2017年10月、大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが複数の女性から性暴力被害の告発を受け、「#MeToo」運動が本格化するきっかけになった。2019年にはニューヨーク市警に過去の性的虐待容疑などで逮捕され、翌年禁錮23年の実刑判決を受けすでに服役中。ロサンゼルスでも複数の女性に対する性的暴行などの罪に問われ、今年10月から裁判が行われていた。そして19日(現地時間)、2005年から2013年までに起きたとされる強姦罪を含む3件の性的暴行罪で有罪判決を受けた。これにより、ニューヨークでの禁錮刑23年に加え、さらに18年から24年の服役に直面することになった。ワインスタインは代理人を通じて「評決に失望している」とコメント。3件で有罪判決が認められた被害者女性は、「ハーヴェイ・ワインスタインは2013年のあの夜、私の一部を永遠に破壊した。決してそれを取り戻すことはできない。刑事裁判は残酷なものだった。ワインスタインの弁護士は証言台で私を地獄に突き落とした。それでもやり遂げなければならないと思い、そうした。私を信じ、すべての被害者のために尽力し戦ってくれたロサンゼルス郡の検察官たちに感謝したい。ワインスタインには一生、刑務所の独房の外を見ることがないよう願っている」とコメントした。(賀来比呂美)
2022年12月21日ハリウッドの絶対的権力者、ハーヴェイ・ワインスタインの何十年にもわたる性的暴行を報道した女性記者ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターの実話を描く『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』。ふたりの記事は #MeToo運動を爆発させるきっかけにもなったが、その現象は今日に至るまで世界中に影響を与え続けている。今から約5年前にニューヨーク・タイムズの「ハーヴェイ・ワインスタインが数十年にわたりセクハラ告発者を買収」というタイトルの記事によって明らかになった、超大物プロデューサーの性加害の数々。『ロード・オブ・ザ・リング』『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』『英国王のスピーチ』など数々の名作を手掛け、ハリウッドで“神”と呼ばれた映画プロデューサーの数十年に及ぶ性的暴行事件を告発したその記事は、翌年ジャーナリズムの権威であるピューリッツァー賞を受賞、さらに映画業界や国を超えて世界中の性犯罪、セクシャル・ハラスメントの被害の声を促すことに。ハリウッドに強大な影響力をもつ権力者を名指しした前代未聞の告発は、それまで風評被害やキャリアを失うことを恐れ、沈黙を守っていた幾千のサバイバー(被害にあった女性たち)たちを勇気づけ、立ち上がらせた。本作のメガホンをとったマリア・シュラーダー監督は、その非常に大きな意義について「このスクープ記事とそれに続く動きが与えた影響は、非常に大きいものだった。おそらく大きな変化は男女ともにセクハラや虐待のような個人的な体験を考え直しているところにある。この変化は甚大よ。私たちは自分の経験をより自由に共有できるようになった。まるで光が差し込んできたように感じられ、みんなそれに合わせて順応している。私たちは皆、自分自身の行動と周囲の人々の行動をよりよく見極めることができるようになったと思う。このことは、私たちの子供たちやその先の世代にも受け継がれていくと信じている」と語っている。また、この調査報道が露呈させたのは映画業界に蔓延る性犯罪、セクシャル・ハラスメントや性加害の問題だけではない。権力や影響力などのパワー下におけるジェンダー格差やパワーハラスメント、ジェンダーステレオタイプ(性別に対する固定化された思い込み)にも焦点があたり、世界各国で問題提起が行われた。2018年に開催された第71回カンヌ国際映画祭のレッドカーペットでは審査員長のケイト・ブランシェットやレア・セドゥ、この翌年に他界した映画監督のアニエス・ヴァルダら映画業界で働く女性たち82名が集結しデモを実施。この人数は1946年に第1回カンヌ国際映画祭が開催されてからこの年までにコンペティション部門に選出されレッドカーペットを歩いた女性監督の数を表しており、同じ期間に歩いた男性監督1,688名との圧倒的な格差を訴え、その問題の根深さと進歩の必要性を訴えた。日本でも映画業界において新たな性加害の告発が相次いだ今年、是枝裕和監督や深田晃司監督ら「映画監督有志の会」(後の「action4cinema 日本版CNC設立を求める会」)は3月に“私たちは映画監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対します。”というタイトルの声明を発表。さらに4月には一般社団法人 日本映画製作者連盟に対し労働環境保全・ハラスメント防止についての提言書を提出し、世界的にも第一線で活躍する監督たちが現在の映画・映像業界の体制に警鐘を鳴らすと共に、その姿勢を示し、安全に働くことができる日本映画界へと変革するための力強く大きな一歩を踏み出した。調査報道以降、映画・映像業界に導入された新たな試みとして、肌の露出や身体接触、疑似性行為などのセンシティブなシーンを撮影する際にキャストと演出側の間に入って調整する専門家「インティマシー・コーディネーター 」の参加が挙げられる。キャストの身体的、精神的な安全を守りながら制作側の演出意図を最大限実現できるようにサポートするスタッフで、台本などに記載されたセンシティブなシーンについて監督・プロデューサー・キャストとの事前の打ち合わせを行い、全員が同じ認識のもと納得して作品作りが進められるように調整する重要な役割を担っている。2018年にアメリカの放送局HBOが取り入れたのが始まりと言われており、日本ではNetflix映画『彼女』(2021)にて水原希子の提案により初めて導入された。日本にはインティマシー・コーディネーターはまだ2名しかいないものの、Netflixドラマ『金魚妻』、ドラマ『サワコ 〜それは、果てなき復讐』(BS-TBS/2022)、ドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(CX/放送中)などわずか2年で国内の導入作品も急速に増え、今年の流行語大賞にもノミネートされたほど。参加したキャストからは「安心感があった」「信頼関係を築いた中でデリケートなシーンの撮影に臨むことが出来た」などその効果について絶賛の声が寄せられており、キャストが「NO」と言える環境を作り安心して撮影に臨める体制の要となるインティマシー・コーディネーター の導入は映画業界における本調査報道の最大の功績といっても過言ではない。「映画監督有志の会」が提出した提言書の中でもハラスメント防止・キャスト保護の為にインティマシー・コーディネーターなどの新しい取り組みの導入の必要性が記載されており、既に制作現場に必要不可欠な存在となりつつある。映画『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』では、事件の関係者に熱心な取材を行う、女性記者ふたりをアカデミー賞に2度ノミネートされたキャリー・マリガンとゾーイ・カザンが熱演。アカデミー賞常連のプランBが製作し、早くも本年度の賞レースの目玉となっている。『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』2023年1月13日(金)公開
2022年12月16日映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの数十年に及ぶ性的暴行を告発した女性ジャーナリストたちの物語を描く『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』。本作では、マリア・シュラーダー監督の信念のもと、直接的な性暴行場面を意識して排除していたことが分かった。性的暴行事件の真実を、様々な困難を打ち破りながら懸命な取材と調査で追い求めたニューヨーク・タイムズ紙の記者や編集者の道のり、そして恐怖やトラウマを乗り越え、覚悟を決めて名乗り出たサバイバー(被害にあった女性たち)と目撃者の勇敢な姿に光を当てる本作。メガホンをとった監督のマリア・シュラーダーは、ドイツで生まれ1980年代より女優として活動。脚本家、演出家としても活躍し、監督・脚本・製作総指揮も務めた『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』が第94回アカデミー賞国際長編映画賞にドイツ代表として選出された。2020年には、保守的なコミュニティ(ユダヤ教超正統派)から脱出した女性を描いたNetflixシリーズ「アンオーソドックス」がエミー賞8部門にノミネートされ、リミテッドシリーズ部門監督賞を受賞するなど、様々な分野で才能を開花させる業界でも注目の存在だ。そんな彼女は本作の監督オファーを受けた際の心境について、「この記事が報道されたことは周知の事実だけど、誰がどうやって報道したのかは知られていなかった。ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターとは誰なのか。調査の始まりや、二人が直面した問題、報道にこぎつけるための最後の一押しには、何が必要だったのか疑問が湧いた」と語る。監督とキャリー・マリガン、ゾーイ・カザン続けて今回初めてタッグを組むことになったレベッカ・レンキェヴィチの脚本については「スリラー作品のように息を呑んで読んだ」と話し、「結末は知っていても、読むのを止められなかった。調査の紆余曲折だけでなく、互いをよく知らない二人の女性が協力し、非常に個人的なことを扱っていくという、より大きな何かを描いていた。全ての描写に心を奪われ感動し、夢中になった」とコメント。先日、アカデミー賞の前哨戦の1つにも数えられるサテライト賞ほか、全米各地の映画賞で脚色賞にノミネーションされたレンキェヴィチの手腕を手放しで絶賛した。シュラーダー監督が本作を映画化するうえで特にこだわったのは、「私はこの世界にこれ以上のレイプシーンを増やすことに興味はなかった。もう十分だ」と語るように、“劇中では暴行場面を見せることなくすべてサバイバー自身の言葉で語る”ということだった。また、加害者であるハーヴェイ・ワインスタインの登場シーンにおいても、電話越しの音声や背後からのみなど限定的なかたちで描くことを徹底しており、観客が彼を演じる俳優の顔を見ることがないというのも、本作ならではの演出。「ワインスタインはほとんど画面に映らないけれど、彼の存在は確かに感じられ、彼の行動がこの映画の大部分を動かしている。ジョディとミーガンが調査をしていたときも恐らく同じように感じたのだろうと推測できる。彼女たちもワインスタインとはあまり接触していなかった」と語り、実際の調査と同様に記者たちやサバイバーの人生に寄り添って描くことにこだわった。また、シュラーダー監督と製作陣の徹底したこだわりは映像の中だけではなく、この作品に関わるスタッフにも力強い思いを求め、もっとも相応しいチームを作り上げるために、各制作部門のリーダーを集める際、過半数が女性となるように制作チームをまとめたという。「この物語は、女性が立ち上がり、声を上げ、自分の力を主張するというものなので、この作品を映画化するにあたり、女性が主導権を握るのは正しいことだと思った」と語るシュラーダー監督。製作陣の強い信念と熱い思いが込められ、緻密かつ懸命に描かれた本作の演出は要注目。そして、「とはいえ、女性主導のチームがごく普通になる日が来ることを切望している」とつけ加えるシュラーダー監督。時代を動かした大きな告発を描き、女性たちが勇気と信念を持ってその価値を証明する、映画業界のたしかな未来へとつながる1作となっている。『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』は2023年1月13日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:SHE SAID/シー・セッド その名を暴け 2023年1月13日より全国にて公開© Universal Studios. All Rights Reserved.
2022年12月14日ハリウッドの“絶対権力者”ハーヴェイ・ワインスタインの数十年に及ぶ性犯罪を暴いた「ニューヨーク・タイムズ」紙の記者をキャリー・マリガンとゾーイ・カザンが演じる『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』から、90秒予告&ポスタービジュアルが解禁となった。『ロード・オブ・ザ・リング』『恋におちたシェイクスピア』『パルプ・フィクション』『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』『英国王のスピーチ』など、数々の名作を手掛けた映画プロデューサーの数十年に及ぶ性的暴行事件を告発したニューヨーク・タイムズ紙のスクープ。その記事は、やがて映画業界や国を超えて世界中の性犯罪、セクシャルハラスメントの被害の声を促すきっかけとなった。女性たちを懸命に取材した調査報道に基づき、社会を動かした勇気ある女性たちとジャーナリストの物語を描く本作。取材対象から拒否され、ワインスタインからの妨害を受けながらも懸命に真実を追い求める記者たちと、証言を決意する女性たちの信念が世界を変える、緊迫感溢れる90秒予告が解禁された。ニューヨーク・タイムズの記者ミーガン・トゥーイー(キャリー・マリガン)とジョディ・カンター(ゾーイ・カザン)がハリウッドに君臨する映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの数十年に及ぶ性的暴行についての取材を進める中で、ワインスタインが過去に何度も記事をもみ消してきたことが判明。さらに、被害にあった女性たちはそのほとんどが示談を受けており、証言すると訴えられるという恐怖や、当時のトラウマによって声をあげられないままでいた――。問題の本質は業界の隠蔽構造だと知ったミーガンとジョディは、調査を妨害されながらも信念を曲げず、証言を決意した勇気ある女性たちと共に突き進む。そして、ついにサバイバーたちによって数十年にわたる沈黙が破られ、ワインスタインによる悪質な事件の全貌、真実が明らかになっていく。さらに、主演のキャリーとゾーイがシリアスな表情で向かい合う本ポスタービジュアルも解禁。多方面からの圧力によって潰されそうになりながらも、懸命に真実を暴こうとする2人の女性ジャーナリストの戦い、そしてハリウッドで“神”とすら呼ばれたワインスタインとの直接対決の行方が描かれる。『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』は2023年1月13日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:SHE SAID/シー・セッド その名を暴け 2023年1月13日より全国にて公開© Universal Studios. All Rights Reserved.
2022年11月11日「#Me Too」運動が注目されるきっかけとなった、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの女優らに対する性的暴行事件。先月有罪判決が下され、11日(現地時間)にはニューヨークの裁判所で禁錮23年が言い渡された。ワインスタインからセクハラやレイプ被害に遭った過去と向き合い、勇気を振り絞って公にした女優を含む100人以上の女性たちや、「#Me Too」運動の支持者たちは喜びの声を上げた。ミラ・ソルヴィーノは、ワインスタインの禁錮23年の刑に対し、「文字通り泣いた。司法制度がちゃんと機能していることに驚きと感謝」とツイート。アーシア・アルジェントは「ついに正義が下された。23年、刑務所入りか。ロサンゼルスの公判も楽しみにしている。世界を変える手助けをしてくれた、すべての勇敢な女性たちに感謝」と、ワインスタインがニューヨークのみならず、ロサンゼルスでも訴えられていることを思い出させた。映画『スキャンダル』で描かれた通り、FOXニュース設立者の故ロジャー・エイルズのセクハラ被害者であるメーガン・ケリーは「キャリアを守るか、セクハラ加害者を告発するか、思い悩んだすべての女性たちや、必死に声を上げた人たちに感謝。そうしないことを選んだ人も、もちろん愛されているし、支持する」とつづった。(Hiromi Kaku)
2020年03月12日先月末、レイプで有罪判決が下ったハーベイ・ワインスタインへの量刑宣告が、現地時間明日午前、ニューヨークの裁判所で行われる。彼にセクハラあるいはレイプをされたと名乗り出た女性は80人以上いるが、今回の刑事裁判の対象になった女性はふたり。そのうちひとりに対する罪の刑期は最短5年、最長25年、もうひとりへの罪では最短18ヶ月、最長4年。つまり最大29年の可能性があるが、ワインスタインの弁護士は、彼がすでにすべてを失っていることや、彼の優れない健康状態を強調し、刑期を5年にとどめてほしいとお願いしている。このニューヨークでの刑事裁判とは別に、この後、彼にはL.A.でも刑事裁判が控えている。文=猿渡由紀
2020年03月11日長年ハリウッドを牛耳ってきた映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン被告が逮捕されてから約1年。数人の原告と4,400万ドル(約48億円)で暫定の和解に達したと複数のメディアが報じている。ワインスタイン被告にセクハラスキャンダルが降って湧いたのは2017年10月。数多くの女優が駆け出しの頃にホテルの部屋へと呼び出され、性的関係を強要された過去を次々と告発し、辣腕プロデューサーの裏の顔がついに暴かれた。ローズ・マッゴーワンはレイプされるも、『プラネット・テラー in グラインドハウス』(2007)への出演と1,000万円ほどの口止め料で涙をのんだことを告白。アンジェリーナ・ジョリーやグウィネス・パルトロウらアカデミー女優らもホテルに誘われていたことを明かした。セクハラ被害に遭った女性は、そのショックと恥ずかしさから口をつぐんでしまう傾向にあるが、有名女優やモデルが勇気を出して過去の被害を告白する流れは、その後の世界的な「#MeToo」運動へと拡大していった。現在ワインスタイン被告は性的暴行で複数の訴訟を起こされている。今回、和解に達したのはそのうちの一件に過ぎない。ウォールストリート・ジャーナルによると、合意文書が締結されれば、4,400万ドルのうち、3,000万ドルは被害者への支払いに、残りの1,400万ドルは訴訟費用にあてられるという。ただし、この和解金はかつてのワインスタイン・カンパニーが入っていた保険から支払われ、彼個人の懐が痛むことはない。9月9日にはレイプと性的暴行で2人の女性から起こされた裁判に出廷する予定だ。
2019年05月24日一昨年、ハリウッドを皮切りに世界中に拡がった「MeToo運動」。その“震源地”とも言える、ハーヴェイ・ワインスタインのオフィスがついに他人の手に渡った。ある家具を除いて。大物映画プロデューサーとして、長年ハリウッドを牛耳ってきたワインスタイン。役をちらつかせ、多くの女優を性的に搾取していたことがわかり、彼の帝国は崩壊した。ロバート・デ・ニーロが経営するレストラン「トライベッカ・グリル」の上階にあったワインスタインの巨大オフィスも1,000万ドルで売りに出された。550平方メートル超、シャワーを備えたバスルーム付きの物件は、余りにもかつての持ち主の悪名が高いためになかなか買い手がつかず、結局600万ドル(約6億6千万円)で不動産開発業者ケイプ・アドバイザーズに売却されることが決定した。そこで気になるのが、オフィスにあったソファの行方だ。ハリウッドでは、昔から「キャスティング・カウチ」という悪習が受け継がれてきた。女優がキャスティングの権限を持つ大物のオフィスにあるカウチ(ソファ)でセックスをすることと引き替えに役をもらっていたことが語源だ。ワインスタインも多分に漏れずカウチを活用していたと、『恋に落ちたシェイクスピア』や『ギャング・オブ・ニューヨーク』に出演した女優が証言している。この悪名高いソファは新しい持ち主により、あっさり廃棄されたようだ。「あれはもうない。捨てたよ」と買い手に近しい情報提供者がニューヨーク・ポストに語ったという。
2019年02月15日女優のケイト・ブランシェット(48)が、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインからのセクハラ被害を明かした。ケイト・ブランシェット(C)BANG Media International数々の作品でワインスタインと仕事を経験したケイトは、ワインスタインからは常に「嫌な雰囲気」を感じていたそうで、それは彼の要求を断ったせいで嫌われたからだと考えているようだ。ケイトはヴァラエティ誌に「セクハラはいろいろあるわ。もちろん、ずっと悩まされていたし、悩んでいる人はたくさんいると思う」と語り、ワインスタインからセクハラされたり、不適切な行動を取られたことがあるかと尋ねられると「私の場合、イエスね。彼は本当に、多くの捕食者がやるように弱者を主に餌食にしていたと思うの。彼には嫌な予感がしたの。よく『友達なんかじゃない』って言われてた」「それに、彼に要求されても従わなかったしね」と明かした。詳細は明かそうとしないケイトだが、ワインスタインが起訴されることで先例となり、今後権力を持たない人が同じような状況になった時に自分を守りやすくなるだろうとして、「ハーヴェイのように、タガが外れて罪を犯す人に本当に興味があるし、同じような男性は多くの業界にいるわ」「彼は残念なことにある種の典型的な男性だから、例として挙げられている。他に起訴された人にも興味があるし、判例を作る必要がある」「タイムズ・アップ運動の使命の一部は、自分を守るのに必要なお金を持たない人たちを助け、平等で公平かつ安全な職場を目指すことにあるの」「実際に有罪となった判例があれば、他の人もそれを利用する恩恵を得られるわ」と語った。ワインスタインは数々の訴えを否定し、性行為は全て合意の上だったとしているが、ケイトは実刑が下ることを望んでいるようで、懲役刑が下されると思うかと尋ねられると「そう願うわ。私が調べた限りでは、法定強姦は犯罪だもの」「司法制度を通し訴えることが本当に大切だと思う。様々な脅威があるから、司法制度という民主主義の方法を支持することが本当に重要なの」と話した。(C)BANG Media International
2018年05月04日先日「過去にハーヴェイ・ワインスタインから性的な嫌がらせを受けた」ことを打ち明けたのと同時に、ワインスタインと映画製作上の関係が深いタランティーノ監督も非難したユマ・サーマン。タランティーノ監督は『キル・ビル』の撮影中、危険なカーシーンに「スタントマンを使ってと」訴えるユマの要望を却下し、結果的にユマは大事故を起こして大けがを負った。さらに、事故当時の証拠動画をワインスタインら製作陣が隠滅をはかったのだそうだ。この事故を起こしたことに「深く後悔している」と「Deadline」に語ったタランティーノ監督。数年前に事故の動画をユマに渡したとのことで、昨日ユマは「勇気を持って正しいことをした彼を誇りに思う」とコメントを付けて動画をSNSにアップした。ユマとは和解しているようではあるが、タランティーノ監督が俳優に危険行為をさせるというイメージはなかなか消えるものではない。そこで、タランティーノ監督作『イングロリアス・バスターズ』で凄まじい首絞めシーンに挑んだダイアン・クルーガーが救いの手を伸べた。「タランティーノ監督との仕事は純粋な喜びだった」とSNSに綴ったのだ。ダイアンによれば、「彼は私に敬意を持って接してくれたし、権利を振りかざしたり私がイヤだと思うようなことを無理強いしなかった。愛を込めて、Dより」とのことだ。劇中ではクリストフ・ヴァルツに首を絞められているダイアンだが、実際の撮影では綿密な打ち合わせの上、タランティーノ監督が行っていた。(Hiromi Kaku)
2018年02月07日ハーヴェイ・ワインスタインの長年に渡るセクハラが明るみになってから、女優たちによるセクハラ事件の暴露が後を絶たないハリウッド。ワインスタインのみならず、次から次へと著名な俳優たちの蛮行も明らかになってきた。「People」誌によれば、1月7日(現地時間)に開催されるゴールデングローブ賞授賞式では、エマ・ストーンやメリル・ストリープら女優たちが、ハリウッドに蔓延しているセクハラへの抗議として全身黒ずくめで出席するという。彼女たちに賛同しているドウェイン・ジョンソンらも同様の服装で出席する。ドウェイン、アーミー・ハマー、トム・ヒドルストンのようなハリウッドのトップ俳優を担当しているスタイリストのイラリア・ウルビナーティがインスタグラムで明かした。「みんな私に聞いてくるのよ…。ええ、ゴールデングローブ賞では、男性陣が女性陣と団結して立ち上がり、黒ずくめの服装で女性軽視に対する抗議を行うわ。少なくとも、私のクライアントの男性たちはね」。華やかなファッションが見どころの1つである授賞式だが、ファッションによるこの抗議は、ゴールデングローブ賞だけでなく賞シーズンを通して続くかもしれないとのことだ。(Hiromi Kaku)
2017年12月25日(写真:アフロ) ニューヨーク・タイムズ紙とニューヨーカー誌のスクープにより、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏(65)が多くの女優や女性スタッフに行なったセクハラ行為が告発されたことは、今年のショービジネス界を揺るがす大きな事件となった。そのニューヨーク・タイムズ紙が現地5日、ワインスタインに関する新たなスクープを報じている。 同紙は、彼の元アシスタントのミシェル・フランクリンさん(32)、サンディープ・リハルさん(28)に取材を行っている。彼女たちによると、ワインスタイン氏は女性と会合する際、ED治療薬「カバージェクト」などをホテルの部屋まで持ってくるよう指示していたのだ。 フランクリンさんは「これは私の仕事ではない」と拒否したところ、「君の意見は受け付けない」とワインスタイン氏にすぐに解雇されたと語っている。また、同氏はリハルさんらにED治療薬を運ばせる“任務”について口外しないよう指示していたことや、反発する部下を「電話一本で君たちをクビにできるんだぞ」と脅していたことなどが明らかにされている。 映画界、スポーツ界など多くの業界でのセクハラ疑惑が告発されるきっかけとなったこの事件。だが、ワインスタイン本人についての告発もまだまだ終わらなさそうだ。
2017年12月06日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。■『You An Orchestra You A Bomb』シグ・ハーヴェイ(Cig Harvey)人生の中でのスピリチュアルな体験を写真イメージで表現する作品でコアなファンを持つイギリス出身の写真家シグ・ハーヴェイの第3作目のモノグラフ。活気に満ち、大胆で、恐らくこれまでのなかでもとりわけ美しい本書は、写真家と人生そのものの関係を探索し、壊れやすい贈り物に注意を向け、感謝することを語る。畏怖の瞬間をとらえ、日常の遺恨を作り、魔法と災いの間の狭間で人生を見る作品群には、写真家の人生の儚さに対する意識の高まりを感じることができる。【書籍情報】『You An Orchestra You A Bomb』写真:Cig Harvey出版社:Schilt Publishing言語:英語ハードカバー/144ページ230x230mm発刊:2017年価格:7,790円■Shelfオフィシャルサイト『You An Orchestra You A Bomb』購入ページ
2017年12月02日ハリウッド大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ問題が露見してから、問題の火の手は収まるどころか悪化しておりハリウッドのエンタメ業界はパニック状態となっている。■ケヴィン・スペイシー事件のあとには…ワインスタイン事件以来、セクハラ問題がまるで異常乾燥注意報時の火災がごとく映画業界の至る所で火の手をあげて俳優やセレブ監督にも飛び火しており、人気海外ドラマ「ハウス・オブ・カード野望の階段」などで日本でもお馴染みの俳優ケヴィン・スペイシーが30年前、26歳のときに14歳の俳優アンディー・ラップに対して性的行為を試みようとしたというニュースはアメリカ内外でも大変な話題となった。今週に入り、映画『テッド』のガールフレンドを演じたジェシカ・バースが2012年に当時のマネージャーでハリウッドの大物であるデヴィッド・ギルロッドから性的暴行を受け、ロス市警に届けたもののその後ギルロッドから脅迫され恐ろしくなり、訴訟を取り下げざる得なかった、と大手業界サイトの「the Wrap」に暴露してこれも大変な騒ぎとなった。とにかく連日のように、新しい有名人の名前が「セクハラ事件」という見出しの横に並ぶ、とんでもない状況のハリウッド。セレブ監督のブレット・ラトナーも6人の女性からセクハラで槍玉に挙げられている。ブレット・ラトナーといえば、アクションコメディー映画『ラッシュ・アワー』シリーズ(ジャッキー・チェン&クリス・タッカー主演)で一躍人気監督となり、近年では自ら設立したプロダクション・スタジオより大ヒット作『ワンダーウーマン』や『X-MEN: ファイナル ディシジョン』などを産出してノリに乗っていたハリウッドの大物である。ラトナーは、問題発覚後に里親的存在だったワーナー・ブラザーズ映画から縁を切られている。■ハリウッドで崇拝されているアノ俳優まで!?今回のセクハラ問題で周囲を一番ショックに陥れたのが、今年で御年80歳の大御所名優ダスティン・ホフマンである。『卒業』や『トッツィー』などの名作をはじめ、メリル・ストリープと共演した『クレイマー、クレイマー』と、トム・クルーズ共演の『レインマン』ではアカデミー賞主演男優賞受賞歴もある、あのダスティン・ホフマンである!時をさかのぼること32年前。ダスティン・ホフマンが1985年に手がけていた芝居のプロジェクトで、当時17歳だったインターンのアンナ・グラハム・ハンターさんにセクハラをしたのだという。このショッキングなニュースに周囲が愕然とするなか、どうやらダスティンの“素行の悪さ”は、それに始まったことではないということが明るみに出はじめた。1979年に『クレイマー、クレイマー』でダスティンと共演したメリル・ストリープは、撮影前に初めてダスティンと対面したときに、なんと胸を触られて非常に不快な思いで撮影に臨んだというのである。この打ち明け話はメリルのインタビュー記事として当時のタイム誌に掲載されており、これがいまになって浮上し、ダスティンにとっては非常に不利な話題となっている。■セクハラ問題の波紋セクハラ問題は、関わった俳優や監督たちのキャリアを崩壊に追い込むばかりでなく、その周囲にもひどい打撃を与えている。増え続けるスキャンダルに伴い、暮れのホリデーシーズン公開予定作品が目まぐるしく変更されているのがその一例だ。たとえば、TWC(ザ・ワインスタイン・カンパニーの略)の手がけたホラー映画『ポラロイド』(原題)は、かなりのヒットが見込まれていたものの、セクハラ事件が露見したことで、ほとぼりが冷める来春ころへの延期が決定している。被害を被っているのは劇場側だけではない。一連のセクハラ問題は、アカデミー賞を筆頭とする映画賞レースへの影響も必至とみられている。前出のケヴィン・スペイシーは、Netflixより「ハウス・オブ・カード野望の階段」の打ち切りを命じられただけでなくアカデミー賞シーズンに向けてノミネート必至とされていた新作スリラー映画『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド/All The Money In The World』(原題)が受賞作戦のPRから外されることが決定している。この映画は『エイリアン』シリーズのリドリー・スコット監督作品で、ケヴィン・スペイシーの共演者にはミシェル・ウィリアムズとマーク・ウォールバーグも参加している話題作だったのに、ケヴィンが昔に犯した軽率な過ちのせいでとんだ迷惑を被っていしまった形だ。■ハリウッド・メンタリティとその対策「お金があってパワフルならばどんな振る舞いをしてもいい」という暗黙の了解がまかり通っていたハリウッド。…というよりは、どこの業界でもパワーを持っている者が下のものを足蹴にしたり酷い扱いをしたりということは往々にある。その頂点にあるのがセクハラだ。映画業界にセクハラが横行している理由に、「何が何でも俳優になりたい」という若者が溢れているという事実がある。だが、いくら相手がどんなにデスパレートでも、分別のある人間であればセクハラに及ぶなどということはない。長いことハリウッドにいて学んだことがある。自分の心の声はうそをつかない。少しでも妙な気配を相手から感じ取ったら、自分の心がザワつき出したらその場から素早く身を引くことが肝心だ。どんな業界に居ようが、上に立つ相手が自分の価値観や信条に反するようなことを提案したり押しつけたりして来たら、相手が誰であろうが「NO」と言って、毅然とした態度でその場を離れる勇気を持つことが大切なのだ。(text:Akemi K. Tosto)(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2017年11月10日今年3月、『プリズン・ブレイク』シーズン5の上映会に登場したロバート・ネッパー(写真:Richard Shotwell/Invision/AP/アフロ) ハーヴェイ・ワインスタインに関する報道に端を発したセクハラ告発の連鎖が止まらない。ケヴィン・スペイシーやスティーヴン・セガールら大物俳優の名が次々と挙げられる中、日本でも人気のあの人にも疑惑が持ち上がった。『プリズン・ブレイク』のセオドア・“ティーバッグ”・バッグウェル役で知られるロバート・ネッパー(58)だ。 衣装デザイナーのスーザン・バートラムは1991年、映画『Gas Food Lodging』の撮影クルーとして働いていた。ニューメキシコ州での撮影中、ネッパーのトレーラーに衣装を運んだ際に事件は起こった。The Hollywood Reporterにバートラムが語ったところによると、入室するやネッパーはすぐさま立ち上がり、彼女の股の部分を思い切りつかんできたという。ネッパーはそのまま壁に彼女を押し付けて、「あんたをめちゃくちゃにしてやろうか」とささやいた。「すぐにもがいて彼の腕を振りほどき、トレーラーから飛び出しました。外に出ると、あまりの恐怖に膝から崩れ落ちてしまいました」とバートラムは当時の記憶を掘り起こした。 ネッパーはこの告発を受け、Instagramに反論メッセージを掲載。 「ここ数週間にわたり、女性たちが経験した痛みと、彼女たちが前に進むために見せた勇気について妻と私は語り合ってきました。私はある女性から暴力について誤った告発をされ、非常にショックを受けています。言われているのは私ではありません。今回のことで私を支え、元気づけてくれた人々に心からの感謝を送ります」
2017年11月10日このところ、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン、俳優のケヴィン・スペイシーなどの大物たちが次々とセクハラ加害者として告発されているハリウッド。今度は「ゴシップガール」のチャック・バス役で有名なエド・ウェストウィックにレイプ疑惑が持ち上がっている。6日(現地時間)、女優のクリスティーナ・コーエンが3年前に起きたというエドによるレイプ事件の詳細をFacebookに投稿。それによれば、当時クリスティーナはエドの友人である映画プロデューサーと交際していた。彼に連れられてエドの家に遊びに行き、エドと初対面を果たしたクリスティーナ。エドが「ヤっちゃおうよ」ととんでもないことを提案してきたためすぐにでも帰りたかったが、彼氏に「いま帰ると気まずくなる。あと20分したら帰ろう」と引き留められたという。そして、エドは「疲れたから帰りたい」と言う彼女に「ゲストルームでゆっくりしていれば」と促し、クリスティーナも実際にゲストルームでウトウトしてしまった…。エドが身体に覆いかぶさってきたことでハッと目覚めたが、エドの力は強く抵抗しきれなかったそうだ。レイプされたことを彼氏に言うと「悪いのはお前だ」と責められ、「この件を誰かに漏らしたらお前の女優人生は終わる」と脅される始末。現在ロサンゼルス市警察がこの件を捜査中だが、エド本人はツイッターで「ぼくはその女性を知りません。女性に無理やり何かをしたことはありません。もちろん、レイプなんていう罪を犯したこともありません」と否定している。(Hiromi Kaku)
2017年11月08日ワインスタインによるセクハラを告発した女優たち写真:AP/アフロ ニューヨーク・タイムズ紙とニューヨーカー誌のスクープにより、ショウビズ界から追放された辣腕プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン。横暴な権力者の失脚は、これまで沈黙を強いられてきた多くの人々を奮い立たせ、ワインスタイン以外のみならず、他の監督や大物俳優によるセクハラ行為が次々と告発されている。 恐らくは現在のような状況を避けるためであったのだろう。ワインスタインは昨年、自身を告発する可能性のある人物や、自身の過去を探っている記者の監視を「クロール」と「ブラック・キューブ」に依頼していたことをニューヨーカーが報じた。クロールは世界最大級の情報収集企業、ブラック・キューブは元モサド(イスラエルの諜報機関)の高官が設立した探偵社だ。ブラック・キューブはワインスタインがレイプしたローズ・マッゴーワンに自社の潜入捜査員を女性権利活動家として接触させ、マッゴーワンが出版を予定していた暴露本の内容を入手したという。 ワインスタインの身辺を調査しているジャーナリストたちのことも調べ上げ、ニューヨーク・タイムズとニューヨーカーの報道を妨害する工作も行っていたというが、結果は見ての通りだ。ワインスタインの卑怯な手法に、SNSなどでは怒りが再燃している。
2017年11月07日『プラネット・テラー in グラインドハウス』のローズ・マッゴーワン(写真:Everett Collection/アフロ) 長年ハリウッドを牛耳っていたハーヴェイ・ワインスタインのセクハラスキャンダルが露見してからひと月以上。未だに彼の悪行を告発する声が後を絶たない。その手口は共通しており、駆け出しの新人女優を「打ち合わせ」と称してホテルの部屋に呼び出し、マッサージを強要。合意を装って性的関係を結び、いくばくかの口止め料と映画出演と引き替えに沈黙を強いるという非常に卑怯なものだった。 セクハラの域を超え、レイプされてしまった女優も既に何人か名乗り出ている。そのうちの1人、ローズ・マッゴーワンが9月に「レイプについて黙っていれば100万ドル(約1億千万円)支払う」という申し出を受けていたことをTIMES紙に明かした。 マッゴーワンは『プラネット・テラー in グラインドハウス』(2007)で、ゾンビに食いちぎられた太腿の下に義足代わりにマシンガンを装着して戦うセクシーダンサーを演じ、世界的に知名度を上げた。しかし、彼女がこの役を獲得した裏には、ワインスタインによる“買収”があった。ワインスタインにレイプされるも、映画出演と10万ドル(約,1100万円)の和解金を差し出され、黙らざるを得なかったのだ。 TIMESによると、今年9月に記事が出ることを知ったワインスタインは、弁護士経由でマッゴーワンに連絡を取り、100万ドルと引き替えにレイプの事実を隠し通すよう依頼したという。 「あいつをじわじわ苦しめてやりたくて、600万ドルじゃないと応じない、と返答したけど、その後に『もううんざり。あんたのお金なんか欲しくない』って言ってやったの」。 『プラネット・テラー in グラインドハウス』では、マッゴーワン演じるダンサーが自らをレイプした男を惨殺するシーンがある。この作品を監督したロバート・ロドリゲスは、当時マッゴーワンと交際しており、このシーンをワインスタインへの意趣返しとして撮影したと先週Variety誌に語っている。
2017年10月30日ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが、2013年に起きたとされる婦女暴行容疑の捜査対象となっている。30年以上に及んで行われてきたとされるセクハラ騒動の渦中にあるワインスタインだが、匿名のイタリア人モデルが4年前にレイプされたと被害報告を出したことで、ロサンゼルス警察によって捜査を受けている。TMZによれば、2013年2月に行われたイタリア映画・ファッション・芸術フェスティバルの際にワインスタインから接触されたという女性の被害報告について、ロサンゼルス警察はワインスタインに対する犯罪捜査を開始したという。当時34歳だったというその女性は、ワインスタインから「話をしたいだけ」とホテルへ誘われたとロサンゼルス・タイムズ紙に説明している。そしてワインスタインから裸を見たいと言われ、髪の毛をつかまれてバスルームへと引きずり込まれた挙げ句にレイプされたという。止めるように頼み込んだもの、45分間に渡って行為はおよび、その女性を部屋に残して去ったとしている。セクハラ疑惑が浮上した当初は、夫を支えるとしていた10年来の妻ジョージナ・チャップマンが離婚の意向を表した際には、その決断を支持するとコメントを出しているワインスタインだが、2児をもうけたジョージナと将来的にやり直せることを願っていると明かしていた。(C)BANG Media International
2017年10月22日30年間にわたる多数の女性へのセクハラ疑惑が告発されたプロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン(65)が、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)から追放された。アカデミー賞を主催する同団体が、ワインスタインを除名することを声明で発表した。「理事会は早急にワインスタインをアカデミーから除名することに決定しました。単に彼のような、同僚からの尊敬に値しない人物を追放しただけでなく、我々の業界での性的暴力や職場でのハラスメントに対し、見て見ぬふりをしたり、恥ずべき加担行為を働いたりする時代は終わったというメッセージでもあります」「ここで問題となっているのは、我々の社会において許されることのない深い問題です。理事会は今後も、全てのアカデミー会員が例示することが期待される、倫理的な行動規範を確立するため努力を続けていきます」スティーブン・スピルバーグやトム・ハンクス、ウーピー・ゴールドバーグらを含む理事会の幹部らが今回の追放を決定したと報じられている。同団体においては、理事会は3分の2の投票によって会員を正当な理由として除名できる決まりとなっており、今回の件に関しては「3分の2を優に超える」投票を得たという。アカデミー追放に先立っては、ワインスタインの弟ボブが、ワインスタイン・カンパニーの株主持ち分をワインスタインが失う可能性があると明かしていた。また、ワインスタインはフランスの名誉であるレジオンドヌール勲章をはく奪されることが発表された。エマニュエル・マクロン仏大統領は、2012年にニコラ・サルコジ元大統領によってワインスタインに授与されていたその栄誉をはく奪することに向けて動き出したことを、広報担当を通じて発表していた。(C)BANG Media International
2017年10月16日(写真:Shutterstock/アフロ) ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラスキャンダルは沈静化の糸口さえ見えてこない。被害者が余りにも多すぎるのだ。彼の巨大な権力の前に口を閉ざしてきた女性たちが、語る自由をようやく得て白日の下にさらした真実は、目や耳を塞ぎたくなるほどひどいものばかりだ。 スーパーモデルで、女優としても頭角を現しているカーラ・デルヴィーニュも、ついに声を上げた。Instagramで、「自らのストーリーを恥じてはだめ。それはきっと誰かを奮い立たせる」と大書した画像に添えて、ワインスタインにされた一部始終を綴っている。 女優業をスタートさせた当時、ワインスタインから電話が来たという。 「一緒に写真を撮られた女性たちと寝たことはあるのか、と訊かれた。すごく変で気分の悪い電話だった……何も答えずに切ろうとしたら、彼はこう言ったの。『もし君がゲイだったり、特定の女性と付き合うことを決めたりしたら、私は二度と君にストレートの女性の役をやらない。ハリウッドでの女優としての道を絶たれることになるぞ』」 その1~2年後、デルヴィーニュはある映画監督とワインスタインの3人で次回作のミーティングすることになり、ホテルのロビーに集まった。途中で監督が中座、2人きりになるやワインスタインはデルヴィーニュに、自身の女性遍歴を自慢し始めたという。今までに寝た女優たちの名前を列挙し、性的に不適切な表現を交えながら彼女たちのキャリアをいかにして自分が作ってやったかを、鼻高々に語った後、ワインスタインはデルヴィーニュをホテルの部屋に誘った。 「私はすぐさま断って、彼のアシスタントに私の車は外にあるかどうか訊いた。彼女は『車はない。しばらく車寄せには回されないから彼と一緒に行くべきよ』と答えた。その瞬間、自分の無力と恐怖を感じたけれど、それを悟らせるような行動は取りたくなかった。部屋に着いたとき、別の女性がいるのがわかってほっとした。大丈夫だ、と思ったけど、彼は私と彼女にキスをするように言って、彼女は私を押し倒したの」 身の危険を察知したデルヴィーニュは、ベッドから立ち上がって歌を歌い始めた。これが功を奏したのか、部屋はオーディションのような空気に包まれたという。プロの態度を貫き、歌い終わった後に「もうこれで失礼します」と宣言した。ワインスタインは彼女をドアまで送り、別れ際に唇にキスを試みてきたが、デルヴィーニュはこれを何とか阻止し、部屋を脱出することができたのだとか。 ワインスタインの要求はのまなかったが、役を剥奪されることはなかった。しかし、この出来事は、デルヴィーニュの映画に対する感情をガラリと変えてしまったという。 「映画に出るのが怖くなってしまった。その役をやる価値が自分にはないように感じたし、映画について語ることもためらわれるようになってしまった。家族を傷つけたくなかった。何か間違ったことをしているかのように気が咎めてしまった。この手の出来事が多くの女性に起こり得る上に、恐れるあまり誰にも言えない状況に追い込まれるということが、心底恐ろしい」 デルヴィーニュのこのメッセージには、勇気ある告白を賞賛するコメントが相次いでいる。
2017年10月12日ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが女性たちに対し、数十年にわたってセクシャルハラスメントをしてきた事実が報道され、スター女優たちの中からも被害者が名乗り出ている。■ハーヴェイ・ワインスタイン…「ワインスタイン・カンパニー」から解雇10月5日(現地時間)、「ニューヨーク・タイムズ」紙はワインスタインが約30年もの間、女性従業員に性的嫌がらせを繰り返していたと報道。それを受けて、ワインスタインが弟のボブと設立した「ワインスタイン・カンパニー」から解雇された。弟のボブとは、祖父母の名を冠した製作会社「ミラマックス」で良作を作り、90年代のアカデミー賞で常勝していたプロデューサーであり、民主党の強力な支持者としても知られる大物失脚の衝撃は広がり続けている。5日の告発記事では90年代に活躍したアシュレイ・ジャッドやローズ・マッゴーワンらが実名で証言。ツイッターなどSNS上でハリウッド・スターたちがその勇気を称え、ワインスタインを非難した。ワインスタインは自身の振る舞いが「多くの苦痛を与えた」と謝罪声明を発表したが、8日(現地時間)に「ワインスタイン・カンパニー」を解雇された。■続々と被害公表…オスカー女優たちも告白解雇後も非難は収まるどころか、ついにグウィネス・パルトロウやアンジェリーナ・ジョリーといったオスカー女優たちも被害を受けていたことを告白した。グウィネスは22歳のとき、ワインスタインが製作した『Emma エマ』(96)の主演に抜擢されたが、撮影前にペニンシュラ・ビヴァリーヒルズ・ホテルのスイートルームでの打ち合わせを持ちかけられた。新人女優だった彼女は言われるままに部屋へ行くと、ワインスタインは彼女の体に手を置き、ベッドルームでのマッサージを促したという。グウィネスはこれを拒絶し、当時交際していたブラッド・ピットに打ち明け、ブラッドはワインスタインと対決したが、直後にグウィネスはワインスタインから、このことは誰にも話すなと警告されたという。「彼に解雇されると思った」とグウィネスは「ニューヨーク・タイムズ」紙に語った。アンジェリーナも同紙に「若い頃、ハーヴェイ・ワインスタインとの間に嫌なことがあった。だから、彼とは絶対に仕事をしないと決めたし、彼と仕事をする人たちには警告した」とメールで応えた。ミラマックス製作の『マイ・ハート、マイ・ラブ』(99)に出演した彼女は映画公開時に、ワインスタインからホテルの部屋に誘われ拒否したという。このほかに『パルプ・フィクション』(94)に出演したロザンナ・アークエット、フランスの女優ジュディット・ゴドレーシュも被害に遭っている。1995年に肉体関係を迫られ、拒絶したミラ・ソルヴィーノも「ほかの理由もあるかもしれないけれど、ハーヴェィを拒絶したことが影響していると感じた」とキャリア低迷について「ザ・ニューヨーカー」に語った。■余波大きく…かつての仕事仲間にも激震90年代以降、アカデミー賞に輝いた俳優、監督たちの多くはワインスタインの手がけた作品で受賞していることから、出演作プロデューサーの唾棄すべき裏の顔が暴露されたことへの衝撃は大きい。『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』(11)でアカデミー主演女優賞を受賞したメリル・ストリープや『恋に落ちたシェイクスピア』(98)で同助演女優賞を受賞したジュディ・デンチは、ワインスタインを厳しく非難したものの、そうした行為については知らなかったとコメント。『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)でアカデミー賞脚本賞を受賞したベン・アフレックや90年代からワインスタインを知っているジョージ・クルーニーらも同じく、今回の報道でハラスメントについて知り、許しがたい行為だとコメントしている。ベンとともに脚本賞を受賞したマット・デイモンは、2004年にワインスタインの問題を取材していた記者に電話で圧力をかけたと報じられたが、電話した事実は認めたうえで、ワインスタインから悪評のある部下の擁護を頼まれて1分程度話しただけだと「Deadline Hollywood」の取材で釈明している。『世界にひとつのプレイブック』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したジェニファー・ローレンスは「ハーヴェイ・ワインスタインの振る舞いに関するニュースに深く動揺しています」「ハーヴェイと5年前に一緒に仕事したとき、いかなる形のハラスメントも経験しなかったし、そういううわさも知りませんでした。このような虐待は弁解の余地はなく、非常に不快です」とコメント。ジェシカ・チャステインは「私は最初から警告を受けていた。この話はどこにでもあった。それを否定するのは、同じことが起こる環境を作ることになる」とツイート。ブリー・ラーソンは「いつも通り、私は性的暴行とハラスメントを経験した勇気ある人たちの側に立ちます。あなたたちのせいじゃない。私はあなたちを信じています」とツイートした。全米映画俳優協会(SAG)はワインスタインの行為を「忌まわしい」と断罪。16万人の会員に対して、ハラスメントや不適切で攻撃的な扱いについて通報を受けつけるホットラインを設置したと発表した。(text:Yuki Tominaga)
2017年10月11日今年のアカデミー賞には夫婦連れ立って出席していた。(写真:ロイター/アフロ) 多くのタランティーノ作品をはじめ、『英国王のスピーチ』などのアカデミー受賞作を数多く手がけてきたハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(65)がセクハラで自社を追われてからおよそ1週間。これまでワインスタインに性的嫌がらせを受けながらも、口を閉ざし続けてきた女優たちが次々と声を上げている。若かりしグウィネス・パルトロウやアンジェリーナ・ジョリー、ヘザー・グラハムらも、役と引き替えにホテルの部屋へと誘われた過去を明かしている。 すべての女性の敵となったワインスタインは、最も近しい女性からも見放されたようだ。妻で、高級ブランド「マルケッサ」の共同設立者兼デザイナーのジョルジーナ・チャップマン(41)が、離婚を決意したことをPEOPLE誌に向けた声明で発表した。 「許しがたい行為によって多大な苦しみを背負わされた女性たちを思うと心が張り裂けそうです。私は夫との別れを選択しました。小さな子どもたちの心をケアすることが、今の私にとっての最優先事項です。どうかプライバシーを尊重してくださるよう、お願いします」 2人は10年前に結婚し、現在は7歳と4歳の子どもがいる。今月5日にNew York Times紙にセクハラによる解雇を報じられて以降、ワインスタインは疑惑を否定し、妻チャップマンは自分の味方だ、と言い続けてきた。「私とジョルジーナは今回の件でじっくりと話し合い、よりよい人間になれるよう手助けする、と言ってくれている」と、New York Postの取材でも話していたが、騒ぎがあまりにも大きくなりすぎたが故だろうか。チャップマンは夫を切り捨てた。レッドカーペットでマルケッサのドレスを着る女優が増えたり、ワインスタイン・カンパニーのテレビ部門が制作する『プロジェクト・ランウェイオールスターズ』では審査員に抜擢されたりと、これまで夫の恩恵に浴してきただけに、ソーシャルメディアでは同情よりも「保身に走った」と眉をひそめる意見が多く見られる。 TMZによると、四面楚歌のワインスタインは米国時間10日夜、ひっそりとプライベートジェットに乗り、ヨーロッパにあるセックス依存症のリハビリ施設へ向かったという。
2017年10月11日「LEXUS」が、『愛を読むひと』『イングロリアス・バスターズ』などで知られるインディペンデント系映画会社ザ・ワインスタイン・カンパニー(以下:ワインスタイン社)と協同し、将来有望なクリエイターを支援する「LEXUS SHORT FILMS」シリーズ第2弾として新作ショートフィルム2本を制作。このほど、その本編映像が公開された。この「LEXUS SHORT FILMS」は、従来の“高級”とは異なる価値として“Progressive Luxury”を追求するという「LEXUS」のブランドビジョンのもと、グローバルなスケールでそのプレミアム・ブランドとしてのイメージ強化・確立に向けた様々な取り組みの一環として行われている活動だ。このプロジェクトでは、ハリウッドを代表する著名な監督がメンター(監修)としてサポート。これらの支援のもと、「LEXUS」の掲げるテーマである“Life is Amazing”をそれぞれの感性で読み解き、表現していくというものだ。今回のシリーズ第2弾では、新進気鋭の2組の若手監督(監督:ジョン・ゴールドマン/監督:大川五月と脚本:落合賢)を起用。ゴールドマン監督は、寡黙で想像力豊かなマーケットの警備員・ランダルを主人公に、平凡な日常に突如起きた不思議な奇跡を描いた『Market Hours』を。大川監督と落合氏(脚本)の日本の2人は、少女コミックをイメージしたという、ヒロインの切なくも愛らしいプロポーズ大作戦で巻き起こる心情を描いた『Operation Barn Owl』を制作。この2作品は、今年5月に東京で行われた米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル」(以下:SSFF & ASIA)の初日に本シリーズのプレミア試写会が開催され、さらに6月にはニューヨーク、7月にはロサンゼルスでも試写会が開催された。「LEXUS SHORT FILMS」公式サイトでは、この各国の映画祭への出展状況などに加え、制作時のメイキング映像なども公開されている。さらに、東京・青山にある「INTERSECT BY LEXUS - TOKYO」では、「LEXUS SHORT FILMS」を始め、動画配信アプリ「UULA」、ネスレ日本株式会社と共に、選りすぐった上質な作品をキュレーションし、上映するショートフィルムシアターを開設。11月5日(水)~12月1日(月)の期間中、大川監督の『Operation Barn Owl』を始め6作品が上映される。さらに、11月7日(金)には「SSFF & ASIA」代表の別所哲也や広瀬アリスを招き、ショートフィルムの現在、そして未来の形をテーマにトークセッションも行われる予定だ。(text:cinemacafe.net)
2014年10月30日先日、第66回トニー賞最優秀男優賞を受賞したばかりのジェームズ・コーデンが、ハーヴェイ・ワインスタインが手がける伝記映画『One Chance』(原題)でオペラ歌手のポール・ポッツを演じることとなった。イギリスのオーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で優勝するまで、携帯電話の販売員をしていたポール・ポッツが成功するまでへの厳しい道のりを描く本作。ワインスタイン氏は英「Daily Mail」紙に「ジェームズは優れた俳優で、素晴らしいコメディアンだから、この感動的な実話を基に一緒に仕事ができるのが楽しみだ。ジェームズは舞台『One Man,Two Guvnors』でトニー賞の最優秀男優賞を獲ったばかりだし、撮影開始が待ちきれないよ」と語っている。ジェームズは、本作の監督を務める予定の『プラダを着た悪魔』のデヴィッド・フランケル監督と共に脚本も執筆するという。さらに、歌手のケイティ・ペリーが、ポッツの妻ジュリー=アン・クーパー役として出演交渉中のようだ。今年3月、ワインスタイン氏は「New York Post」紙に「イギリスでもうすぐ撮影予定のポール・ポッツの映画で、ケイティにドラマティックな役柄を演じてもらえるか話し合っていたんだ。ケイティかアデルのような女性にポールの妻役をぜひやってほしくて。ケイティは本当に興味があるようだったね」 とも語っている。本作は10月にクランクインを予定している。
2012年06月18日