伝説的ストリートコミックス「TOKYO TRIBE2」(作・井上三太)が原作の舞台『TOKYO TRIBE』が9月29日(金)に開幕する。ヒロイン・スンミを演じる宮澤佐江に話を聞いた。舞台『TOKYO TRIBE』チケット情報架空都市“トーキョー”の街ごとに存在するトライブ(族)間で繰り広げられる抗争を通し、若者たちの日常、愛、友情を描く本作。演出は梅棒の伊藤今人、音楽監督はKEN THE 390、テーマソングはMIYAVI vs SKY-HIが手掛け、出演者も梅棒、Beat Buddy Boi(以下、BBB)、DOTAMAらダンサー、俳優、ラッパーと幅広い面子が揃う。「稽古場に行くのがこんなにワクワクするのは、初めて出演したミュージカル以来です!」と笑顔の宮澤。稽古について「同じ舞台に立つ方々が振付をしたりして作品をつくりあげていく環境は今までになくて。すごく刺激的です」と楽しそうに感想を語った。演出の伊藤が代表を務める「梅棒」は、台詞を使わずに<ダンス×J-POP(本作ではヒップホップ)×演劇>で物語を表現する独自のスタイルが人気のエンターテインメント集団。メンバーそれぞれが担当シーンを持ち、それを伊藤が合体させるようなやり方で作品をつくっており、今作では梅棒に加えBBBや植木豪も振付を手掛ける。「共演者の皆さんはラップやダンスで世界で活躍する一流の方ばかり。そんな普段はなかなか共演の機会もない皆さんと、作品をよくしていくこの環境はすごく楽しいですし、音楽とパフォーマンスだけでも『観に来てよかった』と思われる作品に仕上がるのは確実だと感じています」と目を輝かせる宮澤。突出した才能を持つキャストが集う現場にも「私は皆さんのような武器がないので、その中で自分をどうやって生かすかは今回の私の新しい課題です。この作品に携われてよかったということは、既に思っています」と前向きだ。宮澤が演じるスンミは、主人公・メラの亡き恋人フジヲにうりふたつという容姿を持ち、大物やくざ・ブッバの息がかかった風俗店に所属する風俗嬢という役どころ。原作を読んだ感想を聞いてみると「私は平和主義者なので漫画の世界でよかったなと思いました(笑)。でもこの世界観の舞台化には梅棒のスタイルがピッタリだっていうのも稽古をしていてすごく感じているところで。台詞を喋ることも、歌で表現することも大切ですけど、今回はそうじゃなくてパフォーマンスでこの世界をみせる。チャレンジだと思いますが、『TOKYO TRIBE』という作品に合ってると思いますし、新しいエンターテインメントが生まれる瞬間をお届けできると思います」。「この作品を観て『羨ましい』って思う人がいっぱい出てくるだろうな、演劇界」と宮澤も一押しの本作は、9月29日(金)から10月8日(日)まで東京・TSUTAYA O-EASTにて上演。取材・文:中川實穗
2017年09月26日伝説的ストリートコミックス「TOKYO TRIBE2」(作・井上三太)が原作の舞台『TOKYO TRIBE』が9月29日(金)に開幕する。その稽古場に潜入した。【チケット情報はこちら】架空都市“トーキョー”の街ごとに存在する“シヴヤSARU”や“ブクロWU-RONZ”などトライブ(族)間で繰り広げられる抗争を通して若者たちの日常、愛、友情を描き、ファッションや音楽にも多大な影響を与えたカリスマコミックス初の舞台化となる本作。演出は梅棒の伊藤今人、音楽監督はKEN THE 390、振付は梅棒、Beat Buddy Boi(以下、BBB)、植木豪、さらにテーマソングはMIYAVI vs SKY-HIが手掛け、出演者も梅棒、BBBをはじめ宮澤佐江やDOTAMA、ACEらと豪華なメンバーが揃った。演出の伊藤が代表を務める「梅棒」は、台詞を使わずにダンス×J-POP×演劇で物語を表現する独自のスタイルが特徴のエンタテインメント集団。今回、梅棒の公演以外で初めてこの手法が使われ、ダンス×ヒップホップ×演劇という新しいカタチで『TOKYO TRIBE』の世界をつくりあげる。この日の稽古は、本作オリジナルのトライブ“ハラヂュクJINGUS”メンバー(植木、梅棒・塩野拓矢、YU-YA、魚地菜緒、大野愛地)が、DOTAMA演じる“シヴヤSARU”の書記長と仲を深めるシーンからスタート。振付を担当する塩野が、まずはストーリーや登場人物の感情を細やかに説明する。台詞のほとんどない本作にとって重要な作業だ。世界大会での実績を持つ植木、YU-YA、大野、梅棒の近作『ピカイチ!』でも強烈な印象を残した魚地、そして塩野というハイレベルなダンサーだらけのJINGUSメンバーは、積極的に意見を交換し合う姿が印象的。物語を伝える表情豊かな振りが更に磨かれていた。DOTAMAも「このシーンの書記長は何が見え、どんな感情の変化があるのか」という説明に、書記長としてパフォーマンスを変化。思わず笑顔になる楽しいシーンが生み出された。次は、大物やくざ・ブッバ(ACE)とスンミ(宮澤)、そしてメラ(BBB・SHUN)が出会う、暗雲漂うシーン。伊藤から「こういうことをリリックにしてほしい」と渡された内容を見つつ、即興でラップするACEとSHUN。即興とはいえラップの雰囲気でメラとブッバのキャラクターがしっかりと伝わるのが面白い。普段から舞台に出演する宮澤や遠藤誠(梅棒/スカンク役)も芝居を引っ張り、悪役ブッバの余裕やボス感、スンミの他の女の子とは違う空気、メラの秘めた炎、スカンクの食えなさ、そして彼らが所属するWU-RONZのヤバさが滲み出ていた。原作、演劇、ヒップホップ、ダンス、出演者、どのファンであっても入りやすく理解しやすく、そして楽しめそうな本作。新体験ともいえるステージをぜひ劇場で体感して!公演は、9月29日(金)から10月8日(日)まで東京・TSUTAYA O-EASTにて。取材・文:中川實穗
2017年09月21日