6月26日、パリのパレ・ド・トーキョーにて17SSメンズコレクションのショーを開催したランバン(LANVIN)。アーティスティック・ディレクターのルカ・オッセンドライバー(Lucas Ossendrijver)は、ファッションを取り巻く厳しい局面にあって、フリーダム(自由)が重要とし、より一層クリエイティブな表現を試みた。様々なファブリックのミックス、そしてクラフツマンシップ重視の方向で生まれたものは、表情豊かでランバンらしい美しいシルエットとセンシュアリティーを感じさせるアイテムだった。グラデーションのタイダイ地を縫い合わせたマルチカラーシャツには、あえてスリーブにシワ加工を施したコートをコーディネート。パンツにはタックを入れてリラックス感を出している。今シーズンのキーワードの1つに、フリーダムにリンクするものとして「セダクション(誘惑)」が挙げられ、セクシーな女性のイメージやキューピッドの矢の意匠を取り入れている。女性のポートレートはシャツのプリントやブルゾンのワッペン、キューピッドの矢はベルトやブローチ、シャツの刺繍としてアクセントとなっていた。またリフレクターも目を引いたディテールで、ドロップショルダーのシャツやコートに、そして内側にリフレクターの側章を付いたジャカードのパンツなどで見られた。ディフェクト加工や手かがりのステッチなど、完璧ではない美しさをあえて見せるアイテムが多く見られたのも今シーズンの特徴。改めてランバンのクリエイティビティーの高さと先進性を示したコレクションとなった。
2016年07月13日メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)が、映画監督で俳優のジャック・タチ(Jacques Tati)による風刺喜劇の世界からインスピレーションを得た17SSウィメンズプレコレクション「Party With Maison Kitsune」を発表した。1950年代のシックな要素にヒントを得たフレンチな女性らしさが印象的な同コレクション。都会の夏や海でのヴァカンスにぴったりなアイテムの数々が展開される。ベースカラーには、ジャック・タチ監督の映画『Mon Oncle(邦題:ぼくの伯父さん)』に登場する伝説的な邸宅“ヴィラ・アルペル(Villa Arpel)”を彷彿させる、ヴィヴィッドな原色によって引き立てられたニュートラルなブラックやネイビー、グレー、ベージュなどを採用。軽やかでナチュラルな素材とモダンでテクニカルな素材をミックスすることで、ユニークなコントラストを生み出した。ヴィラ・アルペル邸にある魚の噴水彫刻はラメ糸を使用した総柄ジャガードへ落とし込まれ、主人公であるムッシュ・ユロ(Monsieur Hulot)はメゾン キツネの象徴的なキツネの姿にその面影を見ることができる。その他、別のジャック・タチ作品である『Playtime』のグラフィックも登場。街の看板やシンボルなど都市を描いたイラストが、コレクションにリズムを与えている。また、グラフィックにはストライプやチェック、ポルカドットが使用されており、ブラウスやドレスに施されたトロンプ・ルイユ(騙し絵)のディテールはポケットやヨーク、小襟の錯覚を作り出している。
2016年07月13日コム デ ギャルソン・シャツ(COMME des GARCONS SHIRT)がパリのショールームを会場に17SSコレクションを発表した。アップリケとパッチワークを駆使した、手の込んだアイテムで構成。ストライプと迷彩のパッチワークシャツや、ベルトをつけてジャケット風にしたシャツには、ポケットやエポレットなど、ミリタリーのディテールを使用している。続いて奇怪なイラストプリントのシャツが登場。これはNYを拠点に活動するアーティスト、ノア・リヨン(Noah Lyon)とのコラボレーション。彼は今年ドーバー ストリート マーケット限定のTシャツも手がけている。ベルトもアクセントの1つとして多用され、ミリタリー風にあしらったものや、拘束衣を思わせるものも。ストライプやチェックなど、様々なファブリックを組み合わせたパッチワークシャツのシリーズも、パッチワーク部分はローエッジのままで処理をしていない。ジオメトリックなモチーフをアップリケしたシャツは、技巧の高さを感じさせるアイテム。終盤に登場した、ビスチェのようなアイテムは、どことなく可愛らしささえ感じさせた。
2016年07月11日オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)によるバルマン オム(BALMAIN HOMME)は、旧ポトキ伯爵邸、現パリ商工会議所を会場に6月25日、17SSコレクションのショーを開催。会場にはリッキー・マーティン(Ricky Martin)をはじめ、多くのセレブリティーが最前列を埋めた。今シーズンは、70年代のアメリカは西海岸にイメージを求め、時空を超えてインカ帝国やマヤ文明の要素も加えるというハイブリッドなコレクションとなった。レースアップシャツを合わせた、リラックスした雰囲気のシンプルなデニムシリーズでスタート。それも束の間、チェーンを刺繍したデニムブルゾンや、南米柄に刺繍したGジャンなど、バルマン(BALMAIN)らしいゴージャスなアイテムが矢継ぎ早に登場。バックスキンのバイカージャケットには、同色系のバックスキンの細身のパンツを、同じくバックスキンのコートにはゆったりしたキモノ身頃のオールインワンをコーディネート。全面ラインストーンのブルゾンにはサルエル風パンツを、バックスキンのキモノスリーブコートには、ピッタリしたジャージーのライダースパンツを合わせてコントラストを出す。色はオレンジ、パープル、ターコイズ、イエロー、レッド、ブルーと、70年代の色濃いモードを思わせると同時に、南米の鮮やかなカラーパレットも想起させ、絶妙なリンクを見せる。マルチカラーのレザーコードを編みこんだジャケットや、コード刺繍を施したミリタリー風のジャケット、マラカイトとターコイズを刺繍した全面刺繍のポンチョ風チュニックトップスなど、クチュールメゾンらしいアイテムは健在で、改めてその技巧の高さを強く印象付けた。
2016年07月11日渡辺淳弥によるコム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(COMME des GARCONS JUNYA WATANABE MAN)の17SSコレクションショーは、パリのファッション&デザイン学園都市レ・ドックを会場に開催された。テーマはずばり“チンピラ”。ドナウ河岸に暮らすジプシーを描いた、エミール・クストリッツァ(Emir Kusturica)監督による1998年の映画「黒猫・白猫」の登場人物がイメージソースとなっている。フローラルプリントのハーフスリーブシャツとクロップドパンツのセットアップでスタート。モデルの顔と腕と足にはタトゥーが施され、いかにもワルそうな雰囲気を演出。本コレクションが映画からインスパイアされたことから、映画つながりで古い映画のポスターをプリントしたジャケットやTシャツも見られた。ワルい人々に欠かせないレザーアイテムも充実で、ハーフコートやブルゾンなどの他に、スリーブにレザーをあしらったテーラードジャケットや、リーバイス(LEVI'S)とのコラボレーションジャケットなども登場。ワークウェアやユニフォームの要素を持たせながらショーは進み、最後はスリーブに小花柄を配したシャツとバミューダのセットアップでハッピーに終了した。
2016年07月08日川久保玲によるコム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME des GARCONS HOMME PLUS)の17SSコレクションショーは、元リヨン銀行の複合オフィスビル、ル・サントリアルの地下スペースで開催された。テーマは裸の王様。物や情報が溢れている中で自分を見失ってしまうのではないか、という危機感から服作りをスタートさせ、そんな状況を揶揄するために、透ける服を作ることを思いついたという。あがめ続けられて裸であることに気付かない王様のようになるな、というメッセージを突きつけられているかのよう。様々な種類の半透明のポリウレタンを用いたコートや、PVC素材を用いたジャケットなど、透ける要素を持たせたアイテムで構成。これまではシャツとジャケットのそれぞれを組み合わせてひとつのルックを完成させてきたが、今シーズンは「素肌にテーラード」という提案をしている。ジャケットには芯地を用いずにソフトな風合いを持たせ、ライニングに敢えて表地を使用しているのも特徴。イタリアの画家、ピエロ・フォルナセッティ(Piero Fornasetti)の作品をプリントしたスーツも目を引いたシリーズ。プリントの表地をライニングに用いたジャケット、裏地を付けていないローエッジのジャケットには、グリーンやレッドなど、ハンドペイントされたレースアップシューズが合わせられた。フィナーレでは、ボクサーショーツとシリコンゴム製のジレ、そしてPVCのコートやスカートをまとったモデルたちが登場。会場は大きな拍手に包まれた。
2016年07月08日6月24日、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)によるメゾン マルジェラ(Maison Margiela)は、パリ医大のホールを会場に17SSメンズコレクションショーを開催した。男性性を強調しなければ生き辛かった1950年代と、男性の中に宿る女性性や繊細さを表出することを許されつつある現代を重ね、ふたつの時代の融合を目指した今シーズンのコレクション。ジャケットの製作過程を示すしつけ糸は刺繍として位置付けられ、フラジャイルでロマンティック、メランコリックでフェミニンなものの象徴としてはかなさを表現。「今こそ女性らしさを表に出すべき」とする、メゾンのメッセージが込められている。トレンチをとっても、ダブルブレストにすることでドレープを出す、つまりはフェミニンなムードを出す工夫がなされている。もうひとつキーワードとなったのが、世捨て人を意味する“Limbo”。世の慣習に縛られず、自由に服を組み合わせる姿勢がコーディネートに生かされた。メゾンは、ゆったりしたシルエットを「ルーサー・ロマンティック・シルエット」、アシメトリーを「ロマンティック・フルイード」と表現。服を表現する言葉をとってしても徹底的にこだわる姿勢を貫き、そうして新しい男性像を果敢に描いて見せていた。
2016年07月07日阿部千登勢によるサカイ(sacai)の17SSメンズコレクションショーは、リュクサンブール公園内のオランジュリー(柑橘系樹木用温室)を会場に開催された。ベートーヴェン作曲の交響曲第9番、第2楽章をアレンジしたBGMが流れる中登場したのは、同曲を使用したスタンリー・キューブリック監督の1971年の映画『時計じかけのオレンジ』に登場する主人公、アレックスを思わせるダービーハットを被ったモデル。しかし映画で見られたような毒々しさはなく、着用しているのはカンバッジを飾ったピンクのオールインワンだった。ピンクのシリーズは続き、全てのルックにフィッシュネットロングスリーブTシャツがコーディネートされている。南米風のポンチョ風ブルゾンのヘムにはフリンジが飾られ、カジュアルな中にデコラティブな要素を加える。赤のチェックはイギリス風で、細かなモチーフがプリントされたブルゾンはメキシコ風。ストライプのシリーズではワークウェア風のコートやブルゾンが見られ、素材と色とアイテムのバリエーションは豊か。様々なエレメントがミックスされて1つの世界観を描いていく、sacaiならではのコレクションとなっていた。
2016年07月07日高橋悠介によるイッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)は6月23日、パリ大学の中庭を会場に17SSコレクションのショーを開催した。日本のバンド、幾何学模様が奏でるサイケデリックな楽曲をバックに、ゆったりリラックスしたシルエットのアイテムを発表。今シーズンは、インドのバラナシを旅している間に目にした、生活に寄り添うミニマルなスタイルから着想を得たという。冒頭は白と黒のリンクル素材で構成。凹凸を出すために塩縮したり、糸のよりや複雑なジャカードによってニュアンスを出したファブリック、あるいは竜巻絞りを応用したハンドクラフトプリーツで作られた服はアイロンをかける必要が無く、ストレッチ性に優れるという特徴を持つ。ホーリー祭からインスパイアされたカラフルなモチーフは、様々な素材にプリントされ、シャツやスーツとなって登場。5から10種類の版を用いて熟練の職人によって手捺染され、高い技術を必要とする工芸品ともいえるものである。終盤のルックは、工場と毛芯から共同開発したファブリックによるスーツ。最小限の構造で立体感を出せるもので、シワになりにくいという。スタンドカラーや比翼仕立てのジャケットにはネクタイを必要とせず、新しいビジネスマンスタイルの提案となっていた。
2016年07月06日フィリップ・リムによる3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)は、マレ地区のギャラリー、ニッキー・ディアナ・マルカールを会場に、展示会形式で17SSメンズコレクションを発表。16-17AWシーズンから見られるシンプルさを追求したノームコアの流れとは一線を画し、挑戦し続ける姿勢を示した。洗練と野心、リラックスとチャレンジといった相対するキーワードを掲げながら、着る人自らレイヤーリングのスタイルを見つけられるようなコレクション構成にし、その中で各アイテムをいかにラクジュアリーにするかを追求したという。今シーズンはストリートテイストの中にフィリップ・リムが好むバッドボーイの要素を注入しながら、パンツをアンクル丈にするなど、50年代の雰囲気も持たせている。ジャケット類はドロップショルダーで流れるようなシルエットが特徴。フローラルプリントの柔道着風ジャケットがあるかと思えば、レオパードモチーフのフリーサイズパンツやブルゾンといった攻めのアイテムを登場させ、そのコントラストが心地よい。純粋にファッションを楽しみたいとするフィリップ・リムのフィーリングが大きく反映されたコレクションとなっていた。
2016年07月06日阿部潤一によるカラー(kolor)は6月23日、パリ医大のホールを会場に17SSコレクションのショーを開催した。収縮させてニュアンスを出したチェック、フォークロリックな光沢プリントなど、様々なテクニカル素材を用いながら、ゆったりしたシルエットのアイテムで構成し、コレクション全体に渡ってリラックしたムードを演出。ジャケットやシャツはそれぞれドロップショルダー・オーバーサイズで、サルエルタイプやワンタックの空気をはらむようなサイズのパンツを合わせている。サイドのベルトでアシメトリーなフォルムを描くコートや、同じシステムで開閉する着物身頃のカーディガンなども目を引いたアイテム。グラフィカルな織りのニットジレや、フォークロアテープを織り込んだかのような所々シースルーになっているニットプル、肩にギャザーを寄せてボリュームを出したボンバース、クロコレザーのようなモチーフのジャカード素材のコートなど、個性が際立つアイテムが多いのも今シーズンの特徴だ。襟にネオンカラーを配したり、ヘムにゴールドスパンコールをあしらう、あるいはショーツの裾にチュール素材を飾るなど、カラーらしい遊びも健在ではあるものの、さりげなく見せるという絶妙なバランス加減を見せていた。
2016年07月05日デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)によるバレンシアガ(BALENCIAGA)は6月22日、99年の歴史における初めてのメンズランウェイショーを開催。私立中・高校サン・ルイ・ドゥ・ゴンザグを会場に、オートクチュールメゾンならではのテーラリングの美しさを強調した17SSメンズコレクションを見せた。大きな肩を特徴とするボックスシルエットと、タイトなシルエットでコントラストを付けながら、クリストバル・バレンシアガ(Cristobal Balanciaga)本人の時代から引き継ぐ造形の独自性と素材感の美しさでコレクションをまとめた。今シーズンのために特別に開発したという大きな肩パッドを入れたジャケットには、タイトなパンツを合わせてトップとボトムの違いを強調。一方で、極限にまで身体にフィットさせたジャケットは、肩パッドが内側に入るような構造で肩の狭さを前面に出している。それぞれが極端ではあるものの、新鮮なシルエットを見せていた。ビッグショルダーはMA-1やブルゾンにも展開し、ロングチェーンをアクセントにしたバギーパンツをコーディネート。終盤のフォーマルルックには、ヴァチカン市国の聖職者の袈裟に使われるパープル、レッド、ブラックの各素材を使用し、一種独特の世界観を演出。カマーバンドやショールも効果的なアクセントとなっていた。また、ショッピングバッグ風レザーバッグ「キャリー(CARRY)」も登場して注目の的となった。
2016年07月04日リック・オウエンス(Rick Owens)は6月23日、パリのパレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)を会場に17SSメンズコレクションのショーを開催した。コレクションタイトルは“Walrus(セイウチ)”で、ニール・ヤング(Neil Young)によるノスタルジックな『After the goldrush』をBGMにショーがスタート。タイトなトップスとルーズなボトム、透けるようなオーガンザとレザー、彫刻のようなドレーピングとシンプルでリーンなカッティング。シルエット、素材、ボリュームのそれぞれでコントラストを付けているのが特徴で、そこにレモン(イエロー)、スロート(ブラウン)、ティティ(ブリックレッド)、リンジ(グレー)といった新色でニュアンスを加えている。ドレープを寄せたオーガンザのトップスには、セイウチを思わせるバギーパンツを合わせ、メガ・ドレープと表現される幾重にも布を重ねてボリュームを出したコットンシルクのジャージーのトップスには、タフタのバギーパンツを合わせる。パンツは床に引きずるほど長く、袴のような印象を与えた。パンツ部分をバギーにした細身のジャンプスーツに合わせられたボンバースも目を引いたアイテム。これは高級素材を用いた「Hun」シリーズのモデルで、ライニングにセーヴルのファーをあしらっているウルトラリュクスな1点。リック・オウエンスは一時期高級ファーだけのコレクションを発表していたこともあり、今後の展開が気になるラインだ。
2016年07月03日キム・ジョーンズ(Kim Jones)によるルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)は6月23日、パレ・ロワイヤル内の中庭を会場に17SSメンズコレクションのショーを開催。80年代末のアシッドハウスをBGMに登場したのは、パンキッシュな要素も感じさせるアフリカの動物たちをモチーフにしたルックの数々。今シーズンはロンドンとアフリカにイメージを求めた。ムラ染め風のモヘアのニットは、アニマルモチーフをジャカード織りにしたもので、スプリングボックやインパラなどアフリカの動物から引用。オーストリッチのブルゾンや、型押しクロコのコート、レザーコードをアフリカ文様に織ったコートなど、ルイ・ヴィトンならではのゴージャスなアイテムも。モノグラムプリントのシャツやニットジレに見られた奇怪な顔つきの動物モチーフは、ターナー賞授賞歴のあるチャップマン・ブラザーズ(Jake and Dinos Chapman)の手によるもので、ルイ・ヴィトンとしては13-14AWシーズン以来のコラボレーションとなる。終盤のアイテムには、パンクロッカーをイメージさせる厚底のローファーが合わせられ、また様々なバリエーションのチェックも登場してロンドンの要素が増していく。アフリカのアニマルファーをそのまま貼ったボックス型バッグや、チャップマン・ブラザーズのイラストをプリントしたプレクシグラス製のトランスペアレントのボックス型バッグも登場して注目を集めた。
2016年07月02日パリ17SSメンズコレクション初日の6月22日、落合宏理によるファセッタズム(FACETASM)は、パリ11区にあるショールームを会場にショーを開催した。パリでの2シーズンに渡る展示会出展を経て、昨年ジョルジオ・アルマーニの支援によりミラノでヨーロッパデビューを果たしたが、パリでは初のショー発表となる。今年はLVMHプライズのファイナリストにも選出され、多くの関係者から注目されるショーとなった。異素材の身頃を組み合わせた微妙にアシメトリーのジャケット、ニットリブをショールのように巻きつけたかのようなホワイトコットンシャツ、背面にオーストリッチの羽を縫いつけたチェックのTシャツ、自体の異なる数字プリントをずらしながらパッチワークしたバスケットシャツ。それらにはタイ&ダイでモチーフを描いたデニムパンツや、ゆったりしたシルエットのパンツなどが合わせられる。その意外性が不思議と心地良い。カジュアルでスポーティーでありながら、アーティスティックな雰囲気も感じさせ、しかし仕上がりはポップな側面もあり、どの切り口をとっても新鮮に見えた。“FACETASM”は面を意味する“Facet”に由来する造語だが、そのブランド名のごとく、多面的な要素を組み合わせ、そのズレやブレを利用しながら違和感と統一感を行き来する作風は変わらず、ファセッタズムらしさを推し進めたコレクションとなった。
2016年06月30日ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)が6月18日、17SSメンズコレクションショーをミラノにて開催した。ジャズ、スウィング、ブルースなどのタイムレスな音楽によって揺り動かされる感情と、その思い出をテーマに製作された17SSメンズコレクション。ショーはまるでジャズクラブにいるかのように、バンド・The Hot Sardinesの生演奏をバックに開催された。95体のルックと、それに続く79体のフィナーレには、音楽にまつわるモチーフのプリントやスパンコールのジャケットなどが登場。また、フロントローのゲストにはInstagramで現在1,300万人以上のフォロワーを持つキャメロン・ダラス(Cameron Dallas)を始め、デジタルの世界を中心に今最も輝いているスター達14名を“ミレニアル ジェネレーション”として招いた。
2016年06月26日マルニ(MARNI)が6月18日、ミラノで17SSメンズコレクションを発表した。リラックス感のある端正なシルエットを採用した同コレクション。ボックスジャケットには幅広のアンクル丈のパンツが合わせられ、包み込むようなコートはボリュームが強調されている。また、ショルダーのつまみは幅広のシャツにしなやかさと柔らかさを与え、パーツ分けされたシャツは安易に開け閉めが可能なベルクロによってつなぎ留められている。その他、強調したディティールとサブカルチャーの影響をコレクション全体に表現。取り外し可能なストラップをスーツやダスターコートのショルダー、またはスラックスのウエスト部分に施すことで“はずし”も利かせている。プリントはリズミカルな格子柄、鮮明なストライプ、フォトグラフィカルなフラワー、ジオメトリックな渦巻き柄などを採用。素材は2重織のフレスコやポリエステル、ウォッシュ加工のビスコース、カーフスキンなど柔らかく肌なじみの良いものが使用された。セージ、カーキ、ディープブルー、ライトブルー、バーガンディーといったクラックなカラーをベースに、オレンジとレッドの差し色を加えたカラーパレットで展開される。アクセサリーには、グラフィックカルチャーからインスピレーションを得た2トーンのレースアップシューズやサンダルの他、トランクブリーフケース、ソフトカーフスキンのポーチ、プリントが施されたリュックサックなどがラインアップ。また、太目のグラフィックラインで目もとを強調するサングラスも登場する予定だ。
2016年06月23日グッチ(GUCCI)が6月20日、17SSメンズコレクションショーをミラノで開催した。「旅は、発見を支える律儀で地味な作業であり、現実のかけら、さらには退けられ、禁じられ、除かれた可能性をも収集しうる知の過程」。同コレクションは、こうした“旅”を通じて様々なものと出会うストーリーが描かれた。ロマンティック、レトロ、マリン、オリエンタル、ストリートなどのミックステイスト、またディズニーキャラクターのドナルドダッグも随所に登場した。
2016年06月22日ヴィヴィアン・ウエストウッド マン(Vivienne Westwood MAN)が6月19日、17SSメンズコレクションショーをCitylife Palace Piazzaで開催した。内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者であるジャーナリスト、ジュリアン・アサンジに容疑がかけられ、その後2012年6月ロンドンのエクアドル大使館にて身を寄せ政治亡命を申請してから丸4年が経つ。今年2月に国連調査委員会は、英国とスウェーデンに同氏の解放を要求したが、5月にFBIが米連邦裁判所に対しジュリアン・アサンジとウィキリークスへの積極的な追及を続けると宣言した。この状況に対し、ヴィヴィアン・ウエストウッドも“彼の解放”を訴える一人である。今シーズンのショーは、内部告発者と自由を讃える国際的なイベントに参加することを伝えるビデオメッセージで始まった。ウエストウッドも参加するイベントは、このミラノを皮切りに「アサンジウィーク」と称され、パリのポンピドゥーセンター、ベルリンのフォルクスビューネ、ブリュッセルのボザール、マドリードのシルクロ・デ・ベリャス・アルテス、ベオグラード、ナポリ、サラエボなど世界の主要10都市でも同時開催された。イベントのスピーカー・パフォーマーには、パティ・スミス、ノーム・チョムスキー、ブライアン・イーノ、スラヴォイ・ジジェク、マイケル・ムーア、PJ ハーヴェイの他、多数の著名人が名を連ねる。
2016年06月22日アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)がニューヨークファッションウィーク期間中の9月に開催される17SSコレクションのランウェイで、リゾートコレクションと17SSコレクションをミックスしたショーを実施する。アレキサンダー ワンのリゾートコレクションは17年より、ここ数シーズンメンズコレクションやT by アレキサンダー・ワン(T by ALEXANDER WANG)のコレクションで行ってきた戦略と同様、バイヤーやプレス関係者に向けて展示会形式で発表はされるものの、ルック画像はコレクションが店頭に立ち上がるタイミングでの公開となる。同ショーでは、一部のリゾートコレクションのアイテム、バッグ、シューズを17SSコレクションとミックスされて発表。17SSコレクションの納期が17年1月からなのに対して、リゾートコレクションの納期は16年11月からとなるため、コレクションの発表から発売までの時間を短縮していくことを目的としている。
2016年05月31日ワコムは4月1日、Cintiq&Cintiq Companion購入者向けに、黒衣によるサポートサービス(黒衣SS)を提供すると同社Twitterアカウントで発表した。黒衣は舞台上で役者を助けたり、小道具やセットを役者に渡したり舞台から下げたりするスタッフ。黒衣SSでは、イラスト初心者に黒衣が手取り足取り描き方を教えたり、制作に行き詰まった時に優しく励ましてくれるメンタルサポートが受けられる。描きにくいポーズを実際に再現してくれるほか、締め切り前に寝てしまった時にはハリセンで起こす厳しさも持っている。……というエイプリルフール(ウソ)企画。最後はしょんぼりした黒衣の姿でお開きになった。4月1日はワコムのほか、Googleやメガソフトやなど、多くの企業がエイプリルフール企画を掲載している。
2016年04月01日TBS・MBSアニメ公式オンラインストア「アニまるっ!」では、『アマガミSS+ plus』より、いつもと違う衣装をまとい、プレゼントを差し出す姿が可愛らしいヒロインたちの描き下ろしイラストを使用している特別感のあるアイテムをラインナップした。■RONSONタイフーンライターシリアルナンバー入りのRONSONタイフーンライターが、「アニまるっ!」にてシリアルナンバー入りの完全数量200個限定で販売。毎日身に着けるだけではなく、特製のアクリルディスプレイに飾ったりしても楽しめる一品となっている。絢辻詞、七咲逢、森島はるかの3ラインナップで、価格は各12,960円(税込)。■複製原画キャラファイングラフ A4プレミアムVer.アニメのイラストをもっと芸術的に! まるで一枚の絵画のような商品となっており、ポスターやタペストリーだけでは満足できない、ワンランク上をめざすファンのために特別に企画されたものとなっている。印刷は日本国内の美術館や博物館で国宝級作品の複製を作成する際などにも採用されている技術で、まるで絵画のような仕上がりとなっている。オリジナルの額縁に入れられており、メタルのシリアルプレート付きで、価格は15,120円(税込)。そのほか詳細は「アニまるっ!」の『アマガミSS+ plus』商品ページにて。(C)KADOKAWA CORPORATION ENTERBRAIN/アマガミSS+製作委員会
2016年02月16日ワイズ(Y’s)が16SSコレクションを公開した。今シーズンは、「柔らかなままの強さ」「“マスキュリンな強さ”より強いフェミニティー」などをキーワードとし、リペア加工や、粗い仕上げ、メンズライクなオーバーサイズで強い女性像表現しつつ、女性らしい繊細なアイテムに仕上げた。
2015年12月25日ヴェルサーチ(VERSACE)が、16SSシーズンのキャンペーンビジュアルを公開した。16SSキャンペーンは、メンズ、ウィメンズともに写真家のスティーヴン・クライン(Steven Klein)によりカリフォルニア州のソルトフラッツ(塩原)にて撮影された。メンズキャンペーンではモデルに、ナサニエル・フィッセル(Nathaniel Visser)、Benjamin Benedek、Lukasz Grabowskiを起用。流動性のあるテーラリングやロングレイヤードを用いた16SSコレクションと同様に、アドベンチャーのムードが溢れるビジュアルに仕上げられた。ウィメンズでは、ジジ・ハディッド(Gigi Hadid)、ラケル・ジマーマン(Raquel Zimmerman)、ナターシャ・ポーリー(Natasha Poly)などが登場。武道の達人であるLukasz Grabowskiを背景に登場させることで、強さとエンパワーメントのムードを強調した。
2015年12月12日本田技研工業(ホンダ)はこのほど、軽乗用車Nシリーズの「N-WGN(エヌ ワゴン)」に、「G 特別仕様車 SSコンフォートパッケージ」を追加して発売した。N-WGNは、平成25年度自動車アセスメント(JNCAP)の新・安全性能総合評価において最高評価となる「5つ星」を軽自動車で初めて獲得したほか、使い勝手の良さなどが好評となっているハイトワゴンクラスの軽乗用車。今回、「G」「G・Lパッケージ」をベースに設定された「G 特別仕様車 SSコンフォートパッケージ」は、紫外線(UV)を約99%カットし、ジリジリした暑さを生む赤外線(IR)を軽減するガラスをすべての窓に採用した「360°スーパーUV・IRカット パッケージ」や、「運転席シートヒーター」などの快適装備を追加。さらに、ボディ同色のフロントグリルや専用インテリアとしてブラウンシートを標準装備し、室内の心地よさをさらに向上させている。価格は、G 特別仕様車 SSコンフォートパッケージのFF車が119万5,000円、4WD車が132万5,000円、G 特別仕様車 SSコンフォートLパッケージのFF車が125万4,000円、4WD車が138万4,000円(いずれも税込)。
2015年12月07日日本の革靴の一大産地である浅草にアトリエを構え、職人と協業しものづくりを行うレザーブランド・エンダースキーマ(Hender Scheme)が新作となる16SSコレクションを公開した。“post modern(ポストモダン)”をテーマに、細かなディテールや製法で新しいバランスを表現し、モデルの幅を広げた今シーズン。シューズコレクションには、防水ピッグレザーのレインカバーを脱着出来る機能的なブーツ(5万8,000円)や、一枚仕立てのスリッポン(2万8,000円)、ステッチでアッパーにモチーフを描いたつっかけのようなオイルキップのミュール(3万7,000円)などが登場。小物には、キャンバス地のバッグ(small 2万2,000円、big 2万6,000円)や、真鍮をヌメ革でくるんだバングル(S 1万1,000円、M 1万3,000円、 L 1万6,000円)、レザーの風車(3,600円)などが展開される。また、シーズンごとに1型ずつ発表される別ライン「オマージュ」より、バレエシューズをオマージュした新作「manual industrial products -13」(3万3,000円)も登場。アッパーにはしなやかな足あたりの馬革、底にはタンニン鞣しの牛革を用いることで、素足でも心地よく履けるアイテムに仕上がった。このラインでは、往年の人気スニーカーや、日本の伝統的な雪駄などをオマージュモデルとし、エンダースキーマの手工業で革靴として再現した特別なアイテムが展開されている。オーダーメイド製品よりも工業製品が主体となる近年において、職人が分業し一つのアイテムを作り上げるという生産背景により、製品価値を再考するきっかけをデザインしたプロダクトだ。各アイテムは、都内を中心とする1LDK各店舗などにて、12月より順次デリバリーを開始している。
2015年12月05日トリコ・コム デ ギャルソン(tricot COMME des GARCONS)が16SSコレクションを東京のコム デ ギャルソン本社のショールームにて発表した。
2015年11月11日弦の調べがドレスキャンプ(DRESSCAMP)16SSメンズ、ウィメンズコレクションのランウェイに響いた。15日、会場となった渋谷ヒカリエホールAでは、満場の観客がデザイナー岩谷俊和が描く優美な世界を見つめた。今シーズンのテーマは「SWEET」。相反するものがあることで、よりいっそうその甘さが引き立つように、ファーストルックに登場した漆黒のドレスの胸元には、淡いピンクの優美な花が大胆に飾られた。ルックには、実に多様な表情の「花」が登場。ビビッドで生命力を感じる色彩の小花柄、エアリーで水彩画のようなタッチの花柄が、洋服のフォルムにさらに表情を加えていく。メンズのルックでも、大きく花ひらいた薔薇やアネモネの柄を用いたアイテムが印象に残った。絢爛な色彩が溢れた後、後半は黒一色のルックが登場。今回、そのクリエーションを支えたのは、大正4年に京都・壬生(みぶ)に創業した黒染めを得意とする染め屋「株式会社京都紋付」。“深黒”と呼ばれる程に、卓越した技で染めの技術がランウエイでも際立っていた。ファッションが街並に色を添えていると感じる時がある。そのファッションで、街を行き交う人々が、街に息吹を与えているとさえ思うことがある。今回、ドレスキャンプのショーを通じて、ファッションが持つそんな生命力=生きる力のようなものを感じた。
2015年11月05日デビュー以来、一貫してハードパンクをベースにコレクションを展開するナインティナインパーセントイズ(99% IS-)が、16SSコレクションをスペインのシューズブランド・カンペール(CAMPER)とのコラボレーションで発表した。ランウェイはInstagramと連動して先行公開されていた今シーズンのコレクションテーマ「YORSTED」の映像作品でスタート。ショーはその映像とリンクした服を着たモデルが歩くという演出。チェーンソーで切り裂いたライダース、ガンクラッシュなど過激なダメージ加工を施したウェアに、足元はカンペールのブーツ、スニーカー。さすがに、靴は”破壊”されず、ダメージ加工ではなく、解体されたシューズがショーの演出として登場するにとどまった。今回のコラボシューズは「カンペール トゥギャザー(Camper Togather)」として、今秋冬はアイコンモデルのスニーカーとブーツ、16SSモデルではスポーティラインを加え、計7モデルを発表。CAMPER LABストアとオンライン、一部セレクトショップを中心に販売される。99%IS-は韓国人デザイナーのバジョウ(BAJOWOO)が11年SSよりスタート。14年SSに東京コレクションでデビュー。レディ・ガガ、ジャスティン・ビーバー、BIGBANGなどのセレブがステージやプライベートで愛用したことや、マッキントッシュのコートにスタッズを埋め込んだコラボでも話題を集めた。text:野田達哉
2015年10月27日先日、コスチュームジュエリーが人気のMAYUの2016SS展示会にお邪魔してきました。手作業で丁寧に作られているMAYUはどれも女性らしい可愛いらしさと凛とした美しさを演出してくれます。そんなMAYUから今シーズンより、天然石を使用した新しいコレクションラインが登場。新ラインの「DRAW THE LINE」は研磨職人の手によって石が組み合わされ、ひとつのピースの中にすっと美しいラインが引かれているよう。特にラピスラズリとホワイトトパーズのピースはどこか小宇宙を覗いているような感覚。キャッチにもクウォーツやあこや真珠が使われるなど、素材にもこだわったコレクション。世界に2つとない存在感で、きっと貴方にとって特別なものになるはず。
2015年10月26日