同じ睡眠中でも、周りの音がよく聞こえるとき、聞こえないときがありませんか?じつは聴覚は、睡眠中も常に働き続けているのですが、同じ睡眠中でも音が聞こえやすい時間帯と聞こえにくい時間帯があるのです。今回は、睡眠と聴覚の関係性について解説します。睡眠中でも「レム睡眠」だと音がよく聞こえる人間の耳には「有毛細胞」という、感知した周囲の音を電気信号に変換して脳に送る、センサーの役割を果たしている細胞が約1万5,000個あります。この有毛細胞は睡眠中でも常に活動していて、周囲の音を自動的にキャッチして脳に信号を送っているのですが、それを認知できるかは、その人の睡眠の深さに左右されます。人間の睡眠パターンには熟睡状態の「ノンレム睡眠」と半覚醒状態の「レム睡眠」の2種類があり、後者のレム睡眠の状態だと聴覚は起きているときと変わらないくらい鋭くなります。つまり同じ睡眠中でも、ノンレム睡眠のときは音があまり聞こえず、レム睡眠のときはよく聞こえるというわけなのです。聴覚のことを考えた快眠の方法質の良い睡眠をとるためには、就寝前や睡眠中に「どのような音を聴くか」ということも重要です。ぜひ、以下の方法を試してみてください。・耳栓をする旅行先で耳栓を使用する人はいても、家で寝るときまで使っている人はなかなかいないと思います。しかし気付いていないだけで、自宅の寝室でも睡眠中には周りでたくさん音が鳴っているものです。耳栓をしながら寝ることでそういった周囲の小さな雑音も聞こえなくなるので、レム睡眠のときでも音が気にならなくなることでしょう。・夕方以降は激しい音楽は聴かない聴覚への刺激を弱くして眠りやすい環境をつくるために、音楽にも気を付けてみましょう。たとえば東京・大阪・鹿児島に計4店舗を展開している「レム」というホテルでは、夕方以降はロビーで流す音楽をスローテンポの曲に変えて、聴覚から眠りを誘うように演出しているそうです。アップテンポの音楽が好きな方は、夕方以降にそれを聴かないようにするだけでもだいぶ熟睡しやすくなることでしょう。・歌詞の付いた曲を聴かない同じように夕方以降に聴く音楽は、できるだけ歌詞の付いていない曲を選ぶようにしましょう。もちろん内容にもよりますが、色々考えさせられるような歌詞の付いた曲を寝る前に聴くと、布団に入ってからも考え事をして、熟睡しにくくなってしまうおそれがあるからです。・睡眠中に波の音を流すこちらは人によって向き不向きがあると思いますが、リラックスできるようなヒーリング効果のある音を睡眠中に流すことで、快眠に導くという方法もあります。波の音や川の流れる音など、自分がリラックスできるような音を、布団に入ってから30分~1時間後くらいまで流れ続けるようにセットしておくと、布団のなかで落ち着けるでしょう。耳の疲れは睡眠中に回復するこのように質の良い睡眠をとるためには、寝る前にできるだけ刺激の強い音を聴くのを避けて、脳がリラックスできる音だけを聴くことが大事です。なかには「テレビを点けていないと眠れない」という方もいるのではないかと思いますが、それでは睡眠中も有毛細胞を常に酷使し続けてしまうことになるので、オススメはできません。耳の疲れは体の疲れと同じように、睡眠中に回復するようにできています。一生使い続ける耳のことを大事にしながら、毎日ぐっすりと眠れるように、工夫をしてみましょう。photo by Carmens
2016年08月21日前編 では、「赤ちゃんの聴覚を鍛えるには、太鼓の音がメインのシンプルでリズミカルな曲がおすすめ」という話をしました。後編では、「いつから」「どうやって」といった、具体的な方法について解説します。訓練は早いうちからが効果的赤ちゃんの聴覚に刺激を与え、訓練をするのであれば、だいぶ早い時期から始めてしまって構いません。赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいるころからすでに音を聞くことができる能力を持っており、発達のスピードも視覚よりも速いためです。おおよそ、生後2週~3週のあたりから刺激を与えるようにするといいでしょう。生まれたばかりの赤ちゃんの耳には、生まれる時に内部に悪露が入り込んでいることが多く、そのせいで音が聞こえなくなっていることがあります。だからといって赤ちゃんの耳に耳かきや綿棒を入れるようなことをしてはいけません。赤ちゃんの耳は大人の耳よりも小さくデリケートなので耳の内部を傷つけたり、最悪の場合、鼓膜を破ってしまったりしかねないからです。赤ちゃんの耳から悪露を取り除きたい時には、脱脂綿を軽く耳の穴に入れてあげるようにしてください。あまり奥の方まで入れなくても、脱脂綿が耳の穴の内部の悪露を吸着してくれますので、3日もあれば耳の中がきれいな状態になります。(※編集部注:できれば、医師や看護師、助産師などに相談してから行うことをおすすめします。)鈴の音に反応するかどうかをチェック赤ちゃんの耳をきれいにしたら、きちんと耳が聞こえているかどうかをチェックしましょう。小さな鈴を準備し、赤ちゃんの耳から20cm~25cm程度離したところでチリチリとならしてみてください。赤ちゃんの聴覚が正常で鈴の音がきちんと聞こえていれば、鈴を振られた側の頬やまぶたの筋肉がぴくぴくするといった反応を見せるはずです。この小さな鈴による音は、赤ちゃんが3ヵ月を過ぎた頃からの聴覚訓練に、非常に役に立ちます。赤ちゃんに対していろんな場所、いろんな向きで鈴を鳴らしてあげると、赤ちゃんは鈴が鳴った方向に目や顔を向けることがあります。これを繰り返すことで、音が聞こえてくる方向を認識する訓練になるほか、音の刺激を感じる神経の回路と目や首の運動をつかさどる神経の回路がリンクし、知能が発達していくのを促すことができるといわれています。はじめてやった時に目や顔を向けなかったとしても焦る必要はありません。おそらくじっと音を聞いているような様子を見せるはずです。目や首を向けないからといって長い間鈴を鳴らし続けると、赤ちゃんが疲れてしまいますので、2分~3分程度で鳴らすのをやめるようにしてください。赤ちゃん用にオモチャの楽器をあげる時の注意また、赤ちゃんにオルゴールや小さなピアノをオモチャとしてあげる方がいますが、こういったオモチャをあげる時には、ひとつ注意すべきことがあります。こうしたオモチャでもきちんとした音階を出せるものはいいのですが、そうでないようなもの(特に安物のオモチャに多いようです)は赤ちゃんの音感に悪い影響を及ぼすおそれがあります。音痴になってしまうことも考えられますので、そうした不正確な楽器は与えないほうが無難でしょう。(子育ての達人)
2016年01月18日富士通と富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(以下、富士通SSL)は4月14日、聴覚障がい者参加型コミュニケーションツール「FUJITSU Software LiveTalk(フジツウ ソフトウェア ライブトーク)」を2015年5月中旬に販売することを発表した。同製品は、会議や授業など、複数人が情報を共有する場において、発話者の発言を音声認識し、即時にテキストに自動変換して複数のパソコン画面に表示することで、聴覚障がい者を含む参加者全員がリアルタイムに情報を共有できるソフトウェア。音声認識技術には、アドバンスト・メディアの音声認識ソフトウェア「AmiVoice SP2」が採用されている。パソコンからのテキスト入力や、簡単に意思表示できるスタンプツールなどの機能を装備し、これまで聴覚障がい者と健聴者の情報共有の場で必要とされた筆記通訳などがなくても、円滑な双方向コミュニケーションを実現できる。同製品の開発にあたって、富士通と富士通SSLは聴覚障がい者を交えて共同で開発を行ったという。これまで、聴覚障がい者が会議に参加する場合、筆記通訳などによる情報伝達では議論の内容をリアルタイムに把握することが難しい、話者を特定しづらいという課題があり、聴覚障がい者が適切なタイミングで発言することが難しかった。また情報伝達者側も、聴覚障がい者が会議や打ち合わせに参加する際に要約筆記者を確保する必要があるなど、負荷が高いという。これらの問題に対して、「LiveTalk」はハンドマイクやヘッドセットマイクを通して発話を音声認識し、テキスト化した文字情報がパソコンの画面に表示されるため、文字によるコミュニケーションを可能にした。また、同一の無線LANルータ環境で接続されたすべてのパソコンに対し、テキストがリアルタイムで転送されるため、タイムラグが発生しない。さらに、複数人が同時に発言した場合も同時に表示されるため、話の流れを正確に把握できる。テキスト化された発言内容に誤りがあれば、それをパソコンから修正することも可能だ。富士通 グローバルマーケティング本部 総合デザインセンター 部長の森淳一氏は、「「日頃の経験から、聴覚障害者が業務を行ううえで、会議や打ち合わせが最も支障を来していることがわかった。そこで、パソコンによって、発言者の音声を簡単にビジュアライズし、発言できるようにする製品を目指して開発した。LiveTalkは、筆記通訳を用意できない少人数の会議や打ち合わせで手軽に使ってもらいたい」と語った。富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ 公共ビジネス本部 第三システム部 部長の塚野芳一氏は、「最初に制作したプロトタイプの評価結果から、『テキスト情報が表示されるまでにタイムラグが発生する』『聴覚障がい者の発言の入力手段が必要』といった課題が見つかった。LiveTalkでは、それらを解決する機能を整備した」と開発の経緯を語った。競合製品として、NTTソフトウェアの「こえみる」があるが、「こえみる」はWebを介して音声認識を行うため、レスポンスの速度においてLiveTalkはアドバンテージがあるという。販売売価格、および出荷時期は下記のとおり(パソコン、音声認識ソフトウェア、マイク、無線LANルータの価格は含まれない)。「LiveTalk」を利用する際、音声認識を行うパソコンは、別途、アドバンスト・メディアの音声認識ソフトウェア「AmiVoice SP2」を導入する必要がある。
2015年04月15日NTTソフトウェアは、聴覚障がいのある児童生徒の授業を支援する「こえみる」を4月1日から販売すると発表した。特別支援学校では、聴覚障がいのある児童生徒に対する授業を先生が口話や手話などの多様なコミュニケーション手段を利用して行っており、特に、生活や学習につながる言葉や文章を児童生徒に理解してもらうには、繰り返し教えることが必要となっている。そのため、口話や手話などと同時に先生の発話を文字で表示することで、児童生徒が正しい言葉や新しい言葉をすばやく身につけ理解を深めることを目的に、NTTサービスエボリューション研究所がこえみるを開発。その後、NTTソフトウェアにおいて製品化に向けた実証研究を実施している。こえみるは、聴覚障がいのある児童生徒のコミュニケーションにおける情報保障を目的に、先生が話した言葉を高度な音声認識技術を用いてテキストに変換し、電子黒板やタブレット端末にリアルタイムに表示する。従来、手話で伝えにくかった言葉を伝えやすくできるだけでなく、先生が話す言葉の電子化・保存により、パソコン・スマートフォンなどから授業の振り返りを簡単に行うことができる。これにより、特別支援学校の授業で実証研究を行い、実用化に向けて先生方からの要望を反映し、こえみるを改良。今後、全国の聴覚障がいのある児童生徒に対する授業を行っている特別支援学校への導入を推進していく。システムには「手話では伝えにくい言葉を伝えやすく」「授業の準備作業を軽減し、円滑な授業進行を支援」「簡易に授業内容の振り返りが可能」等といった特長がある。サービス提供価格は月額1万2500円(1教室)。クラウド環境を使わず自社にサーバを設置するSI型も提供するが、その際は「音声認識サーバ」と「管理・閲覧サーバ」が必要となる。
2015年03月25日