写真提供:タイ国政府観光庁タイでは珍しくインドの寺院をモデルに建てられたという「ワット・ジェット・ヨード」。“ジェット・ヨード”とは“7つの塔”という意味で、四角い基壇となる建物の上に、中央の高い仏塔を6つの低い仏塔が取り囲むような形になっているのが特徴的。周囲の壁に彫られた天上の神々の浮き彫りが有名で、これらもインドの仏美術の影響を受けたものだ。正式名称を「ワット・ポタラムマハヴィハーン」といい、緑豊かな境内には大きな菩薩の木が植えられていることから、地元では「ワット・ポータラーム」(菩薩の寺)とも呼ばれている。1456年、ランナー王朝第11代王のティロカラート(1442~1460年)が仏教の聖地とされているインド・ブッダガヤの「マハーボディ寺院(大苔提寺)」を参考につくらせたという伝え。完成後、ティロカラート王はインドそしてスリランカに次ぐ第8度の三経編纂会を執り行い、仏教の伝承に務めようとした。大きな仏塔には、王の遺骨が納められている。チェンマイ市内からソンテウ(ミニバス)で約20分。ワット・ジェット・ヨード(Wat Ched Yod)・住所:Chiang Mai-Lampang Super Highway, Chiang Mai・利用時間:8:00~17:00・拝観料:無料
2015年10月02日©ASEAN-Japan Centreランナー王朝時代の建築様式を持つ代表的な寺院のひとつで、チェンマイ最古の寺院「ワット・チェン・マン」。1296年、メンラーイ王によるチェンマイ創都の時に建てられた寺院で、かつては王の宮殿として利用されていた。©ASEAN-Japan Centre15頭の象が支える金色の仏塔が有名で、ぐるりと取り囲むその姿は間近で見ると迫力たっぷり。また荘厳な本堂には2つの珍しい仏像、大理石の仏像「プラ・シーラー・カオ」と、水晶の像「プラ・セータン・カマニイー」が納めされている。これらは大きさは小さいながら、タイの旧正月を祝う「ソンクラーン祭り」にも登場する貴重なもの。北タイ建築の典型である太いチーク材の柱、壁を彩る色鮮やかな壁画も見事だ。ワット・チェン・マン(Wat Chiang Man)・住所:Sri Phum Chiang Mai・利用時間:8:00~17:00(見学は基本的に日曜日のみ)
2015年09月29日©ASEAN-Japan Centre旧市街のスアンドーク門の入り口に位置する「ワット・プラシン」はチェンマイ市内で最も大きく格式高い寺院。ランナー王朝第5代パユ王(1336~1355年)が父の遺灰を納めるために建立され、「リーチェンプラ寺院」と呼ばれていたが、後に第7代王のセーンムアンマーがチェンライから黄金の「プラシン仏像」を迎え入れ、現在の名前で親しまれるようになった。©ASEAN-Japan Centreメインゲートを通り抜け最初に現れる大きな建物が本堂。前面に施された繊細な装飾が目を引く。「プラシン像」が祀られているのは、その奥のより小さな礼拝堂「ウィハーン・ラーイカム」内。こちらも黄金の外壁が美しいが、チェンマイの昔の暮らしを描いた内部の壁画は、タイ北部の伝統芸術の最高傑作とも言われている。尚、毎年タイの旧正月を祝う水掛け祭り「ソンクラーン」の際には、「プラシン像」と僧侶によるパレードが市内で行われる。©TRIPPING!夜にはライトアップがされ、本堂は一段と荘厳な輝きを増す。ワット・プラシン(Wat Phra Singh)・住所:Samlan Rd, Tambon Prasing, Amphur Muang Chiang Mai 50200・拝観料:無料
2015年09月19日チャイナタウンのサウス・ブリッジ・ロードで一際目を引く建物が、シンガポール最古のヒンズー教寺院「Sri Mariamman Temple(スリ・マリアマン寺院)」だ。カラフルなゲートとお香の匂いの漂う境内で、遠くインドへの思いをはせてみては?秋の奇祭にも注目!カラフルな外観が目を引く国内最古の寺院チャイナタウンを散策していると、神や人々、動物があしらわれた15メートルもの高さのカラフルなゴプラム(ゲートタワー)が目に入る。そこは、シンガポール国内最古のヒンズー教寺院、スリ・マリアマン寺院だ。1827年に完成したこの寺院の創設者は、ラッフルズ卿がシンガポールに上陸した際にこの地に訪れた南インドの商人と言われている。19世紀までスリ・マリアマン寺院付近にはインド人が多く住み、絶え間なく参拝者が訪れた。現在でも一日2回のお祈りの時間には、ヒンズー教徒が熱心に祈りを捧げている様子を見ることができる。もともとは伝染病や病気を治す女神マリアマンが祭られるこの寺院だが、植民地時代には祈りの場としての役割以外にも、ヒンズー教徒の地域コミュニティの拠点として活用されていた。司祭のみがヒンズー教徒の結婚式を執り行う権限を持っていた時代には、結婚登録所としての役割も担っていたと言う。無料で公開される開かれた寺院スリ・マリアマン寺院には、ヒンズー教徒でなくても自由に中を見学することができる。門の前で靴を脱ぎ一歩足を踏み入れると、そこは別世界。外界の喧騒が嘘のような静けさと、お香の匂いに包まれながら、祈りを捧げる人々の姿は、荘厳そのもの。寺院内の見学自体は無料だが、カメラ撮影にはS$3、ビデオ撮影にはS$6を別途支払わなければならないので注意。火渡りの祭り「ティミティ」毎年10月から11月頃に、南インドを起源とする火渡りの祭り「ティミティ」が執り行われる。女神が純潔さを証明するために、炭の上を裸足で歩いたという叙事詩が基となるこの儀式。16歳以上の男性信者は、何週間も前から野菜のみを食べ、身体を浄化した状態でこの儀式に挑む。祈りを捧げ、無の境地に達した信者たちは、約6メートルの長さに敷き詰められた熱された炭の上を、寺院の長に続いて歩く。この儀式によって、神の御加護を受ける事ができるとされている。彼らの衣装に多く取り入れられる「黄色」は、「純粋」「精錬」などという意味を持つ色。祭りの見学の際は、ぜひ黄色を身にまとってお祝いしよう。2015年のティミティは、11月1日を予定している。Sri Mariamman Temple(スリ・マリアマン寺院)・住所:244 South Bridge Road, Singapore 058793・営業時間:7:00-12:00 18:00-21: 00(毎日)・電話:+65 6223 4064・入場料金:無料(カメラ撮影はS$3、ビデオ撮影はS$6)・アクセス方法:MRT Chinatown駅(NE4/DT19)から徒歩8分©All photos to Singapore Tourism Board
2015年09月08日© ASEAN-Japan Centre遠くからでも巨大仏塔が一際目立つ「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」。パーサック川の東側に位置する寺院は1357年、アユタヤ王朝の初代王であるウートン王がセイロン(現スリランカ)に留学中の修行僧たちの明造場として建てたもので、別名「ワット・プラ・チャオプラヤータイ」とも呼ばれている。象徴的な高さ72mの仏塔は、1592年に19代ナレスアン王がビルマ王子との一騎打ちで、ビルマ軍との戦いに勝利した記念の塔。当時、ナレスアン王はビルマが先に建てた「ワット・プーカオトーン」に対抗してこの仏塔を建立したが、高さはわずかに及ばなかった。この仏塔には仏舎利が収められていると言われ、階段で途中まで登ることが可能。上部の回廊は、アユタヤの街を一望することが出来る絶景スポット!但し、急傾斜やレンガが崩れている個所もあるので足元に気をつけて。途中階内部には8体の仏像と井戸のように掘られた穴があり、20バーツを支払うと金箔を仏像に張りお参りすることも出来る。アユタヤ市内から少し離れているため戦火や仏像の倒壊はまぬがれたという、貴重な場所。塔の周囲をぐるりと囲む、鮮やかな黄色の衣をまとった数十体の仏座象は圧巻。境内にはほかにも寝釈迦象や小さな市場もあり、ゆっくり見物したい。ワット・ヤイ・チャイ・モンコン(Wat Yai Chai Mongkon)・住所:Khlong Suan Phlu Phra Nakhon Si Ayutthaya Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya・利用時間:8:00~17:00・利用料金:20バーツ
2015年08月29日©ASEAN-Japan Centreアユタヤにある、木の根に埋まった仏頭が有名な「ワット・マハタート」。仏舎利が収められ、建築的にも13世紀の重要な寺院のひとつとされている。かつては塔の頂上が黄金に輝いていたここも周辺の寺院同様、ビルマ軍の侵略により廃墟と化し、今は木の根の間に眠る仏像の頭や、頭部がない仏像、崩れ落ちたレンガの壁や礼拝堂の土台が残るのみとなり、歴史を静かに物語っている。「ワット・プラ・シーサンペット」の西に位置する寺院は、1369年~70年の2代ラーメスアン王が建てたという説と、1370~88年の3代ボロムラーチャー1世が建てたという説があり、“仏舎利を祀る寺院”を意味する「ワット・マハタート」の名を持つ。クメール様式に影響された仏塔は、後にタイ全国で建てられた数々の仏塔のモデルに。1956年の修復の際、塔の跡から数々の黄金仏や宝飾品などが発見され、これらは現在「チャオ・サン・プラヤー国立博物館」に展示されている。「ワット・マハタート」を象徴するのが、仏頭が根に埋め込まれた菩提樹。一度はテレビやガイドブック等で目にしたことがある人も多いと思うが、これはビルマ軍が切り落とし放置したものが長い年月を経て、自然と木に取り囲まれたもので、その神秘的な姿は戦争の悲惨さや、時の流れについて考えさせられる。尚、この仏頭の前で写真を撮る際は、仏頭より高くならないようにしゃがむことを注意して。ワット・マハタート(Wat Phra Mahathat)・住所:Chikun Tha Wasukri Phra Nakhon Si Ayutthaya・利用時間:8:00~18:00、ライトアップは19:00~21:00・拝観料:50バーツこちらも合わせてCheck!タイの歴史を物語る古都「アユタヤ」を訪れてみようアユタヤの象徴的寺院「ワット・プラ・シーサンペット」
2015年08月20日©ASEAN-Japan Centre3基の仏塔がシンボリックな「ワット・プラ・シーサンペット」。バンコク王朝における「エメラルド寺院」同様、王宮内で最も重要な建物とされ、仏塔が並んでそびえ立つ姿はアユタヤの象徴的風景として有名だ。トライローカナート王時代の1448年に建立され、以降はここで宮中儀式が執り行われてきた寺院。東西に並ぶ3基の仏塔それぞれにトライローカナート王(1448~1488年)とその王子らの遺骨が納められていると言われている。©ASEAN-Japan Centre仏塔の東側に本堂が後に建立され、高さ16メートル重さ171キロの巨大立仏像、寺院名にもなった「プラ・シーサンペット」が置かれていたが、1767年のビルマ軍による侵攻で純金に覆われた仏像は寺院とともに破壊されてしまった。戦後に現在の姿に修復が試みられたが、残されたのはスリランカ様式のチェディと呼ばれる仏塔3基のみ。仏塔のふもとにある長方形のプラットフォームは宮殿のベースであったとされ、これらの大きさだけでもアユタヤ王朝の偉大なる繁栄を物語る。広い敷地内に、3基の北側に点在する遺跡は王宮跡。元々は木造で現在の「ワット・プラ・シーサンペット」の場所にあったが、1448年に移転。ほとんどは破壊されてしまっているが、宮殿や城壁の一部が残る。仏塔正面の階段は途中まで上ることが可能で、敷地内を一望。日中、アユタヤの歴史を静かに伝える姿は荘厳だが、日没後のライトアップにより、闇夜に浮かび上がる仏塔もまた幻想的!©ASEAN-Japan Centreワット・プラ・シーサンペット(Wat Phra Sri Sanphet)・住所:Amphur Muang, Ayutthaya 13000・利用時間:7:00~18:00、ライトアップは19:00~21:00・拝観料:50バーツ(「ワット・プラ・シーサンペット」「ワット・マハタート」、「ワット・ラチャプラナ」、「ワット・プラ・ラーム」、「ワット・チャイワッタナラーム」は220バーツの通し券有り)
2015年08月14日アジア屈指のゴルフ天国、ホアヒン、チャアムでは、期間限定でなんと1ラウンド1,000THBでプレーが楽しめる「ホアヒン/チャアムゴルフフェスティバル2015」を2015年8月1日~9月30日まで開催予定。※2コースのみ1ラウンド1,800バーツ写真提供:タイ国政府観光庁ゴルフパラダイス!ホアヒンとチャアムバンコク市内より車で約3時間のホアヒンとチャアム。30分圏内に9つのゴルフ場を有するこの地は、まさにゴルフパラダイス。ファンが待ちに待った年に一度のゴルフの祭典は、今年で14回目を迎える。写真提供:タイ国政府観光庁割引対象のゴルフ場は全9か所ゴルフフェスティバルに参加するのが、ホアヒン、チャアムの全9か所のゴルフ場。「Spring Field(スプリングフィールド)」は、ジャック・ニクラス設計のカントリークラブ。プロ、アマチュア問わずファンの多いこのコースは、チャレンジングな27ホールから成る。「Banyan Golf Course(バンヤン・ゴルフコース)」は、9つのゴルフ場の中でも最も新しい2008年オープンのゴルフ場。初心者にも人気のコースで、山と海に囲まれた絶景も人気の秘密。写真提供:タイ国政府観光庁 グラックマウンテン「Black Mountain(ブラックマウンテン)」は、石川遼選手もプレーした「ロイヤル・トロフィー(Royal Trophy)」が開催された格式高いコース。お得にコースを回ることのできるこの時期に、ホアヒン、チャアムでゴルフを楽しんでみては!●1,000バーツでプレーできるゴルフ場Royal Hua Hin Golf CoursePalm Hills Golf Club & ResidenceThe Imperial Lake View Hotel & Golf ClubSpringfield Royal Country ClubThe Majestic Creek Golf & ResortSea Pines Golf Course (Royal Thai Army Sport Center, Suanson Pradipat Golf Course)Kaeng Krachan Country Club●1,800バーツでプレーできるゴルフ場Banyan Golf CourseBlack Moutain※全ゴルフ場、キャディー・フィーは、一人300バーツ(カート代、レンタル代は別途)
2015年07月24日多民族国家のマレーシアでは、信仰する宗教も様々。マレー、中国、インド、それぞれの宗教寺院を一気に見る事が出来るのもマレーシアの魅力です。 (さらに…)
2015年04月14日Hamee(ハミィ)は4月1日の「ストラップの日」に、機種の買い替えなどで不要になった携帯ストラップやスマートフォンアクセサリーを寺院で供養する「ストラップ・スマホケース供養」を実施する。このイベントは、思い入れのある携帯ストラップやスマートフォンアクセサリーの処分に困っているユーザーのために、Hameeが神奈川県小田原市にある徳常院にて供養・処分を行うもの。開催日である4月1日は「ストラップの日」。1991年4月1日に日本初のストラップ穴付き携帯電話「ムーバTZ-804」が発売されたことを記念し、日本記念日協会にも登録済み。供養を希望する場合は、供養したいスマートフォンアクセサリーや携帯ストラップをHamee宛で送付する。なお、祈祷料は不要だ(送料のみ自己負担、到着締切は3月31日)。供養の対象は、Hameeが販売した製品に限らず、携帯ストラップやスマートフォンアクセサリーなら他社製品でもかまわない。当日の供養の様子は後日、Hamee Webサイトで紹介される。詳しくは、HammeのWebページを参照のこと。
2015年03月17日KL最大規模のヒンドゥー教寺院マレーシアの3大民族である、マレー、インド、中国。それぞれの信仰の象徴である寺院を巡ってみると、多様なマレーシアの民族性を感じる事が出来ます。今回ご紹介するのは、チャイナタウンの一角にある「スリ・マハ・マリアマン寺院」。クアラルンプールで最も古く、大きな規模を誇るヒンドゥー教の寺院です。カラフルな門塔の彫刻は必見まず目に付くのが、入口にそびえるゴプラム(門塔)の彫刻。なんと228体もの神や従者の姿が刻まれているのだとか!1体1体表情や動きが違うので、思わず見入ってしまいます。入場は無料ですが、寺院内は土足厳禁なので靴を預けるのに20セントかかります。入口横にある靴の預かり場で靴を預けて寺院の中へ。寺院には様々な神様が祭られていて、色鮮やかな装飾がとても美しく印象的。中央奥には雨をつかさどる女神、マリアマンの御本尊がまつられています。ここはクアラルンプールでもっとも歴史のあるヒンドゥー教寺院で、インドの奇祭「タイプーサム」の出発地でもあるんだとか。寺院の中では、昼寝をする人、食事をする人などがいて、ヒンドゥー教の人々の暮らしをのぞく事が出来ます。様々な宗教、文化が共存するマレーシア。近隣には中国(仏教)の関帝廟や、マレー(イスラム教)の国立モスクもあるので、マレーシアの様々な文化に触れ、比較してみるのも面白いですよ。
2015年02月23日たぬきと軍人。この一見何の関連性もない2つが大集合している不思議な寺院が存在する。名古屋市から高速道路で1時間ほど南下した南知多町だ。その寺院の名は天台宗の「中之院」。早速取材してみることにした。足を運んでみると、確かに寺の入り口には仁王像のごとく巨大なたぬきの置物が待ち構えていた。庭には大小様々な大きさのたぬきが、所狭しと置かれている。よく見てみるとサイズはもちろん、作風も信楽焼風があるかと思えば写実的なもの、小物風のカワイイものなど、たぬきという以外に統一性が感じられない。少々戸惑いつつも更に奥へと進むと、強烈な「誰か」の視線を感じた。人がいる!それもかなりの数の人だ!そこには今にも動き出しそうな軍人の像が、隊列を組んで並んでいた。その数、軽く100体はある。一つひとつ観察すると、どうやらオーダーメイドのようだ。大きさも立ち姿勢も一体一体全てが違う。双眼鏡を持っている人、セーラー姿の人。しかし、その顔は喜怒哀楽の感情が乏しい印象を受ける。心がどこかに行ってしまったような表情で前方をじっと見つめているのだが、目を合わせると思わず吸い込まれそうになる。実はこの像、名古屋第三師団歩兵第六連隊の兵隊たちとのこと。ほとんど全滅となった隊員の慰霊のために、遺族がお金を出し、写真を元に像を造ってもらったという。顔に表情がないのは、記念写真がベースになってるからかもしれない。そこで、たぬきと軍人像の由来について、中之院住職の石田公美(こうみ)さんに伺ってみることにした。「たぬきは先代の住職が趣味で集めていたものなんですよ。でも今は庭にあるだけ。 甚大な被害を及ぼした伊勢湾台風で客殿が全壊し、ほとんどがダメになっちゃったんです。その中で今残っているのが、災害をくぐり抜けたサバイバルたぬきですよ」と笑う。たぬきの大群と見ていたものは、実はコレクションのほんの一部だったのだ!それにしても一体、伊勢湾台風前にはどれだけの数がそろっていたのだろうか。「正確な数は分からないけれど、客殿の中にあったたぬきは1,000体を超えていたはず」と石田さん。さらに、あの軍人像。あれはもともと名古屋市千種区にあったものなのだという。そこが個人の土地で土地を売却することになり、中之院さんが平成7年(1994)に引き取ったそうだ。「像が造られたのは、日中戦争が始まって間もない頃。英霊をまつって戦意を高めようとしたのでしょうね。国からも補助金としてお金が出てたようです」(石田さん)。それぞれの像に深い歴史と意義あり。偶然にもコラボをすることになったたぬきと軍人像、伊勢湾台風という歴史的な災害をもくぐり抜け、今も寺の側でひっそりとたたずんでいる。●information中之院愛知県南知多町山海土間53【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年06月20日9月中旬~10月下旬にかけて、福井県小浜市で「平成24年度秋の文化財特別公開」が実施され、小浜市内および、おおい町地域の寺院、施設が管理する貴重な文化財を拝観することができる。公開場所は小浜市12カ所、おおい町1カ所の計13カ所。公開日、公開時間は寺院によって異なる。また、各寺院が定める拝観料が必要となる。福井県小浜市の歴史は古く、大和朝廷の時代からの港町だ。江戸時代には鯖など海産物の水揚げ基地としても知られ、鯖街道の起点となった。そのため、古い寺院や奈良時代、平安時代の仏像も多く残る文化財の宝庫でもある。加茂神社為星寺では平安時代前期に作られた重要文化財、「木造千手観音立像」が9月15日~17日、33年に一度の公開。また、若狭おばま観光協会主催の文化財めぐりバスツアーでも特別に公開する。瑞傳寺の「木造地蔵菩薩坐像」は鎌倉時代前期の作で福井県指定文化財。高成寺の「木造千手観音立像」は等身大の仏像で、平安時代前期の作。新指定重要文化財だ。正法寺は鎌倉時代後期の作で福井県指定文化財、「銅造如意輪観音半跏像」が公開。栖雲寺の福井県指定文化財、「木造阿弥陀如来坐像」は平安時代後期のもの。小浜藩主、酒井家の墓所がある空印寺では「八百比丘尼像、人魚の図」が公開される。おおい町地域の意足寺からは平安時代後期の作、「木造千手観音立像」。この仏像はかつて台風の被害で土砂に埋まり、拾い集められて復元されたという逸話がある。飯盛寺の「木造薬師如来坐像」は鎌倉時代後期の作で、像の中から経巻や中国宋王朝時代の貨幣などが発見されたという貴重な仏像。竜前区薬師堂の重要文化財、「銅造薬師如来立像」は鎌倉時代前期の仏像だ。若狭歴史民俗資料館の「木造聖観音立像」は平安時代前期の作、「木造十一面観音菩薩立像」は鎌倉時代前期の仏像で、ともに福井県重要文化財に指定されている。正林庵の奈良時代後期に作られた重要文化財、「銅造如意輪観音半跏像」は文化財めぐりバスツアー限定で公開。これは若狭地方で最古となる仏像で、過去4回も盗難に遭いつつも無事に戻ってきたと言われる仏像だ。そのほか、極楽寺の「木造阿弥陀如来坐像」(鎌倉時代前期の作で福井県指定文化財)、誓願寺の「木造聖観音立像」(福井県指定重要文化財で平安時代後期の作)が文化財めぐりバスツアーのみの公開となる。文化財めぐりバスツアーは9月15日から10月14日の土日祝日に実施される。詳細は福井県ブランド営業課HPまで。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月06日