デザイナー・上榁むねのり手掛けるウィメンズブランド「ウエムロ ムネノリ(uemulo munenoli)」が15SSコレクションを発表した。スタイリングは吉田恵が担当。今シーズンのテーマは“Whisper(囁く)”。モスグリーンやパステルブルー、オフホワイト、ピンクなど柔らかなカラーパレットで構成され、淡くしなやかな空気感が漂う。鮮やかなブルーのロングシャツやオフホワイトのノースリーブトップスにぼんやりと浮かび上がる「シェーディングドット」プリントは、シャープなラインのアイテムに女性らしい柔らかさを添える。重厚感のあるブラックや様々なトーンのブルーも、シフォンや薄手のナイロン素材などを用い、軽やか。その一方で、シンプルなシルエットや、アイテムに伸びる直線的なカッティング、スリットによるミニマリズムはブランド設立当初からぶれることなく健在し、女性らしさの中に秘めた強さも共存する。なだらかなAラインを描いたホワイトのドレスはフロント・サイドバックに複雑なカッティングを施し、ウエムロ ムネノリが得意とするシンプルながら動きのある緻密な構造となっている。サイドから裾にかけてさりげなくプリントされたブルーのスラッシュもポイントだ。
2014年11月11日「ハイク(HYKE)」15SSのインスピレーションソースは「スポーツ (Sports)」と「トラディショナルスタイル(Traditional Style)」。毎シーズン、自分達が着目したスタイルや古着などから影響を受け、それを再構築するのがハイク流だ。本コレクションの特徴として挙げられるのが、スウェットのバリエーションと再解釈。三角形の汗止めが拡大されたり、厚手のボンディング素材を使うことで見た目からは予想できない張りのあるスウェット風のジップパーカなど、一見ベーシックだがひねりの利いたアイテムがそろっている。もう一つ特徴的なのがパイソン柄。今シーズン、1950から90年代のスポーツウエアを再解釈するにあたって、特に80から90年代のものによ くアニマル柄が取り入れられていたことと、ハイクの前身であるグリーン時代から頻繁に使ってきた柄ということもあって、採用された。またパイソン柄は、今シーズンのアディダスとのコラボレーション「adidas originals by HYKE」、またマッキントッシュとのコラボレーション「MACKINTOSH×HYKE」でもアイコニックに用いられている。デザイナーの吉原秀明と大出由紀子は今シーズン、スポーツとトラディショナルスタイルそれぞれの歴史・デザインの変遷などを考察。そこから素材やパターン、付属品などを一度分解し、ハイク独自の感性を加え、組み直してデザインしたという。グリーン時代からのアプローチは変わらない。
2014年11月07日写真家・映画監督として活動する蜷川実花のファッションブランド「エム / ミカ ニナガワ(M / mika ninagawa)」が15SSシーズンを機にデビューする。本プロジェクトの発端は、2013年にパリで開催された国際生地見本市「プルミエールヴィジョン」にてファブリックメーカーの小松精練から自身の作品を用いたグラフィックテキスタイルを発表したことから。そのオリジナル性は、海外メディアやファッションブランドから高い評価を得たという。その後「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「ジーヴィジーヴィ(G.V.G.V.)」などがテキスタイルを商品化。2013年12月、伊勢丹新宿店にオープンした同商品を扱うポップアップストアでは、アイテム約100点が即完売。ファンからはリピートを期待する多くの声が寄せられたとのことだ。この度、それらの声に応えブランドデビューが決定した。10代から40代まで幅広い世代から支持される蜷川独自のアンテナが捉えた“今”の気分、その時々のトレンド感を反映し、蜷川自身が心底「着たい!」と思うオリジナルスタイルを提案する。アイテムは、リゾートの華やかさを持つマキシドレス(5万円)や、エレガントなショートスリーブドレス(3万6,000円)、かっちりとしたシャツドレス(3万7,000円)から、カジュアルなスウェット(2万4,000円)、スウェットパンツ(1万9,000円)などまでフルラインアップ。1型あたり約2から6型展開されているグラフィックは、大胆に全面使用されたり、シャツ襟にポイント用いたり、ポケットの裏地に忍ばせたりと様々なアイデアが見られる。蜷川作品のグラフィカルで複雑な色味の表現は、従来生地上で再現するのは難しいとされていた。しかし、小松精練が展開しているデジタルプリントファブリック「モナリザ」を用い、1,670万色の色数を駆使する繊細な技術によって鮮明度と、豊富なカラーバリエーションを実現。その他にも、トートバッグ(7,900円)、クラッチバッグ(6,900円)、ポーチ(4,900円)や、シュシュ(3,000円)、ヘアーバンド(2,800円)などのアクセサリーも数多くそろう。価格帯は幅広い世代層の手に取れるようにと考慮されている。まずは、2015年1月21日から27日まで、伊勢丹新宿店本館2階ステージにてポップアップストアをオープンすることが決定している。フルラインアップを先行発売する。
2014年11月06日「ドリス ヴァン ノッテン(Dries Van Noten)」の15SSウィメンズコレクションのイメージは、“ルネッサンス初期の理念に戻ろうとする、博学なラファエル前派”、そして“芸術と手仕事への情熱”。ランウエイは草原のような緑のカーペットが敷かれ、小鳥のさえずりとともにショーがスタートした。麻の葉など草木の柄、メンズのネクタイやパジャマのような伝統的な小紋柄、ボーダーをモチーフとして多用。ビビッドカラーやアースカラーが組み合わされ、混ざり合う。シルエットはルーズでありながら縦長のラインを意識。ブラトップやカマーバンドでバランスをとった。アシンメトリーなデザインやレイヤードは、新鮮でありながら自由なムードを醸し出す。素材は、ブルームズベリー風のシルク・ブロケード、ローシルク、シルクシフォン、ルレックス、ファー、ナチュラルコットン、ビスコースなどを使用。サテンやスパンコールなどで輝きを加え、レイヤードルックでは、透け感もポイントだ。メタルやリボンの刺繍、フリンジなど、得意とする手仕事を贅沢に使用。足元は、レザーやスキンを用いた、スポンジソールのサンダル。メタルのアクセサリーは枝や根がモチーフ。カンガルーレザーをそのまま使ったクラッチバッグや、大きなトラベルバッグを携えている。音楽は、23歳のベルギー人ミュージシャンで画家としても活躍する、オスカー・アンド・ザ・ウルフ(Oscar And The Wolf)のマックス・コロンビー(Max Colombie)が担当。緑のカーペットはブエノスアイレスのビジュアルアーティスト、Alexandra Kehayoglouが手掛けたもので、このショーのために4週間以上の時間をかけて手織りで制作された。
2014年11月05日「シアター プロダクツ(THEATRE PRODUCTS)」が10月30日、東京・青山スタジオにて15SSコレクションを発表した。これまでショー形式でプレゼンテーションを行ってきた同ブランドだが、今シーズンは「SHOP」というテーマのもと、ショーウィンドーをイメージしたフォトスタジオを会場にシューティングの様子を公開し全ルックを披露。“海辺の街へ旅をする”というストーリーを設定し、1から12までそれぞれシチュエーションを変えてモデル2人とマネキンにてウィークリーショーウィンドーを作り出していく。ブラック、ホワイト、ベージュを基調としたシックなトーンに、地中海の太陽や雑多な土産物店を彷彿とさせる鮮やかな色が交錯。ホテルの床のモザイク状のタイルからインスピレーションを得たモチーフは細やかなビーズを全面に施したコートやミニドレス、刺繍のスカートなどに現れる。熱帯魚をオパールプリントしたオールインワンは起毛したベルベットで仕立てられており、海辺で使用するバスタオルから着想を得たものだ。アクセサリーにもシーズンテーマは強く反映。地中海のマーケットに売っている天然石、土産物店にある貝殻をイメージしたヘアバレッタ、ネックレス、また牛革のバケツ型ショルダーバッグ、更には、旅行中に味わったキャビアを閉じ込めたアクリルヘアクリップ、ファンデーションサンプルモチーフのネックレスなど、遊び心がふんだんに詰まっている。
2014年10月31日Amazonはこのほど、らでぃっしゅぼーやが「らでぃっしゅぼーやセレクト」を「Amazonマーケットプレイス」に出店したことを明らかにした。「らでぃっしゅぼーや」は独自の商品取り扱い基準『RADIX』のもと、安心・安全を追求した有機・低農薬野菜、無添加食品を宅配サービスで販売している。このほど、「Amazonマーケットプレイス」に出店した「らでぃっしゅぼーやセレクト」では、人気の機能性野菜ジュースをはじめ、加工食品(調味料、飲料、レトルト食品、オーガニックサプリメントなど)約40点を販売する。取扱商品は今後、順次増やしていく予定とのこと。配送料は、「通常配送」および「通常配送(店頭受取)」は無料。Amazonの物流代行サービス「フルフィルメントby Amazon」を利用しているため、「当日お急ぎ便」(514円)、「お急ぎ便」(360円)、「日時指定便」(360円)での配送もできる(Amazonプライム会員の場合は配送料は無料)。※配送料は税込
2014年10月30日「アンダーカバー(UNDERCOVER)」の15SSコレクションはブランドらしいロマンティックとダークネスが盛り込まれたショーだった。デザイナー・高橋盾が掲げたテーマは「プリティー・ヘイト・バード(PRETTY HATE BIRD)」。明るいプリンセスドレスに黒い羽をまとって始まったキャットウォーク。イノセントな表情だが指につけるのは食虫植物をかたどったかのようなボリュームあるリング。カチューシャは茨と、どこか不穏な空気だ。ハイテク素材のコートのミラー状のプリント、モンスターのようなフラワー柄やスカルをかたどったかのようなプリント、茨のストラップやトリム、ミラー破片の刺繍などがガーリーなシースルートップやロングスカートと合わさり、可愛くも毒気のあるスタイルが完成する。インパクトにあふれたルックはヒエロニムス・ボスの宗教画「快楽の園」がプリントされたトップス、スカート、ドレスなどのシリーズ。「快楽の園」には人間を蹂躙するかのような多くの“鳥”が描かれている。また、反キリスト教的な解釈もされており、とてもアンダーカバーらしいセレクトだ。けたたましいウエアにスタイリングされたのは「アンブッシュ(AMBUSH)」とコラボレーションしたアクセサリー。絵画に描かれるモニュメントをモチーフとしたアイテム達だ。腕や脚を何重にも飾ったが、これらはすべて個別に販売される。ラストはチュールとレザーを用いたバイカージャケットに鳥の羽模様をプリントしたスカートを合わせたアイコニックなスタイル。マスクやグローブもフェザーで作られテーマを強調する。そして、今までのルックがブラックになり鳥の叫喚と共にフィナーレを迎えた。前述のアクセサリーも含め小物使いが秀逸。動画が流れるバッグはiPad miniによるもの。フロントに専用のポケットが付いている。その他、ナックルダスターが付いたチェリーのクラッチバッグ、割れたミラーが連なるバングルなどどれも着こなしにスパイスを加えるアイテム達だ。
2014年10月27日「ラッド ミュージシャン(LAD MUSICIAN)」が10月20日、東京・恵比寿のガーデンホールにて15SSコレクションを発表した。ブランド創立20周年を迎える今シーズンのテーマを「SPACEMEN」とし、好きなテイストで固めることを試みたデザイナー・黒田雄一。本人が最も好きなミュージシャン、ソニック・ブーム(SONIC BOOM)へも今回のコレクションのために声を掛けたという。レーザーとスモークによるオーロラのベールに包まれた会場。最初に目を引いたのは、サイケデリックでグラフィカルなプリントだ。これはソニックブームとのコラボレーションによるシリーズで、氏が中心メンバーであったバンド、スペースメン3(SPACEMEN 3)や、スペクトラム(SPECTRUM)のアートワークを使用したもの。その後も、首元に十分ゆとりを持たせた宇宙服を髣髴とさせるフード付きのパーカーなど、立体的で構築的なディテールや、ブレてぼやけたような柄のブルゾンやシャツなどサイケかつフューチャリスティックなムードが続く。しかし、細身のパンツとスタイリングしたり、プレーンな質感の素材を用いたりとミニマルにラッドらしく統一。レーザーのように細く華奢なネックレス・ブレスレットなどのアクセサリーもさりげなくアクセントを与える。終盤になるとモデル達はシルバーグレー一色となり、静かな迫力を感じさせた。ショー終了後には同会場でアフターアニバーサリーパーティーを開催。ソニック・ブーム、日本のオルタナディブロックバンド「ザ・ノーベンバーズ(THE NOVEMBERS)」、宇川直宏が率いるVJチーム「DOMMUNE VIDEO SYNDICATE」などがライブパフォーマンスを行った。
2014年10月26日「トリコ・コム デ ギャルソン(tricot COMME des GARCONS)」の15SSコレクションは涼しげでナチュラル。デザイナーは栗原たお。“うすく軽やかで、自然な風合い。乾いた印象の夏”を表現したという。ルックの軽やかさとは対照的に、モデルのメイクは汗ばんだようなウェットな肌作り。異常気象かヒートアイランド現象の影響か、年々熱帯化しているように感じる日本で過ごす身としては「乾いた涼しい夏」をまとえる今季のコレクションは理想的に思える。自然な風合いを象徴するのは、生成りの綿リネンシャンブレーやガーゼのように柔らかいテキスタイル。レース柄にプリントされたブラックの薄いラミー(麻)のドレスをはじめ、フラワープリントの透けるオーガンジーのセットアップ、ギンガムチェック、かぎ針編みのレースそのもの、またはそれを柄にしたプリントなど、どこか素朴な中にも洗練された表現が見ていて楽しい。バストラインからフレアに広がるシルエットは禁欲的かつロマンティックな雰囲気。頭にぽんと乗せられた、コック帽のようにボリュームのあるストローハットはコレクションのユニークさを際立たせる。全体を通して、生成り、グレー、モカ、黒をメインに、色数少なく、落ち着きのあるカラーでまとめられた。
2014年10月21日「<A href="/special/499/recent/">ファセッタズム(FACETASM)」が10月18日、東京・渋谷のヒカリエホールにて15SSコレクションを発表した。今シーズンのテーマは「SOMEWHERE」。移り変わりが激しい現代の中で自分自身の道を振り返るという行為に着目し、デザイナー・落合宏理が行き着いたのは「ドレスダウン」というキーワード。「煌びやかなドレスアップした姿からいつのも自分に戻る(ドレスダウンする)瞬間に美しさを感じる。その感覚をファセッタズムで表現することを試みた」とテーマについて話した。ドレスダウンとは言えども、自由で斬新な表現は健在。ウィメンズのオーガンジーやシフォンを幾重にも重ねたブルゾンが風になびく様子は華やか。シャツやスウェットにはプリーツのシフォンキャミソールを重ねて独自のレイヤードスタイルを提案。メンズウエアでは、タンクトップやTシャツの脇・袖から覗く、または背中に大胆に施されたフェザーなどアイデア豊富。また、シャツ・パーカー・Tシャツのスケーター風レイヤーや、Tシャツプリントやチェスターコートのラペルなどにはブランドが好むハードコアの「X」モチーフを用いるなど、ファセッタズムが昔から好むカルチャー要素も随所に現れる。東京コレクションを代表するブランドならではの色が濃く残るコレクションとなった。
2014年10月20日JR四国はこのほど、予讃線海回り(愛称「愛ある伊予灘線」)下灘駅に「らぶらぶベンチ」を設置し、10月18日に除幕式を行った。このベンチは、座面が中心に向かって傾斜しており、2人で座ると自然と中央でくっついてしまう構造に。同社はこれまで、予土線江川崎駅と土讃線坪尻駅・大歩危駅の計3駅にこのベンチを設置しており、下灘駅は4カ所目の設置駅となる。愛媛県伊予市に位置する同駅は、ホームの目の前に伊予灘が広がる絶好のロケーションで知られ、「青春18きっぷ」のポスターや、映画・ドラマの撮影地としても数多く使用されている。毎年9月には、沈む夕日をバックに「プラットホームコンサート」も開催している。今後、家族やカップルがこの「らぶらぶベンチ」に腰かけ、海や夕日の美しい眺めを楽しむ場面が増えそうだ。
2014年10月20日10月18日、デザイナー古田泰子手掛ける「トーガ ビリリース(TOGA VIRILIS)」が2015SSコレクションを東京・渋谷のヒカリエホールで発表した。今シーズンは、ファッション、アート、音楽を融合させた世界観をテーマにインスタレーション形式で披露。会場には、スタイリスト猪塚慶太がスタイリングを手掛けたモデル達がマネキンのように整列し異質な空間を放った。ヘムラインをレザーテープで縁取ったロングジャケットや、ペイズリー柄のシャツやパンツ、ターコイズのアクセサリーなど、70年代フォークロアなテイストを織り交ぜながら、トーガ ヴィリリース独自のヒッピースタイルを提案。初めてメンズラインに登場するアイテムとして、エンボス加工が施され重厚感のある金属バックルが印象的なサンダルが登場した。また、本インスタレーションで初披露となるものに、90年代後半からモノクロのドローイング作品で注目を集めている画家の五木田智央とのコラボレーションアイテムも。プレゼンテーションのラストには、五木田とのコラボTシャツを着用したカナディアンサイケデリックアーティストの、ダーティー・ビーチズ(Dirty Beaches)が白熱したライブステージを見せた。
2014年10月20日「タロウホリウチ(TARO HORIUCHI)」が10月18日、初となるショー形式で15SSコレクションを発表した。今シーズンのテーマは、「AERO MODELLATER」。ベルギー・アントワープを拠点に活動するアーティスト、パナマレンコ(Panamarenko)が生涯掛けて作り続けた“飛べないUFO的飛行物体”の作品群をメインインスピレーションとしたコレクションを作り上げた。薄暗い会場に設置されたのは巨大なブラックボックス。その物体から漏れる蛍光灯の青い光が訪れた観客をタロウホリウチの世界へと誘い込む。現実から未来的へ誘い込むような空間だ。ファーストルックに登場したのは、真っ白なドレスに身を包んだモデル。ライン状に部分的に色付けされたレッドやブラック、または品良く肌を見せるスリットで、ミニマルでありながらも女性らしさは忘れない。その後も背中を大胆にくり抜いたトップスや、不規則に組み込まれたカッティングやヘムラインなど、随所で線を使った遊び心が見られた。素材使いにも注目したい。宇宙を彷彿とさせるメタリックな光沢を持つ流れるような素材は、ワンピースでエレガントに変化。張りのあるホワイトのネオプレン素材はプレーンかつ立体的なシルエットでトップスやアウターで提案された。コレクションの随所で用いられた穴の開いたパンチング素材は、「テーラーのシャツに多く使用される素材。フューチャリスティックな要素を盛り込みつつも、その真逆である伝統的なものを織り交ぜることにより組み合わせを楽しんだ」とデザイナー堀内太郎。中盤になるとモノクロから徐々に、ブルー、オレンジ、イエローなど鮮やかな色合いが増す。ボタニカルなプリント柄も、ワンピース、スカート、トップスなどと形を変えて展開され、まるで未来から現実へと焦点を変化させているようだ。コレクションにアクセントを与えるアクセサリーは、先シーズンに引き続き様々なアーティストとコラボレーションを行った。コンパクトな円形型クラッチバッグは「ニュー ニュー(NEWNEU.)」と、つるっとしたテクスチャーのスニーカーは「パトリック(PATRICK)」と、エレガンスとカジュアルの両面を持ち合わせたサングラスは「ブラン(BLANC.)」と、ミニマルなジュエリーはは「シュン オオクボ(SUN OKUBO)」とのもの。
2014年10月19日「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARCONS)」の15SSコレクションはポップでサイバー、底抜けに楽しいショーだった。テーマ「グラフィックマーチ」。先シーズン用いたパッチワークの技法を今回も採用。サークルが幾重にも連なり、重なった部分は色を替えて別布で切り替える。ビニル素材やポリエステルオーガンジーと接ぎ、軽やかな雰囲気。折り紙のように折られたかに見えるサークルやトライアングルが連続するワンピースはすべて縫ってパッチワークされたもの。明るい赤・青・黄の色合いと手の込んだディテールがかつての「テクノクチュール」コレクションを思い起こさせる。後半にはこれらのパッチワークがプリントになって登場。ブランドの定番であるライダースジャケットがプリントされたトロンプルイユカットソーも。カットソーに無理やり縫い付けたようなサークルの袖がユニークだ。
2014年10月17日「ビューティフルピープル(beautiful people)」は10月16日、明治神宮外苑のテニスクラブにて15SSコレクションを発表した。今シーズンのテーマは「LOVE ALL」(0対0)で、70年代のテニスプレーヤーに着目した。ラリー音が響く会場にファーストルックとして登場したのは、真っ白なTシャツに膝丈のパンツ姿で颯爽と歩くモデル。首元にループノットで巻かれたスカーフと、ソックスのリブ、「アディダス(adidas)」のスニーカーのロゴに用いられたグリーンがアクセントとなる。ギミックの効いた独自のトラッドスタイルを見せた先シーズン<とは雰囲気を一新し、スコート風プリーツスカートやスタジアムジャンパー、レーサーバックのタンクトップなど、スポーティーかつクリーンで爽やかな印象。カラーはレッドのポロシャツにベージュのキュロット、イエローのセットアップ、グリーンやブルーのプリント柄などこれまでと比べて随分鮮やかだが、どのルックも派手になりすぎない清潔感で統一されている。また、どこか懐かしさを感じるヘアバンド、ウエストポーチやバックパックなども相性良く組み合わされた。中盤になると、カーディガン、ブレザー、チェックのハーフパンツやメンズのスーツなども登場し、得意のトラッド要素も垣間見える。ヘアバンドやウエアのワンポイント、更にはニットのモチーフになっているカメレオンには、デザイナー熊切秀典の「外見のカラーは変わっていくが、根本的なブランドのカラーは変わらない」という思いが込められている。ラストには、ショー開始寸前までテニスをしていた男性がモデルとして登場し、観客を沸かせた。
2014年10月17日千葉県・船橋市のご当地キャラクター・ふなっしー公認の弟「ふなごろー」が15日、都内で行われたバンダイの新商品『ふなっしーのめいっしー 第1弾』発売記念イベントでお披露目された。『ふなっしーのめいっしー 第1弾』(194円/税込/3枚入)は、ふなっしー公認の274人の兄弟たちや梨妖精などのキャラクター情報を記載した厚さ1mmの名刺風紙製プレート「めいっしー」3枚がセットになった商品。裏面の「QRコード」をスキャンすることで、スマートフォンやパソコンの専用Webサイト「ふなログ」でさまざまなコンテンツを楽しむことができ、「ふなログ」では、「ふなごろー」や「ふなっすー」、「ふなっ神」といったキャラクターも公開されている。商品のPRに訪れたふなっしーは、「皆さんに紹介したい梨が来たなっしー」と言って弟のふなごろーを呼び入れ、人間界に遊びに来たという弟は「人間界の皆さん、こんにちはなっぴー! ふなごろーなっぴー!」と可愛らしい声であいさつ。274体いる兄弟の中でも一番仲がよかったらしく、ふなっしーは「よーしよしよしよし!」と"梨"可愛がりで再会を喜んでいた。ふなごろーの最大の特徴は、お尻についている"いも虫"の半身。ふなっしーをはじめとした"梨妖精"は、人間界に来る際に船橋の梨農園の梨に憑依して"梨妖精"になるが、ふなごろーは「いも虫に食われている梨に憑依しちゃったから"いも虫とのハーフ"になってしまった」という。そんなふなごろーは、今回の商品発表がうれしかったのか興奮のあまり、"梨汁ブシャー"ならぬ"絹糸ブシャー"でお尻の先から絹糸を噴射。勢い余って報道陣に降りかかってしまい、「ごめんなっぴー。許して欲しいなっぴー……」と平謝りした一幕も。2人は、10月18日からオンエアされるCMでも初共演を果たすが、ふなごろーが「ヘッドバンキングがお兄ちゃんより低かったなっぴー」と反省すると、ふなっしーは「構造上の問題なっしー」と返して、報道陣の笑いを誘った。今後の2人の活動はノープランながらも、ふなごろーは「兄ちゃんと離れたくないなっぴー」とアピールし、機会があれば一緒に仕事をしていきたいという。「今まで1人でやっていたので、ようやく身内が来てくれてうれしいなっしー!」と興奮気味のふなっしーだったが、弟に人気が出たら? の問いには「そろそろ疲れてきたので、辞めてふなごろーのマネジメントするなっしー」と世代交代も示唆。また「みんなが飽きたらさっと消えるなっしー。何の未練もないなっしー。みんなが望むうちはがんばろうかなと思ってるなっしー!」と心境を語っていた。最後に二人は「『ふなっしーのめいっし』を集めてみんなで遊んでくれたら梨冥利に尽きるなっしー!」「よろしくお願いしますなっぴ!」とあいさつし、今度は角度をしっかりと調整して"絹糸ブシャー!"をお見舞いしていた。『ふなっしーのめいっしー 第1弾』は、10月18日より1パック194円(税込/3枚入)で、全国の玩具店、百貨店、家電・量販店の玩具売り場、コンビニエンスストアなどで10月18日より発売開始。全36種類(超レア6種、レア13種、ノーマル16種、シークレット1種)で、裏面に書かれた価格・糖度・重量などの数値を使ってゆるいバトルをプレイでき、QRコードを読み取って専用サイト「ふなログ」でさまざまなコンテンツを楽しめる。また、『めいっしー』をコレクション・収納することができるファイル『ふなっしーのゆかいなめいっしーファイル 第1巻」も同日発売。ふなっしーとふなごろーは、今後、さまざまなPR活動も行うとともに、漫画誌『月刊コロコロコミック』(小学館)で連載中の漫画『ヒャッハーだよ♪ふなっしー』にも登場するという。(C)ふなっしー
2014年10月16日バンダイは、千葉県船橋市のご当地キャラクター・ふなっしー公認の兄弟たちを描いたコレクションプレート『ふなっしーのめいっしー 第1弾』を2014年10月18日に発売することを発表した。価格は194円(税込)で、全国の玩具店、百貨店、家電量販店の玩具売り場、コンビニエンスストアなどで販売される。『ふなっしーのめいっしー』は、ふなっしー公認の274人の兄弟たちや梨妖精などのキャラクター情報を記載した厚さ1mmの名刺風紙製プレート「めいっしー」3枚がセットになった商品。プレートの種類は全36種(超レア6種、レア13種、ノーマル16種、シークレット1種)で、コレクションだけでなく記載した「QRコード」をスキャンすることで、スマートフォンやパソコンの専用Webサイト「ふなログ」でさまざまなコンテンツを楽しむこともできるという。また、『ふなっしーのめいっしー』を42枚収納可能なコレクションファイル『ふなっしーのゆかいなめいっしーファイル 第1巻』も同時発売され、相関図シートや「ファイルオリジナルデザインの『めいっしー』」が付属する。「ふなログ」では、「ふなごろー」や「ふなっすー」、「ふなっ神」といったキャラクターも公開されている。「ふなログ」に会員登録すると、『ふなっしーのめいっしー』で「梨図鑑」にコレクションしたり、ゲームで遊んだり、キャンペーンへ応募が可能。「めいっしー」裏面の「QRコード」をスマートフォンなどで読み取るか「ふなんばー」を入力すると「ふなログ」内の「梨図鑑」にそのキャラクターが登録され、ポイントの貯蓄やキャラクターの音声を聞くこともできる。また、「梨図鑑」への登録1回につきゲームを1回楽しむことができ、ゲームの結果に応じてポイントを贈呈。ポイントを貯めることで、「スロットナシーン」にチャレンジでき、第1弾キャンペーンでは、当たりが出ると限定の「ふなっしーとふなごろー(実写)めいっしー」が1,000名に、「ふなログ特製!ふなっしーのゆかいなめいっしーファイル」が 100名にプレゼントされる。(第1弾は2014年10月18日~12月26日まで実施予定)。『ふなっしーのめいっしー』の発売に合わせて、ふなっしーの弟で56番目の兄弟である「ふなごろー」が梨妖精界より人間界に来訪し、本商品のCMで兄弟共演も実現。本日行われた発表会で、2、3週間前に再会したというふなっしーは「新橋の居酒屋から帰る時に歩いてきたなっしー。人間界に遊びに来てたなっしー。お兄ちゃんに会いに来てくれたから、一緒にお披露目しようかなと思ったなっしー」と弟を紹介し、ふなごろーも「お兄ちゃんと離れていたから一番うれしかったなっぴー」と再会を喜んでいた。今後、さまざまなPR活動も行うとともに、漫画誌『月刊コロコロコミック』(小学館)で連載中の漫画『ヒャッハーだよ♪ふなっしー』にも登場するという。(C)ふなっしー
2014年10月15日千葉県船橋市のご当地キャラクター・ふなっしー公認の弟「ふなごろー」が15日、都内で行われたバンダイの新商品『ふなっしーのめいっしー 第1弾』発売記念イベントでお披露目された。ふなごろーは、274体いる兄弟の56番目にあたり、梨の妖精となる前にいも虫に食べられて憑依されたことから生まれた"梨といも虫のハーフ"。お尻にはいも虫の尻尾があり、語尾の「なっぴー!」が特徴となる。この日のイベントでは、ふなっしーの梨汁ならぬ「絹糸ぶしゃー!」を噴射させ、会場を沸かせていた。兄にあたるふなっしーは、2、3週間前に再会したという弟について「新橋の居酒屋から帰る時に歩いてきたなっしー。人間界に遊びに来てたなっしー。お兄ちゃんに会いに来てくれたから、一緒にお披露目しようかなと思ったなっしー」と弟を紹介し、ふなごろーも「お兄ちゃんと離れていたから一番うれしかったなっぴー」と再会を喜び、同時にジャンプしながら喜びを表現した。2人は18日からオンエアされるCMでも初共演を果たすが、ふなごろーが「ヘッドバンキングがお兄ちゃんより低かったなっぴー」と反省すると、ふなっしーは「構造上の問題なっしー」と返して、報道陣は大爆笑。「今まで1人でやっていたので、ようやく身内が来てくれてうれしいなっしー!」と興奮気味のふなっしーだったが、弟に人気が出たら?の問いには「そろそろ疲れてきたので、辞めてふなごろーのマネジメントするなっしー」と世代交代も示唆。また「みんなが飽きたらさっと消えるなっしー。何の未練もないなっしー。みんなが望むうちはがんばろうかなと思ってるなっしー」と心境を明かしていた。『ふなっしーのめいっしー 第1弾』(194円/税込/3枚入)は、ふなっしー公認の兄弟たちや梨妖精などのキャラクター情報がギュッと詰まった名刺風の紙製プレート。全36種類(超レア6種、レア13種、ノーマル16種、シークレット1種)のうち、超レアはキラキラまぶしいホロ仕様に。コレクションに加え、「QRコード」をスキャンすることで、専用ウェブサイト『ふなログ』でゲームなども楽しめるという。主なターゲットは小学生男児で、全国の玩具店、百貨店、家電・量販店の玩具売り場、コンビニエンスストアなどで10月18日より販売開始。
2014年10月15日「コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)」の15SSコレクションは真っ赤だった。デザイナー・川久保玲が掲げたテーマは「Roses and Blood(血とバラ)」だ。ボーンとテープのみで構築したルック、ギャザーや縫い重ねたフェイクレザーにより布を積層したドレス(バラの花弁だろうか?)、詰め物で抽象的な紋様を描き出したドレス、血しぶきのようなプリント、臓物を抉り出したかのようなディテール、テープから滴り落ちるコサージュ、フリルを幾重にも巻き付け上下半身に作り出されたバラ、全体的に不規則なボリュームとバランス……美しい花の裏に潜む狂気を描いたかのようだ。2シーズン前から続く非ウエアラブルなコレクションで川久保は何を訴えたいのだろう。ただただ怒りのみを感じる。
2014年10月15日クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)による最後のコレクションとなった「エルメス(HERMES)」の15SSシーズン。今回は「アフリカンブリーズ」や「影から光へ」がキーワード。前半は眩い太陽のごとく白やエクリュがメインカラー。カシミアのダブルフェイスコートやパイソンのショール付きノースリーブ・コート、水蛇とニットを掛け合わせたベストなど布帛と見紛うレザーアイテムがエレガント。プリーツスカートは長めのトップスと合わせ、左右非対称なヘムが揺れる。このプリーツスカートはキーアイテムの一つ。素材・色を替え、様々なバリエーションが登場する。ゆとりのあるドレスや深いスリット、ラウンドしたブラウスなどが歩く度に美しく風にそよぐ。ラフに結んだ帯のようなベルトもキーアイテム。結んで美しく見えるようなカッティングでデザインされている。後半はインディゴやプリント、アースカラーなどアフリカの土臭さを表すように強い色合いに。仮面プリントやエルメスのスカーフ柄をディップダイでプリントしたドレスの他、「パラシュートシルク」と呼ばれる撥水加工が施されたシルク素材のブルゾンやコートなどスポーティーなテイストも。アフリカの意匠を思わせるカラフルなロングカーディガンはレザーと糸で編んだアイテムだ。ネイビーのノースリーブ・コートから覗くマゼンタのプリーツスカートが鮮烈。ラストは優しい夕暮れのようにオレンジ、甘いピンクのドレスでルメール約4年のコレクションを締めくくった。15-16AWコレクションからはナデージュ・ヴァネ=シビュルスキー(Nadege Vanhee-Cybulski)がアーティスティックディレクターを務める。
2014年10月14日ピーター・コッピングのラストシーズンとなった「ニナ リッチ(NINA RICCI)」15SSコレクション。今季のテーマは「Make do and mend(古いものを修理して使う)」。第2次大戦後の制限された中で作られた当時のコレクションからインスパイアされた。また、同時期の現代アーティスト、ルイーズ・ブルジョワのテキスタイル作品からの要素も取り入れられている。シルエットはロング&リーン。ウエストはハイポイントに設定され、より長さを強調。提案されるアイテムは胸が大きく開いたドレスやニット、深く切り込まれたスリットなどフェミニンな印象だ。ジャケットやジレなども胸を開け、デコルテを強調する。膝下丈のスカートはスリットが深く切り込まれ、優美に揺れる。ダブルフェイスのクレープで作られたドレス・スカートからはピンクにイエロー、ブラウンにブルーなど別色がひらめく。幾何学的に切り替えられた様々なレース使いはブルジョワからのインスピレーションだろう。フラワーモチーフ、黒のビーズ刺繍なども登場しエレガントな雰囲気。来シーズンからは、ギョーム・アンリがクリエーティブディレクターを務めることが決定している。
2014年10月13日「アクリス(Akris)」の15SSコレクションの出発点となったのは、ロンドンのテート・モダン美術館で今夏に開催されたロシアの抽象画家、カジミール・マレーヴィチの展覧会。「ミニマルで建築的な作風に加え、革新的な表現方法を生み出したクリエーティビティーにとてもインスパイアされた。アートは美しいだけでない、と新しい美への価値観を提案したその勇気にとても感動したんだ」と、クリエーティブディレクターのアルベルト・クリームラー(Albert Kriemler)氏は語る。マレーヴィチの代表作をイメージさせる、大きな正方形の窓から現れたモデル達が纏うウエアは、サンバイザーが象徴するようにスポーティーな要素をミックス。現代女性のライフスタイルに合わせ、テーラードアイテムから、リラックスムード漂うサンドレスやショートスカート、そしてイブニングドレスまでリアルなワードローブを提案。ダブルフェイスのコットンやリネン、オーガンザ、レザーなど、しなやかな張り感を持つ素材の特性を生かして仕立てられている。ラメ糸を使った刺繍レースのトレンチコートは、マレーヴィチのペインティングを柄に落とし込んだもの。「Tシャツやジーンズの上に羽織ってもいいし、イブニングドレスの上にイブニングガウンのように着こなすことも出来る。スポーティーでありながらシック、それが現代のエレガンスだと思う」とクリームラー氏。レザーのトレンチコートはリバーシブル、コットンのドレスはフェミニンなシルエットに繊細な刺繍が施され、イブニングドレスのように着こなせる。素材選びから細部のデザインに至るまで、現代で活躍する女性達がリラックスしてエレガントに着こなせるウエアであるようにという思いが見て取れるようだ。バッグは、ホースヘアの「アイ(Ai)」シリーズが登場。同じカラーのミディアムサイズのバッグとクラッチとしても使えるポシェットタイプを2個持ちするスタイルを提案した。
2014年10月08日「シャッツィ・チェン(SHIATZY CHEN)」の15SSコレクションは、「海記」がテーマ。海中世界に住む生物たちのエネルギーや美しい海の伝説からインスパイアされ、ランウエイの背景にも海の映像が映し出された。中国の地誌「山海経」をイメージしたブラックやホワイトのルックから始まり、エメラルドグリーン、ブルー、ピンク、オレンジなど明るいカラーが加わり、7色の光輝く世界を表現。ビーナスやマーメイド、クラゲや貝殻、魚達がモチーフとなり、刺繍やレースなどフェミニンなディテールデザインで彩られた。メッシュ素材やアシンメトリックなデザインでモダンな要素もプラス。伝統的な刺繍や中国の腰巻をモチーフにしたデザインなどオリエンタルなムードでブランドならではの個性もアピールした。バッグにはカラフルなクラゲや花々がペイントされ、シューズはクリアなPVCをアッパーやストラップに使用し、夏らしい。会場は、パリのグラン・パレ。同ブランドにとって、パリファッションウィークでの発表は13シーズン目となる。モデルのミランダ・カーを始め、台湾の女優、アン・イーシュアン、ジョー・チェンや、中国の女優のスン・リー、ファッションブロガーのリンダ・リー、フランキー・ハン、リ・フイ、中国のスーパーモデルのハオ、香港のスーパーモデルのジャニス・マンらが来場し、花を添えた。
2014年10月08日ポール&ジョー(PAUL & JOE)の15SSウィメンズコレクションは、70年代のハッピーでリラックスしたムードに包まれていた。ペイズリー柄のスーツから始まり、シャツとジャンパースカートの組み合わせ、スーツとショート丈のトップス、白の丸衿付ワンピース、フリンジバッグやスエードのアイテム、スカーフなど、70年代を象徴するアイテムから構成されるワードローブを提案。ソフトな色使いがフレンチブランドのポール&ジョーらしい。スリットの入ったロングスカートや背中が大きく空いたフリルのサンドレスなど、セクシーなデザインも採り入れ、コートはオーバーサイズが今季の気分。インビテーションにもあしらわれた、フクロウモチーフも登場。足元はレザーのサンダルでリラックスなスタイルにまとめ上げた。
2014年10月06日「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は15SSコレクションを発表した。マリア・グラツィア・キウリとパオロ・ピッチョーリがインスパイアされたのは18世紀上流社会子弟達の伝統である「グランドツアー(ヨーロッパ大陸巡遊紀行)」。目を引くのは様々な趣向を凝らしたドレス達。どれもクラシカルなシェイプだ。ハイウエスト、ティアード、背中の開いたエプロンドレスなど様々なタイプが登場。直線的にカットされた秋から覗く肌がセンシュアルだ。クリーンなレースや軽やかに舞うシフォン、ボタニカルのような華やかなパターン、フェザーの刺繍、ヒトデや貝など海洋生物の刺繍、レースのようなカットワークなどで見せる。海の要素は織りにも取り入れられ、大胆なサンゴ、タツノオトシゴを織り込んだドレス、コートを製作。カラーパレットはホワイトにパステル調のグリーン、ブルー、イエローなどの優しいトーンに、インディゴ、カーキ、ブラックの力強い色合いをミックス。フラットなグラディエーターサンダルや軽量のハイヒールが旅を感じさせる。
2014年10月06日「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」はニコラ・ジェスキエール3シーズン目となる15SSコレクションを発表した。発表の場には10月27日にオープンするLVMHグループの現代アートミュージアム「ルイ・ヴィトン ファウンデーション」が選ばれた。ブリティッシュ・ロマンティック・リュクス・アーティーの4ワードがキー。ジェスキエールらしく様々な要素をミックスする。前シーズンは60年代からインスパイアされたが今シーズンは70年代のようだ。白のヴィクトリアン要素が取り込まれたボウ付きワンピースからスタート。紺ブレと合わせ70年代の雰囲気を醸す。リップや自動車など70年代のステッカー風にプリントしたワンピースも登場。赤と青、マスタードと黒のストライプで切り替えられたスカートやブルゾンはイールレザー製だ。ランジェリーの要素を取り入れたロマンティックなブラックドレスはスパンコールを前立てにふんだんに刺繍、布帛とレザーで切り替えるなど様々な素材で見せる。総スパンコールでカーテンのような模様を描いた手の込んだドレスも。絢爛な装飾はフラワー柄のレザーブルゾンやサイケデリックなベルベットアイテムへと受け継がれる。ブルゾンは豚革を収縮させ立体感ある花柄を描いたもの。ベルベットのパンツは少し裾広がりのワイドシルエット。共に70年代のフラワーチルドレンやロックスターを想起させる。ブーツのヒールが実はモノグラムの形であったり、ディップアートのようなピアスなどアクセサリーも面白い。
2014年10月06日サンローラン(SAINT LAURENT)は15SSコレクションを発表した。ALEIDEによるオリジナルソング『1,2,3』が鳴り響く中、ゴールドのグリッドオブジェが据えられたランウエイをモデル達が颯爽と歩いていく。今季はグラム&セダクティブな印象。ドレスやジャケットはラメやスパングルを用いて輝きを放つアイテムが多く登場。ゴールドのドレス、トリムしたジャケット、肩にシルバーを散りばめたブラックドレスなどの他、フラワー柄ワンピースが煌きながら歩く。カットソーやワンピースは胸もとが大きく開き大胆に肌を露出。ブラウスも胸をはだけてスタイリング。少し隠すように細いショールが首元に巻かれる。合わせられるアウターはレザーブルゾンやロングコート、燕尾服やスペンサー・ナポレオンジャケットなど様々。今季のスモーキングは長めの丈だ。スカート丈はミニで統一。パンツもホットパンツが登場した。バンダナやチェリー・フラワー柄が60年代後半から70年代のヒッピースタイルを連想させる。
2014年10月05日「ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(Givenchy by Riccardo Tisci)」は9月28日、15SSウィメンズコレクションをパリで発表した。70年代のスタイルと、リカルド・ティッシ自身がクリエーティブディレクターに就任した頃のクリエーションから着想。レースやコルセット風デザインがクラシックなチロリアンスタイルに加え、丸鋲スタッズやアイレット、レースアップを用いたティッシらしいハードな雰囲気も健在だ。レザーやニットのパッチワーク、歩くたびに優しくゆれるプリーツやフリルなど、クチュールメゾンならではの職人技を贅沢に使用しながらモダンなスタイルに昇華した。ファーストルックのミニドレスのように、トップス部分は肩を出して首元を大胆に開け、スカート部分はフレアやプリーツでAラインを描いたシルエットがメイン。バックスタイルを大きく開けたスタイルも多く、ロングベストのようにはおったレザーウエアは後ろ身頃が無いエプロンのような仕様。背中を開けたボディスーツをレイヤードすることでセンシュアルな後ろ姿を演出する。他にも、レースやシフォンとレザーの組み合わせ、エレガントなドレスとTシャツやボディスーツのレイヤードなど、強さと儚い美しさという両極端なものを共存させたスタイルも魅力的だ。スカートには、スクリュー風ピンヒールのニーハイブーツを合わせ、パンツはハイウエストのレギンスタイプや、はしごレースを施したショートパンツ。幾何学模様をシフォンにプリントしたトップスは、同柄のトップスやストライプのボディスーツなどに重ねてグラフィカルな柄の重なりを楽しんでいる。バッグの新作は、四角くフラットなショルダーバッグ。ウエアと同じストライプ柄やスタッズをあしらい、キャンバス地を使ったカジュアルなデザインなどが展開する。
2014年10月04日「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」は9月26日、15SSコレクションを発表した。今回のテーマは「風が描く景色=風景」。雲や水面を揺らすさざ波、砂丘の曲線などを作り出す風から着想したという。驚愕のテクニックを披露した前シーズンだったが、今回はそれを更に進化させたウエアを見せた。デザイナー宮前義之の創造性は止まらない。「3D Steam Stretch」テキスタイルが更に発展した。今回のポイントは、線から面へ。先シーズンは曲線だったが、今回は無数の面が立ち上がるのだ。テキスタイルにあらかじめ“折り目”を織り込んでおき、スチームをかけると折り目に沿い無数の面が現れ、幾何学模様を作り出す。折られる順番も研究して決めたという。このテキスタイルによるトップスやジャケット、ワンピース、パンツが登場。ブラック&ホワイトの他、光のようなライトイエロー、海面のようなブルー、アースカラーなど自然を想起させる色使いで提案された。一見するとお針子が手作業で仕上げるキルティングや刺繍のようにも見える。しかしそうではなく“織る”時点で作り出されたディテールだ。これは技術の進歩がもたらした新しい“テクノロジークチュール”と呼べるのではないか。合わせるアブストラクトな形の帽子も「3D Steam Stretch」。曲線プリーツの1枚布を接いで造形した。他に提案されるウエア達は幾何学模様に合わせられるように、チェックや色とりどりのカラーブロックで構成。ゆとりのあるフォルムが、テーマの通り動くことでそよめく。アイコンバッグ「ガストン」は新たにハンドバッグやトートバッグが登場。もちろんリバーシブルで付属品もオリジナル。ハンドルを着脱して裏返す仕様は使う方も楽しい。また、パラボラアンテナを製造するメーカーと共に作り出したネット状のバッグを新たに発表。テキスタイルからアクセサリーまで日本の技術の結晶だ。奇しくも老舗百貨店ボン・マルシェが日本展を開き、北斎展がグランパレで始まったパリ。「日本に良い風が吹いて来ているのでは。高い技術力を持つ日本の他分野のメーカーと取り組むことで新しいものが生まれたりする。今回のテクニックは構想1年ほど。秋冬に向けて考えていることもある」と宮前デザイナー。次シーズンはどんなコレクションで楽しませてくれるのだろう。
2014年10月02日「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」は9月30日、15SSコレクションを発表した。クリエーティブディレクターのサラ・バートンがインスパイアされたのはアンティークの着物。東京・青山の旗艦店で開かれたパーティーに来日したこともあってか、日本的要素を取り入れている。サラはリーのアシスタントの頃から日本に通っていたという。桜のアップリケをパイソンに施したアウター、家紋のような意匠を施した生地のジャケット、桜のプリントに桜をかたどった刺繍で装飾されたラッフルドレス、袖が和服のように広がったワンピース、帯のように太くウエストを切り替えたドレスなどインスピレーションソースが分かりやすい。柄合わせは切り替えやプリーツでも完璧になされており、ブランドの技術力を示している。直線的な切り替えやプリーツ、陣羽織のようなラペルは甲冑を思わせる。胸元の開きもスクエアにカットした。アイコンのスカルは鯉をまとったもの、芸者風に日本髪を結ったのものが登場し、楽しい。キーカラーは桜のようなピンクにブラック、ホワイトとで妖艶な芸者のようだ。現代美術家、マーク・クインの蘭の彫刻、漆塗りの床面がランウエイに花を添えた。
2014年10月02日