脱いだら脱ぎっぱなし、使ったら使いっぱなしにしていませんか?「パンドラの箱」と化した部屋や収納スペースはありませんか?心当たりのある方は「汚部屋」の住人かもしれません。今回は、ホーム・オーガナイザーであり2級建築士でもある、TOMOこと吉島智美さんに、脱「汚部屋」のためのヒントをうかがいました。■部屋を片付けるときのポイント──TOMOさんは、家を片付けるお仕事をされています。利用者はどんな方ですか?「働いている女性や、子育て中の方が大半です。忙しくて片付ける時間がとれない、片付けたいけどやり方がわからない、ここまで散らかると片付ける気も起きない……といった声が目立ちます」(TOMOさん)──では、片付けるときのポイントを教えてください。「まず、コーナーごとに整理するということです。棚ならその棚だけ、押し入れならその押し入れだけというように、一カ所ずつ着手してください。次に、『物をすべて取り出す』『要・不要に分ける』『しまう』という3つの順番を守ること。物を取り出しながらほかの場所に移したりすると、片付けがはかどらず、だんだんイヤになってしまいます。そして、中断しないということ。アルバムなどが出て来ると、つい見入ってしまいがちですが、少しでも手を止めると集中力やヤル気が落ちてしまうので、NGです」──思い出のあるものや高価だけど使わないものなど、「捨てづらい物」も捨てるべきですか?「それはそれで一つにまとめ、仮保管しておきましょう。でも、それが大量に発生しないように注意して。また、それなりに価値があるものなら、バザーやオークションなどに出品したり、中古品の買い取り屋さんに相談したりすると良いですね」■収納のコツ──私は『しまう』のが苦手です。何かコツはありますか?「まず、物をカテゴリーごとに分け、それぞれの『定位置』を決めます。このとき迷いがちなのが、手紙や取扱説明書などの書類、薬や雑貨などの細々としたもの、それから買い置きの洗剤やティッシュなどです。これらの定位置を決めるときは、あなた(および同居者)の生活動線、つまりどこで何をすることが多いか? を考えます。例えば、テレビを見ながらつめを切ることが多いなら、グルーミンググッズはテレビ台の下などにまとめて収納。洗面所で薬を飲むことが多いなら、薬類はまとめて洗面所に置く、などです」──書類や買い置きの洗剤などはどうしたらいいでしょうか?「新聞や雑誌などはラックなどに入れ、読み終えたらすぐに処分します。手紙類も届いたらなるべくすぐに目を通し、必要なものだけを保管。手紙などの小さい紙類は、ファイルボックスに収納すると良いです。入れやすいですし、ほかの物と一緒になることもありません。取扱説明書や買い置きの洗剤などは、生活動線から外れた場所にある棚などにまとめておきます。なお、乳幼児がいるご家庭は、お子さんの手の届く位置に危ないものを置かないように注意しましょう」■「汚部屋」をなんとかしたい皆さんへ──最後に、読者の皆さんに一言お願いします。「『汚部屋』が『お部屋』になると、『スッキリした』以外に『探し物が減った』『イライラしなくなった』『無駄な物を買わなくなった』など、一石三鳥以上のメリットを感じる方がほとんどです。ご自身で『汚部屋』から脱却できたなら、その達成感もなおさらでしょう。モノを整理すると、気持ちも暮らしも変わります。『汚部屋』を脱し、ぜひ帰るのが楽しみな『お部屋』にしてください!」人も物も、出会ったときは心弾み、別れるときは切ないもの。しかし「別れ」は、必ずや人生をステップアップさせてくれるはず、とTOMOさん。さあ、あなたも「汚部屋」を「お部屋」にしてみませんか?部屋も人生も、明るくなるはずですよ!吉島智美(通称TOMO)。ホーム・オーガナイザー、2級建築士。(有)ワイズスタジオ取締役、NPO法人日本プロフェッショナル・オーガナイザー協会理事長。著書に「サッとしまえるパッと取り出せるスッキリ!整理生活」(青春出版社)などがある。(OFFICE-SANGA 百田カンナ)
2012年09月06日