『魔法少女リリカルなのは』の高町なのは役、『ひぐらしのなく頃に』の古手梨花役、『探偵オペラ ミルキィホームズ』の遠山咲役などで知られる声優の田村ゆかりが2月10日、公式サイトにて「田村ゆかり2016冬ライブ」の開催中止や、ラジオのレギュラー番組、Twitterアカウントの閉鎖などを発表した。公式サイトでは「田村ゆかりについての重要なお知らせ」と題し、「田村ゆかり2016冬ライブ開催」の中止、文化放送「田村ゆかりのいたずら黒うさぎ」・ネットラジオ「喫茶 黒うさぎ ~秘密の小部屋~」の終了、公式サイト「tamurayukari.com」のリニューアル、STAFF Twitterの閉鎖、オフィシャルファンクラブ「Mellow Pretty」運営会社の移管といった5つの事項を発表している。発表はキングレコード、オフィシャルファンクラブ、アイムエンタープライズの連名となっており、「ファンの皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解・ご了承賜りますようよろしくお願い申し上げます」と締めくくられている。また、今回の発表についての理由は記載されておらず、声優ファンからもさまざまな声が上がっている。
2016年02月10日日本人女性シェフとしてアメリカ・オレゴン州ポートランドで活躍する田村なを子。現在、彼女はポートランドで自身のレストランを経営しており、まもなくオープンして8年を迎えるそうだ。田村が「ポートランドは自然に恵まれていて、自分が住む地で育った食物を消費できることは身体にも環境にも重要なんです」と語るように、彼女の料理に使われる食材は地元の農家で作られたものばかり。健康への配慮をし、オーガニックなものを中心に使用している。幼少期、保存料や添加物が多かった学校給食が身体に合わず、母親がPTAの仲間と共に学校へ自然食の導入を働きかけたことをきっかけに日本では当時珍しかったであろうオーガニック料理を提供するレストランをオープンさせた。母親のレストラン経営に携わってから20年の月日を経て07年にポートランドへ移り、「21世紀の子ども達に安全な食べ物と綺麗な地球を引継ぐ」という意志を継いで自身で自然食レストラン・Chef Naokoをスタートした。提供されるメニューは、重箱に入ったお弁当形式のランチがメインだが、ビュッフェやケータリングも行っている。日本の美しい景色をアメリカにいながら楽しめることで人気の、都市公園ワシントン・パークにあるポートランド日本庭園でも田村のケータリングは好評を博している。「Kaiseki Dinner」(懐石ディナー)と称した特別なコースを味わえるイベントも開催しているそうだ。また現在、デルタ航空のポートランドから成田へのビジネスクラス直行便の機内食でも田村の和食を味わうことができるそうだ。お店の場所はポートランド日本庭園と州立大学のそばに位置している。以前から小さいと言われていた店内を拡張するため、再デザインの計画も進行しており、ほぼ同時期に拡張工事を行うポートランド日本庭園の新しい建築物のデザインを担当する隅研吾が手掛ける予定となっている。日本の美しさと伝統のある文化をポートランドに広め続ける田村なを子。これからも地元に愛されるシェフとして活躍を続けるだろう。※本記事は (引用元: に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。
2015年11月29日"ゆかりん"こと田村ゆかりが全国11都市14公演という自身最大規模で開催したライブツアー「田村ゆかり LOVE ♡ LIVE 2015 Spring *Sunny side Lily*」の千秋楽である、6月28日・国立代々木競技場 第一体育館公演の模様を収録したライブBlu-ray&DVDが、いよいよ明日11月25日に発売されるのを前に、その最新ライブ映像より「Pleasure treasure」の先行フル配信がスタートした。本商品の映像特典としては、ライブツアー各会場で演奏された日替り楽曲、ツアードキュメントに加え、ファン待望の「乙女戦士クルピヨン」の映像集を収録。また期間限定で「乙女戦士クルピヨン」のテーマ曲『乙女戦士クルピヨン』、『帰ってきたクルピヨン』の配信も予定されている。ライブBlu-ray&DVD「田村ゆかり LOVE ♡ LIVE *Sunny side Lily*」は2015年11月25日の発売予定。価格はBlu-ray/DVDともに、9,250円(税別)となっている。
2015年11月24日"ゆかりん"こと田村ゆかりが全国11都市14公演という自身最大規模で開催したライブツアー「田村ゆかり LOVE ♡ LIVE 2015 Spring *Sunny side Lily*」の千秋楽である、6月28日・国立代々木競技場 第一体育館公演の模様を収録したBlu-ray&DVDのトレーラー第2弾が公開された。本Blu-ray&DVDには、ライブ本編のほか、ライブツアー各会場で演奏された日替り楽曲やツアードキュメントに加え、ファン待望の「乙女戦士クルピヨン」の映像集が映像特典として収録される。また期間限定で「乙女戦士クルピヨン」のテーマ曲『乙女戦士クルピ ヨン』、『帰ってきたクルピヨン』が配信予定となっている。○「田村ゆかり LOVE ♡ LIVE *Sunny side Lily*」第2弾トレーラーライブBlu-ray&DVD「田村ゆかり LOVE♡LIVE *Sunny side Lily*」は、2015年11月25日の発売予定で、価格は各9,250円(税別)。
2015年11月13日"ゆかりん"こと田村ゆかりが全国11都市14公演という自身最大規模で開催したライブツアー「田村ゆかり LOVE ♡ LIVE 2015 Spring *Sunny side Lily*」の千秋楽である、6月28日・国立代々木競技場 第一体育館公演の模様を収録したBlu-ray&DVDのトレーラー第1弾が公開された。本Blu-ray&DVDには、ライブ本編のほか、ライブツアー各会場で演奏された日替り楽曲やツアードキュメントに加え、ファン待望の「乙女戦士クルピヨン」の映像集が映像特典として収録される。また期間限定で「乙女戦士クルピヨン」のテーマ曲『乙女戦士クルピ ヨン』、『帰ってきたクルピヨン』が配信予定となっている。○「田村ゆかり LOVE ♡ LIVE *Sunny side Lily*」第1弾トレーラーライブBlu-ray&DVD「田村ゆかり LOVE♡LIVE *Sunny side Lily*」は、2015年11月25日の発売予定で、価格は各9,250円(税別)。
2015年11月06日"ゆかりん"こと田村ゆかりが全国11都市14公演という自身最大規模で行ったライブツアー「田村ゆかり LOVE♡LIVE 2015 Spring *Sunny side Lily*」の千秋楽である、6月28日・国立代々木競技場 第一体育館公演の模様を収録した、ライブBlu-ray&DVDのジャケット写真が公開された。本商品の映像特典として、ライブツアー各会場で演奏された日替り楽曲、ツアードキュメントに加え、ファン待望の「乙女戦士クルピヨン」の映像集を収録。また期間限定で「乙女戦士クルピヨン」のテーマ曲「乙女戦士クルピヨン」、「帰ってきたクルピヨン」の配信も予定されている。田村ゆかりのライブBlu-ray&DVD「田村ゆかり LOVE ♡ LIVE *Sunny side Lily*」は、2015年11月25日の発売予定で、価格はBlu-ray版、DVD版ともに9,250円(税別)となる。映像特典や初回特典など詳細については、田村ゆかり公式サイトをチェックしてほしい。
2015年10月19日『ソラニン』『くちびるに歌を』を手がけた三木孝浩監督を特集する上映イベント「三木孝浩 filmo day ~音楽と映画~」が、11月8日(日)に開催されることがこのほど決定した。『僕等がいた』『ホットロード』『アオハライド』など、恋愛青春映画の名手として大ヒット作の多くを手がける三木監督。映画監督デビュー5周年を記念して実施される本イベントでは、ミュージックビデオ監督出身の三木監督にとって長編映画デビューとなった『ソラニン』をはじめ、山崎賢人が初映画出演にして主演を務めた『管制塔』、初めて“ラブストーリー”ではない本格的な“人間ドラマ”に挑んだ『くちびるに歌を』の、どれも音楽をモチーフにした3作品が上映される。中でも『管制塔』は、2011年の公開当時、ロケ地である稚内での先行上映と東京・大阪にてわずか2週間しか上映されず、ニューヨーク・ロンドン・ノルウェー・シカゴでの国際映画祭で高い評価を受けた作品であり、今回の劇場での上映は貴重な機会となる。『ヒロイン失格』『orange』と公開作が続く山崎さんが披露する初々しい演技と歌声も見どころだ。三木監督は今回のイベント開催に際して「昨年、『くちびるに歌を』を撮り終えて、ふとこれまでの自分を振り返った時に、あぁやっぱり自分の作品は音楽によって背中を押されてるんだなぁと実感する瞬間がありました。音楽が翼になって、見たかった風景(シーン)を求めて旅をする。それは MVディレクター時代から変わらない自分の創作の源でもあります。そうして創ってきた映画たちを、今回あらためて皆さんに観ていただける機会ができたことをとても嬉しく思います」とコメントしている。また、イベントでは三木作品出演者からの映像コメントをスクリーンで上映するほか、ゲストを招いての舞台挨拶、三木監督作品のパッケージ販売、さらに三木監督のサイン会も開催される。作品ごとに出入りは自由となっており、音楽ライブフェスのような映画上映ベントとして、ぜひチェックしてみて。「三木孝浩 filmo day ~音楽と映画~」は11月8日(日)、渋谷ユーロライブにて開催。(text:cinemacafe.net)
2015年10月13日"ゆかりん"こと田村ゆかりが全国11都市14公演という自身最大規模で行ったライブツアー「田村ゆかり LOVE ♡ LIVE 2015 Spring *Sunny side Lily*」の千秋楽である、6月28日・国立代々木競技場 第一体育館公演の模様を収録したライブBlu-ray&DVDの発売が決定した。映像特典として、各会場で演奏された日替り楽曲、ツアードキュメントに加え、ファン待望の「乙女戦士クルピヨン」の映像集を収録。また、期間限定で「乙女戦士クルピヨン」のテーマ曲『乙女戦士クルピヨン』、『帰ってきたクルピヨン』が配信予定となっているので、こちらも注目しておきたい。田村ゆかりのライブBlu-ray&DVD「田村ゆかり LOVE ♡ LIVE *Sunny side Lily*」は、2015年11月25日の発売予定で、価格はBlu-ray版、DVD版ともに9,250円(税別)となる。映像特典や初回特典など詳細については、田村ゆかり公式サイトをチェックしてほしい。
2015年09月09日ASIAN KANG-FU GENERATIONやORANGE RANGE、いきものがかりなど、数多くのアーティストのミュージックビデオを手掛ける三木孝浩監督。映画監督デビューを飾った『ソラニン』以来、能年玲奈主演の『ホットロード』、本田翼&東出昌大主演の『アオハライド』など、青春映画の新たな名手として着実にフィルモグラフィーを更新し続けている。15歳だったすべての人へ――。そんな印象的なキャッチがつけられた三木監督の最新作『くちびるに歌を』は、今15歳という年齢を迎える子どもたちや、かつて15歳だった私たち大人の心を、確かな感動で包み込むような素晴らしい作品に仕上がっている。乙一の変名として知られる中田永一による原作小説は、アンジェラ・アキ「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」を物語の主軸に、アンジェラさんが長崎県・五島の中学校を訪ねたテレビドキュメンタリーがもとになっている。原作を読んだ三木監督は、映画化への強い思いを抱いたそうだ。「ああそんなことに悩んでいたなあというような、自分が15歳だったときの気分を思い出させてくれた作品だったんです。だから自分の実体験も重ねやすかったですし、すごく自分で映画化したいなと思いました」。撮影に入る前に、ひとりでロケハンを行ったという三木監督。舞台となった長崎県・五島の透き通るような海の青と、生き生きとした緑が視界に飛び込む美しいショットの数々が映し出されている本作は、三木監督が「手紙」からイメージされる風景を自らの足で探し、イマジネーションを膨らましていったそうだ。本作の何よりの魅力は、合唱に夢中になって挑む子どもたちの真摯な姿だろう。仲村ナズナ役の恒松祐里や桑原サトル役の下田翔太をはじめ、今後この作品が機転となり活躍していくであろう子役たちが、演じる役とともに成長する姿を生き生きと感じることができる。映画制作において子役の演出は難しいと言われることがしばしばあるが、三木監督はその行程が楽しかったと語る。「むしろ大人に芝居をつけるよりも楽しいですね。すごく変化や成長しやすい時期ですし、“1”言ったら“5”も“10”も自分の中で考えてくれていたりするので。これだけ人数がいると、それぞれの相互作用があって、ひとりの子がいい芝居をすると、それに引っ張られるように周りもいい芝居をしたりとか、その影響し合う姿を観ても面白かったですね」。『ソラニン』『管制塔』と同様、ひとつの楽曲が物語の主軸となり、“未熟”な登場人物たちが、音楽を通して成長していく様を描く本作。だからこそ、クライマックスにおける演奏シーンが観るものの心に感動をもたらすのだが、過去作品を振り返りながら、合唱がテーマとなった本作の演出の裏側について三木監督は明かす。「みんなほぼ合唱に関してははじめてだったので、一から練習して本番に向けて頑張りました。そこが実は撮影の狙いでもあって、子どもたちが役者として成長していく姿と、この子たちが物語の中で成長していく姿というのが、撮りながらリンクしていくといいなと思ったんです。役者として合唱を練習していくその成長過程をちゃんとこの子たちが体感することで、物語の中でそれが投影されれば、すごくリアルにできるんじゃないかと。それは過去の作品にも言えるのですが、音楽単体で聞くよりも、物語のキャラクターをそれぞれ知った上で歌を聞くと、よりその歌が深く聞こえるというのはどの作品にも共通する部分だと思います。この作品も、最後に合唱する姿を観て、それぞれのキャラクターのいままでのことを思いながら、歌詞にその子たちの気持ちが乗って歌ってるんだということを、観たひとが想像してくれたらいいなと思っています。合唱っていうのは、たぶんそれぞれの悩みはあるけれど、一緒に歌うことでその子たちの救いになっているというのが、言葉での説明ではなく、観てるひとの体感として感じてもらえる効果があるんじゃないかなと思いましたね」。子役のキャスト陣に対して、大人側のキャストには木村文乃や桐谷健太といった魅力的な配役はもちろんだが、本作のもうひとつの大きな見どころとしてあげられるのは、やはり主演を務めた新垣結衣のキャスティングだろう。印象的な彼女の笑顔が封印され、まったく笑わないクールな柏木ユリ役を新垣さんが演じる本作は、観るものに新鮮な意外性と、新垣さんの新たな魅力を感じさせる。三木監督はそんなキャスティングへの“戦略”を語った。「毎回キャスティングするときに、特に女優さんは、いままでにない表情を切り取りたいなと思っていて、パブリックイメージと逆のキャスティングをしています。それが観ているひとの予想を裏切ったり、逆にギャップを感じさせることで、共感度が増すと思うんです。今回も、パブリックイメージ的には明るくて元気なイメージがある新垣さんにあえて笑っている姿を封印してもらうことで、どこかでドキッとするというか、“あれ、いつも笑っているひとが笑っていない”という負荷がかかっている状態で観てもらうことで、なぜそうなんだろうと能動的に想像してもらう。もしかしたら、普段は明るく見えている新垣結衣本人にもそういう一面があるんじゃないかと思ってもらえたら“勝ち”かなと思っているんですね。それが柏木ユリを演じてもらう上で実は大事なポイントだった気がしますね。特にあんまり自分の気持ちを吐露するキャラクターではないので、柏木は子どもたちを今観てどう思ったんだろうとかどう感じたんだろうと想像しながら柏木ユリが再生していく様を観てもらえればと思いました」。錆びてぼろぼろの車や折りたたみ式のガラケーなど、ユリの人物造形における細部に至るまでの設定が、柏木ユリという人物をなんとも実在感のあるキャラクターに仕上げることに成功しているのだが、実は柏木ユリ人物造詣の多くは映画オリジナルのもの。そこには、三木監督の並々ならぬ思いが注がれていた。「実は、原作はほとんど中学生それぞれの話なので、柏木ユリ自体のキャラクター造形や、柏木先生の視点は深く掘り下げられてないんです。ですが、物語のベースになっているアンジェラ・アキさんの『手紙』が、歌の一番が十五歳の自分が大人の自分に宛てて書いた手紙、二番が大人の自分が十五歳に向けて書いた手紙という構成になっているので、映画自体も十五歳の視点と大人の視点というのを相互に作用させられるような構成にしたいなと思いました。なので、柏木先生については、折りたたみケータイに執着してるところとか、映画オリジナルですごく膨らませた部分があります」。本作の人間ドラマとしての魅力は、三木監督が柏木ユキという主人公に仮託した大人の目線に他ならない。これまでの作品では、どちらかといえば物語の中で成長していく“子ども”の主人公たちに目線に寄り添ったかたちが多かった三木監督だが、本作における「手紙」の構成になぞらえて描かれた二つの視線は、本作をさらに感動的に演出している。そしてそんな柏木ユキの人物造形への思い入れは、三木監督自身が親になったことが大きいようだ。「今回視点の変化っていう部分では、自分が親になったっていうのがすごくありますね。今回の映画の中で中学生だけの視点だけじゃなくて、柏木先生というのを強く入れたかったというのはその部分で。撮影前の取材やオーディションをしたり準備をする中で、子どもたちの成長をみて自分がハッとさせられる瞬間っていうのが多かったんですね。子どもたち視点っていうのはもちろん大事なんですけど、子どもたちが成長する姿を観る大人がどう感じるかっていう方が、この作品を描く上では逆に一番重要なんじゃないかなと思ったんです。だからこそ、柏木先生が大人の代表として子どもたちの姿をみることで変化していくっていうのは、一番共感してもらえるんじゃないかなと思いました」。現在5歳と2歳の二人のお子さんがいるという三木監督。演出の際にも、自分の娘が十五歳ぐらいになったらどんな悩みを持つのか想像しながら作ったのだそう。本作に溢れる暖かい目線は、父親としての三木監督のひととなりが現れているからこそなのかもしれない。「今後残っていく作品にしたい」と思い制作したという本作を経たいま、今後の展望について語ってもらった。「映画の中で成長だったり再生だったりを描くのが、毎回自分の中でテーマになっていて、ジャンルは変わっても今後もそれがモチーフになるのは変わらない気はしますね。そこが愛おしいというか、未熟だったり未完成な人間が、それでももがきながら自分のあるべき姿を求めて頑張っている姿というのが、観る方としても感動しますし、作り手としてもそこを描きたいなと常々思っています」。人間ドラマの描き手として、今後の三木監督に期待したい。(text:cinemacafe.net)■関連作品:くちびるに歌を 2015年2月28日より全国にて公開(C) 2015 『くちびるに歌を』製作委員会(C) 2011 中田永一/小学館
2015年09月08日俳優の田村亮と田村幸士が24日、都内で行われたWOWOWのドキュメンタリー番組『阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望』マスコミ試写会で、時代劇研究家の春日太一氏とともにトークショーを行った。映画史に名を残す不世出の剣戟スター・阪東妻三郎を、近年発見されたフィルムに残された"バンツマ"の意外な姿から、知られざる壮大な夢と野望を浮き彫りにする同番組を企画した阪東妻三郎の孫で田村亮の長男である幸士は、「父と一緒に住んでいるときに(フィルムが)置いてあって、引越しする度に『どうしようか』となったんですけど、祖母が取っておいてくれたものなので、私の家で保管をすることになってから、阪東妻三郎という役者を知りたいなと思うようになりました」ときっかけを打ち明けた。また、祖父であるバンツマの印象については「役者としてだけではなく、自分で道を切り開いて活躍の場を作るということはすごいなと思っています」と尊敬し、「私は以前、番組の制作会社で働いていまして、役者になることを父には反対されていたんですけど、僕自身も自分で企画をして出る場所を作るので、役者をやらせてくれと説得しました。改めてそういうことは大事なんだなと感じることができました」と自分と重ね合わせて語った。一方、阪東妻三郎の四男である亮は、俳優であるバンツマの魅力について「七転び八起きじゃないですけど、落ちてもまた立ち上がってくるところがすごいし、母が言っていましたが、台本をもらったら部屋に閉じこもって、相手のセリフから全部覚えて、自分の長セリフの時間を計らせていたそうで、監督の気持ちにもなっているのかなと思ったりしました。親父の頭の中は想像がつかないですね」と吐露し、「時代劇に関して参考にさせてもらっているので、親父というよりは師匠ですね。立ち回りにしろ、着付けにしろ、写真が残っているので、それを見ながら参考にすることが多いです」と告白した。また、大スターである一方、撮影所を建設したり、日本映画の海外進出を試みるなど、実業家としても知られるバンツマだが、同番組では、実力者を接待して頭を下げて見送るなど、営業マン的な一面も明かされ、これを見た亮は「初めて知ったのでビックリしましたけど、世界進出の野望を持っていて、キッカケの一つがあのときだったのかも知れませんね」と驚きの表情を浮かべ、「親父が生きていたら、あのフィルムは絶対に人様に見せるなって言うかもしれない(笑)」と笑うしかなかった。ノンフィクションW『阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望」は、WOWOWプライムにて9月5日(13:00~)放送。
2015年08月25日2月14日(土)、15日(日)の2日間、日本武道館にて「animelo mix presents 田村ゆかり LOVE ♡ LIVE 2015 Winter *Lantana in the Moonlight* supported by JOYSOUND」が開催。その初日の模様をお届けする。ステージバック席も開放し360度ぐるりと客席に囲まれるように作られた今回のステージ。タイトルの「Lantana in the Moonlight」をイメージした楽曲や新曲などに加え、ゆかりん扮する乙女戦士クルピヨン、神楽坂ゆかも登場して多彩な魅力溢れるライブに。ライブ中には、神楽坂ゆかのセカンドコンサートが8月26日(水)、27日(木)の2日間、中野サンプラザで開催されることも発表となった。オープニングは、2014年のライブツアーで流された映像に登場した"乙女戦士クルピヨン"のステージ。ピンクのマント&ハートステッキ姿のクルピヨンがステージバック席の通路から登場し、主題歌「乙女戦士クルピヨン」を歌いながら敵のJJ団と戦いを繰り広げた。その後の映像でもクルピヨンの活躍が描かれ、シュールなシーンには笑いも起こっていた。驚きのパフォーマンスからスタートすると、2曲目では正義のヒロインからプリンセスへと姿を変えたゆかりんが「めろ~んのテーマ ~ゆかり王国国歌~」などを披露して、会場をピンクに染め上げる。MCでは「全方位に人がいるから、どっちを向いていいかわからない」と笑うゆかりん。撮影しているカメラを使ってサービスするのも彼女らしい。ステージの合間に流された映像は、恋に悩む女の子とランタナの花の妖精の物語。夜にしか姿を現すことが出来ない妖精は「虹を見せてくれたら、魔法をかけてあげる」という。願いを叶えてもらうために、女の子と妖精が"夜の虹"を探しに行くというストーリーだ。そして、物語の映像に続いて披露されたのは「月華」。乙女の純真さを象徴するような白いドレスで情感たっぷりに歌い上げるゆかりん。さらに「君へ」などの楽曲で恋する乙女の物語をステージ上で紡いでいった。これらの曲や「不可触な愛」「こっちを向いて」など久しぶりに披露された楽曲も多く、それぞれの世界を歌、表情、ダンスすべてで演じるようなゆかりんの姿に引き込まれる。ステージバック席の観客がペンライトで虹を描く演出もあり、映像とステージがシンクロしてライブを作り上げていった。ライブ中盤は、アイドルの"ゆかたん"こと神楽坂ゆかがゲストで登場。右手と右足が一緒に動くぐらいド緊張の彼女が登場すると、会場のペンライトはピンクから青へと変化。「Doki Doki ☆ π パイン」などキュートでポップな昭和アイドルを思わせるステージを披露した。MCでは、衣装は「アニメロサマーライブ2012」や「17才だよ?! ゆかりちゃん祭り!!」でゆかりんが着ていたものを貰ったと明かす。そんな彼女のセカンドコンサート開催が発表されると、「大きな玉ねぎの下で、中野サンプラザの告知が出来るなんて……」と嬉しさを語った。田村のライブでお馴染みのデート気分が味わえる映像「バーチャルデート」は、神楽坂ゆかバージョンとして「私を好き? に連れてって編」を上映。ゆかたんと一緒にスキーデートに行った気分になれる映像で楽しませてくれた。そして再びゆかりんが再登場して、4月にリリースされる新曲「好きだって言えなくて」を披露。恋する気持ちを歌ったポップナンバーが心地いい。ラストスパートはみんなで盛り上がる楽曲が続く中、印象的だったのは本編ラストの「エキセントリック・ラヴァー」だ。スタンドマイクを使ったスタイリッシュで攻撃的なこの楽曲。肩を動かすしぐさもセクシーに、激しさと艶やかさが同調したステージを展開し、最後はスタンドマイクを倒して颯爽と去っていく。こうした楽曲にもゆかりんの大きな魅力が感じられた。アンコールは、歌詞が純粋でいいと語った「バンビーノ・バンビーナ」、さらに「世界一かわいいよ!」の掛け声が見事な「fancy baby doll」へ。MCでは今の思いを語るゆかりん。他の人のライブは見ると悔しくなるからほとんど行かないのだという。信頼出来るメンバーやファンに包まれて嬉しそうなゆかりんは、「たぶん甘えているんだよね」と口にしながら、4月からのツアーも楽しみだと語った。ラストは「Super Special Smiling Shy girl」で会場が一体となり、ライブ初日が終演。新曲やライブツアー、新曲や神楽坂ゆかのコンサートなど、今年もさまざまな魅力を見せてくれそうだ。
2015年03月06日ヴイエムウェアは3月3日、副社長を務めていたジョン T. ロバートソン氏が代表取締役社長に、2005年10月から代表取締役社長を務めていた三木泰雄氏が代表取締役会長に就任すると発表した。三木氏は、「ジョンは2007年に入社したのだが、当時の従業員は30名弱。当時から、2人でヴイエムウェアを成長させるべく、奮闘してきた。社内でも『次の社長はジョン』と見られており、ようやくその時が来たことになる」と、今回の社長交代が規定路線だったことを明らかにした。三木氏の会長就任後のミッションは、「新規事業の開拓とパートナーとのリレーションシップの強化」となる。「パートナーの数はますます増えている一方、リレーションシップの強化が重要になってきている。こうした業務と社長としての任務を一人でこなすことは難しい」と、会長職への就任理由を説明した。ロバートソン氏は、2007年に入社後、5年にわたりエリア バイスプレジデントを務める。その後、2012年にVMware ASEANのバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャに就任し、シンガポールを拠点にアジア地域のビジネスを開拓してきた。2014年にヴイエムウェアの副社長に就き、今回、社長に就任する運びとなった。ロバートソン氏は20年以上、日本で生活しているとのことで、日本語が堪能。発表も流暢な日本語で行われた。同氏は、2015年度の事業戦略について、「モバイルとクラウドへの対応が迫られる顧客の成功に向け、"One Cloud, Any application, Any Device”を実現する」と説明した。同社が目指すOne Cloud, Any application, Any Deviceとは、あらゆるデバイスからあらゆるアプリを企業のプライベートクラウドとパブリッククラウドから構成されるハイブリッドクラウドで利用することを可能にすることを意味する。また、ロバートソン氏はヴイエムウェア自身が「Japanese Heart」と「外資系mind」を兼ね備える「ハイブリッド企業」だと語った。「Japanese Heartは、例えば、チームワークのよさや顧客のための奉仕をいとわないところに表れており、また、外資系mindはグローバルのベストプラクティスを利用できるところにある」と同氏。今後は、社長として、「三木氏とのコンビネーションを続けていく」「vCloud AirやAirWatchといった新規事業への投資を積極的に行っていく」「これまで以上に離職率を抑えるため、女性活用を進め、ワークライフバランスを強化していく」といった3つの点に注力していくという。マイクロソフトも前日に社長交代を発表したが、現社長が会長に就任し、社長がカバーしきれない業務をサポートしていくという同様の内容の社長交代劇となった。ヴイエムウェアは、昨年、国内でパブリッククラウド「vCloud Air」を提供開始したが、それ以来、サービスプロバイダーとの付き合い方も変わってきているという。これまではサービスプロバイダーに対しソフトウェアを提供するのみだったのが、一緒になってクラウドサービスを開発する方向に向かっているとのことだ。ヴイエムウェアのほかにも、日本IBMやマイクロソフトも企業のハイブリッドクラウド活用の推進に力を入れており、競争はますます激化している。各社の社長交代が、今後どのような形でビジネスに影響を及ぼすのか、興味深い。
2015年03月04日今年デビュー25周年を迎えた歌手の田村直美が、7月16日(月・祝)にSHIBUYA O-EASTで自身のキャリア初であるアニソンライブを開催する。東方神起がアンドロイドに?!最新シングルのジャケ写解禁このライブでは自身の最大のヒット曲である『ゆずれない願い』をはじめとした、今まで発表してきたアニソンは歌うのはもちろん、他にも有名アニソンのカバーなども行うとのこと。オープニングアクトは今年の5月にCDデビューしたばかりのSweetyが行い、さらにシークレットゲストの出演が決定している。ライブ終了後には田村直美とSweetyによるハイタッチ会も実施されるとのことで、ファンには楽しみなライブになりそうだ。7月11日(水)には現在放送中のアニメ「クイーンズブレイド リベリオン」のオープニングテーマである『命のうたが聞こえる』も含めた彼女のこれまでアニメに使用された楽曲と、『残酷な天使のテーゼ』や『CHA-LA HEAD-CHA-LA』など、この作品のために新たに収録したアニメの名曲カバーも収録したアルバム『リスペクト フォー アニソン』をリリース予定。こちらもライブと合わせてチェックしよう。■-アニROCK★2012 OPEN WATER- 田村直美祭り!2012年7月16日(月・祝)会場:SHIBUYA O-EAST料金:1Fスタンディング 5,000円(別途ドリンク代500円)出演:田村直美、Sweety(オープニングアクト出演)時間:開場16:00/開演17:00
2012年06月15日若い世代を中心に絶大なる人気を誇る漫画家・浅野いにおの作品「ソラニン」の実写映画化を手がけた三木孝浩監督の動画インタビューが到着!宮崎あおいを始めとする若手人気キャストを迎え、主題歌はASIAN KUNG-FU GENERATION(以下、アジカン)が担当するなど、公開前から大きな話題を呼んでいる本作。これまで、多くのミュージックビデオの演出を行ってきた監督とあって、映画化に際してもライヴシーンを重視。原作について「音のない表現で音を感じさせて素晴らしい」と絶賛しつつ「映画ではそれとは違う形で音楽が持っている力を表現したかった」と思い入れを明かす。さらに、宮崎さんとのクランクイン前の会話、バンドのシーンにまつわるエピソード、主題歌をアジカンに決定した経緯、自らの青春時代についてまで、落ち着いた口調ながらも熱い思いが感じられるコメントが並ぶ。監督の視点、思いを知ることで、作品の見え方、受け止め方がまた違ってくること請け合い。映画を観る前に、ぜひご覧あれ!『ソラニン』は4月3日(土)より全国にて公開。※こちらのインタビュー映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERYシネマカフェSweet「『ソラニン』 素晴らしきマンガワールド特集」■関連作品:ソラニン 2010年4月3日より全国にて公開© 2010浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会写真:太田好治■関連記事:芽衣子は理想の恋人?あなたの青春恋愛ソングは?『ソラニン』アンケート結果発表映画公開直前!『ソラニン』原作者・浅野いにおから動画メッセージが到着超豪華!宮崎あおい、高良健吾らキャストサイン入り『ソラニン』プレスを1名様にプレゼント桐谷健太×近藤洋一インタビュー「そっくりなベーシストが出てくるマンガがあるよ」宮崎あおいの言葉にアジカンのゴッチ感激!「録音して着ボイスにしたかった…」
2010年04月02日映画『ソラニン』の試写会が3月15日(月)、若い世代に人気の書店『ヴィレッジヴァンガード」(以下V.V.)主催で開催され、本作の三木孝浩監督とV.V.のオンラインショップの“中の人”こと中本恵二氏によるトークイベントが行われた。トークイベントは作品上映後ということで、中本さんは映画を観たばかり。早速、感想を尋ねると「いまもウルウルしていて、感動冷めやらぬ感じです。印象に残ったのは、最後のライヴシーン。宮崎あおいさんのギターを弾いているときの真剣な表情は、演技を超えてかなり(役に)入っているな、と。ひと言で言えば、観てよかったな、と」と絶賛。三木監督はこの言葉にホッとした様子。その三木監督は、ミュージックビデオの分野で活躍しており、本作で初めて映画監督に挑戦した。以前から(原作の)浅野いにおさんの作品は好きだったものの、「ソラニン」だけは読んでいなかったとか。「読んでみたらまさしく自分がやってきた音楽というフィールドに近い、バンドをやる若者たちの話で、ぜひやりたいと思って(監督の話を)引き受けました。音楽をテーマにしつつ、『夢を持ってるんだけど、まっすぐに進めないモヤモヤした感じ、冷めている感じ、想いと戦っている感じ』に共感できたし面白いと思った」と語った。中本さんは、原作漫画の連載当時、および漫画の発売当時について「よく『浅野いにおの新刊読んだ?』と話してました。読んでみて『なかなかない物語だな。売ってやろう!』という気持ちになって、当時かなり押しましたし、お客さんの反応も良かったですね」とふり返った。さらに話は世代論に。「浅野さんよりも少し上の世代」と言う三木監督は、90年代後半を引き合いに「あの頃は、斜に構える感じでも、根本は明るいというか、少しのん気さがあった。『ソラニン』のシビアな感じ…例えば貯金残高がなくなったり、タイムリミットが差し迫ってるという感覚はこの世代ならではかも。(劇中の)種田(高良健吾)や芽衣子(宮崎あおい)の悩み方ってきっと僕らの世代以降の悩み方だと思うんです。自分の幅が見えてしまい、設定が出来てしまう」とも。これに中本さんも「劇中の、ギターを初めて弾いた少年の『世界が開けたような』感覚を得る機会が少なくなっている。ネットで検索すれば何でも見える時代で、自分の発見に感動することがなくなった」と頷く。監督はさらに、自らの経験を挙げ「僕は徳島の田舎育ちで、高校時代に『映画監督を目指す』と周りに話して、何となくビデオ回して作った作品を『これは傑作なんじゃないか!』って幻想したりして(笑)、それがモチベーションになってた。いまは、例えば曲を作ればすぐにマイスペースに上げられて世間にも評価されてしまう。そこで自分のレベルにある程度、想定がついてしまう」と現代の“手軽さ”が、皮肉なことに若者たちの“熱”を奪っている現状を語った。若い世代を中心とした観客は、真剣な眼差しで監督の言葉に耳を傾けていた。また、トークイベントの最後には三木監督は、『ソラニン』以後について「浅野先生の別作品もやってみたいですね。『世界の終りと夜明け前』(小学館刊)が大好きなのでぜひ映像化したいです」と意欲を語った。『ソラニン』は4月3日(土)より全国にて公開。■関連作品:ソラニン 2010年4月3日より全国にて公開© 2010浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会/写真:太田好治■関連記事:『ソラニン』Twitterが熱い!フォロワーが3,000人突破宮崎あおい、夢はガソリンスタンドのバイト?『ソラニン』イベントで幻の楽曲も公開アジカン後藤バンドブレイク前をふり返り「僕らはちょっとおかしい」ふたりの想いをつなぐ歌!『ソラニン』劇場鑑賞券を5組10名様にプレゼント高良健吾率いる劇中バンド熱唱のデモCD付き!『ソラニン』特別前売鑑賞券予約開始
2010年03月16日『亀は意外と速く泳ぐ』や『転々』など、ゆるりとしたギャグと徹底的に作り上げられた独特の世界観で数々のファンを魅了する、日本映画界きっての奇才・三木聡。またもや摩訶不思議なタイトル『インスタント沼』と名づけた、監督の集大成とも言うべき最新作がDVDリリースされた。作品の随所から見られる監督の「映画」へのこだわり、そしてその原風景について、話を聞いた。実は、「〜沈丁花ハナメの冒険〜」という副題を考えていたと話す監督が、今回主軸に置いたのは、30歳前後の岐路を迎えたヒロイン・沈丁花ハナメ(麻生久美子)の“成長譚”。これまでにも増して、この作品では、主人公が前向きに人生と向き合っていくさまがストレートに描かれている。「ただギャグをやる以外の、別の楽しみ方を映画の中で見つけたいという気持ちはあった」と監督は話す。「人生の中で、成長しなきゃいけないとか、利益を上げなきゃいけないとか、いろんなことの目標値を周りに設定されるじゃないですか。でも、目標のない人生がむなしいというのは単なる植えつけで、別に意味なく一生を過ごしてもその人が良ければそれでいいわけじゃないですか。頑張らなきゃいけない理由なんて何にもないんですよね。そういう柵からちょっとフリーになってもいいんじゃないかという気持ちはあったと思います、2008年の夏は。それはそのときの気分だったんだろうし、それを観た人がまた別の気分を見出してくれると、ちっちゃい思想しかない映画が勝手な広がりになっていく。観た人がそれぞれ自由に思ってくれることが一番ですよね」。そんな三木監督の作品に欠かせない要素というのが、ナンセンスなジンクスや“未確認”生物の存在。今回も、物語のゆくえを司る“沼”しかり、河童や空飛ぶ龍しかり、期待を裏切らない、ナンセンスがそこかしこに転がっている。「やっぱり目の前にあるものだけを認めなくてもいいんじゃないかというのは、映画の基本構造としてあります。僕自身も、底なし沼があったらいいなと思ってた世代なわけですよ。小さい頃は、アマゾンに人が落ちたらピラニアに喰われて骨だけが浮いてくるということにドキドキした世代だから。デヴィッド・リンチとかも大好きな監督なんだけど、ある種の“まがまがしさ”というのを映像にしていくことに惹かれるんです」。続けて、監督は楽しそうにこう語る。「僕の映画の原始的な体験って小さい頃大好きだった西部劇ごっこなんです。おもちゃの兵隊を目の高さに持ってきて、別の世界をミニチュアサイズの中に作っていくという構築の仕方はいまも影響されてるのかなと思います。小学校6年生くらいのときって男子より女子の方が成長してる感じがあるじゃないですか?その関係っていまもあると思うけど、女性の監督さんはその辺がすごくドラスティックで、俺が作っている映画の方が随分単純でくだらないなと思うことはありますね(笑)」。では今回、なんでまた“沼”を題材に選んだのか?それも日本の社会が急成長した70年代、幼い頃の日常にあった、沼が埋め立てられ団地にされていくという景色と深く結びついていた。「沼とかがブルドーザーで埋められてるのを見て、何で埋め立てちゃうんだろうと。社会が成長していく上で排除されているものに対して、あってもいいんじゃないという気持ちはありますね。雑多なものやイメージが街の中にあるからこそ街なんだという気もするし、そういうことへのアンチテーゼも池や沼に結びつき、骨董屋にも結びついていったんだと思います。電球商会(劇中の骨董屋)というのはまさにカオスで、昔は古着の山の中にすごく高いものが埋まってるんじゃないかという幻想みたいなのがあったと思うんだけど、そういうのが無くなることへの懸念もあったり。『転々』のときも、無くなってしまうだろう空き地とか、開発中の変な建物だとか、ぽつんと駐車場に取り囲まれたアパートとかを背景にしているんですよ」。脱力系ワールドとは裏腹に、既成の価値観やルールをぶち壊すスピリットを強く感じさせる三木監督。改めて、監督にとっての“映画”とは何かを聞いてみた。「こうでなきゃいけないというのがない、懐の深さが映画の最大の特徴だと思います。特に2000年以降は、映画界以外の分野からいろんな人が参入したり、いろんなトライ&エラーがなされてきた。(不景気の煽りを受け)いまはちょっとみんなへこんでますけど、それが終わったときに映画がどんなトライ&エラーをしていくのか楽しみですし、自分も目撃者としてそこにいたいという気はありますね」。早くも次回作が待たれるが、では監督、次はどんな映画を撮ってみたいですか?「ロックな映画をやってみたいですね。僕も一時期バンドをやっていたことがあるんですけど、大きな声でバカバカしく歌うっていう。昔の『ロッキー・ホラー・ショー』でおっさんが編みタイツ履いてたり、ああいうロックそのものの破天荒でバカバカしいイメージを再現したいなと思いますね(笑)」。三木聡監督プロフィール1961年神奈川県生まれ。テレビの構成作家やシティボーイズのライブの作・演出などを務めた後、最近では、高視聴率のドラマ「時効警察」の脚本・演出でも話題になる。監督作に『イン・ザ・プール』(’05)、『転々』(’07)など。「インスタント沼ミラクル・エディション」発売元:角川映画/販売元:ポニーキャニオン価格:4,935円(税込)発売中© 2009「インスタント沼」フィルムパートナーズ■関連作品:インスタント沼 2009年5月23日よりテアトル新宿、渋谷HUMAXシネマほか全国にて公開© 2009「インスタント沼」フィルムパートナーズ■関連記事:『蒲田行進曲』と麻生久美子の浅からぬ因縁とは?風間杜夫は必死の自毛アピール【どちらを観る?】加瀬亮の“染まり”を検証『重力ピエロ』&『インスタント沼』幸運!?の“ジリ貧”『インスタント沼』特製マグカップを2名様にプレゼント「出たとこ勝負(笑)!」麻生久美子が30歳を前に迎えた岐路と出会いとは?引越し大好きの麻生久美子、“ジリ貧”脱出法を伝授「おかげで運気が上がった」
2009年12月08日