独自の映像美学が評価され、世界各地に熱狂的なファンを持つ塚本晋也監督の最新作『鉄男 THE BULLET MAN』の予告編映像がついに公開され、これまで謎に包まれていた作品世界の一端が明らかになった。その他の画像本作は、1989年に発表した『鉄男』、1992年の『鉄男II/BODY HAMMER』に続く“鉄男”最新作。いずれの作品も続編ではなく、基本的なコンセプトだけを残してゼロから新たに生み出されているため、最新作『…THE BULLET MAN』の全貌も依然、謎に包まれている。また、本作は海外配給を視野に入れ、全編英語セリフで撮影を敢行。その一方、これまでの塚本作品同様、脚本・撮影・美術・編集・特殊造形を塚本監督が担当しており、“塚本監督の映像美学を損なうことなく、世界市場を狙える作品”だという。公開された予告編では、東京で美しい妻と愛らしい息子と暮らす主人公アンソニーの姿が映し出された途端、突然の悲劇が彼を襲う。その結果、アンソニーの体に訪れる驚くべき変化。なぜ、彼の体は鋼鉄の銃器に変化したのか?アンソニーの父が関与していたという“鉄男プロジェクト”とは?そして、アンソニーの息子を殺した男の狙いは?轟音で鳴り響く音楽に乗せて、最新作の断片が次々と登場し、『鉄男 THE BULLET MAN』の世界観がひと足早く楽しめるのと同時に、さらに謎が深まる内容に仕上がっている。本作は、昨秋に第66回ベネチア映画祭でワールドプレミアを行い、シッチェス・カタロニア映画祭、釜山映画祭で上映されたが、塚本監督は日本公開に向けてさらに手直しを行ったそうで、最終完成版の『鉄男…』全編を観賞したのは一部のマスコミ・関係者だけだという。『鉄男 THE BULLET MAN』5月、シネマライズ他全国ロードショー
2010年03月17日『六月の蛇』や『ヴィタール』など各国の映画祭で高い評価を得て、国内外に熱狂的なファンを多く持つ鬼才、塚本晋也。その名を知らしめた世界的代表作『鉄男』が、誕生から20年のときを経て、21世紀版として生まれ変わった!そのタイトルは『TETSUO THE BULLET MAN』。極秘裏に製作・撮影が行われた本作が、7月23日(現地時間)、米カリフォルニア州サンディエゴにて開催中の世界最大のコミック&ポップカルチャーの祭典「Comic-Con(コミコン)2009」の会場にて“全世界同時”製作発表会見を行った。今年でコミコンが40周年とあって、同日にはジェームズ・キャメロン監督による新作3D映画『アバター』のフッテージ上映も行われ、テリー・ギリアム、ピーター・ジャクソンなどハリウッドの有名監督も多く来場。ほかにも宮崎駿やジョージ・ルーカスなど世界の名だたるクリエイターも集結。そんな中、行われた今回の会見には、全米中から熱狂的な≪TETSUO≫ファンが集結。開演1時間前には200名が並び、350名収容の会場がすぐに満席に。映画の内容がここで初めて明かされたほか、会場でしか見ることが出来ないフッテージ映像が上映され、会場は歓声に包まれた。現地入りした塚本監督がファンからサイン攻めにあう一幕も。本作の舞台は東京。幸せな生活から一変、最愛の息子を謎の男に殺された主人公・アンソニーは、復讐の念に駆られ、怒りに満ちたその体は“鋼鉄の銃器”と化していく――。『鉄男』とその続編『鉄男II/BODY HAMMER』では、製作、監督、脚本、撮影、編集全てを自ら行った塚本監督。その後、ハリウッドで今回の企画が立ち上がり、クエンティン・タランティーノなども製作に名乗りを上げたそうだが、前作同様、監督は一人で全てをこなす手段を選んだ。さらに、海外を視野に入れた全篇英語での撮影に挑んだが、「アメリカ映画としての≪TETSUO≫を模索し続け、やっともう少しで完成というところまで来ました。今回、その最初のお披露目がこのアメリカの、この賑やかなコミコンで行えるということを非常に嬉しく思います」とコメント。作品について「子供のときから親しんできた大好きなハリウッド映画の、ある種典型的なストーリーテリングの形を借りながら、自分の『鉄男』にあった毒のようなものを包み込んでいく作品。アメリカの方にも観ていただける映画を作ったので、何とか北米で早く公開したい」と興奮交じりにアピールした。決して続編ではない、全く新しい≪TETSUO≫として世界に発信していく『TETSUO THE BULLET MAN』。果たして、塚本監督の新たなる代表作となるのか?本作は今夏完成ののち、2010年全国公開予定。■関連作品:TETSUO THE BULLET MAN 2010年、全国にて公開
2009年07月24日