春と秋、旬が年に二度も訪れるカツオ。たたきや刺身で手軽に食べられるので、スーパーのお刺身コーナーでは常に人気の商品ですし、食卓にも馴染みのある魚ですよね。普段はなんとなく食べていたカツオですが、実は老若男女問わず、家族みんなの体に嬉しい栄養素が盛りだくさんだったのです。 気になるカツオの栄養素や旬の時期、おすすめの食べ方など、詳しく調べてみました!■カツオは栄養たっぷり!おいしいだけじゃない! カツオの栄養素の豊富さをみていきましょう。これを読めば、スーパーで見かけたときには間違いなく手が伸びるはず…!?・DHAとEPAカツオには、脂肪酸と呼ばれる、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタ塩酸)が多く含まれ、その含有量は魚の中でもトップクラスなんです。これらは脳のはたらきを活性化させたり、血液の流れをサラサラにしてくれるほかにも、健康や美容に有効なはたらきが期待される「オメガ3脂肪酸」としても注目されている成分なんです! サプリメントとしても人気が高く、健康の強い味方。是非とも積極的に摂取したい栄養素の一つですね。・貧血予防にうれしい鉄分不足すると貧血になったり、疲労感が取れにくくなったりする鉄分。特に女性には欠かせない栄養素といえますよね。鉄分には、吸収率が違う二つの種類があると知っていますでしょうか。植物性の非ヘム鉄(海藻や野菜など)の吸収率は2~5%であるのに対して、カツオに含まれる動物性のヘム鉄(肉や魚など)は溶けやすく吸収率は15~20%と、効率よく鉄分を摂取できるんです!子どもの発育不全や女性ホルモンの悩み、不妊症にも有効とされています。・ビタミンも豊富カツオはビタミンA・Dのほか、ビタミンB群を幅広く摂取することができます。特に多いといわれているビタミンB12は、赤血球を作り出すために有効な働きをし、神経機能を正常に保ってくれるのです。疲労時の体力回復に効果があるこのビタミンB群ですが、水に溶けやすく熱に弱いため、旬な時期はたたきや刺身で食べることをおすすめします!・まだまだあります!タウリン、タンパク質も豊富コレステロールを減らし、肝機能を高めるタウリンも豊富なのがカツオの特徴。肝機能を高めるという事はつまり、疲労回復効果も期待できるということなんです。また、カツオは良質なタンパク質をたくさん含んでおり、鉄分の吸収を助けてくれます。そのタンパク質の含有量はマグロを超えるほどなんです! ダイエットの面でも期待できそうですし、アスリートの方にも注目されるほどの低カロリー高タンパクで、とても優秀な食材であるといえます。肝臓が気になるお父さんにも、ダイエット中のお母さんにも嬉しい栄養素ですね。■カツオは旬の時期や部位によって栄養価が違う?1年を通して見かけることのできるカツオですが、実際いつが一番おいしいの?カツオの旬の時期、またそれぞれの栄養価を比べてみましょう。・カツオの旬はいつ?日本人にとってなじみのある魚であるカツオは、かなり昔から食べられてきました。江戸時代はカツオ=「勝男」という響きから縁起物と言われてきましたし、「女房子供を質に出してでも食え」という過激な例えになるくらい人気の魚だったようです。そんなカツオには、春と秋二度も旬があります!太平洋沿岸に生息するカツオが春に九州南部、鹿児島県の南沖から北上し、4月~5月に旬を迎えるものを「初ガツオ」と呼びます。「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」という有名な句に詠まれたほど、江戸時代には初ガツオが初夏の江戸の名物とされていたんですね。そして、秋に宮城県沖に達し、そこで親潮とぶつかりUターンして南下してくるものを「戻りガツオ」と呼び、こちらは9月~10月が旬とされています。おいしい時期が年に2回もあるなんて、なんだか得した気分になりますよね。年中見かけることができるのも納得というわけです。・ヘルシーな『初ガツオ』エサ場に向かって北上している初ガツオは、身が引き締まってさっぱりとヘルシー。タンパク質の量はわずかですが戻りガツオより多く、魚類の中でトップクラスです。淡泊ですが旨味はしっかりありますので、たたきにして薬味をたっぷりのせて食べるのがおすすめ! 薬味と一緒に食べることで栄養価もプラスすることができますよ。また、脂がのりすぎていては保存に向かないということから、鰹節に使われるのもこちらの初ガツオなのです。・脂のりのいい『戻りガツオ』夏場にエサをたっぷり食べて南下してきた戻りガツオは、初ガツオと比べてビタミンや鉄分の量にほとんど変わりはありませんが、脂質含有量はなんと初ガツオの10倍以上。丸々と太っていて身にも脂がのっており、濃厚な味わいです。お腹側はとくに脂乗りがよく、「まるでマグロのトロのようだ」という意味からトロカツオとも呼ばれ、たたきはもちろん、思い切って分厚く切って刺身で食べるのがおすすめです!脂と聞くと警戒してしまいがちかもしれませんが、どちらもほかの魚と比べると低カロリーですので、ダイエット中でも気にせず食べられますよ。・幻の『迷いガツオ』一部のグルメな人々に知られ、青森県大間産のマグロにも引けを取らない高値で取引される迷いガツオというものも存在します。本来太平洋で獲れるはずのカツオが、群れからはぐれて日本海へ回遊し、11月後半くらいに富山県や新潟県でブリを獲るための網にかかることがあります。なぜ日本海を北上してしまうのか理由は定かではないですが、とても希少であり、特別なおいしさとされていることから、初ガツオや戻りガツオの5倍以上の値段がつけられるのだそうです!高級店でしかお目にかかることはなさそうですが、ぜひ一度は味わってみたいものですね。・カツオの栄養価のポイントは「血合い肉」!血合い肉は、サバやマグロなどでは取り除かれることがほとんどですが、旬のカツオの場合はあえてこの血合い肉を残して食べられることが多いのです。多少の臭みはありますが、この血合い肉こそがDHA、EPAをはじめ栄養満点ですので、たたきにして薬味をのせたり、柑橘系を添えたりと工夫をしながら是非食べるようにしてみてくださいね。むしろ、血合い肉もおいしく食べ、栄養を余すことなく摂取するというのがカツオの醍醐味といってもいいかもしれません。■カツオの栄養をおいしく摂ろう!旬や栄養価のこともわかってきたところで、家庭でカツオをよりおいしく食べてもらうためのポイントをいくつかご紹介します。・カツオは新鮮なうちが一番やはり魚は鮮度が一番! 特にカツオは鮮度が落ちるスピードが速いといわれている魚のひとつですので、購入したらその日のうちに食べるのがベストです。栄養の面でも、生食の方が余すところなく栄養を取り入れることができるといえますね。・新鮮でおいしいカツオの選び方赤みが鮮やかで、血合いの部分もくすんでおらず色味がはっきりしているものを選ぶようにしましょう。戻りガツオの時期には、皮側の身が白く、中がきれいなピンク色のものがおすすめです。ドリップが出ているものや、切り口が虹色に光っているものは新鮮だと勘違いされていることもあるようなのですが、これは鮮度が落ちている証拠なので避けた方がいいでしょう。・カツオのたたきは薬味で栄養の吸収力をアップ!ひとくちにカツオのたたきといっても、地域や好みによって色々な薬味・調味料で食べられています。薬味として代表的なにんにくやネギは、カツオに豊富なビタミンB1の吸収を高めてくれます。また、カツオのたたきをポン酢につけたり、本場の高知県では特産のゆずを添えて塩で食べる「カツオの塩たたき」が有名だったりと、柑橘系と合わせられることも多いですよね。これは、血合いの臭みを緩和するだけではなく、クエン酸が鉄分の吸収を高めてくれる働きをしてくれているのです。おいしいだけではなく理にかなっている食べ方だったんですね!・足の早いカツオも調理によって楽しめる前述したとおり、鮮度が落ちやすく生食がおすすめのカツオですが、火を通して調理してももちろんおいしく食べることができます。翌日に調理する場合は、めんつゆに漬け込んでおいたものをさっと焼いたり煮物にしたりするのもいですね。ほかにも、加熱して味噌や醤油と和え、カツオのフレークをつくれば冷蔵庫保存で一週間ほど楽しむこともできますし、唐揚げやフライにしてもおいしいですよ!もしもカツオが余ってしまったときには、このような加熱調理をして早めに食べきるのがいいでしょう。■生のカツオと鰹節の栄養価ご家庭ではより身近な食材、鰹節。6ヶ月かけて生のカツオを加工して作られる鰹節ですが、加工された場合の栄養価も気になりますよね。・カビ付けで栄養が3倍?乾燥、カビ付けなどの製造工程を経て、水分は生のカツオの20%以下、質量は6分の1まで小さくなります。乾燥させることで栄養成分が凝縮され、栄養価が3倍になるとも言われています。カビ付けを多くしたものは「本節」と呼ばれ、うまみもさらにアップし、高級品として扱われるほどです。最近では、カビ付けの工程を行わない「荒節」は短期間でできることから、この荒節を削り節にしてパックに詰めたものが一般的な鰹節として流通しています。・全ての必須アミノ酸が含まれるカビ付けをするとカビの菌糸はタンパク質を分解し、アミノ酸に変化していきます。体内でつくりだせない8種のアミノ酸を必須アミノ酸と呼び、健康維持に嬉しい効果を期待できます。・手軽に取り入れられる鰹節基本的に栄養成分自体は生のカツオと変わらず、高タンパク低カロリーで、ビタミンやカルシウムもバランスよく含まれている鰹節。お出汁やおかかご飯、サラダに振りかけるなど毎日使うことができる食材ですので、日々の食事に取り入れてみてくださいね。■健康維持に、家族みんなでカツオを食べよう!いかがでしたか? お値段も手ごろで、栄養満点なカツオ。家族みんなの健康維持におおいに役立ってくれそうです。初ガツオ・戻りガツオそれぞれの時期の特徴を参考に、いろいろな食べ方で楽しんでみてくださいね!
2020年07月24日秋の味覚を堪能したいのなら「カツオ」を使った料理を作ってみませんか? カツオの旬は年に2回あり、4~5月に獲れるものを「初ガツオ」、8〜9月に獲れるものを「戻りガツオ」と呼びます。そこで今回は「戻りガツオ」を使って作ると美味しいアレンジレシピを5つご紹介。すべて旬のカツオの旨味を堪能できるレシピです。■サラダ感覚で食べることができる、絶品カツオのマリネ秋の「戻りガツオ」は脂たっぷりで、お刺身として食べるのに最適です。このレシピなら、生のカツオをサラダ感覚で味わうことができます。マリネ液にはニンニクとショウガを入れますので、カツオの臭みはほとんど感じません。カツオとレタス、キュウリ、スプラウト、ラディッシュを器に彩りよく盛り合わせ、マリネ液をかけてからいただきましょう。タマネギやミョウガ、大葉のせん切りを盛り合わせても美味しいです。さっぱりとした味で、お酒のおつまみにもピッタリ。歯ごたえの変化も楽しめますよ。■お弁当のおかずにもなる! サクッとした食感のカツオの竜田揚げお馴染みの揚げ物のひとつである「竜田揚げ」は、赤褐色に揚がり、片栗粉色の白い部分があることから、紅葉が流れる竜田川に見立てて名づけられたそうです。何とも秋らしい料理ですよね。カツオの竜田揚げを食べれば、より秋らしさを満喫できます。少し手間はかかりますが、サクッとした食感で食べやすく、ご飯もどんどん進みます。仕上げにカボスを添えてからいただきましょう。お好みでサツマイモやレンコンを素揚げして、カツオの竜田揚げと一緒にお皿に盛り合わせるのもいいでしょう。お弁当のおかずとしても大活躍してくれます。■ねっとりとした食感がやみつきに! ピリ辛カツオ納豆丼カツオを丼にして食べたくなったら、こちらをお試しあれ。食べ応えのあるピリ辛カツオ納豆丼です。カツオと納豆をコチュジャン入りのタレと合わせることで、ねっとりとした食感を堪能できます。お好みで真ん中に卵黄を落とし、刻みネギと白ゴマを散らしてからいただきましょう。韓国ノリを敷くのもオススメです。卵黄をからめれば、よりマイルドな味わいになりますよ。子どもがいる場合は、タレに入れるコチュジャンの量を調整してくださいね。この一品でお腹いっぱいになります。10分で作れるので時間がないときにも最適です。■彩り鮮やかで美味しい、カツオの酢豚風カツオを酢豚風にアレンジして食べることもできます。程よい酸っぱさで、食欲がそそられますよ。作り方は、フライパンにサラダ油を熱し、カツオとニンニクを入れ、カツオの色が変わるまで炒めます。続いて、ブロッコリー、赤ピーマン、白ネギを加え、2~3分炒めましょう。調味料を加え、トロミがつくまで全体にからめながら炒め、器に盛れば完成です。彩り鮮やかで、おもてなし料理にもオススメ。豚肉の代わりにカツオを使うことで、カロリーカットにもなります。野菜は歯ごたえを残す程度に炒めるのがポイント。何度も作りたくなる一品です。■お茶漬けにもなって便利、カツオの香味みそ和え火を使わずにサクッと作れるのが、こちらのレシピ。豊かな風味が後を引く、カツオの香味みそ和えです。香味みそには、白ネギ、ニンニク、ショウガのみじん切りがたっぷり入っています。熱々のご飯にのせたり、お茶漬けにしてサラサラといただくのもいいでしょう。作り方はとっても簡単! 香味みその白ネギ、ニンニク、ショウガはそれぞれみじん切りにし、ほかの香味みその材料と合わせます。カツオは包丁で細かくたたき、香味みそと和えましょう。器に盛り、刻み細ネギを散らせば出来上がり。お酒のアテにもピッタリです。定番の「カツオのたたき」を味わうのも良いのですが、アレンジレシピを作って、普段とは違う味わいを堪能してみませんか? 脂がのった「戻りガツオ」を味わえるのは、1年でいまだけ! 旬の味覚を食卓に加えて、美味しいひと時を過ごしましょう。
2019年09月07日「魚」と聞いてイメージするものは何ですか?マグロやブリ、サンマなどさまざまな種類の魚がいますが、筆者がイメージするのは、「カツオ」(自分でもどうしてかわからない…)。すでにご存じの方も多いかもしれませんが、カツオは4月から6月にかけて「初ガツオ」と呼ばれ、タケノコやぜんまいと同じように“春の旬”として知られています。脂がたっぷりとのった秋ごろの「戻りガツオ」に比べ、その身は赤々としてあっさりしている初ガツオ。「我が家の食卓にも!」と思うものの、刺身やたたきくらいしかメニューが思い付かず…。そこで、今が旬のカツオをおいしく食べられ、さらに簡単にできる“丼ぶり”レシピを調べてみました。カツオの漬け丼最近は、昼と夜の寒暖差が激しいから、体調を崩しがちな人も多いのではないでしょうか?まずは、そんな時でもペロッと食べられそうな「漬け丼」のレシピです。【材料】(4人分)・カツオの刺身…半身・ごはん…お好みの量★すりおろししょうが…小さじ1★しょうゆ…大さじ5【作り方】1)カツオをひと口サイズに切り、★と合わせ漬け込む2)茶碗にごはんを盛り、1をのせれば完成!お好みで刻んだネギやみょうが、白ごまなどを振りかけても◎。ごはんなしにすればおつまみにもなるので、おすすめです!ちらし風カツオ丼大人は特に何も気にせず食べていても、子どもはあまり好きじゃない…なんてこともありますよね。無理強いするつもりはありませんが、できれば旬の食材はおいしく食べてほしいもの。そんな時は、ちらし寿司風にしてみてはいかがでしょう?【材料】(4人分)・ごはん…お好みの量・カツオのたたき(もしくは刺身)…1柵分・ニンジン…1/3本・しいたけ…3本・白ごま…適量・万能ねぎ…適量・ごま油…適量★和風だし…大さじ2★ごま油…小さじ1★すし酢…大さじ3~4★みりん…大さじ1【作り方】1)フライパンにごま油をひき、ニンジンとしいたけを炒める2)ボウルにごはんと1、白ごま、★を入れてよく混ぜる3)2を丼ぶりに盛り、カツオのたたきをのせ、刻んだ万能ねぎを散らして完成!今回は、野菜をニンジンとしいたけにしましたが、タケノコやごぼう、絹さやなども相性バツグン!また、錦糸卵や桜でんぶを加えるとより華やかになり、パーティー仕様にもなりますよ。カツオのユッケ丼最後に紹介するのは、スーパーなどで手に入るカツオのお刺身を使った、韓国風のレシピです。【材料】(4人分)・カツオの刺身…1パック・白ごま…適量・きざみのり…適量・卵黄…4個分★コチュジャン…小さじ2★しょうゆ…大さじ1★ごま油…大さじ1★すりおろししょうが…小さじ2【作り方】1)カツオの刺身をボウルに入れ、★を加えてなじませる2)丼ぶりに盛ったごはんの上にきざみのりを散らし、1をのせる3)白ごまと余っている★を振りかけ、中央に卵黄を落とせば完成!最初に紹介した「漬け丼」同様、ごはんなしにすればおつまみにも◎。また、コチュジャンの量を増やしたり、子ども用はコチュジャンをなしにしたり、調整も可能。きざみのりの代わりにきざんだ大葉を使うと、よりサッパリとした味わいになります!旬の食材は、なるべく手を加えずに本来の味を楽しみたい。けれど、同じ食べ方ばかりでは飽きてしまうし、少し時間が経ってしまうとそのまま食べるのは気が引けるという人も多いはず。今回紹介したレシピは材料が多いものもありますが、手順はどれも単純なものばかりです。ぜひ、お試しあれ♪(文・三軒茶屋すみ子/考務店)
2018年04月28日