松尾スズキ演出のミュージカル『キャバレー』が来年1月より上演。主演にミュージカル初挑戦となる長澤まさみが決定した。同作は、クリストファー・シャーウッドの小説『ベルリン物語』とジョン・ヴァン・ドゥルーンの戯曲『私はカメラ』を原作に、1966年、巨匠ハロルド・プリンスがミュージカル化。ヒトラー政権の台頭へと向かう時代を背景に、ベルリンのキャバレー「キット・カット・クラブ」のデカダンなショーと、歌姫サリーをはじめとする人々の恋物語を、絶妙な構成で描く。日本では1982年の初演以来、様々な演出、キャストで繰り返し上演されている。松尾演出の『キャバレー』は2007年、松雪泰子、阿部サダヲ、森山未來、星野源らの出演で上演。10年ぶりのリニューアル上演となる今回の公演は、歌姫サリーに長澤まさみ、キャバレー、キット・カット・クラブのMCに石丸幹二、サリーの恋のお相手クリフに小池徹平を迎え、新演出でお贈りする。出演決定に際し、長澤は「ミュージカルの出演は今回が初めてなのですが、またひとつ女優として新たな一歩を踏み出してみたく、挑戦することにしました。以前から松尾さんの舞台に出るのが夢だったので、松尾さんの演出を受けられる事が今から楽しみです。経験豊かな共演者の皆さんにも助けをもらって素晴らしい公演になる事を期待して進んでいきたいです。不安やプレッシャーも有りますが、何よりも楽しんでより多くのお客様に松尾キャバレーを見て頂きたいです」とコメントを寄せている。ミュージカル『キャバレー』は2017年1月に東京・EX THEATER ROPPONGI、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場ホールで上演。2月より大阪、宮城、愛知、福岡を周る。
2016年08月08日俳優・小池徹平と三浦春馬が21日、都内で行われた主演舞台『キンキーブーツ』の囲み取材に登場した。同作は、2005年公開のイギリス映画を2013年にミュージカル化した作品。トニー賞最多となる13部門にノミネートされ、作品賞、オリジナル楽曲賞など6部門を受賞した。経営不振の靴工場の息子・チャーリー(小池)が、ドラァグクイーン・ローラ(三浦)のアドバイスを受け、工場を立て直していく。小池は第一声から「春馬の変わりっぷり、驚かれるんじゃないですかね」と三浦の姿を紹介。光を受けて輝く真っ赤なドレスに身を包み、作中で”一番低い”と言われる約12cmのヒールを履いて登場した三浦は「生でこの姿を見ていただきたいです。ぜひ」と自信を見せた。豪奢な衣装について三浦は、「日本中や海外から取り寄せた素材を集めて奮闘してくれました」とスタッフに感謝し、ターンして全体を見せると、取材陣からも「フゥ~」と歓声が上がった。「自分の体型を採寸して、より魅力的に見えるように考え抜いてくださった衣装の数々を、披露できるのが楽しみです」と意気込みを語った。毎日ヒールを履き続けたという三浦は、「ヒールに適した筋肉になりつつあったんじゃないかなと思います」と語り、「専属トレーナーの方に『ヒールを履いてるおしりになってきたね』と言われた」と明かす。小池も「女の人に思えてくるというか、変な錯覚に陥ってくるくらい。管理は相当大変だと思いますね」とうなずいていた。同舞台は8月6日まで東京・新国立劇場、8月13日から22日まで大阪・オリックス劇場で上演され、8月28日から9月4日まで東急シアターオーブでの東京凱旋公演を予定している。
2016年07月21日俳優・小池徹平と三浦春馬が30日、都内で行われた主演舞台『キンキーブーツ』の公開稽古に、共演のソニンとともに登場した。同作は、2005年公開のイギリス映画を2013年にミュージカル化した作品。トニー賞最多となる13部門にノミネートされ、作品賞、オリジナル楽曲賞など6部門を受賞した。経営不振の靴工場の息子・チャーリー(小池)が、ドラァグクイーン・ローラ(三浦)のアドバイスを受け、工場を立て直していく。稽古では「Step One」「Sex Is In The Heel」の2曲を披露。三浦は12cmのヒールを履いて腰をくねらせ、セクシーなポーズも随所に盛り込まれた激しいダンスを見せた。三浦のセクシーな様子について、小池は「かっこいいんですよ、本当に」と称賛。「絡むシーンが多いので、触られると、ハッとはなりますね。ヒールを履くと、これよりさらにでかくなるので、迫力が。圧倒される感じはありますね」と印象について話す。三浦は「歩き方が1番、粗が出るところで、まだまだ課題の一つ」と謙遜しながらも、「女性の仕草を細かく見ています。ヒールを履いているとなおさら。目線が強くなりましたね」と、意識の変化を語った。2人は初共演となるが、小池は「めっちゃ楽しいですね。初めてな感じがしない」と笑顔に。三浦は小池について「実はみんなのことを見てくれている」と感謝。そして「(小池が)『そんなに頑張んなくていいんだよ春馬』と。『お前の役どころは難しいんだから、プライベートでみんなを引っ張ろうという気持ちは嬉しいけど、余計なことを考えないで頑張れ。もっと体の力を抜きなさい』と言ってくれた」と、稽古中のエピソードを明かした。ソニンも「その2人が熱く語ってるのを、遠目でちょっと見ています」と言うと、小池は俯いて照れた様子を見せた。東京公演(新国立劇場)は、7月21日~8月6日、中劇場、大阪公演(オリックス劇場)は8月13日~22日、東京・凱旋公演は8月28日~9月4日を予定。さらに、10月には来日版の公演も予定している。
2016年06月30日テレビ朝日の松尾由美子アナウンサーが7日、東京・六本木の同局で行われた新バラエティ番組『橋下×羽鳥の新番組(仮)』(11日スタート、毎週月曜23:15~24:15 ※一部地域を除く)の制作発表会見で、橋下徹と羽鳥慎一からの突っ込みにタジタジとなった。この番組は、早稲田大学の同級生である前大阪市長の橋下とフリーアナウンサーの羽鳥がタッグを組み、3月に放送された特番で実施した3つの"お試し企画"から展開していくもの。初回は、ゲストが"今の日本はここがおかしい!"と思っていることを訴える「橋下さん!日本のこんな所オカしくないですか?」を放送し、尾木直樹、加藤紗里、小島慶子、テリー伊藤、東国原英夫が登場する。会見では羽鳥が「バンバンバンバン本音を橋下さんにぶつけていただいて、良い意味で"キレて"もらおうと思ってます」と見どころを紹介。これに松尾アナが「見たかったです…」と過去形で言うと、橋下が「なんか心が入ってないですね(笑)」とダメ出しし、羽鳥も「ビジネス司会ですね」と突っ込んだ。松尾アナは、これにめげず「本当に楽しみです!」と期待を語るが、橋下は「本当に? (3月の特番)見てないでしょ」と疑いの目。松尾アナは「見ましたよ!」と反論するが、「リアル(タイム)で見てないでしょ?」と問いつめられると、「録画…」と白状し、さらに橋下から「早送りしてポイントだけ見てるんでしょうね」と畳みかけられてしまった。さらに、松尾アナが慌てて進行しようとすると、羽鳥から「松尾さん用事あるんですか?」、橋下から「終わりたいんですかね」と疑われ、羽鳥の「橋下さんに1つでも意見を言ってもらおうと思ってます」という抱負に対し、ワンテンポ置いて「楽しみです!」と感想を言っても、橋下から「本当に心が無いですね」と言われてしまう始末。羽鳥は「私も"表面上のアナウンサー"と言われますけど、それを上回りますね」と、ある種の感心を示した。しかし、このまま引き下がる松尾アナではなかった。橋下が「羽鳥さんの情報番組は、(大阪府政・市政を)厳しく糾弾していましたが、それはそういう役割でやっていたので、(新番組では)同窓生という感じで楽しくやらせてもらってます」と円満なコンビぶりをアピールすると、松尾アナは「本当は(羽鳥に)『この野郎』って思ってるんじゃないですか?」と一撃。まさかの指摘に、橋下は「いやいやいや、思ってないですよ(笑)」と笑顔で否定していた。
2016年04月07日舞台演出家・G2とパフォーマー・松尾貴史の演劇ユニット、AGAPE storeによる新作舞台『七つの秘密』が1月15日より東京・紀伊國屋ホールで上演中。【チケット情報はこちら】AGAPE storeは1998年の結成後、毎回多彩なゲストを迎え、中島らも、後藤ひろひと、倉持裕らの作品を上演。2010年に活動を休止していたが、一昨年活動を再開、同作が活動再開の第2弾公演。放送作家・映画監督としてマルチに活動する細川徹が脚本を務め、シルビア・グラブ、池田純矢、東加奈子、坂田聡、宮崎秋人、大高洋夫のキャストが松尾の脇を固める。物語の舞台はとある小さな会社。明かりの消えたオフィスで、何やら不審な動きをしているのは事務の市川(松尾)。そこに何も知らずにやってきたのは経理の川島(シルビア)。“一体なぜ、こんな時間に!? まさか自分の秘密を知られたのでは?”と互いに焦るふたり。その夜以降、ギクシャクするふたりの様子に、営業の黒木(東)は疑惑の目を向ける。そんな黒木と市川の会話をたまたま耳にしてしまった経理の鈴木(宮崎)。“えっ、あのふたりって…!?”しかし鈴木、そして課長の溝口(大高)や事務の勅使河原(池田)にもそれぞれ別の秘密があり・・・。開幕に際し、松尾は「ご来場、誠にありがとうございます。嬉しゅうございます。今回はまた、いつにも増してご覧いいただき後に何も残らない無農薬、有機農法のデトリックス公演です。もしチャンスがあれば二度、三度ご高覧頂きますと、さらにカタルシスを感じていただけることと信じて止みません。#拡散希望です」とコメントを寄せている。AGAPE store『七つの秘密』は1月24日(日)まで、東京・紀伊國屋ホール、1月29日(金)から31日(日)まで大阪・近鉄アート館で上演。現在、東京公演の当日引換券、大阪公演の前売り券が発売中。
2016年01月20日松尾貴史と演出家のG2が結成した演劇ユニット“AGAPE store”が5年ぶりに活動を再開して1年。復活公演の第2弾が、2016年1月に上演される。多彩な顔ぶれで紡ぎ出すのは、とある会社で繰り広げられる、秘密を抱えた男女7人の物語。その内容を、松尾とともに、キャストの池田純矢、宮崎秋人が稽古場で語ってくれた。題して『七つの秘密』なる舞台は、ちょっと面白いことになりそうだ。AGAPE store『七つの秘密』チケット情報1998年に結成して以来、コメディ、翻訳劇、ホラーもの、時代劇など、あらゆるスタイルで上演を続けてきたAGAPE storeが、今回脚本に迎えたのは、コントユニット「男子はだまってなさいよ!」主宰の細川徹。松尾曰く、「僕もG2も年齢を重ねると知らず知らずのうちに重くなってしまうので、ポップでナンセンスでサブカルの匂いのする作風の方がいいなと」細川に依頼。でき上がったのは、それぞれに抱えている秘密が連鎖して、人間関係に大混乱が生じ、「いい大人がバカな状況に陥って、ただただ大人ってダメだなぁと思う芝居(笑)」(松尾)である。確かに、池田演じる“自分をカッコいいと思っている男”や宮崎の“真面目だが存在感が薄い男”など、キャラクター設定だけでもおかしみが漂う。だが、だから演じるのは難しいと池田と宮崎は声を揃える。「いい意味で何も考えずに表面的に楽しめる作品だからこそ、そこへ到達するまでには迷路がいっぱいあって。でも、お客さんにはその難しさは一切感じさせずにただ笑ってもらいたいので、役者としてはかなり頑張らないといけない」と池田が言えば、宮崎は「笑いというものに向き合うのも、こういう小劇場の芝居をやるのも初めて。これまでは熱くエネルギーを出して伝えるようなお芝居が多かったので、肩の力を抜いてその場にいられるようにならないと」と自らを鼓舞。松尾が「特筆すべきダメさ」と語る役をどう見せるのか楽しみである。AGAPE storeでは、「ゆるく楽しめるものを」と考えている松尾。今回も「社会的なメッセージもなければ、明日から頑張って生きようと思うようこともない(笑)」と強調する。「ただ、くだらないことで笑っていられるというのは、自由で平和な証。どんどん“物言えば唇寒し”になっていくなかで、こんなふうにいろんな価値観がある世の中っていいよねという認識が広がっていくことも、表現の役割のひとつじゃないのかなって、ぼんやりと思ってるんです」。年明けから笑える幸せを、ぜひ噛みしめてほしい。公演は1月15日(金)から24日(日)まで東京・紀伊國屋ホール、1月29日(金)から31日(日)まで大阪・近鉄アート館にて。チケット発売中。取材・文:大内弓子
2015年12月28日5月26日に開催されたNVIDIAの「ディープラーニングフォーラム2015」において、東京大学の松尾豊 准教授が「人工知能の未来-- ディープラーニングの先にあるもの--」と題して講演を行った。人工知能のこれまでの歴史から、最新のディープラーニングの研究状況、そして、その先に来るものについて分かりやすく説明されており、非常に参考になる講演であった。○これまでも2度、ブームが起こっていた人工知能研究脳は電気+化学変化で情報処理を行っているマシンである。とすれば、プログラムで脳の機能を実現できるはずという考えから、研究が始められ、1956年に「人工知能(Artificial Intelligence)」という言葉が作られた。1960年代には第1次AIブームが起こり、推論と探索で人工知能を実現しようとした。このアプローチは、解きたい問題を推論・探索問題として記述できるおもちゃ的な小さな問題は解けるが、大規模な実用的な問題は解けない。例えば、チェスや将棋、碁などはすべての手を探索すれば解けるはずであるが、場合の数が多く、現実には計算できない。このように、実用的な問題が解けないことから1970年代にはAI研究は下火になり、冬の時代に入る。1980年代になると、知識を教えてやれば、それをベースに推論と探索を行うエキスパートシステムが考案され、第2次のAIブームが起こった。わが国では、多額の研究費を投入して第5世代プロジェクトが行われた。知識を記述して教え込めばAIシステムは賢くなり、伝染性の血液疾患の診断を行うMYCINなどのエキスパートシステムが開発された。しかし、知識を記述するルールが数万にもなると、書ききれない、メンテナンスができないなどの問題が明らかになってきた。また、対象が広がると、一般的な常識が必要となり、教える知識が爆発的に多くなってしまうという問題があるという。"He saw a woman in the garden with a telescope."は、文法的には、彼は庭にいる彼女を望遠鏡で見たとも、彼は望遠鏡を持って庭にいる彼女を見たとも訳せる。常識的には前者が正しそうだが、なぜ、それが分かるのか? そして、これをどのようなルールとして記述して人工知能に教えられるのかというような問題が起こる。また、どこまでの因果関係を考えるのかというフレーム問題がある。将棋のゲームならルールの範囲の手だけを考えればよいが、駒を置く音が周囲に与える影響や駒の移動に伴う重力場の変化の影響まで考え始めるとキリがない。しかし、なぜ、これらを無視して良いのか、その知識をどのように記述するかという問題も出てくる。さらに、人間は、縞と馬の知識があれば、動物園で初めてシマウマを見た時にも、これはシマウマと分かるが、シマとウマという言葉とその実体との対応が分かっていない(シンボルグラウンディングング問題)コンピュータには、このようなことはできない。知識を書けば賢くなるが、知識を書くのがとても大変というか、これって本当にできるのか? ということで1995年ころからAI研究は下火になり第2の冬の時代に突入した。これまでの人工知能の壁は、表現の獲得の壁で良い特徴量とそれによって定義される概念を作る作業はコンピュータには出来ず、人間がやるしかなかった。(次回は6月1日に掲載予定です)
2015年05月29日“鬼才”松尾スズキが監督、松田龍平が主演を務め、「ぼのぼの」で知られるいがらしみきお原作の人気漫画を映画化した『ジヌよさらば~かむろば村へ~』。このほど、松尾監督が直感的に繰り出す“ムチャぶり”ともいえる演出に、松田さん始め、二階堂ふみ、片桐はいりら豪華キャストたちが翻弄され、時に困惑したり、大爆笑を見せるメイキング映像がシネマカフェに到着した。病院も学校も警察もない、東北のある過疎の村“かむろば村”を舞台に、お金に触るだけで失神してしまう前代未聞の“お金恐怖症”になってしまった元銀行マン、タケ(松田さん)が、“ジヌ”=銭(ぜに)を一切使わないで生きていくことを決心する、ちょっぴりリアルでシュールな物語。今回到着した映像内では、松尾監督が松田さんに対し、「アイドルみたいに可愛くやって」というムチャぶりをしたり、松田さん演じるタケが車を暴走させ、道に転がっている障害物を避けるシーンの撮影では、なぜか障害物が“白菜”という設定に変わったりして、終始、困惑気味の松田さんの表情が映し出されている。その一方、二階堂さんは”白菜”の追加設定に大爆笑。別の場面では、松尾監督の要求にキッチリ応える女優魂も見せている。また、片桐さんも、困惑しながらも抜群のコメディセンスで松尾監督の要求に応えるなど、爆笑必至場面の連続。これらのシーンが劇中ではどのように仕上がっているのか、とても楽しみなメイキング映像となっている。松尾監督が自らが執筆した台本上からしても可笑しなやり取りなのに、監督の直感でさらに演出が継ぎ足され、笑いが絶えなかったという撮影現場。演じてもらいたい動きを役者の前でやってみせたり、監督がひらめいたギャグやアクションが急きょその場で追加されたりと、独特の手法で構築されていった“松尾ワールド”。その世界に、『恋の門』以来、10年ぶりに飛び込んだ松田さんの困惑ぶりが見え隠れする姿は、一見の価値ありと言えそうだ。『ジヌよさらば~かむろば村へ~』は新宿ピカデリーほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジヌよさらば~かむろば村へ~ 2015年4月4日より全国にて公開(C) 2015 いがらしみきお・小学館/『ジヌよさらば~かむろば村へ~』製作委員会
2015年04月20日映画『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』の学生向け試写会が3月30日(月)に開催され、上映後には松尾スズキ監督によるトークセッションが行われ、学生たちの質問に答えた。松尾監督にとって『恋の門』、『クワイエットルームにようこそ』に続く3作目の映画監督作で、いがらしみきおの人気漫画の映画化。元銀行マンでありながら“お金恐怖症”に陥り、お金に触れるだけで失神してしまう主人公が過疎化が進む村でお金を使わない生活を実践するのだが…。本作では『恋の門』以来、10年ぶりに松田龍平を主演に迎えたが、松尾監督はその意図について「コメディであり、その中でもお金に触れただけで失神するという特殊な主人公で、いわゆる“2.5枚目”の俳優が小器用にやると安っぽいくなってB級ぽくなってしまう。そんなに笑いをやらない俳優がいいと思ったし、10年ぶりというのも悪くない、話題になるかなといういやらしい考えもありました(笑)」と説明する。10年の間に俳優として松田さんと仕事を共にすることはあったが、今回、久々に監督と俳優として対峙して「10年前は20歳くらいでそこそこコドモで、そんなに使い勝手の良い俳優ではなかったけど、その分、伸びしろがあって演出しがいがありました。今回、30代になって何もしなくても画がもつ、雰囲気や色気があっていい感じで成長したなと思いました」と語った。また、大学生を相手にしたトークということで監督の大学時代に話が及ぶと「九州の美術科のある大学で、課題も多かったし、劇研で芝居やったりしてました。バイトは新幹線の売り子をしたり、ぬいぐるみショーでキン肉マンとかやってました」と明かした。学生時代にやっておくべきことは?という質問には自身の学生時代をふり返りつつ「やってなかったとすれば合コンかな?どんな感じなんですか(笑)?」と学生に逆質問する一幕も。大学卒業後、一度は就職したが、退職してその後、自ら劇団「大人計画」を旗揚げしたが、当時、経済的なことや先行きに不安はなかったか?と尋ねられると「不思議となかったです」と語る。「景気がメチャクチャよかったので、どこにでも仕事は転がっているという、最後の幸せな時代で、暗い気持ちにはならなかった」とふり返った。とはいえ、バイトで生計を立てるも、決して苦労がなかったわけではないよう。「組織では生きていけないとつくづく思い知らされました。フリーターもうまくいかない。学生がバイトリーダーだったりすると、なけなしのプライドが傷つくんですよ」としみじみと述懐。この日のイベントはは、早稲田大学近くのホールで行われ、会場には早大生が多く足を運んでいたが「高田馬場のマクドナルドでバイトしたこともあったけど、早稲田の学生のバイトリーダーに何度も煮え湯を飲まされた(笑)」と恨みつらみを口にし、会場は笑いに包まれた。現在は「大人計画」の主催であり、演出家、脚本家、俳優、作家と多彩な活躍を見せるが、仕事における原動力を問われると「ひと口では言えないですね。(作品づくりが)最後にたどり着いたところであり、背水の陣で、これを失ったらもうないという根性がないとやっていけない。だから、つい仕事を入れすぎちゃって余裕がないんですよ」と苦笑交じりに語っていた。『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』は4月4日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジヌよさらば~かむろば村へ~ 2015年4月4日より全国にて公開(C) 2015 いがらしみきお・小学館/『ジヌよさらば~かむろば村へ~』製作委員会
2015年03月30日昨日より開幕したゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015のオープニング招待作品として『ジヌよさらば~かむろば村へ~』が上映され、主演の松田龍平と松尾スズキ監督が舞台あいさつに登壇した。その他の写真本作は、いがらしみきおの人気漫画『かむろば村へ』を原作に、ジヌ=銭と決別する宣言をした主人公が、なにも売らず、なにも買わずに生きていこうとする姿を描くコメディ。松田が現金に触るだけで失神してしまう“お金恐怖症”になってしまった元銀行マンのタケを演じ、阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、西田敏行、松尾スズキらが共演する。ゆうばり市民の熱い歓迎に松田は「北海道は撮影で初めて来ました。すごくアットホームな空気感と聞いていましたが、まんまとやられています。僕も仲間に入っていいですかという感じです」とコメントすると、松尾監督も「ゆうばり映画祭は非常に熱いお客さんたちばかりでありがたい」と付け加え、会場の歓声を集めた。また、舞台あいさつ後には夕張市の鈴木直道市長との鼎談を実施。松尾監督が今回オープニング作品に選ばれた理由を尋ねると、鈴木市長は「単純に面白い映画だということもありますが、夕張でこの映画を観るということで、考えさせられるものがあるんじゃないかと思います。(映画に登場する)かむろば村の設定が高齢者4割ということで、夕張市に似ているなと思いました」と地方行政の在り方などについても語った。ゆうばり国際といえば、ゲストが夕張に到着した際、黄色いハンカチを手にした市民が「おかえり」と出迎えてくれることが特徴のひとつ。松田も「黄色いハンカチを振ってくれるのは歓迎されていると思うし、緊張もほぐれる。ありがたいですね。夕張の人たちの愛情を感じましたね。みんなで夕張を盛り上げようかなという感じがありますね。何かのために自分を犠牲にするのではなく、楽しんでいることが映画祭のいいムードを作っている。それは本当に大切なこと。どんなに来る人を歓迎していても、自分が楽しまないと楽しくない。(出迎えのおばちゃんたちが)仮装したりして、自分から楽しんでいるのが伝わってくるからいいですよね」と感激した様子だった。なお、劇中で“お金恐怖症”の主人公・タケが現物支給や物々交換をしながら生計をたてようとする事になぞらえ、全国各地の劇場スタッフと物々交換をする“わらしべ長者キャンペーン”が本日からスタート。タケの田んぼで実際に収穫された“ほでなす米”からスタートし、最後の東京では一体何に変わるのか? その動向にも注目していただきたい。『ジヌよさらば~かむろば村へ~』4月4日(土)より新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー
2015年02月20日松尾スズキが監督を務め、『恋の門』以来10年ぶりに松田龍平とタッグを組む映画『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』の予告編映像が公開になった。OKAMOTO’Sが手掛けた映画主題歌『ZEROMAN』も登場する。『ジヌよさらば~かむろば村へ~』本作は、いがらしみきおの人気漫画『かむろば村へ』を原作に、ジヌ=銭と決別する宣言をした主人公が、なにも売らず、なにも買わずに生きていこうとする姿を描くコメディ。松田が現金に触るだけで失神してしまう“お金恐怖症”になってしまった元銀行マンのタケを演じ、阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、西田敏行、松尾スズキらが共演する。本作の舞台になっている“かむろば村”は、過疎の村で、公共交通がなく村長が自らバスを運転して村人を運んでいるような田舎だが、なぜかそこには奇妙な人々がたくさん暮している。村長の与三郎(阿部)と妻の亜希子(松)はタケの面倒を見てくれる優しい夫婦だが、高校生の青葉(二階堂)はチンピラ風の男とつるんでおり、“神様”を自称するなかぬっさん(西田)や、村長選挙の裏で暗躍する勢力、突然、村に姿を現した謎の男(松尾)ら強烈なキャラクターが次々に登場。金を一切使わないと決めたタケは、彼らの間を行き来しながら、まだ誰も実現していない“ジヌなし”生活に挑む。『ジヌよさらば~かむろば村へ~』4月4日(土)より新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー
2015年02月18日松田龍平が主演する松尾スズキ監督の最新作『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』の舞台あいさつ付プレミアム上映が、2月20日(金)に札幌シネマフロンティアで行われる。本作は、同時期に開催される『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015』のオープニング招待作品に決定した話題作だ。その他の写真映画は、いがらしみきおの人気漫画『かむろば村へ』を原作に、ジヌ=銭と決別して生きることを宣言した主人公が、なにも売らず、なにも買わずに生活しようとする姿を描くスラップスティックコメディ。札幌シネマフロンティアで行われる舞台あいさつ付プレミアム上映には、松田、松尾スズキ監督が登壇する。チケットは、プレリザーブ(先行抽選)が1月31日(土)より受付開始。一般発売は、2月7日(土)よりスタートする。『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015』2月19(木)から2月23日(月)まで開催『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』舞台あいさつ付プレミアム上映2月20日(金)会場:札幌シネマフロンティア18:00の回上映前/舞台あいさつ登壇者(予定):松田龍平、松尾スズキ監督料金:2000円(税込)プレリザーブ:1月31日(土)11:00AM~2月4日(水)11:00AMまで一般発売:2月7日(土)10:00AMより
2015年01月29日松尾スズキが監督を務め、『恋の門』以来10年ぶりに松田龍平とタッグを組む映画『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』の特報が解禁された。『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』特報映像本作は、いがらしみきおの人気漫画『かむろば村へ』を原作に、ジヌ=銭と決別する宣言をした主人公が、なにも売らず、なにも買わずに生きていこうとする姿を描くスラップスティックコメディ。松田が演じる主人公は、現金に触るだけで失神してしまう“お金恐怖症”になってしまった銀行マン・タケ。前代未聞の深刻な病を患った彼は、銀行の仕事を続けられなくなり、逃げるように山奥にある小さな村・かむろば村へ転がり込む。そこでタケは「一銭も使わずに生きていく」と宣言するも、村人たちは突然やってきて妙なことを口走る青年を奇異な目で見る。このほど公開された特報映像には、クセの強い村の住人を演じる阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、西田敏行、松尾スズキらも登場。病院も学校も警察もない過疎の村で、現代の生活に必要不可欠な携帯、電気、そしてお金を使わず、タケはどのように生活していくのか? 毎作、観客をアッと驚かせる設定とキャラクターを用いて、観る者の常識や虚栄心や嘘を容赦なくはぎとってきた松尾スズキが“ジヌ=銭”を使ってどんな世界を作り出し、どんなメッセージを描き出すのか気になるところだ。『ジヌよさらば~かむろば村へ~』2015年4月4日(土)より新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー
2014年12月26日クリエイティブディレクター、ニゴー(NIGO(R))と「ダブルタップス(WTAPS)」のディレクター、西山徹が手がける新アパレルブランド「ダウトフル アズ ダブル(DOUBTFUL AS DOUBLE(R)」が、東京・表参道にあるファッション複合ビル・ジャイル(GYRE)のギャラリースペース・アイ オブ ジャイル(EYE OF GYRE)にて展覧会を開催中。期間は12月13日から2015年2月15日まで。15SSコレクションをシーズン0として2015年3月よりスタートする「ダウトフル アズ ダブル」。同展覧会では、その先駆けとして、ものづくりの本来の形を表現したというコレクションやアートワーク、展覧会の舞台裏や80年代サブカル談義を収録したビデオプログラムなどを公開。更に、同展覧会限定で、15SSコレクションでリリースする5種類のグラフィックTシャツも先行発売する。【イベント情報】NIGO(R) & TETSU NISHIYAMA DOUBTFUL AS DOUBLE(R)展 ~2ドル札のように疑わしい~会場:アイ オブ ジャイル(EYE OF GYRE)住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 ジャイル(GYRE)3階会期:12月13日から2015年2月15日時間:11:00から20:00(12月31日は18:00まで)休館日:1月1日
2014年12月14日藤原ヒロシがディレクションする「ザ プール アオヤマ(the POOL aoyama)」(東京都港区南青山5-12-24シャトー東洋南青山1階)に、「ダブルタップス(WTAPS)」の西山徹をディレクターに迎えたテンポラリーショップ「オリーブ(OLIVE)」が9月13日にオープンする。「オリーブ」をテーマにインスパイアされた色や言葉を可視化し、緑のシェルターを設置した店内では、「フラグメント デザイン(fragment design)」と「エヌハリウッド(N.HOLLYWOOD)」がコラボレーションしたMA-1ジャケット「モディファイド(Modified)“V”」(18万円)を限定発売。「フライトジャケットの名品、MA-1で何か面白いことができないか」ということからコラボが開始し、実際に米軍が使用していたビンテージの「MA-1(8279)」の初期型(8279A)から最終モデル(8279F)までのラインアップを軍正式採用には存在しなかったダークブラックに染め上げ、ボディ以外の全パーツを外しオリジナルパーツにリビルトした。コラボレーションサインとして、エヌハリウッドのミリタリーカテゴリー「エヌハリウッド テストプロダクト エクスチェンジサービス(N.H. TPES)」のホワイトラベルと、フラグメントデザインのブラックピスネームをインサートし、左腕にハンドペイントによるカリグラフィーが施されている。
2014年09月12日俳優で演出家の江守徹が、ローランド・エメリッヒ監督の最新作『もうひとりのシェイクスピア』を「これはもうひとつのシェイクスピア劇だ」と絶賛している。イギリスを代表する劇作家シェイクスピアによる名作の数々は、実際には別人が書いていた…。そんな大胆な仮説に切りこむ歴史ミステリー。江守は俳優として、舞台『オセロ』『マクベス』『リチャード三世』といったシェイクスピア作品に出演。また、初の演出作品に『ハムレット』を選ぶなどシェイクスピアに造詣が深い。その他の画像映画は現時点でシェイクスピアの名作を代筆した“最有力候補”と目される貴族作家・オックスフォード伯が自身の名誉を封印した物語を、エリザベス一世との愛憎、宮廷を舞台にした政治謀略の渦などを交え重厚に描く。江守は「エリザベス女王役のヴァネッサ・レッドグレイヴに先ずはびっくり」と現在75歳のベテラン女優にも賞賛の声を寄せる。江守をはじめ、各界の著名人も本作を絶賛しており、シェイクスピアの4大悲劇として知られる作品『リア王』『ハムレット』『オセロ』『マクベス』を全て演じた歌舞伎俳優の松本幸四郎は「“もうひとり”の存在によって、シェイクスピア作品はより魅力的に甦る。歴史、恋、政争…すべてにリアリティがもたらされた」と賛辞を送る。また、宝塚歌劇団出身の麻実れいは、「魅力的な歴史ミステリー。美しく華やかで面白く、この映画そのものがシェイクスピアでした!」とこちらも手放しの高評価。さらに、彩の国シェイクスピア・シリーズの企画委員長である河合祥一郎氏は、著書『謎ときシェイクスピア』(新潮社刊)で“別人説”を否定こそしているが、「シェイクスピア通をうならせる仕上がり。史実の奇想天外な解釈に仰天しつつ楽しみました」と映画そのものの完成度に舌を巻いている。『もうひとりのシェイクスピア』12月22日(土)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー文:内田 涼
2012年12月17日1991年に悪人会議プロデュースとして上演され、1998年には日本総合悲劇協会公演として再演、演劇界を超えてカルチャーシーンに衝撃を与えた松尾スズキ(作・演出)の『ふくすけ』。薬剤被害や宗教ビジネス、テロ行為に没入する人々など、世紀の変わり目を経てなお“今の物語”であり続け、生温かいヒューマニズムをも笑いつくす伝説的作品だ。実に14年ぶりの再々演となる今回は、古田新太や多部未華子、大竹しのぶら豪華メンバーに、阿部サダヲ、皆川猿時、平岩紙ら大人計画の劇団員も出演する最強のキャスティング。某日、宣伝写真撮影中の都内のスタジオで松尾の話を訊いた。『ふくすけ』チケット情報スタジオに到着すると、ちょうど古田が撮影中。劇中ではさえない中年男を演じる古田だが、撮影は作品自体のビジュアルイメージということで、ネックレスを胸元にチャラチャラと光らせた服装で不敵に立つ。見ている松尾から思わず「脂が乗ってるよね」という言葉が漏れ、その圧倒的な存在感にスタッフ全員が引き込まれる。次に衣裳を身につけた阿部がフラリと現れ、スタジオの中央へ。指の爪をかじりながらカメラに視線を向ける様子はどこまでが阿部自身で、どこからが阿部が演じるフクスケなのか分からないほど。キュッと細められた阿部の瞳を見ているうちに、本番で見られるであろうフクスケの物語が俄然楽しみになってきた。今回のキャストについて松尾に訊くと、「あえての地味な男の役を見たかった古田さんに、絆と尊敬を感じている大竹さん。毒々しい舞台に透明感を放ってくれるであろう多部さんと、理想のキャスティング。あとは、フクスケの哀しみを出せるのはこいつしかいねぇな、と阿部(笑)」との答えが返ってきた。その最強キャストで迎える14年ぶりの上演については「初演はバブル景気の頃で、世の中の浮かれ気分に対する20代の自分の“怒り”を込めて作っていたんです。でも今は状況が違う。日本全体が不景気だし、発散しきれない怒りや諦めとかで覆われてるでしょう。実は前回、30代後半で再演した時に、初演とは別の手応えを客席から感じたんです。“怒り”って人間の根源的な部分だと思うし、年代によっても感じ方は違ってくる。だから40代最後に演出する今回、『ふくすけ』を通して感じられる怒りを普遍的なものとして受け止めてもらえるかどうか。それを見極めたいという思いがあります」と語った。生の舞台はリアルと地続きだからこそ、そのときどきに形を変える。本作が常に“事件”であり続ける理由を、ぜひ劇場で確かめてほしい。公演は8月1日(水)から9月2日(日)まで東京・Bunkamuraシアターコクーン、9月6日(木)から13日(木)まで大阪・イオン化粧品シアターBRAVA!にて上演される。なお、チケットは東京・大阪とも6月3日(日)10:00より一般発売開始。また、チケットぴあではWEB先行抽選を東京公演は5月24日(木)11:00まで、大阪公演は5月23日(水)11:00まで受付中。取材・文佐藤さくら
2012年05月22日2年連続で国際エミー賞にノミネートされるなど、人気だけでなく高評価も得ているNHKのコント番組が、ついに映画化!こちらを記念して、新キャスト・小池徹平のインタビューをお届け!●放送開始から足掛け8年目になる「サラリーマンNEO」ですが、小池さんはこの劇場版で初参戦ですね。オファーをいただいた時点で番組に関する知識がゼロに近い状態だったので、“コント番組の映画化って、どういうことだろう?”と困惑しました。しかもキャストが実力派の俳優さんばかりと聞いて、さらに混乱して…。最初に台本を読んだときの感想は“理解できない”でした(笑)。●ワケのわからないキャラが突然、出てきたりしますからね。だから、まずは勉強しないといけないな、と。シーズン5までのDVD-BOXを2週間くらいかけてイッキに観ました。●関西人の小池さんにとって、ほぼ標準語で芸人を起用しないコントは、いかがでした?もともと、こういったサラリーマン系のコントが大好きなんですよ。だから、DVDを最後まで見終えたときにはすっかりファンになってしまいました。そこで改めて台本を読み返してみたら、今度は“なんて面白い作品に、巡りあえたんだ!”という感動が(笑)。●新城はNEOのことを知らない観客にとっての、先導役のような役目も担っていますね。ドラマとコントを繋ぐための重要なポジションですね。だから僕は個性派たちの中にあって、あえて普通に徹することで観客と作品のパイプ役になることを意識しました。●普通でいることの難しさもあったのでは?川上くん(沢村一樹)のような面白キャラが横にいると、引っ張られそうになっちゃいますからね。そこは前に出たい気持ちをぐっと抑えて。本当はツッコミたいんですよ。ボケをほっておけないタイプなので(笑)。●新城単体のギャグでは、太鼓の達人を叩くシーンが印象的です。あれ、めちゃくちゃ練習したんです。手の皮がむけるくらい何時間も何時間も。最終的には音楽を聴きながらエアーで叩けるレベルまでいきました(笑)。●不本意ながらNEOビールに入ったことでアンニュイな表情だった新城が、働くことの楽しさに目覚めていくという点が、ストーリーのキモになっていますね。そのためにも前半でキャラを立たせておくことを意識しました。最初はどこか同僚や先輩を見下す感じで、中盤からは皆と歯車が合ってきて、終盤の居酒屋のシーンにつながっていく。僕、あの居酒屋のシーンが大好きなんです。自分のやっている何気ない仕事がサラリーマンたちに元気を与えているんだと実感する…。人間臭くて、とてもいいんですよね。●完成した映画を観て、イチNEOファンとしての感想は?ちゃんと1つの話になっていてよかった(笑)。ドラマとコントが上手く混ざり合っていて、最後は元気をもらえる作品になっていたし、オチもNEOらしくて、よかったと思います。●続編もぜひ観てみたい!いいですね! 今度は全然ジャンルの違う会社を舞台にして、まったく違う役をやってみたい。NEOの世界観なら、なんでもアリですから。作品情報『 サラリーマンNEO 劇場版(笑) 』監督:吉田照幸出演:小池徹平、生瀬勝久、伊東四朗、大杉漣、篠田麻里子、郷ひろみ、麻生祐未、宮崎美子、平泉成、沢村一樹、田口浩正、中越典子、入江雅人、堀内敬子、マギー、山西惇、田中要次、八十田勇一、池田鉄洋、中山祐一朗、中村靖日、野間口徹、深水元基、原史奈、奥田恵梨華、金子さやか、中田有紀、コンドルズ、瀬戸カトリーヌ、冨士眞奈美配給:ショウゲート11月3日(木・祝)新宿ピカデリーほか全国ロードショー(C)2011「劇場版サラリーマンNEO」製作委員会
2011年10月31日NHKの中で異彩を放つ人気コント番組「サラリーマンNEO」が『劇場版サラリーマンNEO』として映画化されることが決定!さらに、小池徹平がこの劇場版に“新入社員”として参戦することも明らかになった。2004年に単発の実験的番組として開始された「サラリーマンNEO」だが、NHKらしからぬコント中心のコメディ番組として瞬く間に人気を呼び、2006年からレギュラー化。沢村一樹が当たり役の“色香恋次郎”として男の色気で次々と女性を魅了し、問題を解決していく“セクスィー部長”をはじめ、シュールなコントが絶大な支持を集め、2007年・2008年と2年連続で国際エミー賞にノミネートされる快挙も成し遂げた。もはやサラリーマンの定番ともなった、この異色のコント番組がついに映画化!かつての植木等主演の『無責任』シリーズや、西田敏行の代表作『釣りバカ日誌』シリーズのように、日本のサラリーマンに笑いと活力を授けるべくスクリーンに進出することに。オリジナル番組の世界観そのままに、ドラマ的ストーリーを加えてスケールアップした劇場版では、新入社員である小池さんとクセのある課長・生瀬勝久が、どうにも噛み合わない上司と部下のやり取りを展開。業界5位のビール会社NEOビールに入社した新入社員が、老け顔の同期・早川と共に理不尽な課長、5年も契約が取れない営業の川上らが揃う営業一課に配属されるのだが…。もちろん、沢村さんらオリジナルのメンバーも出演。個性的なキャラクターたちがスクリーンを所狭しと駆け回る。小池さんは「この作品で、みなさんに笑ってもらえるよう、少しでも元気になってもらえるよう、全力で取り組みたいと思っています。この気持ちが伝わる素敵な映画だと思うので、ひとつひとつ、一日一日を頑張ります」と熱い意気込みを語る。また、本作のプロデューサーからは、「日本の元気はサラリーマン・OLの元気から始まる。不景気や就職氷河期など我々が働く環境は決して楽とは言えません。そんな全ての働く人たちへの応援歌になれば良いと思い『劇場版サラリーマンNEO』を企画し準備を進めてきました。その最中に今回の大災害が発生しました。日本が置かれた状況はより厳しくなり、大きな悲しみを抱えることになりました。ただ、我々はいつまでも立ち止まっている訳にはいきません。『日本が元気を取り戻すには、まずサラリーマン・OLが元気にならなければ!!』との思いで制作を進めております。多くの方にせめてこの映画を観ている間だけでも、笑って少しだけ幸せな気持ちになって頂けたら幸甚です」と本作に懸ける思いを明かしてくれた。小池さんと言えば、ブラック会社(問題企業)に入社し、追いつめられつつも成長していく主人公のサラリーマンを演じた『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』で、スクリーンで強烈な印象を残したが、本作ではどんなサラリーマン姿を見せてくれるのか?生瀬さんとの強烈であろう掛け合いにも注目!『劇場版サラリーマンNEO』は11月、全国にて公開。■関連作品:劇場版サラリーマンNEO 2011年11月、全国にて公開© 2011「劇場版サラリーマンNEO」製作委員会
2011年04月13日その端正かつフレッシュな笑顔と人懐っこいキャラクターで、幅広い世代から高い支持を集める小池徹平。昨年公開された『ホームレス中学生』など、実年齢よりも若くて愛らしい役を演じることの多かった彼が、サラリーマンに変身!新境地となる主人公・マ男を演じた、“お仕事” エンターテイメント『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』を通して垣間見える、彼の“仕事愛”とは――。第一印象は「タイトル長い!」何を置いてもタイトルのインパクトが先にくる本作だが、台本を受け取ったときの小池さんの感想も「まず、非常にタイトルが長いなと(笑)」とのこと。「“ブラック会社”だから、重い映画なんちゃうかな?と思いながら読んだのですが、実際はタイトルとは全然違う中身で。マ男という青年は良くない環境の中で耐えて頑張っていくという役で、いじめられたりもするけど、それが変に重たくもなく、間にCGや完全に笑いのシーンが入ってたので、いい意味で軽く観られる映画になるかなと思いました」。ニート歴8年、引きこもりという一人の世界から、会社という集団社会へと飛び出すマ男。急激な環境の変化に立ち向かうマ男という役に、小池さんはどうアプローチしたのだろう?「“ニート”の捉え方は人によって違うと思うんですけど、今回は分かりやすい表現にした方が、マ男が徐々に成長していったときとの差がつけやすいと思って、髪もボサボサでだらしない、ただ資格を取ったことがすごいというような、小さな世界で満足しているような男を演じようと思ったんです。ちょうどこの撮影の前に、(佐藤祐市)監督とは別の作品で仕事していたので、いい意味でフランクな状態で撮影に入れました。何でも悩みをぶつけられたので、衣裳合わせの段階で話し合いをして、自分の中で役を固めることができましたね」。佐藤監督(『キサラギ』)の得意分野であるシチュエーション・コメディ方式で、“会社”という狭いシチュエーションの中で物語は進行する。いわば擬似“会社”体験を通して、小池さんが感じたことは?「勤める場所によって、こんなにも自分のやりたいこともできない人がいたり、こんなにつらいことってあるんだなって思いました。役者の仕事をしていると、いろんな人に会う機会があるけど、会社勤めのサラリーマンの方は何年もずっと同じ場所で同じ人たちと一緒に仕事をするという環境で大変だなと。僕は耐えられないなと思ったし、あらためて俳優の仕事をやってて良かったなと感じましたね」。とは言え、俳優という仕事でも当然のことながら、上下関係、人間関係での苦労もなきにしもあらず。もし、悪態をつくだけのリーダー(品川祐)や出世欲の塊・木村(田中圭)のような同僚がいたら…?「あんなのがいたら嫌ですよね(笑)。リーダーとかずっと『バカバカ』言ってるし、木村くんも嫌らしい奴じゃないですか?絶対イヤですね。はっきり『お前嫌い!』とか言いそうで、耐えられないですね。でもそれが本当に自分がやりたい仕事だったら我慢できるけど…、あの環境はひどいですよ。僕はマ男より意志が弱いかもしれないですね。マ男はすごいと思いますよ、ほんまに強いですよね!」。意外にも(?)感情を素直に出してしまう様子の小池さんだが、そういう“人間関係”で言うと、今回の撮影現場はいっさい気を遣うことはなかったとのこと。「本当にみなさん自由な方で、B型の集まりみたいな(笑)。話をしている途中でも漫画を読みたくなって、急にスタジオの中に入っていって読みに行ったりする人がいたり。まとめ役は監督しかいないですよね」。「働くことが好き!」その原動力は支えてくれるファンの存在そもそも、何のために働くのか?人間関係、やりがい…そんな根本的な質問が自らに返ってくる本作。「働くことが好き」と迷わず語る小池さんだが、その原動力はどこから来ているのだろうか?「やっぱりファンの人たちに支えられているのが大きいです。僕も何かを与えたいと思いますし、みなさんがそれに対して応えてくれてるのですごくいい関係だと思うんです。支えられて頑張れるというのは、本当にあると思います。それを踏まえた上で言えば、身近にいるマネージャーの存在は大きい。家族や友達に言えないことを言えますし、仕事の悩みとか、現場での自分を一番見ているので、どういうふうに持っていこうという目標がちゃんと見えてる仕事のパートナーです。体調面からメンタルの面も支えてくれる存在ですし、多々助けられてます」。この映画が観る者を前向きにさせてくれるのは、何よりもそんな小池さんのストレートなエネルギー。それでは、小池さんがこれから目指す“仕事”は?「これって限定すると、それしか出来ないような役者になるのはすごく嫌で。去年『ホームレス中学生』で13歳の役をやったときに、実年齢よりも10歳下の年齢ということで大丈夫かなと思ったんですけど、実際に撮影して完成したときに、すごくいい作品になったので、はなから『無理』って思うのは良くないなとそのときに思ったんです。そう言った時点で可能性を狭めるような気がするので、いただける役はどんどんやりたいし、経験した上で自信を持てたら、自分のやりたい役が見えてくるのかなと思います。『限界』って言ってしまったら限界ですからね」。■関連作品:ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない 2009年11月21日よりシネクイントほか全国にて公開© 2009 ブラック会社限界対策委員会■関連記事:会社員のホンネをチェック!『ブラック会社』レビュー・コンクール大賞決定小池徹平&マイコ、田辺誠一らが語る、“限界”&“仕事”とは?撮影現場映像が到着映画の伏線も見え隠れ『ブラック会社に…』スピンオフドラマで基礎知識をおさらい小池徹平&マイコ、お仕事楽しくやるコツは「オフで完全にダラけること」?秋の注目作!『ニュームーン/トワイライト・サーガ』鑑賞券&『ブラック会社…』グッズをプレゼント
2009年11月19日