サッカーの練習には反復練習が欠かせないけど、メニューが単調になりがちで子どもも飽きやすいし保護者からも「またあの練習?次のステップに進まないの?」と言われる。土台がしっかりしてないと今後難しい技術を上積みしてもグラグラしてしまうから、反復練習は譲れない。だから、楽しくできるメニューを教えて。とのご相談。楽しくない基礎練習、みなさんはどうしていますか?今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、子どもたちが楽しんで行えるメニューなどをアドバイスします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<プレスをかけられると焦ってボールを失う。落ち着いてビルドアップできるようになる練習は?<お父さんコーチからのご質問>池上さんこんにちは。近所のチームに頼まれて、数年前から指導に関わっています。私自身、高校までサッカーをしていた経験があるので、わが子は所属していないのですが依頼されて、という流れになります。相談したいのは、反復練習についてです。低学年(U-7)を担当しているので、キックやシュートの基礎を身につける練習が多いのですが、メニューの組み方が単調なので、週2回の練習ですが子どもたちが基礎練習の反復に飽きているように見えます。また、見学している保護者の方も「今日もあのメニューですか?次のステップに進まないのですか」と言ってくる方もいます。学校のドリルのように、次々と進んでいくイメージを持たれているのだと思いますが、ある程度反復練習は必要だと思っています。地味でつまらない基礎練習を、何とか飽きずに楽しめるようなメニューにしたいのですが、何か良いアドバイスはいただけませんでしょうか。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。高校までサッカーをされていたそうなので、ご自分が教えてもらったことを伝えているのでしょうか。インサイドキックはこうやるんだよと教えて覚えさせる。その手順で進めていくと、どうしても反復練習は多くなりますね。さまざまな本のなかに練習メニューが書かれているし、この連載でもお伝えしているので良かったらチェックしてみてください。ネットなどで探しても、トレーニングメニューはたくさんあります。それらを試しては、指導している子どもに合うようにやり方を変化させることが重要です。■変化や競争を入れて楽しめる練習メニュー例えば、ご相談者様が教えておられる7歳以下ではこんな練習をやってはどうでしょうか。2人1組でキックの練習をするとします。止めて蹴るのでボールコントロールの練習にもなります。ただし、まだ6~7歳なので、ボールがどこに飛ぶかわかりません。遠くに飛んだボールを追いかけてとってくるのは時間のロスです。そんなとき、コンクリートの壁にそれぞれ向き合って蹴ってみる。うまく蹴ると、自分のところに返ってきます。そんなふうに変えるとロスがなくなります。また、反復練習には楽しみがあまりありません。そこで、蹴って上手く返ってうまく止められたら、後ろの線に下がれる。少しずつ遠くから蹴られるようになる。競争ですね。子どもたちは生き生きと取り組みます。■反復練習の根本的な問題、楽しく取り組めるようになる方法とはいえ、反復練習には根本的な問題があります。細分化しすぎると、試合で使えない技術になります。よって、ぜひゲームを中心に練習を組み立ててください。ゲームの中でうまくボールに足が当たらなかったり、チャンスだったのにボールをコントロールできなかったりします。そこを経てから「さっきはこうなっちゃったから練習してみよう」とキックの練習をやってみるといいでしょう。そうすると、反復練習に取り組むモチベーションも変わってきます。■練習したことを試合でトライすることで上達する少し練習したら、それを試合のなかでも使ってみます。例えば「パスするときは、さっき練習したインステップキックをやってみよう」と促します。試合の中でトライすることで上達します。試合中、常に上手く蹴れなくてまったく構いません。指導者もそこにイライラしたりせず、サッカーというスポーツの成り立ちを理解することを優先させてください。パスをつないで、みんなでゴールを奪う。そのために何をしたらいいかな?そういった問いかけをしてあげましょう。■インサイド→アウトサイドなど「段階を踏む」ものではないこの連載でも伝えていますが、私が考えるサッカーの指導は、ドリブルができるようになったら、次はパス。パスも基本技術といわれるインサイドキックができるようになったら、アウトサイドキックと「段階を踏む」ものではありません。もしもキックがうまくできない子どもがいるのであれば、ボールを変えてみてください。風船だとか、ビーチボール、ソフトバレーボール、あるいは3号級などの小さいボールにしてキックをさせてあげてください。私のチームでも2年生でインステップキックができない子にソフトバレーボールを使ってみたところものの10回程度蹴っただけでインステップに当てるコツを掴んでくれました。これは最新の研究(運動学習理論)というものから証明されていることです。上述したように、技術練習よりもミニゲームに時間を割きます。小学校低学年から、もっといえば幼稚園児も、試合をします。攻守はもちろんのこと、すべての技能が含まれているのが試合だからです。一見すると、どの技能が上手くなっているのかは、わかりづらいかもしれません。けれども、年齢が低ければ低いほど、サッカーというスポーツの仕組みや感覚、楽しさを伝えていったほうがいいと考えます。この子どもの育ちを、私は「らせん階段」みたいなものだと考えています。池上正さんの指導を動画で見る>>■身につけた技術を使うタイミングを理解するには時間が必要(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)らせん階段は、横から見ていると、より高いところへのぼっていくのがわかります。ところが、らせん階段をずっと上のほうから眺めると、どう見えるでしょう。柱のまわりをグルグル回るだけで、まるで元の場所に戻ってくるように見えます。子どものサッカーも同じです。大人は階段の上のほうにいるので、子どもが上達したように見えません。例えば、ドリブルのフェイントができるようになる。体得したけれど、どこでどのタイミングで使うと有効なのかを理解し、実践するまでに少し時間がかかります。一度やってみて「ああ、ここで使うんだ!」と気づいて、トライする。失敗したら、どうして失敗したかを考えて工夫します。子どもは自分が踏んでいるプロセスをうまく言語化はできませんが、早い遅いの個人差はあれ、そんなふうに階段をのぼっています。そういった成長のプロセスをぜひ保護者の方々に、らせん階段に例えて保護者に説明してください。そうすれば「子どもをどう育てるか」という視点を共有できます。そういった作業もコーチの大切な役割です。まずは、試合を軸にするトレーニングに切り替えましょう。以前とは変化していて、それが今は主流なのだと理解していただけるとうれしいです。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年03月11日■ワンピースの涼しさは真夏にぴったりだけど……私は普段のコーデはトップス+ボトムスの組み合わせが圧倒的に多い。だが夏になるとやっぱりワンピースが着たくなる。それはひとえに「涼しい」から。ウエスト部分に風が抜ける気持ちよさは、上下別々のコーデでは味わえない清々しさ。一度この涼しさを味わってしまうと、どんどんワンピースの日が増えていく。ただ、ワンピースにも落とし穴はある。・全体が単調になる・コットン素材のものは手抜きに見える危険あり・特に40代以降は素材と形を選ばないと、ただワンピースを着ただけでは「ご近所着」になる場合もこれらのポイントに気を配りながら、猛暑を快適に過ごすONとOFFのワンピースコーデを考えてみた。■カジュアルなワンピースのコーデカーキ色の、コットン素材のワンピースはゆるいシルエットで、とにかく涼しさ抜群!ただ、どうしてもカジュアルな感じになるので、コーデに一工夫が必要。これ一枚をストンと着ただけでは「手抜きのご近所着」になる恐れがある。そこで、小物を総動員。竹、ラフィア、麦わら、樹脂、ハラコ、スエード、革、ビジュー。いろいろな素材をミックスして盛ることで、カーキ色のコットンワンピースに奥行きが生まれ、単調にならない。ワンピースに小物で「盛る」コーデは、重ね着できない夏におすすめのテクニック。「盛る」小物やアクセサリーで、一枚のワンピースがガラッと変わるのは楽しい。プチプラのワンピースを大人の女性が着る場合、どうしても一枚では寂しくなりがち。そんなときには手持ちの小物が大活躍。ここは「盛ったもん勝ち」だと思っている。■きちんと感を出すエレガントなワンピースのコーデ素材や形が上質で、一枚で着るだけでエレガントな雰囲気を出せるワンピースも、一枚持っていると便利。テロンとした揺れる素材が女らしさ抜群の紺のワンピースは、ビジネス関係の場でも夜の華やかなプライベートシーンでも使える優れもの。フレンチスリーブなので、上着要らずで一枚でも充分きちんと感がでるのが助かる。これ一枚で端正な感じが出せるので、あとは顔が暗くならないようにパールや透明感のあるビジュー、シルバーバングルなど、アクセサリーで光をプラスするだけ。ひとつ注意。これに黒いパンプスだと「お受験ママ」になってしまうので、足元はひとひねり。PELLICOのハラコのハイヒールで大人の女性の余裕を演出(笑)。キラキラ光るFENDIのバゲットを持って気分アップ。若い子には真似できない、そして保護者会ファッションにならない、真夏の紺のワンピースコーデ。■夏はワンピースを思う存分楽しもう!この2枚のワンピース、全く逆に考えてコーデすることも可能だ。・カーキ色のコットンワンピースを白い麻のジャケットでお仕事モードに着る・紺のワンピースにぺったんこなサンダルを合わせてリゾート地で着るこのように、合わせる他のアイテムでどうにでもなるのがワンピースのすごいところ。涼しく、女性らしさが演出できて、コーデも無限に楽しめる素晴らしいアイテム。ワンピースを着回して、この猛暑を楽しく乗り切ろう!
2019年08月15日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「海外で育児中ですが、毎日が単調で退屈」という、律子さん(34歳・主婦)に、心屋塾上級認定講師の高橋かのんさんからアドバイスをいただきました。■律子さんのお悩み4か月前から夫の転勤に伴い、1歳の息子と一緒にアトランタに引越してきました。夫の会社の都合次第なので、就労は考えておらず、働くことへの未練も感じていません。 しかし、毎日が単調です。今までは「X年X月に結婚して地方へ引越す」「X月に子供が産まれる」「X月からアトランタへ」など目標や区切りがあり、メリハリを持って生活できました。今は、何もありません。かと言って、右も左も分からず言語も違う海外で、新しいことを始める気も起きません。家の中で日本のゲームをやっている瞬間が至福のときです。夫はそんな私を不憫に思い、心配してくれています。終わりの分からない海外生活、私はどう過ごせば良いでしょうか?※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾上級認定講師の高橋かのんさんより律子さん、ご相談ありがとうございます。高橋かのんです。慣れない土地での生活は、自分がその土地に根付くまで、気疲れが多いことと思います。そんな状況下でも、律子さんは今の生活に大きな不満はなさそうですね。不満はないものの、単調さのなかで時間を持て余している…というところでしょうか。本来「幸せ」とは、そのような単調なものかもしれません。ただ人間は贅沢なもので、どんなに幸せでも、変化やハリは欲しいものですよね。「あと数ヶ月なら今のままでもいいけれど、これが何年も続くのなら嫌だ」「どのくらい続くかわからない状況で、どう過ごせばいいかわからない」というモヤモヤ感が最大の悩みなのかなとお察しします。きっと律子さんは、家庭を最優先に、周りの環境や状況に合わせることが上手で、その条件の中で幸せを見つけるのも上手な、素敵な方なのだろうと感じました。しっかり計画性もある方なので、「いつまで」という区切りがわかっていれば、その期間で楽しめることを見つけられる。けれど、今回はわからないから計画できないでいる――。そのような状況ではないでしょうか。そんなときは、以下のように考えてみると見通しが付いてくると思います。今の生活を続けるなら、後どのくらい続けていてもいいですか? もう嫌だとなったら何をしますか? 何がしたいですか? 例えば、あと3年間アトランタにいると仮定したら、何をしたいですか?きっと律子さんなら、「せっかくそのくらい海外にいるのなら、ああしたい、こうしたい」が出てくるのではないでしょうか。この際、「何年いることになるか」は気にせず、どんどんやりたいことをやってみてはどうでしょうか。だって、帰国をまだかまだかと待ちながら、今の生活をしているのは、すごく長く感じると思いませんか?あるいは、日本にいたら、何をしていましたか? そのことを、海外でもしてみてはどうでしょうか。諦めなくてもいいのです! 「まずは、英語を学ぶ」のもいいかもしれませんが、生活に必要な英語は使っていくうちにきっと覚えるでしょうし、「やりたいことをやるなかで覚えていく」のもいいと思いますよ。「右も左も分からず言語も違う海外で、新しいことを始める気も起きません」というのは実は逆で、やりたいことを始めたら言語も覚えて、周りに仲間も増えて、右も左もわかるようになる――。子育てを通しての出会いも、たくさんあるのではないでしょうか。帰国する頃には「もう帰るの?」って言っちゃうくらい、充実している律子さんを想像してみましょう。 いま律子さんは、「期限」という縛りを外して「自分がどう過ごしたいか」を考えてもいい、とても素敵な時期に来ているように思います。なぜなら、これまでの「目標」や「区切り」とおっしゃっている内容は、人生の流れや旦那さんと話し合って決めてきたことが多く、そのなかで、自分の役割をきちんと果たしてきた。そんな印象を持ちました。見方を変えれば、その目標や区切りの中で「しなくてはならないこと」があったから、能動的に「どう過ごすか」「どう過ごしたいか」を考えなくても良かった――とも言えるかもしれません。だからこそ今、改めて「自分がしたいこと」を考えてみてほしいのです。1歳の息子さんの子育てだけでも大変なことと思いますが、家の中で赤ちゃんとずっと二人きりだとストレスを溜めやすいと思いますし、海外にいたら尚更だと思います。ぜひ外に出て、人々(現地の方や在住の日本人)と関わって、助けてもらってくださいね!最後に、「夫はそんな私を不憫に思い心配してくれています」の言葉が少し気になります。「旦那さんを安心させるために、何かをしなくては!」なんて考えなくていいのですよ。律子さんが至福を感じられているなら、その時間を大切にしてください。堂々と至福宣言をしてくださいね。そして旦那さんにも、たくさん助けてもらってください! 律子さんがどこにいても、律子さんらしく楽しめることを応援しています! ・このカウンセラーのブログを読む
2017年11月07日