経済的理由で治療中断38%景気に明るい兆しが見えず、失業率の上昇や派遣切りなどが問題視されている一方で、患者が治療費を払うことが困難となり、治療を途中でやめるケースが増えていると報告されます。鳥取県保険医協会が、全国保険医団体連合会の呼びかけに応じて、医師・歯科医467人を対象に115人から回答を得た実態調査で、下記のような調査結果が報告されています。毎日.jpによると「患者の経済的理由で治療を中断した」と答えた医師数は44人(38・3%)▽「なかった」が32人(27・8%)▽「わからない」が39人(33・9%)だった。と、回答した医師のうち38%にあたる44人が「患者の経済的理由で治療を中断した」と答えています。中断した患者の病気は高血圧12人▽糖尿病11人▽高脂血症7人▽虫歯7人▽前立腺肥大3人など。が挙げられており、通院をしいられる慢性的な病気が多く報告されています。調査結果では、治療を継続する上での費用がかさみ途中で治療を断念する様子が伺えます。命に関わるケースが存在する場合もあり、治療費の補助を行政が行うなど、なんらかの形で対処が必要と指摘されます。
2010年11月09日初のこころみ静岡県保険医協会が、1日から15日にかけて、患者の受診実態に関する調査を初めて行った。毎日新聞が詳報した。調査は医療機関2,010か所に対して調査票を送付するという形式で行われ、回答率は15.4%となった。不況の波は医療にまで調査結果によると、静岡県内の医療機関の33.2%が、この半年間に患者の経済的な理由から治療を中止したケースがあると回答。不況の影響か患者数も減少傾向にあるという。治療が中断となった事例の病名を聞いたところ、高血圧が28件、糖尿病27件、高脂血症13件という結果となった。一過性の疾患ではなく、慢性的に治療が必要な事例が目立った。患者からの治療中止要請またこの半年間で、患者側から経済的負担を理由に治療・投薬を断られた経験を持つ医療機関は、医科診療所が40.5%、歯科で38.1%、病院が25%となった。具体的には、費用が比較的高額なCTやレントゲンなどの画像診断や、月に1万円前後の負担がかかるとされるインスリン治療などが挙がった。さらにここ最近の傾向として、「生活保護の人の受診が増えた」「無保険の患者が増えた」などと回答した医療機関も見られた。
2010年10月28日岐阜県保険医協会が、県内の開業医を対象にアンケートしたところ、4割の医師が「患者の経済的な理由で治療を中断した経験があった」と回答したという。これは、毎日新聞が報じたもの。アンケートは、この8月に県内の病院・医科診療所・歯科診療所を営む医師計1444人に発送し、先月までに449人から回答を得たもので、この半年間に患者の経済的理由から治療を中断、または中止した事例の有無については、39.2%が「あった」と回答したという。なお歯科診療所だけに限ると、52.3%に達したとのことだ。医療費増加理由での検査・治療中断、がんでも!また、半年間に医療費増加を理由に検査や投薬・治療を断られたことがあるかとの問いには、39.2%が「あった」と回答、特に医科診療所は49.5%と半分に達している。治療を中断したのは、糖尿病や高血圧など慢性的な病気の患者が多かったが、中には前立腺がんなど、がん病名のケースが5件あったという。負担感の大きい医療費、この先どうする?医療費の収納に関し、半年間に患者一部負担金の未収金があったかについては、47.7%から「あった」と回答があり、病院に限っては、何と88.9%に至っているとのこと。こうした背景には、経済や雇用情勢の悪化、新薬の高額化などがあるとみられている。このことから協会では、「医師が満足のいく治療計画を立てられなくなっている」「今の窓口負担は重過ぎ。患者が医療から遠ざかると重症化するリスクは高くなる。安心して医療にかかれる体制作りが必要」と危機感を募らせている。実際問題、医療費の額は保険適用でも負担が大きくなっているのは現実のようで、高齢化社会の進む中、この先どういう解決策を見出すか、正に政治のリーダーシップが問われるところである。
2010年10月10日通院による治療費も保障損保ジャパンひまわり生命保険は11月、通院による治療費も保障するがん保険を発売する。入院を伴わない通院治療を制限なく保障するのは、生命保険業界初となる。新しく販売されるのは、「勇気のお守り」で、販売開始は11月2日。初の「がん外来治療給付金」を創設がんの治療は入院から通院に大きくシフトしており、がん保険において通院保障の充実を求める声が多い。損保ジャパンひまわり生命保険では、こういった実態を調査したうえで「勇気のお守り」を開発した。「勇気のお守り」では、生命保険業界初の「がん外来治療給付金」を創設しており、「がん先進医療特約」をはじめとするオプションが用意されている。さらに、医療保険『健康のお守り』用に「がん外来治療給付金」「がん診断給付金」を特約化している。同社は、がん治療に立ち向かう勇気を守りたいとしている。
2010年10月02日