睡眠に関する研究は日々新たな発見が生まれ、昨日の常識は今日の非常識になる、なんてこともあります。だからこそ、最新の情報は常にチェックして、正しい睡眠スタイルを自分で確立していくことが大切です。睡眠周期は90分ではない?レム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)を交互に繰り返して朝を迎える――定説と考えられていた、これまでの睡眠の常識に異を唱える研究結果が発表されました。それは「睡眠周期は平均すると100分±30~40分」というもの。つまり90分ではない、という新たな説です。これを発表したのは、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」の作成にも携わっている日本大学医学部教授の内山真医師。これまではレム睡眠のときに起きるとスッキリ目覚められると言われてきましたが、内山医師によると「体調によっても睡眠の質は異なるため、睡眠周期から起床時間を決めるのは難しい」のだそうです。夫婦の寝室問題とは?さらに今回の「健康づくりのための睡眠指針2014」で初めて明記されたものがあります。それは「高齢になると、男性は早寝早起きになりやすいが、女性にはその傾向がみられにくい」というもの。男女によってこんなにも違いがあるんですね。一見すると、「へー、面白い発見だな」で終わってしまいそうなことですが、じつは深刻な問題に発展するケースもあるのだそうです。それは「夫婦の寝室問題」。早寝早起きの夫に合わせようと、妻が無理を続け、いずれ不眠や睡眠障害に悩まされるということが実際に起きているのだとか。これは難しい問題ですよね。認知症や生活習慣病のリスクも最近の研究では、睡眠不足は認知症のリスク、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることがわかっているのだそうです。また、以前は横になって休んでいるだけでも体も脳も休まる、と言われてきましたが、これも間違いであることが判明していて、しっかり眠らないと体も脳も休まらないと言われています。パートナーや子どもがいると、すべて自分のペースでは生活できないのでなかなか難しいところですが、睡眠をしっかり確保することが健康維持、病気の予防にもなる、ということですね。Photo by planetchopstick
2014年11月12日5人に1人、または3人に1人が睡眠に関する悩みを抱えていると言われている不眠大国・日本ですが、国内では睡眠に関する研究が日夜続けられています。将来的に、不眠に悩む人がいなくなるといいですね!レム睡眠とノンレム睡眠を調節するもの2014年5月に名古屋大学が1枚のプレスリリースを発信しました。その内容は「睡眠に関する新たな発見」に関するものでした。具体的な内容を噛み砕いてまとめると、「名古屋大学環境医学研究所は研究により、レム睡眠、ノンレム睡眠を調節する新たな神経回路を発見した」というもの。“新たな神経回路”とは一体、どのようなものなのでしょうか?とても気になりますよね。プレスリリースを見ながら、順を追って、その存在を解明していきたいと思います。今回のポイントになるのは、エネルギー代謝や摂食行動に関連するMCH神経(メラニン凝集ホルモン神経細胞)というもののようです。MCH神経とはなにか?これまでMCH神経はエネルギー代謝や摂食行動だけでなく、睡眠にも関わっているのではないかと考えられていたものの、正確な生理的役割については研究者の間で意見が割れていたのだそうです。そこで、今回MCH神経は「睡眠に関わっているのかどうか」という観点で、名古屋大学はマウスを用いた実験を行いました。その内容は、光を使ってMCH神経だけの活動を操作する技術と、慢性的にMCH神経だけを脱落させる技術を駆使し、「MCH神経だけの作用」を浮き彫りにする、という実験方法。とても難しい実験だということはわかりますが、とにかく渦中のMCH神経と睡眠の関連性を明確にする、ということのようです。新たな睡眠薬の開発にも期待実験結果は次のようなものだったそうです。1.MCH神経の活動を活性化したところ、レム睡眠が増えた。2.MCH神経だけを脱落させたマウスでは、ノンレム睡眠時間が減少するということが判明した。つまり、これまで睡眠に関わっているかどうか研究者の間でも意見の分かれていたMCH神経は、睡眠に深く関連していることが判明した、ということですね。この実験結果から、ノンレム睡眠とレム睡眠を調節する動作原理などの理解にもつながると考えられているため、新たな睡眠薬の開発などにも有用なデータなのだそうです。Photo by GirlInLimbo
2014年11月11日ここ最近、体調が悪いなぁという方。もしかしたら、睡眠が短い日が続いているのではありませんか?今回は、睡眠と風邪の関係に迫りたいと思います。この2つにはどのような関係があるのでしょうか?風邪と睡眠の関係とは?いつもより睡眠時間が短いと、体調を崩したり、風邪をひいてしまったりすることってありますよね。これは体力の回復する時間だけが要因なのか、それとも睡眠時間と風邪の間には、明確な関連性というものがあるのでしょうか?アメリカで行われたある実験があります。(1)一定期間の睡眠の質を毎日チェックする、(2)風邪のウイルスを鼻に注入する。これら2つを行い、数日後に実際に風邪を引いたか検査する、というものです。結果は、風邪を引いたのは被験者の4割で、1日の睡眠が7時間を下回ると風邪を引く確率が高まるというものでした。実験が証明している同時に、睡眠時間だけでなく、睡眠の質も下がると風邪を引く確率が高い、ということも判明したのだそうです。その原因として考えられるのは、睡眠の質と量が満たされないことで病原体から身体を守る力が弱まってしまうという可能性。実際に、徹夜をした後などは病原体を排除する細胞が減少するという実験結果もあるそうです。それだけでなく、体内で大変な事態が起きていることを伝える物質が増えると考えられているのだとか。本当に睡眠は健康な生活を送るうえで欠かせないものだということが、これらの実験からよくわかりますね。睡眠には回復効果がある!ちなみに、このように抗体が弱くなるというのは睡眠時間の減少だけでなく、環境の変化や体内時計の乱れでも起こると言われています。たとえば、慣れない海外旅行や昼夜のシフト勤務などがその代表的なものです。最近の研究によると、睡眠時間が短いと炎症に関する物質が増加し、長くすると減少するなど睡眠には大きな回復効果があることもわかっているそうです。やはり、疲れているときや調子の悪いときほど、睡眠時間をしっかりとることが大切なのかもしれませんね。Photo by Mislav Marohnić
2014年11月10日「いびき」は、たかが「いびき」と侮ってはいけません。本人も一緒に寝ている人も熟睡できなければ、日常生活にも支障が出てしまいます。それどころか、睡眠時無呼吸症候群の恐れもあります。いびきは睡眠不足にもつながるいびきの原因はさまざまです。いびきは、睡眠中に空気の通り道(気道)が閉塞するときや、咽頭や舌の筋肉の緊張が低下したときに起こります。睡眠中に空気の通り道がふさがれて狭くなり、そこに空気が通るので、粘膜が振動していびきが発生します。主ないびきの原因は、加齢、アルコール、肥満、鼻疾患、小顎、筋弛緩剤・睡眠薬・精神安定剤などの薬物、咽頭扁桃部の異常などです。いびきをかいている人は、傍目には熟睡しているように映りますが、実は先ほども説明したように空気の通り道が圧迫されていびきをかいているので、呼吸が制限されて眠りが浅くなり、ほとんどの人が睡眠不足になっています。一時的な軽いいびきであればさほど問題ではありませんが、毎晩いびきをかいたり、呼吸が止まっている状態になるときは、特に注意が必要です。横向きに寝るなどの防止策で改善しない場合、お医者さんに相談を比較的軽度のいびきであれば、例えば枕を低くする、横向きに寝る、ダイエットする、アルコールを控える、いびき防止の点鼻薬を使うなどの防止策があります。これらの防止策でいびきが治まらない場合や、無呼吸症を併発しているときは、お医者さんに相談してください。最新式マウスピース治療でいびき防止病院では、外科手術、鼻マスク治療のほか、最近では新しい治療法として、医療用のマウスピース治療があります。メリットとして、簡易で高い効果、手術や鼻マスクに比べ楽で負担が少ない、通院は数回、口にはめるだけで効果が出る、小型で旅行・出張に持ち運べることが挙げられます。また、従来の上下一体型マウスピースを超える、分離型マウスピースには、就寝中に口が開いても効果はそのまま、飲み物も飲める、会話ができる、微調整ができる、違和感がないなどの特徴があります。上下一体型マウスピースの税別価格は6万円、分離型マウスピースは16万円です。保険が適用されないため少々お高めですが、いびきに深刻に悩む人の最終手段として良いかもしれません。Photo by Rach
2014年11月06日睡眠に関する本は、本屋さんにいってもコーナーがあるほどたくさん出版されています。それぞれの本で紹介されている睡眠方法は正しいのでしょうか?今回は、睡眠に関する本についてご紹介します。睡眠に関する本の中でも、正しいものとそうでないものがあるようです。全てを鵜呑みにしてはいけないということをお伝えします。本屋さんに睡眠方法に関するコーナーが近年、睡眠に関する本が多くでています。本屋さんに睡眠方法に関するコーナーが作られているところもあります。Amazonの書籍ジャンルにも「睡眠」というものがあり、睡眠方法を求めている人が多くいることがうかがえます。睡眠方法の本だけでなく快眠グッズの売れ行きも良いそうで、睡眠バブルといっても過言ではありません。様々な睡眠方法に関する本が溢れていますが、本だからといって全てを信じてもよいものでしょうか?中には、間違った知識で書かれていたり、都市伝説レベルの話が展開されていたりするようです。読者は、全て信じるのではなく、一意見として読み進めたほうがいいと考えられます。睡眠方法は個人差があるもの全ての睡眠方法が、全ての人に当てはまるわけではありません。例えば、「朝は光を浴びましょう。睡眠リズムをリセットすることができます」などはよく言われていますね。これは一般論としては正しいです。朝に光を浴びることで体内のリズムは調整されます。しかし、不眠傾向がある中高年では逆効果になることもあるのです。むしろ、夕方過ぎに光を浴びるのが良いと言われています。また、「快眠のためには、○○を食べるとよいでしょう」などと言われているのも、かなりの量を摂取する場合もあり、他の部分で体に悪影響を与える可能性もあるのです。4時間睡眠がいいの?8時間睡眠がいいの?近年4時間睡眠に関する本が多くでてきています。今までは、8時間睡眠が良いと言われてきましたが、半分も少ない4時間睡眠が推奨されるのはおかしなことだと感じてしまうかもしれません。これに関しては、現在も研究が進められている途中です。「短時間睡眠のほうがいい」「長時間睡眠は時間の無駄だ」という主張もあるようですが、科学的根拠はないようですので、何が正しい知識で、どれを信じるべきかは自分で判断しなければなりませんね。睡眠は、健康に関係している大きな要素なので、しっかりと向き合っていきましょう。Photo by Steph
2014年11月05日「受験生」になるときというのは、小学生、中学生、高校生、大学生はもちろん、社会人にも訪れます。毎日、勉強時間を確保しながら、どれくらいの睡眠をとればいいのでしょうか。しかし、受験生といってもそれぞれ年齢が異なるために、一概には何時間がいいとはいえません。そこで、年齢別に最適な睡眠時間の目安を見てみましょう。睡眠は勉強の効率を大きく左右する!受験生の睡眠時間は、勉強時間と同じくらい大事だといわれています。勉強の効率にも響いてくるものだからです。徹夜で勉強しても、次の日勉強に集中できないなど、悪影響が出た経験をしたことのある方は多いことでしょう。しかし、受験前は一番おろそかにされやすい睡眠。1時間睡眠を削れば1時間勉強に当てられる。そんな切羽詰まった状況ですが、睡眠を最低限とって勉強をはかどらせることが勝利への近道といえそうです。では、小学生、中学生、高校生それぞれの受験期の最適な睡眠時間はどれほどなのかを考えてみましょう。そして、社会人が資格試験などをする場合、どれくらいの睡眠が必要なのかもあわせて見てみましょう。受験生の最適な睡眠時間って?中学受験を控える小学生は、まだまだ成長途上にあるので、6時間以上の睡眠が必要だといわれています。ベストは7時間半睡眠。そして高校受験をする中学3年生は、平日は6時間、土日は7時間半睡眠にしてバランスを取るのがいいといわれています。大学生や社会人の場合、平日は4時間半の睡眠になってしまうのであれば、土日は6時間~7時間半程度の睡眠がいいといわれています。ちなみに厚生労働省が出した睡眠指針によれば、10代前半までは8時間以上の睡眠が平均であるのに対して、25歳になると約7時間、45歳になると約6.5時間と減っていくそうです。特に10代の小・中学生には、例え受験期であっても、夜更かしはさせないようにしましょう。賢く眠って、合格を勝ち取ろう!小学生や中学生の受験生のお子さんのいる方は、睡眠時間には気を付けるように指導しましょう。平日はどうしても塾や宿題などが重なり、子どもたちも忙しいため、6時間程度の睡眠になることもあるかもしれません。そんなときは、土日に1~2時間程度多く眠るよう指導してみてください。高校受験をする中学生であれば、体もかなり大人に近づいてきているので、9時間以上眠る必要はないといわれています。どうしても眠いときだけ眠らせて、毎日の生活リズムを崩さないように見守るのも欠かさずに。やはり小・中学生は、なかなか自分では睡眠管理ができないものです。大人がそっとサポートしてあげましょう。Photo by Erin Vermeulen
2014年11月03日睡眠時間は人によって違います。短くて平気な人もいれば、しっかりととらないと1日過ごせない、という人もいるでしょう。睡眠時間の個人差はなぜ生まれるのでしょうか?今回は、睡眠時間の個人差についてご紹介します。睡眠時間は長い方?短い方?あなたは、睡眠時間は長い方ですか?短い方ですか?しっかり寝ないと1日もたないし、徹夜なんて無理という方もいれば、徹夜は日常茶飯事で睡眠時間をあまりとらないという方もいるでしょう。しかし、いくら睡眠時間が短くても大丈夫、徹夜は日課であると言ったって限界はあります。毎日徹夜をしてください、と言ってもそれは不可能です。短時間睡眠の人は、日中に寝てしまったり、どこかで睡眠をとっているのです。人間には人それぞれに適正睡眠時間があり、睡眠不足には限界があるのです。適正な睡眠時間とは?適正な睡眠時間は大きく3つの要因で決まると言われています。1つ目は、体質で決まっている必要な睡眠量です。生まれながらにしての体質で、これは、自分ではコントロールできない部分です。2つ目は生活習慣です。これは改善できるものですが、すぐに変えられるものでもなく、小さい頃からの習慣が元になって決まってくるものです。3つ目は、睡眠不足に耐える力だと言われています。これは、徹夜が強いられるような環境下にいないとなかなか鍛えられるものではありません。これに季節要素や年齢などが影響して、その人にとっての適正睡眠時間が決まると言われています。睡眠時間の限界は伸ばすべきなのか?学生時代などは、よく徹夜をしていたという方も多いのではないでしょうか。しかし、そういった過去の行いも影響して、今の適正睡眠時間があるのです。無理をして睡眠時間の限界を伸ばす必要は全くありません。近年、短時間睡眠のコツなどの書籍がベストセラーになっていますが、人によって適正睡眠時間があるのです。人によって、適正睡眠時間は4時間以下から10時間以上まであるのです。睡眠時間は活動時間に関わるものである。そこから考えると、食べる量やエネルギー消費などにも関わる問題になってきます。無理せず、自分にあった睡眠をとるように心がけましょう。Photo by Marcus
2014年11月03日睡眠をたくさんとれば身長が伸びる!と言われて育った人も多いのではないでしょうか?しかし、実際のところ、睡眠と身長に直接的な関係はないようです。このように、思い込みで間違った知識を持ち続けていませんか?今回は、眠りの新常識について紹介します。睡眠時間と身長に直接的な関係はない「夜遅くまで起きていると、身長が伸びなくなるから早く寝なさい」と小さい頃言われたりした経験はありませんか?また、「身長が小さいのは、小さい頃に夜更かしばかりしていたから」と言ったりもしますね。このように、睡眠と身長に関して様々なことが言われており、これを信じている人も多いと思います。しかし、最近の科学研究の結果から、身長と睡眠には科学的な関係はなく、子供の身長は親の身長に関係することが多いことがわかっています。このように科学的根拠がないのにもかかわらず、睡眠について誤解をしてしまっていることも多いようです。1日8時間睡眠をとればいいわけではない一般に、睡眠時間は8時間、と言われたりします。これも、8時間という時間に十分な科学的根拠はないそうです。ですが、睡眠時間を通常より短くした場合、日を重ねるごとに作業のミスが増えていったという事例もあります。特に、4時間睡眠を2週間繰り返したところで、ミスが極端に増え、作業効率が落ちたそうです。睡眠時間は個人によって適切な時間が違っていますが、自分の適正睡眠時間より短い睡眠が続くと、集中力の低下など生活に悪影響が出てくるようです。一般的な数字にこだわるのではなく、自分にあった睡眠時間を元に考えた方が良いでしょう。寝だめは睡眠リズムを壊す自分の適切な睡眠時間がどれくらいか考えるときは、土日の睡眠量に着目するとよいと言われています。平日に寝不足が続いていると、週末の睡眠時間は平日の睡眠時間に比べて長くなる傾向があるそうです。平日も週末も変わらない場合は、平日もしっかりと睡眠がとれていると考えられます。平日が睡眠不足ぎみの方は、週末に寝だめすることで睡眠不足を解消しようとする傾向があります。これは、効果は期待できますが、昼間に日光を浴びなくなるため、体内リズムが崩れやすくなってしまいます。睡眠と身長に直接的な関係はないように、睡眠に関する誤った知識が世の中には溢れています。正しい知識をもとに何が正しいかを見極めていきましょう。Photo by sean dreilinger
2014年11月02日昔はあんなによく眠っていたのに、年をとったら寝ていられなくなった……そんな声をよく耳にします。「健康でいるためには眠ることが大切というけれど、若い頃よりも睡眠時間が少なくなった」と不安になる方も多いようです。年をとると睡眠時間が減る、その原因はいったい何!?人間は年をとるにつれて、身体や脳が必要とする睡眠時間が変化します。個人差はあるものの、青年期は7時間ほど睡眠時間を必要としていたのに対し、60歳を超えると6時間ほどで足りるようになるといわれています。しかし実は、必要とする睡眠時間が減ったからといって、免疫力などを司る成長ホルモンが分泌されにくくなるわけではないのです。また、年配の方が「眠れなくなった」と感じる要因として考えられるのは、早朝覚醒の傾向が強まるということにあります。自然と朝4時、5時に目が覚めてしまうのです。これは病気というわけではなく、体内時計のリズムが若い頃から変わってくるために起こる現象です。睡眠満足度低下を食い止める、睡眠改善の施策とは!?会社をリタイヤし、日々仕事に追われていたような生活から解放されたのに、睡眠の質の低下を訴える年配者は少なくありません。これは何十年と続けてきた生活リズムが崩れて、睡眠に悪影響を及ぼしている結果だといえます。例えば、翌日特に予定がないからと深夜まで起きていることや、逆にやることがないからといって早めに寝るといったことはありませんか?就寝時間・起床時間が長年の習慣から体内にセットされていて、それがずれることによって、眠りにくくなっている可能性があります。さらに、年齢と共に深い睡眠は割合として減少していきます。途中で目が覚めやすくなるのも、それが一つの要因と考えられます。気をつけたい! 高齢者に多い睡眠障害睡眠障害には、年齢とともに発症しやすくなるものがあります。まず有名なものが、睡眠時無呼吸症候群。これは就寝中に突然呼吸が止まることで中途覚醒したり眠りが浅くなったりするものです。次にレストレスレッグス症候群。これはむずむず脚症候群とも呼ばれ、脚にむずむずと虫がはってくるような感覚や脚がソワソワと落ち着かず寝付けない症状をいいます。そしてレム睡眠行動異常症。これは夢の中の行動を現実でも行ってしまう障害です。恐ろしい夢を見て叫び出したり、家族に暴力をふるってしまったりという問題が起きます。これらの睡眠障害は、専門のクリニックに通うことにより快方につなげていくことができます。睡眠外来や精神科のなかで睡眠治療を行っているクリニックに連絡をして、お医者さんに相談してみましょう。また、本格的な睡眠障害になる前に手立てをとることも重要。日中の活動を充実させて、身体を動かし、日光に当たり、睡眠環境を整えて就寝してみてくださいね。Photo by Jason Jones
2014年11月01日お子さんがなかなか寝付かなくて困っている、また、寝てもすぐ起きてしまうという悩みを抱えているお母さんも多いでしょう。それでは、お母さんも睡眠時間を取ることができません。そんな方に朗報があります!バナナが子どもの睡眠によいというのです。子どもがなかなか眠らない……英国人のマリアンは、3歳の子どものアーロンが夜になかなか寝付けないことに悩んでいました。たとえ寝たとしても、すぐに起きてしまうということの繰り返しでした。オレンジ色の灯りからリラックスできる音楽まで色々試しましたが、どれも効果はなかったそうです。バナナを半本食べさせたら熟睡!思い余ったマリアンは、チルドレンズ・スリープ・チャリティーに相談に行きます。そこで、創始者であるヴィッキー・ドーソン氏にバナナを半分食べさせるように助言を受けました。助言に従い、就寝前にバナナを半本食べさせたところ、何とアーロンはぐっすり眠ったというのです!その日からアーロンは就寝前にバナナを半本食べ、毎日11時間眠れるようになりました。まだまだ解明できてないバナナの睡眠効果リーズナブルで身近なバナナにこんな効果があるなんて驚きです!バナナがなぜ睡眠に効くかは、まだはっきりしていません。サンドラ・ドルトンースミス博士は、バナナはカリウムとマグネシウムを豊富に含むため、それが過度に緊張した筋肉をリラックスさせるのではないかと指摘しています。また、バナナには1本あたり10mgと少量ながら、トリプトファンという必須アミノ酸が含まれています。トリプトファンは心のバランスを整えるセロトニンの原物質になり、さらにセロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンの物質材料になります。トリプトファンが不足すると、不眠症などの睡眠障害やうつ病を引き起こす可能性があります。もしかしたら、トリプトファンが含まれていることもバナナの睡眠効果の相乗作用に繋がったのかもしれません。バナナのほか、エネルギーをゆっくりリリースする全粒粉パン、ピーナッツバターも、就寝前に摂取するとよいのではないかと言われています。ただし、ベッドに入る直前に摂取すると、胃が重くなってかえって眠れなくなる可能性もあるので、就寝2時間前に食べると良いでしょう。Photo by Adam Sacco
2014年11月01日風邪でもないのに、喉の調子が悪い。睡眠中に咳をして眠りが浅かったり、朝は声がガラガラだったり……。そんなふうにお悩みの方は意外に多いようです。なぜ、睡眠中に咳をしたり喉の痛みを感じたりすることがあるのでしょうか。睡眠と喉の健康の意外な関係に迫ります!睡眠中の咳や寝起きの喉の痛みにはこんな原因があった!睡眠中の咳や喉の痛みにはいくつかの原因がありますが、最も多いのが乾燥からくるものです。冬の時期はもちろん、寝苦しい夏場もクーラーなどの影響で知らない間に喉が乾燥してしまうのです。喉が乾燥すると風邪も引きやすくなるため、慢性的に風邪を引いているような喉の痛みやダルさを感じるようになるでしょう。また、口呼吸をしながら眠ってしまっている可能性もあります。眠っている時に口を全開にして口呼吸をしている人が多いですが、それを鼻呼吸に切り替えるだけで悩み解決へ一歩前進するかもしれませんよ。寝ている間もしっかり確認!口呼吸チェック「私、もしかして口呼吸なのかな!?」と思っても寝ている間のことは本人にはわかりませんよね。実は昼間も口呼吸をしている人は、就寝時も口で呼吸している可能性大!そこで、口呼吸をしているかを簡単に判定してみましょう。【真実を知ろう!口呼吸チェック】□起床時、喉がヒリヒリと張り付くような感じがする□自分のイビキで目が覚めることがある□鼻を意思通りに動かせない□音をたてて食事をしてしまう□集中している時に口を開けている癖がある□唇が常に乾燥している6項目のうち3項目以上該当していた場合、主に口呼吸を行っている可能性があります。口呼吸は細菌やウイルスをそのまま吸い込むので病気にかかりやすかったり、就寝時のイビキや無呼吸などを誘発したりします。まずは起きている日中に鼻呼吸を心がけ、口呼吸から卒業してくださいね。今夜からできる!マスクを活用した喉ガラガラ防止策明日にはこの喉の不調を取り除きたい! そんな方には、就寝時のマスクの着用をオススメします。とはいえ、マスクを着けていると苦しい感じがして寝付けない……という声も。そんな方に、朗報です!現在は就寝時用のマスクが発売されています。肌ざわりが良いメッシュ生地、耳にかけるゴム部分もアジャスター付きで長時間着けていても痛みが生じにくくなっています。息を吸い込むと、フィルタで空気を温めるので喉に負担をかけないという効果のものもあります。まずは自分の喉の不調がどこにあるか、きちんとチェックしてみてくださいね。喉や呼吸器の病気の場合はお医者さんに相談しましょう。Photo by ashley rose
2014年10月30日東京都文京区本郷にある睡眠ケアショップ『ねむりの樹』では、アロマ、リラクゼーション音楽のCDに加え、科学的に、医療的に睡眠を改善する商品を多く扱っています。睡眠ケアショップ『ねむりの樹』は、医療機器を扱うパシフィックメディコ株式会社が、2011年4月に千代田区麹町に開業、2011年11月に医療の街である本郷に移転開業しました。ショップ一押しの最先端睡眠グッズをいくつかご紹介致します。写真は、『ねむりの樹』店長の荒木純子さん光を耳から脳へ届けて、体内時計リセット!?音楽プレーヤーのようなイヤホンがついたこちらの商品「ヴァルケー2」。イヤホンから流れてくるのは、音ではなくて、なんと光です!光を耳から脳に届けて、体内時計を調節してくれるとのことです。朝起きて1時間以内に使用し、9分後に自動的に電源がオフになるとのこと。ヒトの脳には24時間より長い周期の体内時計が存在します。毎朝、外光を浴びることで周期のズレを矯正して24時間にリセットしています。「ヴァルケー2」は、太陽光の代わりに、LEDの光を耳から耳道を通じて脳に照射して、眠りを促すホルモンであるメラトニンを消失させ、目覚めの良くし、また日中の活動と関連するセロトニンの分泌を促します。よって、朝はすっきりと目覚めることができるようになり、夜は眠りにつきやすくなります。指につけるだけで、ストレス度が分かる!?次にご紹介するのは「アイリラックス」という商品です。指先に着けるだけで、ストレス度を測ってくれるそうです。日常的にストレスにさらされていると、交感神経が優位になってしまい、なかなか眠りにつくことが困難になります。心拍変動数が不規則になり、呼吸も浅くなります。そんなときに、「アイリラックス」を着けて、表示されるガイドに従って、深呼吸をします。すると呼吸が深くなり、心拍が整ってきて、副交感神経が優位になり、リラックスでき、そして安眠できるそうです。荒木純子店長曰く、「指先に着けるストレスの消しゴムのような機器」とのことです。握るだけでストレス解消!最後にご紹介するのは、「パルスエッグ」という商品です。手のひらにすっぽりと収まる楕円形の球体で、コードレスです。握ると、低周波治療器のようなピリピリという電気刺激が手のひらに伝わってきます。「パルスエッグ」は、交感神経が優位になる周波数の電気刺激でやる気モードに導いたり、副交感神経が優位になる電気刺激でリラックスモードに導いたりしてくれます。握るというのがカギで、手のひらと脳は密接な関係にありますので、刺激が脳に伝わりやすいそうです。また、握る行動は睡眠障害の認知行動療法でも応用されている方法で、睡眠を誘うのに効果的かもしれません。ピリピリとした刺激が、とても心地よいです。『ねむりの樹』では、その他に、睡眠時無呼吸症候群を解消するCPAP(シーパップ)なども販売しています。睡眠に悩みを抱えている方は、一度訪れてみてはいかがでしょうか。『ねむりの樹』東京都文京区本郷2-26-11-1F営業日月曜~金曜、第四土曜(ただし祝日は休み)営業時間月曜~金曜 10:30~19:00第四土曜 10:30~17:00HP: by karin and the camera
2014年10月30日夜中の尿意でトイレに行って目が覚めてしまうことって本当にイヤですよね。せっかく気持ちよく寝ていたのに、なんだか損した気分になることも。今回は、睡眠中にトイレへ行く時間帯にはルールがあるというお話をご紹介します。睡眠中に尿意を感じる時間って?みなさん、寝ていて尿意を感じて起きることってありますよね。それにはじつは「あるルール」があるということをご存知でしたか?それは「尿意を感じて起きるのはレム睡眠時のみ」ということ。突然、そんなことを言われても「?」という方もたくさんいると思うので、レム睡眠・ノンレム睡眠について簡単に説明したいと思います。私たちの睡眠には周期というものがあります。浅い睡眠=レム睡眠と深い睡眠=ノンレム睡眠を交互に繰り返しているのです。就寝してからだんだんと眠りが深くなっていき、だいたい就寝1時間後に深さのピークを迎えると言われています。そこから徐々に浅くなっていき就寝2時間後には最も浅いレム睡眠を迎えます。睡眠には周期がある最も深いレム睡眠を迎えた後は、約90分の周期でレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返し、朝を迎えるというわけです。レム睡眠は浅い睡眠なので、このときに物音がしたり、身体を揺すられたりすると目を覚ましやすくなります。トイレも同様で、尿意を感じて目が覚めるのは、浅い睡眠=レム睡眠のときに限られる、というわけです。役割分担というか、すみわけがなされていて面白いですよね。ちなみに深い睡眠=ノンレム睡眠の最中に強制的に起こされたりすると強い疲労感に襲われてしまいます。90分周期で計算して起きるようにするとパッと気持ちよく目覚められるかもしれませんね!いびきと歯ぎしりの改善方法最後に、睡眠の悩みで多いと言われている「いびき」と「歯ぎしり」を軽減させるための方法をご紹介したいと思います。・いびき簡単にできる方法は、横向きで寝ることです。上向き(仰向け)で寝るといびきをかきやすくなります。また、お酒を飲んだときや疲れているときもかきやすいと言われています。注意してみましょう。・歯ぎしりもしかすると歯のかみ合わせに問題があるのかもしれません。一度、歯医者さんに相談してもよいかもしれません。ほかには、ストレスや緊張が原因になるとも言われています。運動をしたり、お風呂に入るなどリラックス方法を生活に取り入れてみましょう。Photo by aflutter
2014年10月26日睡眠時間を削って深夜までネットをしているネット依存の人が年々増えているそうです。今回は、その現状と対策法をご紹介します。ネット依存の恐怖を知って、慢性睡眠不足にならないように一人一人の意識を変えていきましょう。「ネット依存」5年前の1.5倍にまで増加厚生労働省研究班が2013年に行った「インターネット依存」に関する調査で「ネット依存」が5年前の1.5倍にまで増加していることがわかりました。数字で見ると、421万人だそうです。スマホが普及したことで、誰とでもいつでも連絡がとれるようになったり、ネット上のコンテンツが充実していくことで、気付いたら何時間もインターネットをしていたり。インターネットの普及はメリットも多いものの、身体を壊しかねない恐ろしいデメリットがあるのです。これは、慢性睡眠不足を引き起こす原因にもなります。まずは、自分自身の生活を見返してみましょう。「ネット依存」で増える慢性睡眠不足な人々「ネット依存」とは、ただネットを使いすぎるということだけでなく、それが原因で健康や暮らしに影響が出る状態のことを言います。ネット依存という意識がない人でも、気がつくと思っていたより長時間ネットをしてしまっていたり、睡眠時間を削ってまでネットに没頭してしまったことがあったり、ネット依存予備軍に当てはまる人は多くいます。特に20~30代の男女に、ネット依存傾向にある人が目立つようです。健康や暮らしに影響はないから、といって軽視するのではなく、自分に大きく関わってくる問題だと考えるべきでしょう。特に、気付かぬところで睡眠時間を削ってしまっている可能性もあります。慢性睡眠不足の実態とは慢性睡眠不足は、なかなか気付きにくいものです。徐々に睡眠不足感が減っていき、睡眠をとらなくてもなんとかやっていけてしまう状態になってしまう可能性があります。しかし、慢性睡眠不足によって、体や心などに悪影響を与えているのは間違いありません。時間を区切ってネットをやるのは問題ありませんが、長時間没頭しすぎるのはデメリットが多すぎます。インターネットのコンテンツの充実により、今後もネット依存が増えることが考えられます。自分自身や身近な人がそうなる前に、自分自身で環境を変えていきましょう。特に慢性睡眠不足だという自覚がある人は要注意です。Photo by Federico Morando
2014年10月26日ライフメディアはこのほど、「睡眠」に関する調査の結果を公表した。同調査は、全国の10代から60代の男女を対象に、3日から8日にかけて、同社が運営する「ライフメディア」にてインターネットリサーチを実施。1200件の有効回答を得た。○理想の睡眠できてますか?「1日の平均睡眠時間」を尋ねたところ、「5~6時間未満」と「6~7時間未満」が35%でほぼ同率だった。「1日の理想睡眠時間」を尋ねたところ、「7~8時間未満」が46%でもっとも多い結果となった。「最近の睡眠の満足度」について尋ねたところ、「大変満足している」、「まあ満足している」と答えた人が35%、「あまり満足していない」、「全く満足していない」と答えた人は42%という結果となった。睡眠に対して不満に感じている人の方がやや多くなった。「睡眠に対する不満」を尋ねたところ、「疲れが取れない(33%)」、「ぐっすり眠れない(27%)」が上位になった。「不満はない」人は21%だった。「朝の起き方」を尋ねたところ、「自然に目覚める」が52%でもっとも多い結果になった。「目を覚ますためにすること」を尋ねたところ、「トイレに行く(46%)」「顔を洗う(40%)」が上位になった。
2014年10月24日真っ暗な中で布団に横になっていると、気になるのがトクン、トクンという心臓の音。もしかしたら自分は不整脈かもしれない、なんて思うことはありませんか?睡眠中の動悸、不整脈突然ですが、「睡眠時不整脈」という病気をご存知ですか?これは睡眠中に動悸がして眠れなくなってしまう病気です。不整脈とは、通常であれば定期的に発せられる心臓の電気信号が乱れて、異常なリズムになってしまうというもの。とくに、夜にベッドで横になったりすると、心臓の鼓動を感じやすくなるため、不整脈や動悸などをより敏感に感じ取るようになります。それによって、精神的な不安が大きくなり、不眠が引き起こされるというわけです。不整脈の多くは治療の必要がないと言われていますが、突然の不整脈で死に至ることもあるため、病院で検査をしてもらうようにしましょう。ポックリ病の原因とは?睡眠中に不整脈が起きるのは睡眠時不整脈だけではありません。最近まで原因不明のため「ポックリ病」と呼ばれていた病気、「ブルガダ症候群」もその1つです。これは主に若年~中年の男性に起こりやすいと言われている病気で、睡眠中や横になっているときに突然、不整脈を発生し、死に至ることもあるというもの。この病気の原因がわかったのは1992年。ブルガダという人が心室細動に原因があることをつきとめたと言われています。この病気の患者は普段から特徴的な心電図の波形を示すことがわかっているそうです。当てはまる人はすぐに病院へ!不整脈で悩んでいる人は、まずは速やかに病院へ行きましょう。現在はホルタ―心電図検査といって、簡易的な心電図記録検査装置を借りて、自宅でも検査をすることができます。不整脈を感じた方で以下に当てはまる方は、早めにお医者さんに相談したほうがよいでしょう。・過去に心臓の病気を患ったことがある人・過去に意識を失うような発作を経験したことがある人・1分間に120回を超える脈拍が数時間以上続いている人心配のある方は自分で勝手な判断をせずに、とにかく病院へ行くようにしましょうね!Photo by Colton Witt
2014年10月23日ここのところ、よく睡眠中に鼻血がでるなぁ。そんな人はいませんか?もしかするとそれは、睡眠障害の一つである睡眠時無呼吸症候群かもしれません。自分で勝手な判断をせずに、お医者さんに相談しましょう。睡眠中の鼻血は何のサイン?睡眠中にタラーッと鼻から血が……。そんな経験はありませんか?この睡眠中の鼻血。頻繁に起こるようだと睡眠障害を疑ったほうがよいかもしれません。鼻血で睡眠障害?! と思われるかもしれませんが、その病名は「睡眠時無呼吸症候群」。これは夜間、睡眠中に突然、呼吸が止まってしまう病気です。この病気は肥満体質の人が、気道が狭くなってなるものなどと誤解を受けていますが、痩せている人も、また老若男女にかかわらずかかる恐れがあります。鼻血の応急処置の方法睡眠時無呼吸症候群の検査や治療方法をご説明する前に、夜中に大量の鼻血が出た場合の応急処置方法について解説します。真っ赤な血を見るとパニックになってしまう方もいるかと思いますが、まずは落ち着いて鼻血は飲みこまずにティッシュなどに吐き出すようにしましょう。鼻血が出た側の穴を確認し、ティッシュなどを入れて栓をして、両方の小鼻をつまみます。鼻の付け根の部分を冷やすとよいとも言われています。座った状態で顔を下に向けるか、横になって顔を横または下に向けるような体位をとるようにしましょう。この状態を10分程度、キープすればだいたい鼻血はとまります。睡眠時無呼吸症候群の疑いがある人は……さて、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるとわかったら、どうしたらよいのでしょうか。まず、絶対に放っておいてはいけません。心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなる可能性があるからです。病院へ行けば、自宅で検査をすることができる専用の器具を貸し出してくれるところもあります。自宅の簡単な検査で可能性ありとわかると、病院で1泊して、精密検査を受けることになります。治療は重症度によってさまざまですが、CPAP(シーパップ)療法が用いられることもあります。これは呼吸が止まらないようになる専用の装置をつけて眠るというもの。思わぬ病気につながることもある睡眠時無呼吸症候群。怪しいと思ったら早めにお医者さんに相談するようにしましょう。Photo by Ben Wells
2014年10月21日寝言やいびきは自分では気づきにくいものですよね。もしかしたら、自分も激しいいびきやとんでもないうなり声をあげているかもしれませんよ。心配な方は一度、家族の方などに聞いてみるとよいかもしれません。睡眠中にうなり声をあげる病気とは?ギリシャ語に「カタスレニア」という言葉があります。カタ(ようなもの)+スレニア(うめき)という意味で、睡眠中にうめき声やうなり声をあげる病気のことを指している言葉なのです。これは睡眠時随伴症と呼ばれる寝ぼけ行動などのように、睡眠中に起こる疾患のひとつです。通常のいびきであれば、息を吸うときだけにかくものです。しかし、カタスレニアの場合は、息を吐き出すときにだけうめき声やうなり声をあげる症状がみられます。眠りについてから1時間半から3時間後によく起こると言われていて、数十秒のうめき声やうなり声が数十分の間隔で繰り返されます。カタスレニアは気づきにくい?このうめき声やうなり声を「カタスレニア」という病気だと自覚する人はまれで、本人ではなく、家族からの訴えで病気に気づくというケースがほとんどのようです。この病気の原因はいまだに解明されていません。現状では、家族への騒音以外に害はないと考えられているそうですが、ほかの病気と誤診をしないために睡眠ポリグラフというセンサーを使った検査による診断が必要になります。このカタスレニアは、睡眠時無呼吸症候群と合併して起こす人も多いようです。そのため、まずはマウスピースなどを用いた睡眠時無呼吸症候群の治療を行い、その後、睡眠ポリグラフ等でカタスレニアが消失したか検査するという方法もとられているようです。睡眠時無呼吸症候群になりやすい人睡眠時無呼吸症候群だけの疾患でもうなり声のように激しいいびきをかくこともあります。いびきを繰り返した後に数十秒、無呼吸状態になり、その後、荒い呼吸とともに激しいいびきを繰り返します。睡眠時無呼吸症候群になりやすい人は、主に2パターンに分かれます。(1)太っている人、(2)気道が狭い人です。肥満になると、気道にも脂肪がついて狭くなってしまうため、息を吸うと気道の壁も一緒に吸引されて閉じやすくなってしまうことがあります。気道が狭い人は顎の小さい人や首の太い人によくみられると言われています。自分ではなかなか気づかないかもしれませんが、まわりから激しいいびきやうなり声などを指摘されることがあったら、すぐに病院でお医者さんに相談しましょう。Photo by Rachel
2014年10月19日5人に1人が睡眠に対して何らかの悩みを抱えるという不眠大国・日本。睡眠に関する悩みは自分だけのものと思ってしまいどうしても一人で抱え込みがちですが、同じ悩みを抱えている人は、案外周りにもいるものです。睡眠障害ってなに?睡眠障害とは大まかに言えば、「入眠・睡眠に何らかの異常をのある状態」を指すとされています。睡眠障害国際分類 (ICSD)が1990年に発表した資料によると、睡眠障害は下記の4タイプに分けられています。(1)睡眠異常睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシー、睡眠相後退症候群、不眠症など、睡眠自体に異常をもたらすもの。(2)睡眠時随伴症周期性四肢運動、睡眠麻痺、夜驚症、夜尿症など、睡眠中にみられる異常な行動。(3)内科・精神科的睡眠障害うつ病や精神病、不安障害などに伴って起こる不眠や過眠。(4)その他長時間睡眠者や短時間睡眠者など、未だに分類が明確にされていないもの。4つのタイプがある睡眠障害の症状はそれぞれ異なると言われています。よく風邪などと勘違いされることがある不眠症は、睡眠環境の変化やストレスによって引き起こされることがあります。過眠症はまとまって多くの時間を寝てしまうだけでなく、昼間も強烈な眠気にたびたび襲われたり、就寝中はいびきや無呼吸状態を伴うこともあるとされています。睡眠中の異常行動は、寝ぼけて独り言を言ったり、無意識のまま起き上がって歩きまわるほか、突然、大声を出したり、暴れまわることもあると言われています。このように「睡眠障害」と一言でいっても、その症状にはさまざまなものがあるのです。睡眠障害相談はどうすればいい?このような症状に当てはまる、もしくは家族や友人に思い当たるという方で、誰にも相談できずに悩みを抱え込んでしまっている方はいませんか?現在は電話での相談室を設けているクリニックなどもありますので、一人で抱え込まずに相談してみましょう。治療の方法はさまざまですが、まずはその原因を探るために精神的ストレスや悩みなどをカウンセリングにより聞き取り、睡眠習慣の見直しの提案からスタートすることが多いようです。ほかにも睡眠導入剤による睡眠の改善、運動療法、食事療法などさまざまなものがあります。もしかしたら睡眠障害かも、と思った方は気軽に相談してみてはいかがでしょうか?Photo by MeganLynnW
2014年10月18日睡眠に関する研究が始まったのは1930年ごろからで、まだまだ研究としては日が浅い分野です。しかし、現代社会で起きる睡眠障害や事故によって、睡眠研究のニーズが急速に高まっています。今回は、睡眠医療の歴史と今後について紹介します。睡眠医療の歴史~最初に睡眠を科学し始めたのはどこの国?眠りに関することは、太古の昔から多くの人々によって関心が寄せられていました。しかし、睡眠が科学として研究され始めたのはごく最近のことでした。その初めは1930年。オーストリアの神経科学者であるvon Economoが、睡眠をコントロールする中枢の存在を明らかにしたのです。続いて、ドイツの精神医学者Bergerがヒトの脳波を発見した後、1953年にはシカゴ大学のAserinskyとKleitmanによってレム睡眠が発見されました。その後、スタンフォード大学で睡眠障害クリニックを設立したDementは、睡眠医療分野のパイオニアと呼ばれています。そして、睡眠時無呼吸が明らかになる時代がやってきます。睡眠研究はなぜ発展したの?現代は、これまでにないほど睡眠に対して高い関心が寄せられています。この背景には、脳科学の進歩によって、睡眠の重要性が認識されはじめてきたことがあるでしょう。また同時に、現代社会の活動様式が睡眠を慢性的に犠牲にするようになり、さまざまな悪影響を生じさせたことも原因だといわれています。私たちが生活している高度技術化社会は、生産活動や経済利益を重視する代わりに、睡眠を軽視し、犠牲にしてきた背景があります。この睡眠を軽視した結果は、各地の大事故にも発展してしまったのです。睡眠に対する研究が推進されているのは、この社会的な要請によるところが大きいといわれています。睡眠医療の今後深刻な睡眠障害や、睡眠を軽視したことによる大事故が各地で頻発していることにより、ますます睡眠研究が求められています。科学的な成果にもとづいて、健康を維持するにはどのような生活パターンを構築すべきであるか、また、どのような睡眠障害対策を実施すればいいかということが、年々重みを増す課題となっているといえるでしょう。課題を解決するには、まだまだ遅れている日本の睡眠研究を行うための環境面や費用面の充実が必要です。社会的要請が増大する中で、今後は学部レベルの学科や講座を増やすなどの早急な対策が求められています。今後の睡眠研究の成果に期待していましょう。photo by omoon
2014年10月16日睡眠に関する研究は日々進んでいます。今後もますます各種多様な研究が進められていくことでしょう。今回は100年前に行われたという、ヒトではなく犬を対象とした睡眠物質に関する、ある研究をご紹介したいと思います。睡眠誘発物質とは?人はなぜ眠くなるのでしょうか。それは睡眠を誘発する睡眠物質が存在するからであり、この物質が発見されたのは約100年前と言われています。最初にこの物質が発見されたのはヒトではなく犬でした。石森國臣博士という研究者が断眠の状態においた犬の脳の抽出物を別の正常な状態の犬に注射する、という実験を行いました。すると、正常な犬は十分な睡眠をとっていたにもかかわらず寝てしまったのです。このことから、博士は脳内に睡眠を誘発する物質が含まれているのではないかという仮説をたて、論文を発表しました。そこからヒトの研究へと進んでいったというわけですね。約30種類もある睡眠物質その後、研究は進み、現在では脳だけでなく、血液や尿などから約30種類の睡眠物質が発見されています。そのなかでも、早石修博士という研究者が発見した睡眠誘発物質「プロスタグランジンD2(PGD2)」は強力な睡眠誘発作用を有すると言われています。このPGD2が脳脊髄液に溜まると、アデノシンと呼ばれる第2の睡眠物質が睡眠中枢を刺激することで睡眠を誘発するということがわかっています。一方で、プロスタグランジンE2(PGE2)と呼ばれる同じプロスタグランジンの物質は逆の作用=覚醒の働きをすることで睡眠と覚醒のバランスをとっている、ということも判明したそうです。がん細胞と睡眠物質が関係している!?このPGD2は、がん細胞の成長を抑制する効果があるとも言われています。PGD2の働きを強めることができるようになれば、新たな治療法にもなりうると考えられているとか。そのために必要なことは睡眠誘発作用をもつPGD2をたくさん出すこと。つまり、質の良い睡眠をたくさんとることで睡眠物質もたくさん出て、免疫効果も高まるということですね。これからますます、睡眠とがん細胞など、病気との関連性が最新の研究によって解き明かされていくと思うと楽しみですね!私たちは病気を防ぐためにも、日々、快適に眠って健康的な生活を送るように心がけましょう!Photo by John Tyler
2014年10月15日新婚生活では睡眠環境が合うかどうかは大事なポイントとなります。軽視しがちですが、新しい生活を始める前に睡眠環境について考えてもらえればと思います。自分たちに合った睡眠環境を整えていきましょう。軽視されやすい睡眠環境夫婦ならば一緒に寝るのが当たりまえ!と日本では考えられがちで、睡眠環境について考えることなく、寝室はひとつと決めてしまってはいませんか?しかし、男女で睡眠環境に求めるものは違っています。例えば、女性の多くは冷え性で寒がり。寝る前にクーラーなどで体を冷やすことを避けたい方もいます。また男性は暑がりで、広いスペースを使って寝たいという人も多いでしょう。センシティブな方は、小さな振動で目が覚めてしまう、という方もいるでしょう。1つのベッドに寝なければいけない、1つの部屋で寝なければいけない、という決まりはありませんので、自分たちに合った睡眠環境を考えてみましょう。どうしたらいい?ベッドのサイズ睡眠環境を整えていくうえで、3つ考えるべきことがあります。1.一緒の部屋で寝るかどうか2.一緒のベッドで寝るかどうか3.ベッドのサイズはどうするか特に1と2についてはじっくり話し合って決めましょう。1を決める際には、部屋の間取りに関わってくることなので、部屋の間取りを決める際に、話し合うべき項目となるでしょう。3のベッドのサイズについてですが、パートナーと2人で寝ている場合のベッドのサイズは、60%以上がダブルかセミダブルのベッドを選んでいるようです。別々の寝室で、一人で寝ている場合のベッドのサイズでも、約30%がダブルかセミダブルのベッドとなっているようです。これはどういうことでしょうか?結局、寝室環境を分けることに別々の寝室で一人で寝ているのに、ダブルかセミダブルのベッドに寝ているのにはわけがあります。もともと一緒に寝ていたけれど、別々に寝るようになり、夫婦の片方がもともとあったダブルかセミダブルのベッドに寝ているという理由がほとんどのようです。つまり、新婚時代はよかったものの、睡眠環境が合わず、結局別々のベッドで寝るようになったのです。先のことも考えて、しっかりとベッドは選びたいものです。また、エアコンの位置やベッドの配置などによっても睡眠環境は変えられるので工夫してみてはいかがでしょうか?睡眠環境だけでなく、新しい生活環境は、しっかり考えたうえで決めていきましょう。Photo by Club Med UK
2014年10月14日平均睡眠時間が7~8時間と言われている日本。それよりも長い人、短い人、同じぐらいの人、さまざまな人がいるでしょう。最近の研究で睡眠時間と脳の劣化の関係が発表されました。いつまでも快活に生きるためには何時間の睡眠が最適なのでしょうか?脳と睡眠には関係がある?睡眠時間と脳の老化には関係があるのか、ないのか? これは誰もが非常に興味のあるテーマだと思います。じつは最近、これに関する最新の研究成果が発表されました。「睡眠時間の短い人のほうが脳の老化が早く、さらに認知力も低下しやすくなる」。これを証明するために、実験が行われました。被験者の脳の容積をMRIで測定し、さらに血液検査や神経心理学的検査を行い、睡眠時間が脳にどのような影響を与えているのかについて、数年間にわたって調べたそうです。実験では、睡眠時間の短い被験者ほど、認知能力が低下し、さらに脳室の拡大が早くなる、という傾向がみられたようです。アルツハイマーとも関わりが?睡眠は脳に大きな影響を与えるということが、ほかの研究からも解明されています。アメリカの大学の研究チームが発表した研究結果によると「睡眠は脳の老廃物を排除する効果がある」そうです。老廃物のなかにはアルツハイマー病にも深く関連しているタンパク質アミロイドベータと呼ばれる物質もあると言われています。これを調べるために行われたのがマウスを用いた実験です。マウスの脳の体液を調べたところ、起きているときに比べて、なんと2倍もの速さで脳内からアミロイドベータが取り除かれていたと報告されています。やはり睡眠は健康に生きていくために欠かせないものだということがわかりますね!睡眠は脳をつくる「睡眠は脳をつくる、脳は睡眠をつくる、睡眠は脳を守り、修復し、賢くする」という言葉があります。これは井上昌次郎・東京医科歯科大名誉教授が言ったとされる言葉です。睡眠がいかに脳に大きな影響を与えているかということがよくわかる言葉ではないでしょうか。人は大脳を酷使した後は、睡眠が欠かせないと言われています。みなさんも頭から湯気が出そうなほどに脳ミソを使った後は、ぐったりしてちょっと眠らないと頭が働かないという経験があるかもしれません。それは決して怠けているから、ということではなく、人間が本質的に求める行動だったということが最近の実験で明らかになっています。これからも睡眠に関する研究が進めば面白いですね!Photo by Nima Fatemi
2014年10月14日みんな大好きなチョコレート!著書に『9割の不眠は「夕方」の習慣で治る』(SB新書)もある、RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルクリニックケアクリニック院長である白濱龍太郎先生によると、夕方のチョコレート摂取が睡眠に良いらしいんです。美味しいチョコレートで眠れたら、一挙両得ですよね。睡眠モードをオンに!最近は仕事時間が長い人も多く、長時間の覚醒状態が続いています。そうすると、なかなか覚醒スイッチをオフにすることが難しくなるのです。そして、「眠れない」ということになって、帰宅後になかなか脳が睡眠モードに入らないという現象が起きます。そこで、実践したいのは「睡眠モード」をオンにすることです。スムーズな入眠は、夕方以降の行動に関係します。睡眠モードを習慣づけるそこでオススメなのが、夕方にチョコレートを少し食べること。チョコレートの原料であるカカオは、抗ストレスや抗不安の効果があるとされるGABAを多く含んでいます。つまり、チョコレートを食べることで、リラックス効果を手軽に得られるのです。もちろん、チョコレートを食べるだけで、絶大なリラックス効果は期待できません。大切なのは、そういう行動を習慣化することで、少しずつ「睡眠モード」をオンにするということ。GABA強化のチョコレートも!チョコレートはあくまで、覚醒状態から睡眠モードへの一日の切り替えのきっかけとして取り入れることがオススメだということです。リラックスしている時は副交感神経が優位になります。チョコレートを食べることも副交感神経を活性化するための一つの方法。最近はGABAを強化したチョコレートも売っています。江崎グリコのチョコレート「GABA」は、100g当たり280mgもGABAを含んでいますよ!あなたもチョコレートでホッと一息ついてみてはいかがでしょうか?Photo by Peter Pearson
2014年10月14日あなたの睡眠不足、いつからですか?「いつからともなく……」「最近かな?」「ずーっと!」。いろんな答えがあるかもしれません。でも、人はたった5日間の睡眠不足でも深刻な影響が及ぶかもしれないことがわかってきました。がんばっているのに、マイナス思考に陥る?試験前の追い込みや仕事がたまっているときなど、睡眠時間を削って1、2週間くらい忙しくしていること、誰でもあるかもしれませんね。そんなときの気持ちって、どうでしたか?あたふたと目の前にあることを一生懸命にこなすのに精一杯で、気持ちにゆとりなんかありませんよね。それに、もっとひどくなるとピリピリ、カリカリ……なんてことに。おまけに自分でも、「あ~あ、こんな自分は大嫌い!」と反省しつつも、「なかなかポジティブになれない」という人も多いのではありませんか?でも、こんなふうになるのには、脳の変化による影響があるそうなんです!たった5日間の睡眠不足で脳に変化が!がんばっているのにネガティブな気持ちになるのは、どうしてなのでしょう?国立精神・神経医療研究センターの発表によると、睡眠不足の時はネガティブな情動刺激に対して反応しやくすなることが明らかにされました。具体的には、健康な成人男性に、8時間睡眠と4時間睡眠のグループに分かれ5日間過ごしてもらい、脳活動の変化を機能的MRIで測定するというもの。結果、睡眠不足の状態で「幸福な人の顔写真」を見せても、左扁桃体の変化はなかったものの、「恐怖におびえる人の顔写真」を見た後は、左扁桃体の活動量が増大していたそう。つまり、睡眠不足のときには、ネガティブな情動刺激に対してだけ反応しやすいことがわかったんです。どうりで、睡眠不足のときにはピりピりしがちだったわけですね!睡眠不足は脳にもっと深刻な影響が!でも、睡眠不足による脳への影響は、これだけではないのです。もっと深刻な影響があることが確認されました。それは、この左扁桃体の活動は、亢進するほど不安や混乱が高まり、抑うつ傾向が強まるということ。たった5日間の睡眠不足が、ネガティブな思考を起こさせるだけにとどまらず、さらに心の病さえ引き起こしかねないことがわかるのではないでしょうか?研究グループの一人、三島氏は、「睡眠を犠牲にして勤勉であることが、日本人の美徳であると考えられてきた(が)、このような生活が本当に効率的かつ持続可能なのか、考え直すべき時期に来ている」と述べておられます。睡眠不足でがんばっているあなたも、一度一息ついて、ご自分のスケジュールを調整してみてはいかがでしょうか?Photo by wolfgangfoto
2014年10月12日「いびきがうるさーい!」家族からそう言われたことはありますか?いびきによって周りの人は迷惑を被りますが、たいていの場合、当の本人に自覚はありません。周りから指摘されて、はじめて自分がいびきをかいていたことに気づく人も多いようです。これって、ぐっすり寝ている証拠なのでしょうか?そもそもいびきって何?ホントによく眠っている?「よくもこんなに大きな音が出せるものだ!」。いびきの騒音に悩まされている家族は、そう思うものです。では、どうしてあの「ゴー、ゴー」という変な音が出るのでしょうか?誰でも寝るときには筋肉がゆるみ、重力の影響で舌が落ち込み気道を狭くします。その狭くなった気道を空気が通るとき、周囲の粘膜を振動させ、あの大きな音が出るのです。気持ちよさそうに寝ているように見えても、狭くなった気道でなんとか呼吸しているので、本人にも少なからず負担がかかっているわけです。ですから、いびきをかいているときは、よく眠っているようにも見えますが、実はそうではないんです!いびきの原因にはどんなものがある?あまりにもいびきが続くと、家族も心配しますよね。でも、いびきを発生させる原因となるものには、どんなものがあるのでしょうか?先程述べたように、いびきは気道が狭くなった時に生じます。それで、高齢になって筋肉の緊張が低下したり、アルコールや肥満が原因で気道が狭くなるといびきが生じやすくなるそう。他にも、鼻が詰まることでいびきが生じることがあります。鼻が詰まる原因は、鼻の感染、腫瘍、アレルギー疾患、扁桃の肥大、咽喉部の腫瘍などが挙げられます。重病が潜んでいる可能性もあることを考えると、「いびきくらいで……」と軽く見ずに、まずは原因を見極めるようにしましょう!たとえば、アルコールを控えたり、ダイエットしたり、鼻づまりを改善したりすることでいびきがおさまることもあります。横を向いて気道を広げて寝ることも、効果があるかもしれません。他にもある!いびきがサインの怖ーい病気いびきの他にも、「十分寝ているのに日中も眠い」、「疲れがとれない」と感じていますか?そうだとしたらいびきによって眠りが浅くなり、睡眠障害を引き起こしているのかもしれません。もし呼吸が止まることがあるようなら、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があります。これは心臓や身体のあちこちに負担がかかる重大な病気ですので、疑わしいようでしたら早めに病院で検査を受けて、キチンと治療しましょう!いかがでしたか?これからは、いびきをよく眠っている証拠ではなく、身体からの警告音!あなたとあなたの家族の安眠と健康を守るために、身体が発しているシグナルを見逃すことのないようにしましょう!Photo by Renee Moller
2014年10月11日「睡眠衛生」という言葉をご存じですか?なんだかカタい響きのある言葉ですが、睡眠衛生は自分が健康でハッピーな生活を送るために欠かせない、睡眠の質を上げるために大事なものなのです。睡眠衛生って?夜寝る前のお酒やたばこ、カフェインなどが眠りの妨げになることは、多くの人に知られています。すでに自分の寝室環境を整えたり、よりよい睡眠を得るために日中の運動を心がけたりと工夫している人もいるかもしれません。睡眠衛生とは、よりよい睡眠習慣を身に付けること。この良い睡眠について正しい知識を得ることはとても重要です。もし睡眠に関する悩みでお医者さんにかかることがあった際も、睡眠衛生の指導を受ける機会が今後ますます増えてくるかもしれません。自分の睡眠をよくして快適な生活を送るためにも、ぜひ「自分ごと」として睡眠衛生と向き合っていきたいものです。睡眠衛生教育が医療の現場で取り入れられている理由不眠などの悩みに対して、近年、非薬物的アプローチが進められています。薬に頼らず、睡眠衛生教育と実践によって問題を改善していこうという動きが出てきているのです。実際、不眠の認知行動療法は、薬物と同等の改善効果があり、安全性の面でも優れていて、長期的な効果は薬物より高いことが数多く報告されています。ポイントは、サーカディアンリズムの規則性の確保や、日中や就床前の良好な覚醒状態の確保、就床前のリラックスと睡眠への脳の準備にあるといわれています。例えば、寝る前の激しい運動、熱いお風呂、食事など体温が上がる行動は望ましくありません。睡眠健康教室「脳とこころの癒し塾」では何が行われたの?広島国際大学では、うつと評定された55~75歳を対象に、短期集中体験型の睡眠健康教室「脳とこころの癒し塾」が開催されました。これは、快眠とストレス緩和のための習慣づけを行うためのものです。教室で行われたのは講話やグループワークのほか、30分の軽い運動。そして30分間の昼寝を自宅でとる生活を習慣づけた結果、8割の参加者の睡眠状態や体調が改善したといいます。しかも、この教室の体験後、大半の参加者がこの生活習慣を維持しているのだそうです。この睡眠健康教室は、自ら睡眠に対する対処スキルを習得できたというのが一番の成果物であるといえそうです。つまり睡眠衛生教育がいかに大事かということがわかります。睡眠衛生について知る機会は増えています。まずは厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」を確認してみましょう。photo by PhoTones_TAKUMA
2014年10月10日美容に気を遣う女性であれば、睡眠が必要不可欠であることはご存知のことでしょう。睡眠には疲れたお肌を修復してくれる役割があります。良質な睡眠をとることは誰もが望むこと。しかし実際は忙しい日々が続くと、どうしても睡眠不足になってしまいがちです。そんなときにおすすめの栄養素を紹介します。アミノ酸で睡眠の質が良くなる?!ある栄養素を摂取すると睡眠の質が良くなる、と聞くと、特に睡眠時間が少なくなってしまいそうなときにその質を上げることができれば、これほどいいことはないですよね。短時間でもぐっすりと眠ることができれば、美肌や健康をキープできるのですから。その栄養素とは、ずばり「アミノ酸」。特に、アミノ酸の中でも「トリプトファン」がいいといわれています。トリプトファンとは、牛乳から発見されたという必須アミノ酸の一つで、乳製品や大豆製品、ナッツ類などのたんぱく質に多く含まれているものです。良質な睡眠で美肌も健康もキープ!トリプトファンは、体内に取り入れられるとどうなるのでしょうか。食物から取り込まれたトリプトファンは、いったん肝臓や腎臓で分解されます。そしてエネルギー源として利用されます。また、脳に運ばれたトリプトファンは、「セロトニン」という物質を生成します。このセロトニンが良質な睡眠を得るカギとなるのです。セロトニンは、一般的に神経の高ぶりを抑えてくれ、リラックスさせてくれる物質だといわれていますが、実際、睡眠にとても深く関わっているのです。なぜなら、セロトニンが不足すると、睡眠障害やうつ状態、不安感などが引き起こされると考えられているからです。そして何より私たちが欲しいのは、眠気を誘うホルモン「メラトニン」。セロトニンの分泌を促すことによって、このメラトニンが分泌され、良い睡眠が手に入るというわけです。具体的な食べ方は?では、トリプトファンを効率良く摂取するにはどうすればいいのでしょうか?多く含まれているのはレバー、牛乳、チーズ、バナナ、大豆、アーモンド、まぐろやかつおなどです。中でもバナナには、精神状態の安定に役立つというビタミンB6やマグネシウムも含まれていることから、良質な睡眠を得たい人にはぴったりの食材といえます。ホットミルクと一緒にバナナを1本食べるだけでも、ぐっすりと眠れるための準備は万端だそうですよ!トリプトファンは必須アミノ酸なので、毎日摂取しなくてはなりません。そこで、サプリメントを活用するのもいいといわれています。ただし、取りすぎにはご注意を。
2014年10月08日夫婦によって睡眠環境は異なります。多くの夫婦は一緒に寝ているのでしょうか?それとも別々?多くの夫婦がどうやって寝ているのか、なかなか聞けないところですよね。今回は、夫婦の睡眠事情についてご紹介します。約9割の夫婦は一緒の睡眠環境で寝ている!女性向けサイトで、いまどきの夫婦の寝室事情を調査することを目的として、「旦那様と一緒に寝ているかどうか」を調査したそうです。その結果、『一緒に寝ている』と答えた人は87%。約9割の夫婦が、一緒の寝室で寝ているそうです。別々の寝室で寝ている夫婦は、13%で全体の1割程度という結果がでています。しかし、これは結婚年数によっても変化するようです。夫婦は結婚○年目から別々に寝始める?!次は、結婚年数ごとの結果をみてみたいと思います。結婚1年目だと96%の夫婦が一緒に寝ているとのこと。しかし、6~10年になると80%までその割合は下がります。さらに、11~20年になると65%にまで下がります。結婚5年目あたりから一気に一緒に寝る割合が下がっていき、10年を超えるとそこからさらに15%下がる傾向にあることがわかりました。結婚年数が経つにつれて、寝室やベッドを分ける夫婦が増える傾向にあります。睡眠環境を別々にしたい理由別々で寝ている夫婦にもさまざまな理由があるようです。まずはイビキ問題。相手のイビキがうるさくて眠れない、ということも多いようです。また、ひとりの時間を確保したいという人もいます。さらに大きく影響するのが子どもの問題です。夫婦で寝ていたが、子どもが生まれたことで別々で眠るようになった、という家庭もあるようです。また、生活リズムが違うと、一緒に眠ることも難しくなります。睡眠環境が違うからといって、家庭に問題があるわけではありません。夫婦にとって最適な睡眠環境を選ぶようにしましょう。【参考】朝日新聞『【引越し侍/エイチーム】夫婦が別々で寝始めるタイミングは、結婚○年目だった!?~誰と寝ている?ベッドのサイズは?いまどき夫婦の寝室を徹底調査!~』Photo by Vladimir Pustovit
2014年10月07日日本人の睡眠時間は、他の国と比べると短いといわれています。全世界でみるとフランスが一番多く睡眠をとっているとのことです。そこで今回は、他の国の睡眠に目を向け、睡眠重視の生活リズムを学んでいきましょう。「眠らない日本人」といわれる理由日本人の睡眠時間は、この半世紀で徐々に減ってきています。経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本人の1日の平均睡眠時間は7時間50分。これは1位のフランスより1時間も少ない結果となっています。また、調査を行った18カ国中、ワースト2位を記録しています。では、日本はなぜここまで睡眠時間が少ないのでしょうか?睡眠時間が短いのは生活リズムの問題?!睡眠時間が短い傾向にある原因の一つは、夜型の生活をする人が増えてしまったことが考えられます。近年では、インターネットの普及などによって、24時間いつでも娯楽に触れられるようになったといえますが、その影響が中高生にまで及んでいるのです。成長期に夜型の睡眠時間の少ないライフスタイルが定着してしまうと、大人になってもそのままその生活リズムを続けてしまう可能性があります。フランス人は睡眠への意識が高い?!全世界でみると、フランスが一番多く睡眠をとっていることがわかっています。では、日本人との違いはなんなのでしょうか?フランス人は、睡眠はとても重要なものである、と考えている人が多いのです。睡眠を重視しているため、自分がどれだけ睡眠をとっているかしっかりとチェックしていて、足りていないようならばその分の睡眠を補おうとします。生活リズムを整える中で睡眠が何よりも大切だと考えられているのです。日本との差の一番の原因はここにあると考えられます。睡眠を軽視しがちな日本人ですが、他国の睡眠に対しての意識を照らし合わせて考えると、根本的な部分から意識を変えていく必要がありそうですね。Photo by Moyan Brenn
2014年10月04日