歌手のアグネス・チャンが15日に自身のアメブロを更新。日本ユニセフ協会会長の赤松良子さんを偲ぶ会に参列したことを報告した。この日、アグネスは赤松さんを偲ぶ会に参列することを報告し、赤松さんについて「94歳で他界しました。男女平等に力を尽くした先生でした」と説明。「晩年は世界の子供達の為に活動をし、精力的に生きてこられた方でした」と明かし「大先輩に恥じないように、ユニセフ大使として、頑張りたいと思います」とつづった。続けて更新したブログでは「とっても素敵な集まりでした」と述べ「先生の微笑みが暖かかったです」とコメント。「友人のみなさんのスピーチも心がこもってまして、感動しました」と偲ぶ会での様子を明かし「ごゆっくりお休みなさい。ご冥福を心からお祈りします」と追悼した。
2024年05月16日明治学院大学経済学部の中野暁専任講師と赤松直樹准教授らの研究グループは、消費者の購買やメディア接触の実行動が記録されたパネルデータと、アンケート調査によって取得した心理データを統合したシングルソースパネルデータを用いて、消費者セグメンテーション・アプローチによる探索的な分析を実施し、パニック購買する消費者の特性を明らかにしました。本研究成果は、2022年12月14日に日本商業学会の欧文誌International Journal of Marketing & Distribution (IJMD)にて“Consumer panic buying: Understanding the behavioral and psychological aspects”(消費者のパニック購買:その行動的・心理的側面の理解)としてオンライン掲載されました。また、2023年5月27日に行われた日本商業学会第73回大会にて、学会賞論文部門『IJMD』優秀論文賞を受賞しました。◆概要新型コロナの感染拡大初期、日用品・食品の過度な買い占めといった消費者によるパニック購買現象が全国各地で問題とされました。パニック購買は、地震や感染症などの災害の後によく起きる消費者行動として古くから観測されてきました。しかしながら、どのような性質を持った人たちがそうした行動をとるのかについては必ずしも十分に理解されてきませんでした。特に、実際の購買行動と消費者の心理を結びつけて解釈する取り組みはあまり行われてきませんでした。本研究では、2020年2月の政府による小中学校の休校宣言と4月の第一回緊急事態宣言の後に、2度のパニック購買機会があったことを、日用品・食品の消費者の購買金額の時系列波形から観測しました。このときに、2度にわたり通常時より大幅に買い溜めを行った強くパニック購買をする人たち(全消費者の5.8%)、日頃から購買経験が豊富でこれら機会にはパニック購買せず、通常時より少し多くの備蓄を行った人たち(39.2%)、1度目の波ではあまり多く買いませんでしたが、2度目には合理的に多くの購買を行った人たち(15.0%)といった特徴的な5つのセグメントを特定しました。強くパニック購買する人たちは、普段あまり日用品・食品を買わない男性が多く、その心理には不安感や衝動性が関係していることが示されました。この人たちは、ウェットティッシュを日頃の約22倍、ペット用品を約12倍、トイレットペーパーや米を約7倍買うなど極端な買い溜め行動が見られました。また、消費者の大部分を占める通常よりも少し多くの備蓄を行った人たちには、女性で家族人数が多い、購買経験が豊富な人たちが含まれていました。これらの結果は、一部の極端な人たちが大量に買い占めていることを実証的に示しています。そのため、小売業者にとっては、一人あたりの購入数量の制限を行うなど、消費者全体に商品を行き届かせる施策が重要であることがデータからも示唆されました。◆本研究のポイント・新型コロナの感染拡大初期、2020年2月の休校宣言と4月の第一回緊急事態宣言の後の2度の機会に、日用品・食品の過度な買い占めといった消費者のパニック購買現象が確認されました。・本研究では、実際の消費者の購買が記録された行動データとアンケートによる心理データを統合した分析を行い、パニック購買する消費者の特性を明らかにしました。・2度にわたり通常時より大幅に買い溜めたパニック購買者(全消費者の5.8%)は、普段あまり日用品・食品を買わない男性が多く、その心理には不安感や衝動性が関係していました。・この人たちは、第1波時にウェットティッシュを日頃の約22倍、ペット用品を約12倍、トイレットペーパーや米を約7倍買うなど極端な買い溜め行動が見られました。・一方で、消費者の大部分である日頃の購買経験が豊富な人たち(39.2%)は、パニック購買を行っているのではなく、通常よりも少し多くの備蓄を行っているだけであることが確認されました。・一部の極端な人たちの買い占めを制限する施策を行うことが、消費者全体に商品を行き届かせる上で重要であることが示唆されました。◆研究内容■背景パニック購買は、災害の後によく見られる消費者行動であり、新型コロナの感染拡大初期には、店舗の棚が空になる現象が世界中でみられるなど、大きな社会問題になりました。通常、消費者は将来の消費を見越して備蓄を行いますが、パニック購買は予想される消費量の不足水準を大幅に上回るような買い溜め行動であり、不安感などのネガティブな感情がそれを引き起こすことが知られてきました。しかしながら、実際にどのような商品がどの程度多く、誰にパニック購買されるのか、その特性を行動的側面から理解した研究は限られていました。また、そうした行動には、どのような消費者の心理が関係するのか、実際の購買行動と消費者の心理を結びつけて解釈する取り組みはあまり行われてきませんでした。そこで、本研究では複数のデータソースが統合されたシングルソースパネルデータを用いて、パニック購買する消費者の行動的・心理的特性を探索的に検証する実証研究を行いました。■データと研究手法データには、株式会社インテージが運営するi-SSP(R)(インテージシングルソースパネル(R))※注1におけるSCI(R)(全国消費者パネル調査)※注2、モバイル調査、テレビ視聴調査、アンケート回答を利用しました。このデータでは、購買行動と情報接触行動、消費者心理の関係を捉えることができます。分析は図1の手順で行われました。まず、データ内の全消費者の購買を集計した金額前年比(7日移動平均)の時系列波形から一時的な購買増加が起きたタイミングを把握しました。波形の特徴を記述・分類する手法を用いて、特定期間に(1)購買の増加が起きたが、(2)その後、一定の水準に戻った、一時的に購買が増加した商品カテゴリ群を特定しました。続いて、それら商品カテゴリ群を個々の消費者が、第1波と第2波の際に、新型コロナ以前の通常時と比べてどの程度多く購買しているかを指標化しました。この指標を使って、消費者セグメンテーション分析を行いました。また、セグメント所属に対して影響する要因を特定する統計解析を行いました。図1. 分析手順■本研究で得られた結果・知見本研究では、図2の購買金額の前年比(7日移動平均)の時系列波形にみられるように、小中学校の休校宣言と第一回緊急事態宣言といった政府の介入直後に2度の購買が増加する機会を確認しました。一方で、この傾向は商品カテゴリ毎に異なっています。また、特に第2波ではStay homeの影響で恒常的に需要が増加した商品カテゴリが含まれます。そこで、商品カテゴリ毎に一時的な購買増加が起きているもの(急激に購買量(金額)が上がって、その後下がったもの)を抽出しました。これらの商品カテゴリには、ティッシュやトイレットペーパー、石鹸などの衛生品や乾麺、パスタ、小麦粉といった主食、缶詰やインスタント食品など保存のきく食品、ペット用品などが含まれています。消費者セグメンテーション分析を行った結果、通常時と比べた買い溜め傾向の度合いに応じて、5つの消費者セグメントに分類されました。具体的には、強くパニック購買する人たち(5.8%)、弱くパニック購買する人たち(15.8%)、合理的に買い溜める人たち(15.0%)、無関心な人たち(24.3%)、通常より少し多くの備蓄をする購買経験の豊富な人たち(39.2%)です。強くパニック購買する人たちは、普段あまり日用品・食品を買わない男性が多く、子供の人数が多い人たちが含まれました。また、その心理には不安感や衝動性が関係していることが示されました。情報接触の傾向としてはモバイルニュースをよく見る人たちであり、商品の買い方はECをあまり利用しない実店舗派の人たちでした。この人たちは、第1波時にウェットティッシュを日頃の約22倍、ペット用品を約12倍、トイレットペーパーや米を約7倍買うなど極端な買い溜め行動が見られました。その一方で、消費者の大部分は、通常よりも少し多くの備蓄を行っただけに過ぎないことも確認されました。こうした人たちには、女性で家族人数が多く、日頃から日用品・食品を買っている経験豊富な人たちが含まれていました。これらの結果は、パニック購買が大部分の人たちに生じているのではなく、一部の限られた消費者セグメントで起きていることを示唆しています。図2. 日用品・食品の購買金額の前年比(7日移動平均)の時系列波形 縦線は休校宣言(2020年2月)と第一回緊急事態宣言(4月)を表す。データソース:インテージSCI。■今後の研究展開および波及効果パニック購買する消費者は、消費者全体からみれば、必ずしも大部分ではありません。そのため、一部の消費者が過度に買い占めることを防ぐことができれば、全体への供給が安定することが示唆されます。また、日頃から日用品・食品の購買経験が少ない人は、危機時の買い溜めを行いやすいことがわかりました。不安感や衝動性にかられた購買は避ける心がけが必要になります。その際、家庭内でも日頃から日用品・食品を買っている主たる家事担当者が購買量の調整を行うなど、家族の中で注意喚起していくことが有効だと示唆されます。※注1【i-SSP(R)(インテージシングルソースパネル(R))】SCI(R)(全国消費者パネル調査)を基盤に、同一対象者からパソコン・スマートフォンからのウェブサイト閲覧やテレビ視聴情報に関するデータを収集するもの。パソコン・スマートフォン・テレビそれぞれの利用傾向や接触率の他、同一対象者から収集している購買データとあわせて分析することで、消費行動と情報接触の関係性や、広告の効果を明らかにすることができる。※注2【SCI(R)】全国15歳~79歳の男女53,600人の消費者から、継続的に収集している日々の買い物データ。消費者を起点としたブランドマーケティングや店頭マーケティングに活用できる。◆研究者所属・研究者氏名中野暁専任講師研究者情報: 赤松直樹准教授研究者情報: ◆掲載誌名・DOI・掲載誌名International Journal of Marketing & Distribution (IJMD) 日本商業学会・DOI ・論文タイトルConsumer panic buying: Understanding the behavioral and psychological aspects (消費者のパニック購買:その行動的・心理的側面の理解)・著者中野暁(明治学院大学)、赤松直樹(明治学院大学)、水野誠(明治大学) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月20日東京・新宿のミヅマアートギャラリーは、赤松音呂の個展「Chozumaki / Chijikinkutsu」を2018年4月4日(水)から4月28日(土)まで開催する。赤松音呂は、デバイスを用いたメディアアートの作品を制作し、インスタレーションやパフォーマンス、ビデオ、立体、絵画など様々な形式で発表しているアーティスト。普段の生活の中では意識から零れ落ちてしまうような、世界にひそかに脈打つリズムを掬い上げ、様々な作品を制作している。今回展示される《チョウズマキ》は、ガラス器の水の中に発生する渦巻きのゆらぎの音を用いたインスタレーション。作品は水を入れるガラス瓶とホーン形状に繋がる管で構成されており、瓶の中の磁石が、磁力で渦巻きを発生させる。常に変化しながらゆらいでいく渦巻きが、複雑な音を生み出していく。《チジキンクツ》は、「地磁気」と「水琴窟」を組み合わせた造語。渡り鳥や蜜蜂の行動には影響を与えながらも、人には感じることができない「地磁気」を表現した作品だ。水が注がれたコップにはあらかじめ磁化された縫い針が表面張力で浮かび、無数の小さな針先が磁場に引き寄せられて微細な音を立てる。密やかな力の動きが、空間にリズムを生み出す不思議な感覚の作品となっている。【詳細】赤松音呂展「Chozumaki / Chijikinkutsu」会期:2018年4月4日(水)~28日(土)時間:11:00~19:00 ※日・月・祝日は休廊会場:ミヅマアートギャラリー住所:東京都新宿区市谷田町3-13神楽ビル2FTEL:03-3268-2500
2018年03月06日京都大学(京大)は、米ペンシルバニア州立大学、米ドレクセル大学との共同研究により、「NaRTiO4」(Rは希土類元素)の組成を持つ一連の層状構造のペロブスカイト酸化物が従来とは異なるメカニズムで圧電性を示すことを、実験と理論計算の手法を併用して明らかにしたと発表した。成果は、京大 工学研究科の赤松寛文 日本学術振興会特別研究員(現・ペンシルバニア州立大学、日本学術振興会海外特別研究員)、同・藤田晃司 准教授、同・修士課程学生の久家俊洋 氏、同・田中勝久教授、同・田中功教授、同・学祭融合教育研究推進センターの東後篤史 特定准教授、,ペンシルバニア州立大のVenkatraman Gopalan教授、同・Long-Qing Chen教授、ドレイクセル大のJames M. Rondinelli准教授らの国際共同研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、4月29日付けで米物理学会発行の学術雑誌「Physical Review Letters」電子版に掲載される予定だ。圧電材料は力が加えられると電圧が発生し、逆に電圧が加えられると材料が変形するという特性を持つ。そのため、圧電材料は機械的エネルギーと電気的エネルギーの相互変換に用いられており、外部から与えられた振動を電気信号に変換して出力する「圧電センサ」や、圧電体の微小変位を電気的に制御する「圧電体アクチュエータ」として実用化済みだ。その用途は、半導体露光装置の極微動用ステージや走査型トンネル顕微鏡の探針駆動機構などの精密な位置制御を必要とする産業機器から、携帯電話、インクジェットプリンター、デジタルカメラといった身近な電子機器まで、多岐にわたっている。実用的な圧電材料の多くは、組成式が「ABO3」で表される「ペロブスカイト型構造」を持つ「強誘電体」だ(AとBは元素の略号ではなく、ここに多様な組成式が入る)。ペロブスカイト型構造をした酸化物(ペロブスカイト酸化物)は、ABO3の組成式で表され、頂点共有したBO6酸素8面体の3次元ネットワークの空隙に「Aサイト原子」が充填された構造を持つ。AサイトとBサイトで構成元素の幅広い組み合わせが許容されるため、多彩な電子物性が発現することが知られている。また、強誘電体は誘電分極を持ち、電圧を印加することにより誘電分極の向き変えることができる物質で、結晶構造に中心対称性がないため圧電効果を示す。ペロブスカイト酸化物の代表例としては、「チタン酸バリウム(BaTiO3)」、「チタン酸鉛(PbTiO3)」、「チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)」などが挙げられる。そのようなペロブスカイト酸化物強誘電体では、チタンと酸素の共有結合性や鉛の非共有電子対といった特定の元素に特有の性質のため結晶構造に中心対称性の破れが生じ、これが強誘電性・圧電性をもたらす。このような性質を持つ元素は限られるため、ペロブスカイト酸化物の中で中心対称性を持たない化合物は5%程度に留まっている。しかし最近になって、共有結合や非共有電子対の存在といった元素の性質にそれほど強く依存しないメカニズムによって、結晶構造の中心対称性が破れることが理論計算により提案された。このメカニズムでは、層状ペロブスカイトにおいて、ある種のBO6酸素8面体ネットワークの回転体パターンが中心対称性を破るというものである。ほとんどのペロブスカイト酸化物が酸素8面体回転を示すことから、このメカニズムに基づけば強誘電体・圧電体の開発において特定の元素に制限されない物質設計が可能となるというわけだ。ただし実際には、このタイプの強誘電体・圧電体はほとんど知られておらず、特に酸素8面体回転が起こると同時に結晶構造の中心対称性が破れることを実験的に検証した例は皆無だったのである。そこで研究チームは今回、NaRTiO4の組成を持つ一連の層状ペロブスカイト酸化物に注目し、その従来とは異なる中心対称性を持たないメカニズムによって圧電性を示すことを、理化学研究所が所有しJASRIが運用する大型放射光施設SPring-8の粉末結晶構造解析ビームライン「BL02B2」を用いたX線回折測定、「光第二高調波発生測定」、「ピエゾ応答力顕微鏡観察」、ならびに「第一原理計算」により明らかにした。今回の研究における層状ペロブスカイト酸化物とは、ペロブスカイト層ABO3と岩塩層AOが交互に重なった層状構造を持ち、通常は「ルドルスデン-ポッパー相」と呼ばれている。また光第二高調波発生とは、中心対称性を持たない物質に周波数ωの光を容赦した際に、周波数2ωの光=第二高調波が生じる現象のことだ(この時に同時に「直流電場(光整流)」も生じる)。そしてピエゾ応答力顕微鏡観察とは、プローブとサンプル接地面の間に電圧をかけながら走査し、圧電(ピエゾ)応答をマッピングする顕微鏡のことである。さらに第一原理計算とは、実験により得られるパラメータを用いないことを第一原理といい、量子力学に基づいて物質のエネルギーや構造を計算する手法のことをいう。今回の研究では、密度汎関数法が用いられた。それに加えて、第一原理で得られた力定数から「フォノンバンド計算」が実施され、構造の動力学的安定性の評価や安定構造の探索が行われている。これらの酸化物はこれまで、中心対称性を持ち、圧電性を示さない構造を採ると報告されていたが、今回の研究において、実際にはこれらの酸化物が報告とは異なる酸素8面体回転パターンを示し、その回転パターンの「微妙な違い」が中心対称性を破り、圧電性を生むことを突き止めたのである(画像1・2)。実験的にも、多結晶体の放射光X線回折の測定による構造解析から、中心対称性のない構造が妥当であることが明らかとなり、さらに光第二高調波発生(画像3)とピエゾ応答の観察(画像4)から、非中心対称性が確認されたという具合だ。放射光X線回折パターンと光第二高調波発生の温度依存性の測定から(画像3・5~7)、ある温度以下で酸素8面体回転が起こり、それと同時に中心対称性が破れることも確認された。これは、酸素8面体回転が中心対称性の破れの起源であり、圧電性をもたらすことを示しているという。従来のペロブスカイト強誘電体において中心対称性の破れをもたらす特定の元素に特有の構造歪みとは対照的に、酸素8面体回転は、ペロブスカイト関連化合物において最もありふれた構造の歪みだ。そのため今回の成果は、圧電体あるいは強誘電体の新しい物質設計指針を与えるだけでなく、非鉛圧電体材料を使ったデバイス応用にも大きな波及効果をもたらすと期待されるとした。なお、現状では圧電体としての性能が低いことから、研究チームは今後、巨大な圧電応答を示す物質系の開拓を行う予定としている。
2014年04月25日