桝谷浩太著『初めてでも安心! 失敗しない家の売り方・買い方』2023年2月7日刊行株式会社あさ出版(代表取締役:田賀井弘毅、所在地:東京都豊島区)は桝谷浩太著『初めてでも安心! 失敗しない家の売り方・買い方』 を2023年2月7日(火)に刊行いたします。マンション・一戸建て・土地まで完全網羅初めて家を売る人でも、損をせずに家を売る方法を徹底解説した書籍です。不動産の売買には複雑な手続きや業界特有の販売慣習がつきまとうため、一般の人が初めて家を売却する際は戸惑うことが多く出てきます。そこで本書では、家の売買を進めるうえでの手続きの流れと、覚えておきたいポイントについて完全網羅しました。不動産会社の選び方、価格査定で見るべきポイント、売買契約の落とし穴など、初めて家を売る人が知っておきたい知識をわかりやすくまとめています。さらに、家の売却はライフプランに大きく関係していることから、住み替え物件の購入や税制面の話も丁寧に解説しています。著者の桝谷浩太氏は、約1万3000件の不動産相談に対応。本書を通じてこれまで語られてこなかった不動産業界のグレーゾーンを惜しげもなく公開しています。書籍情報表紙タイトル:初めてでも安心! 失敗しない家の売り方・買い方著者:桝谷浩太ページ数:224ページ価格:1,650円(10%税込)発行日:2023年2月7日ISBN:978-4-86667-489-6レーベル:あさ出版パートナーズ書籍紹介ページ: amazon: 楽天: 目次第1章家を売却する前に準備しておくべきこと第2章家を高く売るための売却テクニック第3章物件タイプ別に見る売れる家、売れない家第4章後悔しない新居の買い方・選び方第5章不動産売買で役立つ節税の知識を押さえる著者プロフィール桝谷浩太(ますや・こうた)著者:桝谷浩太グローバルトラスト不動産株式会社代表取締役1984年生まれ、神奈川県出身。ハウスポート湘南(現・東宝ハウス横浜)、三菱UFJ不動産販売、ソニー不動産(現・SRE不動産)で主に居住用不動産の売買仲介営業を経験。その後、透明性の高い不動産取引の仕組みをもっと世の中に広めたいと思い、2017年にグローバルトラスト不動産株式会社を設立する。不動産業界で問題となっている物件の「囲い込み」を仕組みで解決するために、売却仲介手数料最大無料サービスに取り組むなど不動産業界の健全化を促進する活動に力を入れる。【報道関係各位】『失敗しない家の売り方・買い方』リリース.pdf : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年02月03日■前回のあらすじ「色鉛筆を盗られた」という友だちの話を聞いて、初めてあの時きみちゃんに本を盗られたのかもしれないということに思い至ったのでした。三年になると…きみちゃんは変わらず文武両道で、所属していたバスケ部では一年生の頃からスタメンエース。もちろん後に部長を務めるなど活躍はよく耳にしていました。そして生徒会長になったきみちゃん。本当にすごいなぁとただただ感心していた私でしたが…。それは中学卒業間際の三学期。クラスメイトだった生徒会長副会長の松田君が、卒業式の生徒代表挨拶の代役をするかもしれないという話題でクラスがざわついていました。理由は、生徒代表の挨拶をする予定のきみちゃんが受験に失敗して学校に来ていないからだと言います。その話の中で、きみちゃんの家庭がエリートで、そんな環境の中きみちゃんが育ったことを知りました。家族や周囲の期待を一心に背負って挑んだ受験。そして挫折。きみちゃんが第一希望に落ちたと聞いてみんなと同じように私も驚きました。それと同時に同じ歳の同じ受験生として想像しただけでゾッと背筋が凍り、脳裏にはあの「うたの本」のことがよぎりました。きみちゃんが盗んだ私のうたの本。まだ小学一年生だった私ときみちゃん。物をなくすなんて当たり前の年齢でした。でも、当時からきみちゃんはそんな失敗が許されないというプレッシャーの中で生きていたのかもしれません。もちろん、どんな理由があろうと人の物をとるのはいけないことですが、あの頃より少し成長した私はまだ小学一年生だった頃のきみちゃんが、どんな気持ちでうたの本をとったのか考えると胸が締め付けられました。あの時、私がまわりの大人に言っていたら何か変わってたのかなそんな途方にないことが頭を過ぎては消えていきました。そして迎えた卒業式当日。卒業生代表として壇上に上がったのは…。※登場する人物の名前はすべて仮名です。次回に続く(全5話)
2022年05月25日子どもの頃から文武両道を実践し、十文字高校、早稲田大学を経て、WEリーグの大宮アルディージャVENTUSに加入した村上真帆選手。インタビュー後編では、勉強の大切さや保護者のサポートなどの話をうかがいました。(取材、文:鈴木智之)Ⓒ1998 N.O.ARDIJA<<前編:「決して足が速くない、体も小さかった」のに大会最優秀獲得、女子サッカー注目選手、早稲田卒の才女に聞く文武両道のコツ■親に決められた進路で上手くいかないと、親のせいにしてしまう小学生時代は習い事を掛け持ちし、中学時代は栃木SCジュニアユースと勉強の両立。高校に進んでからも、目標としていた早稲田大学に進学するために、勉強に取り組んでいた村上選手。日常生活で意識していたのは、「しっかり睡眠をとること」だったそうです。「いまもそうですが、学生時代は8時間以上は寝るようにしていました。睡眠時間をしっかり確保して、学校とサッカー以外の空いている時間で勉強する感じでした」中学時代は試合会場へ向かうバスの中、高校に入ってからは片道1時間の通学電車で勉強していた村上選手。自分で決めた目標のためなので、苦にはならなかったと言います。「両親からは、常に『自分の好きなことをやりなさい』と言ってもらっていました。大学卒業後、就職しようかサッカーを続けようか迷ってたときも、どちらにしなさいと言われたことはなく、『本当に自分がやりたい方を選びなさい』と言ってくれました。自分で選択すると、責任が生まれます。だから、すごく悩みましたね」親に決められた進路を選んだ場合、うまくいかないことがあると、親のせいにしてしまいがちです。一方、自分で考えて決めたことであれば、責任を持って活動することができます。その覚悟は、人生を歩んでいく上で大切なものです。「親は私が子どもの頃から、選択肢を増やしてくれるような接し方をしてくれました。水泳やバレエ、ヴァイオリンなど、いろいろやらせてくれましたし、押し付けられたことはなかったと思います」■「辞めたい」と言ったが今となっては親に感謝していることもそんな村上選手ですが、小学生の頃に一度だけ「ヴァイオリンを辞めたい」と、親に言ったことがあったそうです。「そのときは『将来、絶対にヴァイオリンを続けていて良かったと思うときが来るから、だまされたと思って続けてほしい』と言われて、中学を卒業するまで続けました。大人になったいまでは、心の底から続けて良かったと思います」その理由を、次のように話します。「みんながみんなバイオリンを弾けるわけではないので、人と違うことができるのは、いいことなのかなと思います。人前で披露した経験としては、大学4年生の時に、ステイホーム中のサッカー部の企画として、初めてチームメイトの前で弾きました」■どうしたらもっと楽しめるかを考えると前向きになれるⒸsocokara照れくさそうに話す村上選手に、勉強に関して子どもたちにメッセージはありますか? と尋ねると、自身の経験からこう話してくれました。「勉強に関して言うと、小中は義務教育ですよね。学校の勉強の中に、国が決めた学ぶべき事柄が網羅されています。子どもたちに、それを理解しろというのは難しいかもしれませんが、将来自分のためになることばかりだと思うので、なるべく自分で楽しさを見つけて、やっていけたらいいのかなって思います」サッカーに関しては、次のようにアドバイスをしてくれました。「サッカーは自分でやりたいと言って始めたと思うので、最後まで楽しみながら続けてほしいです。私は中学時代、大きなスランプを経験しましたが、簡単にやめるとか、もう嫌だとなるのではなくて、どうしたらもっとうまくいくか、どうしたらもっと楽しくなるかを考えながら取り組んでいました。私と同じように悩んでいる人がいるとしたら、『どうすれば』を考えながらやると、前向きに取り組むことができることを伝えたいです」■上のレベルに行くほど考えてプレーする選手が多い今シーズンから、WEリーグの大宮アルディージャVENTUSでプレーしている村上選手。スキル面で大切なのは「考えてプレーすることです」と言葉に力を込めます。「上のレベルに行けば行くほど、考えてプレーしている選手が多い印象があります。たとえば、走るのが速い選手がいたとして、何も考えずにただ走るのではなく、相手の裏のスペースに抜けるタイミングを考えてプレーするとか、トップスピードに乗ったドリブルの技術練習をするとか、自分の良さを生かす方法はたくさんあるので、ぜひ考えてプレーすることにチャレンジしてほしいです」サッカーを頑張るお子さんを持つ保護者に向けては「前向きな声掛けをしてあげるのが、いいのかなと思います」と教えてくれました。「人って、応援されると無条件にがんばれますよね。お父さん、お母さんは、少しでも子どもたちががんばろうと思えるような声掛けをしてあげられたらいいのかなと思います。私は、親の方から『良かったね』と言われる前に『あのプレー、良かったよね?』など自ら言って、誉め言葉をもらい、自分の機嫌を取っていたこともありました。これもサッカーを楽しむための一つのスキルだと思います」■社会人になると、自分の未来を自分で決めるようになる新設されたWEリーグ、大宮アルディージャVENTUSでの活動について尋ねると、率直に話してくれました。「大学生までは小学校6年間、中高3年間、大学4年間とスパンが決められていたので、サッカーをやめるタイミングがわかりやすかったですが、社会人になると、それがなくなります。いつまでサッカーを続けるのかを、自分で決めるようになりますし、選択の重みも増します。自分自身納得いくような生活をしながら、サッカーと私生活に向き合っていきたいです」子どもの頃から文武両道を追求し、ピッチの中でも結果を残してきた村上選手。WEリーグという新たなチャレンジの舞台に立つ彼女の、今後の活躍が楽しみです。
2021年09月01日サッカーと勉強の両立は、子どもたちにとって永遠のテーマです。そこで今回は大宮アルディージャVENTUSに所属する村上真帆選手に「文武両道のコツ」についてうかがいました。十文字高校から早稲田大学ア式蹴球部女子部を経て、WEリーグでプレーする村上選手は、子どもの頃、親には「勉強しなさい」より「早く寝なさい」と言われていたそうですが、どのようにしてサッカーと勉強に取り組んでいたのでしょうか?(取材・文:鈴木智之)Ⓒ1998 N.O.ARDIJA■足も速くなく、身体も小さかった村上選手が自信をつけたキッカケ村上選手がサッカーを始めたのは小学3年生の頃。3歳上のお兄さんの影響だったそうです。「栃木県の昭和戸祭SCでサッカーを始めました。女子選手は同じ学年に5人いて、男女混合でプレーしていました。タイプ的にはずっとパサーで、右利きなのですが、シュートやパスなど、強いボールを蹴るのは左の方が得意なんです」小学生時代には栃木県内の大会で優勝して、最優秀選手賞をもらったこともあったといいます。「身体能力的に周りの子と比べて優れているわけではなく、走るのも速くなかったし、体も小さい方でした。その大会では、よく走り回ってゴールも決めたので、選んでもらえたのだと思います」最優秀選手に選ばれたことが自信になり「サッカーがんばろう。もっとうまくなりたい」という気持ちが芽生えてきたそうです。「小学生のときは、練習以外でも毎日ボールに触っていました。クラブの中で『リフティングが1000回できるようになったら、ゲームシャツがもらえる』というのがあって、すごく欲しくて、5年生のときに1000回できるようになったんです」■サッカー以外にも忙しくしていた小学生時代小学生時代はサッカー以外にも、様々な習い事をしていたそうで、「いま思うと、忙しい日々を過ごしてましたね」と、懐かしそうに振り返ります。「サッカー以外にやっていたのは、水泳とヴァイオリンとバレエです。全部自分からやりたいと言いました。バレエは小学4年生まで、ヴァイオリンは中学3年生までやりました。水泳は幼稚園の頃からやっていたので、小学生のときは毎日習い事があって忙しかったです。その中で一番好きなのがサッカーでした」■練習前や移動時間など隙間時間を勉強にあてていた村上選手は中学受験をして、中高一貫校に進みました。勉強は得意で、小学生時代は何度かオールAを取ったこともあったそうです。「公立の中高一貫校に進んだのですが、親から『受験してみる?』と言われて、入試の3ヶ月前ぐらいから勉強をはじめました。そうしたら奇跡的に合格して、『受かったのなら行ってみたい!』と思って、進学しました」入学すると、周りには勉強ができる子がたくさんいました。中学から栃木SCのジュニアユースに進んだ村上選手は、勉強とサッカーを両立するために、隙間時間を有効活用することにしたそうです。「学校の部活動で陸上部に入っていたので、陸上の練習が終わって家に帰って、勉強をしてからサッカーに行くこともありました。土日はサッカーの試合があったので、移動のバスの中で勉強していました。周りの子はそれに対して何か言うこともなく、好きにさせてくれたのはありがたかったです。とにかく学校の勉強が大変だったので、『移動中の、この時間にやらないと!』という気持ちが大きかったです」■サッカーも勉強も頑張る環境が当たり前だった村上選手いわく、中学時代は「ボールを満足に止めて、蹴られないようなスランプ」に陥りながらも、日々の自主練で感覚を取り戻し、ナショナルトレセンに選ばれるなど、サッカーと勉強を両立させました。「中学の時は勉強もサッカーも両方がんばる環境だったので、高校でもそれを続けたいと思い、十文字高校に進みました」十文字高校は文武両道に取り組む学校です。中学時代と同じように、サッカーと勉強の両立に励み、全日本高等学校女子サッカー選手権で優勝。キャプテンとして臨んだ決勝戦では、チームを日本一に導くゴールを決めました。■親には「勉強しなさい」より「早く寝なさい」と言われていたⒸ1998 N.O.ARDIJAまさに文武両道を体現する村上選手ですが、保護者はどのようなサポートをしてくれたのでしょうか?「私が勉強が嫌いではなかったからかもしれませんが、宿題しなさい、勉強しなさいと言われたことはなかったと思います。それよりも、夜遅くまで勉強していたら『早く寝なさい』と言われることのほうが多かったですね(笑)。両親は、私にこれしなさい、あれしなさいというよりは『自分のやりたいことをしなさい』という接し方をしてくれていました」子どもの頃から、「早稲田大学に行きたい」という夢を持っていた村上選手。サッカーの強豪校に行き、競技歴が評価されて推薦で大学に進む方法もありますが、確実に行ける保証はありません。そのために勉強もしっかりして、サッカーと勉強のどちらの選択肢も持てるようにと考えていたそうです。「私は、自分が楽しいと思うことしかしたくないタイプなので、勉強も楽しいと思いながらやっていました。数学が好きだったのですが、一つの答えに向かって問題を解いて、正解を導くことに楽しさを感じていました」■親や指導者は子どもに「理解させる」ことを大事にしよう勉強が嫌い、苦手な子は「わからないのに、勉強しなさいと言われる」「親にやらされる」といった理由から、ネガティブな気持ちになってしまい、さらに意欲が削がれてしまう傾向にあります。「わたしの場合は、勉強をしていく中で『なるほど、こうなるんだ』とわかると、楽しいと思うタイプでした。反対に、理解できないとつまらないし、これはできないってなるんです。だから保護者をはじめとする周りの方々がサポートするときは、いろんなことに関して、理解できるようにしてあげるといいと思います」サッカーと勉強を両立するためには、両方とも自分から進んで取り組むことが大切です。そのための目標設定、時間管理などは、参考になるのではないでしょうか。次回の記事では勉強をすることの意味や、高いレベルでサッカーをするために必要なことなどについて、話は進んでいきます。
2021年08月26日イトーヨーカドーにて発売される恵方巻きの試食会が、2016年1月14日に、恵比寿『オステリア・ルッカ』で行われた。オーナーシェフである桝谷周一郎氏とイトーヨーカドーが共同開発したイタリア風 恵方巻は、「生ハムとミラノロール」「ヴェネチア風サーモンROLL」「白身フライのフリットROLL」の三種。他では食べられない独創性あふれる新食感恵方巻きを販売する。試食会のゲストには、元宝塚の遼河はるひさんと、お笑い芸人「北陽」の虻川美穂子さんも登壇。さっそく桝谷周一郎監修の恵方巻きを試食した。遼河さんは、桝谷さん夫妻とプライベートでも親交が深いそうで、3人で和気あいあいとインタビューに答えた。桝谷さんは、初めにこの恵方巻きの監修の話が来た時に、軽く終わるのかなと思っていたが、何百本もサンプルを巻かされることになり、大変な時間をついやしたという。一方、虻川さんは、桝谷さんが恵方巻きを考える話は聞いていたものの、まさかこんな素敵な恵方巻きができるとは思わなかったと答える。遼河さんは、「生ハムとミラノロール」に使用されている、パプリカや黒こしょうなどの細かい具材に気が付きコメントをしたが、虻川さんは「カリフォルニアロールみたいな……」と言い、桝谷さんに「それを言っちゃダメ」と制止されたり、「部活帰りに食べたいお弁当」といったりし、「恵方巻きだからね!」と突っ込まれた。また、虻川さんは恵方巻き3種を試食し「美味しい」と連発し、桝谷さんに「もっと遼河さんのような気の利いたコメントを言えないのか」と、ダメ出しをされたが、「桝谷が作ったということを抜きにしても美味しい恵方巻きだ」と切り返し、「抜きにしちゃダメだろう」と、夫婦漫才さながらのトークで会場を沸かせた。虻川さんは、恵方巻きを食べながらかける「願」について質問されると、子育てでてんてこまいな日々だと語り、「今年はスマートな育児と、白の似合うような母になりたいと願う」と、母親の顔をチラリと覗かせた。恵方巻きは1月30日(土)まで全国のイトーヨーカドー181店舗で予約を受付中。桝谷シェフ監修の恵方巻きを1000円(税込)以上購入したレシートでキャンペーンに応募すると、抽選で恵比寿『オステリア・ルッカ』のペアーディナー券(15.000円分)が当たる。詳しくは公式ホームページへ。「イトーヨーカドー」撮影・取材・文:牡丹餅 あんこ
2016年01月18日生活習慣病を予防する可能性のある新規化合物を研究するフレグライド研究会はこのほど、「8年熟成恒順香醋」から肥満などの予防効果が期待される新成分「FRAGLIDE1(フレグライド1)」を発見したことに関する記者発表会を開催した。香醋(こうず)とは、もち米を原料に製造された中国の「黒酢」のこと。江蘇省鎮江市の名産品であり、中国国内の80%以上の香醋を江蘇恒順社が生産・販売しているとのこと。江蘇恒順社の香醋の中でも最高級とされているのが、8年間熟成させて作ったという「8年熟成恒順香醋」。その特殊な製法は、中国の無形文化財に指定されているほど。さらに、生産量も鎮江市で製造される香醋年間総生産量の0.2~0.3%とごくわずかであるため、中国国内では市販されておらず、政府などの御用達の品として取り扱われているという。8年熟成恒順香醋は、体内ではつくることができない必須アミノ酸8種類を含む17種類のアミノ酸を含有。その中でも、体内での消化・吸収に優れるといわれる遊離アミノ酸は、総アミノ酸量の30%以上を占めている。そして、江蘇恒順社の日本総代理店および8年熟成恒順香醋の独占販売企業として、2001年に設立されたのが日本恒順だ。同社は日本国内で「恒順香醋 8年熟成」(10ml×14本・税別1,800円 / 150ml・税別1,800円 / 500ml・税別4,000円)を販売する傍ら、同商品に含まれる有用成分の研究を行ってきたという。その過程で、北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科の辻野義雄教授らの研究グループが、肥満などの生活習慣病を予防する可能性のある新規化合物を発見。香醋(fragrance vinegar)の「FRAG」とButenolide化合物の「LIDE」、今後も同様の機能性物質が見つかることを期待した「1」を組み合わせて、「FRAGLIDE1(フレグライド ワン)」と名付けたとのこと。そして今回、辻野教授ら5名が発起人となってフレグライド研究会が発足した。日本恒順は同研究会の代表企業を務める。日本恒順代表取締役社長・桝谷文武氏は、「私はこの15年間、8年熟成恒順香醋を毎日飲んでいます。職業柄、1日5回ほど会食をしていますが、糖尿病にもならずに健康です」とコメント。そして、「肥満で苦しむ人は日本だけでも約2,000万人いるといわれますが、その方々が本当に欲しいと思っているものを届けたいと思って研究してきました。今回フレグライド1が発見されたことで、これまでの"見つけるため"の研究から、砂糖や塩のように"供給するため"の研究に転換していきたいと考えています」と語った。○8年熟成恒順香醋にしか含まれない新成分「フレグライド1」とは?発表会では、同研究会代表を務める辻野教授が、フレグライド1の細胞実験(2010年)と動物実験(2014年)の成果について発表した。細胞実験の結果、フレグライド1が「PPARγ」を活性化させることを確認。PPARγとは、脂肪組織の細胞核内に多く存在するタンパク質のこと。これが活性化すると、インスリンの抵抗性(インスリンが正常に働かない状態)の改善を促し、肥大化した脂肪細胞を減少させ、代謝しやすい小型の脂肪細胞の増加を誘導するという。「この働きにより、メタボリック症候群、動脈硬化、高脂血症などの生活習慣病の予防や改善が期待できます」と辻野教授。さらにフレグライド1のPPARγの活性化作用により、「白色脂肪細胞」を「褐色脂肪細胞」へ変化させる効果が示唆されたとしている。白色脂肪細胞は皮下や内臓に多く見られ、体内では消費できなかったカロリーを脂肪として蓄積するとのこと。一方で褐色脂肪細胞は、鎖骨、肩甲骨、胸まわりに多く分布し、脂肪を燃焼させてエネルギーに変換させる働きを持つとされている。しかし褐色細胞の数は、新生児の頃を最多として成長とともに徐々に減少し、成人する頃には4割程度しか残らないという。褐色脂肪細胞には、脂肪を燃焼させる"工場"としての役割を持つミトコンドリアが数多く存在し、それを動かしているのが、タンパク質「UCP-1」だという。フレグライド1は、このUCP-1の発現量を増やす働きをするため、脂肪をより効率よく燃やすことが期待できるとのこと。○体重や内臓脂肪の増加などを抑制3カ月にわたって実施した動物実験では、高脂肪食を与えたマウスを「高脂肪食・フレグライド1投与群(以下フレグライド1投与群)」と「高脂肪食・フレグライド1非投与群(以下コントロール群)」に分け、通常の食事を与えた「ノーマル群」とともに比較した。なおフレグライド1の投与量は、人が食品として摂取する場合に非現実的にならないように配慮し、1日に1kgあたり0.037~10μgと設定した。その結果、フレグライド1投与群は最小投与量0.037μgで、「体重変化」「内臓脂肪量」「血中アディポネクチン濃度」「レプチンの分泌量」「インスリンの分泌量」において、良好な結果が得られたという。まず体重に着目すると、コントロール群は実験期間中に継続して体重の増加が見られたのに対し、フレグライド1投与群は増加を約26%抑えることができた。また、フレグライド1投与群はコントロール群と比べて、そけい部の皮下脂肪の増加が約35%抑制されていた。加えて精巣周囲脂肪、腎臓周囲脂肪、腸間膜脂肪といった内臓脂肪の増加も、平均で約15%抑えられていた。さらに、脂肪細胞から分泌されるタンパク質である「アディポネクチン」の濃度にも変化が見られた。アディポネクチンは、細胞内の脂肪を減らしてインスリン受容体の感受性を上げる作用のほか、動脈硬化抑制、抗炎症などの作用が報告されている。その血中濃度を比較したところ、コントロール群では血中濃度が低下したのに対し、フレグライド1投与群では大きな減少は見られなかった上に、投与量の増加に比例して分泌量が増加することがわかった。続いて、レプチンの分泌量を比較。レプチンは肥満の抑制や体重増加の制御の役割を果たすペプチドホルモンだが、過剰分泌すると血圧を上昇させるといわれている。実験の結果、フレグライド1投与群で過剰な分泌は見られず、その副作用は起こらないと判断できるとのこと。最後に、血糖値の上昇を抑える働きを持つという「インスリン」の分泌量に異常がないかどうかを調べた。結果として、コントロール群では過剰分泌が確認されたのに対し、フレグライド1投与群では分泌量が下がり、あわせて血糖値の上昇を抑えることが示唆された。なお、投与量を変えて毒性の有無についても調査を行ったところ、1日の最大投与量を1kgあたり10μgにした群でも、副作用などの問題は見られなかったとしている。同研究結果は、3月28日に岡山大学・津島キャンパスにて開催する「日本農芸化学会2015年度大会」で発表予定。辻野教授は、「フレグライド1は、まだ実験や効果検証が始まったばかり」としながら、今後について「引き続き肥満や糖尿病について実験で効果を検証し、臨床実験では有効性や安全性を検証していく予定です。将来的には、健康食品や機能性食品、医薬品などにも展開できればと思っております」と期待を込めて話した。
2015年03月26日