東京大学(東大)は3月9日、ミューイーガンマ(μ→eγ)崩壊を4年間にわたり世界最高の実験感度で探索した結果、多くの理論予想に反して同崩壊は発見されず、ニュートリノ振動の起源となる新物理と大統一理論に厳しい制限を課すことになったと発表した。同成果は、東京大学素粒子物理国際研究センター 森俊則 教授、大谷航 准教授、高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所 三原智 教授らの研究グループによるもので、独科学誌「The European Physical Journal C」に掲載される予定。これまで標準理論を超える新しい素粒子理論として、大統一理論の研究が行われてきた。大統一理論によると、宇宙開闢期には素粒子の相互作用は統一されており、それが破れることによりインフレーションを引き起こして現在の宇宙が誕生したと考えられている。1990年代後半には、標準理論で禁止されているミュー粒子のミューイーガンマ崩壊は、大統一理論によって引き起こされることが指摘されている。一方、1998年のスーパーカミオカンデ実験によって発見されたニュートリノ振動現象は、ニュートリノが質量を持つことを明らかにした。ニュートリノの質量はほかの素粒子に比べて極めて小さなものであり、これはニュートリノがほかの素粒子とは異なるメカニズムによって質量を得たことを示唆している。このメカニズムは「シーソー機構」と呼ばれており、同機構によると、宇宙誕生直後には極めて重いニュートリノの仲間が存在。その崩壊によってその後宇宙は反粒子が消えて粒子だけになった可能性があり、ミュー粒子のミューイーガンマ崩壊は、重いニュートリノの仲間の存在が引き起こしているものと指摘されている。このように大統一理論やシーソー機構はミューイーガンマ崩壊を予言しているが、その確率はおおよそ1兆に1回程度であり、そのように小さな確率で起こる素粒子の崩壊を測った実験はこれまでになく、既存の素粒子検出器を使った方法では不可能だとされていた。同研究グループは今回、ガンマ線をこれまでにない精度で測定できる2.7トン液体キセノン測定器と、素早く大量の崩壊粒子を処理するための特殊な超伝導スペクトロメータを考案・開発することで、ミューイーガンマ崩壊を発見し、大統一理論とシーソー機構の証拠をつかむことを試みた。また、今回の研究のために必要な毎秒1億個近いミュー粒子を生成できる加速器はスイスのポールシェラー研究所(PSI)にしかないが、東京大学を中心とする日本の研究グループの実験提案がPSIに認められ、その後スイス・イタリア・ロシア・米国の研究グループが加わり国際共同実験「MEG」として研究を進め、2008年のパイロット実験の後、2009年終わりから2013年半ばまで約4年間にわたり断続的にデータを取得した。同データを用いて、およそ2兆に1回のミューイーガンマ崩壊を発見できる世界最高感度で探索したが、今回、理論による予想にもかかわらず、この探索感度をもってしてもミューイーガンマ崩壊の発見には至らなかった。この結果は、これまで考えられていたシンプルな大統一理論とシーソー機構のシナリオとは矛盾するもので、宇宙の始まりを記述する標準理論を超える新理論の可能性に関して、これまでにない厳しい制限を加えることになった。同研究グループは、今回のMEG実験の経験を活かしてアップグレード実験MEG IIの準備を進めている。MEG II実験では、MEG実験設計当時にはなかった新しく開発した測定器技術をいくつか採用して、MEGの約10倍の実験感度を達成できる見込みで、およそ25兆に1つのミューイーガンマ崩壊まで捉えることを目指している。新しい測定器は現在建設中。順調に行けば2017年に実験を開始でき、最終感度に到達するのに最低3年間のデータ取得を行っていくという。
2016年03月09日連載から20年周年を記念して「遊☆戯☆王」その後のエピソードを描く初の長編映画に挑戦した『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』。この度、公開を控えた本作からオリジナルキャラクター藍神(あいがみ)の声を担当する林遣都の声も収録した予告編が解禁された。千年パズルを完成させたことにより「闇遊戯」というもう1人の人格を呼び覚ました武藤遊戯。海馬コーポレーションの社長にして決闘者(デュエリスト)の頂点に君臨する海馬瀬人や、仲間たちと数々の死闘を繰り広げたが、過去との因縁によりもう1人の自分との闘いを余儀なくされ、遊戯と闇遊戯はついに決別し別々の道へ旅立つこととなった。そうして闇遊戯との最後の決闘を終えて、日常を取り戻したかに見えた遊戯たち。その前に現れた謎の少年・藍神(あいがみ)。そして、世界中で次々と起こる謎の失踪事件。ただひたすら千年パズルを探し求める海馬。すべてのピースが合わさるとき、再び決闘(デュエル)の幕が切って落とされる――!本作は、「遊☆戯☆王」その後のエピソードを描いた初の長編映画。原作者の高橋和希自らが製作総指揮を執り、キャストは風間俊介&津田健次郎の名コンビら「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」当時のメンバーが集結。さらにオリジナルキャラクターとして声優初挑戦の林さんが藍神役、人気声優・花澤香菜がセラ役、ケンドーコバヤシが百済木役、その手下で「ジャングルポケット」らが参加している。未だ誰も見たことのない原作のその後をオリジナルストーリーで描くなど、新たなヒストリー生まれるようだ。今回解禁された予告編は、闘いの儀を終えて、日常の生活を取り戻した遊戯たちに、徐々に平和を脅かす新たな闘いの予感が迫りくる様子がまざまざと映し出されている映像。「あの窓際の一番奥に座ってるやつ…誰だっけ」と遊戯たちが話す先には仲間たちの記憶から消えている謎の少年・藍神の姿が。藍神が見せる不思議な力と“招待する”という「次元領域決闘」。そして、決別したはずの“もう一人のボク”を象徴する千年パズルの欠片を手に取るシーンも登場。さらに本作の魅力の一つ、ダイナミックに繰り広げられる迫力満点の決闘シーンは圧倒されること間違いなし。藍神は一体何者なのか。各地で起こっている失踪事件の意味するものとは。ファラオの器としての武藤遊戯に接触をする幼い風貌の少女と男の正体とは…。物語の先がより知りたくなる予告編となっている。『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』は4月23日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年03月04日東京大学(東大) と言語交流研究所、および米マサチューセッツ工科大学(MIT)は2月18日、多言語の習得に関わる脳のメカニズムを解明することを目的に共同研究を開始すると発表した。同研究は、東京大学大学院総合文化研究科 相関基礎科学系 酒井邦嘉 教授およびMIT 言語哲学科 スザンヌ・フリン 教授らを中心に行われる。プロジェクト期間は5年間を予定。酒井教授は、人の言語処理の法則性を脳科学として実証する研究に取り組んでおり、これまでに、文法処理に特化すると考えられている左脳の前頭葉の一領域「文法中枢」の活動が、英語習得の初期に高まり、中期にはその活動が維持されるが、文法知識が定着する後期には活動を節約するように変化していることを明らかにしている。またフリン教授は、MITの同僚 ノーム・チョムスキー教授の学説に基づき、30年以上にわたって多言語獲得について心理言語学的視点から研究を行っている。今回の共同研究では、まずMRI(核磁気共鳴画像法)の技術を用いて、多言語の理解および習得中の脳の構造と機能について解析を行う。また、多言語教育を行う言語交流研究所が運営する「ヒッポファミリークラブ」の会員をはじめ、通訳者などの多言語習得者を対象に、言語学習者に見られる言語理解と発音把握などについて、多言語に触れた経験が脳に及ぼす効果を調査する予定となっている。100年以上前に中国のドイツ大使館で通訳として活躍した、60カ国語を話せる男性の死後脳において、大脳皮質の前頭葉にある「ブローカ野」の44野が左右で対象、45野が左右で非対称であったという研究結果が2004年に発表されている。酒井教授によると、44野が対象であることよりも45野がアンバランスであることのほうが、文法の成績に強く影響しているという。「しかしこの研究は死後の脳を使っている。今回の研究では、今現在生きている人の脳をMRIによって調べることで、脳の非対称性が言語能力にどのような影響を及ぼしているか調べていきたい」(酒井教授)またフリン教授は今回のプロジェクトについて、「第一言語の習得に関しては比較的多くのことがわかっているが、多言語習得に関する研究結果はほとんどない。今回の共同研究で多言語の環境にいる方のデータを解析することによって、脳がどのように働いているかということを解明していきたい。また、日本での研究を皮切りに、アメリカやメキシコ、韓国のヒッポファミリークラブ会員のデータも利用し、世界へと広げていければ」とコメントしている。
2016年02月19日三島由紀夫の最後の戯曲であり、“幻の名作”と称される『ライ王のテラス』。主人公であるカンボジア最強の王、ジャヤ・ヴァルマン七世王に扮する鈴木亮平を筆頭に力強いキャストが居並ぶ中、爽やかな存在感を放っているのが吉沢亮。『仮面ライダーフォーゼ』で注目を集め、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』『アオハライド』等々、話題の映画に次々と出演する若手注目俳優だ。大作に挑む現在の気持ちを「けっこう、不安です」と率直に語る彼に、作品のこと、そして俳優としての自身のこれからを訊いた。チケット情報はこちら最初にこの作品への出演が決まった時の心境を「三島由紀夫さんの戯曲を、宮本亜門さんが演出する。それだけで“すごいな”と思いましたし、僕が出て大丈夫なんだろうか、と不安がよぎりました」と振り返る。「でも間違いなく、今後役者として生きていく上で、絶対に勉強になる。これは挑戦してみようと思ったんです」。三島戯曲も、亜門演出も、初挑戦だ。「亜門さんの演出はすごく豪快で、パワーがある。物語の解釈も亜門さんは色々な角度から見ている。僕なんかの考えが及ばない瞬間ばかり。自分でもたくさん考えていたつもりなのに……って、ヘコみます。普段あまり不安や疑問をそれほど表に出さない方なのですが、今回ばかりは自分で溜め込んで解消できる問題じゃない気がする。亜門さんやまわりの人に助けを求めつつ、頑張ります」。そんな吉沢、もともとこの世界にはいったきっかけは「母親にオーディションを勧められたんです、賞金100万円だからやってみないかって(笑)。そんな始まりです」と笑いながら明かす。ただ、「今はもちろん役者で生きていければと思っています! できれば、この役は吉沢にしか出来ない、この役を吉沢にやってほしい……そういう風に思われる役者になりたいですね。それが難しいことだとは、わかっていますが」とこの道を進む決意を語ってくれた。インタビューの場でも取り繕うことなく、不安な気持ちもさらけ出す。その率直さが逆に魅力だ。今回吉沢が演じるのは、今も世界遺産として広く知られるアンコール・トムのバイヨン寺院を建設する石工役。「先輩の棟梁たちが“自分だったらこう作る”と細かく説明する中、僕の役は「千年のちまで、人があがめ、ひざまづき、涙をながすやうな、気高い美しいものを」と抽象的なんだけれど、大きなことを言うんです。それで王様から棟梁に抜擢される。想像力が豊かで、すごくストレートな青年。頭の中の理想と現実とで葛藤するところもありますが、想像を現実に変えていく役だと思っています」。その姿はどことなく、22歳現在、不安も抱きつつ前を見つめる吉沢の魅力に繋がっていくようにも思えた。公演は3月4日(金)から17日(木)まで、東京・赤坂ACTシアターにて。チケットは発売中。
2016年02月17日海洋研究開発機構(JAMSTEC)と東京大学(東大)は2月1日、日本南岸を流れる黒潮やその東に続く黒潮続流といった中緯度域の強い海流の年々変動に「風の変動と無関係に生じる部分」があり、まったく同じ風の変動のもとで異なる海の循環が生じうることを発見した。これは、大気循環と同様、海洋循環にもいくつもの「並行世界(パラレルワールド)」が存在することを意味しているという。同成果は、JAMSTEC アプリケーションラボ 野中正見グループリーダー代理、東京大学 先端科学技術研究センター 中村尚 教授らの研究グループによるもので、2月1日付けの英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。今回、同研究グループは、初期値などにわずかなばらつきを与えて複数の数値実験を行う「アンサンブル実験」という手法を用いて、年々変動する「全く同一の」風を与えながら、風以外の条件をわずかに変え、海洋の循環を現実的に再現するため、JAMSTECのスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」によるシミュレーションに着手した。アンサンブル実験は大気循環の研究分野ではよく用いられている手法だが、これを海流の年々変動研究に導入したのは同研究が初めてだという。この結果、「風の変動と関係なく海の中で勝手に起きる」変動が存在することが明らかになった。また詳しい解析から、黒潮続流の年々変動では「風の変動と無関係に生じる」変動量と「風の変動によって生じる」変動量がほぼ等しいことがわかった。これは、現実に観測されるのはひとつの状態でも、同じ条件下で異なる状態が起きていても不思議ではない、つまりパラレルワールドが存在しうることを意味する。いくつものパラレルワールドのどれが実現するかを予測することは不可能なため、黒潮続流には本質的に予測不可能な成分が半分程度含まれていることになる。このように予測不可能な成分を考慮し、できるだけ確からしい予測を実現するには、わずかに条件を変えた予測を多数行う手法「アンサンブル予測」が有効とされ、天気予報など大気循環の分野で用いられている。これまで海洋の年々変動は、基本的に風の年々変動によって生じるものと考えられていたが、海洋循環をより確からしく予測するためには「風の変動と無関係に生じる変動」の存在を加味した予測が不可欠であることが明らかになった。同研究グループは、今回の成果により海流予測の分野でもアンサンブル予測手法が導入され、気候予測や漁獲量予測の高度化に繋がることが期待されると説明している。
2016年02月02日東京大学(東大)は1月28日、自閉スペクトラム症の人は自閉スペクトラム症でない人と比較して不快と感じる対人距離が短いことを明らかにしたと発表した。同成果は、同大学 先端科学技術研究センター 浅田晃佑 特任研究員、熊谷晋一郎 准教授、同大学大学院 総合文化研究科 長谷川寿一 教授、および茨城大学、武蔵野東学園らの研究グループによるもので、1月27日付けの米科学誌「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。自閉スペクトラム症は発達障害の一種で、コミュニケーションや対人関係において困難が見られることや同じ行動や興味へのこだわりが見られることにより診断される。自閉症、アスペルガー障害、広汎性発達障害、特定不能の広汎性発達障害と呼ばれていたものを含む診断概念となっている。今回の研究では、12歳から19歳の自閉スペクトラム症の人と自閉スペクトラム症でない人それぞれ16名(男性15名、女性1名)に対し、研究者が参加者に近付いた際にこれ以上近付かれると不快と感じる地点を知らせてもらい、次に参加者が研究者に近付いた際に参加者がこれ以上近付くのは不快だと感じる地点で止まってもらうという調査を行った。この結果、自閉スペクトラム症の人は、どちらの場合も自閉スペクトラム症でない人と比べて、不快であると感じる地点が研究者に近く、他者との対人距離を短く取る傾向にあることがわかった。また、自閉スペクトラム症の度合いが高いことと対人距離が短いことが関係していることから、対人距離には人によって差が見られることも明らかになった。さらに、対人距離を取る際のアイコンタクトの影響を調べたところ、研究者が参加者に近付く場合では、自閉スペクトラム症の人も自閉スペクトラム症でない人も、研究者がアイコンタクトを取ると、アイコンタクトを取っていないときに比べ、対人距離を長く取ったという。このことから、自閉スペクトラム症の人も自閉スペクトラム症でない人も、アイコンタクトの情報を対人距離の調整に利用していることがわかった。短い対人距離は他者への好意や親密性を表すため、今回の結果を踏まえると、自閉スペクトラム症の人は自分がほかの人と比べて対人距離が短すぎないか意識することで、コミュニケーションの相手に好意や親密性を示しているという誤解を与えることを避けられる可能性があるといえる。また、不快に感じる対人距離は人によって差があるという今回の結果から、自閉スペクトラム症の人も、自閉スペクトラム症でない人も、対人距離には人によって差があることを踏まえて社会生活を送ることで、よりよいコミュニケーションを行うことができると同研究グループは説明している。
2016年01月28日東京大学(東大)は1月25日、接触面の静止摩擦係数を検出するマイクロ触覚センサの開発に成功したと発表した。同成果は、同大学 IRT研究機構 下山勲 教授、同大学大学院 情報理工学系研究科 修士課程1年 岡谷泰佑 氏らの研究グループによるもので、1月24日~28日にかけて中国・上海で開催される国際学会「MEMS2016(The 29th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)にて発表される。これまでに、床面との接触力や滑りを計測するためのさまざまな触覚センサが研究・発表されているが、これらのセンサでは実際に足裏が滑り出さなければ、摩擦係数を計測することは困難だった。今回の研究では、高いピエゾ抵抗効果を持ち、高感度にひずみを検出することが可能なn+型シリコンをゴム材料中の複数点に配置することにより、センサを物体に押し付けただけでその表面の静止摩擦係数を検出することが可能となった。同センサを物体に押し付けると、センサ全体は滑らないにも関わらず、ゴム材料の端部分だけが滑り出し、左右方向に変形する。この左右方向への変形量は、ゴム材料を物体に押し付けた際の押しつけ力の大きさと物体表面の静止摩擦係数に依存するため、ゴム中に配置したn+型シリコン素子を用いて押し付け力と左右方向への滑り量とを検出・比較することで、物体との接触面の静止摩擦係数を計測できるという仕組みになっている。同技術により、靴裏と床との滑りやすさを検出して警告する靴や路面の滑りやすさを警告するタイヤの実現、ロボットの転倒防止などにつながることが期待されると同研究グループは説明している。
2016年01月26日お笑い芸人のケンドーコバヤシとお笑いトリオ・ジャングルポケットが、人気アニメ『遊☆戯☆王』シリーズ初の長編アニメーション映画『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』(4月23日公開)にゲスト声優として出演することが20日、発表された。本作は、原作者・高橋和希氏自ら、原作、キャラクター、デザイン、総指揮として携わり、製作される。劇中では、武藤遊戯(風間俊介)と海馬瀬人(津田健次郎)の名コンビも復活。加えて、神秘的なビジュアルで話題を呼んでいた謎の少年・藍神を俳優の林遣都が演じる。ケンドーコバヤシが務めるのは、本編に新キャラクターとして登場するチンピラ・「百済木軍団」のリーダーの百済木役。声優初挑戦となるジャングルポケットは、その百済木の手下役を担当する。「人気漫画『遊☆戯☆王』、原作のアフターエピソードの新キャラですよ! めっちゃ興奮してます」と感激を表すケンドーコバヤシ。「なんといっても手下がジャンポケですからね」と実際にお笑いの世界でも後輩であるジャングルポケットに目をやりつつ、「今まで誰にも見せたことのない、ブラックなケンドーコバヤシをガンガンに出して楽しもうと思います!」と意気込みを見せる。一方、ジャングルポケットの側は、「リーダーがケンコバさんということで、パシられるのでは!? と若干嫌な予感はしていますが」と苦笑しながら、「3人でアニメの声優をさせていただける日がくるとは思っていなかったので、素直にうれしいです」と歓喜。続けて、「新しいジャングルポケットの活躍を楽しみにしていてください!」とアピールした。なお2015年12月より発売となった、「青眼の亜白龍」(ブルーアイズ・オルタナティブ・ホワイト・ドラゴン)のカード付き前売り券の発売2日間の売り上げは、東映史上最高となった、約8万8,000枚を記録。今年の3月5日からは、特製クリアファイルがプレゼントされる第2弾前売り券の発売もスタートする。(C)高橋和希 スタジオ・ダイス/2016 劇場版「遊☆戯☆王」製作委員会
2016年01月20日東京大学(東大)は12月22日、4個の中性子だけでできた原子核の共鳴状態「テトラ中性子共鳴」を発見したと発表した。同成果は、東京大学 原子核科学研究センター 下浦享 教授、理化学研究所仁科加速器研究センター 木佐森慶一 日本学術振興会特別研究員、上坂友洋 主任研究員らの研究グループによるもので、2016年1月29日付けの米科学誌「Physical Review Letters」に掲載される予定。今回同研究グループは、エネルギー1500MeVの8Heのビームを液体ヘリウム4Heに照射し、二重荷電交換反応により生じる8Beから崩壊する2つのα粒子を、SHARAQ磁気分析装置を用いて精密分析。天然に存在する安定核を用いた通常の核反応では、ビームが持つ運動エネルギーを内部エネルギーに転換させる必要があるため、生成核へ大きな衝撃を与えるが、不安定核8Heの大きな内部エネルギーを用いることでほとんど衝撃を加えず、実験室中でほぼ静止した4つの中性子を生成し、共鳴状態「テトラ中性子共鳴」を発見した。発見された共鳴は、3つの中性子に同時に働く「三体力」を無視した従来の手法による理論的解析からは説明が困難なものであり、逆に共鳴のエネルギーはこの三体力の強さに制限を与えるものとなる。さらにこの三体力は中性子物質の状態方程式を決定づけるパラメータであり、今回の発見は、主に中性子から構成される「中性子星」の構造解明への道をひらくものと期待されている。
2015年12月22日人気アニメ『遊☆戯☆王』シリーズ初の長編アニメーション映画として、2016年4月23日に公開される劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』のポスタービジュアルが11日、公開された。公開されたビジュアルには、主人公の武藤遊戯、その永遠のライバル・海馬瀬人、謎の少年・藍神ら3人の姿が描かれている。中でも、目を引くのは遊戯が手に持つ千年パズル。"もう1人の遊戯・アテム"と決別した際に、この千年パズルは失われたはずだったが、それがピースが1つ欠けた状態で遊戯の手の中にある。また、海馬は新しいデュエルディスクを引っさげている。その手に並ぶカードは、青眼の亜白竜(ブルーアイズ・オルタナティブ・ホワイト・ドラゴン)。怪しげな笑みを見せている藍神の額には、意味深な模様も浮かび上がっている。このビジュアルは12日、前売り券の発売開始とともに、劇場で掲出される。本作は、原作者・高橋和希氏自ら、原作、キャラクター、デザイン、総指揮として携わり、製作される。劇中では、遊戯(風間俊介)と海馬(津田健次郎)の名コンビも復活。加えて、神秘的なビジュアルで話題を呼んでいた藍神を俳優の林遣都が演じる。(C)高橋和希 スタジオ・ダイス/2016 劇場版「遊☆戯☆王」製作委員会
2015年12月11日東京大学(東大)は12月9日、溶媒として水を用いてあえて“溶けない”状態を作り出すことにより、触媒的不斉合成が円滑かつ高立体選択的に進行することを発見したと発表した。同成果は、同大学大学院 理学系研究科 小林修 教授らの研究グループによるもので、12月8日付けの米科学誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン速報版に掲載された。同研究グループは今回、水に溶けないキラル銅触媒を開発し、同触媒と脂溶性の基質を水中で攪拌することで、高い選択性を得る触媒的不斉合成を成功させた。従来、化学反応は、反応基質や触媒を溶解して行うのが常識とされており、多くの有機化学反応においては、反応基質を溶かすために有機溶媒が用いられてきたが、今回の研究では、溶媒として水ではなく有機溶媒を用いると反応は全く進行せず、アルコール中では反応が若干進行したものの立体選択性は発現しなかった。また溶媒を用いない条件でも反応の進行は見られなかった。また、水-テトラヒドロフラン混合溶媒系を用いて水の量がどのように反応に影響するかを調べたところ、溶けている反応では立体選択性がほとんど発現していないのに対し、触媒や基質の不溶性が高まるにつれて鏡像異性体過剰率の増加傾向が確認された。この触媒系はすでに報告されている触媒と比べて基質の適用範囲が広く、またグラムスケールでも問題なく進行する。反応後は遠心分離操作のみで生成物の単離と触媒の回収を達成することができ、触媒の再使用も可能であるという。同大学によると、なぜこのような現象が起こるかについては不明であり、今後は詳細な反応機構の解明が必要であるとしている。
2015年12月09日東京大学(東大)、国際電気通信基礎技術研究所、および北海道大学は12月9日、人間の脳における短期と長期の運動記憶を画像で捉えることに成功したと発表した。同成果は、Northwestern University Feinberg School of Medicine スムシン・キム 研究員、北海道大学大学院文学研究科 小川健二 准教授、University of Southern California Marshall School of Business ジンチ・レヴ 准教授、University of Southern California Division of Biokinesiology and Physical Therapy ニコラ・シュバイゴファー 准教授、東京大学大学院人文社会系研究科 今水寛 教授らの研究グループによるもので、12月9日付けのオンライン科学誌「PLOS Biology」に掲載された。試験前の一夜漬けのように、早く覚えたことはすぐ忘れてしまうが、自転車の乗り方のように時間をかけて練習したことはずっと覚えているといったように、短期と長期の運動記憶が脳内に存在することは、これまで理論的に示されていた。しかし、脳のどのような場所が短期と長期の運動記憶に関係しているのかはこれまで明らかになっていなかった。今回の研究では、21名の実験参加者がfMRI装置の中でジョイスティックを操作するという課題を実施。この行動データを、段階的にさまざまな時間スケールの記憶を備えた数理モデルを利用して解析した。また、モデルから得られたさまざまな記憶の時間変化と同じような変化をしていた脳の場所はどこにあるかを、回帰分析という統計手法を用いて調べた。この結果、数秒で学習して数秒で忘れる非常に短期的な記憶には、前頭前野や頭頂葉の広い場所が関係していること、数分から数十分で学習して忘れる中期的な記憶は、頭頂葉の中でも限られた部分が関係していること、1時間以上かけて学習し、ゆっくり忘れる長期的な記憶は小脳が関係することなどが明らかになった。今回開発された方法は、脳の内部状態を推定してどれくらい長期に残る記憶なのかを予測することができるため、脳の状態をモニターしながら、練習効果が長く残る効率的なトレーニングやリハビリを行うことが期待されるという。
2015年12月09日声優の花澤香菜と日野聡が、人気アニメ『遊☆戯☆王』シリーズ初の長編アニメーションとして、2016年4月23日に公開される劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』に出演することが8日、発表された。本作は、原作者・高橋和希氏自ら、原作、キャラクター、デザイン、総指揮として携わり、製作される。劇中では、武藤遊戯(風間俊介)と海馬瀬人(津田健次郎)の名コンビも復活。加えて、神秘的なビジュアルで話題を呼んでいた謎の少年・藍神を俳優の林遣都が演じる。今回発表された2人の声優は、その藍神と共に行動するキャラクターを担当。花澤は、藍神に付きそう謎の少女・セラを、日野は藍神と宿命を共にする謎の男・マニをそれぞれ演じる。花澤は、『僕らはみんな河合荘』(14年)の河合律役や『凪のあすから』(13年~14年)の向井戸まなか役などのほか、多くのアニメでヒロイン役を担当。一方の日野は、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』(15年)の玉縄役や『NARUTO -ナルト-』シリーズのサイ役を務めていることでも知られる。12日からは、映画のポスタービジュアル、特報映像を公開。さらに、一部を除いた全国の劇場で、劇中において海馬が呼び出す新たな「青眼の亜白龍」(ブルーアイズ・オルタナティブ・ホワイト・ドラゴン)のカード付き前売り券の発売もスタートする。(C)高橋和希 スタジオ・ダイス/2016 劇場版「遊☆戯☆王」製作委員会
2015年12月08日高橋和希原作のシリーズ初の長編アニメーション化『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』のゲスト声優として、このほど花澤香菜と日野聡が出演することが明らかとなった。原作者の高橋氏が原作・脚本・キャラクターデザイン(製作総指揮)を務め、アニメシリーズに引き続き主人公・武藤遊戯役の風間俊介と、海馬瀬人役の津田健次郎の出演することでも話題を集めた本作。先日追加キャストとして、謎の少年「藍神」役に林遣都が声優初挑戦で出演することが報じられ、さらなる注目を集めている。今回発表されたゲスト声優には、林さん演じる藍神に付き添う謎の少女「セラ」役に、「PSYCHO-PASS」や「東京喰種」といった話題作のほか、多くのヒロイン役をこなし、歌手としても活動する花澤さんが配役。さらに、藍神と使命を共にする謎の男「マニ」役を、「バクマン。」をはじめ「NARUTO-ナルト-」のサイ役でもお馴染みの実力派・日野さんが演じることが決定している。12月12日(土)からは、映画の本ポスタービジュアルと特報の解禁され、一部を除く全国の劇場にて、劇場版の劇中で海馬が呼び出す「青眼の亜白龍」(ブルーアイズ・オルタナティブ・ホワイト・ドラゴン)のカード付き前売り券が発売。未だに明らかになっていない「藍神」の正体や、林さん、花澤さん、日野さんの共演に大いに期待がかかる。『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』は、2016年4月23日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年12月08日東京大学(東大)は12月7日、アルマ望遠鏡のデータベースを用いて、非常に希薄な分子ガスの存在を示す「分子吸収線系」を新たに発見し、銀河系の星間ガスの化学組成やおかれている環境を明らかにしたと発表した。同成果は、同大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター 修士課程1年 安藤亮 氏、河野孝太郎 教授、国立天文台チリ観測所 永井洋 特任准教授らの研究グループによるもので、12月7日付けの日本科学誌「日本天文学会欧文研究報告(Publication of the Astronomical Society of Japan)」オンライン版に掲載された。宇宙空間に存在する星間ガスの中には、非常に希薄なためそれ自身が発する光を直接観測するのは困難なものがある。こうした希薄な分子ガスの性質を探るうえでは、遠方の明るい電波源を背景光として、手前側の分子ガスによる吸収線を影絵のように捉える「分子吸収線系」という手法が有効であることが知られている。同研究グループは、チリ共和国のアンデス山中に建設された巨大電波望遠鏡「アルマ望遠鏡」での観測時において目標天体の“位置合わせ”に用いられる基準光源のデータを調査することで、新たな分子吸収線系の発見を試みた。今回、アルマ望遠鏡が観測した基準光源36天体のデータを調査した結果、3つの新たな分子吸収線系の発見に成功し、計4天体の方向で多様な分子の吸収線を検出。さらに2天体の方向では、非常に珍しいというホルミルラジカル(HCO)を検出し、従来知られていた中で最も希薄な星間分子ガスを捉えたとともに、その希薄なガスが大質量星などからの紫外線にさらされた環境にあることを明らかにした。アルマ望遠鏡のデータベースには、1000天体以上におよぶ基準光源のデータが収められており、全世界に公開されている。この中には新たな分子吸収線系が隠されている可能性があり、今後これらのデータの調査が進むことで、新たな分子吸収線系が発見され、それ自身光らない希薄な星間ガスに関する知見がさらに広がることが期待される。
2015年12月07日人気作品『遊☆戯☆王』初の長編アニメーションとして2016年4月に公開される、劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』。これまで、その神秘的なビジュアルのみが先行公開され話題を呼んだ謎の少年の名前が「藍神」(あいがみ)で、俳優の林遣都が演じることが明らかにされた。製作発表以来、風間俊介(武藤遊戯)×津田健次郎(海馬瀬人)というファン待望の名コンビの復活、原作者:高橋和希氏自らが、原作・脚本・キャラクターデザイン(製作総指揮)として携わるなど、日本のみならず海外からも注目を集めている新作映画、劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』。謎の少年「藍神」を演じる林は、07年、あさのあつこ氏原作のベストセラー小説の映画化『バッテリー』で、中学時代の野球経験を活かして天才ピッチャー役で俳優デビューを果たし、同作で第31回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した後、映画『パレード』(10)やWOWOW連続ドラマW『しんがり~山一證券 最後の聖戦~』(15)そして、2016年には『にがくてあまい』『僕だけがいない街』『グッドモーニングショー』、第153回 芥川龍之介賞を受賞した、又吉直樹の小説「火花」の映像化で主演を務めることが決定しているなど、人気の実力派俳優。今回の林の起用に関して、プロデューサーである実松照晃(じつまつてるあき)氏は「私の中で、明るい役から影のある役までを幅広く演じているという印象があり、今作のサブタイトルが『THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』に決まった時、真っ先に名前が浮かんだ俳優さんです。これだけキャリアがあるのに、声優を務めたことがないとのことで、どんな風に藍神を演じて頂けるのか、林さんが演じることでどんな藍神に出会えるのかとても楽しみです。藍神の正体については徐々に明かしていくつもりですので、楽しみにしていてください。」と述べている。藍神の名前と林遣都の起用が発表されてなお、藍神に関する詳細はいまだ不明。遊戯・海馬との関わりが今後も注目を集めることとなりそうだ。12月12日(土)からは、一部を除く全国の劇場にて、劇場版で海馬が呼び出す、新たな「青眼の亜白龍」(ブルーアイズ・オルタナティブ・ホワイト・ドラゴン)のカード付き前売り券が発売となる今作。TVシリーズでも描かれなかった、誰も観たことのない、原作者本人が手がける、劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』は、2016年4月23日(土)☆決闘(デュエル)開始!(C)高橋和希 スタジオ・ダイス/2016 劇場版「遊☆戯☆王」製作委員会
2015年11月20日「遊☆戯☆王」初の長編アニメーション映画『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』で、俳優・林遣都が謎の少年「藍神」役で声優初挑戦することがこのほど分かった。武藤遊戯役の風間俊介と海馬瀬人役の津田健次郎の名コンビが復活し、原作者の高橋和希自らが原作・脚本・キャラクターデザイン(製作総指揮)を手がけることでも話題の本作。今回の発表で、ビジュアル解禁の際に話題となった謎の少年の名前が「藍神」(あいがみ)であることが明らかとなり、林さんが声優初挑戦でキャスティングされている。林さんは、2007年も『バッテリー』俳優デビューを果たし、同作で第31回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後、『パレード』やWOWOW連続ドラマW「しんがり~山一證券 最後の聖戦~」などと出演歴を重ね、来年度には『にがくてあまい』『僕だけがいない街』『グッドモーニングショー』などの出演作を控えるほか、第153回芥川龍之介賞を受賞した又吉直樹の「火花」の映像化で主演を務めることが決定し、ますます注目を集めている。今回の林さんの起用に関してプロデューサーの実松照晃は「私の中で、明るい役から影のある役までを幅広く演じているという印象があり、今作のサブタイトルが『THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』に決まったとき、真っ先に名前が浮かんだ俳優さんです。これだけキャリアがあるのに、声優を務めたことがないとのことで、どんな風に藍神を演じて頂けるのか、林さんが演じることでどんな藍神に出会えるのかとても楽しみです。藍神の正体については徐々に明かしていくつもりですので、楽しみにしていてください」とコメント。林さんの演技はもちろん、遊戯・海馬とどのような関わりをもつ役どころなのか、今後の続報に期待したい。『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』は、2016年4月23日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年11月20日『俺物語』など映画の主演作が続く鈴木亮平が、舞台でも主演が決まった。それも、『ライ王のテラス』という三島由紀夫の最後の戯曲を宮本亜門が演出するという大作だ。演じるのはカンボジア最強と語り継がれる偉大な王。病に冒され崩れていく肉体と精神の対比を華麗に描いた三島の世界に、いかに挑むのか。舞台『ライ王のテラス』チケット情報「生半可な気持ちでは立ち向かえない」。鈴木は三島作品をそう語る。「三島さんの作品は、三島さんの哲学を体に入れ、共感できるレベルまでにしておかないと演じられないと思うんです。ただこの戯曲を理解してカンボジアの王様を演じればいいというのではなく。だから、まず外堀から攻めようと、『午後の曳航』という小説や、『アポロの杯』という旅行記を読んでいるところなんですけど。やはり驚きましたね。僕も世界遺産が好きで遺跡などを見ていろいろ夢想するほうですけど、ここまで深く考える人がいるんだと。でも、それに負けちゃいけないと思っています(笑)。宮本亜門さんとともに三島さんの共犯者になって、表現し、伝えなきゃいけないんですから」。ほかにもプレッシャーはある。この戯曲は、発表された1969年に北大路欣也主演で初演されたのに続き74年にも再演された。2度も北大路が演じた役であり、しかも、その役が、美しく強い肉体を持つカンボジア王なのだ。「当時の北大路さんの写真を見ると、本当にたくましくて筋肉量もすごいんです。そこも含め、北大路さんに恥ずかしくない、負けないような芝居をしないと(笑)」。とはいえ、最近の鈴木は、肉体改造を求められる役が続いている。ドラマ『天皇の料理番』で肺結核を患う役を演じて激しく減量したかと思えば、映画『俺物語』のために30kg増量。「確かに、肉体を意識することから受け取ったものは、ほかの人より多い自信はあります。肉体が変わると性格とか精神も変わるという体験もしました。だからこそ、自分が生きた証として残るのは肉体なのか精神なのかという、この作品のテーマにも非常に興味があるので。稽古で突き詰めていきたいですね」。舞台に立つのは3年ぶり。「舞台は、稽古を繰り返すことで新たな引き出しができていって、確実に自分の幅が広がる場所。映像以上に体当たりで、熱く熱く、向かっていくつもりです。主役である以上、誰よりも努力をするのは当たり前だとも思っているので、ぜひその熱量を体感しに来ていただければ」。人気の存在になってもその懸命さは変わらない。公演は2016年3月4日(金)から17日(木)まで東京・赤坂ACTシアターにて。チケットの一般発売は11月21日(土)午前10時より。取材・文:大内弓子
2015年11月12日東京大学(東大)は11月9日、グラファイトを添加したアクリル系ポリマーを用いることで、高い感度と速い応答速度を両立したプリント可能なフレキシブル温度センサーの開発に成功したと発表した。同成果は、東大大学院工学系研究科電気系工学専攻 横田知之 特任助教、染谷隆夫 教授らの研究グループによるもので、11月9日付の米科学誌「アメリカ科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America:PNAS)」オンライン版に掲載された。グラファイトなどの導電性物質を添加したポリマー中で、温度の上昇に伴って電気抵抗が増加する材料は「ポリマーPTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)」と呼ばれ、温度センサーや加熱防止のための保護素子への応用が期待されている。しかしこれまで、ポリマーPTCを使って人の体温付近における感度0.1℃以下の優れた温度応答性や、繰り返し温度を上げ下げすることに対する高い再現性を実現することは困難だったという。また、くにゃくにゃと曲げられる機械的な耐久性、印刷のような簡単なプロセスによる加工のしやすさを同時に実現する材料も報告がなかった。今回の研究では、温度センサーのインクとなるPTCポリマーを合成する際に「オクタデシルアクリレート」と「ブチルアクリレート」という2種類のモノマーの重合割合を変化させる手法を用いることによって、温度センサーの応答温度を25℃~50℃といった人の体温付近に調整することが可能となった。また、従来のポリマーの分子量を変化させることによって応答温度を調整する手法では応答温度の制御性が良くなかったが、今回の手法により0.02℃という精度が達成できたとしている。またこのPTCポリマーを利用して開発された温度センサーは、1000回以上繰り返し温度を上げ下げしても高い再現性を示すうえ、曲率半径700マイクロメートルに曲げても壊れることなく、生理的環境でも動作するという。同センサーは抵抗値の変化が非常に大きいため、複雑な読み出し回路を用いずに精度の高い計測ができる。これを示す例として同研究グループは、ダイナミックに呼吸運動している状態のラットの肺表面に同センサーを貼り付けて計測を行い、外気温25℃と体温37℃の状況下において、呼吸の呼気と吸気における肺の温度差が約0.1℃と非常に小さいことを世界で初めて実測した。このように、今回の研究では皮膚を含む生体組織にセンサーを直接貼り付けて表面温度の分布を大面積で簡単に精度よく計測する技術が実現されたといえる。応用例として、今回開発された温度計を絆創膏にプリントすることによって、皮膚に直接貼り付けて体温を計測したり、赤ちゃんや病院の患者の体温、手術後の患部の発熱の有無をモニタリングするといった利用法も考えられるとしている。またヘルスケア・医療応用以外にも、服の内側の体温計測や体表面の温度分布を計測することにより、機能的なスポーツウェアの開発などへの利用も期待される。
2015年11月10日ソリマチは、業務ソフト「会計王シリーズ」の最新バージョン「会計王17シリーズ」を11月27日に一斉発売することを発表した。最新版では、マイナンバー制度を中心とした各種制度改正に対応。マイナンバー制度対応に関しては、取得から保管・利用・廃棄・安全管理措置など、マイナンバーガイドラインに即した、5つのシーンを想定した機能を搭載。そのほか消費税のリバースチャージ方式への対応、給与所得控除の上限の見直し、年末調整への対応などを実施している。価格は下記の通り。
2015年11月02日マナボは9月9日、「ミス東大」「ミスター東大」のファイナリスト10名を、自社が運営する教育サービス「スマホ家庭教師mana.bo」のチューターとして迎え入れた。全国の受験生や学生たちにスマートフォンによる個別学習指導を提供していくという。「スマホ家庭教師mana.bo」は、スマートフォンアプリでどこからでも気軽に講師に質問ができる新感覚の教育サービス。東大・早慶・医学部など難関大学の現役大学生による講師陣から、チャットや通話、ホワイトボードを使用して1対1で個別指導を受けることができるとのこと。
2015年09月09日サードウェーブデジノスとドスパラは28日、東京・秋葉原の「GALLERIA Lounge」にて、将棋電王戦イベント「初代電王ponanzaに勝てたらノートパソコン or スティック型PCプレゼント!」を開催すると発表した。開催日時は2015年8月29日12時から18時まで。対局者は定員30名で、イベント当日の11時30分からくじ引きによる抽選を行う。電王戦FINALでプロ棋士との対局に勝利した将棋ソフト「ponanza」と勝負できるイベント。難易度を3段階から選択可能で、対局に勝つと難易度に応じたPCがもらえる。選択できる難易度と賞品は次の通り。これまでの挑戦者を全て退けてきたという「通常版ponanza」:勝利すると15.6型ゲーミングPC「GALLERIA QF960HE」がもらえる。角落ちでの対局になる「駒落ちponanza」:勝利すると15.6型ノートPC「Critea DX4」がもらえる。スティックPCにインストールされた「StickPC ponaza」:勝利するとスティックPC「Diginnos Stick DG-STK2F」がもらえる。当日はゲスト解説としてプロ棋士の大平武洋 五段と「ponanza」の解説者である山本一成氏を迎え、ニコニコ生放送で対局の様子を中継する。
2015年08月28日ソースネクストは24日、ハガキ作成ソフトウェア「筆王」シリーズの最新版「筆王 Ver.20」を発表した。発売日はダウンロード版が8月24日、パッケージ版が9月4日。価格はいずれも税別3,990円。筆王は、宛名印刷や住所管理に加え、オリジナルデザインの年賀状などが作れるハガキ作成ソフトウェア。熊本県の「くまモン」や群馬県の「ぐんまちゃん」、埼玉県深谷市の「ふっかちゃん」などのご当地キャラクター素材をはじめ、30万点以上の素材を用意。付属フォントは147書体。新バージョンでは、写真加工に関する機能が充実した。新たに、写真に写り込んだ不要な箇所をなぞると自然に消せる「なぞるだけの神ワザ修正」機能、動画からベストショットを画像として切り出す機能、スマートフォンカメラやデジタルカメラで撮影して斜めになった写真をぴったり四角に補正する機能を搭載。このほか、26ジャンル9,500種類以上のデザインを収録したラベル印刷ソフト「ペタットラベル印刷2」(税別2,939円)を無料でダウンロードできる権利、操作方法や素材カタログを収録した「超図解筆王Ver.20公式ガイドブック」を同梱している。対応OSはWindows Vista(SP2以上) / 7(SP1以上) / 8 / 8.1 / 10。1ライセンスで5台までのPCにインストールできる(ただし法人利用の場合は1ライセンスで1台のPC)。
2015年08月24日日本IBMは7月30日、東京大学医科学研究所(東大医科研)と日本IBMが「Watson Genomic Analytics」(ワトソン・ジェノミック・アナリティクス)を活用して先進医療を促進するための、新たながん研究を開始すると発表した。「Watson Genomic Analytics」の利用は、北米以外の医療研究機関では初だという。がん細胞のゲノムには数千から数十万の遺伝子変異が蓄積しており、それぞれのがん細胞の性質は変異の組み合わせによって異なっているという。そこで、がん細胞のゲノムに存在する遺伝子変異を網羅的に調べることで、その腫瘍特有の遺伝子変異に適した治療方法を見つけ、効果的な治療法を患者に提供することが可能となるという。インターネット上には、がん細胞のゲノムに存在する遺伝子変異と関連する研究論文や、臨床試験の情報など膨大な情報があり、東大医科研では、「Watson Genomic Analytics」の活用により、特定された遺伝子変異情報を医学論文や遺伝子関連のデータベース等の、構造化・非構造化データとして存在する膨大ながん治療法の知識体系と照らし合わせる。そして「Watson Genomic Analytics」は科学的に裏付けられたエビデンスと共に、有効である可能性を持った治療方法を提示するという。今回のがん研究では東大医科研が有するスーパーコンピュータ「Shirokane3」と、クラウド基盤で稼働する「Watson Genomic Analytics」が連携し 、研究を進めていくためのビッグデータ解析基盤とする。また、 将来的には臨床応用への可能性を検証していくという。
2015年07月30日東京大学医科学研究所(東大医科研)と日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は7月30日、「Watson Genomic Analytics」を活用して個別化医療を促進するための新たながん研究を開始すると発表した。北米以外の医療研究機関で「Watson Genomic Analytics」を利用するのは初めて。患者ごとのがんに合った治療を提供する個別化医療を実現するためには、全ゲノム・シークエンシングによって得られる、ゲノム情報を解析する必要がある。また、インターネット上にはがん細胞のゲノムに存在する遺伝子変異と関連する研究論文や、臨床試験の情報など膨大な情報が存在する。こうしたビッグデータを「Watson」によって迅速に収集・分析することで、がんの原因となる遺伝子変異を発見し、有効な治療法の可能性を提示できると考えられており、東大医科研の宮野悟 教授は「私たちの研究チームは、全ゲノム解析に基づいた個別化医療を探求しており、『Watson』は私たちの研究を大幅に進める可能性を提供してくれます。」とコメントしている。
2015年07月30日東京エレクトロン デバイス(TED)と東京大学(東大)は7月29日、8ビット階調のモノクロ映像を最大1000fpsで投影することが可能な高速プロジェクタを開発したと発表した。同成果は、同大 情報理工学系研究科の石川渡辺研究室とTEDが2014年5月より行ってきたプロジェクタのフレームレートの高速化を目的とした共同研究の成果。今回は、その成果の一部として、高速プロジェクタの実用試作機「DynaFlash」を開発したほか、高速移動体へのプロジェクションマッピングシステムの試作も行ったという。そもそも人間が肉眼で1000fpsを見ることはほぼ不可能だ。しかし、今回のシステムは1000fpsをターゲットに開発されており、これについて、同大の石川正俊 教授はいくつかの要因が背景にあるとする。元々、同研究室では、高速ビジョンの研究・開発・事業化を目指した取り組みを行ってきており、これまでビジョンの高速化、アクチュエータの高速化を実現してきており、その流れでディスプレイの高速化が必要という判断が生じ、TEDとの共同開発に至ったという。では、1000fpsの高速表示が実現した場合、どういった恩恵が得られるだろうか。例えば、Kinectなどを使って、ヒトの動きを追随するアプリケーションがあった場合、カメラで動きを認識し、その動きをディスプレイ上に反映するまでにはシステム全体で150~200msの遅延が生じる。実際に、自分の動きと同じタイミングで表示画像が動かずに、とまどった経験を持つ人もいるだろう。また、3次元形状を認識するマシンビジョンの場合、照明を一瞬あてて、その投影パターンとあらかじめ登録された3次元情報を照会し、物体を認識する手法がよく用いられているが、光を照射して、カメラで撮影し、それを処理し、ロボットに把持の指令を出す、といった一連の作業にある程度の時間が必要であり、静止物であればともかく、生き物を捕まえる、といったことは困難であった。1000fpsが実現した場合、例えば、時速60kmで飛行するボールに対し、約1.7cmおきにパターンを投影することが可能となったり(ダイナミック・プロジェクションマッピング)、動き回る生物が何であるのかを3次元情報を使って識別することができるようになったりする。今回開発されたDynaFlashは、Texas Instruments(TI)のDLP DMDチップと高輝度LED光源を組み合わせて、最小遅延3msの1000fps/8ビット モノクロ階調(解像度は1024×768のXGA)の映像を投影することを可能としたもの。新たに画像処理用のFPGA(XilinxのVirtex-7とのこと)向けに開発した高速制御回路を搭載したことで1000fpsのフレームレートでの投影を実現したほか、独自開発の通信インタフェースを採用したことで映像が生成されてから、プロジェクタに投影されるまでの遅延を抑えることにも成功したという。なぜ、8ビット モノクロ階調ならびにXGAなのか、という点について石川教授は、「システムを構築することが第一で、実用的なレベルの最低条件として設定した性能」と説明する。そのため、まだシステム全体としてボトルネックがあるため、改良の余地があるとするが、将来的にはカラー化を進めていく方針とするほか、遅延の低減や高速ビジョンと連動した応用システムの開発も進めていきたいとしている。また、こうした石川教授の取り組みを受けて、TEDでも手ごたえを感じているようで、2016年夏をめどに、今回のシステムをベースに小型化などを図ったプロジェクタを発売する計画であるとする。仕様としては、0.7型XGA DMDを利用した1000fpsの8ビット階調をスクリーンルーメン500lm、投影遅延は最小3msで実現したいとするほか、ホスト側のインタフェースにはPCI Express(PCIe)の採用を予定。距離が離れた場所まで伸ばしたい場合は光ファイバによる通信を検討しているとする。さらに、撮影用カメラについては、プロジェクタ一体型にするか、分離型にするかはユーザーの反応次第としている。なお、価格は未定としているが、市場ニーズとしては、産業機器(FA)やロボットを中心に、リアルタイム3次元形状認識やダイナミック・プロジェクションマッピング、拡張現実(AR)などでの活用を期待するとしている。
2015年07月29日東京大学(東大)は7月13日、乳腺手術で摘出した検体に対して、試薬をスプレーすることで、数分で乳腺腫瘍を選択的に光らせる技術を確立したと発表した。同成果は東大大学院薬学系研究科・医学系研究科の浦野泰照 教授らの研究グループと、九州大学病院別府病院の三森功士 教授らの共同研究によるもので、詳細は英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。浦野教授らの研究グループは、これまでの研究で、がん細胞で活性が上昇している特定のタンパク質分解酵素によって蛍光性へと変化する試薬を開発し、がんモデル動物でその機能を証明していた。今回、九州大学病院の三森教授らとの共同研究で、乳腺手術において摘出した検体に対して同試薬を散布したところ、1mm以下の微小がんであっても、散布から5分程度で選択的かつ強い蛍光強度で試薬が光ることを確認した。また、同技術は、幅広い種類の乳腺腫瘍に対して有効であることもわかった。同技術を活用することで、乳がん部分切除手術中に切断断端に微小がんが残っているかを正確に知ることができるようになるため、局所再発の劇的な頻度低減につながることが期待される。現在、同スプレー蛍光試薬の臨床医薬品としての市販に向け、より多くの症例での実証試験ならびに、体内使用を目指した安全性試験が進められている。
2015年07月14日東京大学(東大)は7月10日、食物アレルギーを発症させたマウスを用いて、アレルギー反応の原因となる「マスト細胞」が細胞膜の脂質から産生する「プロスタグランジンD2(PGD2)」と呼ばれる生理活性物質に、マスト細胞自身の数の増加を抑える働きがあることを発見したと発表した。同成果は、同大 大学院農学生命科学研究科応用動物科学専攻の中村達朗 特任助教、同 大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻の前田真吾 特任助教(研究当時:応用動物科学専攻)、同 大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻 博士課程2年の前原都有子氏、同大 大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻の村田幸久 准教授らによるもの。詳細は「NatureCommunications」に掲載された。食物アレルギーの患者数は全国で約120万人と言われているが、年々増加傾向にある。これまでの研究から、腸におけるマスト細胞の増加が、食物アレルギーの発症や進行に関与することが示唆されていたが、どのようにしてマスト細胞が増加するのか、そのメカニズムはよくわかっていなかった。そこで研究グループは、マウスに食物アレルギーを発症させ、その際の症状の悪化推移とマスト細胞の数の変化を調査。その結果、マスト細胞が造血器型のPGD2合成酵素(H-PGDS)を発現すること、H-PGDSを欠損させたマウスでは、マスト細胞の数が増加していることを確認。これにより、PGD2が、マスト細胞の増加を抑え、症状の悪化を防ぐ役割であることが示されたという。また、PGD2が産生できないマスト細胞などでは、血球細胞を強力に遊走させる生理活性物質「Stromal Derived Factor-1α(SDF-1α)」ならびに、細胞と細胞の隙間を埋めるコラーゲンなどを分解する酵素の1つで、炎症性生理活性物質を活性化する役割も持っている「Matrix metaroprotease-9(MMP-9)」の発現や活性が上昇していることが判明したほか、SDF-1αの受容体阻害剤や遺伝子欠損、MMP-9の活性阻害剤は、食物抗原に応答した消化管のマスト細胞増加と食物アレルギー症状を改善することが判明したとする。なお、今回の成果について研究グループは、SDF-1αやMMP-9といったマスト細胞の浸潤を促進する分子の発現を抑えることから、PGD2を標的とした食物アレルギーの根本治療への応用が期待されると説明しており、今後は、PGD2がどのようにマスト細胞の細胞内へ情報を伝達し、その浸潤を抑制するのか、その機序のさらなる解析を進めていく予定としている。
2015年07月13日東京大学(東大)は7月10日、超伝導回路を用いた量子ビット素子と強磁性体中の集団的スピン揺らぎの量子(マグノン)をコヒーレントに相互作用させることに成功し、ミリメートルサイズの磁石の揺らぎが量子力学的に振る舞うことを発見したほか、その揺らぎの自由度を制御する方法を開発したと発表した。同成果は、東大 先端科学技術研究センター 量子情報物理工学分野の中村泰信 教授(理化学研究所創発物性科学研究センター チームリーダー)、田渕豊 特任研究員(現 日本学術振興会 特別研究員)および同大 工学系研究科 物理工学専攻 修士学生の石野誠一郎氏らによるもの。詳細は米国科学振興協会(AAAS)発行の学術雑誌「Science」に掲載された。量子コンピュータや量子暗号通信といった量子力学の応用分野の1つに、情報処理と通信を統合した量子情報ネットワーク技術があるが、これを実現するためには、互いの間で量子情報を授受するためのインタフェースが必要となり、マイクロ波と光の活用が期待されている。しかし、量子状態をコヒーレントに転写する方法があり、その手法として、ナノ機械振動子や単独の電子スピン、常磁性電子スピン集団などを用いた研究が進められてきたが、強磁性体中のスピン集団に着目し、スピン波のエネルギー励起運動の量子であるマグノンを用いた研究はこれまでなかったという。研究では、強磁性絶縁体であるイットリウム鉄ガーネット(YIG)単結晶球の中のマグノンと共振器の中のマイクロ波光子の結合について調査を実施。その結果、絶対零度に近い状態において、共鳴スペクトルに反交差が見られ、両者のコヒーレントな結合が示されたという。また、1つのマイクロ波空洞共振器の中にYIG球とミリメートルスケールの超伝導回路上で動作する量子ビットを配置した実験では、超伝導量子ビットとYIG球上のマグノンの間のエネルギー量子のコヒーレントな相互作用の証拠を、真空ラビ分裂と呼ぶエネルギー準位の分裂として観測することに成功したとのことで、これにより量子力学的な基底状態ある強磁性体中のスピン集団と、超伝導量子ビットの間でエネルギー量子をコヒーレントにやりとりできることが示されたとする。今回の成果について研究グループでは、今後、超伝導量子ビットとマグノンの結合を用いて、強磁性体中の集団スピン励起の自由度であるマグノンの量子状態を自在に制御し、観測することができるようになることが期待されるとするほか、並行してマグノンと光通信波長帯光子との相互作用の研究も進めているとのことで、マグノンを介したマイクロ波と光の間の量子インタフェースの実現やそれを用いた量子中継器への応用を目指すとコメントしている。
2015年07月10日TVアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』に登場する「ブラック・マジシャン・ガール」が、コトブキヤが展開するフィギュアシリーズ「キューポッシュ」で立体化され、2015年11月に発売されることが決定した。現在「コトブキヤオンラインショップ」にて予約受付中で、価格は5,184円(税込)。"ブラマジ"の愛称で親しまれているブラック・マジシャン・ガールは、主人公・武藤遊戯のカードデッキのメインカードの1つ。愛用する「ブラック・マジシャン」の弟子で師匠と弟子の絆は強く、その特殊効果で墓地に眠る師匠の力を攻撃力に変えて戦うことも可能。『遊☆戯☆王』シリーズでも屈指の人気を誇るキャラクターで、コトブキヤからは2011年3月に1/7スケールのフィギュアが発売されている(2015年4月再販)。『キューポッシュ ブラック・マジシャン・ガール』は、シリーズ第5弾として2013年7月に一度発売されているが、今回は「Ver.1.5」として一部付属品と関節パーツをリニューアル。帽子はマグネットで着脱可能で、新規付属となる「魔法の筒」に加え、「魔術の呪文書」は支柱パーツを使って宙に浮いている様にディスプレイすることができる。セット内容は本体に加え、魔法の筒&エフェクトパーツ、杖、魔術の呪文書、表情パーツ3種(笑顔、ウィンク顔、はわわ顔)、差し替え用手首一式(平手、杖持ち手、ピースサイン)、専用ベース(足裏マグネット対応)、可動支柱一式(支柱×3、支柱用アーム、延長パーツ(細・太)、収納用チャック袋となる。商品価格は5,184円(税込)で、現在「コトブキヤオンラインショップ」にて予約受付中。商品の発売および発送は、2015年11月を予定している。(C)高橋和希 スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・NAS
2015年07月02日