マリー・アントワネットの生涯に迫る「ヴェルサイユ宮殿《監修》 マリー・アントワネット展 美術品が語るフランス王妃の真実」が、17年2月26日まで六本木の森アーツセンターギャラリーで開催される。ヴェルサイユ宮殿の企画監修によるこの展覧会は、宮殿から持ち込まれた食器や家具などの愛用品をはじめ、故郷ウィーンに残る名画の数々、そして王妃が暮らした空間を原寸大で再現。200点に及ぶ美術品と資料が集められ、日本で初めての大規模な展覧会となった。オーストリア皇女として生まれ、天真爛漫な少女時代を送り、14歳でフランス国王ルイ16世と結婚。宮廷の華として栄華を極めた生活から一変、革命の波にのまれて37歳で処刑された悲劇の王妃。本展では歴史的な文脈で知る「マリー・アントワネットの生涯」から踏み込み、一人の女性として、彼女の人柄や生活の様子を生き生きと伝える構成となっている。結婚により飛び込んだ異国の宮廷のしきたりに馴染めなかったこと、世継ぎに恵まれずプレッシャーに耐えた日々。パリの華やかなファッションに魅せられておしゃれに夢中になったかと思えば、プライベート離宮のプチトリアノンで“憧れの田舎暮らし”に没頭してみたり。籠の中の鳥のような生活の中で、母として子育てに悩み、女として伯爵と恋に落ち、人生を謳歌したマリー・アントワネット。軽薄で浪費家の王妃として受けたギロチン処刑のインパクトの強さに隠れていた素顔が見て取れ、身近な存在に感じられる工夫が凝らされている。最期まで類稀なる美的センスと気品を失わなかったからこそ、後世でも幾度となく舞台や映画、漫画のモチーフに選ばれ、人々に支持されてきたのだろう。マリー・アントワネットがフランスの文化史に残した功績は大きく、香水一つをとっても、それまで一般的だったムスクの流行から、彼女の愛したバラの香りが世に広まったとも言われている。展示品が醸し出す“うっとり感”もさることながら、お土産のかわいさも見逃せない。ラデュレによる会場限定販売のマカロンボックス(税込3,575円)を始めとする「マリー・アントワネットコレクション」、あめやえいたろうのリップグロス型キャンディー「Sweet Lip」(全3種 各税込756円)など、乙女心をくすぐる可憐なグッズがそろう。【展覧会情報】「ヴェルサイユ宮殿《監修》 マリー・アントワネット展 美術品が語るフランス王妃の真実」会場:森アーツセンターギャラリー住所:東京都港区六本木6-10 六本木ヒルズ 森タワー52階会期:10月25日から17年2月26日(会期中無休)時間:10:00から20:00(火曜日、及び10月27日は17:00まで、入館は閉館の30分前まで)料金:一般1,800円、高校・大学生1,200円、小・中学生600円、小学生未満無料
2016年10月25日歌手のロッド・スチュワート(71)が11日、バッキンガム宮殿で執り行われた儀式で、ウィリアム王子によりナイトの爵位を授与された。妻のペニー・ランカスター、息子のアリスター君(10)、エイデン君(5)と共に出席した。ロッドは、ウィリアム王子と音楽について話したと言い、「王子は『まだ現役なのが素晴らしい』って言ってくださいましたよ。自分は『やらざるを得ないんです。8人子供がいますからね!』って答えましたよ」と説明。また、「王子は僕の長いキャリアを祝ってくださいました。この授与がどれだけうれしいかってことを話しました」と伝え、さらに、「母と父がここでこの様子を見ることができていたらと願います」と両親に思いをはせた。晴れてロデリック卿となったロッドは、同日開催されたロイヤル・アカデミー・アーツのパーティーでエリザベス女王とも対面した。その日、ロッドのほかにも、『グローリー-明日への更新』で主役のマーティン・ルーサー・キング・Jrを演じたデヴィッド・オイェロウォがその功績をたたえられて大英帝国勲章を授与されている。(C)BANG Media International
2016年10月13日「ヴェルサイユ宮殿《監修》 マリー・アントワ ネット展 美術品が語るフランス王妃の真実」が、10月25日から17年2月26日まで六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーにて開催される。オーストリアに生まれ、14歳でフランスに嫁ぎ、革命の波にのまれて37歳で断頭台の露と消えたフランス王妃、マリー・アントワネット。同展では、マリー・アントワネットがルイ16世と結婚後、フランス革命までの約20年を過ごしたヴェルサイユ宮殿の企画・監修のもと、その激動の生涯を辿る。出展されるのは肖像画の他、王妃が愛用した食器や漆器、家具、身に着けた衣服、革命期の資料など約200点あまり。彼女が断頭台で亡くなる前、幽閉中に身につけていた肌着やヘアバンド、断頭台にのぼる際に脱げたとされる靴なども展示される。さらに、ヴェルサイユ宮殿内にある王妃のプライベート空間「プチ・アパルトマン」の浴室、図書室、居室を、当時の装飾や実際に使われた家具などとともに原寸大で再現。消失してしまった図書室は、かつての設計図をもとにバーチャルリアリティで再現するなど、これまでにない展覧会となっている。【展覧会情報】「ヴェルサイユ宮殿《監修》 マリー・アントワ ネット展 美術品が語るフランス王妃の真実」会場:森アーツセンターギャラリー住所:東京都港区六本木6-10 六本木ヒルズ 森タワー52階会期:10月25日~17年2月26日(会期中無休)時間:10:00~20:00(火曜日、及び10月27日は17:00まで、入館は閉館の30分前まで)料金:一般1,800円、高校・大学生1,200円、小・中学生600円、小学生未満無料12
2016年08月10日エリザベス女王の誕生日を祝うため、12日にバッキンガム宮殿前の通り「ザ・マル」に1万人以上の人々が集まりストリートパーティーを楽しんだ。その日、女王の孫ピーター・フィリップスが女王の支援する600以上のチャリティ団体や組織を示す目的で主催したイベント「ザ・パトロンズ・ランチ」に参加した人々は、セキュリティ上の理由で雨天ながらも傘を持っていくことが許されない中で野外のピクニックをしながら女王の誕生日を祝った。ロイヤル・ファミリーは30分ほど招待客たちと歓談し、実際には4月に90歳となり先週末に公式なお祝い行事を迎えていた女王が「ここに集まった皆さん、そして他の場所でストリートパーティーを開いている方々、私への継続的な素晴らしいご支援と激励に感謝を述べたいと思います」「人々が同じ目的で家族、友人、隣人たちとして一緒に集まったとき、これらの幸せなお祝いがたくさんの幸福を生み出すということを私たちに思い出させてくれることを願っています」とスピーチした。傘を持ち込むことが許されなかった参加者だったが、運営側から「ザ・パトロンズ・ランチ」のロゴの入った雨がっぱが配布されたという。150ポンド(約2万2,500円)となったこのイベントへのチケットは、ほとんどが女王の支援するチャリティ団体や組織に配られた一方で、2,500枚が一般販売されていた。(C)BANG Media International
2016年06月14日主役はエリザベス女王のはず…であったが、イギリス国民はシャーロット王女とジョージ王子の愛らしさに夢中になってしまったようだ。「E!News」などのメディアが報じた。ロンドンでエリザベス女王の90歳祝賀パレードが行われ、バッキンガム宮殿前に集まった国民の歓声に応えるため、エリザベス女王のほか、ウィリアム王子、キャサリン妃らロイヤルファミリーがバルコニーに集結した。昨年バルコニーデビューを果たした2歳のジョージ王子は、今年はしっかりお手振りをして成長ぶりをアピール。キャサリン妃に抱っこされて登場したシャーロット王女は、まだ13か月ながら満面の笑みでお手振りを披露。これにはママのキャサリン妃も笑みをこぼさずにはいられなかった。その後、宮殿のすぐ上でイギリス空軍による祝賀飛行が行われ、音の刺激が強すぎたせいかシャーロット王女が耳をふさぐ場面も。イベントのたびに注目の的のロイヤルファミリーのファッションだが、今回はエリザベス女王のネオンライムのコートと帽子がインパクトを与えた。キャサリン妃はシャーロット王女の洗礼式で着用したアレキサンダー・マックイーンのコートに、今回はフィリップ・トレーシーの縁に大きな花があしらわれた帽子を合わせ、「エレガントだ」と評判に。ジョージ王子はパパが1984年にヘンリー王子の洗礼式で着ていたシャツとショートパンツを再利用。シャーロット王女は全身ピンクで柔らかな雰囲気だった。(Hiromi Kaku)
2016年06月13日著者撮影タイ王室の保養地として知られるリゾート地ホアヒンから南へ50kmほど進んだ場所に、タイ最古の海洋国立公園・カオ・サムローイ・ヨード国立公園があります。今回はこちらの公園内にある神秘の宮殿、クーハーカルハット宮殿をご紹介します。 まずはプラヤナコーン洞窟を目指そうカオ・サムローイ・ヨード国立公園はタイ最古の海洋国立公園で、300ほどの山頂を持つ石灰岩の山々に緑が生い茂ったとても美しい場所です。タイ人に人気のある観光スポットなのですが、なかでも目玉といえるのが今回ご紹介するクーハーカルハット宮殿。日本人観光客の方にもホアヒンに行く機会があれば是非足を延ばして頂きたい場所です。まずは宮殿が建つプラヤナコーン洞窟を目指します。洞窟へのアクセスは、近隣の村から洞窟最寄りのビーチまでボートに乗るか、約1時間ほどかけて山道を徒歩で越えるかの2種類が一般的なようですが、宿泊しているホテルから直接ボートで向かうこともできる場合もあります。今回私たちはホテル手配の漁船に乗船し、ホテルから直接、洞窟最寄りのビーチを目指しました。著者撮影最寄りの海岸からは山道を歩いて洞窟を目指します。外国人にはガイドをつけないかという勧誘がありますが、洞窟と宮殿を目指すのにガイドは不要。海岸には洞窟を目指すタイ人観光客がたくさんいますので、その後をついて歩いて行けば問題ありません。著者撮影この山道なのですが、正直なところ甘く見ていました・・。むき出しの岩が続く山道はかなり険しく、一気に登るのは困難。暑さに体力を消耗し、途中でくじけそうになりながらも、宮殿が見たい一心で洞窟を目指します。著者撮影 険しい山道の先には感動の風景が疲労でぼろぼろになりながら洞窟の入り口に到着すると、そこに広がる光景は圧倒的な大自然。映画「インディ・ジョーンズ」の世界そのもの。著者撮影著者撮影洞窟の中を進むとお目当てのクーハーカルハット宮殿の姿が。著者撮影なんともいえない神々しい雰囲気に圧倒されます。洞窟の中のひんやりとした空気もあいまって、何時間でもここに居られそうな気持ちになってしまいました。洞窟を訪れるベストの時間帯は午前10時~12時くらいの間と言われており、タイミングが良ければ、上方から差し込む光に照らされた神秘的な宮殿の姿を目にすることができますよ。ホアヒンに行く機会があれば、是非足を延ばしてみてください。濡れても良い服装、歩きやすいシューズで行かれることをおすすめします。
2016年05月08日©TRIPPING!「美しい庭園」の意味を持つジョグジャカルタの宮殿「タマンサリ」。「水の宮殿」としても知られている。現在も王族が暮らす王宮「クラトン」から程近いこの宮殿には、スルタン(王)に仕える女性たちが水浴びを楽しんだと言われる石造りの入浴場があり、現在も見学することができる。周りをとり囲む花園は、優雅で華やかな宮廷時代を彷彿させる。様々な役割を持つ離宮©TRIPPING!ジョグジャカルタの中心に位置するクラトンから西へ1キロ行ったところに、水の宮殿「Tamansari(タマンサリ)」がある。1758年、Sultan Hamengkubuwono I(ハメンクブウォノ1世)が、王室のレストハウスとして、また専用の庭園としてこの宮殿を創建。ボートや鹿狩り、伝統的な舞踊、ガムラン音楽を楽しむ多目的施設として利用された。また医療設備や大砲を有する2つの要塞もあり、スルタンを守るシェルターの役割も果たしたと言われている。1867年に大地震でダメージを受けるも、入浴プールを始め、一部の施設は復元されている。タマンサリの2つの建物©TRIPPING!この敷地には大きく2つの建築物がある。一つは、入浴場が併設する宮殿「Umbul Binangun」。スルタンに仕える女官たちが水浴びを楽しんだと言われるこの屋外入浴プールの周りには、何種類もの樹木や花が囲み、華やかな時代を思わせる。©TRIPPING! 3階に位置する部屋の小窓から眺めたプールプールの南側に隣接する3階建てのタワーには、スルタンの個人的な寝室や風呂の他、女官たちの水浴びを眺める小窓も。スルタンは、ここから気に入った女性を選び、夜を共にしていたと言われている。©TRIPPING! スルタンと女官が夜を共にしたとされる寝室もう一つは要塞の役割を持つ「Pulo Kenongo」と呼ばれる離宮。「Kenongo」とは花の名前で、その豊かな香りは宮殿中に広がったと言われている。宮殿と同様に、居間や寝室の他、伝統的なバティック(ろうけつ染め)を作るための部屋、伝統舞踊「Bedoyo」や「Srimpi」を披露するホールを擁する。ここから伸びる人工運河はクラトンにつながり、有事の際はここから脱出を図ったと言われている。ゲートや、兵士の待機するボックスなど、かつて要塞の役割を物語る設備も。©TRIPPING! 宮殿の敷地内にあるワヤン・クリの土産店敷地内には他にも、王が瞑想に使用したと言われる神秘的な場所や、地下通路などの見どころも。伝統工芸品を扱う土産物店も点在する。©TRIPPING!華やかな宮廷生活が偲ばれる美しい宮殿タマンサリ。ジョグジャカルタを訪れた際は、クラトンと合わせてぜひ足を伸ばしたい。Tamansari(タマンサリ)・時間:8:00~15:00・拝観料:Rp 15,000 ※カメラ持ち込み料金は追加でRp 2,000・アクセス方法:クラトン(王宮)より徒歩約15分。
2016年02月22日17世紀のフランスにおいて、ルイ14世の栄華のシンボルといわれているヴェルサイユ宮殿。330年以上経った今なお多くの人を魅了しつづける豪華絢爛の宮殿誕生の裏側と、ある女性庭師を描いた美しい愛のドラマが話題の映画『ヴェルサイユの宮廷庭師』。1682年、フランスの田園地方で女性庭師のサビーヌは、ひとり孤独に暮らしながら、造園家として樹木や土と格闘していた。そんなある日、サビーヌの元へ思いがけない知らせが届くことに。それは、フランス国王ルイ14世のヴェルサイユ宮殿の庭園建設計画への参加を求めるものだった。面接では責任者である庭園建築家ル・ノートルと対立してしまうものの、サビーヌの感性に新たな可能性を感じたル・ノートルはサビーヌに〈舞踏の間〉の建築を任命する。そして、ル・ノートルはサビーヌの仕事に対して真摯に向かう姿勢と人柄にいつしか惹かれていくことに……。ヴェルサイユ庭園誕生の裏側で名もない女性庭師が起こした奇跡、そして秘められたロマンスとは?オスカー女優のケイト・ウィンスレットは、撮影時に第3子を妊娠していたにも関わらず、「サビーヌはわたしよ!」と言って、厳しい撮影にも全身全霊で立ち向かって演じたとのこと。さまざまな困難に見舞われながらも、男性顔負けの力強さで乗り越え、誇りと信念を持ってまっすぐ前に進んでいくサビーヌの姿には同じ女性としてパワーをもらえます。本作は、「ヴェルサイユ宮殿の〈舞踏の間〉が女性造園家によって造られたものだったとしたら?」という設定をもとに女性脚本家が、実在の人物とサビーヌを巧みに組み合わせて誕生した稀有な愛と勇気の物語。仕事への情熱だけでなく、同じ目標を持つもの同士だからこそ生まれる恋愛の純粋さにも心を奪われます。そして、目を奪われるもう一つの見どころは、宮廷で繰り広げられる華やかな世界と美しいヴェルサイユ宮殿の景色。完成した庭園を見ることができる圧巻のシーンでは、まるで貴族の一員にでもなったような豪華な気分に浸ってください。しっかりとした土台を作り、一つ一つ積み上げて庭園を作り上げていく様子は、どんな仕事でも、いつの時代でも通ずる普遍的なもの。特に男社会で働く女性や新たなことに挑戦している女性にはグッとくること間違いなしです。美しい映像の数々は、ぜひスクリーンで堪能してください。イベントデータ:『ヴェルサイユの宮廷庭師』公開表記:10月10日(土)より角川シネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国公開配給:KADOKAWA© BRITISH BROADCASTING CORPORATION, LITTLE CHAOS LIMITED, 2014
2015年10月07日ヴェルサイユ宮殿誕生の裏側を描いたケイト・ウィンスレット主演映画『A LITTLE CHAOS』が、邦題『ヴェルサイユの宮廷庭師』として10月10日に全国公開されることが決定し、予告編とビジュアルが17日、公開された。本作は、17世紀フランスを舞台に、ヴェルサイユ宮殿誕生を巡って1人の女性庭師が起こす愛と奇跡の物語。国王ルイ14世が計画した宮殿の増改築において庭園建設を任された、国王の庭園建築家アンドレ・ル・ノートルと女性庭師サビーヌ・ド・バラが、苦楽を共にしながら惹かれあっていく姿を描く。主人公サビーヌを演じるのは、『愛を読むひと』でアカデミー賞主演女優賞を獲得したケイン・ウィンスレット。撮影当時は、第3子妊娠中であったにも関わらず体当たりで、いかなる困難にも立ち向かう女性庭師を演じる。サビーヌのパートナーで実在の宮廷庭師ル・ノートル役は、『君と歩く世界』のマティアス・スーナールツ。監督は、『ウィンターズ・ゲスト』に続く2作目で、太陽王ルイ14世役で出演もしているアラン・リックマンが務める。公開された予告編では、冒頭で国王ルイ14世が「ついに宮殿をヴェルサイユに移転する。最高の庭園を造るのだ」と宣言。そして、無名の女性庭師であるサビーヌが、ル・ノートルとともに美しい庭園作りに奮闘する様子や、2人が恋に落ちていく様子を描写。また、「美しく繊細」、「ウィンスレットが最高に魅力的」といった英メディアによるレビューも収められている。(C)BRITISH BROADCASTING CORPORATION, LITTLE CHAOS LIMITED, 2014.
2015年06月17日フィレンツェのアルノ川のほとりに建つスピーニ・フェローニ宮殿にある「サルヴァトーレ・フェラガモ ミュージアム」では、フィレンツェがイタリア王都に定められた年から150周年を迎える記念行事の一環として、5月8日(金)~2016年4月3日(月)までの期間、「A PALACE AND THE CITY-パレス・アンド・ザ・シティ」と題した展覧会を開催中だ。フェラガモ本社とフィレンツェ本店、そして「サルヴァトーレ・フェラガモ ミュージアム」があるスピーニ・フェローニ宮殿は、フィレンツェ市の歴史的建造物指定を受けた観光スポットでもある。今回の展覧会のアートディレクターを務めたマウリツィオ・バローは、本展を説得力があり、かつ刺激的なデザインに仕上げた。この宮殿は、元は裕福な有力銀行家、ジェリ・スピーニのために1289年に建設されたが、これまでに幾度となく修復され、現在はフェラガモ・ファミリーによってその美しい姿をよみがえらせている。たとえば、著名な現代アーティストのデ・キリコやデ・ピージスなどの作品を展示したルイージ・ベリーニ・ギャラリーであったこともあり、また1834年から1846年までの間は、「ホテル・ド・ヨーロッパ」として運営され、当時のオーストリア首相のフォン・メッテルニヒ、後の皇帝アレクサンドル2世、作家のフランツ・リストなどが宿泊していた。本展ではその幾世期にもわたる軌跡を辿り、パリのポンピドゥーセンターやロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアムといった各国の主要な博物館や個人のコレクションから借用した、貴重な文書や優れた芸術品の幅広いセレクションを展示する。5月7日には、フェラガモ・ファミリーが各国の芸術界、文化界、ファッション界から多くの招待客を招いたオープニング・カクテル・パーティが開かれた。パーティでは、ゲストに振る舞われたワインに、19世紀初頭に流行したスポット「カフェ・デラルコ」のシグネチャーメニューだったレモンシャーベットが添えられた。(text:Miwa Ogata)
2015年05月26日