直木賞作家・黒川博行の小説が原作の舞台『上代裂(じょうだいぎれ)』の東京公演が2月20日(水)より東京・赤坂RED/THEATERで開幕する。Team337の第3回公演で、阪神タイガースOBで俳優の嶋尾康史が演出を担当する。どんな舞台になるのか、出演者の柊子と田中大地に話を聞いた。【チケット情報はこちら】気ままなフリーター生活を送る玲美(柊子)が、絢也(田中大地)というイケメンホストに引っかかり、借金を背負う羽目に。困った玲美は、美術雑誌の副編集長をしている叔父・佐保(森崎正弘)に助けを求める。絢也がホストになる前は画廊に勤めていたと聞いた佐保は、玲美を騙したホストから金を取り返すべく、染織品である「上代裂」を使って一計を案じ、コンゲーム(信用詐欺)を仕掛けていく…という物語だ。すでに1月20日に大阪公演を終え、柊子は「満員御礼で千秋楽を迎えることができて、とても充実した公演期間になりました」と振り返る。原作にはいないキャラクターを追加するなど手を加えながら、全体的にコメディタッチの作品に仕上がっているといい、柊子は「黒川先生が大阪公演を観にきてくださって、面白かったよ!と仰ってくださって、その言葉を信じて、東京公演に臨みたいです」と意気込む。今回、Team337に初参加した田中大地は「キャストの皆さんも演出の嶋尾さんも素敵な方で、稽古場でも本番期間でも楽しく濃い時間を過ごさせていただきました」と感想を語る。イケメンホストという役柄については「今までに経験がない役で新鮮な気持ちで演じています」と話し、「Team337、一致団結して、東京のお客様にも喜んでいただきたいです。せっかく観ていただけるからには、感動したり、笑ったり、ちょっと突き刺さるものがあったり、何かお土産を渡せるようなお芝居にしたいと思っています」と抱負を語る。柊子は「私たちのTeamがつくるのは、お客様にほっこりして帰っていただけたり、クスッと笑えたり、幸せな気持ちになったりする作品。黒川先生のファンの方や、これまでTeam337の作品を見たことがない方にも、ぜひ劇場に足を運んでほしい」と話す。公演は2月24日(日)までの全6ステージ。チケット発売中。文・写真:五月女菜穂
2019年02月01日東京大学(東大)は3月29日、B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)の原因となる新たながん遺伝子を解明したと発表した。同成果は、同大学大学院 医学系研究科 間野博行教授らの研究グループによるもので、3月28日付けの英国科学誌「Nature Genetics」オンライン版に掲載された。B-ALLは、15才から39才までの思春期-若年成人(AYA)世代に最も多いがんのひとつで、その9割以上においてがん遺伝子・発がん機構がわかっておらず、有効な分子標的療法も存在しない。同研究グループは今回、AYA世代のB-ALL患者73例の白血病細胞からメッセンジャーRNAを調整し、それを次世代シーケンサーにより網羅的に解析することで、融合遺伝子の探索を行った。この結果、B-ALLの約65%の症例が何らかの融合型がん遺伝子を有することを発見。このうち、最も多く見られたのはDUX4-IGH融合遺伝子で、2番目に多いものはZNF384融合遺伝子、3番目に多いものは新規MEF2D融合遺伝子となった。DUX4は健常者の体細胞では発現していないが、遺伝性疾患である顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーにおいては高発現して細胞死を誘導し、筋細胞の減少によって筋ジストロフィー症状を示すことが知られている。しかし同解析の結果、AYA世代のB-ALLにおいては、DUX4遺伝子が、後ろ側が削れたうえでIGH座に挿入されて融合し、免疫グロブリン遺伝子転写調節領域の強力な作用によって大量のDUX4-IGHの融合タンパクが産生されることが明らかになった。同融合タンパクは筋ジストロフィーで見られた細胞死誘導能を失っており、代わりに強力な発がん能を獲得することが確認されている。さらに、DUX4-IGH融合タンパクをネズミのB細胞で発現させるとネズミは白血病を発症すること、またDUX4-IGHを持っているB-ALL細胞株でDUX4-IGHの発現を低下させると細胞死が誘導されることも明らかになっており、DUX4-IGHはB-ALLの治療標的となることがわかる。またAYA世代B-ALLに認められるZNF384融合遺伝子の多くは既知のEP300-ZNF384遺伝子だが、MEF2D遺伝子の融合パートナーは新規のBCL9とHNRNPUL1だった。EP300-ZNF384、MEF2D-BCL9、MEF2D-HNRNPUL1融合遺伝子のいずれも、がん化能を獲得しており、DUX4-IGHと同様にネズミで白血病を発症させることがわかっている。なおDUX4-IGHは、AYA世代に特異的に存在しており、小児B-ALLには極めてまれにしか存在せず、成人B-ALLでは検出できなかったという。同様にZNF384融合型がん遺伝子もAYA世代特異的な遺伝子融合であった一方、MEF2D融合型がん遺伝子は小児期とAYA世代B-ALLに同じ頻度で見つかり、成人ALLには存在していなかった。さらに今回の研究では、患者の治療反応性を調べた結果、DUX4-IGHあるいはZNF384融合型がん遺伝子を有する白血病は予後良好群に属し、MEF2D融合型がん遺伝子陽性の白血病は予後不良群に属することも明らかになっている。同研究グループは今回の発見について、AYA世代B-ALLに対する新しい分子標的治療法開発や、同疾患の速やかな予後予測診断法の実用化につながることが期待されるとしている。
2016年03月29日ともに関西出身の佐々木蔵之介と「関ジャニ∞」横山裕をW主演に、大阪在住のベストセラー作家・黒川博行の直木賞受賞作「破門」が映画化されることが決定。同じく大阪出身の小林聖太郎監督のもと、ボケとツッコミのような史上最強の(?)凸凹コンビが誕生することになった。舞台は大阪。弁は立つが、うだつの上がらない建設コンサルタントの二宮啓之(横山裕)は、“サバキ”と呼ばれる建設現場での暴力団対策の仕事を主な収入としていた。だが、この仕事を通じて二蝶会の強面ヤクザの桑原保彦(佐々木蔵之介)と知り合ったのが運のつき。ある日、小清水という映画プロデューサーが持ち込んだ映画企画に、二蝶会の若頭・嶋田が出資をすることを決め、桑原が実務を担当することになる。しかし、小清水は金を持ったままドロン。これは、もしや出資詐欺!? 映画製作の出資金を持ち逃げされた桑原と二宮は、資金回収のため、関西、そしてマカオを奔走するも、巨額の資金をめぐる争いはやがて組同士のトラブルにまで発展!追いかける二人が、いつの間にか追われることに!?貧乏建設コンサルタントが“疫病神”の最凶ヤクザと出会ったことから、儲け話にダマされる…。黒川氏の大人気“疫病神”シリーズで第151回直木賞を受賞した「破門」が待望の映画化。“疫病神”となってしまう強面ヤクザの桑原に、『超高速!参勤交代リターンズ』『エヴェレスト 神々の山嶺』も控える佐々木さん。また、口だけは達者な非モテ独身建設コンサルタントの二宮には「関ジャニ∞」の横山さんと、それぞれ京都、大阪出身の2人がW主演。メガホンをとるのは、『毎日かあさん』『マエストロ!』の小林監督。黒川作品とは、今年7月、WOWOWの連続ドラマW「煙霞~Gold Rush~」に続いて2作目のタッグとなる。大阪からマカオまで、圧倒的アクションとともに面白さ満載の掛け合いで繰り広げられるノンストップな2人の珍道中に、いまから期待していて。<以下、コメント>■佐々木蔵之介狂犬のようで、それでいて喋りはおもろく、でもやっぱり強面な、とてもチャーミングな主人公にゾッコンです!最高に痛快でカッコイイ原作を得て、監督や横山さんと、この作品に身を置けると思うと血が騒ぎます。■横山 裕原作の圧倒的な世界観に魅了され、「ぜひ参加したい!」とすぐに思いました。バイオレンスの要素がありつつも、二人の軽妙なやり取りが基盤になっていますので、佐々木蔵之介さんとボケとツッコミのような関西の「ノリ」も出していけたらと思っています。小林監督にどう料理していただけるか、撮影が楽しみで仕方ありません!■小林聖太郎監督不思議な縁と申しましょうか、計画したわけではないのですが、今年は黒川作品の映像化に続けて関わることになりました。アメリカ村からマカオのカジノまで、狂犬ヤクザとぐうたら貧乏の凸凹コンビが繰り広げる珍道中。肩肘張らずに楽しんでいただければ嬉しく思います。■原作者:黒川博行いやぁ、わくわくします。小説と映像が異質のエンターテインメントであると知りつつ、そこをどう具現化して見せてくれるか愉しみでなりません。俳優陣も実力派ぞろいで文句なし。佐々木さんと横山さんが疫病神コンビをどんなふうに演じてくれるのでしょう。原作者として、とてもうれしく思います。小林監督の本領発揮。一級のロードムービーになることに間違いありません。映画『破門』(仮題)は2017年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年10月19日