『舟を編む』で第37回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した渡辺謙作が監督・脚本を務める『エミアビのはじまりとはじまり』の製作・公開がこのほど決定。森岡龍、前野朋哉、黒木華、新井浩文らが出演することが明らかとなった。人気上昇中の若手漫才コンビ「エミアビ」の片割れ海野が自動車事故で死んだ。遺された相方の実道はマネージャーの夏海を連れ、同乗していてやはり死亡した雛子の遺兄である黒沢に会いに行く。黒沢も数年前までお笑いの世界にいた、「エミアビ」の先輩であり恩人だった。十年来のパートナーを失った現実が感じられず、未だ泣けていなかった実道に、黒沢は「雛子のためにネタを見せてくれ」と要望する。「『エミアビ』の大ファンだった雛子を最期にもう一度笑わせてくれ」。引き受けた実道はピンネタを披露するが、思いもよらず黒沢のダメ出しが連発される…。『フレフレ少女』以来8年振りの渡辺謙作が監督を務める本作。ドラマ「天皇の料理番」「64」で注目を集め、『モーターズ』が公開中の森岡龍が主演を務め、遺された相方・実道を演じる。共演に、『イニシエーション・ラブ』や「おかしの家」に出演中の前野朋哉、『母と暮せば』や『リップヴァンウィンクルの花嫁』と話題作への出演が相次ぐ黒木華、『百円の恋』『バクマン。』などあらゆる作品で独特の存在感を放つ新井浩文、「週刊プレイボーイ」のグラビアでデビューし、「サンデージャポン」などのバラエティ番組にも出演し注目を集める山地まりらが配役されている。人気上昇中の漫才コンビという設定だけに森岡さんと前野さんは、クランクイン前から漫才の練習を積んだそう。2人の息のあったコンビ演技に注目したい。<以下、コメント>■森岡龍(実道役)この映画が描いているのは「芸」にまつわるあらゆる感情、そして「芸」そのものだ。果たして「芸」は身を救うだろうか。少なくとも僕はこの映画を通して救われた思いがした。ちょっと凄い映画になったと思う。是非、観て下さい。■前野朋哉(海野役)「お笑い」の映画ですがとても哀しい映画です。「人が死ぬ」映画ですが、とても楽しく希望溢れた映画です。「おふざけ」満載の映画ですが、本気です。是非ご覧いただけると嬉しいです。■黒木華(夏海役)「舟を編む」に続いて渡辺謙作さんの書かれる脚本は、今回で2度目ですが、登場人物が魅力的で、いつも惹かれてしまいます。今まであまりやったことのない役をやらせて頂き、とても楽しかったですし、完成が待ち遠しい作品になりました。■新井浩文(黒沢役)こんな情けない主演と映画を創ったのは初めてです(笑)。■渡辺謙作監督数年前、まわりでバタバタ人が死んでいった頃、物語の骨子を思いついたーーなんて書き出しだと辛気臭いけど、主役は漫才師でして、劇中ではガチで漫才やってます。 笑ってもらえりゃ嬉しいですが、やっぱ「笑い」は難しい!再認識しました。 身近な死を乗り越えるには、「涙+笑い」っていう青くさいテーマを敷衍していったら、ロマンチックな青春映画になりました。 出てくるのはオッサンですけど。死ぬまで青春。死ぬまで跳びます。『エミアビのはじまりとはじまり』は2016年、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年11月24日情報通信研究機構(NICT)は2月25日、ヒトの協力行動における前頭前野の機能を解明したと発表した。同成果はNICT脳情報通信融合研究センターの春野雅彦 主任研究委員らによるもので、米科学誌「The Journal of Neuroscience」の2月25日号に掲載される。なぜヒトは協力するのかという問題に対しては近年まで、「自分の取り分を増やしたいと活動する古い脳(皮質下)の働きを、理性的な新しい脳(前頭前野)が抑制して協力が生じる」という説が有力視されていた。春野主任研究員らは2010年に行った研究で、皮質下に位置する扁桃体が「不平等」に反応し、その活動が協力行動の個人差に関係することを報告しており、従来説が必ずしも正しくないことを示していた。一方、前頭前野が協力行動に関わるという報告も多くあり、その機能は謎とされていた。今回、春野主任研究員らは近年の経済学で「不平等」とともに重要性が指摘されている「罪悪感」に着目し、41名の被験者に、新たに考案した信頼ゲームを行わせ、この時の脳の血流をfMRI装置によって観測した。このゲームは2名のプレイヤーA、Bがペアになって行う。まず、Aがゲームへ参加するか不参加かを決定し、次にBが協力するかどうかを決める。それぞれのプレイヤーは選択に応じて異なるお金が配分される。なお、参加を選ぶAはBが協力するかどうかの期待確率を答える。つまり、Bは協力する場合としない場合の両プレイヤーへの配分額とAの期待度を知った上で行動を決めることになる。配分額はAの場合、"Bが協力した時"が最も多く、次に"Aが参加しない場合"、"Bが協力しない場合"の順で設定。一方、Bの配分額は、"Aに協力しない時"が最も多く、次に"Aに協力するとき"、"Aが参加しない時"の順になるように設定した。したがってAが参加を選択した場合、一番多い配分額を期待してBの協力に信頼を寄せることになる。また、Bは"協力しない"を選択した場合、Aの信頼を裏切り、高い配分を受けるので「罪悪感」を感じる事になる。同研究では、配分額をゲームごとに変更することで、プレイヤーBが感じる「不平等」と「罪悪感」の程度を操作できるようにした。これにより得られたデータを解析したところ、右前頭前野の活動が「罪悪感」と、扁桃体と側坐核の活動が「不平等」と連動していることが判明した。これは行動決定における前頭前野の機能が「罪悪感」の計算であることを示唆している。研究ではさらに、22名の別の被験者に対し、前頭前野へ電流刺激を行いながら信頼ゲームを実施し、電流刺激を行わなかった場合と比較した。電流刺激によって「罪悪感」に基づく協力行動が増加するのに対し、「不平等」に基づく協力行動は変化せず、右前頭前野の脳活動が示す「罪悪感」と協力行動の間の因果関係が示された。同研究グループは今回の知見について、ヒトに固有な大規模な社会やコミュニケーション能力が進化したメカニズムの理解や社会認知と深く関係する発達や精神疾患の類型化に貢献することが期待されるとしている。
2015年02月25日東映製作の特撮映画『キカイダー REBOOT』が、いよいよ5月24日より全国公開される。その公開を記念して、主演の人造人間ジロー/キカイダーを演じる入江甚儀と、1972年に放送されたテレビシリーズ『人造人間キカイダー』でジロー/キカイダーを演じ、今回の映画では心理学者・前野究治郎役で出演している伴大介の「新旧ダブル"ジロー"対談」が実現した。映画『キカイダー REBOOT』は、東映・NET(現テレビ朝日)製作のテレビシリーズ『人造人間キカイダー』(全43話)をベースにしながら、ジローやミツコ、マサル、服部半平などのキャラクター設定、およびストーリーが全面的にリニューアル。2014年の現代にマッチする最先端の映像表現を駆使しての、文字通りのREBOOT(再起動)作品になっている。ただし、テレビシリーズおよび原作者・石ノ森章太郎氏によるコミック版(漫画誌『少年サンデー』連載)における"良心回路"という重要な設定は、ほぼそのまま受け継がれた。ジローは創造主である光明寺博士(映画では長嶋一茂が演じる)から良心回路を組み込まれた人造人間(アンドロイド)だ。そのため、普通のロボットのようにただ人間から命令されて動くのではなく、独自で善悪を判断し、人間らしい感情をのぞかせる。映画初主演となった入江は、端正な顔立ちに鋭く鍛え上げた肉体を備え、まさに人造人間ジロー役に最適の若手俳優。そして、42年前にテレビシリーズでジローを演じた伴氏は、女性ファンからの人気が非常に高かったという"イケメンヒーロー"の先がけともいうべき存在。新旧2人の"ジロー"は今回の映画について、どんな感想を持ったのだろうか。――まずは、無事完成を迎えた新作映画『キカイダー REBOOT』を観られたご感想からお願いいたします。入江:僕が想像していたよりも、何十倍もいい作品になっていて、びっくりしました。スタッフ、キャスト含めいろいろな人の魂が注ぎ込まれた映画だと思います。伴:40年前に自分が出演していた『人造人間キカイダー』と比べると、うらやましいくらいぜいたくな作りの作品でした。とにかく、映画の出来に感動しましたよ。作り手の、作品にかける愛情というものを感じさせる映画でした。――全体的にひきしまった印象のある新キカイダーのキャラクターについては、いかがですか。伴:昔のキカイダーと比べても、ずいぶんカッコよくなったと思いますよ。このスーツがまたすごいよね。筋肉質っていうか、腹筋が割れているもんね(笑)。入江:現場では、よく『キカイダーと顔が似てるね』って言われていたんです。伴:やっぱり、このマスクは入江くんをイメージして作ったの?入江:いえ、そうじゃないらしいんです。僕がジロー役に決まる以前からこのマスクはできていましたから。伴:そうだったのか。私もそうだけれど、多くの人が入江くんの顔に似せたマスクだと思ってるんじゃないかな。入江:劇中で、キカイダーの芝居にも気持ちを入れ込みたかったので、僕がスーツやマスクを着けて演技をしている場面があります。伴:それはすごいね。私は少しマスクを被ったことはあったものの、スーツを着ることはなかったな(笑)。●ジローの感情は観ているお客さんに読みとってもらうようにしたい――お2人とも人造人間を演じられたわけですが、ロボットという存在をどういう風に見せようと思われましたか。伴:僕が演じたかつてのジローは、設定上はロボットなんだけど、あまりロボットということを意識せず、どちらかというと人間味というか、泥臭い部分を出していきたいと思っていました。あえてロボットらしくふるまわないことで、人間本来の繊細さ、内面からにじみでるような感情を表現したかった。黙っているけれど、ジローは何を考えているのかな、と観ている人が思ってくれるようにね。入江:僕の場合、人間のようでいて人間でないということを表現するため、努めて無表情でいるようにしたんです。でも時折、寂しいとか切ないとかの感情が浮かび上がってくるような、繊細な雰囲気を出そうとしました。監督と最初に意見が合致したのは、『ジローの感情は観ているお客さんに読みとってもらうようにしたい』ということだったんです。無表情なジローがミツコやマサルと出会い、物語が進む中でどういう"感情"を示していくのか、そこのところを観ていただきたいです。伴:入江くんが演じたジローの芝居は、とてもよく考えられていましたね。ずっと無表情なままではあるんだけれど、映画の最初のほうと中盤、そしてクライマックスと、ジローの感情の変化がある。そういった部分を緻密に計算して芝居をしていたと思います。入江:ありがとうございます。まさにそういった繊細な感情の変化については、シナリオを読みながら監督と何度も話し合って、作っていったところです。――冒頭場面から、入江さん演じるジローと高橋メアリージュンさん演じるマリとの、激しい格闘シーンがあります。まさに人間離れした人造人間同士の戦いというイメージどおりの、スピーディな立ち回りでしたね。入江:映画冒頭のアクションシーンが、そのままクランクイン(撮影開始)だったんです。初っぱなからあんなに激しいアクションで、驚きました。部分的に吹き替えをお願いしていますけれど、ほとんど僕と高橋さん本人で撮っているんです。事前に練習をしていたんですけれど、撮影初日にいきなり(アクションが)始まったので『あっ、撮影前に準備する時間がない!』なんて思って。この反省を活かし、次の日からは撮影の30分前に現場に入り、準備運動をするようにしました。伴:入江くんと高橋さんとのアクションシーンは、本当に迫力があったよね。――伴さんも『キカイダー』をはじめ、『イナズマン』や『忍者キャプター』といった数々のヒーロー作品で主演を務め、アクションをこなしていましたね。伴:私が『キカイダー』をやっていたときは、アクションというより高いところに登ってギターを弾いていた印象が強いかな(笑)。そういう部分でも、入江くんの身体を張ったハードアクションには感心するね。入江:いえいえ、恐縮です!伴:入江くんは『キカイダー』に合わせたような鍛え上げた肉体を持っていて、そのまま人造人間を演じても違和感のないような雰囲気を持っています。すごいですよ。●キカイダーの本質の部分を見事に受け継いでいる――映画では、腕をもぎ取られて負傷したジローを、前野究治郎が助けるシーンがあります。ここでファン待望の新旧ジローの共演が見られるわけですが、共演シーンのご感想はいかがでしょう。入江:伴さんとは、撮影のときはあまりお話をするチャンスがなかったんですよ。伴:まあ、私の撮影は一日、いや2時間くらいで終わりましたからね(笑)。入江:傷ついて意識もうろうとしているジローの前に、前野先生が現れるんですね。伴:前野は光明寺博士の恩師という設定でね。ロボットのことは分野外の心理学者ですから、ジローの腕を修理してやることはできないんです(笑)。でも、前野がジローに語りかけた言葉が、この映画の"核"になるんですよ。つまりジローの身体に組み込んでいる"良心回路"とは何なのか、を説明するのが前野の役割です。入江:僕は撮影に入る前、参考のために伴さんが主演された『人造人間キカイダー』のDVDを観ていたんですよ。伴:40年ほど前の作品だけど、観てどうだった?入江:当時の最新技術や最高のスタッフ、キャストで、全力でやっているという空気が自分にも伝わってきました。すごく面白かったです。伴さんもかっこよかった。伴:それはうれしいね。前野を演じるときに難しかったのは、齢を重ねた学者という役柄ではあるものの、やっぱり昔のジローを思わせるような雰囲気も残しておきたくて、そんなに老け込んだ格好や芝居にしていないところです。予告編を観られた『キカイダー』ファンの方が、私の映っている場面を観て『あっ、ジローだ』と気づいてくれましたので、狙いは間違っていなかったかなと思います(笑)。――それでは最後に、お2人から『キカイダー REBOOT』の魅力、そして見どころや今後の抱負などをうかがいたいと思います。伴:単純に強いだけのヒーローじゃない、というのがキカイダーの魅力ですね。今度の映画でも、そういうキカイダーの本質の部分を見事に受け継いでいると思います。入江:まずは映画を多くの方々に観ていただき、そしてまたチャンスがあれば、ぜひ今後もジローを演じていきたいと思っています。演技にしてもアクションにしても、もっとやってみたいことがありますし。伴:今回の映画では、入江くん自慢の鍛え上げた肉体を披露できなかったから、女性ファンにアピールする意味でも、次があったら肉体美を見せたらどうかな?(笑)。入江:いやあ、お話の展開次第では3Dディスプレイで裸になる機会があるかもしれないですね(笑)。伴:それにしても、映画はなんというか切ない終わり方をするんで、思わず胸にグッとこみあげるものがありますね。入江:ラストシーンでのジロー(キカイダー)とミツコの会話シーンは、ぜひじっくりと観てほしいポイントのひとつですね。伴:テレビシリーズから40年以上経った、現代のニュー『キカイダー』はこれだ、という作品になっています。みなさん、ぜひ劇場に足を運んでください!(C)石森プロ・東映(C)2014「キカイダー」製作委員会
2014年05月23日ネット家庭教師サービスの「究進塾」は、7月10日からこれまで行っていた指導コースを大幅に増やし、新サービスを追加してリニューアルオープンする。同社は「居住地域間での教育格差を是正する」というコンセプトのもと、2010年に発足。東大生を中心とする講師が、沖縄県や広島県の離島など、塾環境が十分でない生徒にオンラインの個別授業で指導をしてきた。さらに、今年に入り、都市圏から離れた地域在住の人の公務員試験や、専門学校を受験する人のニーズの高まりを受け、リニューアルオープンすることを決定したという。指導コースは、従来の「大学受験コース」、「高校受験コース」、「中学受験コース」、「定期試験コース」、「中高一貫コース」に加え、「就職試験コース」、「公務員試験・資格試験コース」、「専門学校受験コース」を追加。また、何から手をつけたら良いのかわからない生徒のための「ゼロからコース」も加えられる。同じく7月10日より、解答&解説作成サービスも開始。生徒がわからない問題をメールで送ることで、3日以内に解答&解説がメールで返ってくるという。入会金は15,750円、指導コースの受講価格は全コース30分、2,100円~。解答&解説作成は1回(大問1問まで)あたり2,625円となっている。詳しくは、同社ホームページにて。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月05日