新型コロナウイルス感染症の影響で外出自粛が求められ、飲食店は客が減少し悲鳴を上げています。なんとか店を存続させようと時短で営業をしたり、お持ち帰りのサービスを始めたり試行錯誤している店が多数あります。そんな飲食店を救おうと、広がりつつある取り組みが『先払いチケット』というもの。「今は行けないけど、この事態が落ち着いたらまた食べに行きたい」という人が店を支えることができるのです。埼玉県さいたま市浦和区の『浦和飲食コミュニティー』では、1枚千円で販売を始めました。価格は1枚1千円で、レストランやバーなど賛同店約60店舗の中から支援したい店を選んで購入し、後からその店で利用できる。有効期限は9月末までで、約3千枚発行する。天沼啓吾実行委員長は「今は店に行けないという人にもチケットを購入してもらい、コロナ禍が落ち着いたころに足を運ぶきっかけになれば」と期待を寄せる。産経新聞ーより引用ほかに、埼玉県川口市の川口商工会議所では、金額に10%分が上乗せされたプレミアム食事券が購入できるとのこと。産経新聞によると、すでに支援金額は約160万円集まっているといいます。ネット上では「素敵なアイディア」「お店を助けたいです」などの声が寄せられていました。埼玉県だけでなく、さまざまな場所で広がりつつある先払いチケット。常連客にとって馴染みの店がなくなってしまうことは悲しいでしょう。今できることで、大切な店を守り続けたいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年05月09日今月のこありっぱー天沼 華恵天沼 華恵/会社員1986年、東京生まれ。1男1女を育てるシングルマザー。子どもたちとの飾らない日常をユーモアたっぷりに綴ったInstagramはフォロワー多数。子どもたちはキッズモデルとしても活躍中。Instagram @arrieirieirie帰郷ついでにメルボルン!子連れ旅にオーストラリアを選んだのは、ずばり家族がいるから。シドニーにはワーキングホリデーで3年半くらい住んだことがあって、前夫ともそこで出会いました。なので、シドニーには子どもたちのおばあちゃんがいるんです。でもメルボルンには行ったことがなかった。日本に帰ってきてからメルボルンの良さをあちこちから聞き、なぜあの時足を運ばなかったのか!と、ずっと悔しく思っていたんです。で、長男の小学校入学前の春休みに「今しかない」と一念発起。ちょうど離婚を決めた時期でしたが(笑)、向こうの家族はウエルカムだし、子どもたちの顔も見せたい。よし、シドニーついでにメルボルン、決まり!メンバーは私、当時6歳の長男、3歳の長女の3名。前夫は残念ながら仕事で不参加。旅程は2017年3月25日〜4月8日で、長男の卒園式後に速攻で出かけて、入学式の前日に帰ってきました。そういうハードな旅程ばかり組むからか、うちの子たちは体調を崩しがち。なるべく長く旅をさせてあげたくて、良かれと思ってやるんですけどね……(汗)。予約していたホテルに泊まれない!?先にメルボルンに3泊、残りがシドニーという計画を立てまして、メルボルンの顔とも言える「フリンダースストリート駅」に降り立った私たち。予約していたホテルに意気揚々と向かったのですが、なんと “キャッシュ(現金)が使えない” “私のカードもなぜか使えない”、つまり“このホテルには泊まれない” という事態に。いきなりこれ!? Oh no!!現金ならあるのにー!でも通用せず、そのホテルはキャンセル。たくさんの荷物とチビ2名を連れて、私は途方に暮れました。しかも子どもたちはお腹が空いたと機嫌が悪くなってくるし……。そんな私を不憫に思ったのか、ホテルマンから「荷物は預かりますよ」と優しい申し出。しかもキャンセル料も要らないと。泣ける……。まずはカフェで子どもたちのお腹を満たし、スマホで必死のホテル探し!どのホテルもWEB上での事前カード決済が当たり前なのですが、私のカードは使用不可(泣)。なので、適当なホテルを見つけたらホテルのフロントで直談判。「カードは使えないけど、(正規料金は高すぎるから)WEB料金で泊まらせてくれ!先に全額キャッシュで払うから!お願いします!」といった具合に(笑)。そして、そんな私を受け入れてくれたのが「Mantra City Central(マントラ・シティ・セントラル)」だったんです。神!それはそれは素晴らしいホテルでした♡「マントラ・シティ・セントラル」は私たちにとってパーフェクトなホテルでした。インテリアはクリーン。メルボルンのど真ん中に位置していて、買い物もしやすいし、駅も近いし、どこにでも行きやすい、至極便利。結果オーライ♡(笑)部屋のカギを開けるとまず階段になっていて、そんな冒険感が子どもたちは楽しかったみたい。荷物を持って上がるのはまあまあ大変だったけど(笑)。安心したのも束の間、長男に魔の手が……翌日の目的地はブライトンビーチ。子どもたちとも「絶対に行こうね」って話していた場所です。朝早く起きてカフェに2軒寄り、日本から持参したスケボーを持って、サングラスもかけて、イケイケだったはずの長男……の体調が、電車の中で急変!パッと見たら、もう様子がおかしい!口は不自然に開いていて、顔は土気色、体は硬直、白目。触るとびっくりするくらい熱くて、いわゆる熱性痙攣という症状でした。私は軽くパニック。慌てて彼を抱きかかえて電車を降りました。動揺する私を助けてくれたのは、たまたま近くにいた地元のおばさま。すぐに救急センターに電話してくれて、体温、脈、呼吸の状態まで的確に報告、3分後には駅のホームまで病院の担架が迎えに来てくれました。医療関係者だったのかな。ありがたすぎました……。そう、オーストラリアの人は、本当に優しい。「メルボルン ロイヤル・チルドレン・ホスピタル」へ救急車での移動中、長男の意識は少しずつはっきりし始めました。よかった……。生きた心地がしないとは、まさにこのこと。なんなんだこの旅は……とハプニング体質である自分を恨みつつ、到着したのは「The Royal Children’s Hospital(メルボルン ロイヤル・チルドレン・ホスピタル)」。最初はICUのようなところに入れられました。ここは子ども専門の大きな大きな病院で、通院&入院する子どもたちを楽しませる仕掛けだらけ。至るところに絵やオブジェが飾られ、まるでアートミュージアムといった雰囲気。売店もわくわくするほどカラフル!長男は売店で買った海苔巻きを食べられるほどに回復。そして、ホッとした私を次に襲ってきたのは医療費の心配!(怖)シドニー生まれの長男はメディケア(国民健康保険)に加入してはいるけれど、本当に使えるのか不安。救急車を呼ぶと、相当お金がかかると言われている。しかも「肺炎の恐れがあるから一泊入院させて欲しい」とドクターが。ひぇぇぇぇ……。その上、病院に妹(付き添いの大人以外の人間)が泊まることは不可。つまり、私も付き添えないということ。ものすごく心配だったけど、「一人で泊まれる」という長男を残し、22時頃ホテルに戻りました。もうぐったり。すごい一日でした。そして医療費大丈夫かよ……。長男、奇跡の超回復翌日、けろっと元気な長男。力が抜けました。そして彼のベッドの上にはマクドナルドの箱が。「一人で頑張ってエラい」と主治医の先生が買ってくれたそうなのですが、いいの?病人にマック?(笑)しかもなんと、病室のテレビでゲームができるんですよ。足をバタバタさせながらゲームに興じる長男はものすごく楽しそう。至れり尽くせりの環境にすっかりご満悦。あげく、「帰りたくない」とか言い出して、ムカッ(笑)。まあそれほどに素晴らしい病院だったってことなんです。院内にはミーアキャットもいたし、バザーも開催されていました。せっかくなのでバザーに参加。おばあちゃんが手作りしたというミドリ色のワンピースを購入しました。可愛い♡ この病院にきたことの結果を残せてよかった(笑)。夜とはいえ、ホテルで撮った “いつもの光景” は安堵しかないという感じ。医療費の件も、メディケアが無事使えて大丈夫でした。おかげさまで病院がらみの出費はゼロ! ホテルの延泊料金は、もちろんきっちり取られましたけど(笑)。やっとメルボルン観光!ホントやっとですよ、やっと……(笑)。到着4日目にして、ようやく観光スタートです。最初に向かったのはブライトンビーチ。2日前のリベンジ(笑)。この「ビーチ・ベイジング・ボックス」が見たかったんです。カラフルな小屋がビーチにずらりと100軒近くも。元々はビーチの更衣室で、今は “個人所有の小さな海の家” だそう。ちなみに電気も水道も通っていません。全長は約1km。眺めつつ、お散歩しつつ、海で遊んだりしつつ、でも周囲にはこれ以外は何もないのでサクッと街へ戻りました(笑)。メルボルンは街歩きが最高ですメルボルンといえばグラフィティアート。「フリンダースストリート駅」近辺にはストリートアートスポットが点在していて、5分もあればそのほとんどを見ることができます。大仏さまらしきアートを発見し、拝む二人。そうそう、色々見て吸収してくださいよー。実は長女は “鉄子”。トラムを見ては喜び、地下鉄の駅では、ずっと階段を降りたり登ったり(笑)。メルボルンの街歩き、子連れでもすごく楽しめます。これといったレジャーのないシティを子連れでぶらぶらすることには一抹の不安もあったのですが、カラフルな街並みに子どもたちの目はキラキラ。元々、街歩きが好きな長男は「食べ物が全然違うね」「日本には地震があるから、こんなレンガの建物は無理なんだよね」など、“気付き”をどんどん発表していました。シンプルな長女はお腹さえ満たしてあげれば大丈夫、この笑顔(笑)。足腰は強い方なので、テケテケ付いてきます。「フィッツロイ」散策もマスト事項ですよー今一番イケてる街、フィッツロイ。街全体に漂うヴィンテージ感と、アーティスティックなムードがすごく好きでした。古着屋、ギャラリーや画材屋、雰囲気のいいカフェやバーもたくさんあって、NYのブルックリンみたいなイメージ。ヴィーガンメニューや、ハニー、スーパーフードなど、体にいいシャレた食べ物(笑)も豊富。お土産に最適。行きたいと思って事前に調べておいたレコード屋も、所在地はやはりフィッツロイでした。フィッツロイ、いいです。気分があがる街。頑張ってついて来てくれた子どもたちへのご褒美はアイスクリーム。「GELATO MESSINA(ジェラート・メッシーナ)」は、素材にこだわった無添加のジェラートが食べられる専門店で、何かと安心、まさに子連れ旅のオアシス(笑)。ワンピースが大胆に汚れていますが、いいんです。グズらないでさえいてくれれば!こうやって、子どもたちにとっての “嬉しい楽しい美味しい” をちりばめていくのが、私的子連れ旅成功の極意。みんながゴキゲンな方が、旅は何倍も楽しくなるので。母の趣味 “カフェ巡り” にも付き合ってね私はカフェ巡りが大好き。カフェがその街のムードをつくっている感じがするんですよね。メルボルンはイケてるカフェが多いことでも有名で、その数はパリをも凌ぐらしい!話題のお店は片っ端からチェックです。ここは「ブラザーババブダン(BROTHER BABA BUDAN)」。ホテルから近かったこともあり、何度も足を運びました。路地裏にひっそり佇む名店「Patricia Coffee Brewers(パトリシアコーヒーブルワーズ)」。席はすべてスタンディングなので、子連れな私は今回はテイクアウトだけ。「SEVEN SEEDS(セブンシーズ)」はコーヒー豆に情熱を注ぐカフェで、店内にはロースターもありました。ちなみに子どもたちは、それぞれのカフェで “ベイビーチーノ” を楽しみます。これは、ふわふわのフォームミルクにココアパウダーやマシュマロを加えた飲み物で、なんと無料!子連れでもカフェ巡りが楽しめる理由はこれ。オーストラリアのこういうキッズフレンドリーなところ、最高です。ファーマーズマーケットは効率のいい遊び場野菜はもちろん、デリにジャム、チーズにケーキ、子供服から靴、雑貨、コスメまでなんでも売っています。建物の中に可愛い店舗がひしめくこの「South Melbourne Market(サウス・メルボルン・マーケット)」は、移動しなくてもバリエ豊かに楽しめる。子連れメルボルン旅の聖地に認定(私的に)。そして、庭で売られていたこの「ゴズリム」が最高。薄いパンで具材を挟んだトルコ料理なのですが、最終日にハマッたことを後悔するほど(笑)、好みの味。毎日食べたかった!こんな出会いも旅の醍醐味ということで。結論。3人一緒なら何があっても楽しい!家族経験値が大幅にアップしたメルボルン旅は、(なんとか)無事に幕を閉じました。特に前半はトラブルしかなかったけれど、いい旅だったと胸を張って言えます。色とりどりの街を子どもたちに見せられてよかった。いつもと違うルーティーンで過ごせて、生き生きとした姿を見られてよかった。予想だにしないトラブルをみんなで乗り越えられてよかった。ね、旅って面白いでしょ?そして私たちは、3人一緒なら何をしても楽しい。3人なら、1人に何かあっても助け合える。あの旅で実感した「私たち家族はチームなんだ」という気持ちを、今またちょっと思い出してホンワカしました(笑)。ドタバタな日常生活、手のかかる彼らにキレそうになった時は、このメルボルン旅の想い出を反芻することにします(笑)。Composition&Text:Urara Takahashi
2019年06月07日