いつの時代も、子どもたちの心をわしづかみにする電車。「気合いを入れた家族旅行より、近所の踏切でながめる電車の方が息子にウケた」…なんてことも少なくないのでは?そんな電車大好きっ子を持つママパパにぴったりなのが、「車両センター」ウォッチング。子どもの送り迎えや買い物の行き帰りはもちろんのこと、週末の気軽なおでかけにもばっちり。肩肘張らない“ふだん使いのレジャースポット”で、スキマ時間レジャーを楽しんでみてはいかがでしょうか。■そもそも「車両センター」って何?たくさんの電車をながめることができる「車両センター」。鉄道会社によって車両基地や車庫、検車区など呼び方はさまざまですが、ここでは主に、電車の整備や滞泊を行うところといった意味で、車両センターと総称します。車両センターは、営業終了後の電車だけではなく、整備や清掃の必要な車両も集まるところ。昼夜問わずさまざまな電車が行き交う様子は、子どもの心をわしづかみに。場所によっては、まさに整備や清掃中の車両をながめることもでき、普段とは違う電車の表情まで楽しむことができます。子どもの影響で、特急の名前やら「○○形」といった車型に強くなってしまったママパパもハマること間違いなし。ランダムに走り去る電車を待ちながら、子どもといっしょに、次はどんな電車との出会いがあるかを楽しんでみましょう。■三鷹車両センターで“上から見下ろす”中央線今回、スキマ時間レジャーにおすすめしたいスポットが、三鷹車両センター。三鷹駅南口から10分程度、線路添いを歩くとJR中央線と三鷹車両センターをまたぐ陸橋が現れます。この陸橋の名前は、「三鷹跨線橋」。車両センターウォッチングにうってつけの絶景スポットです。三鷹跨線橋は昭和4年に建造されたそうで、なんでも太宰治がよく散歩していたのだとか。全長90メートル以上の跨線橋からは、JR中央線を走るオレンジの車両のほか、特急かいじ・あずさ、スーパーあずさ、黄色がまばゆい総武線車両、そして乗り入れている東京メトロ東西線直通車両を見ることができます。いろいろなタイプの車両が上から見下ろせるとあって、三鷹跨線橋は電車好きの子どもたちに人気のスポット。何十もの電車が行き交う光景は、電車にくわしくないママパパもワクワクすること間違いなしです。ただし、思いっきり楽しむために、以下の3点はご注意を。跨線橋は目の細かいフェンスで覆われているので子ども連れでも安全ですが、念のため、持参の小さなおもちゃなどが落下しないように気をつけましょう。跨線橋にエレベーターなどはついていないので、なるべく身軽に。ベビーカーなどはたたんで持ち上げることになるのでご注意を。また、三鷹車両センター近辺には大きな商業施設などはないので、トイレやおむつ替えなどは事前に三鷹駅やその周辺ですませておくのがおすすめです。 ■近所の「いきつけ車両センター」を見つけよう日本全国、かっこいい電車はたくさんあれど、子どもにとってはやっぱり近所を走るなじみの電車がいちばん。アクセスのいい車両センターを「いきつけ(?)の鉄道スポット」にして、子どものゴキゲンな笑顔をいつでも見たいですね。そんな人のために、人気の車両センターをいくつかピックアップしました。お気に入りのスポットをぜひ、見つけてみてください。・東京新幹線車両センター(JR東日本)JR田端駅北口を出て、新幹線をながめながら歩けば8分程度で到着。緑色の車両でおなじみ、E5系はやぶさや、まばゆい赤のE6系こまちなど、人気の東北・上越新幹線をじっくり見られる。電気機関車やディーゼル機関車など、貨物車両も豊富。住所:北区東田端2・大井車両基地(JR東海)東京モノレール大井競馬場前駅から歩いて20分ほど。少し距離はあるものの、ズラーっと並ぶ東海道新幹線は圧巻! 子どもたちに大人気のドクターイエローとの遭遇率も高い。その先には東京貨物ターミナル駅もあり、貨物車両やたくさんのコンテナを見ることもできる。住所:品川区八潮3-2・長津田検車区(東京急行電鉄)東急田園都市線の長津田駅で降りて、JR横浜線の成瀬駅に向かって歩くこと15分。東急線を走るあらゆる車両を見下ろせる跨線橋に到着する。とにかくものすごい本数の車両が休む車両センターは東西に長く伸び、夕暮れ時には幻想的な光景が広がる。住所:神奈川県横浜市緑区長津田町2436・海老名検車区(小田急電鉄)小田急・相鉄線海老名駅の改札を出てすぐ、ららぽーと方面に向かえば、海老名小田急線の車両センター、海老名検車区が眼下に広がり、ロマンスカーもながめることができる。一般公開日もあり、検車区の中に入場できる機会も多い。鉄道好きには鉄板のスポット。住所:神奈川県海老名市上郷570・金沢検車区(京浜急行電鉄)京浜急行金沢文庫駅から徒歩○分。鉄道車両メーカー総合車両製作所の工場もすぐそばにあり、通常2本敷かれているはずのレールが、ここでは3本敷かれている。レール幅の違う鉄道車両に対応するため。当然、電車の種類も豊富で、ファンにとっては夢の場所。住所:神奈川県横浜市金沢区泥亀1■車両センターおでかけ前に再確認! 「3つの注意ポイント」子どもと車両センターにでかける際の注意点を、以下にまとめました。1. トイレやおむつ替えは最寄り駅で車両センターは、意外と駅から少し歩くところが多いもの。最寄りの駅前にはどんな商業施設があるのかを事前に調べて、トイレやおむつ替えスポット、それからレストランなどもチェックしておくといいでしょう。2. 熱中症に気を付けて電車に夢中になっている子どもたちに、水分補給をすすめるのはママパパの大事な役割。特に日差しの強い日の跨線橋などは、相当気温も高くなるので、日除けやこまめな水分補給は必須です。3. 子どもから目を離さずに車両センターは電車を間近に見られる絶景スポット。子どもと安全に電車見学を楽しむためにも、子どものそばにしっかりついて見守ってあげましょう。電車はあまりくわしくない。けれども電車大好きな子どもを喜ばせたい! そんなママパパのために、身近なおでかけスポットとして車両センターを紹介してみました。子どもといっしょの方向を向いて、同じ表情をする瞬間。そんな小さな喜びを、身近なところで集めていきたいですね。取材・文/安藤あきら
2018年04月27日