草津亭はこのほど、創業143年の料亭「草津亭」を割烹として新装開店した。○江戸饗応料理に遊び心を加味草津亭は1872年、東京都・駒込神明町で温泉割烹を創業。初代に「草津温泉の湯の花を持ち帰って店を開け」という大黒天の夢のお告げがあったことが名前の由来だそうだ。その後、日本橋、茅場町を経て、1885年から浅草2丁目で営んでいた料亭「浅草田甫 草津亭」を今年5月30日に閉店。浅草3丁目に場所を移して、今回の新装開店に至った。「新店舗では、江戸饗応料理の伝統を受け継ぎながらもちょっとした遊び心を加味した特別メニューを準備いたします」と同社代表取締役で六代目当主の藤谷政弘氏。西洋風料理や肉料理などの提供も考えているのだとか。ちなみに草津亭では、「三越日本橋」「三越銀座」「松屋浅草」「大丸東京」「エキュート上野」の都内5店舗で弁当の販売も行っている。○芸者衆を呼んで芸者遊びも座敷に浅草の芸者衆を呼んで芸者遊びが楽しめるのも、店の大きな特徴。浅草は1950年代半ばには料亭が約80軒あり、芸者衆は300名いたというが、現在では料亭7軒、芸者衆約25名に。草津亭もその貴重な店の一つとなっている。場所は、東京都台東区浅草3-18-10。営業時間は昼が11時30分~14時30分、夜が17時~22時となっている。客席は、カウンター8席、最大12席の座敷の合わせて20席を用意。座敷は4席、6席などのアレンジも可能とのこと。料理は昼が2,800円~(1人/税別)、夜が7,500円~(1人/税・サービス別)。芸者衆の玉代は2万3,000円(税込/芸者一人につき/2時間)。
2015年10月22日多くの駅施設や商業施設などが立体的に絡み合い、階段や出口が多く複雑な駅構造としても知られる渋谷駅。その渋谷駅の待ち合わせスポットとして「ハチ公」と並び知られるのが「モヤイ像」です。胴体は無く、2つの人の顔が合わさった形をしている像ですが、調べたところ、実は1980年に新島から寄贈されたものだいいます。「モヤイ」とはどういう意味なのか? 新島にとって「モヤイ像」とは何なのか? 詳しいお話を新島村広報部の方に伺いました。――渋谷駅の南口にある「モヤイ像」ですが、どういった経緯で設置されたのでしょうか?新島には「渋谷区青少年センター」があり、以前から友好的つながりがありました。「モヤイ」の言葉が意味する一致団結、協力の精神、島の人の素朴な思いを大都会の人々に伝えるとともに、新島のPRにつなげたいという意向から、渋谷区の理解、協力を得て村から寄贈いたしました。――新島には数も種類もたくさんのモヤイ像があるということですが、モヤイ像の「定義」のようなものがあるのでしょうか?モヤイ像は新島で産出される「抗火(コーガ)石」という石で作られています。イメージキャラクター的な存在として、「オンジイ(流人のおじいさん)」と「モンモ(娘さん)」がいます。また、定義ではありませんが、モヤイは島の言葉で協同作業との意味があります。――「モヤイ」は島の言葉だったんですね!新島には渋谷駅のモヤイ像と似た意匠のものもありますか?新島には似た意匠の像もあります。渋谷のモヤイ像は顔の表情に凝っているところがポイントだと思います。――設置後の反応などはいかがでしょうか?直接、村の方には一般者からの意見などは届きませんが、皆さんもご存知のとおり、待ち合わせなどでよく使われているスポットだと思います。――ありがとうございました。いかがだったでしょうか。筆者は「モヤイ」は「モアイ」が訛ったものと思っていましたが、島の言葉ということでした。渋谷から離れた新島にも同じような顔のモヤイ像があるということは、聞くとなんだかわくわくしてきますね。活気に溢れる町・渋谷ですが、たまにはゆっくりと、海のそばにある同じ顔に思いを馳せてみるのも素敵ではないでしょうか。
2015年09月30日小田急電鉄は8月28日、同社線海老名駅とJR相模線海老名駅の両駅間に広がる事業用地(駅間地区)の開発計画の概要について決定したと発表した。また、2016年3月に実施予定のダイヤ改正から、特急ロマンスカーが小田急小田原線海老名駅および伊勢原駅に停車する。同社はこれまで、海老名駅周辺において、駅の改良工事や東口地区における大型商業施設「ビナウォーク」や複合商業施設「ビナフロント」の開発、賃貸・分譲マンション等の住宅供給などを行ってきた。開発計画では、「沿線中核駅」にふさわしいまちづくりとして、「憩う・くらす・育む~ViNA GARDENS~」を開発コンセプトに、約3万5000平方メートルの敷地を「住宅エリア」と「賑わい創出エリア」の2つのゾーンに分けて、街づくりを進めていく。「住宅エリア」では地域特性や将来的な人口構成の変化を見据えた住宅を供給し、また、「賑わい創出エリア」では周囲の既存施設との差別化を図った商業施設やオフィスに加え、地域の交流を育むカルチャー施設やフィットネスクラブ、郊外での新たな過ごし方を提案する施設などを計画している。2025年度の完成を目指している。また、2016年3月に実施予定のダイヤ改正から、小田急小田原線海老名駅および伊勢原駅を特急ロマンスカーの停車駅とすることも発表された。海老名駅は日中時間帯を中心に上下それぞれ1時間に1本程度、伊勢原駅は朝方下りおよび午後の上りに数本の停車を予定。
2015年08月31日東急ハンズは3月16日~3月22日の期間限定で、新宿駅(東京都新宿区)と大阪駅(大阪府大阪市)の駅構内に、自動販売機をモチーフにした広告"バーチャル自販機"を設置する「バーチャル自販機キャンペーン」を行う。同キャンペーン中は、東急ハンズ専用の無料スマートフォンアプリ「東急ハンズアプリ」で広告内の自販機のボタンに付いたバーコードを読み込むことで、実際に東急ハンズの商品を購入できる。また、各自販機に設置されたキャンペーンバーコードを読み込むとハンズクラブカードポイント10ポイントを獲得することができる。獲得したポイントは500ポイント(500円分)単位で買い物の割引として利用できるほか、300ポイントからオリジナルグッズとも交換可能。なお、ポイントは各自販機ごとに1日10ポイント取得可能となっている。同広告の設置場所は、東京メトロ丸ノ内線新宿駅のメトロプロムナードおよび大阪駅中央口中2階通路。購入した商品は、一部商品を除き後日指定の住所まで配達することも可能とのこと。なお、同広告の"バーチャル自販機"には、ステーショナリー・キッチン・クリーニング・ビューティー&ヘルスケア・サイエンス・トラベル&バッグ・インテリア&D.I.Y.・バラエティ・セーフティ(防災・防犯グッズ)の9カテゴリー(大阪は4カテゴリー)を用意している。
2015年03月10日東京メトロは2月23日、銀座線全駅のリニューアルに伴い、デザインコンペを実施していた浅草~神田間の7駅のデザインを発表した。7駅のデザインは、下町エリアとしての地域性・特徴を共通のテーマとして統一。各駅が持ち合わせている歴史的な背景や立地環境などの個性をコンセプトに表現する。新たな銀座線の駅、地下鉄への期待感が感じられるような空間づくりを目指す。工事は2015年から順次着手し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでにバリアフリー化などを含めリニューアルを完了させる予定となっている。各駅デザインの詳細は以下の通り。○上野駅コンセプトは「美術館のある街」。プラットホームは、モチーフとした床や壁、柱などを石を敷き詰めたような設計を施し、石造りの美術館を表現する。コンコースは、桜の木立や並木を柱や天井で表現する(2015年~2017年完成予定)。○浅草駅コンセプトは「祭りの街」。寺社の雰囲気を意識した周辺の街並みに合わせて、プラットホームはべんがら色をベースとしたダークグレーを採用するなど周辺に溶け込む色調にした。改札口などは、墨田公園桜祭り、隅田川花火大会、三社祭りをテーマとした展開にしている(2015~2019年完成予定)。○田原町駅コンセプトは「道具の街」。プラットホームは、金属の質感で道具街としての"手仕事感"を表現した。改札口はやわらかい色味の金属とガラスを採用している(2015~2017年完成予定)。○稲荷町駅コンセプトは「佇む街並み」。長屋、老舗、工房などの歴史的な建造物が多く残る地域であることから、プラットホームは切妻屋根の家並みをイメージ。改札口は温かみのある木彫の壁にする(2015~2018年完成予定)。○上野広小路駅コンセプトは「上品な横丁」。コンコースは、百貨店やジュエリー店の宝飾品が持つきらびやかさをイメージしたほか、演芸場および呉服店の魅力的な織物に多用されている紋様の華やかさなどを用いて街のにぎわいを表現している。ホームは、様々な広告や掲示物で活気ある個店のにぎわいを表現している(2015~2019年完成予定)。○末広町駅コンセプトは「電気の街」。秋葉原の北の玄関口として、光を使った演出を採用。ホームは直接照射する光と、鏡面仕上に反射する光を交錯させる。改札口は、ゲート状のデザインと躍動感ある光によるアイキャッチを設け、視認性を向上させる(2015~2018年完成予定)。○神田駅コンセプトは「昭和のオフィス街」。新しいものと古いものとが混在する神田の町並みを表現する。コンコースの壁はタイルを敷き詰めることで下町の"ほっこり感"を表現。ホームは歴史的遺構である鉄鋼框などを照明で演出する(2015~2017年完成予定)。
2015年02月24日阪神電気鉄道は12月25日まで、梅田駅と神戸三宮駅にクリスマスツリーをはじめとしたクリスマスの装飾を施す。同社が駅構内で本格的にクリスマス装飾を実施するのは今回が初めてだという。両駅ともに2m程度のツリー2本と雪だるまフィギュア(約1m)をコンコースに設置するほか、駅務室のガラス面に装飾を施すなど、至る所にクリスマスの飾付けを行う。梅田駅では、駅利用者が自由に記入した星型の「願いごとカード」を、駅構内に設置するクリスマスボードに飾る取組みも実施。期間終了後、大阪梅田教会で「願いごとカード」の奉納式を行い、願いごと成就を祈念する。神戸三宮駅のクリスマス装飾は、神戸の魅力をデートの視点から伝える取組み「date.KOBEプロジェクト」とのコラボ企画として実施。中央を通り抜けられるようにした「date.KOBEロゴ型つり革オブジェ」を東改札外コンコースに設置し、カップルで中央付近のつり革につかまって記念撮影ができるような演出を行うという。
2014年12月02日小田急電鉄は12月23日から、坂井泉水さんがボーカルを務めた音楽ユニット「ZARD」の楽曲を渋沢駅の駅メロディーとして使用する。列車到着時や一部列車の通過時、上りホームで「負けないで」、下りホームで「揺れる想い」をそれぞれ自動音声放送として流す。渋沢駅がある秦野市は坂井泉水さんの出身地。渋沢駅は高校時代、通学に使用した駅で、デビュー後もしばらくの間、同市から東京・六本木へレコーディングに通っていたという。今回、秦野市から小田急側へ、市制施行60周年記念事業として渋沢駅の列車接近案内放送にZARDの楽曲を使用したいと提案があり、レコード会社「ビーイング」の協力を得て実現に至ったという。使用する曲は、9月から10月にかけて秦野市ホームページ内で実施した「ZARD駅メロアンケート」の上位2曲を選んだ。放送開始日の12月23日には、秦野市主催による記念式典やイベントが開催される。渋沢駅構内の「渋沢駅連絡所」では、10時から記念式典終了後まで整理券を配布し、式典終了後に整理券と引換えに記念ピンバッジをプレゼントする(先着300名)。
2014年11月26日JR東日本新潟支社は30日、今年度中に導入予定の新型車両E129系の展示会を新津駅・長岡駅・新潟駅で実施する。展示される時間は、新津駅が9時40分頃から11時頃まで、長岡駅が10時20分頃から11時30分頃まで、新潟駅は13~14時頃とされている。いずれもホームに停車中の列車内に立ち入って見学できる。見学場所は改札内となるため、入場券や有効な乗車券などが必要だ。JR東日本の新型車両E129系は、新潟県内で運用される115系の置換え用として、総合車両製作所新津事業所にて製造。走行時の電力消費量を115系の約5割に抑え、省エネ化を進めたほか、新潟地区の気候に対応した耐寒耐雪構造とするなどの特徴を持つ。現在は営業線区での走行テストを行い、営業運転開始に備えているという。
2014年11月26日群馬県草津町で毎年4月に開催されているヒルクライムレース「ツール・ド・草津」の実行委員会は11月17日、草津白根山の噴火警戒レベルが引き上げられたことを受け、2015年大会を中止することを発表した。○警戒レベルが緩和されても中止のまま同レースは草津国際スキー場「天狗山特設会場」から志賀草津高原ルートを経て白根火山を目指す、約12.3kmのヒルクライムレース。毎年4月に開催され、サイクルスポーツの幕開け的な存在となっていた。しかし、今年の6月に気象庁が草津白根山の噴火警戒レベルを平常の「1」から火口周辺を規制する「2」に引き上げており、国道292号志賀草津道路の交通規制が実施されている。それ以降、規制時間外は車両(自転車含む)の通行ができるよう監視体制がとられているが、ゴール会場周辺は車両駐停車禁止区域となっており、滞留することが認められていない。こうした状況下で協議開催を各関係機関と協議した結果、競技者の安全を第一に考え、中止とする決定を下したという。これから来年に向けて大会の準備を進めないため、仮に警戒レベルが緩和されても大会は開催しないという。
2014年11月20日JR東日本長野支社はこのほど、長野駅と飯山駅の新幹線ホーム発車メロディについて発表した。長野駅新幹線ホームは長野県歌「信濃の国」に変更され、飯山駅新幹線ホームは唱歌「ふるさと」を使用するという。県歌「信濃の国」は、1900年に郷土教育を目的として作られた歌。長野県域の地理・歴史・文化に触れる内容で、「日本で最も有名な県歌」の異名を持つ。2015年1月頃から、長野駅新幹線ホーム11・12番線、13・14番線にて使用開始する。飯山駅の発車メロディに採用された「ふるさと」は、長野県中野市出身の高野辰之が作詞、鳥取県鳥取市出身の岡野貞一が作曲を手がけ、1914年に発表された作品。子供の頃に親しんだ野山の風景を遠い地から懐かしむ内容のこの曲を、2015年3月14日から飯山駅新幹線ホーム11・12番線で使用開始する。
2014年11月14日JR東日本はこのほど、駅周辺でのホテル事業展開の一環として、さいたま新都心駅隣接地と釜石駅隣接地にそれぞれホテルを新規開業する計画を発表した。あわせて長野駅に隣接するホテルのリニューアルにも着手する。さいたま新都心駅隣接地に新設するホテルは、2015年5月着工予定の複合ビル「さいたま新都心ビル」(仮称)の5~10階に入居する計画で、約160室の客室を備える。ビジネス利用に加え、さいたまスーパーアリーナのイベントや入院への付き添いなどで訪れる人の利用も見込む。同ビルは地上20階地下2階建てで、1階には駅型保育園などの子育て支援施設、2~4階にはカフェ・飲食店などの商業施設が入居。11~18階はオフィス、19・20階はブライダル施設として使用する。ビルの開業は2017年初夏の予定。釜石駅隣接地では2015年春、客室113室を備えた地上7階建ての「ホテルフォルクローロ三陸釜石」が開業予定。「SL銀河」の車内をイメージしたコンセプトルーム「SL銀河ルーム」や、展望露天風呂付浴場、カフェスペースなどを設けたホテルになるという。長野駅に隣接する「ホテルメトロポリタン長野」では、建設中の長野駅善光寺口新駅ビルに連絡通路で接続する2階フロアについて、信州の魅力を紹介するエリアへと改装。客室についても、5~9階の197室と10階ジュニアスイートルーム1室のリニューアルを2015年春までに順次実施する計画だ。
2014年11月07日京王電鉄は23日、副駅名標板の設置について発表した。第1弾として、11月1日から京王相模原線南大沢駅に、首都大学東京の副駅名標板を設置する。南大沢駅は首都大学東京南大沢キャンパスの最寄駅。特急・急行・区間急行などが停車し、1日の乗降人員(2013年度)は6万2,530人。京王相模原線(調布駅を除く)では橋本駅、京王多摩センター駅に次いで乗降人員の多い駅となっている。副駅名標板は、南大沢駅の上り・下りホームそれぞれ5カ所ずつ設置。駅名標板の付近に、「首都大学東京 最寄駅」と施設名称を入れた副駅名標板を設置し、当該施設への最寄り駅であることをいっそうわかりやすくする。京王電鉄によれば、副駅名標板の設置は、「鉄道を利用されるお客様の利便性の向上を図るとともに、地元ととくにゆかりのある施設と鉄道、駅を結びつけることで、多くのお客様にも施設と鉄道が親しまれること」が目的だという。将来的には副駅名標板の広告販売も検討しており、「今回設置の効果を検証した上で、2015年に広告商品としての販売を予定しています」としている。
2014年10月23日JR東日本水戸支社はこのほど、老朽化した水戸線川島駅と常磐線内郷駅の駅舎改築工事に着手すると発表した。新しい川島駅は、「調和する駅 ~地域とつながり、自然を感じる~」をコンセプトに設計。地域にあふれる自然の要素を駅舎に取り込み、ゆるやかで広い木造屋根で、雄大な山並みと木の温かみを表現。待合室はガラス窓を広く取り、鬼怒川の水のような透き通った空間とする。木造平屋建てで、延床面積72.8平方メートル、待合スペース21.9平方メートル。10月20日頃に着工し、2015年1月中旬には供用開始の予定。2月下旬には既存駅舎取壊しを完了する。内郷駅の設計コンセプトは、「遺構こみち ~地域の歴史と遺構を想う駅~」。選炭場や貯炭場など、かつての常磐炭鉱の産業遺構が多く残る内郷地区の歴史を伝えるべく、それらの産業遺構を連想させる石造りに似せた壁を広場側に配置し、壁と駅舎の間に「こみち」のような空間を整備。「こみち」を通して、訪れる人が地域の歴史と遺構に想いを巡らせるような駅舎をめざす。木造平屋建てで、延床面積68.7平方メートル、待合スペース23.4平方メートル。11月上旬着工、2015年2月下旬一部供用開始の予定。3月上旬に既存駅舎取壊し完了、3月下旬に全体供用開始の見込みだ。
2014年10月20日最終電車の出発後、真夜中の東京駅を散歩しよう。そんなユニークなツアーがこのほど開催された。主管は東京駅と東京ステーションホテル。東京駅開業100周年記念企画として、駅とホテルのスタッフがアイデアを出し合い実現した。無人の東京駅はまるで異次元空間に迷い込んだよう。参加者たちはミステリーな雰囲気を楽しんだ。このツアーは、東京ステーションホテル初のミッドナイトツアー付き宿泊プランとして販売された。正式名称は「オトナの東京駅物語」。10月1日泊と11月29日泊の2回、各10室限定の募集だった。第1回が実施された10月1日は、東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事完成記念日(2012年)にあたる。ツアー参加者はホテルに到着してくつろいだ後、山手線の最終電車を見送り、在来線のゼロキロポストを見学。丸の内南口改札口に集合した。○寝そべってドームの内側を見上げる日付は変わって10月2日。時計は1時30分を示していた。お楽しみは東京駅丸の内駅舎のシンボルであるドームの内側の見学だ。しかし階段は上らない。参加者にヨガマットが配布され、「どうぞ床に寝そべってください」とのこと。そう、普段は人々が忙しく行き交う改札前通路に寝転がり、仰向けになってじっくりとドームを鑑賞するのだ。ドーム内側の干支のレリーフなど、ドームや駅舎建設のエピソードが説明される。これから異次元空間に向かうための儀式のようだ。次に、係員の案内で改札口を通り、丸の内南口トイレへ。トイレ休憩ではなく、ここにはドーム内側の「大鷲の彫刻」と同じサイズのレリーフがある。これ、普段はなかなか気づかないだろう。レリーフの黒い壁は男子トイレまで続く。係員の案内で、女性も奥まで見学できた。続いて無人の駅構内を歩いて東北新幹線ホームへ。人影のないコンコースは明るく、そして寂寥感がある。1日の宴の後。学生の頃、文化祭の後片付けで達成感と寂しさが混じった感覚を思い出す。東京駅は年中無休。毎日、この時間が訪れる。新幹線ホームに電車はいなかった。普段は始発列車が待機しているけれど、今日は珍しく車両がないという。おかげで在来線側、東海道新幹線側の両方を見渡せた。車両がない理由はしばらくしてわかった。架線検査だから。特殊車両がゆっくりと現れてホームを行き来する。珍しい風景を見られた。お隣は開業50周年を迎えた東海道新幹線ホーム。大阪寄りのオレンジ色は、新幹線計画に貢献した第4代国鉄総裁・十河信二のレリーフ。24時間ライトアップされ、つねに新幹線を見守っているという。○「銀の鈴」広場で休憩、中央線電車と記念撮影新幹線ホームを降りて地下へ。待ち合わせ場所として有名な「銀の鈴」の広場だ。ここでホテルから温かいコーヒーがふるまわれ、クイズ大会が始まる。カフェインと東京駅にまつわるトリビアの数々が参加者の眠気を冷ます。ひとつ紹介すると、この「銀の鈴」の広場の床は、開業当時の東京駅周辺の地図が描かれている。東京駅を探してみよう。その後、ツアー再開。コンコースから長いエスカレーターに乗り、東京駅で最も高い中央線ホームへ。ここにはE233系が待機中。スタッフによる記念撮影サービスが行われた。これにてミッドナイトツアーの全行程が終了。ただ歩き回るだけではなく、随所で東京駅に関するさまざまなエピソードが紹介された。ここでは紹介しきれないほどの内容で、知識欲も満たされるイベントだった。同ツアーは11月29日宿泊(見学は30日)でも開催されるが、第1回と同様、第2回も満室とのこと。憧れの東京ステーションホテルに泊まり、東京駅を楽しむ催しだ。興味を持たれる向きも多いのだろう。定例化に期待したい。中央線ホームからは初日の出も見られるそうで、初日の出ツアーがあったら楽しそうだ。ただ、時間的に電車が動いているだろうから無理かな……。
2014年10月10日JR東日本盛岡支社はこのほど、大船渡線BRTに設置していた臨時駅「奇跡の一本松駅」を10月1日から常設化すると発表した。これにともない、同駅発着の運賃は一部改定となる。「奇跡の一本松駅」は昨年夏、夏季限定の臨時駅として長部~陸前高田間に設置された。今年も3月1日から同駅への停車を再開していた。同駅発着の運賃は従来、外方の隣接駅の営業キロを適用していたが、常設化後は新たに同駅にも営業キロが設定されることに。鉄道線と近接しない一般道路上に設置されているため、陸前矢作~竹駒間の鉄道線路上に位置する駅とみなし、陸前矢作から2.9km、竹駒駅から0.1kmとして営業キロを設定する。これにより、陸前高田~奇跡の一本松間の運賃が現行の190円から140円に変更されるなど、一部区間で運賃の改定が生じる。
2014年09月30日JR東日本はこのほど、福島駅を省エネルギー・再生可能エネルギーなどさまざまな環境保全技術を取り入れた「エコステ」モデル駅とすることを決定した。10月に整備工事工事に着手する予定で、東口駅舎改修などのリニューアル工事も同時に進める。「エコステ」モデル駅としての整備で規模が大きいのは、従来型と軽量型合わせて約2,000平方メートルにおよぶ太陽光パネルの設置。JR東日本とJR東日本コンサルタンツが共同試験していた有機薄膜太陽電池も初めて実施導入する。これらの太陽光発電によって生じた電力は同駅で使用するほか、バッテリーに蓄えることで停電時にも利用できるという。東口広場には電気自動車充電器を1基設置し、社用車に利用する。地中熱の空調への活用や、新幹線コンコース内の照明のLED化にも取り組む。同時に着手する駅リニューアル工事では、「ふくしまデスティネーションキャンペーン」(2015年4~6月)に向け、福島エリアの観光拠点駅にふさわしい駅設備への整備を実施。東口駅舎外壁をレンガ調仕上げへに改修するほか、駅舎屋根・乗換跨線橋・ホーム屋根を塗装により美化。乗換跨線橋内には在来線案内サインを新設する。ホーム床面も一部を補修する。「エコステ」モデル駅整備工事と駅リニューアル工事はともに2015年3月完了予定。
2014年09月26日過去に本誌記事で、「意外に遠い同名の駅」としてJR京葉線東京駅を紹介した際、「JR有楽町駅(京橋口)から京葉線東京駅へ乗り継げる特例もある」と書いた。実を言うと、筆者も最近までそのことを知らなかった。京葉線の東京駅は他路線のホームより南側に離れた地下にあり、地図で見ると有楽町駅のほうが近い。有楽町駅から乗り換えられるということは、山手線・京浜東北線から京葉線への乗換えが便利になるかもしれない。そこで実際に乗り換えてみることにした。○有楽町駅・京葉線東京駅ともに現在はポスターで案内されている浜松町駅で潮見駅までのきっぷ(運賃170円)を購入。山手線の電車に乗り、有楽町駅で下車してホーム北側の階段から京橋口へ向かった。途中、「本当に乗り換えられるんだろうか?」と不安な気持ちもあったが、「当駅から京葉線へお乗換えのお客さまへ」と案内するポスターが京橋口の改札付近にあり、ようやく安心した。そのポスターによれば、新橋・品川方面から有楽町駅で下車し、京橋口改札係員に申し出て案内書を受け取ることで、京葉線東京駅へ歩いて乗り換えられるそうだ。そのルートとして、JR線の高架下(有楽町ガード下)を進むルートと、東京国際フォーラムを進むルート(利用可能時間7:00~23:30)も紹介されてあった。この乗換え条件に合う定期券を持つ利用者は、京橋口以外の改札口も利用可能で、「混雑時は比較的空いている中央口・銀座口もご利用下さい」とのこと。その一方で、神田・秋葉原方面から有楽町駅経由で京葉線東京駅への乗換えは不可で、「Suica」などICカード利用で乗り換える場合は乗車駅を確認すると書かれてあった。しばらくポスターを見た後、京橋口の有人改札へ。「京葉線へ乗り換えたい」と伝えると、すぐに案内書を渡され、改札外へ通された。案内書はきっぷより少し大きいサイズの紙1枚だが、これなしで改札外へ出ると一度精算されるため、運賃がさらに高くなってしまう。紙1枚とはいえ、無くさないように大事にしなければ……と思うのであった。筆者は今回、高架下を歩いて乗り換えたが、「有楽町ガード下の独特な雰囲気の中を歩くのも良いけど、普段の乗換えで使うなら国際フォーラム経由のほうが良さそうだな」という印象だった。東京国際フォーラムには地下コンコースもあるので、雨の日もずぶ濡れにならず乗り換えられるはず。逆方向(京葉線東京駅から有楽町駅へ)の乗換えも、エスカレーターのある東京国際フォーラム経由のほうが便利だろう。ゆっくり歩いての乗換えだったものの、それでも有楽町駅から10分程度で京葉線東京駅に到着。京葉地下丸の内口できっぷと案内書を提示すると、案内書のみ回収され、改札内へ入ることができた。ここにも「京葉線東京駅から新橋・品川方面へお乗換えのお客さまへ」のポスターがあり、有楽町駅のポスターとほぼ同じ内容が書かれてあった。この特例を知っておくと、たとえば新橋駅・浜松町駅・田町駅・品川駅から京葉線へ乗り換える場合、乗換え1回で済むし、同じJR線内なので運賃の割高感もなく便利だろう。大崎駅・大井町駅から京葉線方面はりんかい線で新木場駅乗換えのほうが便利と思われるが、運賃を安くしたいなら有楽町駅乗換えを考えても良さそう。大森駅・蒲田駅から乗る場合も、京浜東北線で有楽町駅乗換えのほうが安く便利かもしれない。ただし、有楽町駅では定期券利用者を除き、京橋口の有人改札のみの取扱いなので、場合によっては混雑の原因となる可能性も。旅行者が京葉線を利用するならやはり東京駅乗換えのほうが望ましく、有楽町駅からの乗換えは仕事中の移動やちょっとした外出などで役立てる程度にしておくのが良さそうだ。
2014年09月16日西武線の駅のイメージモデルを決定する「駅イメージモデル選手権」の応募受付を1日より開始した。毎月1駅を対象に、その駅のイメージモデルを務める学生(大学生・短大生・専門学校生)を選出するコンテストとなる。同コンテストは、西武鉄道、Twin Planet、C-livesが共同で展開している西武沿線を中心とした学生生活応援プロジェクト「GAKUSEIBU」の企画として行われる。第1弾として、5月は西武新宿線高田馬場駅のイメージモデルを募集中。採用者は、西武沿線91駅の駅貼りポスター、「GAKUSEIBU」の公式サイト、公式Facebook、公式Twitterなどの各媒体に出演できる。高田馬場駅での募集は女性限定。採用された場合に駅貼り用ポスターの撮影に参加できることが条件となっている。「駅モデル選手権」特設サイトの応募フォームから応募可能で、氏名、学校名と学年、連絡先(電話番号)、意気込みを記入し、顔がはっきりと写っている写真(バストアップ)を添付し、送信することで応募が完了。締切は5月31日となる。応募者の顔写真や氏名などは「GAKUSEIBU」公式Facebookに公開され、公式Facebookの各参加者への「いいね!」のクリック数と、GAKUSEIBU実行委員会の審査によって採用者を決定するとのこと。採用者への連絡は電話かメールにて行う。
2014年05月02日映画『テルマエ・ロマエII』(4月26日公開)に出演した阿部寛と上戸彩が21日、同作のロケ地でもある群馬・草津温泉を訪れ、公開記念イベントに出席した。本作は、2012年に公開された『テルマエ・ロマエ』の第2弾。前作で、日本独自のお風呂文化を古代ローマに持ち帰り、斬新なテルマエ(浴場)を建設したことから一躍人気者になったルシウス(阿部寛)。本作ではまたも現代日本にタイムスリップし、お風呂専門雑誌のライターに転向していた真実(上戸彩)との再会もつかの間、平和推進派のハドリアヌス帝と武力行使派の元老院の対立に巻き込まれていく。草津温泉は、有馬温泉、下呂温泉と並ぶ"日本三名泉"として知られ、温泉街のシンボル"湯畑"や名物の"湯もみ"が本編にも登場する。また、同地では"草津に歩みし百人"として、同地を訪れた日本武尊(ヤマトタケル)や源頼朝、石原裕次郎や渥美清など100人の名が湯畑を囲む石の柵に刻まれているが、101人目として阿部が演じた"ルシウス・モデストゥス"が新たに加わることに。当日はあいにくの雨に見舞われたものの、2人は艶やかな浴衣姿で登場し、石碑の前で記念撮影。阿部は「あまりにも周りの方がすごい人物なので、うれしい半面、恐れ多いです」と恐縮していた。その後、2人は草津温泉のホテル一井の大宴会場で行われたプレミア試写会に参加。会場には、撮影に協力した地元住民200人が集まり、映画を鑑賞した。上映後、阿部は「ここから皆さんの幸せそうな顔が見えますが、映画を見てそうなってくれたのかなと思うとうれしいです」と語り、「日本人として温泉文化をとても誇りに思うし、日本の隅々に、そして世界中に広めていきたいと思います」とコメント。上戸も「お世話になった皆さんに、いち早く見ていただけて本当にうれしいです」と同地でのイベント開催を喜んでいた。舞台あいさつの後、地元を代表して草津温泉女将の会「湯の華会」歴代5人の会長が登壇し、映画の感想などを語り合った。女将たちは、撮影時から阿部の肉体美にほれぼれしていたようで、女将たちのラブコールに阿部がタジタジになる場面もあった。
2014年04月22日JR北海道はこのほど、今年3月15日で廃止となった吉岡海底駅と竜飛海底駅を振り返る記念サイト「青函トンネル 吉岡海底駅・竜飛海底駅よ、永遠に」を公開した。両駅では一般公募した記念ボードが廃止後も保存されるため、その様子を動画で公開するという。動画の公開は4月中旬の予定。JR北海道が募集し、吉岡海底駅に設置されている「アートメモリアルボード」「メモリアルフォトボード」と、「美しい日本語を伝える会」が募集し、竜飛海底駅に設置されている「メモリアル俳句ボード」の様子が収められる。また、記念ボードの写真データ送付サービスも行う。両駅に保存されている記念ボードを応募した本人、または応募した人の名前や当時の住所・電話番号がわかっている場合に限り、同サイトを通してデータの取寄せを依頼することが可能だ。同サイトではその他、青函トンネルのあらましや構造、これまでの歴史、および両駅の歴史や概要なども紹介されている。
2014年04月02日JR西日本は、山陽新幹線の相生駅と西明石駅に「喫煙ルーム」を新設する。駅構内の一角を壁で仕切った室内型の喫煙スペースとなる。両駅とも、「喫煙ルーム」は新幹線改札内コンコースに設置され、供用開始日は相生駅が3月5日、西明石駅は3月18日。喫煙ルームの設置にともない、両駅のホーム上に設置していた喫煙コーナーは撤去される。JR西日本は山陽新幹線各駅で喫煙コーナーの室内化を進めており、2008年に姫路駅、2010年に博多駅でそれぞれ喫煙ルームを新設。昨年7月には、新神戸、岡山、広島、小倉の4駅でホーム上の屋外喫煙コーナーを廃止し、喫煙ルームとした。
2014年03月05日JR東日本盛岡支社はこのほど、「SL銀河鉄道(仮称)」の運転開始に合わせ、釜石線で駅名標のリニューアルを実施すると発表した。新しい駅名標は、1995(平成7)年、釜石線に「銀河ドリームライン釜石線」の愛称が導入された際、各駅に付けられたエスペラント語の愛称をイメージしたデザインに。従来は表示していなかったエスペラント愛称名も、日本語訳とともに表記される。駅名標の大きさはリニューアル後も変わらないとのこと。11月頃から順次設置を開始し、12月下旬までに釜石線の全24駅で設置を完了する予定だ。
2013年10月30日京都の玄関口として、1日平均約63万人以上の乗降車数を数える京都駅。実は同駅のJR西日本在来線ホームが奇妙なことになっている。○0番ホームが存在する駅京都駅在来線の中央口を抜けると、「0番」と表示された乗り場が見える。北陸方面に向かうサンダーバードなどが止まるホームだ。そして隣の乗り場の番号を見ると2番、3番……と続いている。そう、なぜか1番ホームが存在しないのだ。その理由を説明する前に、そもそも「0番」ホームなどというものが存在することに違和感を覚える人もいるだろう。しかしこ、れは京都駅特有のものではなく、0番線及び0番ホームのある駅は、現在、全国に40ほどある。その多くは、元々あった1番線ホームの手前に路線とホームが追加され、そこに「1」より小さい数字である「0」番を当てたパターンだ。全ホームの番号を新たに振り直すと、付随してダイヤから表示板まであらゆるものを変更する必要が生じるので、それを避けるために取られた策なのだ。○駅ビル工事による運転番線の改訂さて、京都駅に1番ホームがない理由だが、まずは線路の方から説明しよう。1992年、駅ビル工事の一環で最も北側の線路をつぶし、かつてのホームを拡張。この時、運転番線(線路の番号)の改訂が行われたのだが、東海道新幹線の管轄である11~14番線の数字は動かせないため、JR西日本在来線11本の運転番線を10以内で収める必要があった。そこで「1」ではなく「0」からスタートして10までの数字を11本の運転番線に割り当てたわけだ。一方ホームの方は、1番から始まり2番、3番……と番号が振られていた。つまりこの時点では1番ホームは存在していたのだ。ただし、ホームは1番だがそのホームで利用する運転番線は0番という状態である。利用者はホームの番号(○運転番線とホームを一致させたところ……「それなら、ホームの方も0番、1番、2番……とナンバリングされているハズなのに、なぜ1番がないのか?」という疑問がまだ残るだろう。京都駅の0番ホームから2番ホームに向かって線路を見ると、0番ホームに入ってくる線路と2番ホームに入ってくる線路の間に、もう1本の線路が見える。実はこれが運転番線1番の線路で、貨物列車通過専用線路として使われており、乗降ホームがないのだ。したがってかつての1番ホームを運転番線に合わせて0番ホームにし、次のホームは運転番線2番にあるから2番ホーム。こうして、0番から始まり、1番を飛ばして2~10番というホームの番号になったのである。○京都駅にはこんな日本一もなお、この0番ホームは端から端までの距離が558mで日本一長いホームとしても有名である。ちなみに、厳密に言うと0番ホーム単独ではなく、ほぼ一直線上に地続きでつながっている山陰線30番ホームも含めての長さである。また、京都駅には34番ホームまであり、これも日本の駅の中で最も数字の大きいホーム番号となっている。ただし、決して京都駅に34もののりばがあるわけではなく、実際ののりばの数は19。関西空港線と山陰線のホームを、山陰線の“さん”にちなんで、30番台の数字にしているのだ。こうしてみると、「実は自分がふだん使っている駅にも0番線があるかも」と気になってくるのでは?駅を利用する際、ちょっと眺めてみると意外な発見ができるかもしれない!?
2013年10月22日関東圏の人はあまり知らないかもしれないが、近畿圏内の新幹線の駅をみると、大阪府や京都府は1駅ずつであるのに対し、兵庫県内には新幹線の駅が4つもある。○4駅の平均駅間距離は他の半分以下その内訳は、新神戸駅、西明石駅、姫路駅、そして相生駅。もちろん大阪府や京都府に比べて兵庫県はずっと広いので、神戸市と兵庫県西部の中心地である姫路市にあるのは分かる。しかし、西明石や相生はそれほど人口の集中するエリアではないし、全国有数の観光地というわけでもない。しかも、当時の東海道新幹線の平均駅間距離約43kmに対し、兵庫県の4駅の平均駅間距離は約21kmと半分以下である。明らかに不自然な印象を受ける「兵庫県内に新幹線の駅が4つある」という事実。しかし、これにはれっきとした理由がある。実は、結果的に幻となったが、当時の国鉄が画策していた壮大な計画が関係しているのだ。○一晩に24本を運行する「夜行新幹線」計画その計画とは「夜行新幹線」。新大阪~岡山間の新幹線開通を前に国鉄が検討を開始し、昭和41年(1966年)の「山陽新幹線技術基準調査委員会報告」では、東京~博多間を一晩に計24本運行するダイヤ案や、片道平均5,000~7,000人台の利用客見込みなど具体的なデータがそろえられていた。計画では、新大阪~岡山間は線路の保守点検作業などの関係で、博多方面、東京方面いずれか一方の線路を使う単線運転を想定。この区間は東京と博多の中間に位置するため、単線運行するには一方が通るのをやり過ごす(すれ違わせる)待避場所として4~5カ所の駅が必要となった。しかも、当時は中国・四国縦断新幹線の計画もあり、山陽新幹線と中国・四国新幹線が交差する駅として想定されていた岡山駅よりも手前で、この退避用駅を置く必要があり、これが兵庫県内に4つの新幹線駅が設置される一因となったわけだ。○ストライキや騒音問題で頓挫この計画の前提であった博多までの新幹線は昭和50年(1975)3月に開通。しかしこの頃、設備トラブルが続発し、また国鉄職員のストライキや運賃の値上げもあり、新幹線利用者数は当初の見込みより伸び悩む。さらに、沿線住民の騒音被害が社会問題化し、昭和50年7月には朝6時~深夜24時までの運行を前提とした環境基準を当時の環境庁が定めたため、夜行新幹線は事実上実現不可能となったのである。兵庫県内にある4つの新幹線駅、特に西明石と相生に新幹線停車駅が設けられているのは、幻の「夜行新幹線計画」の名残であり、その計画は高度成長期だった当時、いかに地方も人や物の流れが活発だったかをうかがわせるものなのだ。
2013年09月19日毎日の通勤・通学ラッシュ。ストレスもたまりますよね。でも住む駅を選べば、朝から電車に座れてしまうかも? 「マイナビ賃貸」では今回、東京の北の玄関口「上野駅」に、平日の朝のラッシュ時(7~9時台)に、待てば座れるかもしれない「始発」で「直通」かつ「30分以内」で行ける駅を調べてみました!■上野駅に「直通」「30分以内」で座って行けるのは、この7駅「上野駅」に乗り入れている路線は、「JR東日本…東北本線、高崎線、宇都宮線、常磐線、山手線、京浜東北線」のほか、「東京メトロ…日比谷線、銀座線」の2社8路線です。※新幹線、および京成上野駅着の電車は除く。上野駅に「直通、始発、朝の通勤時間帯に30分以内でたどり着ける」を満たす駅は7駅。所要時間が短い順から発表します。1.東京メトロ銀座線:浅草駅(乗車時間約4分)」浅草駅は銀座線東側の始発駅です。通勤時間帯は3~4分に1本のペースで始発が出ています。2.「東京メトロ日比谷線:北千住駅(乗車時間約9分)」北千住は日比谷線北側の始発駅です。7時台9本、8時台10本、9時台9本の始発があります。3.「JR京浜東北線:東十条駅(乗車時間約15分)※途中始発」途中始発とは、本来の始発駅以外から出る始発電車です。7時台3本、8~9時台それぞれ1本ずつ始発があります。4.「JR京浜東北線:赤羽駅(乗車時間約19分)※途中始発」8時台1本、9時台3本の始発があります。5.「JR山手線:大崎駅(乗車時間約21分)※途中始発」7時台2本の始発があります。6.「東武伊勢崎線:竹ノ塚駅(乗車時間約23分)※途中始発」東武伊勢崎線は北千住駅で東京メトロ日比谷線との相互直通乗り入れを行っています。7時台3本の始発があります。7.「JR京浜東北線:蒲田駅(乗車時間約30分)※途中始発」7時台6本、8時台5本の始発があります。■所要時間40分以内なら、さらに3駅も以下、30分は間に合わず、40分以内になったケースです。・「JR京浜東北線:南浦和駅(乗車時間約32分)※途中始発、埼玉県」7~8時台にそれぞれ6本の始発があります。・「東京メトロ日比谷線:中目黒駅(乗車時間約36分)」中目黒駅は日比谷線南側の始発駅です。通勤時間帯は3~4分に1本のペースで始発が出ています。・「JR京浜東北線:鶴見駅(乗車時間約39分)※途中始発、神奈川県」8時台3本、9時台5本の始発があります。東京の場合通勤で1時間以上かかる人はとても多くいますが、全国を対象に調査した『平成20年住宅・土地統計調査』を見ると、通勤時間30分未満の世帯が全体の53.5%を占めています。通勤は毎日のこと。住替えを検討している方は、通勤時間を少しでも短縮できる駅を探してみてはいかがでしょうか。※当記事は、2013年6月18日時点で各鉄道会社が発表している最新の時刻表を参考にしています。文・石徹白未亜
2013年06月24日日本一の温泉自然湧出量を誇る草津温泉は、観光経済新聞社主催の第26回「にっぽんの温泉100選」において第1位に選ばれ、2003年度の第17回から10年連続第1位となる偉業を達成した。他団体主催の温泉ランキングでも、常に1位か2位を獲得しているが、なぜそんなに人気なのか調査してみた。○全国1位を全町的に祝賀まず、資料収集を兼ねて草津町役場へ。庁舎内へ入ると、よく目立つ場所に掲げられたポスターを発見。「にっぽんの温泉100選」第1位獲得を祝い、告示する内容である。登別、湯布院、黒川など、並み居る強豪を抑えての10年連続第1位獲得は、さぞかし感激の極みだろう。さて、役場を出ると、まずは地域のランドマークであるとともに観光名所となっている湯畑(ゆばたけ)周辺で取材を開始した。湯畑とは温泉街の中心部に湧く源泉で、周囲がロータリー状に整備されている。デザインは芸術家の岡本太郎氏が手掛けたと言われる。お湯が滝のように湧き出る光景は全国的にも珍しく、観光客を喜ばせている。まずは観光客に、草津温泉に来た理由や感想などを尋ねてみたところ、「湯畑を中心に宿泊施設や店舗、その他の施設が集中的に集まっているから動くのにも都合が良いですからね」とコメント。さらに、「温泉の質が良いと聞いていたので、一度訪れてみたかったんです」という理由も目立った。やはり、地の利のよさや泉質のよさが人気の理由なのだろうか?そう推測しつつ、地元の商業主や団体の職員さんなどにもその理由を尋ねてみたところ、「温泉湧出量が全国一だから」「江戸時代の温泉番付じゃ、当時の最高位・東大関に格付けされたよ」「昔から湯治場として有名」「温泉の温度を下げる湯もみが名物だから」など。様々な意見が飛び出して収拾がつかないので、旅館、ホテル関係者へ突撃取材することにした!○泉質主義を掲げ、温泉に全てをかけるするとまず、古風な梁造りと懐石料理が有名な某旅館の男性は、「草津の人たちは仲がいいので、通常のことはもちろんのこと、難しいことにもみんなで立ち向かい、克服できるんです。それが私たちの誇りであり、自慢できることです」と話してくれた。また、露天風呂や貸し切り風呂の風情の良さが人気の某ホテルの女性は、「草津温泉は10年以上前から『泉質主義』を掲げ、温泉へ熱くこだわり続けてきました。今もこれからもずっと努力を重ねていきます。来るたびに何か新しいものを発見できるところ。それが草津温泉なんですよ」と、温泉のように熱い語り口で聞かせてくれた。「泉質主義」とは、源泉を薄めず、加熱もせずそのままの湯を楽しんでもらうことをモットーとすること。草津温泉には100数カ所の源泉があり、それぞれ泉質は異なるが、総じて弱酸性で(硫酸塩・塩化物温泉)で、湯内では雑菌や最近はほとんど繁殖できないという。ゆえに、草津の湯に入ることで傷が癒えたり、身体の疲れが軽減したりといった効能が期待できるのだ。今回の調査では、草津温泉旅館協同組合事務局長・星野敏雄さんの説に一番納得したので、以下に紹介させていただこう。「草津というところは、昔から産業は非常に乏しかったんです。農業も林業も商業も工業も育たないこの地で、草津の人々は温泉に生きることの全てをかけ、草津温泉を作り上げてきました。その結果が、今日の草津温泉の実情だと思います」。○近くには美術館にスキー場も聞き込みを終えて温泉街をブラブラと歩いていると、片岡鶴太郎美術館にたどり着いた。この一帯には、実はこちらの美術館の他にも、草津運動茶屋公園、草津熱帯圏、草津国際スキー場、草津白根山などといった観光地や名所がたくさんあるのだ。気になるスポットがあるなら、行き帰りの際には是非とも立ち寄っていただきたい。また、草津温泉最新スポットとしてグランドオープンした、湯畑の南側にある共同浴場「御座之湯」も注目スポットだ!○隣接の嬬恋村や長野原町などもチェック旅行の時間に余裕がある場合は温泉への道すがら、隣接の嬬恋村や長野原町などを訪れてはいかがだろうか。嬬恋村のバラギ高原地区にあるバラギ湖は、湖面が夕日に輝き、幻想的な空間を生み出す。短時間の滞在ではもったいなく感じるほど、心を打つ風景に出合えるだろう。また、同地区には嬬恋バラギ温泉があるほか、少しクルマを走らせると「愛妻の丘」などの名所もある。長野原町には、軽井沢町に隣接してリゾート地に発展した北軽井沢や、川原湯温泉、鬼押出し・浅間園などがあるので、たっぷり時間をとってスケジューリングしてほしい。
2013年05月10日滋賀県草津市では、市を代表する観光使節として、草津市の魅力を市内外にPRし、草津市の観光振興に努める、「平成25年度グッドウィルナー草津」の募集を12月3日から開始した。募集人数は2人で、任期は3月の選任式から1年間。応募の条件は、草津市内に在住・在学・在勤で、平成25年4月1日時点で18歳以上。性別は不問。ただし、高校在籍者は除くとのこと。さらに、平成25年度中に草津市観光物産協会が出動を依頼する各種の行事(年間出動約20回)に参加でき、グッドウィルナー草津の活動について、家族および勤務先、学校の理解と協力を得られこととしている。応募は、所定の応募用紙に必要事項を記入、写真貼付の上、平成25年1月11日(金)必着。直接持参しても郵送でもOK。自薦、他薦は問わない。選考会は2月2日(土)14時00分~17時00分の間で、1人約10分程度。選任者には、賞金10万円やコスチューム一式、記念品が贈呈される。なお、出勤が予定されているイベントは、「草津宿場まつり」「草津納涼まつり」「草津街あかり・華あかり・夢あかり」「県外観光PRキャラバン」ほか、同観光物産協会が行う観光PR行事及び参加する観光PR事業など。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月11日福岡県北九州市のJR門司港駅(鹿児島本線)では、12月1~2日の2日間に限り、駅を覆う仮囲いを開放する。JR九州によれば、「仮囲いのない現在の門司港駅をご覧いただけるのはこれが最後のチャンス」とのことだ。国重要文化財にも指定されたレトロな木造駅舎で知られる門司港駅は、今年9月29日より駅舎保存修理工事に入り、駅の周囲は仮囲いで覆われている。テナントなどの撤去整理が終わり、これから本格的な工事が始まるが、その前に仮囲いが移設されるため、2日間限定で現在の駅舎全体を見られることに。駅舎内には入れない。JR九州はこの2日間、「門司港駅新たな旅立ち記念きっぷ ~0哩の軌跡~」を臨時窓口で販売。450セットを用意し、販売時間は各日9:00~17:00。なくなり次第終了となる。門司港駅では12月3日以降、調査を行うために駅前広場も含めて再び仮囲いを設置。来年3月以降、駅舎も素屋根で完全に覆い隠される。建物をいったん解体した後、傷んだ部材を修理・補強して再び組み立てなおすとのことで、工事期間は2018年3月までの予定。その間、門司港駅は仮駅舎での営業となる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月24日JRグループの駅で最も標高の高い駅は小海線の野辺山駅。私鉄にこの高さを超える駅はない……と思ったら、あった。標高は2,450mで、野辺山駅の1,345mより1,000m以上も高い。ところがこの駅、鉄道事業法で定められた駅で、現在も営業しているというのに、やって来る乗り物はバスばかり。廃線でも建設途中でもなく、初めからレールがなかった。今後もレールが敷かれることはなさそうだ。鉄道の駅だけどバスしかこない。なんとも不思議な日本一高い駅の名前は室堂駅。富山県中新川郡立山町にある。立山黒部アルペンルートの経路のひとつで、駅の裏手から立山連峰を望める。開業は1971(昭和46)年。当時はバスターミナルだった。それが1996年に鉄道の駅となった。しつこいけれど、鉄道の駅になってもレールが設置されたことはなく、当時もいまもバスしか走っていない。どうしてこの駅が鉄道事業法で「鉄道駅」とみなされているのだろう。その理由は、バスが通常のバスではなく、トロリーバスだからである。運営会社は立山黒部貫光。室堂駅で案内される路線名は「立山トンネルトロリーバス」。室堂駅と大観峰駅を結んでいる。この3.7kmの路線は、法規上は鉄道路線となっている。鉄道事業法における鉄道事業の定義は「他人の需要に応じ、鉄道による旅客又は貨物の運送を行う事業(第2条)」となっている。条文の中の「鉄道」は、専用の軌道という意味。一般道路ではなく、自社専用の走行路を持っていれば、鉄のレールだろうとコンクリートだろうと、法的には鉄道と解釈される。この法律上の鉄道については、鉄道事業法施行規則の第4条で説明されている。鉄のレールで走る「普通鉄道」のほか、モノレールの「懸垂式鉄道」「跨座式鉄道」、新交通システムの「案内軌条式鉄道」、ケーブルカーの「鋼索鉄道」、リニモや中央新幹線のような「浮上式鉄道」、そして、トロリーバスの「無軌条電車」と、「これら以外の鉄道」となっている。室堂駅が開業した1971年は、立山トンネルを普通のバスが走っていた。しかし環境保全のために1996年にトロリーバスに転換された。立山トンネルトロリーバスは、専用のトンネル内で、バスに電力を供給する設備を備え、身内や自社の社員ではなく、よそからやってきた観光客を運ぶ。だから鉄道事業である。電気で動くパスは「電車」というわけだ。実際にこのバスに乗ると、運転席の後ろの電光掲示板に「レールはありませんが電車の仲間です」と説明が表示される。要するに、「専用の線路設備があり、他人のために人や物を運ぶから鉄道ですよ」というわけだ。似たような業態にロープウェイがあるけれど、こちらは鉄道事業法でも扱うものの、「索道」として、鉄道とは別の分類となっている。ただしロープウェイの乗り場も「駅」という。索道を含めると、日本で一番高い駅は中央アルプス観光が運行する駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅となる。こちらは標高2,611.5mで、室堂駅より161m高い。でも前述のように、こちらは「鉄道駅」とはならない。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月24日JR東日本盛岡支社は16日、気仙沼駅、盛駅、釜石駅、宮古駅のリニューアルを発表した。4駅とも工事を開始しており、12月上旬の完成をめざしているとのこと。東日本大震災で被災した三陸海岸沿岸部の活性化に貢献すべく、地域の拠点となる4駅がリニューアルされることに。デザインコンセプトは、「清らかな海、やさしい風の香り、美しい地形を感じる特徴をもった『親しまれる駅』 ~交流を生み出し、賑わいの場として、親しまれる駅~」(JR東日本盛岡支社)で、三陸海岸の特徴を取り入れたデザインとなる。リニューアルにあたり、気仙沼駅は「漁港のまち」、盛駅は「海岸のまち」、釜石駅は「鉄のまち」、宮古駅は「浜のまち」をそれぞれイメージしたという。気仙沼駅の駅舎は、三陸海岸の「岩」をイメージしたデザインに。岩を模したアプローチゲートを、駅舎の入口上部の庇(ひさし)で表現する。釜石駅では駅舎全体に「鉄」をイメージしたルーバーを配置し、宮古駅の駅舎は浄土ヶ浜をイメージした「砂浜」を表現したデザインに。現在は不通となっている大船渡線盛駅も、今回のリニューアルで駅舎にルーバー状の庇が配置され、待合室の窓や入口で碁石海岸の穴通し磯を表現するとのこと。なお、気仙沼駅に関しては一部列車の発着番線変更も発表されており、12月1日より新たに列車4本が1番線(駅舎側)発着に。一ノ関方面の大船渡線の列車21本(下り11本、上り10本)のうち、19本が駅舎側のホームを使用することになり、跨線橋の使用が少なくなることから乗換えなどの利便性が向上する。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月21日