東京芸術祭のメインプログラムとして、2018年から始まった野外劇。今年も、池袋西口野外公園にあるGLOBAL RING THEATREを会場に上演される。今回の演目は、カンパニーデラシネラを主宰する演出家・振付家の小野寺修二による『嵐が丘』だ。英国作家エミリー・ブロンテの名作『嵐が丘』が、独自の身体表現によってどう構築されるのか。出演者のひとりであり、小野寺とは何度も創作をともにしてきた片桐はいりが、この公演への思いを語った。片桐と小野寺が最初に出会ったのは、カンパニーデラシネラの舞台『異邦人』(2010)。「4、5歳の頃に東京文化会館で『白鳥の湖』を観て以来、ずっとダンスというものに興味を持っていた私にとっては、本当に楽しい経験でした。セリフを言わなくていい楽しさというか(笑)、身体を使う原始的な楽しさに立ち返れたんです」。以降、「上手く踊れたり機敏な動きができるといったことはさておき、身体も頭も心も含め全部で、『片桐はいりでございます』という気持ちで立ちたい」と思うようになったとか。「しかも今回は野外劇。西口公園ではテントを張ってお芝居をしたこともあります。だから、かつての姿も知っている者として、この地面の、この街の人の“気”みたいなものをパワーにして立てたらなという思いもあるんです」。改めて読んだ『嵐が丘』は、「前は愛憎入り乱れる恋愛小説という印象でしたが、他にもさまざまな人間関係があり、ホラーや笑いの要素もあって面白かった」そうだ。「小野寺さんもいろんな仕掛けを考えていらっしゃるようなので、そのいろんな要素をお見せできると思いますし。私も何の役を演じるということではなく、いろんなところにいろんなことで出てくると思うんです。そもそも小野寺さんは、野外→自然→嵐→『嵐が丘』と、この作品を思いついたそうですから、通常とは違う発想の仕方をされる方。すでに、『そんな人物や物に注目しますか!?』とびっくりするようなこともおっしゃっています(笑)。でも、ポン・ジュノがアカデミー賞の授賞式で、マーティン・スコセッシの『最も個人的なことが最もクリエイティブなことだ』という言葉を挙げていましたが、私自身も観て感動するのはまさにそんな作品なんです。だから、小野寺さんのやりたい『嵐が丘』ができればいいなと思っています」。そんなクリエイティブな作品をここでは誰でも観ることができる。「たまたま通った人が立ち止まるとか、面白そうだから座って観ようと入場料を払うとか、500円でこんなすごいものを観ることができたとか、そんな思いになってもらえる場になれば」と燃える片桐。開かれた場にとてつもない刺激が待っている。取材・文=大内弓子撮影=石阪大輔<公演情報>野外劇『嵐が丘』2022年10月17日(月)〜10月26日(水)会場:GLOBAL RING THEATRE〈池袋西口公園野外劇場〉詳細はこちら:
2022年09月30日2018年3月に演出・田尾下 哲にて上演され話題を呼んだ同シリーズの続編となる、朗読で描く海外名作シリーズ 音楽朗読劇「嵐が丘」。世界三大悲劇とされるエミリー・ブロンテの名作「嵐が丘」に各回4名、全11公演34名のキャストが挑む。上演に先駆け行われた稽古にて、キャスト4名からのコメントが届いた。【チケット情報はこちら】ヒースクリフ役を演じる駒田航は、出演について「愛ゆえに狂人と化したヒースクリフ。普段朗読では善人寄りの役柄を任せていただくことが多い分、とても演じるのが楽しみです」とコメント。「いかに彼の歪んだ愛情を表現できるかが作品内容を大きく左右すると考えています。一生懸命時代感や心情を捉えつつ、その日その日のキャストの方々と新鮮な言葉を紡ぎたいと思っておりますので、楽しんでいってもらえたら幸いです」と意気込みを語った。キャサリン/キャシーを演じるのは、高校生の頃から朗読が好きだったという村中知。「朗読は登場人物の感情も目線も動きも姿勢、全てを声だけで表現します。少ない音と己の声での表現は難易度高いと思います」とコメント。稽古をしてみて「課題は山積み」とするが、稽古場の空気にやる気が増幅したといい、「役者が音楽にのせて声のみで表現す『嵐が丘』。演劇や映像作品のように鮮明に世界を感じていただけたら、役者冥利に尽きます。嵐が丘に皆さんを招き入れられるよう精一杯努めます」と公演への意気込みを語った。ヒンドリー、ヘアトン、リントンの3役を演じる新田杏樹は、実際の稽古の感想として3役を演じ分ける難しさを感じたといい、「僕が演じるヘアトンとリントンのセリフが、同じ場面で結構早いテンポで入り乱れている部分がありまして…声優ならではだなぁと、我ながら思いました(笑)演じ分けをしっかりはっきり分かりやすくして、お客様に違和感なく届けられるように頑張りたいと思います」とコメント。声の違い、セリフや役の解釈の違いでガラッと作品の雰囲気が変わってくるのかなと思う、と作品へ真摯に向き合う姿を見せた。ヒースクリフ、またエドガー/ロックウッドの2パターンでの出演をする中澤まさともは、「古典文学の作品世界へ行き、生きることが出来る。その中でも特殊な作品として伝え聞いていた「嵐が丘」に出演できるということは、誉高く思います。素直に楽しみでいました」と出演への喜びを語る。また各公演回ごとにキャストが変わる今作について「ロックウッド氏の立ち居振る舞いは、キャストによって大いに変わるはずで楽しんでいただけると思います。どの空間でも発見することが多く面白さと難しさ共に味わって充実しています」と稽古への手ごたえを話した。公演は2月17日(月)から2月24日(月・祝)まで東京・TOKYO FMホールにて。チケットぴあでは各公演回前日までチケット発売中。
2020年02月14日堀北真希が主演を務め、山本耕史との共演を果たした舞台「嵐が丘」のBlu-ray&DVDが、3月16日(水)に販売されることがこのほど決定した。「嵐が丘」という名の屋敷の主人ヒースクリフを訪ねたロックウッドは、昔の住人キャサリンの亡霊に遭遇する。家政婦のネリーは悲しい過去を語り始める。30年前、屋敷に住むアーンショウ家の主人が身寄りのない少年を連れ帰り、ヒースクリフと名付けかわいがる。娘のキャサリンは仲良しになったが、息子のヒンドリーは父の愛を奪われたと感じた。数年後家長となったヒンドリーはヒースクリフを下男の身分に落としつらく当たる。一方キャサリンとヒースクリフの間には愛が芽生えていた。そんな中、交流を持ったリントン家の息子エドガーからプロポーズされたキャサリンは、ヒースクリフへの愛は変わらぬも結婚してしまう。ヒースクリフは嵐が丘を飛び出し行方不明に。数年後出世して戻ってきたヒースクリフはエドガーの妹イザベラを誘惑し、波乱の日々が幕を開ける――。エミリー・ブロンテがその30年という短い生涯で唯一執筆した長編小説を原作とし、舞台や映画、ドラマなど、幾度となく作品化されている本作。19世紀、イングランド北部ヨークシャーの荒野に建つ「嵐が丘」という名の屋敷を舞台に、キャサリンと孤児ヒースクリフの激烈な愛、そして不滅の愛を描き出した壮大な愛の物語として“世界の三大悲劇”や“世界の十大小説”のひとつと謳われており、刊行から150年以上を経た今でも世界中で読み継がれている。今回発売されるBlu-ray&DVDは、昨年5月6日~5月26日に、日生劇場にて公演された舞台作品。愛に燃える主人公キャサリン役を、連続テレビ小説「梅ちゃん先生」や現在放送中の「ヒガンバナ~警視庁捜査七課~」で主演を務める堀北さんが演じ、愛ゆえに復讐心に駆られるヒースクリフ役を「レ・ミゼラブル」「ロミオとジュリエット」など数々の舞台に出演する山本さんが務めている。ほかにも、家政婦のネリー役の戸田恵子をはじめ、高橋和也、ソニンなど充実のキャストが揃っている。脚本・演出を「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」「ガラスの仮面」など数々の舞台演出を行う「G2」が手がけ、新たな「嵐が丘」の世界を描いている。交際0日での電撃結婚が話題を集めた堀北さんと山本さんが出演する本作。舞台を見逃した人ももう一度見たい人も、ぜひお家で名作の世界を堪能してみて。「嵐が丘」のBlu-ray&DVDは、3月16日(水)より販売。(cinemacafe.net)
2016年01月22日堀北真希、山本耕史が出演、脚本・演出をG2が務める舞台『嵐が丘』が5月6日より東京・日生劇場で開幕した。【チケット情報はこちら】同作は作家エミリー・ブロンテが1847年に発表した、“世界十大小説”のひとつと謳われている小説が原作。19世紀、イングランド北部ヨークシャーの荒野に立つ“嵐が丘”と呼ばれる屋敷に暮らす人々が織り成す愛憎劇。屋敷に住む娘、キャサリン役を堀北真希、屋敷に拾われた孤児、ヒースクリフ役を山本耕史が演じる。開幕に先がけて行われた会見で、堀北は「今回激しい女性の役なので、ものすごく息切れしてしまうくらい、感情がワーっとなっています」とコメント。また、報道陣から演出のG2について聞かれると「私が悩んでいる時に一緒に糸口を探してくださって、優しく演出して頂きました」と話した。山本は「今回日生劇場なので、セリがあったり、横の動きだけでなく、縦の動きもあったりするので、時間のかかる稽古でした」と説明。共演する堀北の印象については「とても芯が通っている。何度かお仕事でご一緒していて、ただ舞台で共演するのは初めてだったんですが、立派な佇まいで、こっちが頼りがいのあるような出で立ちです」と称した。最後に「この『嵐が丘』という舞台は激しくて、観ている皆さんを一気に物語に引き込める舞台になっていると思います」(堀北)。「観に来て頂いた方にはどっぷりこの世界に入り込んで頂けるように頑張ります」(山本)と意気込んだ。舞台『嵐が丘』は5月26日(火)まで、東京・日生劇場で上演。チケットは発売中。
2015年05月08日5月6日(水・祝)より東京・日生劇場で上演される舞台『嵐が丘』の製作発表が2月18日、都内で行なわれ、出演する堀北真希、山本耕史、戸田恵子、脚本・演出を務めるG2が出席した。【チケット情報はこちら】原作は“世界十大小説”のひとつと謳われる、エミリー・ブロンテの名作。19世紀、イングランド北部ヨークシャーの荒野に立つ“嵐が丘”と呼ばれる屋敷に暮らす人々が織り成す愛憎劇。屋敷に住む娘、キャサリン役を堀北真希、屋敷に拾われた孤児、ヒースクリフ役を山本耕史が演じる。G2は同作について「この作品、小説は名作ですが、日本において、舞台における決定版というのは出ていない印象を持っています。今回の舞台では、これまで多くの舞台では触れられていなかった原作の後半を含めた全編を上演します。私、普段大口は叩かないんですが、この舞台は決定版になるような予感がしています」と自信をのぞかせた。堀北は「今回初めて原作を読んだのですが、登場人物が多くて複雑なので、相関図を書きながら読みました(笑)。この作品は“世界十大小説”のひとつと呼ばれる作品なので、皆さんの期待を裏切らないように頑張りたい」とコメント。また山本は「上演の何か月も前に会見に出て、ほぼ何が起こるかわからないまま質問に答える、というのが僕たちの宿命なんですが(笑)、今お話を聞いて大変そうな作品だな、と感じました。ただ、大変だからこそ良い舞台ができると信じていますし、人間としても俳優としても大好きで尊敬している堀北さん、戸田さんとご一緒できて本当に嬉しい。出演者全員で前に進めるような舞台になれば良いなと思います」と意気込んだ。物語の重要な語り部でもある、家政婦ネリーを演じる戸田は「こういった不朽の名作と呼ばれる作品に出るのは初めて。得意分野ではないかもしれませんが、あえてチャレンジしました。それは信頼の出来るスタッフと共演者の存在もありますし、初めて憧れの日生劇場に立てるというのも要因のひとつです。今までにない面白い『嵐が丘』になれば良いなと思います」と話した。記者から役作りについて質問が飛ぶと、堀北は「キャサリンと違って、普段の自分はおっとりまったりしているので、頑張って役作りしていきたい」。一方、山本は、「まず台本を見て自分のセリフが見開き2ページにわたってとかあると、そっと閉じてしまう(笑)。結局開けるのは立ち稽古の前の日、という事が自分はよくあります(笑)。元々役作りを固めていくタイプではないので、信頼できる共演者の皆さんの立ち回りを見て、自分の役も固めて行きたい」と語った。舞台『嵐が丘』は5月6日(水・祝)から26日(火)まで、東京・日生劇場で上演。チケットの一般発売は3月7日(土)午前10時より。なお、一般発売に先がけて、チケットぴあではいち早プレリザーブ、およびプレリザーブを実施。受付は2月20日(金)午前11時より。
2015年02月19日