TCエンタテインメントはこのほど、DVD「黒田博樹のカープ愛~野球人生最後の決断~」を発売した。プロ野球の黒田博樹選手は、広島東洋カープ(以下広島カープ)入団後にメジャーデビューを果たし、ドジャースとヤンキースで活躍した。今年はメジャー球団からの巨額年棒の提示を断り、2007年以来、8年ぶりに古巣・広島カープに復帰した。同商品は、黒田選手の"野球人生最後の決断"を記念した完全保存版DVD。2月16日に行った広島カープ復帰記者会見を完全収録している。さらに、広島カープ時代の映像や通算79勝をマークしたドジャース・ヤンキース時代の活躍シーン、今年1月にロサンゼルスで公開した自主トレーニングの様子とインタビュー映像、8年ぶりに広島カープのキャンプに合流した映像なども収録している。価格は2,800円(税込)。特典グッズとして、黒田博樹オリジナルステッカーも付いている。
2015年03月17日白泉社は3月13日0時より、マンガ「誰(た)がために ~黒田博樹物語~」の配信を、無料WEBコミックマガジン「ヤングアニマルDensi」にて開始した。同作は、メジャーで活躍していた黒田博樹選手の広島東洋カープ(以下広島カープ)電撃復帰を記念して発行するもの。ヤングアニマルに掲載した2話と描き下ろしの1話の全3話を無料配信する。第1話は、2006年の出来事を基にしたストーリーとなっている。同年にFA権を獲得した黒田選手は、権利を行使して他球団へ移籍する可能性が報じられていた。しかし、同選手は2006年ペナント最終戦に、広島カープファンの思いに心を打たれ、チームへの残留を決意する。第2話は、同選手の「男気」をテーマにしたオリジナルストーリー。同選手が広島カープで投手として活躍する2007年、広島に異動してきたある1人のサラリーマン青年は、仕事がうまくいかず悩んでいた。その折、青年は偶然観戦したカープ戦で、同選手のピッチングを見て勇気をもらい、前向きに自身の人生を歩む決意をする。第3話では、メジャーリーグで79勝という成績をおさめ、20億円以上のオファーを受けたと報じられた同選手が、2015年に広島カープに復帰する「はじまりのストーリー」を描いた。2月16日に行われた復帰記者会見がベースとなっている。(C)2013HAKUSENSHA all rights reserved.
2015年03月13日TOKYO FMは3月14日、21日の2週にわたり、スポーツ×音楽プログラム「TOYOTA Athlete Beat」にて、プロ野球・黒田博樹選手のスペシャルインタビューの模様を放送する。「TOYOTA Athlete Beat」は、注目のアスリートたちの素顔に迫るラジオ番組で、野球をはじめとするスポーツを好む俳優・藤木直人さんと、毎週フットサルをしているというタレントの伊藤友里さんが進行を務める。黒田選手は広島東洋カープ入団後、2007年にFA宣言。翌年メジャーデビューを果たし、ドジャースとヤンキースで活躍した。今シーズンは、20億円とも言われているメジャーからのオファーを振り切って、8年ぶりに古巣に復帰した。番組内では、「この先の野球人生がどうなるか分からないから、最後まで悩んでいた。待ってくれているファンもいる。一方で年齢も考えての決断でした」と復帰について語っている。古巣・広島カープのユニフォームには「この年齢だから、赤のユニフォームは似合わないか……」と照れる場面も。ゲストに迎えた選手が1曲を選ぶ同番組のコーナー「Cheer up songs!」では、お気に入りの曲を紹介。その曲は、昨年たまたま広島にいたときに出向いたコンサートで聴いた曲であったという。当時はアメリカに残るか広島に帰るかで悩んでいた時期であり、その曲の内容が自分自身と重なったとのこと。同プログラムでは、黒田選手のサイン入り広島カープタオルマフラーのプレゼントも予定している。放送時間は10時~10時50分。
2015年03月13日ブラインドサッカー日本代表の黒田智成選手、元サッカー選手の北澤豪が11日、WOWOWのノンフィクションW『盲目のストライカー 世界へ~ブラインドサッカー日本代表 闘いの軌跡~』の完成披露試写会に出席した。同番組は、視聴覚障がい者が行うブラインドサッカーの日本代表として活躍する黒田選手を、約1年にわたって追ったドキュメンタリー番組。昨年11月、東京で開催されたIBSAブラインドサッカー世界選手権に挑んだ日本代表チーム、ストライカーでエースの黒田選手の戦いに密着した内容で、番組は21日13時から放送する。試写を終えた黒田選手は、「大観衆の中、日本で戦えて最高の気分でした。続けてきて良かった」と大会を振り返り、「自分が上手くなりたいと思ってプレーをしてきたけど、会場にいるみなさんを笑顔にして喜び合えるんだと感じた」とサポーターたちからも刺激を受けた様子。一方で、「同時に、悔しさもこみ上げて来ました。ベスト4以上を達成できるように頑張っていかないと」とも語ると、北澤は、「(サッカー日本代表を)ライバル視されましたからね。お互いに競い合うのは大事」と笑顔を見せた。プレー中の衝突に対して恐怖心がないという黒田選手だが、「街の中は自転車や車など危険がいっぱい。ピッチの中は安全なので、思いっ切り走ることができる」と嬉々として話すと、ブラインドサッカーを体験したことがある北澤は、「怖くて、腰が下がって手が前に出ちゃうんです。体験をすると難しさを感じる。黒田くんのように手を振って走るのはすごいこと」と感嘆。そんな黒田選手は、2016年にブラジルで開催されるパラリンピックに向けて、「まずは出場すること。可能性は限りなくあることを信じて、どこまで行けるか追求していきたい」と意気込んでいた。
2015年03月12日東京都千代田区丸の内の東京シティアイ・パフォーマンスゾーンで、黒田官兵衛にちなむイベント「官兵衛フェスタin東京」が開催される。日時は12月13日~14日の10時~20時まで。○NHK大河ドラマで使用された品も展示福岡県、大分県、岡山県、兵庫県姫路市が主催する同イベントは、黒田官兵衛とゆかりの地の魅力を来場者に伝えるため、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の最終回に合わせて行われる。期間中は、黒田官兵衛、母里太兵衛、光姫といった人物ゆかりの地のゆるキャラが集まる「官兵衛ゆかりの地ゆるキャラ大集合」や、黒田家の家臣らで結成した「武将隊」がステージに登場して演武を披露する「福岡黒田武将隊+(プラス)」を実施。また、母里太兵衛をモデルにした民謡「黒田節」に合わせてロボットが舞を披露する「黒田節ロボット」などのイベントが行われる。そのほか、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で実際に使われた衣装や兜などを展示する「NHK大河ドラマ関連展示」も展開。紙製の甲冑を着て記念撮影が出来る「甲冑体験」、各県・市のブースで貰えるスタンプを集めると、温泉旅館宿泊券、特産品詰め合わせなどの賞品が当たる「ゆかりの地巡りスタンプラリー」といった参加イベントも用意している。
2014年12月12日「ラッド ミュージシャン(LAD MUSICIAN)」が10月20日、東京・恵比寿のガーデンホールにて15SSコレクションを発表した。ブランド創立20周年を迎える今シーズンのテーマを「SPACEMEN」とし、好きなテイストで固めることを試みたデザイナー・黒田雄一。本人が最も好きなミュージシャン、ソニック・ブーム(SONIC BOOM)へも今回のコレクションのために声を掛けたという。レーザーとスモークによるオーロラのベールに包まれた会場。最初に目を引いたのは、サイケデリックでグラフィカルなプリントだ。これはソニックブームとのコラボレーションによるシリーズで、氏が中心メンバーであったバンド、スペースメン3(SPACEMEN 3)や、スペクトラム(SPECTRUM)のアートワークを使用したもの。その後も、首元に十分ゆとりを持たせた宇宙服を髣髴とさせるフード付きのパーカーなど、立体的で構築的なディテールや、ブレてぼやけたような柄のブルゾンやシャツなどサイケかつフューチャリスティックなムードが続く。しかし、細身のパンツとスタイリングしたり、プレーンな質感の素材を用いたりとミニマルにラッドらしく統一。レーザーのように細く華奢なネックレス・ブレスレットなどのアクセサリーもさりげなくアクセントを与える。終盤になるとモデル達はシルバーグレー一色となり、静かな迫力を感じさせた。ショー終了後には同会場でアフターアニバーサリーパーティーを開催。ソニック・ブーム、日本のオルタナディブロックバンド「ザ・ノーベンバーズ(THE NOVEMBERS)」、宇川直宏が率いるVJチーム「DOMMUNE VIDEO SYNDICATE」などがライブパフォーマンスを行った。
2014年10月26日現在放映されているNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」では、岡田准一さん演じる黒田官兵衛が日に日にスゴみとシブさを増していき、特に相手とのギリギリの駆け引きや調略シーンはドラマの見どころのひとつとなっている。だが、官兵衛は調略だけでなく、攻城戦でもその才をいかんなく発揮している。そこで今回、歴史上、官兵衛の軍略の真骨頂というべき3つの城攻めについて紹介しよう。○事前準備を周到にすませ、相手の戦意を削ぐ~VS吉川経家 @鳥取城~天下を目指す織田信長に、中国平定を任された羽柴(豊臣)秀吉と官兵衛。1581年(天正9)7月、秀吉は2万の兵を引き連れて、鳥取城を取り囲んだ。対するは、毛利元就の次男である吉川元春も一目置いた、勇将・吉川経家。数の上では圧倒的不利だったが、経家は一縷の望みをかけて籠城戦にのぞむ。しかし、城内の様子を見て愕然とした。命綱である兵糧が、ほとんど残されていなかったのである。実は秀吉は先年、播磨(兵庫県)の三木城攻略の折にも、同様に兵糧攻めを行っていた。城主の別所長治の切腹と城の開城を成し遂げたものの、2年という長期戦となったのも事実で、何とか短期決戦を望んでいた。そして今回の鳥取城攻城にあたり、官兵衛は秀吉にある秘策を献言する。すなわち、1)周辺の米を高値で買い占め、鳥取城に食料を持ち込ませないこと2)鳥取城下の領民を襲って城に逃げ込ませ、備蓄食料の消費を早めることさらに官兵衛は兵糧を運びに来る毛利軍に対処するため、海上の防備を固めて封鎖。徹底的に相手の補給路を断ったのだ。こうして周到に準備を済ませると、秀吉軍は鳥取城を悠々と取り囲む。鳥取城内では次々と餓死者が現れ、飢え苦しんだ兵たちは牛や馬、草を食べ、果ては兵の死肉まで食らう惨状となった。極限の飢餓状態が続いた約3カ月後、経家はついに降伏。2年かけた三木合戦よりも、圧倒的なスピードでの完全勝利となった。ちなみに、ドラマではこの「鳥取の渇殺し(かつえごろし)」はあまりに悲惨な合戦のためか、スッパリと割愛されている。○低湿地帯を利用して城をまるごと沈没~VS清水宗治 @備中高松城~1582年(天正10)3月、秀吉は毛利輝元の属将である清水宗治の守る備中高松城(岡山県岡山市)を攻めた。官兵衛ももちろん従軍し、まずは宗治に投降を促すも宗治は全く応じない。やむなく城攻めとなるが、城は低湿地と川に守られた自然の要害で進軍は容易ではなかった。そこで官兵衛はこの立地を逆手にとり、堤防を築いて川の流れをせき止め、城ごと沈めるという策を編み出す。策が採用されると官兵衛はすぐさま城を囲む堤防の工事を命じ、水攻めの手はずを整えた。梅雨の雨も功を奏してこの歴史的な奇策は成功し、備中高松城は「浮城」と呼ばれるような水没状態に。いよいよ宗治の降伏を待つのみとなったが、ここで秀吉のもとに急報が届く。織田信長が本能寺の変で横死したのだ。「ご運が開けました!」信長の死をむしろ秀吉出世の好機と見た、官兵衛の最も有名なセリフだ。「軍師官兵衛」で岡田准一さん演じる官兵衛は、泣き叫ぶ竹中直人さん扮する秀吉の肩をゆさぶり目をむいて、「お気を確かに! 分かりますか?」と必死に訴えた。顔には笑みすら浮かんでおり、その迫力に「岡田官兵衛渾身の演技」と感じる人も多かったようだ。信長の死を知った官兵衛はすぐさま毛利軍のもとへ和睦交渉に向かい、清水宗治の切腹と引き替えに城内の兵全員の助命を約束した。絶望的な状況の中、兵たちの命を重んじた宗治はその条件を潔く受け入れる。そして水辺に小舟を浮かべて一差し舞うと、腹を切って果てたのだった。自らの命をもって多くの領民を救った清水宗治を悼み、今でも城下では「宗治祭」を催して、その魂に感謝を捧げているという。辞世の句にしたためた通り、宗治の武名と心意気は、まさに高松の地に染み渡ったのである。○厭戦状態を察知し、丸腰でひとり敵陣へ~VS北条氏政・氏直 @小田原城~秀吉は着実に天下統一への足場を固めていく。残す反秀吉勢力は関東の北条家のみだった。1590年(天正18)、上杉謙信・武田信玄の龍虎すら手が出せなかった堅城・小田原城に立てこもり、徹底抗戦を試みる北条氏政・氏直父子に対し、20万ちかくの兵力を持つ秀吉軍は北条の支城をひとつずつ攻め落として小田原城を孤立させ、同時に兵糧攻めも行いながらじりじりと北条軍の士気を下げていく。官兵衛は時を見計らうと、弱り切った北条軍のもとへ陣中見舞いを届けたのち、なんと単身、小田原城に乗り込んだ。肩衣(かたぎぬ)姿で刀を帯びずに、北条氏政・氏直の親子に対面を要求する。放送でも、官兵衛と城主・氏政との和睦開城をめぐる鬼気迫るシーンが注目された。かくして官兵衛は交渉を成功させ、ついに小田原城の無血開城を実現した。ここに、秀吉の天下統一が合い成ったのである。○官兵衛の城攻め、すなわち「戦わずして勝つ」こうしてみると、官兵衛は双方血を流さぬよう、極力戦を避けてきたのが分かるだろう。「戦わずして勝つのが最善の法」というのは兵法書『孫子』の教えだが、官兵衛はそれを見事に体現した。現在でいう「Win-Win」の関係を最善の状態で築こうとしたのである。さて、「軍師官兵衛」はいよいよクライマックス。専横を強めていく秀吉、石田三成との衝突、存在感を増す徳川家康の暗躍と、ますます見逃せない展開だ。今回紹介した各城にはいずれも城趾公園が整備され、鳥取城以外は資料館が併設されている。ドラマの舞台を是非実際に訪れて、官兵衛の戦いの軌跡をたどってほしい。(文・かみゆ歴史編集部 真田明日美)○筆者プロフィール : かみゆ歴史編集部歴史関連の書籍や雑誌、デジタル媒体の編集制作を行う。ジャンルは日本史全般、世界史、美術・アート、日本文化、宗教・神話、観光ガイドなど。おもな編集制作物に『一度は行きたい日本の美城』(学研パブリッシング)、『日本史1000城』(世界文化社)、『廃城をゆく』シリーズ(イカロス 出版)、『日本の寺完全名鑑』(廣済堂出版)、『大江戸今昔マップ』(KADOKAWA)など多数。また、トークショーや城ツアーを行うお城プロジェクト「城フェス」を共催。「かみゆ」「城フェス」
2014年10月16日日本の伝統文化である江戸小紋を90年にも渡り染め続けてきた「廣瀬染工場」の4代目、廣瀬雄一。武士の裃(かみしも)がルーツとなり、今日まで400年の歴史を持つ伝統工芸品・江戸小紋を日本だけでなく世界に広めるべく活動する廣瀬。新たな世代へ伝えるべく、ストールブランドも立ち上げた。彼が考える江戸小紋とは?工場に潜入した。1918年創業。神田川と妙正寺川が落ち合い、奇麗な水を求めて多くの蛍が集まったことで浮世絵にも描かれた地域である東京・落合に工房を構える廣瀬染工場は、歌舞伎役者の着物を専属で染めるなど、型染めを継承し4代にわたり江戸小紋を染め続けてきた老舗だ。まず、案内されたのは型付け場。もみの木の長い1枚板に白い反物を張り、その上に型紙を乗せ、ヘラで色糊を置く。作業をする廣瀬の眼は布を射抜いてしまうのではないかと思うほどに真剣だ。見ているこちらも、息を潜めてしまうほどの緊張感が伝わる。型付け場では、型紙のくり抜かれた部分の模様を生地に型付ける、染めの中で最も重要な作業を行う。柄によってくり抜かれる模様のサイズが異なり、その模様部分のサイズに合わせて色糊の量やヘラを動かすスピードを調整する、まさに職人の技。反物の長さに対して型紙のサイズが小さいため、1反染め上げるのに40から50回は同じ作業を繰り返し、色むらなどが出ないよう1反を染める作業は必ず1日で終わらせる。気が抜けない集中力が問われる作業だ。しかも、太陽の光が降り注ぐ午前中が勝負だという。次に案内されたのは型部屋。3畳程の広さの部屋に、4,000柄を超える型紙を保有している。3枚の和紙に柿渋を塗り重ね合わせることで強度を増した型紙には、1枚1枚繊細な絵柄が彫られている。1枚の型紙で30から50反分の型付け可能だが永久に使えるわけではない。使えなくなった型紙は改めて新しい和紙にデザインを彫って型紙を作ることでデザインを継承している。和紙でできているため乾燥に弱く、型部屋の湿度管理はとても重要で、昔は弟子がこの部屋に住み込み、型紙の状態を手で触って確認したり、型紙が盗まれないように番を兼ねて寝泊まりしていたそうだ。「今と昔のデザインでは大胆さやエネルギーが違います。昔は食べる物も食べられなくて、“この反物を売って飯を食わなくちゃ”というハングリー精神やダイナミックさを感じる物が多いですが、最近ではそういった物よりも繊細さが前面に出た物が多いですね」と廣瀬は語る。型部屋の隣にあるのは、しごき場。糊が乾いた反物を板からはがし、染料の入った地色糊を生地全体に塗り付ける「しごき染め」という工程を行う部屋だ。ローラーを通すことで均一に色が付き、地色糊が乾くまで生地が重なり合う部分におがくずをまんべんなくまぶすことで糊がひっついたり色移りすることを防ぐ。空気が乾燥しにくいことから、この部屋は工房の北側に位置する。逆に前述の型付け場は太陽光が降り注ぐ南側に位置し、工房全体が染色工程の理にかなったレイアウトになっている。他の工房では、染める・蒸す・洗う・干すなどの染色工程を分業にて行う工房もあるが、廣瀬染工場では染色工程を一貫して行うためすべての技術と設備を完備し、6人の職人が分業で担当。染色技法、染色工程、工房のレイアウト、一つひとつに長い歴史が培って来た繊細な心づかいを感じさせる。2/2に続く。
2014年07月21日指原莉乃(HKT48)主演の映画『薔薇色のブー子』が公開を迎えた。監督は指原の面白さを引き出すことにかけては右に出る者がいないと言われる福田雄一。公開を記念して、日本エンタメ界異色の黄金コンビに話を聞いた。その他の写真過去にも指原と数々の作品を共にしてきた福田。公の場でたびたび指原に容赦ない罵詈雑言を浴びせながら、なぜか炎上どころか指原ファンの喝采を集めてしまう男でもある。福田は「僕がさっしー(指原)をボロクソに言うのは、単純に女性としてタイプじゃないから!」と悪びれることなく言い切る。一方で「じゃあなんで、さっしーのことを追いかけるのか?面白いからに尽きます」とも。「劇団もやって、お笑い芸人の座付き作家もやって、笑いを仕事にしてきた僕が二十歳そこそこの女に笑わされてる。何にウケてるのか?分かんないけど、僕がこれまで学んできた笑いの方程式と全く違うものを持ってるんですよ」。一方の指原は福田を「すごい人」と語る。いや、正確には今回、初めてすごい人だと気づいた…。「今まで、監督の作品に出ても(完成作を)観てないんですよ(苦笑)。今回、初めて観て『だからこういう顔をさせたのか!』とか納得した部分がたくさんありました。モヤモヤが晴れました(笑)!」。文句ばかりの主人公“ブー子”が次々と不運に見舞われるさまを描いた本作だが、指原は「私も文句ばかり言うのですごく似てるし、共感した」という。福田は、そんな指原が本領を発揮したシーンとして冒頭で彼女が大学受験システムに文句を垂れるシーンを挙げる。「セリフを当日渡したら『覚えらんないですよ!』って文句言うんですよ(笑)。『だいたいの内容でいいから』とやってもらったら、抜群にうまかった。特に眉間にしわ寄せて文句言ってる顔が(笑)!」。「文句言わせたら誰よりうまい自信がある!」(指原)、「長くやってきて、初めてさっしーを上手いと思った」(福田)というこの場面。わざわざブー子の幼少期を演じる子役にも見せて、同じ顔で演じさせたとか…。指原の面白さを「いまだに解読できないし、だからこそ追いかけたくなる」と福田。これに対し「そうですね…。すいません、いま全然、話聞いてなかったんですけど(笑)」とあっけらかんと返す指原。「面白すぎて、ぶん殴りたくなることがちょいちょいありますよ」――また新たな創作意欲を刺激されたかのように、福田は嬉しそうに笑っていた。『薔薇色のブー子』公開中取材・文・写真:黒豆直樹
2014年06月10日画家・黒田アキと小篠弘子によるトークセッションが11月26日、東京・銀座のKHギャラリーで行われた。2月23日まで同会場で開催されている展覧会「黒田アキ『宇宙庭園=コスモガーデン』+小篠弘子」のオープニングレセプションで行われたもの。2人はコラボレーションや今後などについて語った。トークセッションは「黒田先生は大御所中の大御所。現代のシャガールともいえる凄い人。でも、お話をしてみると、面白くて、いい『おっちゃん』で、楽しいことをしよう、ということになった」(小篠氏)、「僕も緊張したが、初めて会ったときから、昔から知っている人と話しているように感じた」(黒田氏)という出会いの印象からスタート。今回のコラボレーションについて、小篠氏は「通常のように、それぞれの作品を並べるのではなく、もっと違う、面白いことをしたかった。そこで、先生の作品の中に私(の作品)が入っていくようなものにした。私はコスモガーデンの中で、迷いに迷って、さまよっている感じだった。でも、迷うことも面白かった。迷うというのは、どこかにたどり着こうとすることだし、人生はいつも迷っているものだから。それがコスモガーデンのテーマなのかな、と思った」と説明。黒田氏はコスモガーデンについて「簡単に言うと、僕の頭の中。誰でも入ることができるが、答えは出したくないし、答えは出ないと思う。(見る人にも)迷ってほしいし、僕自身迷っている」と話した。また、小篠氏は来年の春に、パリで(画家小篠弘子として単独での)個展を開催することも発表。小篠氏は「黒田先生が違うジャンルの人とコラボレーションしているのを見てうらやましいなと思っていたが、今回はお互いに画家としてのコラボレーション。始めたばかりの新人と大家とのコラボレーションは、おこがましいことだし、何とかなるやろという思いもあったが、やってみて、やっぱりあかんやろと思った。でも、そのうち……」と、画家としての意気込みを語った。それに対して、若い頃からパコ・ラバンヌとカフェで語り合うなど、ファッションデザイナーとも親交があり、最近も若手デザイナーのモデルを務めたという黒田氏は「そのうち、僕もファッションをやります(笑)」と切り返し、会場を沸かせた。
2013年12月03日「ラッドミュージシャン(LAD MUSICIAN)」の14SSコレクションのテーマは「Minimal Art Rock 70」。1970年に亡くなったアメリカの抽象画家、マーク・ロスコ(Mark Rothko)に捧げられた。デザイナーの黒田雄一は、ロスコのアートに関する哲学をデザインに投影している。マルーン、ブラック、オレンジ、ロイヤルブルーなどからなるカラーパレット。コットンリネンのニットには、モヘア素材を組み合わせてロスコの作品に見られるカラーブロックを表現。ボーダー風のジャカードニットも、色や素材、編み方を変化させて、ロスコが絵具を重ねて作り上げたグラデーションを服作りの技法で再現した。ジャケットやブルゾン、ロングシャツなどトップスは衿などの装飾を排除したミニマルなボックス型のシルエット。クロップド丈のワイドパンツやショートパンツはフロント端にタックを寄せ、細身のパンツには同色のエプロンを重ねてスクエアなシルエットに仕上げている。カモフラージュ柄は手書きで細かく描かれている。鳥の羽で表現した総柄のグラフィックは、ロスコと同時代に活躍した抽象画家のフランツ・クライン(Franz Kline)の絵画がモチーフとなっている。会場はスモークと照明を用いてロスコの絵画のような曖昧な矩形を浮かび上がらせ、アルヴォ・ペルト(Arvo Part )のピアノの旋律からショーがスタート。中盤からはピーター・ケンバー(Peter Kember)のプロジェクト、エクスペリメンタル・オーディオ・リサーチ(Experimental Audio Research)のノイジーな楽曲へと変化し、ロスコの抽象表現主義を音の演出でもなぞってみせた。
2013年11月12日脚本家、演出家、放送作家、俳優など、ともに様々な肩書きを持つ福田雄一とマギー(本名・児島雄一)。このふたりの雄一(=U-1)が共同で脚本・演出を担うユニット『U-1グランプリ』の2年ぶりとなる公演が決定した。U-1グランプリ case04『宇宙船(スペースシップ)』公演情報「僕らの関係性において、“イヤだと思うことが一緒”ってことがすごく大きいんですよね。だからこそふたりでやるのはすごく楽しい」と福田が言えば、「この信頼関係は、回を増すごとに厚くなっていますからね。お互いの使いこなし方を、お互いが非常によく理解している(笑)。だからやってて全然飽きない」とマギー。そんな彼らがこだわり続けているのが、“コント”という形態だ。「やっぱり僕ら、コントが一番好きなんですよね。おもしろいことって思いついても、それを成立させるのは意外と難しい。でもコントだと、わりと軽いタッチでできてしまうというか」(福田)。「一番おもしろいと思ったことをダイレクトに、最短距離で伝えられるのがコントだと思うんです。産地直送、みたいなね」(マギー)。2007年『取調室』、2008年『厨房』、2010年『職員室』(2010年) に続く新作は、『宇宙船(スペースシップ)』と題して、ワンシチュエーション・コント集を展開する。「今って時代的に、“オモシロ気”なものにみんなが食いつきやすいと思うんです。で、宇宙船って、なんかオモシロ気じゃないですか?ただ設定をリアルにすると発想は飛ぶんですけど、逆に設定をファンタジーにすると発想は小さくなる。だから宇宙船の中で、ものすごく細々とした話になるんじゃないかなと思う(笑)」(福田)。「宇宙船内の壁紙の色はどうする? とかね(笑)」(マギー)。また『U-1グランプリ』には、ジョビジョバ(=マギーがリーダーを務めたユニット。現在は活動休止中)のメンバーが出演するという楽しみも。今回は坂田聡が参加、マギーとの久々の共演に期待が高まる。しかしそれ以上に売り文句となりそうなのが……。「福田さんが出るってことですね。変な味わいがあって、これがおもしろい」(マギー)。「ただ全然セリフが言えないんですよ。だから行き当たりばったりで(笑)」(福田)。「上手なんですよ、うまい具合に間を外したりしますから。だからいい共演者ではあるんですけど、誰にとってもいい共演者ではない(笑)。つまり福田雄一のコントローラーを天からもらったのは僕だけっていう、変な自負はありますね(笑)」(マギー)。そんな福田が、今回は"演技派"として挑むと言う。いろいろな点で見逃せない舞台となりそうだ。U-1グランプリ case04『宇宙船(スペースシップ)』は、4月25日(水)から5月6日(日)まで東京・赤坂RED/THEATERにて上演。チケットは2月25日(土)に一般発売開始。取材・文:野上瑠美子
2012年01月24日