「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」は9月27日、15SSコレクションを発表した。ギャザーを寄せ、ボリュームを出した造形的なトップスやワンピースがメイン。片方のショルダーやウエストなどにフリルを形作り、歩くたびに揺れる。スカートもフレアで軽やかな表情。合わせられるのはタンクトップやサイクリングショーツ・トラウザーなどスポーティーなアイテム達。造形のみならずテキスタイルも印象的。パンチングが施されたスポーツ素材に明るいフラワープリントやアブストラクトなグラフィックを乗せた生地が面白い。白、ラベンダー、スカイブルーと相まって春夏らしい明るい雰囲気にまとまっている。
2014年09月29日ランバン(LANVIN)は9月25日、15SSコレクションをパリファッションウィークにて発表した。2014年はジャンヌ・ランバンがメゾンを創設して125周年のアニバーサリーイヤー。「ブランドの125年にわたる遺産、過去、物語を再探訪することからスタートした」とアーティスティックディレクターのアルベール・エルバス(Alber Elbaz)は話す。前半はアールデコ様式を思わせる直線的な布使いから美しいドレープを出したドレスが続々と登場。ダーツ・切り替えは排除され、極めてミニマムに仕立てられている。布は軽やかにしなり、動きにつれて嫋やかな表情を生む。続くジャケットスタイルもシンプルかつリラックスした雰囲気。「今のライフスタイルや現代女性が何を必要としているか、自分に問い掛けてみたんだ。インターネットの影響で画面上ではかっこ良くても実生活では快適でないものをデザインしてしまう傾向にある。今シーズンはスクリーンを離れチームと共に街を歩いてみて、シンプリシティーを追求しようと決めた。必要なのは、美しく仕立てられたネイビーのロングガウンやアイボリーのTシャツドレス、テーラードやレインコートなんだ」ウエストを締めるのは帯のように太いベルト。スリットの編み上げやジップ、ゴールドの縁取り、豪奢なアクセサリーなど装飾的なディテールがスパイスを利かせる。どれもエルバス自身のアーカイブでもある。後半はテキスタイルに装飾性が加わった。ロマンティックなレースや絢爛なジャカード・プリントはメゾンのアーカイブから引用されたものと見て取れる。レースのワンピースに施されたパールの刺繍は、ニットにパール模様を編み込みトロンプルイユ技法をいち早くモードに取り入れたマダム・ランバンへのオマージュだろう。コートやドレス、スカートなどに用いられたゴールドジャカード地やプリントはインテリア事業も営んでいたメゾンの歴史を思い起こさせる。「名香・アルページュからブラック、ゴールド、ブルーなどの色、ドレスのパターンなどメゾンのエッセンスを収集しているうちに、ランバンは最初のライフスタイルデザイナーであることに思い至ったんだ。“何でもないこと”がすべてで、美しいカットとフィニッシュを追求している」まとうモデル達も歴史を表現したように老若登場。母と娘が描かれたブランドロゴを想起させる演出だった。
2014年09月26日パリファッションウィーク初日の9月23日、「ルシアン ペラフィネ(lucien pellat-finet)」が15SSウィメンズコレクションを発表した。夏を意識し、ブルーやオレンジなどビビッドカラーとトロピカルなモチーフを使用。ヤシの木にはスカルの実がなり、迷彩柄のスカルにはハイビスカスの花を飾って平和のシンボルとしている。レーザーで柄を描いたデニムやショートパンツ、ネオンカラーとのコンビネーションが特徴のトートバッグなどがラインアップした。毎シーズンアーティストとのコラボレーションも話題になる同ブランド。今季は写真家のラリー・クラーク(Larry Clark)とコラボしたTシャツが登場。デザイナーのルシアンにとってクラークは尊敬するアーティストの1人で、本社玄関にもクラークの作品が飾られている。一方クラークは、来日した時に東京ミッドタウンのルシアン ぺラフィネの店で買い物したほどぺラフィネの服を愛用していることからこのコラボが実現したという。スコットランド製カシミヤのドライな質感や、高い縫製技術による服作りがファンから根強い人気を集める同ブランドは今年ブランド設立20周年を迎えた。今後、東京オリンピックに向けて日本での新規出店も計画するなど、更なるビジネスの拡大を目指す。
2014年09月23日ニットメーカー・イエリデザインプロダクツは9月10日、15SSシーズンより立ち上げるメンズブランド「イイザ ローン(IISER LOEN)」のファーストコレクションをランウエイショーで発表した。デザイナーは同社代表取締役社長の手塚浩二。場所は六本木のバー「1967」。奇しくも手塚が生まれた年という。40から50代の男性をターゲットにスタイリッシュなリアルクローズを提案する。数多くの洋服を着てきた手塚らしく、パターンはアーストンボラージュなどを手掛けてきた熟練の職人に依頼、デニムは岡山でかつてのビンテージファブリックを復刻、シューズはバッカスと協業するなど、物作りにこだわった。ランウエイには17体が登場。十八番とするニットはインターシャのプルオーバー、シルエットが美しいカットソー、前立てをレザーで切り替えたカーディガンなどを提案。パンツは細身のストレート、アウターはワッペンを施し、遊びを利かせたテーラードジャケットやトレンチコート、アウトシームのレザーブルゾンなどリアルな中に1さじスパイスを加えたアイテムをラインアップした。所々ラメが光り、大人の男の艶を表現。表情のあるパンツはオリジナルで織ったペイズリー柄のテキスタイルだ。「大人の男性達をかっこよくしたい。今は女性無しでは成り立たない時代。身なりや体型に気を使って、女性に良い印象を与えたほうが得。女を味方に付けることは仕事を味方に付けることにもつながるということ。ファッションはライフスタイルやカルチャーへの入り口となる。株や経済だけでない会話の広がりを生む。イイザ ローンがファッションに興味を持つちょっとしたきっかけになれば」と手塚デザイナー。ファーストシーズンは卸しを中心に展開し、2015年2月には表参道ヒルズに直営店をオープンする。店ではカラーやグラフィックを選べるTシャツなど、顧客がデザインに参加できる仕組みを考えているという。アイテム価格帯はトップス9,000から3万5,000円、ニット1万5,000から3万円、ボトムス1万5,000から3万5,000円、アウター7万5,000から25万円。今後ウィメンズ、キッズも構想しているとのことだ。
2014年09月11日「メゾン マルタン マルジェラ(Maison Martin Margiela)」が15SSメンズコレクションを発表した。会場は工事途中のパリ大学校舎内のオープンスペース。メゾンが貫くシュールな作風を、より一歩推し進めたコレクション。服を解体し、素材も丈も違えて左右非対称に仕上げたパンツには、美しいラインのジャケットやライダースを合わせ、細身のスーツには左右の素材が違うブルゾンを重ね、インナーにはヌードカラーのシャツをコーディネート。オーソドックスでは終わらせない、独特の遊びを見せる。パラシュート素材で仕立てたパンツやトレンチは、布帛では出せない柔らかなシルエットを描き、不思議な印象。アーティザナルコレクションのアイテムとして、チュール素材にビーズ刺繍を施したヌーディなトップスも唐突に登場。熱狂的なファンを納得させる、マルジェラらしい“ねじれ”や“ひねり”は健在だ。
2014年08月24日コルドゥリエ修道院跡のパリ医大ホールにて15SSメンズコレクションショーを開催した「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」。創設者のアン・ドゥムルメステールがメゾンを去り、14-15AWウィメンズコレクションよりデザインチームへ引き継がれた同ブランド。現在チーフデザイナーを務めるセバスチャン・ムニエ(Sebastien Meunuer)が、フィナーレにて挨拶のために姿を現した。1974年生まれのムニエは、エスモードでファッションを学び、98年にイエールのコンクールでメンズ賞を受賞。以後、ボンデージからインスパイアされたフェティッシュなメンズコレクションを毎シーズン発表していたが自身のブランドを閉鎖し、2010年よりアン・ドゥムルメステールのアシスタントに就いていた。今シーズンは、アール・ヌーボーに繋がるウィリアム・モリス(William Morris)が提唱したアーツ&クラフツ運動や、美術家ロバート・ラウシェンバーグ(Robert Milton Ernest Rauschenberg)と、彫刻家ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois)の作品がイメージソース。アーツ&クラフツ運動はジャケットなどの刺繍に意匠となり、ロバート・ラウシェンバーグ作品はレイヤードのアイデアに直結し、ルイーズ・ブルジョワは、作品に登場する花と麦のモチーフがアクセサリーなどに引用されている。ムニエは、アン・ドゥムルメステールのDNAを引き継ぎながら、見事メゾンに新風を吹き込むことに成功していた。
2014年08月19日本社ショールームにて、プレゼンテーション形式で15SSメンズコレクションを発表した「アー・ペー・セー(A.P.C.)」。会場では、デザイナー、ジャン・トゥイトゥ(Jean TOUITOU)本人が説明をしながら各アイテムを紹介した。ミニマリズムに徹し、80年代から90年代のスタイルを同ブランドらしく再構築。クラシカルなラインナップながら、ミニマルでシャープなカッティングによりモダンな印象で、スクールボーイ的なフレッシュさを漂わせる。シャツに見られるジオメトリックなモチーフは、新進気鋭のイラストレーター、ピエール・マリー(Pierre Marie)によるもの。プレゼンテーション最後に、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のメンズ部門で経験を積んだルイ・ウォン(Louis Wong )とのコラボレーションライン、「ルイ・W フォー アー・ペー・セー(Louis W. for A.P.C.)」のボンバージャケットが本人と共に紹介された。
2014年08月11日「ポール・スミス(Paul Smith)」はパリ中心部の旧商業取引所を会場に15SSメンズコレクションのショーを開催した。円形のランウエイには、様々な種類の植物が置かれ、現代美術の国際展覧会「ベネツィア・ビエンナーレ」の初日に、世界から集まるアーティストやギャラリストたちのクリエーティブで機能的な着こなしからインスパイアされたコレクションを展開。サテンのジャケットや植木鉢柄のジャカードニットには、パジャマ風のサテンパンツを合わせ、リラックスした雰囲気。ボタニやペイズリー、ボーダーなどの他に、ポップアート調に描かれた手、皮をむいたバナナなど、キッチュなモチーフのニットが豊富。スコティッシュチェックのブランケットのような、フリンジを施したシャツやショーツなども目を引いた。いわゆるビジネス向きのスーツは影を潜め、多くは遊びのある、明るくて享楽的なアイテムで全体を構成していた。
2014年08月10日自社ショールームで15SSメンズコレクションのプレゼンテーションを行ったルシアン・ペラ・フィネ(lucien pellat-finet)。南国に咲く花やサーフィンなど、共通テーマに「自然」を掲げながら、定番の迷彩やスカルモチーフを随所に散りばめ、全体のコレクションに溶け込ませている。今シーズンのカシミアニットのインターシャモチーフに選ばれたのがシンプソンズ。ユーモラスでありながら、どことなく毒を漂わせる。また、映画監督であり写真家の、ラリー・クラーク(Larry Clark)の写真をプリントしたコラボレーションTシャツシリーズも登場。クラークが得意とする、痛いけな少年たちのポートレートを前面にプリント。Tシャツ本体は、目の細かい織りながら通気性に優れ、このメゾンならではの高級感溢れる定番アイテムだ。
2014年08月06日モデルに栗原類をキャスティングしたことも話題となったヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)の15SSメンズコレクション。会場となったのは、パリのショールーム。インスピレーション源となったのは、小津安二郎の映画『東京物語』。人間の生と死までをも見つめた深淵なこの映画のストーリーから、「PERDU(失われたもの)」というテーマを導き出しコレクションに落とし込んだ。ジャカード織りのスーツには、プリントのシャツを合わせてモチーフ・オン・モチーフに。ホルスターやハーネスのようなベルトのジャケットがあるかと思えば、ノマド風のケープが登場し、バリエーション豊かなシルエットを見せた。ピンストライプの生地をくり抜いてアップリケ刺繍したスーツや、ボタンを沢山縫い付けたジャケットなど、手の込んだアイテムも。ゆったりしたシルエットのデニムのセットアップも印象的だ。刷毛で汚したようなモチーフのシーチング地のシリーズでは、バックサイドに迷いネコや迷い犬の写真をプリントし、山本耀司本人の写真に「使い捨てOK」と書かれたジャケットも登場。様々な素材を駆使し、様々なスタイルを見せたが、ヨウジヤマモトらしいシックなコードは終始失われず、最後にユーモア溢れる遊び心を見せて締めくくった。
2014年08月03日「アンリアレイジ(ANREALAGE)」は、15SSシーズンよりパリファッションウィークに進出する。デビューコレクションはパリファッションウィーク初日の現地時間9月23日17時(日本時間24日0時)開始。公式カレンダーのオンスケジュールでデビューショーを発表する。ショー演出は金子繁孝、映像は「ライゾマティクス(Rhizomatiks)」の真鍋大度が担当。ショー後、25日より現地で展示会を行う。また9月22日より、渋谷のパルコミュージアムで2012年に開催された展覧会「ア リアル アンリアレイジ(A REAL UN REAL AGE)」の巡回展をパリのセレクトショップ「レクレルール(L'ECLAIREUR)」セヴィニエ店で開催。コレクションでの新作発表に加え、展覧会でこれまでの軌跡を示すことにより、アンリアレイジが一貫して追求してきた服作りの信念をパリでも伝える。森永邦彦デザイナーは、「得るものも、失うものもありますが、社会や、歴史や、世界と、正面切ってぶつかれるのは、今。一歩踏み出し、闘っていこうと思います。ここから先が本当の勝負」と話す。なお東京でのショーはしばらく未定だ。
2014年08月01日「コム デ ギャルソン・オム(COMME des GARCONS HOMME)」が7月29日、15SSメンズコレクションショーを開催した。デザイナーは渡辺淳弥。前半はチャコールグレーや深いネイビー、黒のスーツやセットアップスタイルがメイン。全体的に細めのシルエットで、パンツ丈は短い。細かいチェックやボーダーのシャツは淡く明るいカラーだ。素足にレザーシューズを履いたスタイリングで爽やかな夏のテーラードを提案した。後半は、ハーフパンツのセットアップや白のステッチを効かせたインディゴのブルゾン、ボーダーのカーディガンやパンツなど。マリンテイストを含んだリラックスしたカジュアルな雰囲気。今季の特徴は、アイテムを仕立てた後に加工を施すことで、新たな表情を作り出したこと。ベジタブルコーティングで古着のような風合いを出した綿麻のアイテム、パーカやブルゾンなどに使用されたナイロンも紙のような質感、後染めのスニーカーなどが登場した。毎回様々なブランドとコラボレーションするコム デ ギャルソン・オムだが、今季は1035年創業のイタリアブランド「シーラップ(Sealup)」とのボンディングコートを製作した。
2014年07月30日「トーガ プルラ(TOGA PULLA)」の15SSプレコレクション。デザイナーは古田泰子。プルラは前シーズンよりプレの時期に発表の場を移している。今季は70年代ヒッピーやフォークロアテイストがテーマ。懐かしさを感じさせる柄と柄を組み合わせたプリントテキスタイルがテーマを象徴する。また、素材使いが印象的だ。フェイクレザーテープを編み込んだアイテム群やケミカルなコードを編んだトップスなどが登場。独特の素材使いは目を引くレイヤードも生む。花柄のエンボスを施したフェイクレザーをレーザーカットし、下に別布をレイヤードしたシリーズ、シースルーニットとレザーライダースのフロントをドッキングさせたカーディガンなどディテールが利いている。人気のシューズライン「TOGA PULLA SHOE(トーガ プルラ シュー)」はウエアのテーマにアイコンのウエスタン調メタルワークを組み合わせた。レザー彫りやステッチなどハンドクラフトの要素を取り入れたサボ、サンダル、パンプスがそろう。前シーズン即完売したというスニーカーサンダルにはビニル素材が新たに加わった。
2014年07月23日「プラダ(PRADA)」が14SSウィメンズの広告ビジュアルを発表した。撮影はスティーヴン・マイゼル(Steven Meisel)が担当。ジュリア・バーグスホフ、ドロタ・クローヴァをはじめ、アシュレイ・グッド(Ashleigh Good)、グレイシー・ヴァン・ガステル(Gracie Van Gastel)、アマンダ・マーフィー(Amanda Murphy)、ヴィクター・ヴァン・ペルト(Viktor Van Pelt)ら18名のモデル達が巨大な女性の顔の壁画プリントがあしらわれた躍動感のあるワンピースやコートを着こなす。ネックラインと胸元のストライプがチーム写真の印象を強調。コーディネートには、サイドパートのヘアスタイルにフェザーのヘッドピース、クリスタルを散りばめたスポーティーなチューブソックス、サフィアーノレザーを使用したハンドバッグなどを取り入れた。本キャンペーンのメイキング映像は同ブランド公式サイトにて公開される。
2014年01月10日「フェンディ(FENDI)」の14SS広告キャンペーンビジュアルを公開した。撮影はカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が担当。「ウォーターウォール(水の壁)」をコンセプトに、ローマを象徴する水を背景モチーフに使用。ラガーフェルドは「インスピレーション源は、命の要素、すなわち『水』。軽やかで透明感あふれるグラフィックコレクションともいうべき今シーズンにピッタリ。氷のような新鮮な感覚がフレッシュな色使いと完璧に調和している」と語る。モデルを務めるのは、デンマーク出身のナジャ・ベンダー(Nadja Bender)とプエルトリコ出身のジョアン・スモールズ(Joan Smalls)。情報科学の世界からインスピレーションを受けたガーメントに対し、ヘアメイクはナチュラルに仕上げられた。彼女達は「ピーカブー(PEEK A BOO)」や「ミニピーカブー(MINI PEEK A BOO)」「トゥージュール(2JOURS)」などフェンディのアイコンバッグに加え、新たな「プチ トゥージュール(PETITE 2JOURS)」と「トロワジュール(3JOURS)」も手に携える。本キャンペーンは、2月より世界各誌にて披露される。カールは、フェンディによるローマの噴水の保護を目的としたプロジェクト「フェンディ・フォー・ファウンテンズ(FENDI for FOUNTAINS)」の一環として、水を讃える写真集『ザ・グローリー・オブ・ウォーター(The Glory of Water)』を昨年秋に発表している。
2014年01月09日「ラッドミュージシャン(LAD MUSICIAN)」の14SSコレクションのテーマは「Minimal Art Rock 70」。1970年に亡くなったアメリカの抽象画家、マーク・ロスコ(Mark Rothko)に捧げられた。デザイナーの黒田雄一は、ロスコのアートに関する哲学をデザインに投影している。マルーン、ブラック、オレンジ、ロイヤルブルーなどからなるカラーパレット。コットンリネンのニットには、モヘア素材を組み合わせてロスコの作品に見られるカラーブロックを表現。ボーダー風のジャカードニットも、色や素材、編み方を変化させて、ロスコが絵具を重ねて作り上げたグラデーションを服作りの技法で再現した。ジャケットやブルゾン、ロングシャツなどトップスは衿などの装飾を排除したミニマルなボックス型のシルエット。クロップド丈のワイドパンツやショートパンツはフロント端にタックを寄せ、細身のパンツには同色のエプロンを重ねてスクエアなシルエットに仕上げている。カモフラージュ柄は手書きで細かく描かれている。鳥の羽で表現した総柄のグラフィックは、ロスコと同時代に活躍した抽象画家のフランツ・クライン(Franz Kline)の絵画がモチーフとなっている。会場はスモークと照明を用いてロスコの絵画のような曖昧な矩形を浮かび上がらせ、アルヴォ・ペルト(Arvo Part )のピアノの旋律からショーがスタート。中盤からはピーター・ケンバー(Peter Kember)のプロジェクト、エクスペリメンタル・オーディオ・リサーチ(Experimental Audio Research)のノイジーな楽曲へと変化し、ロスコの抽象表現主義を音の演出でもなぞってみせた。
2013年11月12日10月15日、「シセ(Sise)」が14SSコレクションを発表した。テーマは「STORY OF A MAN(ある男の物語)」。前シーズンのインスピレーション源でもあった、デザイナー松井征心の”ヒーロー”の1人、レオナルド・ディカプリオからイメージを膨らませ、彼が映画「華麗なるギャッツビー」で演じた1人の男性の一生をコレクションに落とし込んだ。フロントにケーブル模様のラインが一本走るニットや、白いシャツ、チェスターコート、腰にシャツを巻いているように見えるデザインのパンツ、プリーツスカートなど、中性的な内面を持つ、ナイーブな少年のようなスタイルからスタート。リアルなボタニカル柄は、ギャツビーが最愛の人と再会するシーンからインスパイアされている。斜め掛けした大きなトラベルバッグは「ポーター(PORTER)」とのコラボレーションアイテム。途中から、ゴールドの幾何学模様の刺繍や、ストライプのサテンのスーツなど華やかでフォーマルなモチーフ加わり、成長した大人の男性のスタイルを提案した。最後は、丸いシールで夜景を描く現代アーティストの大村雪乃の作品を表現したジャカード生地で仕立てたシリーズ。六本木や東京タワーの夜景が描かれている。「自分ももう32歳。今回はこれまでずっと追及してきた”少年性”から距離を置き、未来の男性像を表現してみたかった。ブランドとしても一歩前へ出たかったし、今自分が着たいものを作っている」と松井。
2013年10月16日「オランピア・ル・タン(Olympia Le Tan)」がパリファッションウィークで発表した14SSコレクション。テーマは、水兵達の恋愛を描いた1952年公開のコメディ映画「A girl in every port」。会場は、夜の水族館が選ばれた。モデルは50年代ピンナップガールのようなヘアメイクに水兵帽をかぶり、水兵イラストのプリントドレスやうろこ柄のスカート、セーラーパンツに、船長のユニフォーム風のワンピースなど、キュートなマリンスタイルが披露された。たっぷりフレアの入ったミニスカートや、ウエストをベルトマークしてドレスのように着こなしたケープ付きトレンチコートやシャツドレス、ホットパンツのジャンプスーツやセットアップなど、シルエットはクラシックでセクシー。バッグにもマリンな刺繍が施され、魚の形のクラッチバッグも登場した。また、モデルの水原希子がこのショーでパリコレデビュー。セーラーカラーとリボンがポイントのラバーのスーツ姿で笑顔を振りまき、ランウエイに花を添えた。
2013年10月09日「カルヴェン(CARVEN)」が、パリファッションウィークで14SSコレクションを発表した。アーティスティックディレクターのギヨーム・アンリは、自身が高校生だった90年代を回顧。同窓だった女の子達のスタイルに、オートクチュールメゾンとしてスタートしたブランドのアーカイブを組み合わせた。当時流行したカウボーイ風ベルトのイメージは、構築的なシルエットのシンプルなドレスに繊細なビーズ刺繍で表現。オートクチュールドレスに使われるような大輪の花々は軽やかな生地にプリント。ふんわりと広がるチュールのシースルースカートの下にはショートパンツを合わせた。同じく90年代風の迷彩柄はピンクやグリーンの明るいトーンでアレンジし、迷彩柄のカットワークもトップスやドレスに施された。小花柄やギンガムチェック、デニムステッチ、Gジャンのシルバーボタンなどもポイントとして取り入れられている。シューズもウエアにそろえ、花柄やギンガムチェックをレザーの厚底サンダルやパンプスが登場。バッグもバリエーション豊かで、動物がたたずむ様子をイメージしたというユニークな籐のバッグが夏らしい。
2013年10月02日韓国出身の男性5人組グループSS501のメンバー、パク・ジョンミンが、新人アーティスト・ROMEO(ロメオ)として、1stシングル『Give Me Your Heart』(9月5日発売)で日本デビューが決定。これを記念し、7月12日、東京・新宿BLAZEでショーケースライブを行った。ROMEO(パク・ジョンミン)のライブの写真ROMEOとは、パク・ジョンミンの潜在意識に眠っている別人格、もしくはパク・ジョンミンに宿る知的生命体。パク・ジョンミンの抑えきれない衝動とともに夜に目を醒まし、太陽光を浴びると消えてしまうのだという。パク・ジョンミンと、JUJUや西野カナなどのサウンドプロデュースを手掛けるジェフ・ミヤハラ、ユニクロなどのクリエイティブディレクターとして活躍するタナカノリユキという日本のトップクリエーターふたりとのタッグにより誕生した。ROMEOは6人のダンサーとともに登場し、ライブがスタート。1stシングル『Give Me Your Heart』と2ndシングル『Tonight’s the Night』(10月31日発売) を披露し、黒い羽根のような衣装をまとった6人の“コウモリダンサー”を従え、激しくかつセクシーなダンスパフォーマンスで観客を魅了した。ROMEOがステージを後にすると、スペシャル・ゲストのパク・ジョンミンが登場し、司会者と軽快なトークを展開。流暢な日本語で「韓国で噂を聞いたんです。日本で僕とそっくりな人がいて、ジョンミンの真似をしている人がいると聞いて、怒ろうと思って来ました」と明かしたが、会場の近くに来たら睡魔に襲われてしまい車中で寝てしまったところ、目覚めたら「今の時間になっていた…」そうだ。ROMEOがライブを終えて帰ったことを聞くと、「ありえないでしょ~。今日は怒りに来たのに!」と悔しがり、ROMEOについて「噂では、カッコいい音楽をやっているアーティスティックな人と聞いています。パク・ジョンミンとROMEOは別の人なので、みなさん騙されないように気をつけてください。ジョンミンと似ているけど、化粧がすごく濃いんだって!」と人伝に聞いた話しで沸かせた。また、SS501時代から“セクシー・カリスマ”の名で親しまれていることから司会者にどちらがセクシーかを質問。司会者がヘソをチラッと見せるようなダンスをすることからROMEOを選ぶと、ジョンミンは「ROMEOはそんなに安いの!?僕はステージの上で体は見せられないわ~!」と対抗意識を見せ、爆笑をさらった。この日は、マスコミ向けの1部の後、2部には公式サイトで選ばれた444名のファンが参加し、ROMEOとのファーストコンタクトに沸いた。なお、ROMEOは9月と10月にシングルをリリース、12月には東京と大阪で1stツアーを開催する予定。来年にはアジア各国をはじめ世界中へ活動の場を広げていくという。
2012年07月13日