アーティストの平山昌尚による個展「ゲーム|Game」が、7月16日から8月14日まで東京・目白にあるタリオンギャラリー(TALION GALLERY)にて開催される。平山昌尚は、黒ペンと紙などありふれた道具を用いて、寓意とセンチメント、記号的なおかしみと仕掛けに満ちたドローイング作品を継続的に制作しているアーティスト。国内外で展覧会を開催しており、アートブックも多数出版している。同展ではトランプ、なぞなぞ、すごろく、迷路など、ゲームとして一般的に親しまれているものや、カラスのゴミ漁り、エイプリルフールに付く嘘など、日常のささいな場面や出来事からインスピレーションを得て制作された作品の数々を展示。ユーモアと無意味さ、ルールや拡張性をテーマに、アクリル絵具も用いて描かれた新作のドローイングと立体作品が登場する予定だ。【イベント情報】「ゲーム|Game」会場:タリオンギャラリー住所:東京都豊島区目白2-2-1地下1階会期:7月16日~8月14日時間:11:00~19:00定休日:月・火曜日、祝日
2016年06月26日女優の杏(30)が、俳優の東出昌大(28)との間に第1、2子となる双子の女児を出産したことが16日、わかった。東出の所属事務所を通じて発表した。2人は連名でコメントを発表。「先日、無事に双子の女児が誕生いたしました」と報告し、「予定より少し早い出産でしたが、今は母子共に健康です」と伝えた。そして、「今後は親として恥ずかしい行いをせずに、立派な子に育て上げたいと考えておりますが、気づかぬ点や至らぬ点も多くあると思います」とし、「今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」とつづった。杏と東出は、2013年9月から2014年3月にかけて放送されたNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』で夫婦役を演じ、交際に発展。2015年1月1日に結婚した。
2016年05月16日人気漫画家・福満しげゆきの代表作を実写映画化した『ヒーローマニア-生活-』の初日舞台あいさつが5月7日に、都内で行われ、東出昌大、窪田正孝、小松菜奈、船越英一郎、片岡鶴太郎、豊島圭介監督、山崎静代(南海キャンディーズ)が登壇した。初日舞台あいさつ/その他の写真うだつの上がらないフリーター(東出)が、驚きの身体能力を誇るニート(窪田)、情報収集力が抜群の女子高生(小松)、夜な夜なカナヅチで悪を退治するサラリーマン(片岡)という個性豊かな面々と意気投合し、街にあふれる小さな悪を成敗する自警団を結成。やがて、街の“ヒーロー”になるが事態は思わぬ方向に…。本作でコメディ演技に初挑戦した東出は、「現場は和気あいあいとした雰囲気。ずっと楽しかったので、振り切る演技ができた」と手応えたっぷり。豊島監督とは2度目のタッグで「僕らは監督が大好きなので、モニター越しにニヤニヤした表情を見ると、喜んでもらえたと思えて、こっちまでうれしくなる」と強い信頼感を示した。同じく従来のイメージを役柄に取り組んだ小松は「皆さんマイペース。自由な雰囲気で、変に緊張せず伸び伸びできた」と満足げ。「笑えて泣けて、スカッとするエンターテインメント作品になった」とアピールした。また、窪田はベテラン俳優の船越から「ゴキブリを見て逃げ出した」と暴露され、当時の恐怖を思い出したのか、「皆さんは普通に弁当を食べていて・・・。黒い何かがゴソゴソしているのに、よく食べれるなあと・・・」と苦笑いをしていた。『ヒーローマニア-生活-』公開中取材・文・写真:内田 涼
2016年05月07日福満しげゆきの人気マンガを、東出昌大、窪田正孝、小松菜奈、片岡鶴太郎らで実写映画化する『ヒーローマニア-生活-』の特別映像が公開になった。ヘタレな主人公・中津に焦点を当てた内容で、オファーを受けた東出は撮影前に、ヘタレに見えるように走り方などを研究したという。『ヒーローマニア』/特別映像映画は、うだつの上がらない中津が、謎の身体能力を誇る土志田(窪田)、情報収集力が抜群の高校生カオリ(小松)、昼はサラリーマンで、夜は“若者殴り魔”として活動している日下(片岡)に出会い、町を守る自警団を結成する。街にはびこる小さな悪を見つけ、懲らしめていく彼らの活動はやがて実を結び、自警団は、警備サービス会社“ともしび総合警備保障”という大きな組織になるが、新しいメンバーの中に、その力を私欲の為に使う者が現れ、秩序は徐々に崩れていく。特別映像は、会社をリストラされコンビニでバイトをはじめた中津が、バットを振りかざして悪を退治する姿や、自警団として土志田、カオリ、日下と悪に立ち向かうシーンが登場する。他の3人と違って、目立った能力のないチームリーダーの中津役について東出は、「こういう役に挑戦できるんだって思えて純粋にうれしかった」とコメントをしており、メガホンを執った豊島圭介監督は「誰も知らない東出くんのキャラをどうしても撮りたかった」とこだわりを明かしている。『ヒーローマニア-生活-』5月7日(土)全国ロードショー
2016年04月22日人気漫画家・福満しげゆきの代表作を実写映画化した『ヒーローマニア-生活-』の完成ヒーロー(披露)上映会が4月20日に、東京・新宿バルト9で行われ、東出昌大、窪田正孝、小松菜奈、船越英一郎、片岡鶴太郎、豊島圭介監督が登壇。配給を手がける東映の“ヒーロー”である仮面ライダーのサプライズ登場もあり、東出は「スゴっ!」と興奮しきりだった。完成ヒーロー上映会その他の写真うだつの上がらないフリーター(東出)が、驚きの身体能力を誇るニート(窪田)、情報収集力が抜群の女子高生(小松)、夜な夜なカナヅチで悪を退治するサラリーマン(片岡)という個性豊かな面々と意気投合し、街にあふれる小さな悪を成敗する自警団を結成。やがて、街の“ヒーロー”になるが…。本作で初のコメディ演技に挑んだ東出は、「緊張感はありつつ、誰一人怒ったり、怒鳴ったりしていない現場。楽しい雰囲気が、作品にも出ていると思う」と振り返り、「窪田くんはアイスの差し入れに『ウェ~イ』と喜んでいたし、菜奈ちゃんはダジャレを言わせたら天才的」と共演者の意外な素顔を披露。窪田は「登場人物はみんなマニアックで変態ですが(笑)、遊び心もありエンターテインメントがたっぷりな作品」と見どころをアピールした。原作との出会いから約5年の構想期間を経て、映画化にこじつけた豊島監督は、「当初はこんな素晴らしいキャストで映画化できるなんて思ってもいなかった。あえてバランスは考えず、好きなものを詰め込んだ作品なので、いろんな角度で楽しんでもらえれば。キャストの皆さんのイメージとは違う面を描くことを念頭に置いた」と話した。『ヒーローマニア-生活-』5月7日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2016年04月20日日本国内のみならず、世界から注目を集める「デスノート」シリーズの正当な続編とされる最新作『デスノート 2016』。この度、主演を務める東出昌大が写る場面写真が解禁された。キラこと夜神月(ライト)とLの死から10年。再び死神が地上にデスノートをばらまき世界中が大混乱に陥っていた。夜神総一郎が立ち上げた「デスノート対策本部」は存続していた。すでに亡くなった夜神総一郎の跡を継ぐべく、キラ事件に精通した三島を筆頭に、唯一10年前のキラ事件を経験した松田ほか5人の対策特別チームの捜査官たちを中心に警視庁内に本部を構えていたのだ。ロシア、ウォール街そして渋谷でのデスノートによる大量殺人が行われる中、世界的私立探偵にして、“Lの正統な後継者”竜崎が加わり事件解明に当たり、地上には「6冊のデスノート」が存在する事が判明。その矢先にキラウィルスと呼ばれるコンピューターウィルスが世界中に拡散された。そのメッセージとは「他の所有者に次ぐ。速やかに私に差し出せ」とデスノートの提出を呼びかけだった――。原作は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて読み切りから始まった伝説的コミック「デスノート」で、日本国内累計発行部数3,000万部を誇る大ヒットカリスマコミック。『DEATH NOTE』『DEATH NOTE the Last name』と実写化がされ、メガヒットを記録。また、海外からの注目も高く、スピンオフ作『L change the World』を合わせると35の国際映画祭に招かれ、60以上の国と地域で公開され、3作の日本国内興行収入は100億円を超え、名実共にいまもなお人気を博している。そして伝説となった本映画シリーズ誕生から10年目となる年に、正統な続編として完全新作映画となったのが本作だ。今回の舞台となるのは、デスノートを駆使して世の中に野放しになっていた凶悪犯を次々と死に追いやったキラこと夜神月(藤原竜也)と、命をかけてキラを食い止めたL(松山ケンイチ)との天才同士の対決から10年を経た世界。デスノートを追う男・三島創役の東出さんをはじめ、デスノートを封じる男・竜崎役の池松壮亮、デスノートを制する男に菅田将暉、世界中に散らばった“デスノート”6冊のうち、1冊を手にする青井さくら役に川栄李奈が出演。さらに前作でも出演している“ミサミサ”こと弥海砂役に戸田恵梨香が続投している。そして今回解禁されたのは、スーツ姿の主人公・三島が写し出されている2枚。視線の先には一体何があるのだろうか…と、物語の想像膨らませる場面写真となっている。三島は、月の父・夜神総一郎により警視庁内に立ち上げられたデスノート対策本部特別チームの捜査官の一人で、10年前に起きたキラ事件と総一郎の資料から夜神月について徹底的に調べあげ、“研究ノート”を作成。対策本部一、“デスノートヲタク”と呼ばれるほど「事件とルール」に精通しているという人物。また、「デスノートに名前を書かれた人間は死ぬ。その人物の顔が頭に入っていないと効果は得られない」というデスノートのルールに対する最大の防御策として、デスノート対策本部のメンバーは、三島をはじめなんと全員が“偽名”。お互いの本名も知らされてないという。さらに本名や過去の経歴を知られないように、家族のいない人間が選抜されているということが今回判明した。新たなキャストが続々と発表される中、「ベルリン国際映画祭」のEuropean Film Marketでも世界中が注目していることを実証してきた本作。今後の続報にも期待ができそうだ。『デスノート 2016』は10月29日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年03月24日東京都・神保町の小宮山書店は、約500枚のポラロイドを展示・販売する「金子國義ポラロイド展」を開催する。会期は1月29日~2月28日。開場時間は11:00~18:30(日祝は17:30まで)。入場無料。同展は、昨年3月に逝去した金子國義による約500枚のポラロイドを展示・販売するもの。金子氏は、妖艶な雰囲気を漂わせる女性の絵を得意とし、「富士見ロマン文庫」や、雑誌「ユリイカ」をはじめとして、数多くの装丁画や挿絵を手がけてきた。また、絵画のみに留まらず、浴衣のデザインなど、幅広い表現領域を持っており、写真・ポラロイドも多数手掛けていたということだ。また、東京都・銀座のAKIO NAGASAWA Gallery | Publishingにて、「金子國義写真展」が同時開催される。会期は1月29日~2月21日(月曜・火曜休廊)。開場時間は11:00~19:00。入場無料。
2016年01月25日2015年10月よりTOKYO MXほかにて放送開始となったTVアニメ『スタミュ』。今回は、第9幕のあらすじと先行場面カットを紹介しよう。○TVアニメ『スタミュ』、第9幕のあらすじと場面カット■第9幕 あらすじ綾薙祭公演に向けて、稽古に励むteam鳳。そんなある日、鳳が柊に呼び出された。柊は、「team鳳の存在は、綾薙学園の伝統と品位を侵すもの」と告げ、鳳にある選択を突きつける。生かすべきはひとりの天才か、星屑のように輝き始めた5人の未来か……。決断を迫られた時、鳳と柊の秘められた過去が明らかになる。(脚本:渡邊大輔 / 絵コンテ:平田豊、黒澤雅之 / 演出:神保昌登 / 作画監督:遠藤大輔、石富結依奈)TVアニメ『スタミュ』はTOKYO MXほかにて放送中。放送時間などの詳細はアニメ公式サイトをチェックしてほしい。(C)ひなた凛/スタミュ製作委員会
2015年11月30日2015年10月よりTOKYO MXほかにて放送開始となったTVアニメ『スタミュ』。今回は、第8幕のあらすじと先行場面カットを紹介しよう。○TVアニメ『スタミュ』、第8幕のあらすじと場面カット■第8幕 あらすじ2学期が始まり、さっそく次のテストステージ、『綾薙祭公演』の概要が発表される。星谷たちは、綾薙祭での演目は各チームの自由だと聞かされ、自分たちにしか出来ない、自分たちらしい演目を、と考えるが――。一方で、新人お披露目公演でのteam鳳の暴走に、嫌悪感を露わにする華桜会メンバーがひとり――静かに動き始める。(脚本:高橋郁子 / 絵コンテ・演出:神保昌登 / 作画監督:高山由江、渡邉亜彩美)TVアニメ『スタミュ』はTOKYO MXほかにて放送中。放送時間などの詳細はアニメ公式サイトをチェックしてほしい。(C)ひなた凛/スタミュ製作委員会
2015年11月23日ドラマや映画での活躍目覚ましい東出昌大が初めて舞台に挑戦する。原作はイギリスの文学界における最高の栄誉といわれるブッカー賞、さらに大英帝国勲章を獲得し、日本での人気も高い作家、カズオ・イシグロが初めて手掛けた短篇集。独立しながらもテーマと状況がつながる5篇のうちから、「老歌手」「夜想曲」「チェリスト」の3篇をひとつに組み立て直して舞台の上に描き出す。脚本はてがみ座の長田育恵。演出を手掛けるのは、ここ数年立て続けに良作を手掛け、3度の読売演劇大賞優秀演出家賞を獲得する小川絵梨子だ。本番を2週間後に控えたなかで行われた公開稽古を覗いた。舞台『夜想曲集』チケット情報稽古場には二階建てのセットが組み上げられ、ところどころに椅子が置かれている。稽古場に入ってきた東出は、報道陣が稽古場を埋め尽くさんばかりの様子を見て「すっごい空気!」と笑う。キャスト同士、いい空気ができあがっているようで、通常とは明らかに違うこの状況に対しても過剰に意識することなく、笑い合いながら稽古開始を待っている。やがて稽古がスタート。東出演じる旧共産圏出身のヤンが、彼の亡き母がかつて大ファンだった往年の歌手、トニー・ガードナー(中嶋しゅう)とカフェで遭遇するシーン。静謐な空気の中で言葉がやり取りされる。その静けさを破るように登場したのが安田成美演じるトニーの妻リンディ。ロングコートに幅広のハットをかぶり、意識的か無意識か、やや無礼なところもあるマダムをそのしゃべり方と空気感で見事に体現。素朴な青年の雰囲気をまとった東出との対比が鮮明に見える。稽古の切れ目で緊張がほどけたような笑い声がセットの裏から聞こえてくる。長身の東出はチェロを構える姿、青いギターを構える姿が実にしっくりくる。稽古の中ではギターを持った東出がベネツィアのゴンドラに揺られるシーンや、近藤芳正によるサックスプレイが披露されるシーンもあり、物語の断片を観ただけでも幻想と現実の合間をたゆたうような、不思議な世界がそこに広がる。初舞台ながらこの物語の空気の中にすっと溶け込んでいる東出。彼が本番でどんな姿を披露するのか、期待が募る。公演は5月11日(月)から24日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、5月30日(土)・31日(日)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。その後広島・富山でも上演。チケットは発売中。取材・文/釣木文恵
2015年04月28日東出昌大が、『夜想曲集』で舞台に初挑戦する。原作は、英国の作家、カズオ・イシグロの短篇集。演出を、気鋭の小川恵理子が担う。俳優の仕事を始めてから、いつかは立ちたいと思っていたというその場所で、東出はどんな姿を見せるのだろうか。「夜想曲集」チケット情報舞台には興味があった。出演作が相次ぐなか、「数えてみたらこの3年で30本位観ていた」のだという。やってみたかったのは、「映像と違う何かが求められる場所」だと思ったからだ。「舞台を経験したことのある方からよく聞いていたんです。舞台をやると自由に動けるようになるよと。それはたぶん、何回も同じ芝居を繰り返すことで、想像力とか演技の説得力というようなものがつくからだろうと思ったので。自分がどれくらい柔軟に自由に動けるようになるのか、怖くもあり、楽しみでもあるというところなんです」。実際、初舞台として挑むのは、想像力も説得力も大いに求められる作品となった。原作は、人生の晩年を迎えて心を揺らす人々の音楽をめぐる5篇の物語。そこから、「老歌手」「夜想曲」「チェリスト」の3篇がひとつの戯曲に再構築され、そのうち2篇に登場する若者を、東出はひとりの人物として演じることになる。すでにチェロの練習も開始。「弦に対して垂直に弓を引くだけで5年かかると言われたんですけど(笑)、だからといってあきらめるのではなく、ちゃんとお見せできるものにしたい」と意気込む。また、演じる人物には“旧共産圏の生まれのヤン”といった限られた情報しかないが、「ちゃんと生きている人間として演じられるようにその人物の背景を勉強したい」と下調べも始めている。「さらに難題だなと思うのが、どの人物もみんなストレートな感情表現をしないこと。言葉の裏にあるものをしっかり読み取って表現しないと伝わらないと思うので、課題は多いです」。舞台に立つまでに越えなければならない壁はいくつもある。それでも怯まないのは、「いい役者になりたい」という思いがあるからだ。「ありがたいことに、役者を始めてからいろんな新人賞もいただきました。でも、それで喜んでいられないというか。やり続けること、観てよかったと思っていただける役者になっていくことが大事だと思うんです。とくに舞台は、チケット代を払っていただいて足を運んでいただくんですから、緊張感を持って臨みたいと思います」。覚悟した役者は強い。東出昌大の初舞台、期待していい。公演は5月11日(月)から24日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、5月30日(土)・31日(日)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。その後広島・富山でも上演。チケットは発売中。取材・文:大内弓子
2015年04月17日いわゆる「帯広系豚丼」は、甘辛いタレを絡めて焼いた豚肉をご飯の上にのせた丼料理だ。東京・神保町の「豚大学 神保町校舎」も、そんな豚丼を堪能できる店のひとつ。そしてここには、常軌を逸したボリュームながら100%近い完食率を誇る"メガ盛り"豚丼がある。その名も「豚丼(博士)」(1,940円)だ。○「豚丼(博士)」はド迫力の肉の花!東京メトロ神保町駅から徒歩2分ほどの距離にある同店が店を構えるのは、ビルの3階。店にたどり着くまでの階段には、一段一段にびっしりとメニュー名が貼られていた。「豚丼 大」「豚丼 中」「豚丼 小」……。階段を上るごとに目に飛び込んでくる「豚丼」の文字が、「これから豚丼を食べるぞ」という意識を高めてくれる。店内には、12席のカウンターと2卓のテーブル。カウンターの奥の席に座って「豚丼(博士)」の登場を待つ。カウンターには「豚大学 五か条」と書かれた紙が貼られており、「第一条 かき込むべし」「第二条 残すべからず」といった条項が筆者を緊張させる。そうして士気を高めていると、「豚丼(博士)」が運ばれてきた。この圧倒的迫力! 総重量2kgというボリュームもさることながら、バラの花弁のように敷き詰められた豚バラ肉がインパクト大だ。見た目だけでなく、香ばしく焼けた肉の香りと醤油ベースのタレの香りもかぐわしく、なんとも食欲をそそる。肉はジューシーで柔らかく、たっぷりかかった甘辛いタレの味や、ほどよくついた焦げ目の香ばしさがたまらない。もちろん白米との相性も抜群だ。肉はたっぷり、タレもたっぷりだが、それ以上にご飯もたっぷりなので、至福の組み合わせを思う存分楽しめる。ちなみに、総重量2kgのうち白米の重さが1.4kgを占めるという。○"味変"が攻略の鍵!びっしりと折り重なる豚肉と、丼の底までぎっしりと詰まった白米のコンビネーション。たまらなく旨いが、胃袋のキャパシティーによってはもちろんつらくなる瞬間も来る。筆者は1/4ほど食べ進めたとき、丼の中の肉と米の量を見て己の敗北を悟った。同店のメガ盛りメニューに挑戦する際は、調味料やトッピングを駆使して味を変えるのがおすすめだ。テーブルには七味唐辛子と胡椒(こしょう)が常備されており、半熟卵とみそ汁がセットの「豚丼セット」(140円)や、半熟卵・キムチ・フライドガーリックとがっつり系のトッピングがつく「スタミナ大学セット」(260円)、だし汁と薬味でいただける「お茶漬けセット」(160円)など、セットメニューも充実している。というわけで、筆者も"味変"によりここから先を戦うことに。七味唐辛子をふりかけながら、さらに食べすすめる。甘辛い味付けの豚丼には、唐辛子の刺激や香辛料の爽やかな風味がよく合った。これなら最後までいけるかも!? と思いきや、全体の半分ほどを食べたあたりで箸が止まる。胃の状況がもはや味変でどうにかなるレベルを超えていたので、ここでギブアップ。しかし、店長の斉藤晋平氏によると「残された分はお持ち帰りもできますよ」とのこと! おなかさえいっぱいでなければいつまでも食べていたい絶品豚丼であるだけに、これはうれしい。ちなみに、「豚丼」の大・中・小サイズのテイクアウトメニューも提供している。○"完食率ほぼ100%"の秘密「豚大学」は東京・新橋に本店を構えているが、本店で最も大盛りのメニューは「豚丼(特大)」(1,020円)で1kg。これと同じ量の「豚丼(大学院)」(1,020円)というメニューが「神保町校舎」にはあり、同メニューを完食した人でないと「豚丼(修士)」(1,440円)と「豚丼(博士)」には挑めない。ちなみに「豚丼(修士)」の量は1.5kgで、「豚丼(大学院)」と「豚丼(博士)」の中間のボリュームとなっている。斉藤氏いわく、「豚丼(博士)」の完食率は「ほぼ100%」だという。同氏によると、同メニューに挑戦する人はそのほとんどが自信マンマンでオーダーするとのこと。なるほど、同メニューに挑戦する人は、少なくとも1kgの「豚丼(大学院)」を完食する実力を持っている。その上であえて挑むのだから、自信と勝算を持ってオーダーする人が多いのだろう。日本の最高学府のごとく「高みを目指したい」との思いから名付けられたという、「豚大学」という店名。同店一の大盛りメニューである「豚大学(博士)」を完食した人は「ドクター」と呼ばれ、記念写真と共にたたえられる。筆者は特別に"飛び級"で挑戦しあえなく不合格となったが、腕に覚えのある方はまず「大学院」にご入学を。※価格は全て税込
2015年02月20日東京都・神保町の書泉グランデでは、2月22日の「猫の日」に、イベント「書泉ねこナイト」を開催する。同イベントでは、猫保護団体「高円寺ニャンダラーズ」によるネコ本の朗読会をはじめ、トークショー、ねこ写真の展示、猫本・猫グッズの販売など、様々なコンテンツを用意している。「『おーい、フクチン!』朗読会&トーク」のイベントでは、"3.11"の福島原発事故の際に置き去りになった「フクチン」が、事故後保護され人々の元で暮らしている様子をつづった写真集「おーい、フクチン!おまえさんしあわせかい?」の朗読を行う。高円寺ニャンダラーズのメンバー、市川はるひさんが本を読み上げる。朗読後は、"3.11"をふまえて、著者・後藤真樹さんと獣医師・大田快作さん、ニャンダラーズのメンバーが、猫と人が共に安心して生きられる社会についてトークを繰り広げる。また、高円寺の琵琶法師・尼理愛子さん(ニャンダラーズ・メンバー:カマニャンダラ)による琵琶の演奏も楽しめる。北海道から沖縄まで日本全国の「ソトネコ」(野良猫など外で見かける猫)を3,000匹以上撮影している写真家・南幅俊輔さんによるトークショー「ソトネコ事情」も開催。ソトネコの写真展示や無料の「猫おみくじ」など、展示やグッズ販売も行う。同イベントの開催時間は18:00~21:00(17:00開場)。入場料は無料。入退場自由。会場は書泉グランデ7階。
2015年02月16日ドラマー、神保彰が7月11日(土)・12日(日)に東京・DUO Music Exchangeでワンマンライブ「神保彰ワンマンオーケストラ 2015~お盆~」を開催する事が決定した。ワンマンオーケストラは毎年恒例の公演。ミディードラムトリガーシステムと呼ばれる機材を使い、彼の高いドラムテクニックでドラム音だけではなく、メロディーも全てひとりで奏でるのが特徴だ。また、7月12日(日)の昼には、同会場でワークショップも行われる。神保彰は1980年にフュージョンバンド、カシオペアのドラマーとしてデビュー。ニューズウィーク誌の特集「世界が尊敬する日本人100人」に選出されるなど、国内のみならず海外でも評価が高い。今年の1月7日にはデビュー35周年を記念してオリジナルアルバム『Groove Of Life』と、自身の原点であるフュージョンレーベル「CTI」からリリースされた曲をカバーしたアルバム『JIMBO de CTI』を同時リリースしている。公演のチケット一般発売は4月4日(土)午前10時より。なお、一般発売に先がけてオフィシャルHP先行を実施中。受付は2月8日(日)午後11時59分まで。■神保彰ワンマンオーケストラ 2015~お盆~日時:7月11日(土)開場 16:00 / 開演 17:007月12日(日)開場 16:00 / 開演 17:00会場:DUO Music Exchange(東京都)料金:ステージ指定席5,700円 (ドリンク代別)アリーナ指定席5,200円 学生2,600円 (ドリンク代別)■神保彰ドラムワークショップ日時:7月12日(日)開場 12:30 / 開演 13:00会場:渋谷DUO Music Exchange(東京都)料金:前売り・全自由3,100円
2015年01月09日本田翼と東出昌大は、青春映画の似合う俳優、原作漫画をリアルにする力のある俳優だ。人気少女コミック「アオハライド」を映像化するにあたって、俳優たちがぶつかるであろう難関は、累計930万部(2014年12月現在)を越える漫画の世界感を、紙面上ですでに出来上がっているキャラクターを、どう現実世界に落とし込むか──。恋にも友情にも真っ直ぐな“双葉”に息を吹き込んだ本田さん、真面目に無器用に悩みながら“洸”に寄り添った東出さん。2人が映画『アオハライド』で感じて表現した“リアル”な感情とはどんなものだったのか?本田さんの演じるヒロイン・吉岡双葉、東出さんの演じる双葉の初恋の相手・馬渕洸。『アオハライド』は、彼らを中心に恋や友情が描かれる、いわゆる学園ものだ。少女コミックということで「そういうシチュエーションありえないでしょ…っていうのもあるかもしれないけれど、登場人物の性格が細やかで、本当に“いる”って共感する。私自身、思考回路が勝手に双葉ちゃんと同じように行き着いたというか、双葉ちゃんと自分自身の呼吸がすごく重なり合っているのを感じました」と語るのは本田さん。主演という大きなプレッシャーを感じつつも「考えていても仕方ないので、切り替えて、本田翼の演じる吉岡双葉を頑張っていこうと思ったんです」。その前向きさ、真っ直ぐさは、やはり双葉に通じるものがある。「双葉も本田翼も裏表がないんですよね。全世界が“本田翼”だったら戦争は起きないと思う」と、ヒロインに最大の賛辞を贈るのは東出さん。闇を抱えながらも、そのなかにそこはかとない優しさのある洸は「難しいと思った」という本人の言葉とおり、チャレンジングな役となった。「洸は自分が幸せになってはいけない…と、がんじ絡めになって、本当の自分を隠して、芝居をして生きている子なんです。そんな芝居をしている人間を演じるというのは難しいし、洸の心境を考えるとつらかった。気をつけたのは、その場その場を一生懸命生きるということ。僕自身は台本を読んでストーリーは知っているけれど、洸として毎回ショックを受けたり、驚いたりすることで、リアルな感情が伝わるんじゃないかなって思ったんです」。現在、22歳の本田さん、26歳の東出さん。20代の彼らが違和感なく学生服を着こなす、というのも演じる上での必須項目だった。東出さんは今年公開の映画『クローズEXPLODE』で高校生を演じているけれど、学ランとブレザーはまた別もの。「スタイリッシュさを損なってはいけないと思ったので、着こなし方も気を遣いました」と、撮影時のある工夫を明かす。「出演者はみんな20歳を超えていたんですけど、俳優に合わせるために学生のエキストラの年齢が高めに設定してあったりするんです」。また、スタッフ・キャストは約1か月間、富山に滞在し合宿状態で撮影をこなしていった。“同じ釜の飯”を食べて撮影したことで、三木監督を筆頭にチームは一致団結。キャスト同士もまるで本当の同級生のように「仲がよかった」と、撮影当時をふり返る本田さん。「実は私、すごく人見知りなんです。最初の頃は相手の目を見て話せなかったほど。なかなかみんなと仲良くなるきっかけを作れずにいたら、東出くんが連絡先を聞いてまとめてくれたんですよね。…それにしても、双葉と洸を含めたあの5人の関係、友情って羨ましいです。本音でぶつかってこそ本当の友情が築けるんですよね」。上辺だけではない関係を役としても役者としても築けたからこそ「撮影中は洸を演じるのが苦しくて、東京に帰りたいと思ったこともあるけれど、ふり返ってみると、濃くて楽しい1か月ちょっとでした。青春、でしたね」と、東出さんの瞳の奥はキラリと輝いていた。その5人が繰り広げる、“青春だなぁ”というシーンが映画にはいくつも登場する。なかでも本田さんと東出さんの記憶に鮮明に残っているのは、朝日を一緒に見るシーン。限られたわずかな時間のなかで最高のシーンをカメラに収めなくてはならない、チームワークの見せどころでもあるが、その“青春”な太陽を見て本田さんが発したひと言は──「鮮やかなオレンジ色だったので、つい、『イクラみたい』って言っちゃったんですよね(笑)」。この“らしさ”がチームをまとめていたんだろうと想像がつく。5人の友情にジーンと心打たれ、そして双葉と洸の恋のゆくえにキュンと心奪われる。キュンとくるセリフ、キュンとくるしぐさ、もしも自分がその立場だったらどうするんだろう…そんなふうにキャラクターの心情が自然と自分自身と重なっていくのもこの映画の魅力だ。本田さんのお気に入りのキュンとするシーンは、あまりにも好きすぎて“ハンド to ハンド”と命名したのだそう。「窓越しに双葉と洸が手を重ねているセリフのないシーンです。あのシーン、双葉は洸の気持ちをぜんぜん分からない設定なので、私自身もそういう気持ちで演じています。だから演じているときは、なんで洸はあんなに切なそうな顔をしているんだろうって思っていたんです。でも、完成した映画を観客として観ると、うわぁ、切ないよぉ…って、ものすごく切ないシーンでした」。そんな切なさを2人から引き出したのは、三木監督。『僕等がいた』『陽だまりの彼女』『ホットロード』など、青春映画、恋愛映画を数多く手がけてきた監督の手腕が今回も存分に発揮されている。「監督は絶妙なキュンキュンポイントを誰よりも知っている」「2人の恋にやきもきする!」「じれったい!」と、本田さんと東出さんが語るように、恋愛特有の感情──タイミングがほんの少しズレてしまうがゆえのやきもき感、じれったさ、ドキドキ感、胸キュンのすべてが『アオハライド』には詰まっている。(text:Rie Shintani/photo:Nahoko Suzuki)■関連作品:アオハライド 2014年12月13日より全国東宝系にて公開(C) 2014映画「アオハライド」製作委員会(C) 坂伊緒/集英社
2014年12月12日バイオレンス・アクション大作『GONIN』の続編となる『GONIN サーガ』がクランクアップを迎え、劇中写真と主演を務めた東出昌大らキャスト陣のコメントが公開された。その他の写真1995年に公開された鬼才・石井隆監督の『GONIN』は、佐藤浩市、根津甚八、ビートたけし、木村一八、本木雅弘らが出演し、カルト的な人気を集めたアクション大作。バブル経済が崩壊し、指定暴力団五誠会系大越組から巨額の借金返済を迫られた男が、五人の男たちを集め、暴力団を襲撃したことを機に壮絶な殺し合いを繰り広げた。『GONIN サーガ』はそれから19年後の2014年を舞台に、男達が遺したそれぞれの家族たちの血と宿命に彩られた新たな物語が展開される。東出は、前作で五人に襲撃を受け、命を落とした大越組若頭・久松(鶴見辰吾)の息子・勇人を演じ、桐谷健太は、同じく前作で命を落とした久松の組長・大越(永島敏行)の息子・大輔を演じる。土屋アンナは、五誠会の2代目に秘密を握られ、今は3代目の愛人に成り下がっている元グラビアアイドル・麻美役。柄本佑は、19年前の事件の真相を追うルポライターの森澤役。そして安藤政信は、本作の五人の敵役で、前作の五誠会会長・式根(室田日出男)の孫であり、麻美を愛人として囲う、五誠会三代目・誠司を演じる。監督の意見で主演に抜擢されたという東出は、「石井組という素晴らしい組で約一カ月演じさせていただいたのは、今まで経験したことのないような現場で、貴重な経験になりました」と振り返り、「自分自身の反省点もありますがみんなで作った現場なので今は作品の完成が待ち遠しいです」とコメント。安藤は「誠司は人間の悪の部分を徹底して背負い、それを貫かなければいけない役だったので石井監督とも何度もディスカッションしながら撮影をしていきました」と話し、「僕も、自分のためでもあるけれど、何より監督が喜ぶような僕を選んでよかったと絶対思ってもらえるようにと考えながら最後までやり切りました」と語っている。本作の五人目のキャスティングはまだ発表されていないが、「ファンがあっと驚くキャスティングを予定しております」とアナウンスされている。『GONIN サーガ』2015年 秋 全国ロードショー
2014年10月22日ライフィートはこのほど、小説付きレトルトカレー「華麗なる小説」を発売した。○東京の文化流行を取り入れた"小説付き"ご当地カレー同商品は、有数の古書店街・神田神保町の「カレーと本」の文化流行をパッケージした商品。味へのこだわりはもちろん、付属小説やパッケージにも気を配り、東京の新しいご当地カレーとして、お土産や贈答品として活用できるよう、また幅広い年齢層が楽しめるように開発したという。カレーは、180g。日本人になじみのあるルウカレーと、幅広い世代に人気のあるキーマカレーの良さをバランスよく配合、鶏ひき肉を多く使って旨みを引き出し、あらゆる年齢層が楽しめるように適度にスパイスを効かせた中辛味とした。また、本を読みながら食べることをイメージし、冷めてもおいしく食べられるように風味にもこだわったという。付属の小説は、夏目漱石(夢十夜)、宮沢賢治(注文の多い料理店、他1編)、芥川龍之介(羅生門、他2編)、太宰治(走れメロス、他1編)など、日本を代表する文豪の短編小説を中心に収録。いつでもどこでもすぐに読めるよう、持ち運びにも便利な、市販の文庫と同サイズとした。小説は現在4種類あり、作家/作品は今後も追加予定となっている。販売価格は、648円。現在、Webサイトほかにて購入することが可能となっている。
2014年04月09日東京都千代田区神田神保町にあるゲームセンター「ゲームコーナーミッキー」が、建物の老朽化のため、3月29日をもって閉店することがわかった。同店は、昭和57年に営業を開始し、32年に渡って親しまれてきたゲームセンター。今回の閉店は、昭和の雰囲気を今に残した同店舗の老朽化が進み、営業を続けることが非常に困難になっていることが判明したためで、建物の建て替えを予定している。営業は3月29日まで。なお、建て替えには1年6か月以上かかる見込みのため、再開のめどはたっていないとのこと。詳細は、同店公式ホームページでみることができる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年03月21日三省堂書店神保町本店では11月3日まで、「第1回北海道るもい物産展」を開催している。同物産展は、 毎年好評の「神保町ブックフェスティバル&神田古本まつり」の来場者に向けて行われるもの。会場内には、昆布、貝柱、たこジャーキーといった干物、粒うにや数の子の瓶詰め、ほっけの薫製、ちくわ、かまぼこ、はんぺんの真空パックなどの海産物、るもい産米「ななつぼし」、北海道の地酒や地元産のトマトや果物のジュースなど、特産の海の幸、山の幸を取りそろえる。また、「日本一夕日のきれいな町」留萌の観光案内のパンフレットなども常設している。時間は10時~20時。場所は、三省堂書店神保町本店けやき広場。雨天の場合も販売するという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月29日「クランクアップを迎えて『おつかれさまでした』って声をかけられたとき、思わずワンワン泣いちゃったんですよ」――。それは東出昌大というひとりの俳優が誕生した瞬間だった。10代の頃からモデルとして活躍し、3度にわたってパリコレのランウェイを歩くなど世界の舞台で戦ってきた。そんな彼が23歳にして俳優に転身し、初めて臨んだのが映画『桐島、部活やめるってよ』である。初めての演技の中で24歳のルーキーは何を感じ、何を手にしたのか?映画の公開を前に胸の内を語ってくれた。俳優としての道、その“覚悟”「小説すばる新人賞」を受賞した朝井リョウのデビュー小説を映画化した本作。学校の人気者・桐島がバレー部を退部したといううわさが校内を駆け巡り、友人、カノジョ、果ては桐島と全く接点のなかった者まで様々な視点で青春が切り取られていく。東出さんが演じたのは桐島の親友の宏樹。多くの役がオーディションとワークショップで決まったが、中でも宏樹は最も多くの候補者が集められた役でもあった。そんなこととはつゆ知らず、当時まだモデル事務所に所属していた東出さんは軽い気持ちでオーディションに足を運んだという。「最初からあきらめていたというのも変ですが、『まさか自分が役者なんて』という気持ちが強かったんです。マネージャーが先方に『東出は芝居をしたことないし、できないですよ』と伝えていたくらいで、そんなやりとりがあった後だったので興味を持っていただけるとも思ってなかったんです」。1次選考で吉田大八監督と初めて顔を合わせ「すごく面白い方で、この人と仕事ができたらいいなぁと思った」と言うが、それでもまだ「まさか」という気持ちの方が勝っていた。だが選考が進むにつれて自身の中での気持ちが変化していくのをひしひしと感じていた。「モデルの場合、オーディションはあっても2次までなんです。だから3次選考に呼ばれたと聞いて『マジで?これはもしかするかも…いやいやいや!』って感じでしたが(笑)、だんだん躍起になっていき、その次になると『ここまで来たからには絶対に受かりたい』という気持ちになってました。そこで、また次があることを聞かされて、その頃にはほかの俳優のみなさんとのセリフのやりとりもあったりして、ハードルがどんどん上がっていくんです。意地もあったし、やりがいも感じたし、できないことも増えていったけどそれを面白いって感じるようになってましたね」。最終選考が終わったとき、吉田監督に改めて「これから役者一本で腹を括れるか?」と俳優の道に進む“覚悟”を問われたという。「別室に呼ばれて監督に『どうだった?』と聞かれて素直に『精一杯でした』と答えたんです。『いま、宏樹役を東出くんで考えてる』と言われたんですが、宏樹は原作でも中心人物の一人だったし出番も多い。現場に入ってから心が折れて『やっぱりできません』というわけにはいかないので、あのとき監督は覚悟を決めて『できます』と言える人にしか役は与えられないと最後に確認したんだ思います」。その言葉通り、“元パリコレのモデル”という肩書もプライドもかなぐり捨てて、撮影を通じて「とにかくできることは全てやろうという気持ち」で喰らいついていった。「監督からは『(宏樹がつるむ)帰宅部のみんなで一緒にご飯に行ってこい』と指令が出されたんですが、そういうところで『俺、今回が本当に初めてで』と最初から自分を全てさらけ出したんです。みんな年下ですが、本当にしっかりしてるし『いいものを作ろう』っていう情熱が伝わってくるんです。だから恥ずかしいとかそういう気持ちを抱くことなく『芝居ってどうしたらいいの?どういう風に考えてどう役作りしていくの?』ってどんどん聞いて、台本の読み方を教えてもらうところから始まり、勧められたことは全てやりました」。宏樹はかわいい彼女と陽気なクラスメイトに囲まれた“上”のグループの学生。放課後は帰宅部の仲間とバスケに興じるなどワイワイと高校生活を過ごしつつも、心のどこかに自分でもよく分からない不安やいら立ちを募らせている。それは映画のクライマックスでの映画部の前田(神木隆之介)とのシーンへと帰結していく――。東出さんはかつて高校時代に自身が感じた感情を引き出しつつ、宏樹の内面を作り上げていったと明かす。「僕自身、どちらかというとうるさいグループで『お前なんて悩みないだろ』って思われてたかもしれないけど、確実にモヤモヤした気持ちは抱えてました。モデルの仕事をしてはいたけどそれで一生とは思ってなくて、漠然と大学行くのかなとか。そういうときに美術部や軽音部の連中から『美大に行く』『音楽で生きていく』なんて話を聞かされると雷に打たれたような衝撃を受けたり。それはまさに宏樹と前田のやりとりですよね。限界に近づいていた宏樹が、カッコつけつつも最後の最後で心の声に正直になった結果があのシーンなのかな、と思うとすごく理解できました」。俳優業は「マイペース」、女性には「甘えさせてほしい」オーディションで覚悟を固めた東出さんだが撮影、そしてクランクアップ時の“号泣”を経て、俳優を一生の仕事とするという思いはますます強くなっているようだ。「これまで仕事のことで泣いたことなんてなかったし、ましてや23歳(当時)にもなって自分がそんな反応を示すなんて思ってなかったんですが…(苦笑)。その後、ロケ地の高知から東京に戻って年が明けてもふと『あぁ、もう『桐島』の撮影はないんだな』という思いがよぎってポカンとしてしまうこともあって…。それだけこの仕事にのめり込んでたんだなというのを改めて強く感じました。理想の役者像ですか?人間性を伴った俳優でありたいと思っています。身近なところでいいから幸せになって、それが反映されるような役者になれたらいいですね」。最後に映画ともこれまでの話とも全く関係のない自身の恋愛観についての質問を投げかけると、少しだけ頬を緩めつつこんな答えを返してくれた。「俳優の仕事って“勉強”という一言で片づけちゃうけど、釣りに行ったり慣れないボウリングをやったり、寄席や演劇に行くことも読書も全てが仕事なんですよね。だからそういう部分を理解してもらえないと付き合えないかなと思います。あと良くも悪くもマイペースでないとやっていけない部分もあると思うので柔軟に甘えさせてくださる方がいいですね(笑)」。(photo/text:Naoki Kurozu)特集:年下のカレ■関連作品:桐島、部活やめるってよ 2012年8月11日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「桐島」映画部©朝井リョウ/集英社
2012年08月06日