第26回東京国際映画祭の特別招待作品『武士の献立』が23日に上映され、東京・六本木ヒルズアリーナで記念セレモニーが開催された。二人三脚の夫婦を演じる上戸彩と高良健吾がそろって出席し「食べることが好きで、のめり込んだ。男性を引っ張る女性に惹かれ、演じたいと心の底から思った」(上戸)、「相手を思う気持ちは昔も今も変わらない。時代劇ですが、現代劇らしさも出している」(高良)とアピールしていた。その他の写真本作は伝統ある“加賀料理”の基礎を築いた舟木家をモデルに、加賀百万石と称された江戸時代の加賀藩を舞台に、料理の腕で殿様に仕えた包丁侍一家に嫁ぐ女性・お春(上戸)と夫の舟木安信(高良)、周囲の人々の交流を描く。上戸にとっては『あずみ2/Death or Love』(2005)以来8年ぶりの映画主演。「映画はとても大きいお仕事なので、自分で怖いものだと感じてしまい、なかなか足を踏み出せなかった。気付いたらこんなに(時間が)経っていました」と“主演”に対する葛藤をコメント。一方、高良は第19回東京国際映画祭「日本映画ある視点部門」に出品された『M』(2006)が特別賞を受賞した“縁”があり「役者として初めていただいた賞だった」と感慨しきりだった。セレモニーにはメガホンを執った朝原雄三監督(『釣りバカ日誌』シリーズ)が同席し、「時代劇は初めての経験だったので、撮影は優秀な京都のスタッフに任せ、自分としては現代劇だと思ってやりました。間口を広くしようという思いもあった」と語り、上戸も「監督はいい意味で、時代劇のルールやお作法を現場で壊していかれた。そこがコミカルだったり、ぷっと笑えるシーンになっていたり、すごいなあと思った」と撮影を振り返った。『武士の献立』12月14日(土) 全国ロードショー
2013年10月24日「東京国際映画祭×円谷プロ創立50周年」スペシャルイベントが18日、東京・六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、ハヤタ隊員役の黒部進、フジ・アキコ隊員役の桜井浩子が、イベント前の記者会見に出席した。 今回のイベントは、『ウルトラマン』がHD Remaster2.0 Blu-ray BOXとして復活することを記念して実施。言わずと知れた『ウルトラマン』は、円谷プロダクションが制作し1966年より放送された特撮TVドラマで、その後47年に渡りシリーズが作り続けられる原点となった作品。今年9月には、「最も派生テレビシリーズが作られたテレビ番組」(Most TV spin-off series)としてギネス世界記録に認定されたことも記憶に新しい。 会見には、ハヤタ隊員役の黒部進、フジ・アキコ隊員役の桜井浩子が登場。Blu-rayの映像を目にした黒部は「こんなに綺麗になるのかとびっくりしました」と驚きを隠せず、「僕らがやってる頃はピアノ線がはっきり見えたりしたんですが、そこも含めて綺麗になっていて、お客さんは楽しみだと思います。当時は忙しくてなかなかできあがった映像を見られなかったので、最初の13話分を頂いて楽しく見ています」と、時折懐かしむ様子を見せながら語っていた。 続いて桜井は「Blu-rayになって、出演してよかったと思いました。出てくる女の子は一人なので、徹底的に映像で綺麗にしてくれるのは女優冥利に尽きますね」とうれしさを滲ませたが、黒部が「見えすぎてつらかったりしない? 当時はこの人きれいだったから」と茶々を入れると桜井は「"当時は"って感じが悪いわ!(笑) この人は今日ここで帰ります」と立腹してみせるなど、軽妙な掛け合いを見せていた。 好きな怪獣を聞かれた桜井はジャミラとピグモンを挙げながら、「当時は特撮班は別の撮影だったんですが、ピグモンは私たちと一緒にカメラの前で撮影したんです。BDで発色が鮮やかになって、私たちが見ていたピグモンに近くなったと思います」とアピール。桜井は、会場がTOHOシネマズ六本木ヒルズであることにもふれ、「当時円谷監督のもとで無心で走り回っていたのが、もう一度大きなスクリーンでかけてもらえるのがうれしいです。東宝出身の私たちにとっては、TOHOの大きなスクリーンでかけてもらえるのは生きててよかったと思いました」と感慨深げに語っていた。 そして、改めてウルトラマンの魅力を聞かれた黒部は「当時のスタッフはすごい先見の明があったんだなと感じます。社会問題なども本気で扱って、今日でも色あせてないところに、今でも愛される要素があるのだと思います」と解説。会見のラストには、47年ぶりに復活したウルトラマンが会見に登場し、黒部は「47年ぶりだね、じんと来るね!」と感激の面持ちでウルトラマンと抱擁をかわしていた。 「『ウルトラマン』HD Remaster2.0 Blu-ray BOX I」は現在発売中。「『ウルトラマン』HD Remaster2.0 Blu-ray BOX II」は10月25日、価格18,900円で、バンダイビジュアルより発売される。 (C)円谷プロ
2013年10月19日開催中の第26回東京国際映画祭で『潔く柔く きよくやわく』の上映が行われ、主演の長澤まさみが前日のオープニングイベントに続いて来場。新城毅彦監督と共に上映前の舞台挨拶に臨んだ。人気漫画家・いくえみ綾の作品の初の実写化で、代表作の同名連作長編の中でも特に人気の高いカンナと禄のエピソードを映画化。過去に大切な人を失くし心に傷を抱える2人が偶然の出会いをきっかけに惹かれ合い、再生していくさまを描く。ミニスカートのワンピースで登場した長澤さん。元々、原作漫画の大ファンだったことを明かし「まさか自分がカンナを演じることになるなんて思ってもいませんでしたが、『好き』という気持ちを役にぶつけて思い切り演じられたかなと思います」と語る。カンナを演じるにあたっては「カンナは過去に大きな傷を受けていますが、それでも生きることをやめず、前に向かって進んでいる。女性の強さや誠実さを漫画を読んでいたときから感じ共感していたので、そこを大切に丁寧に演じるようにしました」と明かした。映画祭での上映については「映画好きの人がたくさん集まる機会なので、お客さんと一緒に盛り上げることができればと思うし、根付いていってほしい。映画はたくさんの人の協力がないと出来上がらないものなので」と訴える。新城監督も外国人の観客に触れる機会が増える点に言及し「日本を舞台にした日本映画ですが、扱っている題材は世界のどこでも共感してもらえるし、考えさせられるラブストーリーだと思います」とアピールした。最後に長澤さんは「ただのラブストーリーではありません。そこを楽しんで」と呼びかけ、笑顔で劇場を後にした。『潔く柔く きよくやわく』は10月26日(土)より全国東宝系にて公開。(黒豆直樹(cinema名義))■関連作品:潔く柔くきよくやわく 2013年10月26日より全国東宝系にて公開(C) 2013「潔く柔く」製作委員会(C) いくえみ綾/集英社
2013年10月18日昨年の東京国際映画祭でグランプリ&監督賞を受賞したフランス映画『もうひとりの息子』が19日(土)より公開される前に、様々な分野で活躍する女性からのコメントが届いた。本作は、イスラエルとパレスチナの問題を背景に、“子の取り違え”という信じ難い出来事に直面するふた組の家族の選択と決断を描いたヒューマンドラマだ。その他の写真映画は、兵役のために検査を受けた結果、両親の実子でないことを知ったイスラエル人の青年を主人公に、出生時の取り違いによりイスラエルとパレスチナという異なる祖国を持つことになった息子と、敵対関係にあるふたつの国で暮す父母の姿が描かれる。一児の母親でモデルの富岡佳子は「母は強い。それより子供はもっと強い! 母として、とてもシンプルで大切な事を教わった」、二児の母親でモデルの道端カレンは「苦しくて切なくて歯痒い。そして、家族の愛の力を感じる物語」、ミュージシャンで母親でもあるカヒミ・カリィは「思い切り胸を揺さぶられ、身体に作品が残って抜けていかない」とコメントを寄せている。また、映画評論家のおすぎは「今年の私のベスト1は先月まで『嘆きのピエタ』でしたが、『もうひとりの息子』に変わりました。とにかく万人が見て、感銘を受けるべき作品であります」と語っている。『もうひとりの息子』10月19日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
2013年10月08日6月26日(現地時間)カリフォルニア・バーバンクにて、優れたSF、ファンタジー、ホラーの映画、TVに与えられる「第39回サターン賞」の授与式が行われた。全20部門ある映画部門の賞のうち、『アベンジャーズ』が、最優秀SF映画賞、最優秀助演男優賞(コールソン役クラーク・グレッグ)、最優秀監督賞(ジョス・ウェドン)、最優秀特殊効果賞を受賞、主要部門4つを独り占め状態となった。またTV部門においては、日本でも話題の「ブレイキング・バッド」が、最優秀プレゼンテーション賞、最優秀助演男優賞(マイク役ジョナサン・バンクス)、そして最優秀男優では、主役のウォルター役ブライアン・クランストンが、「ザ・フォロイング」のケビン・ベーコンと並んで最優秀男優賞を同時獲得と賞を席巻した。来年はどのような映画やTVドラマが顔を揃えるのだろう。アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞と違った視点の賞だけに、特に海外ドラマ通には興味津々かもしれない。「第39回サターン賞」受賞一覧映画部門最優秀SF映画賞:『アベンジャーズ』最優秀ファンタジー映画賞:『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』最優秀ホラー/スリラー映画賞:『キャビン』最優秀アクション/アドベンチャー映画賞:『007スカイフォール』最優秀男優賞: マシュー・マコノヒー(『Killer Joe』(原題))最優秀女優賞:ジェニファー・ローレンス(『ハンガー・ゲーム』)最優秀助演男優賞: クラーク・グレッグ(『アベンジャーズ』)最優秀助演女優賞: アン・ハサウェイ(『ダークナイト ライジング』)最優秀若手俳優パフォーマンス賞: スラージ・シャルマ(『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』)最優秀監督賞: ジョス・ウェドン(『アベンジャーズ』)最優秀脚本賞: クエンティン・タランティーノ(『ジャンゴ繋がれざる者』)最優秀プロダクションデザイン賞:『ホビット思いがけない冒険』最優秀編集賞:『クラウド アトラス』最優秀音楽賞:『フランケンウィニー』最優秀衣装賞:『レ・ミゼラブル』最優秀メイクアップ賞: 『クラウド アトラス』最優秀特殊効果賞:『アベンジャーズ』最優秀インディーズ映画賞: 『Killer Joe』(原題)最優秀インターナショナル映画賞: 『Headhunters』(原題)最優秀アニメーション映画賞:『フランケンウィニー』テレビ部門最優秀ネットワークTVドラマシリーズ賞:「レボリューション」最優秀ケーブルTVドラマシリーズ賞:「ウォーキング・デッド」最優秀プレゼンテーション賞:「ブレイキング・バッド」最優秀若者向けTVドラマシリーズ賞:「Teen Wolf」(原題)最優秀TVドラマ主演男優賞: ブライアン・クランストン(「ブレイキング・バッド」)&ケビン・ベーコン (「ザ・フォロイング」最優秀TVドラマ主演女優賞:アナ・トーヴ(「フリンジ」)最優秀TVドラマ助演男優賞: ジョナサン・バンクス(「ブレイキング・バッド」)最優秀TVドラマ助演女優賞:ローラ・ホールデン(「ウォーキング・デッド」)最優秀TVドラマゲスト出演賞: イヴォンヌ・ストラホフスキー(「デクスター~警察官は殺人鬼」)TM&(C) 2012 Marvel & Subs.(text:Mieko Nakaarai)■関連作品:アベンジャーズ 2012年8月14日より全国にて公開TM&(C) 2012 Marvel & Subs.007スカイフォール 2012年12月1日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開(C) 2012 Danjaq, LLC, United Artists Corporation,Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 2013年1月25日よりTOHO シネマズ日劇ほか全国にて公開(C) 2012 Twentieth Century Fox
2013年06月28日サンケイリビング新聞社が発行する、園児とママの情報誌「あんふぁん」は、第4回「ようちえん川柳」を開催。このほど大賞作品を発表した。同誌では、幼稚園にまつわるユニークな出来事を五・七・五の川柳にする「ようちえん川柳」を開催し、今回は4回目となる。今回は特別審査員として、コミックエッセイ「ツレがうつになりまして。」の作者・細川貂々さん、NPO法人ファザーリング・ジャパン創設者の安藤哲也さん、全日本私立幼稚園連合会会長・香川敬さんを迎えて行われた。審査の結果、ママ大賞を受賞した作品は『「天才だ!」ちがうよぼくは5さいだよ』(東京都武蔵村山市男児のママ)。パパ大賞は『「パパ起きて!」目覚まし以上の破壊力』(京都府京都市男児のパパ)、先生大賞は『「これだれの?」「分かる!」とにおいで嗅ぎ当てる』(宮城県仙台市幼稚園の先生)だった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月06日昨年の第24回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」で作品賞を受賞した注目作『ももいろそらを』。東京のミニシアターの閉館が続く中、12月22日(木)にオープンとなる新しいミニシアター「新宿シネマカリテ」にて2013年1月12日(土)より上映されることが決定!その話題の本作で監督デビューを果たした小林啓一のスペシャルコメントが到着した。川島いづみ、16歳高校1年。いづみの日課と言えば新聞記事の採点だ。いつもと変わらない毎日は、そんな世界の中にある。ある日、いづみは大金の入った財布を拾う。中に入っていた学生証を頼りに、その財布を持ち主に返すはずが…。透き通るようなモノクロームの映像と、テンポよく展開する会話劇、そして入念にリハーサルを重ねた丹念な演出によって、「高校1年生」という宙ぶらりんな存在と移ろいやすい時間を見事に浮かび上がらせる本作。満を持して監督デビューを果たした小林監督は、モノクロで撮影した理由を「いま、現在を過去と思わせる方法はないかなと思いモノクロにした」と明かす。「現在は“今”、この瞬間に過去になってしまいます。それほど今という時間は危ういものです。また日常に対して視線をほんのちょっと変えるだけで違った景色が見えるという思いも込めています」と“モノクロ演出”に込めた想いを口する。そして本作のもう一つの特徴であり、魅力であるのが女子高生たちの“リアル”さ。「いまの日本映画の高校生はやけに背伸びし過ぎていて、それがリアリティと思われている節があります。僕はそうではないと思っていますし、そうあって欲しいという願望があります。会話の口調は、ほとんど僕自身にあるもの」と劇中に登場する3人3様の女子高生たちが繰り広げる見事な台詞の応酬に隠された秘密を教えてくれた。さらに“リアル”さは役者たちにも求められた。16歳ながら世の中を達観した目で見つめる冷めたヒロイン・川島いづみ役を演じたのは、映画初出演の池田愛。彼女を始めとする演技経験の少ないキャストたちによる自然体の演技が、一体どのように撮影されたものかも気になるところだが…。「20回ぐらい(リハーサルを)やって、さらに本番で20回ぐらいやっていました。1日1シーンというときも多々ありました。何度もやっていると自然に台詞が出てくるようになります。そこが狙いでした。普段の生活で感情を込めて話をするってあまりないですから」とその極意を語る。2012サンダンス映画祭、第41回ロッテルダム国際映画祭、第36回香港国際映画祭、第13回チョンジュ国際映画祭などなど、世界14か国、20に及ぶ映画祭に出品され、いまなお各国の映画祭から出品依頼が続出しているという、この『ももいろそらを』。キャスト陣による瑞々しい表現をぜひその目で確かめてほしい。『ももいろそらを』は2013年1月12日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。■関連作品:ももいろそらを 2013年1月12日より新宿シネマカリテほか全国にて公開© 2012 michaelgion All Rights Reserved.
2012年11月27日「挨拶状ドットコム」を運営するにっこう社は11月20日、年賀状にまつわる思い出・エピソードを全国から募集する「第4回年賀状思い出大賞」の受賞作品を、挨拶状ドットコム年賀状サイトにて発表した。同企画は、年賀状を「人とのつながりが感じられる価値ある日本の文化」として捉え、2008年よりスタートした。4年目を迎えた今回も、大きな震災を経験した昨年に引き続き、絆を感じさせる受賞作品が数多く集まったという。今回は1,017作品が応募され、同企画の累計応募作品は3,700作品となる。なお、同サイトでは過去の受賞作品を見ることができるほか、第5回の募集も実施している。さらに同社では2008年~2009年の応募作品(約1,700作品)から65作品を厳選。「年賀状のちから」と題し、書籍化している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月21日今年の東京国際映画祭で公式オープニング作品として上映された、世界最高峰のパフォーマンス集団“シルク・ドゥ・ソレイユ”初の映画化作品『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』。このたび、実際にシルクのステージを見たことがない人でも楽しむことができる本作の魅力を、アンドリュー・アダムソン監督らが語った特別映像がシネマカフェに到着した。一目惚れをしてしまった主人公・ミアが、その青年を追って不思議な異世界へと迷い込むラブストーリーを描く本作。本作はドキュメンタリーではなく、シルク・ドゥ・ソレイユの中の最高レベルのショーと絶賛されるラスベガスのレジデントショーを中心に、エルヴィスなど、ビッグネームとのコラボで観る者を釘付けにする「ビバ・エルビス」、ショーの中でも一番アクロバティックな「ミスティア」、マジックがミックスされた「クリス・エンジェル ビリーブ」、魅惑的な「ズーマニティ」の一部も劇中には盛り込まれている。今回、公開となったスペシャル映像ではアダムソン監督を筆頭に、製作総指揮を務めたジェームズ・キャメロンや主人公・ミアを演じたエリカ・リンツらがその素晴らしさについて語っている。キャメロンはシルクの生み出す世界観を「豪華で色鮮やかな夢の世界」と形容する。その言葉通り、次々と映し出される映像は、体験したことのない未知の世界へと私たちをいざなってくれる。さらにアダムソンは本作の魅力がいままでとは違うシルクのショーを体験できる点にあると解説する。さらに「我々が見せたいのはパフォーマーたちの技や創造力なので映像に加工しはしない」と続ける。これまでの客席とは違う視点で見る、美しく雄大なシルクの物語。すでに映画を鑑賞した人たちの間では、「面白かった」よりも「楽しかった!」という反応が多く見受けられたことからも、本作がスクリーンを通して“体験する”エンターテイメントであることが伺える。これまでにショーを見たことがある人は、本作で普段のショーでは決して体験できない迫力ある映像を目の当たりにし、シルク初心者は想像を遥かに超える新体験に感動すること間違いなし。まずは初公開となる本編映像やメイキング映像がふんだんに盛り込まれたこちらの特別映像から魅惑的なシルクの世界に足を踏み入れてみて。『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』はTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開中。※こちらのスペシャル映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語 2012年11月9日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2011 Cirque du Soleil Burlesco LLC. All Rights Reserved.
2012年11月16日今年の東京国際映画祭で公式オープニング作品として上映された、世界最高峰のパフォーマンス集団“シルク・ドゥ・ソレイユ”初の映画化作品『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』。2週わたって、本作の劇中シーンをお届けするこの企画、第2弾となる今回は、主人公・ミアを不思議な世界への案内人・クラウンが手を引いてシルクの世界へと誘う重要シーンをお届け!本作はドキュメンタリーではなく、シルク・ドゥ・ソレイユの中の最高レベルのショーと絶賛されるラスベガスのレジデントショー、「O(オー)」「KA(カー)」「LOVE(ラブ)」を中心に、不思議な異世界へと迷い込んだ主人公・ミアの恋物語を描く。エルヴィスなど、ビッグネームとのコラボで観る者を釘付けにする「ビバ・エルビス」、ショーの中でも一番アクロバティックな「ミスティア」、マジックがミックスされた「クリス・エンジェル ビリーブ」、魅惑的な「ズーマニティ」の一部も劇中には盛り込まれており、アダムソン監督自身が、ミアがテントからテントへと空中ブランコの青年を探し歩くラブストーリーに合ったものを、この7つのショーから選び出し再構築している。そしてストーリーのキーとなるのが、“クラウン”というキャラクター。劇中、ミアにシルクの世界を案内する重要な役どころだ。演じるのは、「O」のパントマイム・パフォーマー、ベネディクト・ニグロ。ニグロは本作でのキャメロンの手法を「とても科学的だったよ。彼は、ストーリーを僕たちに押し付けたりするのではなく、シルクの7つのショー全てを、ちゃんとうまい具合にスクリーン上で見れるようにしたかったんだ」と解説する。「だから、撮影した後、そのショットに出てこないアーティストたちに『カモン、見てみてくれ。どう思う?どう思う?』といつも聞いていた。誇りに思っている父親みたいにね(笑)。彼は、『あなたたちは、いつもこういうふうにやっているの?』と、いつも再確認していた。それはとても興味深かったよ」と撮影の様子をしみじみとふり返る。今回到着した映像では、大人数のパフォーマーがぴったりと動きを合わせてシクロナイズドスイミングを披露する横を、クラウンとミアが駆け抜ける姿が確認できる。水しぶきが立つ中、パフォーマンスを続ける彼らの方を、まるでミアに何かを伝えるかのように指差すクラウン。そして再びクラウンがミアの手を握り、2人が違う方角に顔を向けたところで今回の映像は幕を引く。さまざまなアングルから撮影される息の合った水中パフォーマンス、そしてクラウンの信じられないような跳躍力。前回、紹介した「ズーマニティ」の妖艶なワンシーンとはまた違い、躍動感あふれる映像に仕上がっている。公開まであと1週間、まずはこちらの映像から奥深い“シルク”の世界を探検してみて。『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』は11月9日(金)よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開。特集:芸術の秋、『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』でワンランク上の素敵ガール※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語 2012年11月9日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2011 Cirque du Soleil Burlesco LLC. All Rights Reserved.
2012年11月02日とにかく笑えて楽しめるエンタテインメントを追求し続けて33年を迎える劇団スーパー・エキセントリック・シアター(以下SET)。三宅裕司が主宰するこの劇団の第50回記念本公演『上海ローズ』が11月1日(木)に開幕する。それに先がけ、10月31日には公開舞台稽古と、三宅、小倉久寛、韓国の新人俳優クォン・ヨンミンによる記者会見が行われた。『上海ローズ』のテーマは音楽。劇中に登場するJ-POPのナンバーワンレーベル「アーベイ・グループ」は、韓国人歌手と日本人バックダンサーグループとのユニットで世界的ヒットを狙う。そのオーディションになぜか売れないバンドの三宅と小倉が呼ばれる。その裏では大ヒットの秘訣がつまった「幻の上海ローズのレコード」をめぐる企みが進行していて……と、いまの音楽業界を反映したような物語が展開する。公開稽古が始まると、どこかで見たことのあるような音楽会社のロゴが掲げられたステージが姿を現す。いかにも韓流らしい楽曲が流れると、10人あまりの出演者による一糸乱れぬヒップホップダンスが展開。まるで本当のコンサートに来たかのようなクオリティに圧倒される。曲が終わると三宅と小倉が登場。このふたりのどこまでが台本通りでどこからがアドリブかわからないようなテンポのよいやりとりに会場からは終始笑い声が聞こえていた。会見では、まず小倉が2年ぶりの本公演について「三宅さんがいるとやっぱり違う」と切り出した。昨年、椎間板ヘルニアの手術のために休養した三宅と共に50回目の記念公演を迎えられる感慨はひとしおのようで「三宅さんが走り回っているところを見てぐっときました」と語った。それを受けて三宅も「今回は走る三宅を見てください。といっても2秒ぐらいだけど」と笑わせたあと、「一度は舞台に復帰できないかもと思った。こうして生かされているからには、手間のかかる喜劇を日本に残さなくてはいけない。中身を練り上げた音楽ギャグをふんだんに使って、2年分の思いの詰まった舞台にします」と力を込めた。韓国人歌手役のクォン・ヨンミンは三宅自ら韓国に飛んで発掘した期待の新人。「彼の声には心をわしづかむ魅力がある」という三宅の言葉に、すかさず「ありがとうございます!」と覚えたての日本語で返した。創設33年目にして、全力で観客を楽しませることを追求し続けるSET。三宅の不在を乗り越えた彼らの舞台は、これまで以上に力のこもったものになりそうだ。11月1日(木)から18日(日)まで東京・サンシャイン劇場、11月22日(木)に新潟県民会館 大ホールにて上演。取材・文:釣木文恵
2012年11月01日アジア最大級の映画祭、第25回東京国際映画祭(TIFF)が28日に閉幕し、東京・六本木ヒルズでクロージングセレモニーが行われた。全15作品が選出されたコンペティション部門の最高賞「東京サクラグランプリ」には、中東問題を描いたフランス映画『もうひとりの息子』が決定。メガホンを執ったロレーヌ・レヴィ氏が最優秀監督賞も受賞し、2冠を達成した。その他の写真本作は兵役のための検査の結果、両親の実子でないことを知ったイスラエル人の青年を主人公に、イスラエルとパレスチナふたつの家庭のアイデンティティと信念とが大きく揺さぶられる事態を通して、根深い憎しみからの解放を探るヒューマンドラマ。レヴィ監督は、受賞結果に驚きの表情を見せながら「最高の一日です。この賞をイスラエルとパレスチナの子どもたちに捧げます」と喜びのあいさつ。クロージングセレモニーの後に行われた受賞者会見では、「映画監督として、さまざまな面で男女差があるのは事実。それでもすべての女性が勇気をもって前進するしかない」と女性監督としての決意を新たにしていた。フランス映画が「東京サクラグランプリ」に輝くのは、昨年の『最強のふたり』に続き2年連続。審査委員長を務めた映画プロデューサー、ロジャー・コーマン氏は「グランプリは満場一致で決まった。それぞれの作品が信念、宗教、文化、政治的な価値観を表現しており、国際映画祭にふさわしいラインナップだった」と総評を述べていた。第25回東京国際映画祭では、112本の作品が上映され(総上映回数は278回)、劇場動員数は3万9786人を記録した。また、今回をもって依田巽チェアマンが退任し、後任に角川書店の椎名保取締役が就任すると発表された。【主な受賞結果】東京サクラグランプリ:『もうひとりの息子』/審査員特別賞:『未熟な犯罪者』/最優秀監督賞:ロレーヌ・レヴィ監督『もうひとりの息子』/最優秀女優賞:ネスリハン・アタギュル『天と地の間のどこか』/最優秀男優賞:ソ・ヨンジュ『未熟な犯罪者』/最優秀芸術貢献賞:撮影監督パンカジ・クマール『テセウスの船』/観客賞:『フラッシュバックメモリーズ 3D』
2012年10月29日『悪人』『パレード』など数々のベストセラーで知られる吉田修一の同名小説を映画化した『横道世之介』(よこみちよのすけ)が27日、第25回東京国際映画祭の特別招待作品としてワールドプレミア上映され、主演を務める高良健吾とメガホンを執る沖田修一監督がTOHOシネマズ六本木ヒルズでの舞台あいさつに登壇した。その他の写真1980年代を舞台に、高良演じる上京したての大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く個性的な面々の人生を描く本作。高良と沖田監督のタッグは、テレビドラマに始まり、映画『南極料理人』、『キツツキと雨』に続いて4度目となり「僕にとってはイキイキしていられるのが、沖田監督の現場」(高良)、「いつか主演を…、と思っていた。今回は思う存分にやってもらった」(沖田監督)と今やそのコンビネーションは鉄板だ。主人公“世之介”は、人懐っこい笑顔を振りまくどこにでもいそうなお人好しという設定。これまでは対照的にクールな印象も強かった高良だが「役者として“狙ったり”、欲を出してしまうのは良くないなと思った。あくまで普通にこだわった」と役作りをについて語った。一方の沖田監督も「とても軽やかな原作で、登場人物たちが動いているのを見てみたいなと思った」とこちらも自然体で撮影に臨んだ。世之介のガールフレンドで社長令嬢の祥子を演じるのは、人気女優の吉高由里子。高良にとっては『蛇とピアス』以来約5年ぶりの再共演で「以前に比べると、二人ともよくしゃべりましたね。当時はお互い、とても暗かったので…(笑)。吉高さんとの共演は、予期せぬことが起こるから楽しいです」と手応え十分。沖田監督は「現場での爆発力がすごい」と吉高との初仕事に圧倒されていた。映画には高良、吉高に加えて、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛ら若手実力派から、きたろう、余貴美子らベテラン勢まで幅広くキャスティングされている。沖田監督は「前作、前々作がおじさん、おばさん(笑)だらけだったので、若い面々と一緒に撮影できたことは僕にとっても面白かった」と振り返った。『横道世之介』2013年2月23日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2012年10月29日第144回直木賞を受賞した道尾秀介のベストセラー小説を実写映画化した『カラスの親指』が26日、第25回東京国際映画祭の特別招待作品として、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、メガホンを執った伊藤匡史監督が舞台あいさつを行った。その他の写真俳優の阿部寛&お笑い芸人の村上ショージという異色の組み合わせが、正義の詐欺師コンビ“タケ&テツ”を演じる本作。2人のもとに転がり込んだ3人の若者(石原さとみ、能年玲奈、小柳友)とともにワケありの人生に決着をつけるべく、一世一代の大勝負に出る姿が描かれる。洋画メジャーの20世紀フォックスが製作配給を手掛けており「僕も『スター・ウォーズ』や『ダイハード』で育った世代。ハリウッドっぽい作品にしようかとも思いましたが(笑)、実際には手作業を積み重ねる、日本流のエンターテインメントを目指した」と作品への思いを語った。主演を務める阿部については、「本当にストイックで、僕が知る俳優さんの中ではナンバーワンだと思う」と敬意を表し、「常に客観的に役柄を見つめ、何をすべきかとことん考え抜く稀有な存在ですね。その阿部さんが『作品にとても満足している』とおっしゃってくれたのでうれしい」と笑顔を見せた。村上に対するオファーは「純粋に『ショージさんしかいない』と思って、お話させていただいた」といい、「初めてお会いした時には、すでに台本を読んで、大役だと分かっていらっしゃった。開口一番『ほんま、知りまへんで』って。でも気持ちは変わりませんでした」と振り返った。芸歴35年を誇るお笑い界のベテランだが、本格的な演技は初めて。「年下の僕があーだこーだと指示するのは、嫌だろうと思っていたが、撮影が始まると『もっと言ってほしい。僕はとことん、やりたいんだ』と言ってくださった」と感謝しきり。阿部と村上を「戦友ですね」と評し、改めて最敬礼していた。『カラスの親指』11月23日(金)公開
2012年10月29日10月20日(土)より東京・六本木ヒルズを中心に開催されていた第25回東京国際映画祭が10月28日(日)に閉幕。各賞が発表され、フランス映画の『もうひとりの息子』が最高賞の「東京サクラ グランプリ」と最優秀監督賞(ロレーヌ・レヴィ監督)の2冠を獲得。昨年の『最強のふたり』に続いて2年連続でフランス映画が最高賞を受賞する結果となった。また一般観客の投票で選ばれる「観客賞」を日本から出品された松江哲明監督の『フラッシュバックメモリーズ 3D』が受賞した。授賞式に先立って六本木ヒルズではグリーンカーペットイベントが開催され、各出品作品の監督や俳優陣、各賞の審査員、公式クロージング作品でクリント・イーストウッド主演の『人生の特等席』のロバート・ロレンツ監督らがグリーンカーペットを歩いた。東京 サクラ グランプリの栄誉に輝いた『もうひとりの息子』の舞台はイスラエル。兵役義務のためにイスラエル軍への入隊の準備をしていた青年・ヨセフが、両親の実の子ではなくパレスチナ西岸出身のパレスチナ人家族の息子とすり替わって育てられていたことを知り、価値観や信念を見つめ直していく姿を描く。ロレーヌ・レヴィ監督は最初に監督賞受賞を告げられ「光栄ですし、この映画は幸せを運んでくれました。この幸せをチームで分け合いたい」と笑顔で語っていたが、続いてグランプリ受賞が発表されると「これは本当のこと?」と信じられない様子。スタッフ、キャスト陣への感謝を述べると共に「イスラエルとパレスチナの子供たちにこの賞を捧げたい」と語った。主人公・ヨセフ役のジュール・シトリュクは「監督、非常にユニークな役のオファーをありがとう。この役を通じて素晴らしい経験をすることができました」と喜びを語った。最優秀男優賞は韓国映画『未熟な犯罪者』主演のソ・ヨンジュが獲得。壇上へ上がったヨンジュは「感謝の言葉しか出てきません。映画祭に出席すること自体、大きな経験でありプレッシャーでした。その中でこのような素晴らしい賞をいただけて嬉しいです」と満面の笑みを浮かべた。本作は審査員特別賞も獲得しており、カン・イグァン監督、共演女優のチョン・イェジンも壇上で共に喜びを分かち合った。最優秀女優賞はトルコ・ドイツ共作の『天と地の間のどこか』で、都会と地方を結ぶハイウェイ沿いのドライブインで働き、都会に憧れながらもどうにもならない思いを抱える少女を好演したネスリハン・アタギュルに送られた。アタギュルは緊張した表情で「母が喜んでくれると思います」と語った。日本映画の多様性を世界に紹介することを目的とした「日本映画・ある視点」の作品賞は、2005年に実際に起こった、少女がタリウムを実の母に飲ませたて殺害を図った事件(いわゆる“タリウム少女事件”)をモチーフにした『GFPバニー -タリウム少女のプログラム-』が受賞した。土屋豊監督は本作制作費用の400万円を自ら負担したこと、宣伝のためにさらに200万円が必要であることを告白。費用不足の中でも自身の作品を世に送り出そうとする国内のクリエイターたちの思いを代弁した。過激な内容だけに賛否が分かれる本作だが「双方の意見いただけたのはよかったと思います」と異なる多様な意見、称賛と批判を歓迎した。また、『フラッシュバックメモリーズ 3D』で観客が選出するグランプリとも言える観客賞に輝いた松江監督は、映画の完成が映画祭開催の3日前だったことを明かし「映画祭の上映を見ながら完成させたような状態でした」と語る。交通事故で高次脳機能障害を患い、記憶の維持に障害を抱えるミュージシャンGOMAのリハビリを経ての復活への過程を描いた本作。映画の中では彼のスタジオライブや過去の映像演奏も映し出されるが、監督は改めてGOMAさんや関係者への敬意と感謝の思いを口にした。なお、松江監督の本映画祭での受賞は第22回で「日本映画・ある視点」に出品された『ビデオテープ』の作品賞受賞に続き2回目となる。このほかアジア映画を対象にした「アジアの風」部門の最優秀アジア映画賞がトルコ映画の『沈黙の夜』に送られ、審査員の意見が大きく分かれたことを考慮して“スペシャル・メンション”として『兵士、その後』、『老人ホームを飛びだして』、『ブワカウ』の3作品の名が挙げられた。環境問題や自然との共生をテーマにした作品を集めた「natural TIFF」部門より選出される「TOYOTA Earth グランプリ」には、インドのシク教総本山の寺院で毎日行われる10万食分もの無料の食事提供がどのように行われているかを圧巻の映像で映し出した『聖者っからの食事』が輝いた。授賞式ののち、今年最後の上映作品となる公式クロージング作品『人生の特等席』のロバート・ロレンツ監督が舞台挨拶に登壇。本作の上映をもって記念すべき25回目の東京国際映画祭は幕を閉じた。第25回東京国際映画祭 受賞一覧【コンペティション部門】■東京 サクラ グランプリ:『もうひとりの息子』■最優秀監督賞:ロレーヌ・レヴィ(『もうひとりの息子』)■最優秀男優賞:ソ・ヨンジュ(『未熟な犯罪者』)■最優秀女優賞:ネスリハン・アタギュル(『天と地の間のどこか』)■最優秀芸術貢献賞:パンカジ・クマール(『テセウスの船』撮影監督)■審査員特別賞:『未熟な犯罪者』■観客賞:『フラッシュバックメモリーズ 3D』【日本映画・ある視点部門】■作品賞:『GFPバニー -タリウム少女のプログラム-』【アジアの風部門】■最優秀アジア映画賞:『沈黙の夜』■スペシャルメンション:『兵士、その後』/『老人ホームを飛びだして』/『ブワカウ』【natural TIFF】■TOYOTA Earth グランプリ:『聖者からの食事』■特別賞;『ゴミ地球の代償』特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催テセウスの船© 2012 Fortissimo Amsterdam未熟な犯罪者© 2012 NATIONAL HUMAN RIGHTS COMMISSION OF KOREA & SOUTH PARK FILM All Rights Reserved.フラッシュバックメモリーズ 3D© SPACE SHOWER NETWORKS.inc天と地の間のどこか人生の特等席 2012年11月23日より丸の内ピカデリー3ほか全国にて公開© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.もうひとりの息子© Rapsodie Production - Cité Films
2012年10月29日吉田修一の同名人気小説の映画化した『横道世之介』が10月27日(土)、第25回東京国際映画祭にて特別招待作品としてお披露目となり、主演の高良健吾と沖田修一監督が舞台挨拶に立った。長崎生まれで大学進学のために18歳で上京した世之介。お人好しで憎めない図々しさで人の心を掴んでいく彼と、ガールフレンドの祥子を始めとする周囲の人々の青春とその後を当時の時代背景と共に描き出す。高良さんにとっては沖田監督作品出演はドラマ「青梅街道精進旅行」、『南極料理人』、『キツツキと雨』に続き4作目。「自分に撮って現場はつらいものという思いが若干あるんですが(苦笑)、沖田組は上手い下手でなく生き生きとしてられる場所」と明かす。今回、演じた世之介は厚かましさに嫌みのない不思議なパーソナリティの持ち主で観る者をクスリとさせる微笑ましさがあるが、高良さんは役づくりについて「逆に意識せずに臨みました。脚本を『面白いな』と思いながら読んでたんですが、そういう部分を狙っていやらしく見えるのが嫌だったので、狙わないことを意識しました」とふり返った。沖田監督も「それが高良くんのいいところ。僕は舞台裏でお茶飲んでるときの姿も知ってますが、そういう姿が世之介に近いと思った。『いつか高良くんを主役に』と思ってたんですが、今回思う存分やって、でも互いに肩の力を入れずにできたと思います」と強い信頼関係を伺わせた。ヒロイン役として吉高由里子も出演しており、高良さんとは『蛇にピアス』以来の共演となる。高良さんは「『蛇にピアス』のときは『暗かったね』と話したんですが、今回は明るくやれてそこが違ったかなと思います。予期せぬことが起きるのが楽しい(笑)。吉高さんじゃないとできないテンションや間がある」と絶賛。沖田監督も「爆発力があります。こっちがきちんと用意して臨むとそれに応えてくれる。見ながら『スゲーな』とつぶやいてました」とその魅力を明かした。最後に、高良さんは「素敵な原作で沖田さんと主演でやらせていただけたこと、こういう役はあまりしてこなかったけど、このタイミングでできたことはデカかったと思います」と、自らのキャリアにとっても大きな意味を持つ1作となったことを強調。「また俳優を続けていく中で、ずっと沖田さんとはやっていきたい」と笑顔を見せた。『横道世之介』は2013年2月23日(土)より公開。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2013「横道世之介」製作委員会
2012年10月28日第25回東京国際映画祭が華々しく開催されている10月。今月は映画祭の上映作品をはじめ、北野武監督や園子温監督作品、特撮やアニメ、アイドル系まで様々なジャンルの映画が公開されている。そこで今回は、10月公開映画の中で最も期待している映画を女性394名に聞いてみた。>>男性編も見るQ.10月公開映画の中で期待している作品は?(単一回答)1位『新しい靴を買わなくちゃ』21.1%2位『くろねこルーシー』14.7%3位『アウトレイジ ビヨンド』9.4%4位『ロラックスおじさんの秘密の種』7.9%5位『ツナグ』6.3%6位『コンフィデンスマン/ある詐欺師の男』5.6%7位『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』5.2%8位『最終目的地』4.1%9位『ザ・レイド』3.8%10位 『映画 スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ!』3.3%1位はドラマ『ロングバケーション』の脚本家として知られる北川悦吏子が監督&脚本を務めた『新しい靴を買わなくちゃ』。「恋愛ドラマの神様」とも呼ばれる北川が手がけた作品だけあり、「タイトルがかわいいから」(23歳/マスコミ・広告/秘書・アシスタント職)と、表題だけで多くの女子の心を引きつけた模様。また「主演の2人が魅力的だから」(23歳/小売店/販売職・サービス系)のように、向井理と中山美穂の共演を楽しみにする声も多かった。日本映画としては異例のオールパリロケが行われたため、「景色の美しさに期待」(23歳/アパレル・繊維/事務系専門職)という声も。一方、ドランクドラゴンの塚地武雅が主演を務める2位の『くろねこルーシー』は、「猫が好きだから」(22歳/その他/その他)という理由で支持する人が圧倒的ではあったが、日本アカデミー賞新人俳優賞受賞歴もある「塚地の演技が好きだから」(27歳/生保・損保/営業職)という声も少なくない。今春、東名阪ネット6局で放送された「テレビドラマを欠かさず見ていた!」(29歳/医療・福祉/事務系専門職)といった意見も寄せられている。ドラマ版に続き、メガホンを取るのは亀井亨監督。塚地が演じるダメダメ占い師の鴨志田賢が、黒猫たちとの出会いをきっかけに、人生でかけがえのない大切ものに気づいていくという心温まる物語が描かれている。3位は男性編で1位だった北野監督作品の『アウトレイジ ビヨンド』。前作を見たからという声はやはり多かったが、女性に人気の加瀬亮をはじめとした「出演陣が豪華なので気になる」(29歳/運輸・倉庫/秘書・アシスタント職)という意見も多い。男性編ではランク外で、女性編では4位の『ロラックスおじさんの秘密の種』は、アメリカのベストセラー児童作家ドクター・スースの原作『Dr. Seuss’ The Lorax』を映画化したもの。アメリカの3Dアニメに対して「キャラがかわいい」」(22歳/その他/その他)という声が寄せられているが、ハリウッド作品の日本語吹き替えに初挑戦した志村けんのほか、能年玲奈、トータス松本、山寺宏一、宮野真守、LiLiCoといった豪華な吹き替え版キャストにも注目。そして、男性編10位の『ツナグ』は女性編では5位。「感動できそう」(25歳/金融・証券/事務系専門職)という声のとおり、死者との再会を望む人々とその仲介を司る使者(ツナグ)として他人の人生に深くかかわっていく一人の少年を描いた感動大作だ。■総評バイオレンスやアクション、特撮、アニメなどがランクインした男性編とは異なり、ラブストーリーの『新しい靴を買わなくちゃ』、ハートウォーミングストーリーの『くろねこルーシー』が1、2位に。感動ストーリーやアニメが多く選ばれている女性編ランキングの中で、3位に入った『アウトレイジ ビヨンド』は大健闘と言えるだろう。NHK朝の連続テレビ小説『梅ちゃん先生』に出演し、人気急上昇中の松坂桃李が主演を務める『ツナグ』は第32回吉川英治文学新人賞を受賞した小説の映画化作品。原作同様に胸にしみるような感動で心が満たされることを期待したい。(文・塩澤真樹/C-side)調査時期:2012年8月23日~8月31日調査対象:マイナビ ニュース会員調査数:女性394名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【女性編】「この続編は早く見たい!」4~6月公開映画ランキング【女性編】スポ根よりもアツく、ラブストーリーよりも泣ける!将棋マンガランキング中山美穂「アクションコメディーをやりたい」と向井理との再共演を熱望完全版(画像などあり)を見る
2012年10月27日第25回東京国際映画祭が華々しく開催されている10月。今月は映画祭の上映作品をはじめ、北野武監督や園子温監督作品、特撮やアニメ、アイドル系まで様々なジャンルの映画が公開されている。そこで今回は、10月公開映画の中で最も期待している映画を男性410名に聞いてみた。>>女性編も見るQ.10月公開映画の中で期待している作品は?(単一回答)1位『アウトレイジ ビヨンド』23.2%2位『009 RE:CYBORG』13.2%3位『新しい靴を買わなくちゃ』11.0%4位『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』8.1%5位『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』7.1%6位『最終目的地』7.0%7位『エクスペンダブルズ2』6.8%8位『高地戦』4.6%9位『劇場版 私立バカレア高校』3.4%10位 『ツナグ』2.4%1位は北野武監督が、暴力団の巨大抗争を描いた『アウトレイジ』の続編、『アウトレイジ ビヨンド』。第63回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式参加し、上映後にはスタンディングオベーションという熱烈な歓迎を受けた『アウトレイジ』に続き、「前作が面白かったから」(40歳/機械・精密機器/技術職)と、今回のアンケートでは期待値の高さを伺わせる声が最も多い作品となった。前作に続いてインテリヤクザを演じる「加瀬亮の活躍に期待」(26歳/自動車関連/事務系専門職)という意見はもちろんのこと、新たに登場する関西ヤクザ役の西田敏行、塩見三省、高橋克典、桐谷健太らの悪役ぶりにも注目が集まっている。2位の『009 RE:CYBORG』は、石ノ森章太郎原作『サイボーグ009』に、『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズや『東のエデン』の神山健治監督が脚本・監督を手がける完全新作。「原作ファンだから」(35歳/情報・IT/技術職)という声のとおり、30代、40代にとっては懐かしい作品だが、セルライクな3Dアニメーションに挑戦した神山監督による3DCG映画ということから「映像がすごそう」(39歳/建設・土木/技術職)という意見も多数を占めた。3位の『新しい靴を買わなくちゃ』は、『ロングバケーション』や『オレンジデイズ』などで知られる恋愛ドラマの神様・北川悦吏子の監督・脚本作品。「北川悦吏子の作品だから気になる」(28歳/食品・飲料/販売職・サービス系)と、彼女の脚本のファンも多い。そして、こちらも2位と同様にリアルタイムで楽しんだ30代、40代にとって思い入れの深い「メタルヒーロー」が活躍する『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』。「懐かしい作品なので期待している」(35歳/金融・証券/営業職)といった意見が多く寄せられた。なお、この作品には、同じく「メタルヒーローシリーズ」の礎を築いた『宇宙刑事シャリバン』『宇宙刑事シャイダー』の参戦も大きなトピックとなっている。そして、5位には2011年にテレビシリーズとして放送され、第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞をはじめ、数々の受賞歴を誇る『魔法少女まどか☆マギカ』の劇場版がランクインしている。■総評北野監督の『アウトレイジ ビヨンド』が1位、神山監督の『009 RE:CYBORG』が2位。両者とも過去の実績があるため、作品の完成度に対する期待値は相当高い。この1、2位をはじめ、続編またはテレビシリーズやアニメの映画化のような既知の作品がトップ5のうち4作も占めており、これらは「大外れ」のない安定感のある作品とも言える。中でも30代、40代にとって気になるのは2位の『009 RE:CYBORG』と4位の『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』だろう。設定もキャラクターも再構築された『009 RE:CYBORG』に対して、『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』は「当初の役者さんが出ているところがいい」(45歳/アパレル・繊維/事務系専門職)というコメントにある通り、当時の主人公・一条字烈を演じた大葉健二が出演している。リアルタイムの世代はもちろんだが、若い世代にもぜひ見てもらいたい作品だ。どちらも単純なリブート作にとどまらず、それぞれの手法は異なるものの、既存作品の新たな扉を開いている。また、文芸派には巨匠ジェームズ・アイヴォリー監督作品の『最終目的地』がおすすめ。アンソニー・ホプキンスの愛するパートナーを演じる真田広之にも期待したい作品である。(文・塩澤真樹/C-side)調査時期:2012年8月23日~8月31日調査対象:マイナビ ニュース会員調査数:男性410名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【男性編】「この続編は早く見たい!」4~6月公開映画ランキング【男性編】スポ根よりもアツく、ラブストーリーよりも泣ける!将棋マンガランキング【インタビュー】『アウトレイジ ビヨンド』北野武監督×三浦友和 - 「政治家に当てはめたら一番面白い」完全版(画像などあり)を見る
2012年10月27日今年の東京国際映画祭で公式オープニング作品として上映された、世界最高峰のパフォーマンス集団“シルク・ドゥ・ソレイユ”初の映画化作品『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』。本作の公開に先駆け、シネマカフェでは劇中シーンの一部を2週にわたってご紹介。第1弾となる今週は、美しく幻想的な「ズーマニティ」のワンシーンをお届け!本作はドキュメンタリーではなく、シルク・ドゥ・ソレイユの中の最高レベルのショーと絶賛されるラスベガスのレジデントショー、「O(オー)」「KA(カー)」「LOVE(ラブ)」を中心に、不思議な異世界へと迷い込んだ主人公・ミアの恋物語を描く。エルヴィスなど、ビッグネームとのコラボで観る者を釘付けにする「ビバ・エルビス」、ショーの中でも一番アクロバティックな「ミスティア」、マジックがミックスされた「クリス・エンジェル ビリーブ」、魅惑的な「ズーマニティ」の一部も劇中には盛り込まれており、アダムソン監督自身が、ミアがテントからテントへと空中ブランコの青年を探し歩くラブストーリーに合ったものを、この7つのショーから選んでいったという。今回到着したのは、中でも水を使ったパフォーマンスが印象的な「ズーマニティ」のワンシーン。水が入った容器の中から美しき美女が登場し、魅惑的なパフォーマンスで見る者を釘づけにする。なんでもこのシーンは、主人公・ミアが迷い込んだ不思議な世界で探している空中ブランコの青年を誘惑するシーンなのだそう。そして彼女が容器のフチに寝そべると、水の入った容器は月へと姿を変えていく…。この幻想的なシーンについてアダムソン監督は「この映画で使った『ズーマニティ』のアクトは、非常に限定的で小さいものだが、テーマ的にぴったり合った箇所に収めた」とこのワンシーンの重要性を語る。その驚異的なパフォーマンス、しなやかな動きに思わず目が釘付けになってしまい、ミアと同じくシルクの世界に迷い込んだかのような錯覚に陥るこちらの映像。果たして次回はどんなワンシーンが到着するのか?まずはこちら映像から、シルクの世界に一歩足を踏み入れてみて。『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』は11月9日(金)よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開。特集:芸術の秋、『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』でワンランク上の素敵ガール※こちらの予告編映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語 2012年11月9日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2011 Cirque du Soleil Burlesco LLC. All Rights Reserved.
2012年10月26日女性だけの綱引きチームの奮闘を描いた『綱引いちゃった!』が10月25日(木)、第25回東京国際映画祭で上映され、井上真央、松坂慶子、玉山鉄二、浅芽陽子、西田尚美、ソニン、中鉢明子ら“綱娘”の面々と水田伸生監督が舞台挨拶に登壇した。舞台挨拶中、井上さんの熱烈なファンが壇上に上がって井上さんに握手を求め、スタッフに連行されるというハプニングがあったが、井上さんにケガはなく舞台挨拶は続行された。大分市役所広報課の千晶は、市長の命令で町おこしのために、かつては大分出身のチームが世界一に輝いたこともある女性だけの綱引きチームを結成。母・容子を始め閉鎖が予定されている給食センターのメンバーたちが集うが前途は多難で…。綱引きの映画ということで、井上さんは当初「運動会の綱引きしか想像してなかった」というが、参考のために大会の見学に足を運び考えが一変したという。「まさかこんなに大変なものだとは思わなかった。(競技中の)姿勢が地面につくくらい低いんです。『こんな態勢になるのか?軽く引き受けちゃったな…』と思った」と明かした。井上さん演じる千晶の母親で、チームのメンバーでもある容子を演じた松坂さんも「綱引き(のシーン)はアップだけで、アクションは代わりの方がやってくれるのかと思ってました(笑)」と告白。実際にはトレーニングを含め、全てのシーンを自らこなしており「一生懸命やりました」と胸を張った。玉山さんは、綱引きのコーチで本業ではシイタケの栽培に従事する青年を演じた。「普段、シティボーイと呼ばれることが多いですが、今回はビンテージの懐かしいジャージを履いています」とアピール。国際映画祭ということで、舞台挨拶には英語通訳がついたが自身の役が“シイタケ・ボーイ”と訳されたのがたいそう気に入った様子で、その後も自らシイタケ・ボーイという言葉を連発し笑いを誘っていた。劇中、この日は欠席となった渡辺直美を加えた女性8人で“綱娘”を結成しているが、どんな相手と対戦してみたいか?という質問に思い思いの答えが。実際の練習でコーチを務めた方に「キミは国体を目指せる」と太鼓判を押されたという中鉢さんは「お相撲さんと対戦したい」と語り、ソニンさんは「『アベンジャーズ』のメンバーと対戦しても勝てる!」と自信満々。西田さんは「なでしこJAPAN」との対戦を希望した。井上さんは「個人的に見たいのはビヨンセさん。うちにもビヨンセがいるので日本とアメリカで対戦したい。うちのビヨンセは強いですよ(笑)」と語った。水田監督は「野田内閣と対戦して引っ張り倒してほしい」とまとめ、会場は拍手に包まれた。ハプニングは舞台挨拶の途中に発生。若い男性ファンが突然、井上さんの元に駆け寄り「握手してください!」と大声で要求した。男性はすぐに駆け付けたスタッフに囲まれて退場し、井上さんにケガはなかった。井上さんは連行するスタッフに「お手柔らかに」と声を掛け、緊張した空気をほぐすように「水田さんの仕込み(演出)ですよね?」とフォローするなど、動じることなく笑顔で舞台挨拶を続行した。男性は井上さんの大ファンで「申し訳ないことをした」と深く反省していたという。『綱引いちゃった!』は11月23日(祝・金)より全国東宝系にて公開。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:綱引いちゃった! 2012年11月23日より全国東宝系にて公開© 2012「綱引いちゃった!」製作委員会
2012年10月25日第1回 国際どうぶつ映画祭 in 神戸 実行委員会は、27日と28日の2日間にわたって、「第1回 国際どうぶつ映画祭 in 神戸」を開催する。同映画祭は、動物たちに焦点を当てた映画の上映を中心とした催し。映画やイベントを楽しみながら、動物やペットの置かれている環境を正しく認識し、人と動物の共生の重要性についてあらためて感じる機会を狙う。メインとなるプログラムは、国内外で公開された映画やアニメなど、動物が主演した映画の上映。ほか動物やペットの動画・映画コンテスト、動物愛護や虐待防止をテーマとした映画やドキュメント・報道資料の発掘表彰などが催される。開催日は10月27日と28日の2日間。映画の上映会場は、神戸市中央区東川崎町の神戸新聞松方ホールとなる。27日は、11時からBoudewijn Koole監督作のオランダ映画「君がくれた翼(仮題。原題は”KAUWBOY”)」、14時から崔洋一監督作の「クイール」、17時30分からルー・チューアン監督作の中国映画「ココシリ」を上映。28日は、10時からマキノ雅彦監督作の「旭山動物園物語ペンギンが空を飛ぶ」、13時30分からジャン=ジャック・アノー監督作の英仏合作映画「トゥー・ブラザーズ(日本語吹替版)」が、それぞれ上映となる。また16時45分からは、世界の傑作CMを上映するフランスのイベント「世界のCMフェスティバル」より、動物が出演するCMを厳選して紹介する。上映の合間には、犬童一心監督、プリンセス天功など多彩なゲストを招きトークショーを展開。また別会場では、一般からの投稿動画上映、盲導犬デモンストレーション、声優トークショー、FM千里公開生放送などが開催される。映画観賞前売券は、インターネット、電話予約のほか、全国のチケットぴあ店舗、セブン-イレブン、サークルK・サンクスで購入可能。観賞料金は映画1本500円。世界のCMフェスティバルは1,000円。その他詳細は「第1回国際どうぶつ映画祭 in 神戸公式ページ」へ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月25日益田ミリの人気漫画を映画化した『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』が10月24日(水)、第25回東京国際映画祭にて上映され、主演の柴咲コウ、真木よう子、御法川修監督による舞台挨拶が行われた。かつてのバイト仲間でいまも仲の良いすーちゃん(柴咲さん)、まいちゃん(真木よう子)、さわ子さん(寺島しのぶ)。それなりに楽しい日々を過ごしつつもふとよぎる不安に悩まされる彼女たちが、自らの人生に向き合い、選択していく様を優しく描き出す。「撮影中、この映画に励まされ、癒された」と語る柴咲さん。3人の心のつぶやき、30代女性の本音が描かれるが、柴咲さんが劇中の言葉で惹かれたというのが「自分で迷って、考える」と「私、一人で死ぬの?」という2つの言葉。「対照的な一言ですが、毅然と人生を歩まなきゃという思いとその反面、脆くか弱い内面が表れていると思います」と語る。真木さんは「原作漫画を読んで、益田さんの描くキャラクターがあって、(映画ならではの)声や色や立体感を出す中で原作と違うものになるだろうと思ってました。でも監督のビジョンは確信的で、信頼して作ることができました。漫画が原作の映画の中で成功した例だと思います」と胸を張る。「忘れないよ、どんなまいちゃんでも」というセリフがお気に入りとのこと。「3人は悩みをキャッキャと騒ぐようなタイプじゃないけど、本当に救ってほしいときに掛けてほしい言葉、優しさであり印象的でした」と説明する。1歳違いの2人は本作が初共演だが、互いの印象を尋ねると柴咲さんは「真木さんは見ての通りのクールビューティ」とべた褒め。一方の真木さんは「何度も座長を務めていて、作品をよくするためにどうすればいいかということを柴咲さんを見て勉強させてもらいました」と感謝の思いを伝えた。御法川監督は「これまで大切に積み上げてきたものをこの映画に注いでくれたと思います。大切に扱わなくちゃ壊れてしまう繊細な柴咲さん、真木さんの感情や愛情が刻まれている」と2人を称賛した。さらに、これから世界で初めて本作を鑑賞する観客に向けて監督は「誰もが簡単には取り換えのきかない役割を持って暮らしているけど、大人は誰も褒めてくれないから『これでいいのかな?』と悩むことがあると思います。そんなとき、すーちゃん、まいちゃん、さわ子さんの3人も同じような日々を営んでいると想像してください」と呼びかけた。『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』は2013年3月2日(土)より全国にて公開。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:すーちゃん まいちゃん さわ子さん 2013年3月2日より全国にて公開© 2012 映画「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催
2012年10月24日10月20日(土)、華やかに開幕した第25回東京国際映画祭(TIFF)。同日の昼過ぎから、東京・六本木ヒルズ横のけやき坂通りに敷かれたグリーンカーペットを、参加作品に関わるゲストたちが闊歩し、多くの観客の注目を集めました。ブラックモード全開の、この秋冬ですから、グリーンカーペット上も例にもれず、ブラックドレスを着ていたゲストが百花繚乱。でも、「この秋、黒が流行?」と思う方もいるかもしれませんね。黒はオールシーズン愛用している人が多い定番カラーですから、あえて“流行”というほどでも…と。でも、この秋冬は、さまざまなデザイン、素材の黒がいっぱい。定番の黒を着こなし次第で、今年っぽくなるというわけです。そのあたりを分かっているのが、グリーンカーペットを闊歩したゲストたち。TIFFアンバサダーの前田敦子は、若々しくブラックミニドレスで登場。でも、ブラック一色ではなく、肩まわりにクリーム色をあしらったバイカラーのドレスをチョイス。腕にはプレゼントにかけられたリボンのようなデザインで、キュートな魅力を強調していました。『終の信託』で参加した草刈民代は、元バレリーナらしく凛とした姿で登場。隙のない美ボディを包んだドレスは、ブラックのシンプルなロング。スパンコールが全体にあしらわれているので、シンプルながら身体の動きに合わせてドレスが光を集めて控えめな美しさを引き立てていました。ただ、ドレスのデザインは華美ではないものの、胸元の大胆なカット、背中の大きな空き具合が、やはりお祝いの席らしい華やかさを添えています。ショートヘア、スパンコールによるローウエストな切り替えは、彼女の主演作品『ダンシング・チャップリン』を思わせました。もうひとり、黒の着こなしで印象的だったのは『グッモーエビアン!』の麻生久美子。全身ブラックながら、ボディラインにメリハリを見せたデザイン、素材違いの組み合わせで、とても新鮮なフォーマルスタイルに。黒という重い色を全身に纏っているのに、決して重苦しくない印象なのは、きゅっとまとめたモードなヘアスタイルと、ノースリーブによる思い切った肌見せ。シンプルでカッコいいという印象を容易に手に入れやすい黒を、オシャレにいまっぽく着こなすコツは、彼女のコーディネートに詰まっている気がしました。そのほか、素材違いの組み合わせで爽やかな黒の着こなしを見せたのが、オープニング作品『シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語』の面々と姿を見せた上戸彩。ベルベット素材は、光の当たり方によって綺麗な光沢を見せとってもしなやか。ちょっとした色のコントラストを楽しめるナス紺のモチーフと、よく見るとかなりセクシーな胸元のレースで、こなれた大人のドレススタイルを完成させていました。ここまでご紹介したゲストたちのファッションは、決して私たちにもハードルの高いものではありません。これからのパーティシーズン、お手本になってくれそうです。実は、決して真似できないし、個人的にちょっと残念だと思ったのは、山田優。かっちりとしたゴールド柄のブラック・パンツスーツに身を包んだ彼女には、ちょっと昭和っぽさすら感じました。モデルとしても知られ、スタイルが良いことは誰もが知るところ。こんなときこそ、ばっちりそのナイスボディを見せつけて欲しかったのだけれど、肌は顔と首、手以外は一切露出せず。確かに、ゴールド柄は華やかだし、スーツのデザインもモード感たっぷり、限られた人たちにしか似合わない上級ファッションには違いなのだけれど、かっちりし過ぎで誰もが楽しく着飾っているフォーマルなグリーンカーペットには、ちょっと物足りない印象に。10月となれば確かに寒いのですが、年上の草刈民代もババーンと肌見せしているシチュエーションですから、ぜひこの機会に思い切りフォーマルスタイルを楽しんで欲しいところでした。また、決して真似はしないけれど、黒系で面白かったのは、『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』の柴咲コウ。縦ストライプの大胆柄の着物に、レースの半襟、髪には数羽の折り鶴という、彼女にしかできないであろうスタイル。お手本にはなりそうにないですが、やはり見るだけなら、このぐらいの独創性が面白いですよね。ブラックが秋冬の流行ということもあり、ブラックドレスが多かった今回のグリーンカーペット。でも、アイディア次第で、ライバルに差をつけることはいくらでも可能だと教えられた気がします。定番の黒を選ぶなら、無難なデザインに走らず、ぜひ黒だからこそ挑戦できるちょっと大胆なデザイン、ユニークな素材を選んでみるのもいいかも。今年のパーティシーズン、楽しみになってきませんか?特集「東京国際映画祭のススメ2012」(text:June Makiguchi)■関連作品:すーちゃん まいちゃん さわ子さん 2013年3月2日より全国にて公開© 2012 映画「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語 2012年11月9日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2011 Cirque du Soleil Burlesco LLC. All Rights Reserved.グッモーエビアン! 2012年12月15日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2012『グッモーエビアン!』製作委員会終の信託 2012年10月27日より全国東宝系にて公開©2012 フジテレビジョン東宝アルタミラピクチャーズ第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催
2012年10月24日第25回東京国際映画祭(以下、TIFF)の開幕を前に実現した、映画祭プログラミング・ディレクターの矢田部吉彦とモデルの雅子による対談<後編>をお届け!今年で創設5年目を迎え、雅子さんが審査員を務めることになった「natural TIFF」の魅力、さらに矢田部さんを毎年、刺激しつつも苦しめるコンペティション作品15本の選定のプロセスとは――?雅子:矢田部さんがTIFFに関わるようになったのは第何回からですか?矢田部:15回目からですね。トム・クルーズが『マイノリティ・リポート』(’02)のプレミアで渋谷の街を歩きました。その年はエイドリアン・ブロディも来日しました。選定に関わるようになったのは18回目からですが、最初は日本映画でした。徐々に海外作品にも携わるようになり、コンペティションに関わるのは今回で6回目です。雅子:作品選びは慣れていくものですか?矢田部:慣れませんねぇ…。でも作品の選び方は変わってきたと思います。初めて選んだコンペ作品と見比べてみると、良い作品だと思いつつもいまだったら選ばないかもというものもありますね。――矢田部さんの中では選ぶ上での基準などはあるんですか?観客層を想定したり、あるいはとことん作品の質を重視したり…。矢田部:そこは両方意識してます。15本の中で、完全なアート映画で作家の個性が炸裂しているけど、万人受けしなくてもいいから入れようと思う作品もある。でも、15本全てそんな作品が揃うと偏ってしまうので、クオリティを重視しつつ、よりオープンな作品を入れてバランスを取ったりします。雅子:年ごとの全体のテーマがあるわけではないんですね?矢田部:ないです。結果的に、例えば昨年は移民問題を描いた作品が多かったりというのはありますし、今年は安楽死を扱った作品が多いですが、選んでる最中は意識してないですね。雅子:選ぶ際は候補作をふるいにかけていく感じですか?矢田部:そうですね。今年は1,000本以上あったんですが、それを50本くらいに絞って。30本くらいになれば、後はパズルのような感じですね。「この2本はどちらも良いけどカブっているのでこちら」とか。あとは国のバランスです。今年はチリ映画で面白いものがいくつもあったんです。でも東京の映画祭のコンペに3本もチリの作品が入ってるのも不自然でしょ?そのチリ映画には全く罪はないし、違う年や国だったら入ってもおかしくないけど泣く泣く外したり…。8月中はそんな感じでずっと胃が痛いです(苦笑)。夢の中でもとり憑かれてます。雅子:頭の中を覗いてみたいですね(笑)。一晩、考えに考えた末に外したりとか?矢田部:もちろんあります。雅子:夜中に書いたラブレターを朝になって読み返すような(笑)。矢田部:背負いきれなくなったら周りに観てもらって、「いいよね?」と背中を押してもらいます。非常に孤独な作業であると同時に共同作業なんです。ただ合議制で選べば全てが中途半端になってしまうので、最終的には誰かが個性を汲んで選ばないといけないとは思ってます。――先述の『最強のふたり』もそうですし、『アーティスト』で今年のアカデミー賞を制覇したミシェル・アザナヴィシウス監督の『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』(TIFF上映時の邦題は、『OSS 117 カイロ、スパイの巣窟』)が2006年のTIFF(第19回)でグランプリに輝いたり、TIFFで注目を浴びて、その後、世界的な飛躍を遂げる作品や監督、俳優も大勢います。矢田部さんが関わってきたこの10年ほどの中でもいろいろな思い出があるのでは?矢田部:アザナヴィシウス監督が受賞した際は、僕はまだ選定の責任者ではなかったのですが、『これがコンペ作品?』という声もある中で僕の前任のディレクターが選んだんです。その後の化けっぷりを見ると、その才能を見抜いていた前任者、そしてTIFFはそのことを誇っていいと思うし、オスカーを獲ったときは本当に嬉しかったです。雅子:『最強のふたり』は選ぶ過程でもこれまでと違う感触がありましたか?矢田部:正直、コンペに入れるかどうか1か月くらい悩んだんです。もっとアート寄りのフランス映画を入れるべきか?それとも観た後の爽快感を重視してこれを入れるか?コンペの性質が変わってくるので、そういう意味で最も悩んだ作品と言えるかもしれません。その後のヒットも含めて印象深いです。矢田部:さて、そんな我々が今年、これまで以上に強い思いで取り組んだのが「natural TIFF」部門です。エコロジーグリーンを映画祭のテーマカラーとして5年目になります。最初は「エコロジーと映画って相性がよくないかも…」という思いもあって、あまりガチガチなエコロジーにこだわらず、“自然と人間の共生”を描いた作品を幅広く選んできました。今年はもっとアピールしようと、どの部門よりも早めに選考に入ったんですが、観始めるとメチャクチャ面白いし、勉強にもなる。何より「このままじゃ地球がヤバい!」って思うようになりました。そこで中途半端なエコロジーではなく、ガチなエコ映画を入れて8本を揃えました。その審査員の一人を雅子さんに務めていただくことになりまして。雅子:コンペ、ワールド・シネマと同様に注目している部門で、昨年もいくつかの作品を観ています。審査員のお話をいただいたときは単純に嬉しかったし、とても光栄なことです。やはり昨年の震災以降、環境問題やエコに興味を持っている人が非常に多くなってきたと思います。特にファッション界とエコロジーは手を結ぼうという流れもありします。いまは正直、どんなに過酷な現状を見せられてもビックリしないんですよね。少し前なら「こんなのを見せるの?」と思われていたのが、実際に震災で惨憺たる現実を見せられましたから。矢田部:これをきっかけにファッションやライフスタイルなど映画とは違う世界にアピールできればと思います。いわばほかの映画、部門とは違う戦略で売り出していけたら。審査員という立場なので言えないことも多いと思いますが、ラインナップをご覧になっていかがですか?雅子:環境を扱ったもの、動物を描いたもの、それから夢を売るような作品と3つくらいのタイプに分かれてますね。エコロジーについて描く作品はすでに山ほどありますが、だからこそどんな切り口で来るのか、観るのが楽しみです。すんなりと心に入ってきたものを感じたい。全てドキュメンタリー作品ですが、映像の美しさにも期待しています。もうウソは見たくない、真実を知る発見がありますから。矢田部:こういう作品の難しさって扱っているテーマは重要だけど、作品としてつまらないことも多いということ。「この問題は伝えたいんだけど…」と思っちゃう。その点、今回はそういった部分で悩む必要のない作品が揃ってますので期待してください!雅子:はい、楽しみにしてます!(photo/interview:Naoki Kurozu)第25回東京国際映画祭は10月28日(日)までTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて開催中。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:アーティスト 2012年4月7日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開© La Petite Reine - Studio 37 - La Classe Americaine - JD Prod - France 3 Cinema - Jouror Productions - uFilmOSS 117カイロ、スパイの巣窟第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催最強のふたり 2012年9月1日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2011 SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP
2012年10月24日野村萬斎が7年ぶりの映画主演を果たした歴史スペクタクル『のぼうの城』が10月23日(火)、現在開催中の第25回東京国際映画祭の特別招待作品として、TOHOシネマズ六本木ヒルズで公式上映され、萬斎さんを始め、共演する榮倉奈々、上地雄輔、芦田愛菜、共同メガホンをとった犬童一心監督と樋口真嗣監督が舞台挨拶に立った。和田竜のベストセラーを原作に“のぼう様”こと成田長親(萬斎さん)の指揮の下、わずか500の兵で石田三成(上地さん)率いる豊臣方の2万の大軍から、城を守りきった忍城(おしじょう)の史実を映画化。企画から公開まで約7年の歳月を要した超大作で、萬斎さんは「オファーをいただいたのが30代後半で、撮影をしたのが40代前半。やっと公開されることになり、私も40代後半になった(笑)。長い時間寝かせた分、芳醇な香りが沸き立つ作品になった」と誇らしげに挨拶した。榮倉さんが「東京ドーム20個分の土地に、壮大なオープンセットが建てられビックリ…」と撮影をふり返り始めると、隣に立つ上地さんはなぜか悔しそうな表情。なんと上地さんもまったく同じエピソードを話そうとしていたそうで「それ、言っちゃう?」と、榮倉さんの“コメント泥棒”に思わず苦笑いだ。それでも「ここにいる監督2人が撮影中とても仲良くて、“コッチ”なんじゃないかと思うほどだった」と面白コメントで名誉挽回。会場の爆笑を誘っていた。キャスト陣が和装姿でステージ上を彩る中、一際目を引いたのが愛菜ちゃん。読書家としても知られる愛菜ちゃんは「この映画に出られたおかげで、歴史に興味を持つようになりました」とニッコリ。農民の子を演じ、撮影では濃いファンデーションで土汚れが施され「自分の体(の色)がどんどん濃くなっていくのが楽しかった」と無邪気に語っていた。この日は東京国際映画祭という“国際舞台”にちなんで、劇中でライバル同士を演じた男優陣2人が外国語でのスピーチ対決を実施し、その熱意を和装姿の榮倉さん&愛菜ちゃんが厳しく判定。萬斎さんが得意の英語で、上地さんが覚えたてのフランス語で自己紹介や作品のアピールを行った結果、見事に萬斎さんが勝利を収めた。『のぼうの城』は11月2日(金)より全国にて公開。第25回東京国際映画祭は10月28日(日)までTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて開催中。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開© 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
2012年10月23日和田竜の同名ベストセラーを映画化した歴史スペクタクル『のぼうの城』が23日に第25回東京国際映画祭の特別招待作品として、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで公式上映された。上映を前に7年ぶりの映画主演を果たした野村萬斎をはじめ、榮倉奈々、上地雄輔、芦田愛菜、共同でメガホンを執った犬童一心監督と樋口真嗣監督が舞台あいさつに登壇。海外からも注目される東京国際映画祭にちなみ、劇中でライバル関係を演じた野村と上地が外国語でのスピーチを披露し、その“熱意”を榮倉と芦田が判定した。その他の写真映画は、家臣から“のぼう様”と呼ばれる忍城(おしじょう)の城代・成田長親(野村)が、外見からは想像もできない才能と人望によって、天下統一を目指す豊臣秀吉の2万の大軍を相手に、たった500名の兵で圧倒的な戦いを見せる様を描く。劇中さながらのスピーチ“合戦”は、先手・上地が覚えたてのフランス語で自己紹介。後手・野村は留学経験を活かし、流ちょうな英語での作品アピールを披露し、見事に勝利を飾った。壮大なスケールの撮影を経て完成した後、劇場公開が約1年間延期されるなど紆余曲折あった本作だが、野村は「長い時間寝かせたほど、芳醇な香りが沸き立つもの。時代劇であると同時に、現代劇のようなイキイキした感覚があり、日本が世界に誇れる作品になった」と国際舞台での公式上映に胸を張る。「迫力満載で、絶対に映画館で見るべき作品」(榮倉)、「世界中のあらゆる国の人に見てほしい」(上地)と共演陣も自信のアピール。芦田は「素晴らしい映画に出ることができて、とてもうれしいです。私もこの映画がきっかけで、歴史に興味を持つようになりました。少し難しいかもしれないけど、私と同じくらいの年齢の子にも見てもらい、歴史に興味を持っていただければ」と大人顔負けのあいさつを披露していた。『のぼうの城』11月2日(金) ロードショー
2012年10月23日Twitterで感想とともに公開女優としても、歌手としても多彩に活躍を続ける柴咲コウが、今月20日に開幕し、28日まで開催されている「第25回東京国際映画祭」に参加。その際の様子を自身の公式Twitterで詳しく紹介している。多くのスターらとともに、グリーンカーペットを歩いた柴崎は、その日の衣装であった着物姿の写真もアップし、披露した。ストライプ柄を基調とし、レースやドット柄などもさりげなくあしらわれた現代風のスタイルで、頭にはたくさんの折り鶴でつくられた髪飾りをつけている。(Twitterより参考画像)可憐なスタイルに絶賛の声多数「とても有意義で貴重な時間を過ごせた」とこの日の感想を語っている彼女。日本を代表する女優の一人として、映画祭を華やかに彩った。この公開された可憐な着物スタイルには、「かぁわいい!姫!!」「きれいすぎます」「こんなにかわいかったっけ…」「柴咲コウは神」など、多くのファンらから絶賛の声が寄せられている。ちなみに折り鶴の髪飾りは本物の折り鶴からできていて、手作りのものなのだそう。飾らない発信をする彼女だが、その美しさは今回のイベントでも際立つものだったといえるだろう。元の記事を読む
2012年10月23日開催中の第25回東京国際映画祭に特別招待作品として出品されている『マリー・アントワネットに別れをつげて』の主演のレア・セドゥとブノワ・ジャコー監督が10月22日(月)の公式上映前に舞台挨拶に臨んだ。フランス革命の最中、かの王妃マリー・アントワネットの朗読係を務め、彼女からある人物の身代わりになるように命じられるひとりの女性の運命を描き出す。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』、『ミッドナイト・イン・パリ』などで印象的な役柄を演じてきたレアは、別作品の撮影のために髪をバッサリと切ってキュートなショートカットで登場。満員の観客を前に「東京は大好きな街。こうして自分が出ている作品を携えてみなさんにお目にかかれて嬉しいです」と笑顔で語った。来日後も取材続きのハードスケジュールとなりそうだが「行きたいところがあったんだけど、名前を忘れてしまいました(笑)。迷子になったかのように東京の街をブラブラしてみたいです」と語った。本作はヴェルサイユ宮殿での撮影も敢行しているが、監督は「映画を観たらみなさん、『撮影はさぞ難しかっただろう』と思うでしょうがとっても簡単でした。簡単すぎて難しくなったくらいです」と独特の言い回しで語る。レアは「私たちだけで宮殿を“占領”し、普段は入れないところまであちこち行けたのは楽しかったです」と撮影をふり返った。これまで、現代劇への出演が多かったレアだが、歴史作品への出演について「こういうコスチューム劇に出演してみたかったので気に入ってます。(革命による)王政の崩壊はフランス人にとってターニングポイントとなる出来事。それを演じられて面白かったです」と語る。監督は「率直に言うならば、レアに魅了されてこの作品へのオファーを出しました(笑)。彼女をご覧になればお分かりでしょ?」と語り、客席から温かい拍手が沸き起こった。『マリー・アントワネットに別れを告げて』は12月15日(土)より公開。第25回東京国際映画祭は10月28日(日)までTOHOシネマズ六本木ほかにて開催中。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:ミッドナイト・イン・パリ 2012年5月26日より新宿ピカデリー、Bunkamura ル・シネマほか全国にて公開Photo by Roger Arpajou -(C) 2011 Mediaproduccion, S.L.U., Versatil Cinema, S.L. and Gravier Productions, Inc.マリー・アントワネットに別れをつげて 2012年12月15日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ ほか全国にて公開© 2012 GMT PRODUCTIONS - LES FILMS DU LENDEMAIN - MORENA FILMS - FRANCE 3 CINEMA - EURO MEDIA FRANCE - INVEST IMAGE ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 2011年12月16日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2010 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.
2012年10月22日第25回東京国際映画祭(TIFF)が10月20日、公式オープニング作品『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』の上映をもって開幕した。今や“名物”となった東京・六本木けやき坂通りのグリーンカーペットには、本年度のTIFFアンバサダーを務める元AKB48の前田敦子ら国内外のスターをはじめ、スタッフや関係者が闊歩。沿道に集まったファン約6000人から大歓声を浴びていた。その他の写真特に注目を集めたのが、本作の主役でもあるエンタテインメント集団“シルク・ドゥ・ソレイユ”のパフォーマーたちによる世界初披露の演目『夢の小舟』。これはグリーンカーペットを緑色の川に見立て、パラソル形の“小舟”に乗った映画の主演女優エリカ・リンツと、彼女を取り囲むパフォーマーがまるで川面を歩くかのような華麗な動きを披露するというもの。その幻想的かつ超人的なパフォーマンスに、本作のオフィシャルナビゲーターを務める女優の上戸彩も「今日皆さんと、一緒にグリーンカーペットを歩かせていただいて、改めてこの映画が注目されていると感じた」と感激しきり。映画は異世界に迷い込んだヒロインが運命の青年を探し求めるラブファンタジーで、製作総指揮を務めるジェームズ・キャメロンは「“シルク・ドゥ・ソレイユ”という最高のエンターテインメントを、ぜひ3Dでお楽しみください」とビデオメッセージを寄せた。映画祭の目玉はやはり、コンペティション部門。昨年、最高賞“東京サクラグランプリ”を受賞した仏映画『最強のふたり』が、今年に入り世界中で大ヒットを記録したことで、俄然国際的な注目が集まっている。その証拠に本年度のコンペティション部門へのエントリーは1332作品で、昨年よりも36%増加。5年前(第21回)のエントリー数690本から比較すると、なんと倍増している計算だ。“今こそ、映画の力”をスローガンに、昨年に引き続き、震災復興への取り組みも継続。期間中は東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズをメイン会場に、コンペティション部門15作品をはじめ、約300本の映画が上映され、最終日の28日には“東京サクラグランプリ”など各賞が発表される。第25回東京国際映画祭10月20日(土)~10月28日(日)取材・文・写真:内田 涼
2012年10月22日開幕中の第25回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されている『イエロー』のニック・カサヴェテス監督と、私生活でのパートナーであり本作では監督との共同脚本、主演を務めたヘザー・ウォールクィストが10月21日(日)、揃って公式記者会見に臨んだ。安定剤を服用することで何とか自我を保っている女教師・メアリー。彼女が疎遠だった家族と向き合うことで過去と対峙していく姿を、ポップで斬新な彼女の心象風景、妄想ワールドと共に描き出す。2人は前日に到着したばかりだが、「今日は原宿に行ってきました」とカサヴェテス監督。初来日となるヘザーも「事前にグーグルで東京について散々、検索して来たので、それを実行に移すわ。明日はショッピングに行くつもり」と笑顔を見せた。2人での脚本執筆のスタイルについて聞かれると、カサヴェテスは「とってもシンプルさ。女性というのは一番エライものなので、彼女が『こう書きなさい』と言ったものを僕がせっせと入力していくんだ。彼女はキャラクターに関して素晴らしい感覚を持っている。『こんな人物でこういう展開』と繰り返し話してくれるんだけど、そのうちに僕の方が『もうほっといて、書いたものを読んでくれ』となるんだけど、書いたものを見せると『全然ダメ!』と言われて書き直す。その繰り返しだよ」と自虐的に語った。ヘザーによると「脚本の完成から1年半後にようやく撮影がスタートした」とのことだが、その後も苦労は絶えなかったそう。「撮影を開始して1週間でお金が底をついて中断。1年後に再開というのを繰り返したわ。本当に多くのプロデューサーが名を連ねているけど、誰が欠けても完成しえなかったと思うわ」と感慨を込めて語った。カサヴェテスも「完成したこと自体が奇跡。金がなくて撮影が中断という恥ずかしい事態に陥ったけど、ヘザーは『オクラホマに行けば何とかなるわ!』と言ってくれた。絶対に完成させるんだという強い意志を持って、オクラホマに行ったら少しずつ人が集まってくれて、お金も増えていったんだ。若い人に何より伝えたいのは、頑固に自分の考えを貫き通して、作品として完成させることが重要だってことだね」と言葉に力を込めた。ヘザーはこのカサヴェテスの言葉に「オクラホマにはカジノがあちこちにあるの。その件については彼に直接聞いた方がいいわ」とニヤリ。カサヴェテスは「ギャンブルが製作の過程にあったというわけではないんだけど…」とちょっぴり動揺した様子で語り、会場は笑いに包まれた。ビッグバジェットの作品から今回のような低予算のインディペンデント作品まで幅広く手がけるカサヴェテス監督だが、改めてインディペンデント映画の製作について「映画作りは僕にとって純粋な喜びであり、崇高な行為。スタジオ作品も撮ってきて楽しかったし高い報酬も手にしたけど、インディペンテント作品の製作はフィルムメーカーにとって一番楽しいことであり、観客にとっても同じだと思う。似たり寄ったりの作品を観続けるのではなく、(ヘザーのような)素晴らしい女優のパフォーマンスを見られるわけだからね」と語る。今後については「将来を予測するのは苦手」と苦笑しつつ、「作品づくりの一番の判断材料は自分がどれだけ関心を持てるか。インディペンデントの映画づくりにプロセスもスタジオ作品のそれもどちらも好きです。そこに愛情を感じられるかが重要。今回のように強く愛着を感じられるものを見つけて2~3年をかけて作れたら嬉しいね」とさらなる意欲を口にしていた。第25回東京国際映画祭は10月28日(日)までTOHOシネマズ六本木ほかにて開催中。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:イエロー© medient 2012第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催
2012年10月22日