俳優として活躍する傍ら、ミュージシャンとしてもキャリアを重ねる古川雄大。多数の映画出演と並行して、舞台経験もミュージカル『ファントム』『深説・八犬伝~村雨恋奇譚~』他と豊富だ。その彼が初めて出演したミュージカルは『テニスの王子様』。それまでもダンサーとしての舞台出演はあったが、「テニミュがほぼデビュー。(この人気作への出演は)恵まれたデビューでした」と語る。その彼が今年、ウィーン初演から20年目を迎える『エリザベート』の皇太子ルドルフ役に挑む。“大ヒットミュージカル”という共通点はあるとはいえ、今度は歴史あるグランドミュージカル。「プレッシャーは、あります。プレッシャーだらけです」。そう語る横顔は、整った顔立ちにクールな雰囲気と、すでに“孤高の王子様”の趣きだ。『エリザベート』チケット情報はこちら作品は、落日のオーストリア・ハプスブルク家の皇后エリザベートが窮屈な宮廷生活の中、葛藤しながらも自由を求めて生きていく物語。今回の公演期間中に、上演回数1000回を迎えるほどの人気作だ。古川も、以前から『エリザベート』という作品の存在はもちろん知っていた。「作品のパワーが強い、という印象です。時代の最先端で、社会に囚われず生きた女性。そこに登場人物が巻き込まれていく。ナンバーも素晴らしくて、魅力がいっぱいです」。その彼が演じるのは、主人公エリザベートの息子、ルドルフ。皇太子でありながら父である皇帝と政治的に対立し、革命運動に身を投じ、破れていく。その崇高さと悲劇性でとても人気の高いキャラクターだ。日本初演では井上芳雄がこの役でデビューし、ほかにも浦井健治、伊礼彼方らこの役を演じた俳優たちはその後日本ミュージカル界の重要な位置を占めている。いわば“ミュージカル・スターの登竜門”。だが、その注目度、人気と相反し、ルドルフの出演時間は20分弱と意外にも短い。「出番は短いんですが、その中にドラマが凝縮されていて、それをきちんと伝えなければいけない。難しいです。でもルドルフって強い男だと思うんですよ。心も強いですし、行動力もあるし。自分とは……追い込まれて追い込まれて、それでも歩く一歩が似ています。僕も、もがきながら進むんです」。言葉を選びながら、真摯に語る。控えめだがきちんと前を見据える視線は、確かに自らの信じる道を進んだルドルフに似合っている。「言葉で着飾っても、自分は全然、未熟なんです。だから、今回はすべてにおいて挑戦です。プレッシャーはもちろんありますが、プレッシャーを受けられる立場に自分がいることを幸せに思わなくちゃいけないですし、プレッシャーに強くなりたい」。そう話す古川に好きなナンバーを訊いた。「全部好きなんですが…『僕はママの鏡だから』が好き、かな。母であるエリザベートとの関係性がわかるし、悲しいけれど、優しさがある曲だと思うので」。そのセレクトにも古川らしさが見てとれた。公演は5月9日(水)から6月27日(水)まで東京・帝国劇場にて。チケットは発売中。その後福岡、愛知、大阪でも上演される。なおルドルフ役は古川のほか、大野拓朗、平方元基のトリプルキャスト。
2012年03月28日「サザンオールスターズ」の“原坊”こと原由子が来年公開のアニメーション映画『ももへの手紙』で自身5年ぶりの映画主題歌を担当することが明らかになった。原さんが作詞作曲を手掛けた主題歌には夫の桑田佳祐もコーラスで参加。瀬戸内の島を舞台に綴られる家族の愛の物語に夫婦で彩りを加える!監督デビュー作『人狼 JIN-ROH』がベルリン国際映画祭に出品された俊英・沖浦啓之の7年ぶりの新作となる本作。作画監督を『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』の安藤雅司が務めるほか『AKIRA』の井上俊之に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の本田雄、『サマーウォーズ』の青山浩行、さらに美術監督に『魔女の宅急便』の大野広司と、日本の長編アニメーションを支えてきた才能が集結。仲たがいしたまま死別した父への思いを抱える少女・ももが、母と移住した瀬戸内の島で成長していく姿を通して家族の愛が描き出される。原さんは本作のために主題歌「ウルワシマホロバ〜美しき場所〜」を書き下ろした。“マホロバ”とは「美しい場所、住みやすい場所」を意味する古語で、アコースティック中心のアレンジと原さんの透き通るような歌声が映画の舞台となる瀬戸内の美しい自然を思い起こさせる。原さんにとって映画の主題歌は『リトル・レッドレシピ泥棒は誰だ!?』の際の楽曲「大好き!ハッピーエンド」以来5年ぶり。その間にサザンの活動休止に夫・桑田佳祐の食道がんによる休養と復帰などもあり、自身は昨年6月にソロ楽曲やサザンの楽曲などあらゆる曲からセレクトしたベストアルバム「ハラッド」をリリース。翌7月には19年ぶりとなるワンマンライヴを鎌倉で行ったが、今回、1年ぶりに“原坊”が本格的に活動を開始する。原さんは「小さい頃からアニメが大好きですので、『ももへの手紙』に音楽で参加させて頂けたことはとっても嬉しく光栄です。この映画への熱い想いを語って下さった監督にも感動しましたし、監督のお気持ちに寄り添えるよう心がけたつもりです。お父さんを想うももちゃんの気持ちに、私自身の大切な人、そして美しい故郷への想いをプラスして、心を込めて歌いました。とても素敵な映画ですので、どうぞお楽しみに」とコメント。ギターの斎藤誠にベースの角田俊介、ドラムの鎌田清など長年活動を共にしてきた面々はもちろん、桑田佳祐もコーラスとして参戦!夫婦で優しい想いを歌い上げる。『ももへの手紙』は2012年GW、全国にて公開。■関連作品:ももへの手紙 2012年G.W、丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2011『ももへの手紙』製作委員会
2011年07月11日