お笑いコンビ・NON STYLEの井上裕介と、アジアンの馬場園梓が23日、映画『ジュピター』(3月28日公開)のトークイベントに登場。井上は"今狙っている相手"として「石原さとみ」の名前を挙げ、「出会ったら恋に落ちる可能性もある」と、強い自信をのぞかせた。本作では、2012年People誌の最もセクシーな男性第1位のチャニング・テイタムと、2012年米Esquire誌の最もセクシーな女性第1位に輝くミラ・クニスという2大セクシー俳優が共演を果たしていることにちなみ、それぞれが演じるキャラクターのコスプレで登壇した2人。井上は、3時間以上かけて作り込んだ金髪と口ひげ、とがった耳という特殊メイクに加え、右腕にタトゥーも入れてチャニング・テイタム演じるケインに変身し、「僕の内なるオオカミが出てしまいました。セクシー過ぎてすいません!」と勝手に謝罪。黒のピチピチ衣装でミラ・クニス演じるジュピターを意識した馬場園は「くまモンではありません(笑)」と笑いを誘った。また、人類の危機を救うために運命に導かれた2人の戦いを描いていることから、それぞれの恋愛トークに発展。井上は「遠距離恋愛や、結ばれない恋も経験しましたました」という過去を明かし、今ターゲットにしている女性に「石原さとみ」の名前を挙げて「出会ってしまったら恋に落ちる可能性もある。まだ出会っていないだけ!」と自らのスキャンダルを予告した。一方、馬場園は「小出恵介」の名前を挙げて「本当に好きなんです」とラブコール。馬場園も「私も出会っていないだけ」と強がり、2人の自意識過剰ぶりが報道陣を沸かせた。さらに、ケインのような力強い男をアピールするため、井上が馬場園の"お姫様抱っこ"にチャレンジ。気合の雄たけびをあげて持ち上げるも、あえなく馬場園の下敷きとなり、「股関節をやってしまった。最近ロケで持った、丸太よりも重かった」と、その重さを木材に例えた。最後に、本作について語った井上は「映像がハンパない。どこまでがCGでリアルなのかわからないほど」と興奮。「ぜひ劇場で、未来の映像を目で耳で体感してほしいです」とPRした。一方の馬場園は「デートムービーとして素晴らしい。登場する豪華な衣装もかわいく、なんと言っても主人公ケインの肉体美がすごい」と見どころを解説。「女性ホルモンがあふれでてくるので、女子力が上がる映画です!」と、女性でも楽しめる映画であることを紹介した。『ジュピター』は、ウォシャウスキー姉弟監督が『マトリックス』以来初となる完全オリジナル・ストーリーを書き上げた作品。人類の危機を阻止するため、身分の違う2人が、宇宙最大の王朝を相手にした戦いを描く。(C) 2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.
2015年03月23日アイドルグループの乃木坂46兼AKB48の生駒里奈が、『コープスパーティー』(夏公開予定)で映画初主演を務めることが26日、発表された。撮影は、3月15日から開始予定。本作は、ゲームシリーズ計10万本以上を売り上げ、コミック100万部以上、そのほかノベライズ、オリジナルアニメ、ドラマCDなど幅広く展開するホラーゲームシリーズ「コープスパーティー」を実写映画化したもの。原作は祁答院慎(けどういんまこと)氏。主演の生駒は、乃木坂46では1stシングルから5thシングルまでセンターを務め、現在は同グループとAKB48の選抜メンバーを兼任する。今回の出演について生駒は、「私の人生で初めての、映画主演になります。うれしいという気持ちよりも、私は演技が未経験なので、不安と焦り、私で大丈夫なのかという気持ちでいっぱいです」と率直な気持ちを述べながらも、「でも、もう二度とない機会かもしれません。一生懸命自分の今まで引き出せなかった魅力を出して作品を良いものにしていきたいと思います。自分らしく頑張ります」と意気込む。ほかにも、映画『1/11 じゅういちぶんのいち』(2014年)で初主演を果たした若手俳優・池岡亮介や、映画『リアル鬼ごっこ4』(2012年)、NHK連続ドラマ『紙の月』(2014年)などドラマ、映画以外にも雑誌popteenのモデルとしても活躍する前田希美らが脇を固める。監督は、『ほんとうにあった怖い話』シリーズや、『ひとりかくれんぼ劇場版』(2009年)『トイレの花子さん新劇場版』(2013年)などホラー作品を中心に活動する山田雅史監督。主題歌を、声優の今井麻美が担当する。また、撮影開始日である3月15日からは、ニコニコ生放送で現場からの生中継を行う「こちら『コープスパーティー』の現場です!(仮)」の配信を予定しているほか、夏には3DS版・ゲーム『コープスパーティー』のリリースを控える。(c)2015 Team GrisGris / MAGES. / 5pb. /映画「コープスパーティー」製作委員会
2015年02月26日井上芳雄と鈴木砂羽。活躍中の俳優ふたりが、蓬莱竜太の作・演出舞台『正しい教室』で初共演を果たす。注目の出会いは、過去に蓬莱作のミュージカル『TRIANGLE』シリーズを経験している井上が「次はぜひ、蓬莱さんの書いたストレートプレイをやりたい」と熱望したことから始まった。その意欲を受けた蓬莱は、かねてより気になる存在だったという女優、鈴木を井上の相手役に指名。かくして、同窓会という興奮のシチュエーションで繰り広げられる、大人の物語が動き出した。舞台『正しい教室』チケット情報「同窓会で再会した人たちの会話を聞くうちに物事がどんどん転がっていって、夢中になるままにクライマックスへと上り詰めます。蓬莱さんの書く台本はどんでん返しの繰り返しで、本当に見事なんですよね。意表をつく展開で、あらためて巧みな作劇だなと感じます」(井上)。井上が演じるのは“かつて委員長だった男”。対する鈴木は“かつてマドンナだった女”。時を経て再会した学友たち、そして当時、生徒に煙たがられていた先生(近藤正臣)も姿を現して……。スリリングで、可笑しくせつない人間模様が描かれていく。「ひさしぶりに故郷に戻ってきた、都落ちした女性ですね(笑)。その人物像は蓬莱さんの見たい鈴木砂羽なのかもしれなくて、どんな新しい発見があるのか楽しみです」という鈴木に対し、井上は「蓬莱さんはいつも“その人のパブリックイメージではないものを演じてほしい”と言っているんですよね。僕の役はかつては委員長で、今は教師になっている男。でも真っ当な道を歩んでいるふうに見えつつ、実は闇がある人物みたいです」と作家の思惑を探る。ひと筋縄ではいかないキャラクター同士のぶつかりあいが期待できそうだ。「井上さんは“華のある人”という印象。蓬莱さんとも初めての仕事になりますが、何かピンとくるものがあったんですよね。インスピレーションによる出会いは大切。必ず新鮮な驚きと勉強を得られますから。私にとって舞台は、たとえ転んだとしても何らかの気づきをもらえる場所ですね」(鈴木)「さまざまな出来事が起こっても最終的には温かい眼差しが向けられる、それが蓬莱さんの生み出すドラマです。同世代なので考えていることがなんとなくわかるんですよね。日々懸命に生きる中、絶望するでもなく、根拠のない希望を持つでもない。でも、どう先に進んでいくか、とにかく自分たちは考え続けよう。そういった蓬莱さんの真摯な視点を感じ取っていただけたらと思います」(井上)ミステリータッチに揺さぶられ、骨太ドラマに泣き笑う。蓬莱ワールドに挑む実力派ふたりの奮闘をぜひ劇場で見届けたい。3月21日(土・祝)からの東京・Zeppブルーシアター六本木公演を皮切りに、東京・PAROCO劇場(4月2日(木)~19日(日))ほかで公演。取材・文:上野紀子
2015年02月06日新国立劇場2015/2016シーズンの主催公演ラインナップが発表された。演劇、バレエ、舞踊3部門の作品をお伝えする。新国立劇場バレエの公演情報まずは演劇8作品から。10月のシーズン開幕に中劇場で上演されるのは、スティーブン・ソンドハイム作曲の本邦初演ミュージカル「パッション」。新国立劇場は過去、「太平洋序曲」「INTO THE WOODS」と2本のソンドハイム作品を上演してきた。今回は芸術監督・宮田慶子の演出、井上芳雄、和音美桜、シルヴィア・グラブらの出演で、濃密な恋愛のドラマを舞台に刻む。続く11月の小劇場「桜の園」は、鵜山仁演出、田中裕子ほかの出演。王道のチェーホフ劇に期待しよう。12月の小劇場「バグダッド動物園のベンガルタイガー」は、気鋭・中津留章仁が演出する戦争テーマの硬質な米国ストレートプレイ。3月からの小劇場は鄭義信三部作の連続上演で、今回の目玉というべき企画だ。この作家が新国立劇場に書き下ろした「焼肉ドラゴン」「たとえば野に咲く花のように」「パーマ屋スミレ」の名作3つを改めて堪能したい。6月の中劇場「あわれ彼女は娼婦」はシェイクスピアと同時代の演劇で、兄妹の禁じられた愛の物語。こちらは栗山民也演出で。シーズンのラストは、7月の小劇場、別役実の新作書き下ろし、宮田慶子演出による「竹取物語~よみがえり篇~」(仮題)のタイトルが挙がっている。バレエは6作品はすべてオペラパレス。10月の新制作「ホフマン物語」は、芸術監督・大原永子の英国へのこだわりが香るピーター・ダレル振付の逸品。12月のおなじみ「くるみ割り人形」、1月の祭典「ニューイヤ・バレエ」を挟み、2月の新制作「ラ・シルフィード/Men Y Men」にも注目だ。前者はオーギュスト・ブルノンヴィルの古典的振付に大原永子が演出で参加し、この作品に関する深い知見を注入する。後者は昨年の「眠れる森の美女」に続く、ウエイン・イーグリングの振付が話題。5月は鉄板「ドン・キホーテ」。6月の「アラジン」では、前芸術監督デヴィッド・ビントレーの振付作品を再演する。ダンスは、10月小劇場の「近松DANCE弐題」で幕開け。以降は中劇場での公演が3つ並ぶ。3月の新国立劇場バレエ団「DANCE to the Future 2016」、3月の平山素子「Hybrid―Rhythm & Dance」、6月の高谷史郎(ダムタイプ)「CHROMA」と計4公演を揃えた。
2015年01月23日人気ミュージカル『モーツァルト!』で2002年の初演以来、4回にわたり、主役のヴォルフガング・モーツァルト役を務めてきた井上芳雄。5度目の今回が主役として最後の出演となる井上に、現在の心境を聞いた。ミュージカル『モーツァルト!』チケット情報「最後といっても別に引退するわけではないですから(笑)。稽古では冗談で『芳雄先生、ここはどうでしたか?』と聞かれるぐらい僕にとっては居心地のいい作品。でも僕はひとつの場所に留まっているのはあまり良しとしない。15年間の役者人生の中ですべてを教えてくれた役ですが、新しいところに行くためには、何かを手放すことも必要だと思っています」。天才音楽家、モーツァルトの一生を青年ヴォルフガングと、彼の才能をつかさどる分身アマデのふたりで表現する。ヴォルフガングの父親との確執や、作曲家としての苦悩を力強い楽曲で描いた力作だ。「初演では、僕は経験も少ないし、ヴォルフガングみたいに激しい人生でもない、分からないことだらけで、なかなか彼に共感できなかった。でも今は、天才ではないけれど、表現者の苦しみは分かりますし、何か運命に導かれてここまでやってこられたと思う。それに、人生が思い通りにいかなかったり、良かれと思ってやったことが裏目に出たり、現状と戦うことは多い。前よりも、今はずっと彼に共感できますね」。井上も35歳で亡くなったモーツァルトと同じ年を迎えた。「モーツァルトは神に愛された人で幸福だけど、同じ分だけの不幸もあったはず。その振れ幅が激しいだけで、結局は凡人である僕たちの人生と変わらないかもと思うんです」初演からモーツァルトの父、レオポルトを演じ、病気で療養していた市村正親が本作で復帰するのも注目だ。「以前よりお元気です。市村さんのすごいところは心のありようと若さ、そのエネルギーですね。『モーツァルト!』でオファーがきたとき、父親役ではなく、ヴォルフガング役と思っていらっしゃったぐらいですから(笑)。今回で辞めると言った僕には、またリターンしろと言って下さっています(笑)」今やミュージカルは井上にとって「運命の相手と結婚しているようなもの」だという。「別れ話も出ていないですし、結婚生活は順調です(笑)。でも、子供ができて、親も年を取り役割が大きくなった。法事を取り仕切る長男の感じですね(笑)」。その結婚相手との幸福な時間をじっくりと見届けたい。ミュージカル 『モーツァルト!』は1月15日(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演中。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2015年01月07日“ミュージカル界のプリンス”と称され、その歌声に定評のある俳優・井上芳雄が『アナと雪の女王』の「Let It Go」など、ディズニーの名曲をカバーしたアルバム『井上芳雄・ミーツ・ディズニー ~プラウド・オブ・ユア・ボーイ~』を発売した。それを記念し、2月18日(水)に一夜限りのコンサート「YOSHIO INOUE sings Disney ~One Night Dream!」を開催する。本公演にかける思いを井上が語った。「YOSHIO INOUE sings Disney ~One Night Dream!」の公演情報本アルバムは、井上が自身の好きな曲を中心に選曲。普通のカバー曲集ではなく「ひとつの物語が感じられるような内容にしようと思い、作った」という。2部構成となるコンサートの第1部では、それをいかしストーリー仕立てで贈る。「最初はCDだけの話でしたが、その物語を舞台上で、生のお客さまの前でやれるのは、さらに面白いと思いました。CDにはブックレットが付いていて、曲と曲の間にちょっとした台詞が挟み込まれています。その台詞を自分で声に出して読んで、お客さまに届けたい」。第2部では、スペシャルゲストとして坂本真綾を招く。「デュエットはもちろんありますが、真綾さんの声でこの曲を聞きたいと僕からリクエストしているものもあるんです」。さらに「ディズニーは、舞台のミュージカルもたくさん作っているので、その魅力もお届けできればと思っています。『美女と野獣』にしても『アラジン』にしても、アニメには入っていないけれど舞台版にはあるナンバーも結構多い。あとは『アイーダ』のようにアニメにはないミュージカルも存在するので、いわゆる映画のディズニーファンの方も知らないかもしれない曲も聞いていただけるんじゃないかな」と意欲を燃やす。もともと新譜が出るたびに「日本版が出る前に、輸入盤を買っちゃいます。どんな音楽で、どんな作曲家で、どんな人が歌ってるんだろうとすごい気になります」というディズニーミュージカルのファン。その魅力を「独特の高揚感、幸福感みたいなものがありますよね」と分析する。「夢と魔法の世界を作って、それを守っていくには本当に努力が必要なんだと思います。ここまで徹底して作るからお客さまが入り込んで、こんなにも熱狂するんだということがすごくよくわかって勉強になりました」「ディズニーの力を借りて、タイトルどおり、一夜限りの夢ではありますが、できるだけ極上の夢を見られるような時間にしたいなと思っています」と井上。壮大なファンタジーの世界を、歌を中心に舞台でどう表現していくのか、期待が膨らむ。公演は2月18日(水)に東京国際フォーラム ホールAで上演。
2015年01月05日現在、東京・帝国劇場にてミュージカル『モーツァルト!』が上演中だ。人気のウィーン産ミュージカルで、日本でも2002年の初演から5回目の上演となるヒット作品。今回は主人公ヴォルフガング・モーツァルトを日本初演から演じている井上芳雄のファイナル公演であることも話題。その、“ラスト・ヴォルフガング”に挑んでいる井上に現在の心境を聞いた。ミュージカル『モーツァルト!』]チケット情報作品は、天才音楽家・モーツァルトの波乱に満ちた生涯を綴った物語。2002年の初演時、23歳の井上にとっては初めてのタイトルロールだった。「自分のような若造が真ん中に立っちゃってすみません…という気持ちでした。ただ正直、主役のプレッシャーを感じるどころではなく、自分がこの役をやることで必死。力の抜き方もわからず、全力でやっていました。自分は技術も経験も役に付いていっていないけれど、せめてとにかく必死にやっていることだけは、自分がヴォルフガングをやる意味があるんじゃないかと思ってやっていたんです」と井上は当時を振り返る。また、短い生涯を周囲との軋轢の中激しく駆け抜けたこの天才の人生は、「そこまで幸せな人生を送ってきた」という井上には非常に遠いものに感じていたともいう。「ぜんぜん自分にはない要素ばかりの役だと思っていた。今も決して、僕が何もしないでもそれに見える役ではないと思うんです。でもやっぱり自分なりの積み重ねによって、今はものすごくヴォルフガングとの距離が近く感じているんです。ヴォルフガングになるぞ! 演じるぞ! という力みはほとんどない。僕も彼のことで理解できないこともあるんですよ。でもすべてわかってるフリをしてやるというより、台本に書いてあるそのままを、自分を通してやっている感覚です」。そう話す井上のヴォルフガングは、確かに自然体で舞台上に存在している。「今、すごく充実していますし、すがすがしい。宝塚の方の退団公演はこんなかんじだろうと思うくらいです(笑)」。彼の俳優生活に寄り添うようにあった本作は「俳優として色んなことを教えてくれた作品」という存在だが、モーツァルトが生涯を終えたのと同じ35歳になった今、井上はこの役を卒業する。「『モーツァルト!』だって最初はどうなるかわからないまま始めて、これだけ大きくなって愛されてきた。そういった、次の新しいスタンダード・ミュージカルを生み出す現場に関われたらいいですね」と俳優としての次の目標を語った井上。華も実力も、そして気力も蓄え、俳優として充実期に入っている彼のこと、おそらくその夢は遠からず叶えてしまうに違いない。だがまずは“井上ヴォルフガング”が伝説になってしまう前に観ておくことをおすすめする。なお、ヴォルフガング・モーツァルト役は山崎育三郎とのWキャスト。12月24日(水)まで帝国劇場にて上演中。その後1月3日(土)から15日(木)まで梅田芸術劇場 メインホールにて上演。チケットは発売中。
2014年12月11日現・六本木ブルーシアター(東京都港区六本木五丁目11番12号)が2015年1月1日より、Zeppライブなど8社による共同運営で新たに「Zeppブルーシアター六本木」としてオープンする。同事業に参画するのは、Zeppライブをはじめ、パルコ、トリックスターエンターテインメント、クリエイティブマンプロダクション、ディー・バイ・エル・クリエイション、エンタテインメントプラス、ローソンHMVエンタテイメント、ぴあの8社。8社は、それぞれの得意分野を活かしつつ連携、新しいライブ・エンタテインメントの創出を目指し、ロングラン公演を中心に8社のレパートリーを含めジャンルにとらわれないコンテンツの企画、制作、招聘等を行っていくという。現時点で決定しているのは以下の4公演。『LOVE LETTERS(ラヴ・レターズ)』公演期間:2015年1月10日(土)~12日(月)出演:久保田悠来×映美くらら他ミュージカル『薄桜鬼』藤堂平助 篇公演期間:2015年1月17日(土)~25日(日)出演:藤堂平助:池田純矢、雪村千鶴:田上真里奈/土方歳三:井澤勇貴、沖田総司:廣瀬大介、斎藤一:橋本祥平、原田左之助:五十嵐麻朝、永倉新八:宮崎秋人、近藤勇:井俣太良(少年社中)、山南敬助:味方良介、山崎烝:高崎翔太/天霧、九寿:郷本直也、不知火匡:柏木佑介、雪村綱道:江戸川萬時、千姫:柳田衣里佳/風間千景:鈴木勝吾、六本木康弘、横田遼、遠藤誠、菅原健志、岩崎大輔、吉田雄希『正しい教室』公演期間:2015年3月21日(土)・22日(日)作・演出:蓬莱竜太出演:井上芳雄他WRECKING CREW ORCHESTRA(レッキンクルー・オーケストラ)『DOOODLIN’』(ドゥードゥリン)公演期間:4月3日(金)~4月12日(日)出演:WRECKING CREW ORCHESTRA(レッキンクルー・オーケストラ)今後のラインナップにも期待が高まる。
2014年11月28日2015年4月17日(金)より東京・帝国劇場で上演されるミュージカル『レ・ミゼラブル』の制作発表が、11月17日に都内で行なわれ、キャスト73名が出席した。1985年にロンドンで初演の幕が開いた、ミュージカル『レ・ミゼラブル』。同作の日本版は、1987年の初演以降、これまで2817回の上演を記録。2013年には20年以上引き継がれていた演出を一新。舞台装置、照明、音響、衣装、登場人物のキャラクターの描き方などを変えて上演し、大きな話題となった。今回の公演は、その再演となる。会見で、作品に対しての意気込みを聞かれると、ジャン・バルジャン役を務める福井晶一は「前回はジャベールとの2役だったのですが、今回はこの役のみなので、ジャン・バルジャンの生き方をより掘り下げて、良いお芝居ができればと思います」と話した。ジャン・バルジャン役とジャベールの2役を演じる吉原光夫は「出演する喜びはもちろん、同じくらい体力的にも精神的にも苦しみが大きい作品です。日々精進して、作品に対して誠実に、役に対して実直に向き合いたい」と決意を述べた。同作は一部のキャストをオーディションで選定。そこから選ばれ、今回初めてジャン・バルジャンを務める韓国ミュージカル界のトップスター、ヤン・ジュンモは「日本では新人俳優のヤン・ジュンモです」と日本語で笑いを交えて自己紹介。続けて「日本語はまだまだ足りない部分があると思いますが、横にいらっしゃるジャン・バルジャン役の先輩である福井さん、吉原さんに沢山学んで、一生懸命頑張りたいと思います」と語った。また、この制作発表の場で出演が明らかになった、アンジョルラス役の上山竜治は「8年前にロンドンでレ・ミゼラブルを見た時に凄く感動したんですが、それと同時に、ミュージカルの世界は凄く敷居が高いものだと感じていたので、アンジョルラス役をいただけて本当に感激です。うちの母がレ・ミゼラブルにハマっていたので、電話で報告すると喜んでいました」とコメント。また、1997年よりマダム・テナルディエ役を務めている森公美子が、「一番の心配事はこの後にある採寸。少々太りましたので(笑)。ちなみに、フォンテーヌ役を狙っています。いつでも歌える準備はできています」と語ると、それを受けてフォンテーヌ役を演じる知念里奈が「森公美子さんに役を取られちゃわないように頑張ります」と返し、会見場は笑いに包まれた。ミュージカル『レ・ミゼラブル』は東京・帝国劇場で2015年4月17日(金)から6月1日(月)まで上演され、その後、名古屋、福岡、大阪、富山、静岡を周る。
2014年11月18日ミュージカル『モーツァルト!』が11月8日、東京・帝国劇場にて開幕した。ウィーン発、日本でも上演を重ねる人気作。主人公のヴォルフガング・モーツァルトは、ミュージカル界のプリンス、井上芳雄と山崎育三郎のWキャスト。同日、開幕を目前に控えた出演者が意気込みを語った。ミュージカル『モーツァルト!』チケット情報2002年の日本初演から主役を務める井上は、5回目のヴォルフガング。この役を演じるのは今回がラストと公言しているが、「今回で卒業させていただきますが、“このメンバー”で作品を作るというのはいつも同じく“最後”だと思い、毎回演じています。(この顔ぶれでやることの)毎日が特別で、奇跡が起きていることだと思って演じたい」と語る。一方で山崎は、2010年公演に続き、2度目のヴォルフガング。「前回は本当に緊張で終わってしまったような感覚。あれから4年経って、いろんな経験をさせていただいた今の自分が、すべてを出し切って出来るヴォルフガングを演じたい」と意気込みを語った。ヴォルフガングの父・レオポルトを演じる市村正親は、この作品が胃がんの手術後の復帰第1作となる。「もう一回舞台に立てるのかと思うと、なんとも言えない気持ち。非常に感動。今は新人のようにドキドキしています。自分にこういう気持ちがあるんだな、まだまだ私もウブだなぁ」と笑顔で挨拶をするも、共演者たち、さらに記者たちからも復帰を祝う拍手が起こり、目頭を押さえる一幕も。「劇場に来てくださる方、今までずっと応援してくださっていた方に、帰ってきたぞと、元気な姿を見せたい。もちろん今日の初日は妻(篠原涼子)と上の子も観に来ますが、静かに支えてくれたので、その期待にも応えたい」と感謝の気持ちを口にしていた。市村の復帰を共演者たちも喜ぶ。井上は「稽古場に市村さんがいてくださるというだけで、全然雰囲気も違います。この『モーツァルト!』では12年間ずっとお父さん役を演じられていますので、やっぱり市村さんがいてくださらないとこの作品は始まらない。さらに以前より元気にエネルギッシュになって帰っていらしたので嬉しい驚き。市村さんの中はどうなっているんだろう?と思うくらい」と話し、山崎も「演出家の小池(修一郎)先生に、本当の親子のように見えたと言われたのが本当に嬉しかった。市村さんに気持ちをガッツリぶつけて今回のステージを務めたい」と感無量の面持ちで語っていた。共演は花總まり、平野綾、ソニンほか。公演は12月24日(水)まで帝国劇場にて、その後2015年1月3日(土)から15(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて行われる。チケットは発売中。
2014年11月10日A.B.C-Zの橋本良亮と河合郁人が10月24日、出演する「音楽劇『ルードウィヒ・B』~ベートーヴェン 歓喜のうた~」の製作発表会見を都内で行った。原作は不世出の音楽家ベートーヴェンの生涯を描いた、故手塚治虫の未完の同名コミック。今作が外部舞台初出演となる橋本が主役のベートーヴェンを、河合はベートーヴェンが敬愛する友人、天才音楽家モーツァルトを演じる。ふたりは劇中、ピアノの生演奏があり、1か月前から猛特訓中という。橋本は「最初は“ド”の位置がどこなのかさえわからなくて」と笑いながら、それでも「まだぎこちないですけど、まるまる1曲弾けるようになった。本番ではうまく弾けるように頑張りたい」と話す。河合は「僕は『女の子を落とすにはこの曲だよ』なんてしゃべりながらピアノを弾くシーンがあるんです。ピアノをやっているジュニアの後輩に『1か月の練習で、それは無理』と言われたが、絶対やってやろうと猛練習しています」と意気込んだ。会見には他に、ベートーヴェンが思いを寄せるヒロイン役の知念里奈、父母役の里見浩太朗、浅野温子、舞台音楽を手がける千住明が出席した。公演は11月27日(木)から12月6(土)まで東京国際フォーラム ホールC、12月11日(木)から14日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて。チケットは、東京公演、大阪公演ともにチケットぴあで10月28日(火)昼12:00から特別電話番号(東京公演は0570-02-9593、大阪公演は0570-02-9512)にて先着先行販売。
2014年10月27日11月8日(土)より東京・帝国劇場にて上演されるウィーン生まれのミュージカル『モーツァルト!』。『エリザベート』『レディ・ベス』など人気作を次々と生み出している、ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイの手による作品だ。日本では2002年の初演より上演を繰り返し、今回で5回目の上演となる。10月初旬、この稽古場を訪れた。『モーツァルト!』チケット情報はこちら台風一過の青空が晴れわたったこの日、稽古場にはキャスト全員が初めて顔を揃えた。花總まり、平野綾、ソニン、春野寿美礼といったニューフェイスもいるが、メインキャスト、アンサンブルとも初演から続けて出演している顔ぶれも多い。実力も安定感もあるキャスト陣に、演出の小池修一郎も「素晴らしいキャストでまたこの『モーツァルト!』をできることを本当に嬉しく思います。千秋楽までみんなで頑張っていきましょう」とひと言。その簡潔な挨拶に、演出家と出演者の間に確かな信頼が見える。その空気の中で行われたのは、「本読み」と呼ばれる、椅子に座って脚本を読み進めていく作業だ。だがその内容は言葉からイメージする以上に充実。セリフのみならず、流れに沿ってキャストは歌も歌えば、すべてではないものの音響も入る。そんな中、初演より主役のヴォルフガングを演じる井上芳雄は、自らの才能に自信を持ち奔放にふるまう反面、才能と自分自身の間で葛藤し苦しむひとりの青年をいきいきと演じる。ところどころアドリブも飛び出すのがさすが。何よりも、その身体から解き放たれる自在な歌声は、音楽の天才・モーツァルトを体現するかのよう。1幕ラストを飾るビッグナンバー『影を逃れて』は、まだ舞台本番まで1ヵ月あるとは思えない圧巻の熱唱だ。アンサンブルの熱量も素晴らしく、Wキャストでヴォルフガングを演じる山崎育三郎も作品に入り込んでしまったのか、一緒に口を動かす姿も見られた。そのほかにもおなじみのキャストが多いカンパニーだ。ヴォルフガングの父・レオポルトは初演から変わらず市村正親。市村は本作が病気療養からの復帰作となる。すでに稽古場でも豊かな歌声を響かせ、父親の厳しさと愛情を醸し出している。さらにやはり居るだけで場が引き締まるこの人の存在は、父と子の物語でもあるこの作品に欠かせないと改めて感じた。コロレド大司教を演じる山口祐一郎も時に憎らしく、時に愛らしい、彼ならではの役作りで作品を盛り上げる。一方で花總、ソニンといった初参加のキャストも、すでにキャラクター造形が出来ているようで、魅力的な横顔を見せていた。まだまだ稽古はこれからだが、この美しい楽曲揃いの作品、その命とも言える歌の魅力を存分に堪能できそうな充実のキャスト陣。2014年版の『モーツァルト!』も期待大だ。公演は11月8日(土)から12月24日(水)まで東京・帝国劇場、2015年1月3日(土)から15日(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて行われる。チケットは発売中。
2014年10月17日10月4日、金沢21世紀美術館 市民ギャラリーAにて「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」がスタート。初日の開場式には井上雄彦も登場し、自らの手でテープカットを行った。「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」は、7月から約2か月にわたり東京・森アーツセンターギャラリーで開催され、その斬新な内容が好評を博した展示会だ。19世紀末~20世紀初頭のスペインで活躍した建築家アントニ・ガウディと、現代日本を代表する漫画家である井上雄彦。時代も、国も、バックボーンも違うふたりを組み合わせる、いまだかつてないアイデアが大きな話題となった。金沢展は東京展に続いての2会場目。実物を含む資料約100件、井上による描きおろし作品約40点と、基本的な作品数は同じだが、ギャラリーの規模や環境に合わせ井上自身が若干のアレンジを加えている。展示レイアウトはもちろんのこと、作品と作品の間にある白壁に注訳やイラストを加筆。こちらは金沢展オリジナルの内容も含まれる。井上雄彦という稀代の漫画家を組み合わせることで、アントニ・ガウディの創作の原点にまで光を当てることに成功した本展。展示会の今後も感じる「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」は、11月5日(水)まで金沢21世紀美術館 市民ギャラリーAにて開催される。ぴあ中部版WEBでは、井上雄彦へのインタビューを含めた初日レポートが掲載中なので、こちらもチェックしてみよう。■「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」会期:開催中 ~ 11月5日(水)10:00~18:00会場:金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA料金:前売券/大人-1,100円・中高生-800円・小学生-600円※入館は閉館の30分前まで。会期中無休。未就学児童無料。
2014年10月16日手塚治虫原作の音楽劇『ルードウィヒ・B ~ベートーヴェン 歓喜のうた~』が11月27日(木)より東京国際フォーラム ホールCにて上演決定。橋本良亮(A.B.C-Z)が主演を務めるほか、河合郁人(A.B.C-Z)、知念里奈、姜暢雄、浅野温子、里見浩太郎/他が出演する。本作は、クラシック音楽をこよなく愛した漫画家・手塚治虫が、音楽家ルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンを主人公に、その生涯を作者の観点を加え描いた漫画『ルードウィヒ・B』が原作。同作は手塚の逝去により絶筆となっている部分に、新たに“第九“の「歓喜の歌」の制作エピソードを付けくわえ、ベートーヴェンの音楽家を志す若き日から晩年までを描く。劇中音楽はクラシック界の鬼才音楽家、千住明が担当。舞台上では、「のだめカンタービレ」にて演奏指導も行うピアニスト川田健太郎がピアノを演奏する。また、橋本や河合も歌以外に舞台上でピアノを生演奏するとのこと。同公演の上演に際し、ベートーヴェン役の橋本良亮は「ルードウィヒ・Bの舞台に立てる事を今からものすごく楽しみにしております。主役でものすごく不安がありますがこの緊張感をうまくステージ上で表現出来たらと思っております。ベートーヴェンのファンの方々にも失礼のないよう、精一杯頑張っていきたいと思いますので応援宜しくお願いします」とコメント。またモーツァルト役を務める河合郁人は「素晴らしい作品に出会えて演じる事を誇りに思います!この作品で新たな河合郁人が生まれるように楽しんで頑張りたいと思います!」と意気込みを語っている。「手塚治虫原作 音楽劇『ルードウィヒ・B』~ベートーヴェン 歓喜のうた~」は11月27日(木)から12月6日(土)まで東京・東京国際フォーラム ホールC、12月11日(木)から14日(日)まで大阪・シアターBRAVA!で上演。なお、チケットぴあでは一般発売に先がけて、先行電話抽選を受付中。受付は10月16日(木)午後11時59分まで。■手塚治虫原作音楽劇ルードウィヒ・B~ベートーヴェン 歓喜のうた~11月27日(木)~12月6日(土)東京国際フォーラム ホールC(東京都)12月11日(木)~14日(日)シアターBRAVA!(大阪府)特別電話番号:東京公演0570-02-9922大阪公演0570-02-9930
2014年10月13日咽頭がん治療のため4月から演奏活動を休止していた指揮者の井上道義が、10月2日、活動復帰記者会見を東京芸術劇場で行った。「井上道義」の公演情報「今はまるで生まれ変わったような気持ち」と語る井上道義。闘病中は喉の痛みや咳、不眠などとても音楽を聴く心境ではなかったという。「本当に辛いときは音楽は全然助けにならない。それよりもどうしたら咳が止むか、眠れるのか必死だった」と過酷な闘病生活を打ち明けた。「この場に戻ってこられたのは、たくさんの人たちの温かい応援があったから」と、オーケストラやファン、友人から贈られた千羽鶴や寄せ書きを紹介。「どう生きていくか。改めて自分の使命について考えさせられた。これからはひとつひとつをもっと大切に考えたい」と真剣な面持ちで語った。治療の経過は順調で、7月の退院後はリハビリテーションに努めている井上道義。復帰後初の公演は、10月11日(土)に鎌倉芸術館でNHK交響楽団、ヴァイオリニストの前橋汀子と共演する。また、今後は「大きな生きがい」と語る新曲の創作活動に加え、演出家・野田秀樹と共に手がけるオペラ『フィガロの結婚』(2015年に10都市13公演を予定)の準備にも取り組むという。<井上道義 今後の公演スケジュール>■NHK交響楽団 井上道義×鎌倉芸術館「いざ、鎌倉への道」Vol.410月11日(土) 鎌倉芸術館 大ホール(神奈川県)■上田市交流文化芸術センター開館記念事業 NHK交響楽団上田公演10月12日(日) 上田市交流文化芸術センター 大ホール(長野県)■大阪フィルハーモニー交響楽団 第482回定期演奏会10月23日(木)・24日(金) フェスティバルホール(大阪府)■佐倉市民音楽ホール会館 30周年記念 東京交響楽団演奏会11月3日(月・祝) 佐倉市民音楽ホール■大阪フィルハーモニー交響楽団 マチネ・シンフォニーVol.1211月13日(木) ザ・シンフォニーホール(大阪府)■オーケストラ・アンサンブル金沢 ファンタスティック・クラシカルコンサート11月23日(日・祝) 石川県立音楽堂 コンサートホール(石川県)■新日本フィルハーモニー交響楽団 埼玉会館公演11月29日(土) 埼玉会館 大ホール(埼玉県)
2014年10月03日フランス映画の傑作を舞台化したミュージカル『シェルブールの雨傘』が、9月開幕した。2009年公演で主演を担った井上芳雄が、新たなヒロインに野々すみ花を迎えて挑む再演である。ミシェル・ルグランの音楽に乗せて歌声で全編を綴っていく名作について、井上が抱いた印象は「何度も繰り返し観たくなる、独特な色合い、湿度のようなものを持った作品」。ドラマチックな悲恋物語に5年ぶりに向き合う、今の心境を聞いた。ミュージカル『シェルブールの雨傘』チケット情報「前回はちょうど井上ひさしさんの音楽劇を経験した後で、芝居に関して多くのものを得たと感じていた時期でした。セリフも歌も、ただきれいな声を出せばいいだけじゃない。音楽ももっと自由でいいんだと気づいた後に、この『シェルブール~』に出会った。やっとセリフの面白さを感じ始めたのに、歌だけで物語を進めていくなんて…。自分が興奮して学んだことをどう生かせばいいんだ!という葛藤はありましたね。なので、叫ぶように歌ってみたり、語尾をセリフのようにしたり、いろいろ試しながら取り組んでいたと思います。全編が歌という特殊な形をしているぶん、“自分が音楽を導き出している”くらいの意識でやるのが理想かな。自分の感情の動きに合わせて音が出てくるような感覚で表現していければと思います」主人公の青年ギイは恋人のジュヌヴィエーヴと深く愛し合いながらも、戦地へと向かう。離ればなれになっていた2年の月日が、ふたりの運命を狂わせて……。幸せの絶頂にいるオープニングから、別れの悲しさ、その後の苦悩と決断など、ギイの感情の流れについて井上は「普通の男性の素直な反応として理解しやすかった」と振り返る。ただ一か所、ギイの選択に“自分ならどうするだろう…!?”と迷いが生じたのが、哀切ただようラストシーンだった。「一番最後こそがこの作品の核になっていて、観客の皆さんの心を震わせるシーンだと思いますね。でもどちらかが悪いのではなく、ふたりとも、一生懸命に生きた結果だと感じてもらえるように演じたい」前回公演からの5年の月日の中で、演技に対する意識が大きく変化し、今はそれが一巡してもとに戻ったところだそうだ。つまり、芝居をパートナーに例えると…。「最初はうまくいかなかったけど、そのうちうまくいき出して、やっぱり僕たち相思相愛だった、みたいな(笑)。でもちょっと待てよ、ホントにそう思っていいのか!?まだまだこの人のことを本当にわかってないぞ…と思い始めたのが今なんですよね。永遠にこの繰り返しかもしれないけど。だから今回の舞台も、もがき苦しむんじゃないかな」さらに井上は「もがきたい、と思う」と言葉を重ねた。前回以上に生々しい吐息をもらすギイの姿を期待せずにはいられない。「自分自身の思いが絶対にどこかに重なる、普遍的な物語です。ぜひ心を重ねに来ていただければと思います」東京公演はすでに終了。9月27日(土)から29日(月)まで大阪・サンケイホールブリーゼ、10月3日(金)から5日(日)まで愛知・中日劇場で公演。取材・文上野紀子
2014年09月26日(画像はニュースリリースより)「リポビタンファイン」の新しいテレビCMに、「井上真央」さんが登場!大正製薬株式会社は、テレビや映画でも活躍している「井上真央」さんを「リポビタンファイン」の新しいテレビCMに採用した。新しいテレビCM「ブランコ篇」は、全国で7月15日からオンエアされる。「リポビタンファイン」は2005年発売以来、たくさんの消費者から好評な「糖類ゼロ」のドリンク剤だ。井上真央さんは新CMポイントの「私の元気のつくり方」をもとに、日々積極的に元気よく生きる女性を表現している。また大正製薬が「井上真央」さんを採用したことについて、年齢に関係なく人気があることと、井上真央さん自身のキャラクターが新CMキャラクターにピッタリだったことが理由だという。井上真央さんはメイキングの映像の中で、「撮影はとても楽しくて、気持ちよかったです」(大正製薬株式会社 TVCMメイキングの映像より)とうれしそうに語っていた。新CMの内容は?空中でふしぎなブランコに乗りながら現実世界と抽象世界を行き来する、ピンク系の愛らしいドレスを身につけた井上真央さんが登場する。そして自由な気持ちで楽しそうにブランコをこぐ井上真央さんの姿を通して、「リポビタンファインを飲めば、無邪気な自分自身をオープンにできる」というメッセージが込められており、新しいCMを見ている視聴者が製品に興味を抱き、さわやかな気分で元気になれるようなCM内容に仕上げられている。【参考】・大正製薬株式会社 ニュースリリース
2014年07月23日ベトナム戦争を背景に“究極の愛”を描くミュージカル『ミス・サイゴン』。日本でも1992年以来上演を重ねる人気作だ。作中では様々な愛が登場するが、アメリカ兵クリスへの純愛を貫き、その間に生まれた息子へ無償の愛を注ぐのがヒロイン・キム。今年、そのキムを演じる笹本玲奈、知念里奈、昆夏美の3人に話を訊いた。『ミス・サイゴン』チケット情報はこちらキム役はミュージカル女優が憧れる役のひとつ。この役を、笹本と知念は2004年から演じている。「本当に大変な役。ひとつのシーンを終えて舞台袖に帰ったときの脱力感は、他の舞台にはないものがあります。しかもキーがすごく高い。でも音楽がその気にさせてくれるし、その気になればその音が出る。感情と音楽がピタっとはまるんですよ」と笹本が言えば、「これ以上大変な役はあるのかと思うくらい。毎回これが最後と思って演じるのですが、終わるとやり残したことがある気がして、もう一度挑戦したいと思ってしまうんです」と知念も話す。だがともに「自分にとって大事な役」とはっきり口にする。ふたりが演じるキムを客席で見ていたのが、今回初出演する昆だ。「最初に観たのは高1の時。1幕が終わって立てなくなるという経験を初めてしました。キムのキャラクターにも圧倒されたし、演じている女優さん…つまりおふたりなんですが、その歌唱力、表現力、すべてに圧倒された。そんな経験をした舞台に自分が立つのはまだちょっと信じられませんが、だからこそ頑張りたいです」。2012年には演出が一新され、サイゴンの町の匂いまで伝わりそうなリアルな舞台は大評判を呼んだ。今年は5月の本場・ロンドンでの新演出版開幕を受けさらにブラッシュアップされる。「新演出版は本当にいい評価をいただきました。でも描かれている普遍的なテーマは演出が変わっても同じ。それぞれの立場の愛や正義があり、悪い人なんてひとりもいない。戦争が起こしてしまった悲劇を伝える使命が私たちにはあると思います」と、作品の芯の部分を知念が語れば、笹本も「新演出になってベトナム戦争というものに一から向き合い、大きなテーマをすごく感じるようになりました。母の愛や戦争の無意味さというものは…いつの時代も変わらないと思います」と頷く。最後に3人が思い描く“キム像”を聞いた。「演出家に言われているのは、タフであること、自分を哀れまないこと。まずはそこをしっかりやりたい」(昆)、「私は同じ母親として彼女を尊敬します。子どもを守っていくというのは現代に生きる母親も同じ。そこを大切にしたい」(知念)、「キムはたぶん都会に出るまでは、緑がたくさんあって、親戚家族が一緒に住んでいて、愛情いっぱいに育った子だと思うんです。私も家族の仲が良い環境で育ってきたので、そういうところが自分の考えているキムに繋がっていけたら」(笹本)。「3人、全く違いますよ」と知念が話すように、同じ方向を向きながらもそれぞれのキムがしっかりと地に足をつけ、息づいている。三者三様のキムが花開く7月の開幕をお楽しみに。公演は帝国劇場にて、7月21日(月・祝)にプレビュー開幕。東京公演は8月26日(火)まで。
2014年07月10日スペインの建築家アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)と、「スラムダンク」「バガボンド」漫画家・井上雄彦のコラボレーション展「特別展 ガウディ×井上雄彦―シンクロする創造の源泉―」が、六本木・森アーツセンターギャラリーにて開催される。会期は7月12日から9月7日まで。ガウディは19世紀から20世紀に掛けてバルセロナを中心に活動。1882年に着工以来、今も作り続けられているサグラダ・ファミリアをはじめ、グエル公園、カサ・ミラなど、数々の独創的な作品を遺してきた。本展では、スペイン・カルターニャ工科大学の監修のもと、素描、設計図、模型、家具等、ガウディの偉業を振り返る貴重な資料約110点が展示される。また、ガウディに範を求めてバルセロナに赴き、「日本スペイン交流400周年事業」の親善大使にも任命されている井上雄彦が、鋭い観察力と創造力で“人間・ガウディ”像を描き下ろし表現する。2011年には『PEPITA 井上雄彦MEETSガウディ』(日経BP社)が出版されている。同展は今後1年を掛けて、金沢21世紀美術館、長崎県美術館、兵庫県立美術館、仙台(会場は後日発表)を巡回予定。【イベント情報】特別展 ガウディ×井上雄彦ーシンクロする創造の源泉ー会場:森アーツセンターギャラリー住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー52階会期:7月12日から9月7日まで
2014年01月17日※画像は、丸山桂里奈 オフィシャルブログ 「マルカリトーレ」 よりサッカーに興味がなくても丸山さんは知っている?サッカー選手の丸山 桂里奈さんが、オフィシャルブログで『流行り。』というタイトルで、ハロウィン仕様のネイルを披露している。オレンジ・黒を基調として、かぼちゃのデザインなど、本人曰く『ちょーハロウィン』の仕様だ。丸山桂里奈さんは、大阪府高槻市をホームタウンとするスペランツァFC大阪高槻に所属をする女子サッカー選手。FIFA女子ワールドカップで活躍をした事から、女子サッカーをあまり知らない人でも名前を知っている選手となった。季節限定のハロウィンを楽しんでしまおう丸山さんは、気にはなるけれど、流行りに乗りたくないタイプだと自分で分析している。しかし、限定と言われるものには弱く、季節限定や本日限定、と言われるものには目がないと言う。そこで、合宿後の初ネイルは、この時期限定のイベント、ハロウィンの仕様になった、と言う訳だ。そもそもハロウィンは日本にはあまり由来のないイベント。10月31日に死者の霊が家族を訪ねてくると信じられており、時期を同じくして出てくる有害な精霊や魔女から身を守るために仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いたことから始まった。現在は、アメリカでも非宗教的な大衆イベントとなっている。日本でも、仮装をしたりかぼちゃを食べたりと、楽しい部分だけがイベントとなって根付き始めた。せっかくなので、季節限定のイベントをファッションの中に取り入れて楽しむのもいいだろう。【参考リンク】▼丸山桂里奈 オフィシャルブログ 「マルカリトーレ」
2013年10月14日井上芳雄、浦井健治、山崎育三郎の3人によるユニットStarS。この結成は、間違いなく2013年演劇界のトピックスのひとつだろう。もともと、それぞれが現在の日本ミュージカル界を牽引する人気俳優だが、彼らがひとつに集まったパワーは凄かった。5月に行った1stコンサートは即日完売。デビューCDはオリコンウィークリーランキング7位にランクイン。ミュージカル界の枠を超えて注目を集めた。さらに11月には、ミュージカル俳優の単独公演としては史上初の日本武道館公演が控える。3人に現在の心境を訊いた。StarS武道館公演 チケット情報はこちら井上は5月のコンサートを「僕たちの予想を超える盛り上がりでした。アイドルみたいなことをやって、最初は「引かれたらどうしよう」とおっかなびっくりだったのですが(笑)。お客さんが楽しんでくれて、すごく幸せでした」と振り返る。そこで得た3人の絆もかけがえのないものになった。「舞台の共演では作れないような関係性が作れました。ふたりの姿を見て自分も頑張ろうと思えるし、常に“StarSの看板”も感じながらステージに立たなきゃと思います」(山崎)、「今まではなかなかミュージカル界で横の繋がりってなかったんですが、それをダイレクトに感じられました。それは今後の舞台にも生きてくると思います」(浦井)。もともとStarSは、3人が「ミュージカルの素晴らしさをもっと広めたい」という気持ちから始めたこと。その手応えは「僕は今『レ・ミゼラブル』の公演中なのですが、そこでも「StarSで知って、初めて舞台を観ました」という方もたくさんいらっしゃる」(山崎)と実感する一方で、「CDをリリースして、爆発的に売れて世間に広まったりしないかな、という期待もちょっとあったんですけど(笑)。そんなに簡単にはいかないですよね。でも逆に、ミュージカル、演劇のお客さんの力を感じました。気に入ったら何回も観に来てくれて、応援してくれる。そこが盛り上がっていれば、そこからまた、広がっていく」(井上)と、自分たちのホームグラウンドの温かさを改めて感じるきっかけにもなったようだ。武道館公演は、そんなファンへの感謝の気持ちでもあるという。「やっぱりこれだけ盛り上がったら一発大きなことやりたいね、だったら武道館しかない! と。でもそこには自分たちの力なんてほとんどなくて、応援してくださった皆さんと動いてくれているスタッフのおかげ。だから『ありがとう公演』というタイトルなんです」と井上。浦井は「僕らの経験がひとつのきっかけになって、今後ミュージカル界でも武道館でやる人が増えていったらいいですよね」とこちらも大局的な視線で意気込みを語った。どこまでもミュージカル愛に溢れるプリンスたちが新たな伝説を作る瞬間に、一緒に立ち会おう。『三大ミュージカルプリンスコンサート StarS ありがとう公演~みんなで行こう武道館~』は、11月11日(月)、日本武道館にて開催。チケットは9月7日(土)一般発売開始。チケットぴあでは8月26日(月)11:00まで先行抽選「プレリザーブ」を受付中。
2013年08月23日現在、東京・帝国劇場にて上演中のミュージカル『二都物語』で、7月26日、アフタートークショーが行われた。『二都物語』は、ともにミュージカル界のプリンスと呼ばれている井上芳雄、浦井健治という若手実力派スターふたりの共演も話題だが、このイベントには井上、浦井とともにユニット“StarS”を結成している山崎育三郎が司会としてゲスト出演。今年5月にはCDデビューを果たし、ミュージカル界の外からも注目を集めている“StarS”が集結ということで、この日のチケットは完売御礼。ファンの熱い視線が注がれる中、プリンスたちの爆笑のトークが繰り広げられた。トークショーでは、様々なエピソードを脱線気味に話す井上・浦井を、軌道修正しつつ話を進めていく山崎、という、コンサートなどでもお馴染みの3人の個性が炸裂。作品では井上と浦井は同じ女性を愛する役どころだが、井上が珍しくフラれる役だということで「でも、お客さまの共感がぎゅっと自分に集まってくるのを感じる。結ばれるふたりよりこっちの方がおいしい!」(井上)というような話から、稽古期間は毎日井上・浦井が一緒に帰っていたという仲良しエピソード、さらには「最後は(残される)僕たち家族はいたたまれないけれど、十字架を背負うんじゃなく希望を託されているんだ、と(演出の)鵜山さんからはアドバイスをもらいました」(浦井)という真面目な話まで、縦横無尽なトークが展開された。さらに、もちろんStarSの話題も。2011年の帝国劇場100周年を記念したテレビ番組で鼎談をしたことが、ユニット結成のきっかけになったというStarS。「今日ここで3人で立てたのは嬉しい!」(井上)という感慨深い発言も飛び出した。11月にはミュージカル俳優の単独公演としては史上初の日本武道館公演も控えている彼ら。「武道館ではミュージカルファンの皆さんも一緒に盛り上がっていただきたい。本当に感謝・感謝の公演にしたい」と山崎が話せば、井上が「“1日だけのお祭り”です。浦井君はお祭りを表現して、衣裳はふんどしですよね!」と笑いを取るなど、楽しそうに武道館公演の構想も話していた。「StarSを見て、『二都物語』に興味を持って観に来ましたという方も結構いらっしゃる。それは本当に嬉しいこと。相乗効果でお互い盛り上げあっていければ」と井上。『二都物語』は8月26日(月)まで、同劇場にて。チケットは発売中。また、“StarS”日本武道館公演は11月11日(月)に開催、こちらのチケットは9月7日(土)に一般発売を開始する。
2013年07月29日井上芳雄主演ミュージカル『ウェディング・シンガー』が3月1日、東京・シアタークリエで開幕した。同名のアメリカ映画をもとに2006年にブロードウェイで舞台化、日本では2008年に初演され、今回が再々演となる人気作。同日、最終舞台稽古が報道陣に披露され、井上ほか共演の高橋愛、大澄賢也、吉野圭吾、新納慎也が取材にも応じた。『ウェディング・シンガー』チケット情報物語は、結婚式を盛り上げるウェディング・バンドマンのロビー(井上)と、式場のウェイトレス・ジュリア(高橋)の恋を軸にしたもの。個性豊かで愛らしい登場人物が、それぞれ幸せな結婚を夢に見、悩んでいく。アメリカ産らしいコミカルな展開と、80年代の音楽やダンスへのオマージュに満ちたハッピー・コメディだ。3回目の主演を務める井上は「“結婚したくなるミュージカル”と銘打っていますが、とにかく観た人すべてが幸せになってくれるだろう、とてもハッピーなミュージカル」とアピール。また「初演の時から“結婚したくなるミュージカル”と言ってたんですが、初演の時は誰も結婚しなくて、『何の効果もないな』って話していたんですが、5年たってじわじわと…」という井上の言葉を受け、今年1月に結婚をした大澄が「(上演)3回目にして結婚しました! みなさんも結婚したくなってください。バッチグーだよ!」と報告。大澄はほかにも「イケイケ」「ナウい」など80年代らしい言葉を連発、「あの時代を一番知っているのは自分」と話し、取材陣を笑わせていた。またジュリア役として今回初参加する高橋は本格的なラブシーンは初とのことで、「最初にラブシーンを合わせた時に、恥ずかしい!って真っ赤になっちゃって」と井上に明かされるも、感想を訊かれ「女優さんとしては必要なことなんだろうなって思いました」とクールな返答で、共演者たちに「ビジネスライク!」と突っ込まれていた。今回の上演は「ファイナル・ステージ」と謳われているが、井上は「最後に相応しい決定版が出来たんじゃないかと、とても楽しみ」と自信のコメント。さらに「今回の結果によってはリターンズがあるかもしれないと望みながら頑張りたい」と意気込んだ。公演は3月20日(水・祝)まで同劇場にて。3月23日(土)・24日(日)に福岡・博多座、3月31日(日)に東京・日本青年館 大ホールにて。チケットは発売中。
2013年03月04日井上芳雄、高橋愛が主演するミュージカル『ウェディング・シンガー』の製作発表が12月17日、都内にて行われた。結婚をテーマにした作品ということで、実際の結婚式場で開催されたこの製作発表には1200名の応募の中から選ばれたファン60名も参加。笑いに溢れたハッピーな会見となった。ミュージカル『ウェディング・シンガー』チケット情報作品は、結婚式を盛り上げるウェディング・バンドマンのロビーと、式場のウェイトレス、ジュリアの恋を軸にしたミュージカル・コメディ。アダム・サンドラー主演の1998年のアメリカ映画を舞台化したもので、日本では2008年初演、2011年の再演を経て今回が3度目の上演となる。80年代アメリカの音楽やダンスのオマージュに溢れ、個性的な登場人物が巻き起こすドタバタに劇場が笑いに包まれるキュートな作品だ。初演よりロビーを演じている井上はそのままに、今回はジュリアに高橋愛、その従姉ホリーに彩吹真央、ロビーのバンド仲間サミーに吉野圭吾という新キャストが加わる。会見では、井上が「大好きな作品です。前回はちょうど震災の時期の公演で、3月11日当日も公演していたんですが、直後はやはり日本中が沈んでいました。そんな時にこんなバカバカしい楽しい話をやっていていいのかなと思ったのですが、結果的に舞台の力でお客さまと一緒になって笑いながら前に進んでいこうという気持ちになり、作品の力を改めて感じました。でも観たくても来られなかったお客さまも大勢いて、完全な形で公演ができたとはいえなかったので、再々演をやらせていただけるのはすごく嬉しい」と感無量のコメント。また初参加の高橋が「こんなに愛されている作品に出ることができて本当に幸せ。CDをずっと聴いているんですが、聴いているだけで元気になれるので、皆さんもこの作品を観て元気になっていただきたいなと思います」と話し、演出を務める山田和也が「舞台は1985年のニュージャージー。ここでは戦争も起こっていませんし、革命もありません。ドラマチックな要素はまったくない、日常の中でおこるミュージカル。でもそこにこそこの作品の価値や大切な事がこめられています」とその魅力を解説した。また、今回の公演は「ファイナル・ステージ」と銘打たれているのも気になるところ。これに関して山田は「この人たちが結婚適齢期に見えるのもそろそろ限界かな、と」と会場を笑わせ、井上は「僕は毎回、これがファイナルで当然だと思ってやっています。ある意味、再演がある作品というのは奇跡。ですからいつもと変わらず一生懸命やりたい。…これが大好評だったらリターンズがあるかもしれないし(笑)」と含みをもたせた。公演は3月1日(金)から20日(水・祝)まで東京・シアタークリエ、3月23日(土)・24日(日)に福岡・博多座、3月31日(日)に東京・日本青年館 大ホールにて。チケットは東京公演が12月22日(土)、福岡公演が1月19日(土)にそれぞれ一般発売を開始する。
2012年12月18日舞台『組曲虐殺』の公開稽古が12月6日、東京・天王洲 銀河劇場で行われ、出演する井上芳雄、石原さとみらが会見を行った。『組曲虐殺』公演情報2010年に死去した井上ひさし最後の作品で、官憲の拷問によって29歳の若さで命を落としたプロレタリア文学の旗手、小林多喜二を題材にしたもの。2009年に初演され、その年の演劇賞を総なめにした。今回の3年ぶりの再演には、初演時と同様、演出に栗山民也、キャストも同じ顔ぶれが揃った。多喜二を演じる井上は、初演の時は初日4日前に台本が完成したことを明かし「台本がギリギリだと言い訳がきくけど、今回そうはいかない。厳しさを感じます」と気を引き締めながら、「井上先生は(再演を)喜んでらっしゃいますかね。きっと舞台が始まったら、(天国から)毎日劇場に来てくださるんじゃないかな」と亡き劇作家に思いを寄せた。一方、多喜二の恋人役の石原は「先生がいらっしゃらないな、と寂しい思いもありますが、先生が命を削って書かれた言葉を大切に丁寧に伝えていきたい」と気合を入れた。公演は12月7日(金)から東京・天王洲 銀河劇場にて。その後、福岡、愛知、大阪ほか全国を巡演。
2012年12月07日今年、公開された映画の中で「ベスト親子賞」を選ぶなら井上真央と松坂慶子が『綱引いちゃった!』で演じた娘と母は有力候補となること間違いなしである。井上さんにとってはNHKの連続テレビ小説「おひさま」後に出演した最初の作品。「おひさま」では愛情あふれる家族の絆が描き出されたが、本作でも母と娘の2人ながらも「おひさま」に負けず劣らず温かい親子の姿が映し出される。かつてはオリンピックの正式種目だったという歴史を持つスポーツ“綱引き”を題材にした本作。「いつかご一緒させていただきたいと思っていたけれど、初共演でまさか一緒に綱を引くことになるとは…(笑)」とふり返る松坂さんとの共演を始め、大分で行われた撮影、本気で挑んだ綱引きなどについて井上さんが語ってくれた。井上さんが演じた千晶は大分市の広報課職員。市長の命令で市のPRを目的に女性だけの綱引きチームを結成する。「最初は綱引きと聞いて、スポ根映画をイメージして、綱引きをガムシャラにやる汗と涙の結晶という感じだろうと思いましたし、映画になるのかな?という思いもありました」と井上さんはふり返る。千晶という役柄については「私と結構、近かったかもしれない。だからこそ難しかったのかな?」とも。だが「役づくりは、綱引き!」と語る通り、役の内面については事前に作り込むことはせず、現場で方向性を決めていったという。「千晶を明るく演じるのか?それともしっかり者のキャリアウーマンとして演じるのか?すごく難しかったですが、ずっと大分にいて大分弁を話す中で段々と『こんな感じかな』という形が出来上がっていきました。何より、綱引きを一生懸命やって技術がアップしてチームも一つになっていく過程が、お芝居にリンクしていけばいいなと思っていましたので。だから現場では、いかに姿勢を保つかとか、どうやって綱を引っ張るかといった話し合いをみんなでしていましたね」。ちなみに綱引きのシーンに関しては「全てガチです!」。劇中のチーム「綱娘」さながら毎日トレーニングを積んで撮影に臨んだ。「最初にみんなで大会を見に行ったら、想像以上にパワフルで地面に着くんじゃないかってくらい低い姿勢なんですよ。松坂さんも最初、綱引き部分にはスタントがいると思っていらしたみたいです(笑)。『あの姿勢を?』と思いつつやってみたら、1人や2人で引くのと8人で引くのとでは全く違って、体力だけでなく全員で息を合わせる大変さがありました。やっていくうちに1日でも綱を引かないと落ち着かなくて(笑)、感覚を忘れないよう『早く引きたい!』って気持ちでした」。「相当、インパクトのある作品じゃないと『おひさま』の陽子役は抜けきらないと思った」という井上さんは、『舞妓 Haaaan!!!』や『なくもんか』といったコメディ映画を世に送り出してきた水田伸生監督の下で新たなスタートを切った。千晶はどちらかと言えば、周囲のボケにビシバシとツッコミを入れる役柄だが、水田監督が求める独特の笑いを存分に楽しんだようだ。「水田監督は結構、その場で思いついたことを提案して、たまたま見た人がクスっと笑ってしまうような小さな笑いを散りばめるので、笑いを堪えるのが大変でした。お芝居をしている本番の最中に監督の笑い声が響いて、音声さんが『シーっ!』って怒っているような現場でした(笑)。逆に感動的なシーンでフッと監督を見たら、号泣されているんです(笑)。監督が一番のお客さんでしたね」。しっかり者としてツッコミを入れるだけでなく今後、コメディエンヌとしてボケ倒す井上さんを見てみたい気もするが…。「どうでしょう…(笑)?笑いのツボはみんなそれぞれ違うので、難しくもありますがコメディは楽しいですね。面白いと思ってやっていても『あれ?』となることもあるから、脚本を読んで面白ければ面白いほどプレッシャーもあります。テンポがちょっと違うだけで面白くなくなったり、セリフ一つ削るだけで面白くなったり、本当に難しい。でも現場で笑いが起きるのはやっぱり楽しいです。私もどちらかというと思い切り笑わせるというよりも、地味に小さく笑えるようなものが好きなので、そういう作品もやれたらいいですね」。そして、ギャグシーンではないのに観ているだけで思わずクスっと笑ってしまうのが井上さんと松坂さんの母娘のやりとりだ。年の功でチーム「綱娘」をまとめる精神的な支柱であり、家ではまるで友達のように娘・千晶と何でも言い合える母・容子。井上さんは「小さい頃から映画館で観てきた作品に出ていた大好きな女優さん」という松坂さんとの共演をこうふり返る。「チームメイトであり親子でもあるという2人の距離が、緊張や遠慮もなく自然にできたと思います。松坂さんは誰に対しても壁を作られることが全くないので、一緒にいたら甘えたくなっちゃうような本当に優しいお母さん。家での2人のシーンのときは『こないだウチの娘がね』と娘さんやお母さまの話をしてくださったり。『おひさま』を見てくださっていたのでその話をしたりもしました」。特に家で松坂さんとマッサージをし合うシーンは、井上さんにとってもお気に入りになったようだ。「日常の親子の雰囲気が好きですね。台本には『マッサージをし合う』とは書いてなかったんですが、松坂さんが私の上に乗ってきたので、その場で思わず『重い~!』とアドリブで言ってしまいました。後で考えると、とても失礼なセリフなんですが、私自身が実際に母とそういうやり取りをしたことがあったので。完成した映画を観たら、ウチの母とのやり取りに近くて、自然にできた良いシーンになっていました」。多くの俳優が、朝ドラや大河ドラマへの出演をきっかけに成長や変化を感じると口にしている。井上さんは慎重に言葉を選びながら「確かに10か月も同じ役をやるというのは大きなことです」とうなずく。自らの変化を知覚するのはこれからかもしれないが、ハッキリと感じるのは周囲の反応の変化だ。「いままでは若い人に声を掛けられることが多かったのですが、最近は、おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんの世代の方にも『見ていました』と言っていただけて嬉しいです。大分でも『陽子ちゃん、陽子ちゃん』と声を掛けていただきました(笑)」。そして、最後にこうつぶやいた。「何より震災があった年にあの作品に出られたというのが一番大きなことかもしれません」。年が明けて少し経てば26歳になる。20代の後半戦、女優・井上真央はどのような道を歩んでいくのか?楽しみに待ちたい。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:綱引いちゃった! 2012年11月23日より全国東宝系にて公開(C) 2012「綱引いちゃった!」製作委員会
2012年11月20日井上真央が主演で贈る、綱引きの女性チームの奮闘劇を描いた『綱引いちゃった!』の女性限定試写会が、11月7日(水)に都内で行われ、井上さんを始め、玉山鉄二、渡辺直美のキャスト陣と水田伸生監督が登壇した。『舞妓 Haaaan!!!』など宮藤官九郎とタッグを組み、笑いあり涙ありの心温まるコメディを手がけてきた水田監督の最新作となる本作。大分市役所広報課の千晶は、市長の命令で町おこしのために、かつては大分出身のチームが世界一に輝いたこともある女性だけの綱引きチームを結成。母・容子を始め閉鎖が予定されている給食センターのメンバーたちと大会に参加になるのだが…。この日は、女性限定試写会ということで登壇した井上さんは「見事に女性ばかりですね!この映画の撮影現場も雰囲気はずっと“女子会”みたいで、毎日楽しかったです」と挨拶。しかし、玉山さんは「非常に緊張しています」と女子たちの独特の雰囲気に圧倒された様子だったものの、渡辺さんが大女優風のコメントを連発すると「ムカつきますね(笑)」とツッコミを入れ会場の笑いを誘っていた。この日は、“女子会”をテーマにしているとあって、一般女性からのお悩みに対する相談会を開催。井上さんらゲストが事前に応募を募っていたお悩みに答えた。しかし、1問目の「朝が弱いんですがどうしたらいいですか?」という高校生からのお悩みに、「私も朝は弱いんです」と共感を寄せる井上さんだったが、「まだ17歳の高校生ですからね。社会に出れば、何が何でも起きないといけないこともあると思うので大丈夫ですよ」とザックリとした返答。これに渡辺さんから「適当だなぁ(笑)」とすかさずツッコミが入る一幕も。続いての質問では、「どんな年齢でも、どんな体型でも、自信を持って生きていくにはどうすれば?」と渡辺さんへのピンポイント質問が。「絶対、直美ちゃんをバカにしてますよね(笑)」と玉山さんが今度はフォローしたかと思いきや、「でも、(渡辺さんと)マンションが一緒なんですけど、この前エレベーターで偶然会ったときは、絶対お風呂に入ってないだろ…という感じの見た目でビックリしました」と裏切りの暴露!渡辺さんも「あのときはホントに酷いカッコをしていました…」と反省していた。最後の質問では、「どうしたら、真央ちゃんみたいに女子力がアップするの?」と今度は井上さんへのピンポイント質問が読み上げられたが、「いや~、特にないです」と照れつつも、「でも、毎日お風呂には入ってます(笑)」と渡辺さんをイジり、イタズラっぽい笑顔を浮かべていた。その後も、渡辺さんがおなじみのビヨンセのモノマネを披露するなど、最後まで大きな盛り上がりを見せたこの日の“女子会”。井上さんも「こんな時代だからこそ、女子の力を!」と語りかけ、客席の女子たちから大歓声を浴びていた。『綱引いちゃった!』は11月23日(土・祝)より全国東宝系にて公開。■関連作品:綱引いちゃった! 2012年11月23日より全国東宝系にて公開© 2012「綱引いちゃった!」製作委員会
2012年11月07日日本でも1987年の初演以来上演を繰り返しているミュージカル『レ・ミゼラブル』。ミュージカルの金字塔とも呼ばれ、大作ミュージカルの代名詞ともなっているこの作品が、来年の上演から装いも新たに“新演出版”として登場する。10月15日、山口祐一郎らその新『レ・ミゼラブル』に出演するキャスト68名が一堂に会し、製作発表を行った。ヴィクトル・ユゴーの原作を元にした本作は、19年の刑に服したのち脱獄、次第に善に目覚めて行く主人公ジャン・バルジャン、彼を追い続ける刑事ジャベール、さらにその日生きるのもやっとの民衆たちや、革命に燃える学生たちの姿を流麗な音楽で紡いでいく群像劇。1985年のロンドン初演から全世界で上演され、世界での観客総数は6000万人に迫るという、まさに演劇史を代表する名作だ。この作品が舞台装置、照明、音響、衣裳からキャラクターの描き方まで一新、新演出として生まれ変わる。新演出にともない、全キャストがオーディションで決定。この日は応募総数15000人という激戦の中、役を勝ち取った出演者が披露された。ジャン・バルジャン役は、同役を1997年から務めている山口祐一郎と、劇団四季で多くの主要キャラクターを演じた後、母国韓国のミュージカル界で華々しく活躍しているキム・ジュンヒョンのダブルキャスト。山口は「まったく新しい演出家の方で、どうすればオーディションを突破できるのか、当日は(役に合わせて)髭はあった方がいいのか剃った方がいいのか、にこやかにしていた方がいいのか真面目な顔をしていた方がいいのかと迷うくらいに、ドキドキして受けました」とその厳しさを振り返り、キムは「日本の『レ・ミゼラブル』に参加できて本当に嬉しい。難しい役だと思いますが、みんなで力をあわせてお客さんに感動を与えられる作品を作るために頑張ります」と喜びを語った。また革命運動に身を投じる学生マリウスに恋をする少女エポニーヌ役で本作に初参加する平野綾が「この場に立てる喜びと緊張で、泣いてしまいそう。ミュージカル出演は2作目で圧倒的に経験値が足りないので、まわりのみなさんに食らいついていきたい」と語るなど、感無量のコメントを口にする出演者も多数。出演者全員の『レ・ミゼラブル』という作品への思いがひしひしと伝わってくる製作発表だった。このメンバーで贈る新生『レ・ミゼラブル』の誕生を楽しみに待ちたい。出演はほかに吉原光夫、川口竜也、知念里奈、笹本玲奈、山崎育三郎、森公美子ら。すべての役がダブルキャスト、トリプルキャストになっている。公演は5月3日(金・祝)から7月10日(水)まで東京・帝国劇場(4月23日(火)よりプレビュー公演あり)、8月3日(土)から31日(土)まで福岡・博多座、9月7日(土)から23日(月・祝)まで大阪・フェスティバルホール、10月1日(火)から20日(日)まで愛知・中日劇場にて行われる。東京公演のチケットは4・5月分が2月9日(土)、6・7月分が3月16日(土)に一般発売を開始する。
2012年10月16日劇作家・井上ひさしの最後の作品『組曲虐殺』が今冬再演される。2009年に栗山民也演出で初演されたこの作品は、音楽を全編、小曽根真の書き下ろし楽曲でつづる“音楽評伝劇”だ。今回、初演と同じスタッフ・キャストで、井上作品を連続上演してきた“井上ひさし生誕77フェスティバル2012”の掉尾を飾る。主演の井上芳雄に本作への思いを訊いた。プロレタリア作家の小林多喜二が、29歳の若さで特高警察に虐殺されるまでの2年9か月を描いた本作。多喜二を演じる井上は、「自分にとって『組曲虐殺』は、井上ひさし先生の思い出と共に、忘れられない宝物。絶対に再演したいと願っていました。初演メンバーが揃ったのも、作品の力に拠るところが大きいのでは」と話す。壮絶な最期で知られる多喜二だけに「演じる前は漠然と、激しさや痛みのようなものをイメージしていた」という井上。「でも井上先生の台本には、朗らかで、芸術に造詣が深く、人々に愛される人物が描かれていて、新鮮でした」。劇中では、恋人の瀧子や姉チマ、 多喜二の活動を支援するふじ子はもちろん、多喜二をマークしている特高刑事ですら、気がつけば彼に温かい眼差しを向けてしまう。「実際、魅力的な人だったんでしょうね。周囲からたくさんの愛情を受けていたからこそ、自分もそれを、虐げられた人々に返すことができたんじゃないでしょうか。社会のシステムを憎んでも、人間そのものは決して憎まない人だった気がします」。『組曲虐殺』は、井上にとって、表現面でもひとつの転機となった作品だ。「栗山さんからは『生死の瀬戸際に身を置くプロレアタリア作家の覚悟に迫れ!』と叱咤激励され続けて。演じる上で感情をどこまでどう出すのか、新しい挑戦でした。小曽根さんには『これまでと違う歌い方を試してみようよ』と、即興的な歌唱を教えていただきましたね。その後、別の作品を演じても、『今の、多喜二だったよね』と言われてしまうほど(笑)。俳優として大きな体験でした」。今は、井上ひさしの遺した言葉を伝えることが、自身の使命だと感じているという。「先生が書いてくださった言葉は、自分のちょっとした工夫など歯が立たないほど、すごい力をもっている。再演でも、まっすぐに体ごと、ぶつかろうと思っています。『後に続く者を信じて走れ』という多喜二の歌詞があるのですが、僕も、若い世代を含め多くの人に、彼の思いや生き様を伝えるつもりで演じたいです」。公演は12月7日(金)から30日(日)まで東京・天王洲銀河劇場にて上演。チケットは9月29日(土)より一般発売開始。なお、チケットぴあでは9月13日(木)11時までインターネット先行抽選・プレリザーブを受付中。東京公演の後、来年1月に各地を巡演。取材・文:高橋彩子
2012年09月12日ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』が9月2日、東京・シアタークリエにて開幕した。出演は井上芳雄、坂本真綾。『レ・ミゼラブル』の演出家ジョン・ケアードが脚本・演出を担当し、2009年にアメリカで初演された“ふたり芝居のミュージカル”の、日本初上陸だ。『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』チケット情報はこちら孤児院に暮らす少女ジルーシャはある日、院の理事のひとりから、大学へ進学するための奨学金を援助しようという手紙を受け取る。条件は月に一度、彼に手紙を書くこと。一度だけシルエットで見た手紙の主はまるで足長蜘蛛のように足が長く、ジルーシャは彼を足長蜘蛛――ダディ・ロング・レッグズと呼び慕っていく……。日本では非常に良く知られている『足ながおじさん』の物語が、とても可愛らしく瑞々しいミュージカルになった。土や緑の匂いがしそうな素朴で優しい音楽、さらにセットも本に囲まれた書斎、木の温もりが伝わりそうな壁に床、大きなトランク…と、この物語を愛する少女たちが憧れそうな世界だ。登場人物はジルーシャと、ダディの正体であるジャーヴィスのふたりだけ。原作と同じく、ジルーシャがダディに宛てて書いた手紙の形をとって物語が進行していく。ゆえにジルーシャを演じる坂本真綾は出ずっぱりの大奮闘だ。孤児院育ちで、大学でも上流の教育を受けてきた少女たちと会話が通じなかったりと、コンプレックスはあるものの、それが卑屈な方向に表出されることはないジルーシャ。聡明で独創的、あふれ出る言葉にはユーモアがあり、彼女の目に映る世界はキラキラと輝いている。そんなジルーシャを坂本は伸び伸びと表情豊かに創り上げている。膨大なセリフも隅々までクリアで気持ちよく耳に届き、ジルーシャはこの人以外にはいないのではと思うほどにぴったりだ。一方でジャーヴィスは、上流階級に育った青年。ジルーシャの文学的才能を伸ばすために援助を申し出たものの、予想以上の才気を見せる彼女の手紙、そして彼女自身に惹かれていく。ただし「きっと年寄りに違いない」というジルーシャの思い込みで作り上げられた“ダディ”像と自身とのギャップに苦しみ、彼女に打ち明けることができない。ジャーヴィスを演じる井上芳雄は、その戸惑いや、嫉妬心から生まれるいじわるな顔なども丁寧に演じ、“大人の初恋”とでも呼べそうなフレッシュな恋心を見せていた。劇中の「チャリティー」というナンバーで、ジャーヴィスは“誰が誰を助けている?”と歌う。ジャーヴィスはジルーシャに援助をしたが、彼もまたジルーシャから大きなものを受け取った。ジルーシャも与えられたものに甘んじず、自らの手で道を切り開いていく。ロマンチックなラブストーリーでありながら、人生を輝かせるヒントが散りばめられたミュージカル。小説同様、長く愛されていくに違いない。東京公演は9月19日(水)まで。その後9月22日(土)に新潟、9月26日(水)に大分、9月28日(金)・29日(土)に大阪、10月3日(水)に福岡で上演される。
2012年09月03日