「油」というと、調理に使う油やドレッシングなど、目で確認しやすい油をイメージしがちです。「実は、見た目では分からない隠れ油が含まれる食べ物がたくさんありますよ」と言うのは、糖尿病専門医の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生。詳しいお話を伺いました。■脂質は1日30~40グラム取るまず、油について、福田先生はこう説明します。「油脂は、原材料によって植物性の『油』と動物性『脂』があります。混乱しそうですが、区別してとらえてください。油脂と脂質は同じ意味ですが、脂質とは三大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)の一つで、主に肝臓で中性脂肪やコレステロールの合成に使われ、体の細胞膜やホルモンの成分になります。脂質は体内で1グラムにつき9キロカロリーのエネルギーになり、ほかの栄養素である糖質(1グラムにつき4キロカロリー)やタンパク質(同)の2倍以上のカロリーになります。1日に食べたカロリーが、消費したカロリーよりも多くなると、消費できずに余ったエネルギーは中性脂肪となって皮下や内臓周囲の脂肪細胞に蓄えられます。太る原因はここにあります」では、どのくらいの脂質をとるといいのでしょうか。「栄養バランスを考えたうえで、自分にとっての適量をとるようにしましょう。細かい計算式があるのですが、おおよその例を言いますと、まず、1日の食事で摂取するカロリーの目安は、デスクワークなど動きの少ない男性で1,600~1,800キロカロリー、女性で1,400~1,600キロカロリーです。このうち糖質は55~65%、タンパク質は15~20%、脂質は20~25%の比率で食べるのが、栄養バランスがとれていると言えます。つまり、1日30~40グラムの脂質摂取量を目標にするといいでしょう。栄養素にはそれぞれ、体のどこそこの部位や組織に使われるといった役割があります。ですから、脂質をとらないでタンパク質だけをとるなど、比率を無理に変えると、リバウンドどころか、すぐに体調不良、病気を招くことになるのでその点は注意してください」■どのくらいの脂質が含まれているかチェックするでは、隠れ油が含まれているかどうかは、どのように確認すればいいのでしょうか。「当院の管理栄養士に聞いたところ、ポイントは、食品の表示をよく見て、何グラムの脂質が含まれているかを確認することで、チェックするうちに、『意外と多く脂質が入っている』ということが分かってくるでしょう、とのことです。例えば、野菜の煮物100グラムの脂質は約2グラムですが、サーロインステーキ100グラムには約26グラムが含まれます。肉の加工品である、ベーコンやソーセージ(50グラム当たり、脂質は14グラム)にも注意しましょう。・揚げ物ノンフライであっても、味付けパウダーを定着させるために油を少量振りかけている場合があります。・調味料、加工品マヨネーズやドレッシングなど、生野菜に味を付けるための加工品は、生の野菜にも合わせやすいように油脂を使用しています。多くかけ過ぎないことがポイントです。また、ポタージュスープ、デミグラスソースなどのソース類、カレーのルーにも隠れ油が含まれます。カレーのルー1人前15グラム当たり、脂質は約5グラムです。・乳製品バター、生クリーム、マーガリン、ホイップクリーム、コーヒーのクリームに油がよく隠れています。最後に福田先生は、次のアドバイスをします。「油脂は空気に触れて酸化すると、食品の色や風味、食感などが悪くなり、健康にも害をおよぼします。油は棚の下の暗くて涼しい場所に保管し、賞味期限内に使用しましょう。また、揚げ油を何度も使用するのは避けてください。繰り返し使った油は酸化して黒くなります。また、そうした油を使用しているお店は避けるようにしましょう」知らず知らずのうちに隠れ油のとり過ぎでメタボになっていた……ということを避けるためにも、自分の食事内容を把握するよう、食品表示のチェックから始めましょう。監修:福田正博氏。大阪府内科医会会長。医学博士。糖尿病専門医。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)、『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス)、最新刊の『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』(アスキー新書)は、一般の人対象のヘルシーダイエットの実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(岩田なつき/ユンブル)
2012年07月29日株式会社イザヴェルは、衣類にスプレーすることで衣服を汗ジミや紫外線による黄ばみから守る「香るプロコートスプレー」を4月1日に発売すると発表した。販売価格は100mlで1,575円。同製品は、服にスプレーするだけで汗ジミができなくなる。汗や紫外線をブロックするUV吸水コート剤配合で、紫外線をカットしながら汗ジミを作らせないという。汗ジミは、たとえ汗が乾いても、汗に含まれるさまざまな成分は衣服に残っている。ここに紫外線を受けそのまま放置すると黄ばみの原因となってしまう。同製品をスプレーすると、噴霧箇所の布地は水をはじくようになるため、汗とりパットなどを当てなくても汗ジミの心配がなくなる。なお、スプレーのはっ水効果は洗濯をするまで続くため、1日に何度も噴霧する必要はない。抗菌・消臭効果とローズの香りも加わっており、直接肌にスプレーする制汗剤と比較しても楽で経済的かもしれない。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月23日