社から3製品が続けて発売された。もともと米国ではクイックセット社の「Kevo」やオーガスト社の「August Smart Lock」はじめ様々なスマートロックが登場していたが、国産製品の発売でいよいよ日本でもスマートロックの利用が本格的になりつつある。なぜ、今年になって、日本製のスマートロックが次々と登場したのか? そして未来とは? 3回に分け、日本におけるスマートロックの現状をリポートする。○スマートロックは身近で実用的なIoT製品従来、家やオフィスの鍵というと鍵穴に鍵を差し込んで開け閉めするものだったが、スマートロックではスマートフォンなどからBluetoothやWi-Fi通信を使い、解錠や施錠できるようになった。部屋を出入りするたびにいちいち鍵を出さなくてもいいのに加え、ネットを使った鍵のシェアができるのもメリットである。これまで他の人に鍵を渡すには合鍵の作製や鍵の受け渡しが発生したが、スマートロックではネット経由で鍵が渡せるだけでなく、鍵が使用できる時間や権限を指定することも可能だ。遠隔で鍵が渡せる、鍵の利用がコントロールできる、鍵の利用履歴が残せる、この3点が現在、新たなビジネスにつながるのではと期待されている。スマートロックは、身近に使えるIoT製品であることにも注目したい。離れた場所からモノの情報を把握し、制御できるというIoTの概念と技術は注目を集めているものの、実際の開発では「どんな新しい価値を生み出せるのか」「どう製品やサービスにつなげられるのか」という悩みがボトルネックになっている。そんな中、実用的なIoT製品として形になっているのがスマートロックだろう。注目を浴びるスマートロックだが、日本に登場したのは今年になってから。フォトシンス、ライナフ、Qrioの3社から発売されたが、なぜ今年に集中したのか。これは偶然の一致なのだろうか。各社代表に開発のきっかけを聞くと、キーワードが見えてくる。●開発のきっかけから見えてくるキーワード○3社のスマートロック開発のきっかけとは?居酒屋で仲間と飲んだ際に話が盛り上がったのが開発のきっかけだったというフォトシンスの河瀬航大代表は、「最初は、鍵をスマートフォンで開けたいというワクワク感といいますか、自分たちでやってみて、スマートフォンで鍵が開いたという驚きがありました。技術的にいけるのか、Bluetoothでいけるのか、そういう検証はずっとやってきましたが、実際、Bluetooth Low Energyが出てきたことが大きかった」と話す。Qrioの西條晋一代表は「元々、米国を中心にIoTの動きを追っていて、面白いものがないかなと探していたところでスマートロックがありました。ホームオートメーションの分野であることを知り、自分で買って使ってみたんですが、まだあまりいいものがなかった」と米国のスマートロックを実際に手にした上での不満が開発につながったと語る。Qrioの西條代表同様、自身の不動産を持つライナフの滝沢潔代表も「不動産で新しいことがしたい、空室をうまく使えるサービスをしたいと思っていました。実際の運営を考えたときに鍵が絶対必要で、米国のスマートロックを使おうと思ったのですが、取り付けられなかった」と米国製スマートロックが日本で実用にならなかったと話す。各社代表の言葉を見ていくと、Bluetooth Low Energyの存在と、米国のスマートロックの特性、実はこの2点が国産製品の開発につながっていく。○スマートロック登場の決め手はBluetooth Low Energyフォトシンスの河瀬代表が挙げた「Bluetooth Low Energy」はスマートロックを追う上で技術面において重要なキーワードだ。Bluetooth Low EnergyとはBluetooth 4.0規格の一部で、低電力で通信が可能という特徴を持つ。ライナフの滝沢潔代表は「通信の技術ってどれもすごく消費電力が大きいもので、Bluetooth 2.0も3.0もWi-FiもSIMも、もし電池4本で使おうとすると1日2日で電池がなくなってしまう。Bluetooth 4.0が出てきたのが約3年ぐらい前です。それがスマホに搭載され始めたのが2年ぐらい前です」という。従来のBluetoothではバッテリー消費が激しく、動力源を電池に頼らざるを得ない。そのため、製品を長期間利用するのは不可能だったが、Bluetooth Low Energyが登場し、消費電力を抑えられたことで実用的なスマートロックが可能になったというわけだ。実際、Bluetooth 4.0が出て、なおかつスマホにおいて使えるようになったタイミングで、スマートロックが米国で開発されるようになった。●米国と日本の鍵規格の違い○米国のスマートロックへの不満が国産開発につながった米国のスマートロックが使えない理由。それは、米国製スマートロックの多くが自分で工事して取り付ける埋め込み式だからだ。米国ではDIY文化が盛んであることから、埋め込み式でも受け入れられる余地があったが、日本では手間とイニシャルコストがかかる点で歓迎されない上に、賃貸物件では原状回復の問題もあるだろう。もうひとつ重要なのが鍵の規格の問題だ。米国にもサムターンに取り付ける後付け式はあるものの、日本のサムターンと規格がまったく違うため設置することができないのだ。米国のスマートロックが利用できない以上、「日本ならではのスマートロックを!」という流れは必然だ。ライナフの滝沢代表は「見た感じ、構造はそんな難しくなさそうだから、作ってしまおうと思ったのがみんな同じ時期だったのでしょう」と推察する。かくして、2015年が日本のスマートロック元年になったわけである。そして、日本の鍵の規格に沿いつつも大掛かりな工事がいらない後付け式、と日本の建築・不動産事情に合わせた形のスマートロックとして開発されたのが「Akerun」「Qrio Smart Lock」「NinjaLock」だ。国産スマートロックは現在、販売台数を公表しているQrioの場合で5000台超とまだ普及はこれからだ。そして、発売が3か月~半年経った現在、フォトシンス、Qrio、ライナフの3社はBtoCよりもBtoBビジネスを主眼に置いて普及を図るという。そして、スマートロックはビジネスユースにおいて大きな可能性を秘めている反面、導入において様々な障壁も存在するようだ。果たして、日本においてどういったスマートロックの利用が行なわれていくのだろうか。次回はスマートロックのビジネス展開をみていきたい。
2015年12月22日ネットワンシステムズは12月17日、アプリケーションとそのインフラ構成をカタログ化することでクラウド間の仕様の差を吸収して、複数のクラウドへの展開を可能にする「クラウドブローカリングサービス」の提供を開始した。同サービスは、米CliQrのアプリケーション定義型クラウド管理プラットフォーム「CliQr CloudCenter」を活用している。初めに、執行役員の篠浦文彦氏が新サービスの提供に至った背景を説明した。同社は、10月31日にクラウド管理型のSoftware-Defined WANサービスを発表しており、企業がクラウドを戦略的に活用するためのサービスの提供を開始している。篠浦氏は「お客さまにおいてハイブリッドクラウドに対するニーズが高まっているが、セキュリティやITガバナンスの担保などの課題がある」としたうえで、「われわれはネットワークベンダーとしての地位を確立するとともに、仮想化技術のノウハウも蓄積し、仮想データセンターの構築に注力してきた。その後、プライベートクラウド環境の整備を手がけ始め、クラウドビルダーとしての地位を拡大。今後は、ハイブリッドクラウド環境の整備に手を広げ、クラウドブローカーを目指す」と語った。続けて、篠浦氏は「クラウドサービスを利用するにあたり、ユーザーとプロバイダーの双方がどうやって安全なネットワークに接続するかということを見逃している。先進的かつ利便性の高いプライベートの構築、最適なパブリッククラウドの選択・利用・管理をサポートするとともに、セキュアでQoSが効いたクラウド間ネットワークを提供することで、セキュリティとガバナンスも担保することで、お客さまのハイブリッドクラウド環境の戦略的な活用を実現したい」とした。新サービスの詳細については、ビジネス推進本部 第2応用技術部クラウドソフトウェアチーム シニアマネージャーの藤田雄介氏が説明した。同氏は、新サービスを「マルチクラウド環境をうまく活用するためのアプリケーション・インフラ」と表現した。主要な機能に「複数クラウドの一元管理」「アプリケーションとそのインフラ構成をカタログ形式にカプセル化したプロファイルを活用したアプリケーションの迅速な配布」「コストとパフォーマンスの観点からのベンチマーク」がある。同社が独自に提供するアプリケーション・プロファイルは「ネットワンマーケットプレイス」から利用可能で、リリース時点では、Cent OS、Ubuntu 12.04、WordPressが提供されている。さらに、顧客はロード・バランサー、Webサーバ、データベースなどの「サービスコンポーネントを」自由に組み合わせることができる。接続に対応しているパブリッククラウドは「Amazon Web Services」と「VMware vCloud Air」で、今後、Azureへの対応も予定されている。オンプレミスのクラウドとしては「VMware vCenter」や「OpenStack」に対応が計画されている。具体的な操作としては、「アプリケーションの定義」「クラウド環境へのデプロイ」「クラウド統合管理」がある。アプリケーションの定義では、サービスコンポーネントからドラッグ&ドロップでアプリケーションを選択し、システム構成やパラメータを設定してプロファイルを作成する。最適な構成をテンプレート化することでナレッジの蓄積が可能になり、アプリケーションの開発・展開速度が向上する。プロファイルはバージョン管理が可能だ。デプロイはAWSもしくはvCloud Airに対して行うことができ、選択した後に各クラウド特有の設定が可能。ベンチマークによる性能とコストを比較できるので、利用目的に最適なクラウドを判断できる。稼働コストは、各クラウドサービスのAPI経由で最新の価格を反映して計測し、処理性能の計測は、実際のクラウド環境に展開して算出し、N-tierアプリケーションでは1秒あたりで処理できるリクエスト数で計測する。管理機能としては、「状態管理・構成管理・可視化」「マイグレーション・ポリシー設定」といった機能が利用できる。マイグレーションは、データを外部にアーカイブし、移行先のクラウドで再デプロイを行う方式となるため、オンラインで行うわけではない。同サービスは、仮想マシンの最大同時稼働数によって価格プランが分けられており、どのプランも初期費用29万8000円は共通(税別)。月額費用は、仮想マシンの最大同時稼働数が10台からの「エントリープラン」が3万9800円から、仮想マシンの最大同時稼働数が100台からの「スタンダードプラン」が37万8100円から、仮想マシンの最大同時稼働数が1000台からの「エンタープライズプラン」が358万2000円からとなっている(いずれも税別)。
2015年12月18日EMCジャパンは12月8日、都内で記者会見を開き、プライマリストレージやデータ保護ストレージとプライベートクラウド、パブリッククラウドとのシームレスな接続を可能にする新製品・ソリューション群の「EMC CloudBoost 2.0(クラウドブースト2.0)」「EMC DD OS 5.7」「EMC NetWorker 9(ネットワーカー9)」を発表した。CloudBoost 2.0はプライベートクラウドやパブリッククラウドへの自動データを転送し、バックアップ長期保管を行うソリューションである「CloudBoost」の最新バージョンで、バックアップ/アーカイブソフトウェアの「EMC Data Protection Suite(データプロテクションスイート)」やバックアップとアーカイブのための保護ストレージである「Data Domain(データドメイン)」がクラウドストレージへとシームレスに拡張が可能になった。価格は税別で仮想アプライアンスで75万円、物理アプライアンスで375万円~。また、DD OS 5.7はData Domainオペレーティングシステムの最新バージョンとなり、容量管理の強化、セキュアなマルチテナント環境、シェルフの高密度構成などにより、TCOの削減が可能になった。価格は税別で112万5000円~。さらに、NetWorker 9は統合型バックアップ/リカバリの「NetWorker」の最新バージョンとなり、データの保存先に関係なくデータ保護のプロセスを自動化・簡素化する新しいユニバーサル ポリシーエンジンを追加した。価格は税別で118万7500円~。CloudBoost 2.0とDD OS 5.7はいずれも12月8日に提供開始し、NetWorker 9は同月下旬以降に提供開始を予定している。最初にEMCジャパン マーケティング本部 部長の渡辺浩二氏が説明を行い「ITトランスフォーメーションで重要な要素はクラウドのテクノロジーの使い方だ。1つ目は簡素化・自動化されていることで2つ目はデータ保護となり、例えばパブリッククラウドはデータのの安全性は担保しづらく、ユーザー側の責任で行わなければならない。3つ目はデータの利用方法で、例としてプライベートクラウドとパブリッククラウド両方のテクノロジーをどのようににデータ連携させていくかということだ」と述べた。続いて、EMCジャパン システムズエンジニアリング本部プロダクトソリューション統括部DPSスペシャリスト部シニアマネージャーの神近孝之氏が各製品の説明を行った。CloudBoost 2.0について「従来のバージョンと比べ、重複排除のアルゴリズム効率化などを図ったため全体的なデータ転送のパフォーマンスが2倍になっており、インスタンスあたりのデータ容量が最大6PBまで拡張が可能になり、容量が15倍に拡張している。また、セキュリティはファイルのチャンクごとに暗号化するなど従来よりセキュアな保存を可能にしたことに加え、柔軟性ではパブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドが選択でき、提供モデルも物理的アプライアンス、仮想的アプライアンスの選択を可能としている」と同氏は語った。また、同氏はDD OS 5.7について「プライベートクラウドとハイブリッドクラウド向けにDPaaS(Data Protection as a Service:データ保護サービス)機能を拡張し、容量管理・監視機能、セキュア・マルチテナントを強化したほか、MTreeスケーリングなどにより拡張性が向上した。また、新しい拡張シェルフにより高密度構成を実現するなどデータセンター内のコスト削減・効率化を図るためハードウェアをアップデートした」と強調した。さらに、NetWorker 9は「ポリシーベースによるバックアップの簡素化はバックアップタスクを鎖状につなげ、サービスとして機能するポリシーを設定可能としたほか、バックアップやリストアからクラウドでの長期保存までポリシーベースでの自動化を実現した。また、サービスレベルに応じた管理と自動化を図り、あらゆるNetWorkerワークフローとデータタイプサポートしている。そのほか、NetworkerサーバとVMwareベースのアプライアンスとしてパッケージ化されたデプロイしやすい形式で提供することに加え、セキュリティおよびパフォーマンスの成功事例に基づく事前構成をパッケージ化するなどSoft-ware-Defined Data Center(SDDC)環境で使用できる」と神近氏は説明した。
2015年12月09日丸紅情報システムズ(MSYS)は12月2日、クラウドアカウント管理ソフトを開発・販売する米OneLoginと国内販売代理店契約を締結し、同日からクラウドシングルサインオンサービス「OneLogin(ワンログイン)」の取り扱いを開始した。同サービスは、クラウドサービスを利用する企業向けにシングルサインオンとアクセスコントロールを提供しており、世界44カ国の1400社以上に導入実績があるクラウドサービス。OneLoginを利用することで、PCやスマートフォン、タブレットからクラウド上のWebアプリケーションに各ID・パスワードを入力することなくアクセスが可能となる。現在、対応するアプリケーションは「Office 365」「Google Apps」「Salesforce.com」「Dropbox」「Cybozu.com」「desknet’s」をはじめ4,000種類以上。OneLoginへログオンする際のセキュリティをPKI証明書やモバイルOTP(ワンタイムパスワード)を利用することで強化する多要素認証にも対応している。また「Active Directory(AD)」「LDAP」「Google Apps」など多数のディレクトリと同期することができ、新しい社員をADに追加する際はOneLoginにもリアルタイムにアカウントが追加される。同サービスを通じて各アプリケーションへのアクセスログを取得できることから、管理者・ユーザの行動やアプリケーションの使用履歴をイベント・レポートとして参照・管理することも可能だ。これまでMSYSはSalesforce.comやクラウドコンタクトセンターサービスである「V-TAG」などのクラウドアプリケーションを販売代理店として提供し、OneLoginを製品・サービスをラインアップに加えることで、クラウドアプリケーション関連のソリューション販売を拡大する計画としている。
2015年12月02日CBcloudは、軽貨物を扱う運送会社とドライバーのマッチングを瞬時に可能とするクラウドサービス「軽 town クラウド運行管理」の運用開始ならびに、同サービスの本格提供を2016年1月15日より開始すると発表した。同サービスは、同社が2014年から2015年10月までの1年8カ月、軽貨物運送における荷主企業とフリーの配送ドライバーなどをマッチングさせるWebサイト「軽 town」を運営してきた経験を元に、運送会社そのものにそうしたマッチング機能を提供するもの。無料の「軽 townアプリ」と組み合わせて用いることで、サービス導入企業は「軽 town クラウド運行管理」を介して荷主企業からの配送依頼情報をアプリを活用するフリードライバーに配信し、マッチングを行うことができるようになる。ドライバー側は、アプリやWebサイトを経由して希望する仕事にエントリーを行うことで、自身にあった仕事の選択が可能となるほか、配送実績による売り上げの確認なども可能となる。また、「軽 town クラウド運行管理」はマッチング以外に、依頼企業に対する運行報告なども行えることから、これまでExcelなどで管理を行っていた運行管理などを容易化することも可能だという。なお、「軽 town クラウド運行管理」の利用料金は月額1万9800円(初期費用別)で、軽 townアプリは無料で利用が可能(軽 townのWebサイトより登録が必要)。同社では、すでに100名規模でのフリードライバーが登録済みとしているが、今後、さらなる登録ドライバー数の増加とクラウド運行管理の導入企業数の増加を目指すとしている。
2015年12月01日日本ヒューレット・パッカードは11月27日、Dockerを活用し、拡張性や安全性、信頼性が高いハイブリッドインフラに移行できるよう設計された、各種ソリューションを発表した。Dockerサポートを含む「HPE Helion Development Platform 2.0」などクラウド、ソフトウェア、ストレージ、サービスを幅広くカバーするソリューションとして提供する。HPE Helion Development Platform 2.0は、開発者やIT運用者がマイクロサービスの展開を実現するためのアプリケーション開発プラットフォーム。独自に展開可能なサービスとして、Dockerコンテナに同梱されており、コード用ワークフローの構築、テスト、および展開を自動化するための継続的インテグレーションと継続的デプロイメント(CI/CD)サービス「Helion Code Engine」が含まれる。同サービスは、DockerTrusted Registryを介したGitリポジトリとHPE Helion Development Platformに統合される。また、Docker用「HPE StormRunner」および「HPE AppPulse for Docker」は開発者とIT運用者が、Docker化されたアプリケーションのテスト、展開、モニタリングを確実に実施するためのソリューション。ヒューレットパッカードエンタープライズ(HPE)の負荷テストとアプリケーション性能モニタリングソリューションは、コンテナ化されたアプリケーションに対するアプリケーションライフサイクル管理やマイクロサービスに対するトランザクションのフルトレース、従来型のバックエンドシステム、そしてスマートクラウドベースの負荷テストに対応する。ソフトウェアソリューションを監視するエージェントレスアプリケーション「HPE Sitescope」を活用したRemote Docker Swarmクラスタ監視は、Docker Swarmクラスタ全体を管理および監視を行う。HPE Sitescopeは、Docker Swarmで持つアドレス情報を使用してクラスタマップを自動構築し、クラスタの全5種類のレイヤ、Docker Swarm、クラスタノード、Dockerデーモン、動作中のコンテナ、負荷に特化したモニタリングを監視するソフトウェアとなる。加えて「HPE Codar for Docker」はハイブリッド環境で負荷に応じて継続的にリソースプールからのデプロイを行うほか、従来型やコンテナ化された混在環境でもワンクリックで必要なリソースをデプロイし、Dockerから構成情報を収集してCoderで自動デプロイ設計のためのデザイナーで利用する。そのほか「Docker Machine plugin for HPE Composable Infrastructure」は「HPE OneView」をベースに、Dockerコンテナホストの展開を自動化。これにより、IT部門およびDevOps運用者はベアメタルインフラ上にDocker環境を自社データセンターや、セキュアな環境下に速やかに配備することができる。このプラグインは「Composable Infrastructure API」としてHPE OneView上でネイティブで稼働する。一方、フラッシュに最適化された「HPE 3PAR StoreServ Storage」アレイと、ソフトウェアデファインド・ストレージソリューション「HPE StoreVirtual」はClusterHQが提供するオープンソースのFlockerアーキテクチャを通じて、OpenStackテクノロジー環境におけるDockerステートフルコンテナの利用をサポート。このアーキテクチャにより、Dockerの利用者はデータベースなどの永続ストレージを要するアプリケーションもコンテナ化することができることに加え、HPEのテクノロジーソリューションロードマップに従い、コンテナ向けに拡張サポートを提供。窓口は1カ所に集約し、世界中の専門スタッフにより組織されたネットワークにより、24時間365日対応のサポートが提供される。さらに「Converged Architecture 700」上のDockerを「HPE Helion CloudSystem 9.0」で展開する方法に関し、ベストプラクティスとガイダンスを提供するとともに大規模なハイブリッドクラウドでの性能、拡張性、管理能力を向上させたい場合に適しているという。また、社内での「HPE Docker」導入に基づいたガイダンスを提供し、ソフトウェア開発と展開のプロセスの質を高め、「HPE BladeSystem」上のDockerを利用するためCI/CDパイプラインの効率の向上が見込めるとしている。
2015年11月27日マネーフォワードは11月25日、クラウド会計ソフト「MFクラウド会計・確定申告」とPFUのドキュメントスキャナ「ScanSnap」の連携を発表した。PFUは国内トップシェアのドキュメントスキャナで、領収書や請求書などの経理証憑のスキャンに多く活用されている。こうした状況から、中小企業や個人事業主などからシステム連携の要望が多く、12月初旬からの連携に至ったという。連携によって、ScanSnapでスキャンされた電子データは、MFクラウド会計・確定申告内のMFクラウドストレージ(β版)に自動保管される。それぞれのデータを表示しながら仕訳入力できるため、領収書などの電子データ化から会計処理までがスピーディーになるという。対応機器は、ScanSnap iX500/iX100で、PCやスマートデバイスを使わずに直接クラウドサービスに接続できる「ScanSnap Cloud」を経由してデータがMFクラウドストレージに送られる。
2015年11月26日伊藤忠テクノソリューションズは11月16日、スマートフォンやタブレット端末から現場で農作業を記録するウォーターセルのクラウド型農業生産管理ツール「アグリノート」と連携した農産物の輸出支援サービスを開発した。「アグリノート」は、ウォーターセルが開発したスマートフォンやタブレット端末を用いることで、現場で農作業を記録できるクラウド型の農業生産管理ツール。地図データや写真を活用して農作業を記録し、自動集計や生育記録のグラフ化などで生産計画の策定なども行える。今回、CTCが開発したのは、国内農産物の流通業者や輸出業者向けに、アグリノートでの作業記録や使用農薬の情報などから、ビッグデータやAI技術を活用して農産物の残留農薬を成分ごとに推計し、世界各国への輸出可否を判定できるサービス。すでに各種の情報をもとに残留農薬の判定を行うプロトタイプの開発を終えており、両社は2016年2月から共同で輸出支援プラットフォームの有用性やビジネス性について実証実験を予定。2017年度の商用化を目指している。今後は、海外基準に適合する農産物の育て方や代替農法のAIを活用したアドバイスを含めて、生産者向けの機能拡充も視野に、農産物輸出支援サービスを通して国内農業の発展に貢献していくという。
2015年11月16日メディアドライブは10月22日、名刺管理クラウド「THE 名刺管理」のサービスを開始した。同サービスは、名刺データをセキュリティに守られたクラウド上で管理・運用することで、企業の顧客情報を外部に持ち出さずに活用することを可能にするもの。顧客の利用環境に応じて登録名刺枚数やユーザー数を選択することが可能。また、名刺データの閲覧には、無料スマートフォンアプリケーション「THE 名刺管理 for iOS/Android」が用意されている。同アプリケーションにより、検索・閲覧や電話の発信および地図表示、経路検索などが行える。閲覧時の名刺データは、スマートフォン上にデータを残さず、個体認証によって事前に登録した端末からのみ受け付けられる。端末紛失時はその端末を対象外にできるため、セキュリティ面でも安心だという。さらに、顧客との面会後およびその後の商談情報などを残すことができる「履歴フィールド」があるため、簡易な営業支援ツール(SFA)としての活用もできる。名刺データの登録に利用する高精度OCRアプリケーションには、無料で使える「THE 名刺管理 for Windows」と「やさしく名刺ファイリングPRO」の2種類が用意されており、日常業務で日々集まる名刺のデータ化を自社で実施できる。さらに、オプションで、オペレーターによる100%に近い精度で名刺データを訂正するサービスも用意されている。登録枚数100枚までの「THE 名刺管理」は無料、登録枚数1,000枚までの「THE 名刺管理 Standard」は200円/1ID、登録枚数5,000枚までの「THE 名刺管理 Pro」は300円/1ID、登録枚数5,000枚までで名刺データ共有が可能な「THE 名刺管理 Pro ライセンス」は400円/1IDでの提供となる。いずれも、別途消費税が必要で、支払いは年払い。
2015年10月23日安川電機は19日、同社の産業用ロボット「MOTOMAN」を対象としたクラウドサービス「MOTOMAN-Cloud」を提供開始した。ロボット情報をクラウド上で管理し、トラブル発生時の問い合わせに役立てる狙い。MOTOMAN-Cloudは、安川電機が新たに提供するクラウドサービス。サービス第1弾として、顧客が使用しているロボットの製品情報閲覧や問い合わせができる「Web製品サポート」、トラブル対応に役立つスマートフォン・アプリ「MOTOMAN Touch!」を提供開始する。「Web製品サポート」では、クラウド上で、ロボットの機種や製品仕様を閲覧できるほか、問い合わせ履歴、部品交換履歴などの管理が行える。また、ロボット情報を安川電機のサービス部門と共有することで、トラブル発生時の問題解決に役立てる狙いがある。「MOTOMAN Touch!」では、トラブル発生時に、ロボット制御盤やプログラミングペンダントに表示されるQRコードをスマートフォンで読み込むことで、問い合わせがスムーズに行える。対象製品は、DX200全コントローラおよび2014年3月21日以降に出荷した全コントローラ。専用アプリ「MOTOMAN Touch!」の対応OSは、Android4.0.3以上(10月19日現在)。MOTOMAN-Cloudは、国内よりサービス提供を開始し、順次海外へ展開していく予定。今後は、予防保全や生産情報管理サービスを追加し、ラインなどの安定稼働や利便性向上をサポートするとしている。
2015年10月20日ALSOKは10月13日、クラウドで監視カメラの録画映像を保管する「ALSOK画像クラウドサービス」を発表した。販売開始は10月15日、価格は監視カメラ1台・30日映像保管の場合で月額4900円(税別)~。新サービスは、24時間365日セキュリティの監視を行っている同社のデータセンターで、監視カメラで録画した映像データを預かり、データセンターで保管している監視カメラの映像はユーザーのPCやスマートフォンなどからWeb上でいつでも参照できる。動体検知など異常を把握した場合にはメールでユーザーに通知するため、遠隔地からユーザー自身で侵入者などの監視も可能だ。マイナンバー制度の導入に伴い、オフィスのセキュリティやリスク管理強化のニーズが高まっているほか、ネットワーク上でデータを保管するクラウドサービスが普及し、監視カメラシステムにおいてもスマートフォンやタブレット型端末などからいつでもアクセスできることが求められていることから、同サービスの提供を開始する。現状では店舗の防犯・監視に加え、集客状況をチェックする用途で飲食業界などからの引き合いがあるという。同サービスは、ネットワークカメラ、アナログカメラともに対応しており、目的に合わせて監視カメラの選択が可能。主要メーカーのネットワークカメラに加え、アナログカメラにも対応しているため、既存のカメラを活用してコストを抑えたシステムの構築もできる。また、従来の同社サービスと比較して2分の1と価格の低減を図っており、カメラの設置に関する費用を除き初期費用無しに利用が可能。さらに、クラウドで録画するため監視カメラシステムを現地で記録する場合に必要だったレコーダやモニターの設置が不要になり、これまで設置スペースが確保できずに導入を見送っていたユーザー企業のニーズにも対応できる。
2015年10月14日ソフトバンクとヤフーは8日、ソフトバンクのスマートフォンからヤフーが運営するすべてのWebサービスを、会員情報やIDなどの入力を省略して利用できる「スマートログイン」の提供を開始した。「スマートログイン」は、ソフトバンクのスマートフォン・タブレットから、ヤフーのすべてのWebサービスに自動でログインできるサービス。端末からYahoo! JAPANのトップページにアクセスすることで、各Webサービスが利用できるようになるため、会員情報やID、パスワードといった情報の入力が必要ない。初回利用時は、端末とYahoo! IDを紐付けるため、Wi-Fiではなくソフトバンク回線を利用して接続する必要がある。また、本人確認と利用規約への同意も求められる。今後は、Webサービスだけでなく、各サービスのアプリでも対応していく予定だとしている。
2015年10月09日富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通SSL)は9月15日、クラウド型Webセキュリティサービス「Blue Coatクラウドサービス」を販売開始すると発表した。同サービスは、「Global Intelligence Network (GIN)」を利用したURLフィルタリングをはじめ、アンチウイルスやWebアクセスレポートなど、Blue Coat Systemsが提供している機能をクラウド上で利用できるもの。同サービスは、PCに加えてタブレット端末やスマートフォンにも対応しており、日本を含め全世界30カ所以上に展開するアクセスポイントを利用することで社内外問わずすべての拠点で統一ポリシーのセキュリティを適用することを可能にする。Global Intelligence Networkは、日々10億件のWebアクセス要求を解析しインターネット上の脅威へのアクセス330万件を遮断する、50カ国以上の言語に対応したURLフィルタリングで、世界中の脅威情報をフィルタリングデータベースへ即座に反映し、ユーザーに提供することで、強固な標的型攻撃対策を実現する。また、インターネットへ接続する通信を同サービスのデータセンターへVPN接続することで、外出先でも社内と同様のセキュリティポリシーでWebアクセスをコントロール可能。そのほか、「Blue Coat Reporter」でWebアクセス証跡のレポートを出力し、同社のセキュリティ専門家がログ解析を行う「マネージド・セキュリティサービス(MSS)」を利用することで、インシデント発生時も早急な対応が可能となり、安全・安心なWebアクセス環境を実現する。同サービスの価格は、ユーザー数1~99の場合、1ユーザー当たり年額8400円、ユーザー数100~249の場合、1ユーザー当たり年額6300円、ユーザー数250~499の場合、1ユーザー当たり年額5500円となっている(いずれも税別)。
2015年09月16日GeekDeskは、可動デスク「スマートデスク」の日本国内における発売を開始した。価格は10万6,380円。「スマートデスク」は、「長時間イスに座っていても腰が痛くならない環境がほしい」という思いから開発された、高さを自動調整できる可動デスク。2010年よりアメリカで発売し、同国内での実績をもとに、このほど日本での発売を開始したとのことだ。同製品は、デスクの高さをボタンひとつで58cm~124cmまで自由に変えられる。そのため、座った状態で自分に合った高さに調節するだけでなく、立った状態でもデスクを使うことが可能。同社は、この製品について、「特に長時間イスに座っているクリエイターやITエンジニアなどが仕事で使用する際、高い生産性を実現いたします」とコメントしている。なお、同製品の天板はカラーは1色(ライトブラウン)、サイズは幅120cm×奥行き80cm。
2015年09月14日JBCCは9月11日、運用付きクラウドサービスである「俺のクラウドベースサービス」のラインナップにIBMのIaaS型クラウドサービスの「SoftLayer」に対応した「俺のクラウドSoftLayerベースサービス」を追加し、提供開始したと発表した。価格は1CPU、メモリ2GB、HDD 100GBで月額2万2000円(税別)~。同サービスは、SoftLayerのクラウド基盤に同社の運用をセットにしたクラウドサービス。俺のクラウドベースサービスのラインナップとして追加し、利用業務や目的に応じた最適なクラウド環境を提供することが可能となった。同社はクラウドの利用に必要な手続きをはじめ、設計から、構築、運用までクラウド運用監視センターCLIC(Cloud Innovation Center)でトータルにサポートする。近年、事業やビジネスの変化に合わせて必要な時に必要なITリソースを利用できるクラウドは多くの企業で活用されている。企業のIT資産のクラウドへの移行は進み、安定した事業継続のためにクラウドを活用してシステムの災害対策を強化する運用も増加しているという。さらに、クラウドの利用範囲の拡がりに伴い、初期設定作業をはじめ、日常的に発生するサーバー監視やデータバックアップ、設定変更、ヘルプデスクなどの運用業務をアウトソーシングしたいというニーズも高まっている。同社は俺のクラウドベースサービスのメニューを拡充し、2016年度までに2000社へのクラウドサービスの提供を目指す。
2015年09月11日GMOクラウドは9月9日、パブリッククラウド「ALTUS Basicシリーズ」の管理画面に新機能を追加したと発表した。これにより、パブリッククラウドでのセキュリティの設定を、より簡単に管理することが可能となった。追加した機能は、・セキュリティグループ作成・セキュリティグループポリシー削除・セキュリティグループポリシーおすすめ設定・ディスクスナップショット取得・削除の4つ。なお同社には14日間無料でクラウド利用できるサービスも用意されているので、操作性やレスポンス、サポート品質などをまずは試したいというユーザこちらを利用するといいだろう。また同社は、9月15日にクラウド初級者向けに「無料ハンズオン」開催する。
2015年09月09日○パブリッククラウドからプライベートクラウドに開発環境を移行ネットワークの仮想化ソフトウェアを主軸にグローバルでビジネスを展開するミドクラジャパン(以下、ミドクラ)。2010年に日本で創立された同社は現在、東京、米・サンフランシスコ、スペイン・バルセロナに拠点を構える。そんなミドクラの成長を支えているのが、同社が提供する、ネットワークの仮想化によりOpenStackの活用を加速するソリューション「MidoNet」だ。MidoNetは、完全に仮想化されたL2-L4ネットワークサービスであり、従来のように仮想マシンでネットワーク機器をエミュレーションするのではなく、ネットワークのトポロジー自体をエミュレーションすることが可能。これにより企業は、高度な管理化システムやフレキシビリティを持ちながら仮想ネットワークを構築・運営・管理することができるのである。なお、MidoNetは2014年11月からオープンソースとなり、だれでも気軽に試せる状態になっている。ミドクラはMidoNetに運用ツールやサポートを加えたMidokura Enterprise MidoNet(MEM)を提供しているまた、高速なスループットを実現するとともに、ネットワークのフェールオーバーなどの耐障害性も飛躍的に向上する。これらの特徴が評価され、既に日本、米国、欧州の企業を中心に豊富な導入実績を誇っている。そしてミドクラ自身もまた、OpenStack(レッドハットの「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」)とMidoNetを組み合わせたプライベートクラウド「MidoCloud」を構築し、開発・テスト環境に活用している。MidoCloudは都内にある約30の物理サーバ上で稼働しており、東京だけでなくバルセロナ、サンフランシスコの開発者もアクセス。開発環境、テスト環境、そしてリリース前の最終チェックと、フル稼働の状態だ。MidoCloudにより同社は、ITインフラの柔軟性と運用性を大幅に向上することに成功し、ビジネスの加速に貢献しているのである。○"パブリッククラウドの限界"を乗り越えるために同社はMidoCloudを構築する以前、開発環境にAWS(Amazon Web Service)を活用していた。しかしながらビジネスの成長とともに、個々の顧客に求められるさまざまな要件を取り込み、1000以上の仮想サーバが常時稼働する高度な環境を構築する必要性が高まっていった。また、エンジニアの人数が増えたことから、全員がパブリッククラウドを使用すると思いのほかコストが高くつくようにもなっていた。さらに、パブリッククラウドが有する国内リージョンのリソースが足りなくなると、米西海岸のリージョンへとリソースが移行されるようなこともあり、遅延の発生に対して開発陣から改善の声も上がっていた。そうしたことから、パブリッククラウドに限界を感じた同社では、開発環境をプライベートクラウドへと移行することとなったのである。Director of Businee,APJの松尾茜氏は、「私達がMidoNetをつくっていることもあり、OpenStackとMidoNetを組み合わせてプライベートクラウドを構築するという選択に迷いはありませんでした」と振り返る。MidoNetは多様な環境に対応していることから、MidoCloudのハードウェアにはさまざまなベンダーのものが採用された。例えば、高い信頼性が求められるシステムの核心部にはデルの物理サーバを、信頼性をさほど求められない部分には他のベンダーの廉価なサーバを、といった具合である。「お客さまの立場に立ってプライベートクラウドを使っていきたいという思いもありますので、いろいろなハードウェア環境を実験する場としても活用しています。このようなことは、パブリッククラウドでは到底できませんでしたので、大きなメリットだと感じています」(松尾氏)○頻繁なOpenStackのバージョンアップにもノントラブルで対応導入以来、数度にわたりOpenStackのバージョンアップが行われたが、その際もMidoCloudはダウンすることはなかったという。リリース開始からこれまで1年以上、安定した稼働を続けているのである。「OpenStackは開発の動きが速いためバージョンアップが頻繁にあることから、対応が難しいとも言われています。しかいs、ノウハウさえあればバージョンアップにきちんと対応できます。その例として、MidoCloudをお客さまに紹介することも多いですね。その結果、安心してもらえるのも、MidoCloudの運用効果の1つでしょう」と松尾氏。現在、MidoCloudでは1000以上の仮想マシンが常時稼働しているが、それだけのリソースがあってもフルに使われている状況だという。OpenStackに関するハンズオントレーニングのために、20ほどの環境を用意して同時に利用してもらったり、とりあえずOpenStackを試用してみたいという顧客のためにアカウントを1つ提供したりと、さまざまなケースがあるようだ。松尾氏は言う。「今のところ、OpenStackを試しに使ってみて、何ができるのかを知りたいというお客さまが国内では多いです。あと、OpenStackは知っていてもMidoNetは知らないというお客さまも一部でいますので、そうした方々に気軽に体験してもらい、どのようなものかを理解していただけることができるようになりました」ミドクラの社内にも、MidoCloudを運用することでクラウド環境のインフラに関するノウハウが蓄積されつつある。「パブリッククラウドの場合、トラブルの原因がインフラにあったとしたらユーザー側では何もできず、サービス事業者側にすべて任せるしかありません。しかしプライベートクラウドであれば、どこにどんな問題があるのかを学ぶことができるので、そうしたノウハウをベースにお客さまにアドバイスもしやすくなりました。お客さま側で発生したトラブルをMidoCloudで再現してフィードバックするといったこともできるので、ビジネス面でもメリットがあります」(松尾氏)プライベートクラウドの構築・運用を通じて、自社のサービス改善にも役立てている点こそが、ミドクラの取り組みの最大の特徴と言えるかもしれない。
2015年09月03日KDDIは8月31日、法人顧客向けクラウド基盤「KDDI クラウドプラットフォームサービス」の新機能として「オブジェクトストレージ」の提供を9月7日に開始すると発表した。分散ストレージ技術(Erasure Coding)を使うことで、データ容量を無制限に拡張できたという。また、データを国内データセンター3ヶ所に分散して保存するため、サーバの障害やデータセンター被災などの障害が発生した場合でもデータを復元できる。そのため堅牢性は99.999999999999%(14ナイン)を達成できたという。また、データを暗号化して保存することで、ハイレベルなセキュリティ環境を実現している。ほかに、Amazon S3と互換可能なAPIを利用しており、既存のサードパーティ製アプリケーションの利用やバケットやオブジェクトに対する各種操作も可能となっている。標準でイントラ回線との接続を提供するため、閉域環境での利用が可能。安全にデータ転送ができ、従来自社で管理していたデータを安心して預けて、管理・運用コストを削減する。利用料金は、一般的なクラウドサービスでは必要となるイントラネット回線との接続料金や、データ転送料金と初期費用は無料で、月額ストレージ利用料8000円/1TB(税別)での提供となる。9月7日より受付と提供を開始するが、同機能を契約のうえ、キャンペーンに申し込んだ先着50社に、バックアップソフトウェア「CloudBerry Backup/Server Backupエディション」1ライセンスを無償提供するキャンペーンを行う。
2015年09月01日GMOクラウドは8月31日、パブリッククラウド「ALTUS Isolateシリーズ」を利用する企業向けのオプションとして、同一のネットワーク環境から、複数のアカウントで同時にセキュアな通信を行える「リモートアクセスVPN -Plus-」の提供を開始した。本オプションを利用することで、自宅や外出先、支店など、インターネット環境があれば、どこからでもセキュアに通信することが可能となる。同社のパブリッククラウドでは、標準機能として「リモートアクセスVPN」を提供しているが、本オプションを利用することで、同じ環境から複数アカウントでのVPN通信が可能となり、業務の効率化をより高めることが可能で、社内の業務システムやファイルサーバー上のデータをクラウド環境で利用したい場合や、同じネットワークから複数アカウントでセキュアに通信を行いたいといった企業は是非活用したい機能だ。価格は、構築費と10クライアントまでで、初期費用13,000円(税別)、月額1,450円(税別)。
2015年08月31日マネーフォワードは28日、法人向けクラウド型給与計算ソフト「MFクラウド給与」のスピンオフサービスとして、完全無料のWeb給与明細サービス「MFクラウド給与明細」の提供を開始した。○ペーパーレス化とコスト削減を推進同社が実施したアンケート調査によると、給与明細の配布は「印刷して手渡し」の企業が6割で、Web給与明細の利用は13%にとどまっているという。同社は「MFクラウド給与明細」の全機能を無料で提供することで、企業の給与明細配布業務をペーパーレス化し、時間とコストを削減して利便性の向上を図るとしている。同サービスでは、給与明細の配布は給与データをCSVファイルでアップロードするだけで完了し、面倒な印刷から手渡しまでの作業を省くことができる。コスト面では、紙の給与明細の場合に発生していた、用紙代、印刷代、郵送費が全て不要になるほか、給与明細配布業務にかかる人件費も削減できる。保管については、従業員はWeb上でいつでも過去データを閲覧することが可能となるとともに、クラウドで情報を一元化するため、紛失した書類の再発行業務といった二度手間が発生しなくなる。また、パソコンに加え、スマートフォンに最適化された画面でも給与明細が確認できる。
2015年08月28日オフィスのデスクに置かれている固定電話をスマートフォンで代用してみたらどうか。レッセ・パッセは、婦人服、小物類の企画、生産、販売をしており、全国に30店舗展開しているアパレル企業だ。社内音声通話のインフラ整備に伴いPBXをクラウド化し固定電話をスマートフォンで代用する方法で、より効率的な業務環境を整えることができたという。○安価に導入できるクラウドPBXPBXとは、オフィスで複数の電話機を設置する場合の電話交換機で、施設内の電話機同士で内線通話できるようにしたり、外線(公衆回線)から内線への接続をコントロールできる機器だ。数十万~数百万円と高額なものが多く、このほか配線工事、設定変更工事、保守契約など運用にかかるコストや物理的な機器の設置スペースも必要になる。また、年数が経過すれば入れ替えも必要になり、機器によって接続できる固定電話機も変わるため、場合によってはPBXと社内電話の総入れ替えが必要になるなど、中小規模の企業にとって、導入は大きなコスト負担となる。レッセ・パッセは、PBXの老朽化によるインフラ見直しを検討していた。これまでは、会社代表番号を4回線、部署代表番号を3回線持ち、複数の担当者で1つの外線番号を共有していた。このため、会社代表番号と部署代表番号に受電した電話は、社内で外線を受けた社員が担当者へ転送する作業が必要だったが、転送先の担当者が他の電話に対応していたり、離席している場合も多く、転送対応による保留中の待ち時間や、近隣席のスタッフの代理対応(メモを取って担当者へ伝え、担当者が折り返し電話をするなど)は業務の妨げになっていたという。「何より問題だったのは、お客様からの電話も自社店舗からの電話も部署代表番号でまとめて受けていたため、お客様をお待たせする時間が発生してしまうことでした。各自に外線番号を付与し従来のお取引様は担当者が直接受け、代表番号では新規のお客様の問い合わせに限定したかったのですが、個々に外線番号を持つのはコストが高額なのでなかなか導入に踏み切れない状況でした」(冨田氏)そこで同社が注目したのが、クラウドPBXだった。「クラウド上にPBXを設置したサービスは、PBX機器の購入費用が不要なので低い初期費用で導入できるのが魅力でした。また、机上ビジネスフォンの代わりにスマートフォンを利用することと、管理者が直接クラウド上にあるサーバーにアクセスして電話番号の担当振り当てやグループ設定の変更が可能なため、配線工事や設定変更工事、保守契約にかかるコストも不要になります。オフィス内にPBX機器を設置するスペースを確保する必要もありません。店舗ではソフトバンクの電話サービス『おとくライン』を利用していましたので、その付加サービスのクラウドPBX『Bizダイヤル』を導入することにしました」(冨田氏)○スマートフォンで固定電話番号を持ち運ぶBizダイヤルは、専用アプリケ―ションを利用してスマートフォンから固定電話番号で発着信できるサービスだ。クラウドPBXを経由し、スマートフォン本来の携帯電話番号とは別の「03」や「06」などで始まる固定電話番号で発着信を行う事で、相手先は、固定電話番号と発着信している認識でやりとりできる。「Bizダイヤルのスマートフォン契約1回線ごとに1固定電話番号を持つことができるサービスを利用して、思い切って、オフィスに設置していた固定電話はすべて廃棄し、スマートフォンを固定電話の代用品として活用することにしました。部署ごとに固定電話番号を割り振ったスマートフォンを38台設置し、社内電話、取引先からの電話は、直接それぞれの担当者へ連絡できるようになりました。これにより、代表電話は新規のお客様からの着信に限定できました。これまで、4回線分で受信していた代表電話番号を1台のスマートフォンで受けるようになると、話し中にならないか懸念がありましたが、グループを組むことで1台目が電話中でも他のスマートフォンで受信でき複数担当者を指定できるため、変更に踏み切ることが出来ました」(冨田氏)この斬新なアイデアにより、同社の業務環境は向上した。スマートフォンは担当者が席を離れる際にも持参できるので、どこにいてもすぐに電話応対可能になった。会議中などでその場で通話できない場合にも、スマートフォンに着信履歴が残るので、すぐに折り返し対応が可能だ。「オプションの共有電話帳サービスを利用して全店舗の店舗名と電話番号、全社員の電話番号を管理者側で一括登録しているので、スマートフォンから店舗や部署の連絡先を検索できます。スタッフが、個別に連絡先を登録する必要もなく、発信元の社員名、自社店舗名が表示できるのでスタッフからも好評です」(冨田氏)管理面では、あくまで「社内で持ち運べる固定電話」と割り切っている。個人で社外には持ち出さないルールにして、帰宅時には机に立てたまま電源を切って帰る。時間外の業務着信には翌朝スマートフォンの着信履歴を見て折り返し対応している。代表電話と消費者から直接受けるカスタマーサービスのスマートフォンは、業務終了時間後は、スケジューリング機能を利用して「時間外応答」のアナウンスを流すように設定している。「持ち運べるスマートフォンの懸念点は、固定電話に比べ、移動中に落として割ったり、お茶をこぼして故障させたりといった危険があり耐久性が心配でした。しかし、今回導入したDIGNO U端末なら、防塵・防水・耐衝撃対応なので安心して使えます」(冨田氏)導入コストが高額で中小企業では手が出なかったサービスも、クラウドの登場により低コストでの導入が可能になっている。中小規模の企業にとって、クラウドPBXを導入した社内音声通話のコミュニケーション環境改善は大きなメリットをもたらすだろう。
2015年08月27日