第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞をW受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』のDVD&Blu-rayの発売がこのほど決定。特典内容も明らかとなった。2002年1月、米国の新聞「ボストン・グローブ」が、カトリック教会の信じがたい実態を報じた。数十人もの神父による児童への性的虐待を、教会が組織ぐるみで隠蔽してきた衝撃のスキャンダル。その許されざる罪は、なぜ長年黙殺されたのか。「スポットライト」という名の特集記事を担当する記者たちは、いかにして教会というタブーに切り込み、暗闇の中の真実を探り当てたのだろうか――?「ピューリッツァー賞」に輝いた「ボストン・グローブ」紙の調査報道チームの軌跡を映画化した本作。“世紀のスクープ”の内幕を取材に当たった新聞記者の目線で克明に描き、社会派ドラマの傑作として高い評価を得ている。脚本と監督を『扉をたたく人』『靴職人と魔法のミシン』のトム・マッカーシーが出手掛け、キャストにはマイケル・キートンや、本作でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたマーク・ラファロ、同じくアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたレイチェル・マクアダムス、リーヴ・シュレイバーら実力派が勢揃いしている。また、日本語吹替版のキャストには、「スポットライト」班のマーク演じるマイク・レゼンデス役を宮内敦士、マイケル演じるウォルター“ロビー”ロビンソン役に牛山茂、レイチェル演じるサーシャ・ファイファー役に森なな子、リーヴ演じるマーティ・バロン役に大塚明夫、ジョン・スラッテリー演じるベン・ブラッドリー・Jr.役に仲野裕、そして弁護士のスタンリー・トゥッチ演じるミッチェル・ガラベディアン役を岩崎ひろしが担当し、こちらも豪華声優陣が集結している。このほど発売が決定したDVD&Bru-rayでは、特典映像としてスタッフやキャスト、モデルとなった記者のインタビュー映像や、撮影風景、日本版と海外版の予告編&TVスポット集が収められている。『スポットライト 世紀のスクープ』のDVD&Blu-rayは9月7日(水)より発売。<『スポットライト 世紀のスクープ』発売情報>発売日:9月7日(水)※同日レンタル開始価格:DVD3,800円+税/Blu-ray4,800円+税発売元・販売元:バップ(C)2015 SPOTLIGHT FILM, LLC(cinemacafe.net)
2016年07月08日8日(水)、第42回「放送文化基金賞」が発表され、「番組部門」のテレビドラマでは、最優秀賞に「赤めだか」(TBS)、優秀賞に「天皇の料理番」(TBS)が選ばれた。同部門の演技賞には、「天皇の料理番」主演の佐藤健と、福岡発地域ドラマ「いとの森の家」で樹木希林が受賞している。過去1年間の放送番組から優れたテレビ、ラジオ番組や個人・グループに毎年贈られる「放送文化基金賞」。今年も平成27年4月~28年3月に放送されたものを対象に選出した。全国の民放、NHK、プロダクションなどから、全部で268件の応募、推薦があり、テレビドキュメンタリー、テレビドラマ、テレビエンターテインメント、ラジオの4つの番組部門で、それぞれ最優秀賞、優秀賞、奨励賞の16番組と、演技賞や企画賞など個人5件、さらに個人・グループ部門の放送文化、放送技術で8件を決定した。昨年は「相棒 season13」(テレビ朝日)が最優秀賞に選ばれた「番組部門」におけるテレビドラマ番組。今年は、立川談春の同名エッセイを原作に、「嵐」二宮和也主演で昨年12月28日(月)に放送された、年末ドラマ特別企画「赤めだか」が受賞。ビートたけしが立川談志を演じ、17歳で談志に入門した二宮さん演じる談春と、談志の弟子たちの成長物語。「厳しさを自らのものとすることで人は成長できることを教えてくれる啓発的ドラマでありながら、笑いを随所に盛り込んでぐいぐい引き込むストーリー」などと評され、最優秀賞に輝いた。優秀賞に選ばれた「TBSテレビ60周年特別企画 日曜劇場『天皇の料理番』」。大正・昭和時代に宮内省の厨司長を務めた秋山徳蔵氏の人生を描いた杉森久英の同名小説が原作で、田舎のやっかい者・秋山篤蔵を佐藤さんが演じ、天皇の料理番を勤め上げるまでに成長していく物語。「キャスティング、ストーリーの構成どれをとっても完成度が高い」と絶賛され、主役の脇を固めた黒木華、鈴木亮平といった俳優たちの演技も「質がみな高かった」とされた。主演の佐藤さんは演技賞も本作で受賞し、「難しい役柄を、多くのハードルを越えて演じ切り、ドラマの強力な牽引力となった演技は秀逸」と評価されている。(text:cinemacafe.net)
2016年06月08日第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、マンガ大賞2013を受賞した吉田秋生の大人気コミックを映画化、昨年公開され大ヒットした映画『海街diary』が21日(土)放送の土曜プレミアムでテレビ放送される。物語の中心となる“四姉妹”を綾瀬はるか(長女)、長澤まさみ(次女)、夏帆(三女)、広瀬すず(四女/異母妹)が演じるという豪華な配役にも話題が集まった。鎌倉で暮らす三姉妹、幸、佳乃、千佳の元に、15年前家を出ていった父の訃報が届いた。長い間疎遠になっていた父の葬儀のため、山形に向かった3人はそこで異母妹・すずと初めて会う。身寄りのなくなった彼女が、葬儀の場でどうしようもない大人たちの中で毅然とふるまう姿を見て、長女・幸は別れ際に「すずちゃん…鎌倉にこない?いっしょに暮らさない?4人で」と提案するのだが――。綾瀬さん、長澤さん、夏帆さんの三姉妹と離れて暮らす実母・都役に大竹しのぶ。長女・幸と妻がいながらも心を寄せ合う椎名和也役に堤真一。次女・佳乃が働く信用金庫の上司・坂下美海役に加瀬亮。さらに「まえだまえだ」の弟・前田旺志郎、鈴木亮平、池田貴史、坂口健太郎など若手俳優が集結。そして4姉妹が住む鎌倉にある飲食店「海猫食堂」の店主・二ノ宮さち子役に風吹ジュン。山猫亭の店主・福田仙一役にはリリー・フランキーと脇を固めるキャストも豪華。監督は『ワンダフルライフ』『そして父になる』などで知られ、最新作『海よりもまだ深く』が21日(土)から公開された是枝裕和がメガホンを取った。今年70回目を迎えた「毎日映画コンクール」では綾瀬さんと長澤さんが女優主演賞&助演賞をW受賞したほか、今年3月の第39回日本アカデミー賞では最多12部門で優秀賞を受賞、最優秀作品賞、監督賞のほか撮影、照明でも最優秀賞を獲得、4冠を達成している。また、第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でも公式上映され、海外でも高い評価を得た作品である。土曜プレミアム・映画『海街diary』は21日(土)21時~フジテレビ系で放送。(笠緒)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2016年05月21日総務省は、平成16年/2004年の情報通信白書の中で、情報のデジタル化の変遷を「マルチメディア」「インターネット」「ユビキタス」という、新聞でも使用される頻度の高い言葉を用いて表現した。その中でユビキタスネットワーク社会を「いつでも、どこでも、誰とでも、ネットワークに繋がれば、様々なサービスが提供され人々の生活をより豊かにする社会である」と定義づけた。「メディアのデジタル戦略」についてインタビューを試みた、ハースト婦人画報社の代表取締役社長&CEOのイヴ・ブゴン氏(以下ブゴン氏とする)は、現在のユビキタスネットワーク社会の到来を見据えて、他社に先駆け1996年『ELLE 0NLINE』を立ち上げ、デジタル化の第一歩を踏み出していたという話からスタートした。■雑誌も発行するデジタル企業への転身を目指すそれから約20年を経た2015年末に行われた事業説明会でブゴン氏は、米国ハーストマガジンズ社のCEOの言葉を引用し「私たちは、雑誌も発行するデジタル企業への転身を目指す」と、これまでの紙媒体を中心にした出版事業から、デジタルを中心にした事業へのシフトを宣言した。ブゴン氏に、この発言の意味するところを尋ねてみると、「我が社では、2010年から新しい時代の出版社として組織の最適化を図り、インフラの整備、デジタル対応の商品開発に着手し、紙を中心とするビジネスモデルからデジタル中心に移行するために社員のマインドセットの変革もおこなってきました。まだ進化の途中ですが、徐々にその成果は現れています」。冒頭から、紙媒体では使用していないいくつかの用語が並び、時代の変化を実感する。■教育プログラムで社員のデジタルリテラシー強化を図るハースト婦人画報社は、2011年にアシェット婦人画報社から米国ハーストのメディアコングロマリットの一員となったが、それ以前から少しずつ社員の教育プログラムを実施し、デジタルリテラシーの強化を図っていた。「紙の編集者の編集スキルの高さは会社の財産です。そして、生まれた時からPCやスマホを使いこなして来たデジタル化以降入社したスタッフは、SNSを駆使するなどデジタルスペースでのコミュニケーションに長けています。しかし、長年のELLE ONLINEの成果は、社員のデジタルなマインドセットの醸成に役立っています。更に、社員の25%が20~30代前半のデジタルネイティブと呼ばれる人たちになってきました」とブゴン氏。今後デジタルネイティブのパーセンテージは上がることはあっても下がることはないと予想される。出版社の場合、新卒での入社は狭き門で、3年以上の経験者にしか門戸を開けないところも多い、今後20代前半でもデジタルリテラシーの高さによっては入社も可能になるのだろう。この、デジタルネイティブと呼ばれる人たちについては、2回目の『コスモポリタン』の項に登場するのを楽しみにしてほしい。■編集者がコンテンツを最適化するためのインフラ整備スタッフの充実と並行して行うことで、安定したクオリティと利便性を増すのがインフラの整備だ。ユーザーが求めているサービスばかりか社員の意識向上につながる。ハーストグループでは、独自のCMS(コンテンツ マネジメント システム)「Media OS」を開発し、グループのネットワークの強化を推し進めている。このCMSでは、編集者がコンテンツを最適化することをサポートし、コンテンツを全世界で共有できることが特長だ。人気が高い記事が瞬時にわかり、海外の記事でも日本の読者が興味を持ちそうなら、国を超えて使えるというシステムには、ネット時代独特のスピード感がある。「Media OS」では、新しい広告商品も導入された。ハースト社が世界共通で使用するシステムのため、一つの広告キャンペーンが、グローバルに国を超え、媒体さへも超えて展開できる可能性があるという。壁を超えるという考え方についてブゴン氏に尋ねると、「デジタルの世界では企業同士が提携するアライアンスという仕組みは珍しいことではありませんが、今後出版社の間でも進んでいくのではないかと思います」。このアライアンスという発想に当てはまる事例として、他社の販売網を利用して、本を流通させる販売委託という方法がある。現在、ハースト婦人画報社は講談社に販売を委託する提携を結んでいる。これは以前から存在する提携の形で珍しいことではないものの、販売業務の提携を皮切りに、互いの信頼関係を醸成し、新たな広がりを見せている。講談社のデジタルコンテンツ『ミモレ』編集部とハースト婦人画報社の『ELLE SHOP』の部署同士でユーザーの親和性が高いことが分かり、「一緒にやってみませんか?」という発想を生み、同業他社との協業に発展していった。1991年ティム・バーナーズ・リー氏によってWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)が開発されて25年、この間にもパラダイム・シフトは確実に進んでいるのだ。ブゴン氏のインタビューを終えて、デジタル化による新しい時代のうねりが「出版社からデジタル企業への進化」を促していることを改めて感じると共に、これまでではありえないことが起ころうとしているワクワク感を享受するデジタルネイティブ時代の到来を感じた。※マインドセット=ものの見方。物事を判断したり行動する際に基準とする考え方。※デジタルリテラシー=インターネットを使いこなす基本的な能力※デジタルネイティブ=学生の時代から、パソコンやインターネットがある生活環境の時代に育った世代。1980年前後以降生まれが該当する。--「【メディアの未来を考える】デジタルネイティブに向けたメディア『コスモポリタン』のスタイル--ハースト婦人画報社2/3:横井由利ヘ--「【メディアの未来を考える】競合他社とタッグを組む『エル・ショップ』と『ミモレ』のケース--ハースト婦人画報社3/3:横井由利」へ
2016年05月02日LGBTコミュニティを正しく扱う映画、ニュース、テレビなどを表彰するGLAAD賞が発表された。映画部門で受賞したのは『キャロル』。TVコメディシリーズは、アマゾンの『トランスペアレント』、ドラマシリーズはNetflixの『センス8』、テレビ用映画またはミニシリーズは、HBOの『Bessie』が受賞。リアリティ番組は、ケイトリン・ジェンナーの『I am Cait』とジャズ・ジェニングスの『I am Jazz』が同点受賞した。『キャロル』/その他の情報『センス8』は、最近、女性としてカミングアウトしたリリー・ウォシャウスキーがクリエートしたSFミステリー。ウォシャウスキーは、カミングアウト以来初めて公の場に姿を現し、受賞スピーチで「カミングアウトしたのには多くの理由がありますが、GLAADのすばらしい人たちも、そのひとつです」と語った。『I am Cait』と『I am Jazz』ではジェンナーとジェニングスが、『Bessie』では主演のクイーン・ラティファが舞台に上がって賞を受け取っている。『キャロル』公開中文:猿渡由紀(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED
2016年04月04日プリンストンは、ハイレゾ音源対応のネットワークメディアプレーヤー「デジ像メディアプレーヤー」(PAV-MP2YTHR)を発表した。発売は3月25日。価格はオープンで、推定市場価格は税別15,480円前後。本体のUSBポートにUSB HDDなどのストレージ機器を接続し、保存された動画などを再生できるメディアプレーヤー。テレビやオーディオ機器などにHDMIで直接つなぎ、PCを使わずにメディアファイルを再生できる。ハイレゾ音源に対応しており、PCM 192kHz/24bit(FLAC、WAV)を再生可能。ハイレゾ出力はHDMIもしくはS/PDIF端子から行う。ネットワーク機能も備えており、10BASE-T / 100BASE-TX対応の有線LAN端子を搭載している。対応サーバーはUPnP AV、DLNAサーバー、Windows Media Player 11 / 12、ファイル共有機能(samba)など。自らをNASとして認識させることもできる。YouTube Leanbackに対応するので、大画面テレビでYouTubeの視聴も可能。対応OSはWindows Vista(SP2) / 7(SP1) / 8.1 / 10。インタフェースはUSB 2.0×2、HDMI×1、コンポジットビデオ×1、RCA(L/R)×1、S/PDIF×1。本体サイズはW171×D115×H37mm、重量は約250g。操作用のリモコンが付属する。
2016年03月23日第39回日本アカデミー賞において、安藤サクラが『百円の恋』で最優秀主演女優賞を獲得!本作は超低予算で制作され、わずかな館数での公開で始まったが、主演女優賞に加え、最優秀脚本賞(足立紳)にも輝き、今回の授賞式で大旋風を巻き起こした。優秀主演女優賞には『海街diary』での長女役が絶賛された綾瀬はるか、『ビリギャル』の有村架純、『あん』の樹木希林、『母と暮せば』の吉永小百合と若手からベテランまで多彩な顔ぶれが並んだが、予算規模も最小、撮影期間もわずか2週間の『百円の恋』で存在感を見せつけた安藤さんが最優秀賞を受賞した。安藤さんは2013年に「第86回キネマ旬報ベスト・テン」で史上初の、主演女優賞(『かぞくのくに』)、助演女優賞(『愛と誠』『その夜の侍』ほか)のW受賞を達成。昨年は実姉の安藤桃子がメガホンを握った『0.5ミリ』でも優秀主演女優賞を受賞したが、今年ついに最優秀賞主演女優賞受賞となった。安藤さんは本作の撮影を振り返り「2週間での撮影というのが悔しくて、みんな『やってやるぜ!』という気持ちでした」と述懐。映画では、30代になっても自堕落な生活を送っていたが、あるきっかけでボクシングに打ち込んでいく主人公・一子を演じている。オーディションでこの役を勝ち取った安藤さんは「彼女のようになりたかった」と語り、短期間での過酷な肉体改造についても赤裸々に語った。そして、プレゼンターの岡田准一から、最優秀賞受賞者として自身の名が読み上げられると、安藤さんは信じられないという表情を見せ「驚いてます!びっくりして…ジワジワと心臓が出てきちゃいそう!」と驚きを口にした。『百円の恋』は最優秀脚本賞(足立紳)も受賞。小規模公開の低予算作品の主要部門での2冠に会場は、称賛の拍手に包まれた。会場内の同作のテーブルには新井浩文(優秀助演男優賞)、武正晴監督(優秀監督賞)も同席していたが新井さんは脚本、主演女優部門での最優秀受賞について、テーブルで「絶対にない!」と語っていたそうで、最優秀脚本賞で名前を呼ばれた足立さんは「新井さんは『絶対にありませんから』と言ってたんですが、1ミリくらい期待していて…メッチャ嬉しいです」と喜びを口にした。安藤さんも、壇上でトロフィーを受け取ったのち、新井さんの発言に言及し「新井くんが『ないと思うけど、サクラが獲ったら、ウチ泣いちゃうよ』と言ってたのに、全然泣いてない!」と、壇上からツッコミ。改めて「思い出されるのは、数館から始まって口コミで上映館が増えて、みなさんに会いたくていろんなところに行かせていただいたこと。見ていただいた方のエネルギーや熱気を劇場に入った時に感じました。ジワジワとエネルギーが繋がって、こんなところにまで来られるようになった映画に参加できたことを嬉しく思います」と感激の面持ちで語った。(text:cinemacafe.net)■関連作品:百円の恋 2014年12月20日より全国にて公開(C) 2014 東映ビデオ
2016年03月05日第39回日本アカデミー賞の授賞式が4日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、『海街diary』が作品賞、監督賞、照明賞、撮影賞の4部門で最優秀賞を受賞。是枝裕和監督と綾瀬はるから出演女優陣が登壇し、受賞の喜びを語った。『海街diary』は、鎌倉の一軒家で暮らす3人の姉妹と、腹違いの末っ子が家族になっていく姿を描いた作品。優秀主演女優に長女役の綾瀬はるか、優秀助演女優賞に次女役の長澤まさみと三女役の夏帆、新人俳優賞に四女役の広瀬すずと、姉妹そろっての受賞が話題となっていた。是枝監督は、「すごく長い時間をかけて撮影させていただいた、お金を出していただいたプロデューサーの方々にも本当に感謝しています」と関係者の貢献に言及。撮影は実在する鎌倉の民家を借りて1年を通して行われたため、「あの家がなかったら多分撮れなかった映画だと思います」と振り返った。一方の綾瀬は、「本当にうれしいです。みんなで一つになって作ったものを多くの方々に見ていただけたことが、何よりありがたいと思っています」と笑顔を見せ、続く姉妹たちも「同世代の女優さんと共演する機会はなかなか少ないなと思っていて、一緒に現場にいることで、自分の未熟さも感じられて、頑張らないとと勇気をもらえました」(長澤)、「ここにみんなで立てることが本当に嬉しいです」(夏帆)と喜びを伝えた。末っ子役の広瀬は感極まった様子で「この空間にいるのがすごく、鳥肌が立ちっぱなしなんですが」と前置き。「お姉さんたちのような女優さんになれるように、追いかけ続けられるように頑張ります」と今後の目標を話すと、司会を務めていた西田敏行も優しい声で「すずちゃん、頑張ってね」と声をかけていた。■最優秀賞受賞リスト作品賞…『海街diary』監督賞…是枝裕和(『海街diary』)主演男優賞…二宮和也(『母と暮せば』)主演女優賞…安藤サクラ(『百円の恋』)助演男優賞…(本木雅弘『日本のいちばん長い日』)助演女優賞…黒木華(『母と暮せば』)アニメーション作品賞…『バケモノの子』脚本賞…足立紳(『百円の恋』)音楽賞…サカナクション(『バクマン。』)編集賞…大関泰幸(『バクマン。』)録音賞…松陰信彦(『海難1890』)照明賞…藤井稔恭(『海街diary』)撮影賞…瀧本幹也(『海街diary』)美術賞…花谷秀文(『海難1890』)外国作品賞…『アメリカン・スナイパー』■これまでの最優秀作品賞第38回…『永遠の0』第37回…『舟を編む』第36回…『桐島、部活やめるってよ』第35回…『八日目の蝉』第34回…『告白』第33回…『沈まぬ太陽』第32回…『おくりびと』第31回…『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』第30回…『フラガール』第29回…『ALWAYS三丁目の夕日』第28回…『半落ち』第27回…『壬生義士伝』第26回…『たそがれ清兵衛』第25回…『千と千尋の神隠し』第24回…『雨あがる』第23回…『鉄道員(ぽっぽや)』第22回…『愛を乞うひと』第21回…『もののけ姫』第20回…『Shall we ダンス?』第19回…『午後の遺言状』第18回…『忠臣蔵外伝 四谷怪談』第17回…『学校』第16回…『シコふんじゃった。』第15回…『息子』第14回…『少年時代』第13回…『黒い雨』第12回…『敦煌』第11回…『マルサの女』第10回…『火宅の人』第9回…『花いちもんめ』第8回…『お葬式』第7回…『楢山節考』第6回…『蒲田行進曲』第5回…『駅 STATION』第4回…『ツィゴイネルワイゼン』第3回…『復讐するは我にあり』第2回…『事件』第1回…『幸福の黄色いハンカチ』
2016年03月05日第39回日本アカデミー賞において、安藤サクラが『百円の恋』で最優秀主演女優賞を獲得!本作は超低予算で制作され、わずかな館数での公開で始まったが、主演女優賞に加え、最優秀脚本賞(足立紳)にも輝き、今回の授賞式で大旋風を巻き起こした。優秀主演女優賞には『海街diary』での長女役が絶賛された綾瀬はるか、『ビリギャル』の有村架純、『あん』の樹木希林、『母と暮せば』の吉永小百合と若手からベテランまで多彩な顔ぶれが並んだが、予算規模も最小、撮影期間もわずか2週間の『百円の恋』で存在感を見せつけた安藤さんが最優秀賞を受賞した。安藤さんは2013年に「第86回キネマ旬報ベスト・テン」で史上初の、主演女優賞(『かぞくのくに』)、助演女優賞(『愛と誠』『その夜の侍』ほか)のW受賞を達成。昨年は実姉の安藤桃子がメガホンを握った『0.5ミリ』でも優秀主演女優賞を受賞したが、今年ついに最優秀賞主演女優賞受賞となった。安藤さんは本作の撮影を振り返り「2週間での撮影というのが悔しくて、みんな『やってやるぜ!』という気持ちでした」と述懐。映画では、30代になっても自堕落な生活を送っていたが、あるきっかけでボクシングに打ち込んでいく主人公・一子を演じている。オーディションでこの役を勝ち取った安藤さんは「彼女のようになりたかった」と語り、短期間での過酷な肉体改造についても赤裸々に語った。そして、プレゼンターの岡田准一から、最優秀賞受賞者として自身の名が読み上げられると、安藤さんは信じられないという表情を見せ「驚いてます!びっくりして…ジワジワと心臓が出てきちゃいそう!」と驚きを口にした。『百円の恋』は最優秀脚本賞(足立紳)も受賞。小規模公開の低予算作品の主要部門での2冠に会場は、称賛の拍手に包まれた。会場内の同作のテーブルには新井浩文(優秀助演男優賞)、武正晴監督(優秀監督賞)も同席していたが新井さんは脚本、主演女優部門での最優秀受賞について、テーブルで「絶対にない!」と語っていたそうで、最優秀脚本賞で名前を呼ばれた足立さんは「新井さんは『絶対にありませんから』と言ってたんですが、1ミリくらい期待していて…メッチャ嬉しいです」と喜びを口にした。安藤さんも、壇上でトロフィーを受け取ったのち、新井さんの発言に言及し「新井くんが『ないと思うけど、サクラが獲ったら、ウチ泣いちゃうよ』と言ってたのに、全然泣いてない!」と、壇上からツッコミ。改めて「思い出されるのは、数館から始まって口コミで上映館が増えて、みなさんに会いたくていろんなところに行かせていただいたこと。見ていただいた方のエネルギーや熱気を劇場に入った時に感じました。ジワジワとエネルギーが繋がって、こんなところにまで来られるようになった映画に参加できたことを嬉しく思います」と感激の面持ちで語った。(text:cinemacafe.net)■関連作品:百円の恋 2014年12月20日より全国にて公開(C) 2014 東映ビデオ
2016年03月04日「手の延長としてではなく、脳の延長としてプログラミングを使っている。すべてをコンピューター上で制御しないで行うため、作品の完成形を事前に絵コンテで見せることができないので、説明するのに苦労する」と苦笑するのはメディアアーティストの平川紀道氏。同氏は2月26日より開幕した「メディア アンビション トーキョー2016(MEDIA AMBITION TOKYO 2016)」に、LEXUSとのコラボレーションによる映像音響インスタレーション作品の『the view 【for LEXU】』で参加。六本木ヒルズの森タワー52階東京シティビューで、レクサスLF-LCの車体とともに壁面2面を使った映像がノンストップで流れている。今年1月に発表されたラグジュアリークーペLC500への注目もあって、初日から長時間にわたり、先鋭的なこの空間に身を置く観客の姿もあり、メディアアートが身近なものとなりつつあることを実感する。今回の作品は、同氏が今回同様レクサスとのコラボにより2007年にミラノサローネで発表した作品をベースに、「ミラノで発表したが、日本では未公開だった作品だった」ため、以降8年間のテクノロジーの進化に合わせ、新たにプログラミングを書き換え公開した作品。当時は周囲の動きに対応するインタラクティブな提案だったが、今回はインタラクティブの要素を排除し、データを用いず、純粋にコンピューターの計算だけで映像が表現される。地平線をモチーフに、ビルや山、川といったモチーフを連想させるグラフィックスがエンドレスで描写される。「コンピュータープログラミングはアート足り得るか?」という意地の悪い質問には「僕自身はテクノロジーとサイエンスの領域よりも、アートとサイエンスの関係性に興味がある」と平川氏の答えは明快だ。8年前に比べると文字通り桁違いにンピューターの性能は進化した。その処理能力のスピードアップが映像という形で表現され、テクノロジーの進化がアートとして集中展示されるというMATのイベントコンセプトを代表している。テクノロジーの進化が、未来の車社会にどういった影響を与えるかという命題に、空間表現でイメージ化しているのは、インターセクト バイ レクサス東京で行われている「White Rain for LEXUS」も同様。照明を使った光のインスタレーション作品で知られる松尾高弘氏とのコラボでは、今回は新しく開発されたホログラフィックディスプレイに観客が触れることで、レクサスGSFの車体の周りを取り囲んだLEDライト24本とアクリル50本のポールが人工的な雨のシーンを描き出す。その光が車のボディに反射し、ホログラムとの連動で人との関わりで変化を生み出すという趣向。ブルガリとのコラボやさまざまな商空間のインタラクティブアートを手掛ける同氏らしい作品だ。「光の流れは計算上、同じシーンを再現することはなく、一期一会。自分自身はテクノロジーだけではく、そこに人が介在することが重要。その点では車というメディアは面白い」と松尾氏は、今回のレクサスとのコラボについて話す。“エルフィネス”というデザイン概念を掲げるレクサスにとって、次世代のラグジュアリーさを先鋭的なデザインで実験する場としてMATの場は好相性なようだ。【イベント情報】MEDIA AMBITION TOKYO 2016■六本木会場六本木ヒルズ52階東京シティビュー住所:東京都港区六本木6-10-1会期:2月7日から3月21日時間:月から木曜日・日曜日、祝日10:00から22:00入場料:当日1,800円前売り1,500円(東京シティビュー入場料)■青山会場インターセクト バイ レクサス住所:東京都港区南青山4-21-26会期:2月8日から3月21日時間:11:00から22:00入場無料Text: 野田達哉
2016年02月29日サンワダイレクトは16日、テレビにつないで使用するコンパクトメディアプレーヤー「400-MEDI020H」を発売した。直販サイト「サンワダイレクト」での価格は7,980円(税別)。400-MEDI020Hは、PCなしでテレビなどに動画や音楽を出力できる、名刺サイズのメディアプレーヤー。SDメモリーカードやUSBメモリーに保存した動画を再生できる。テレビとはHDMIケーブルやAVケーブル(コンポジットビデオ)で接続。SDメモリーカードは最大32GBまでの容量に対応する。再生モードは、電源を入れると自動で再生を行う「オートプレイ」、記録メディア内の画像を順次再生する「スライドショー」、音楽を再生しながら写真の再生を行う「バックミュージック」、映像や音楽などの「リピート機能」など。SDメモリーカードとUSBメモリー間でデータをコピーするモードも搭載する。リモコンが付属し、本体サイズはW79.4×D58×H15.5mm、重量は約70g。
2016年02月17日ももいろクローバーZが、「第39回日本アカデミー賞」で話題賞の俳優部門に選ばれた。話題賞は日本アカデミー賞で唯一、一般投票によって選ばれる賞で、総投票数4万7,014通。結果はニッポン放送のラジオ番組『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(毎週木曜25:00~)内で発表された。映画『幕が上がる』で5人そろって主演を務めたももクロ。劇作家・平田オリザ氏の小説デビュー作となる同名作を原作に、本広克行監督がメガホンをとった。地方高校の演劇部の生徒たちをメンバーが演じ、彼女たちが全国大会を目指す青春模様を描いている。また、作品部門には『週刊少年ジャンプ』(集英社)での連載を目指す漫画家を佐藤健、神木隆之介が演じた『バクマン。』が選出された。監督・脚本を『モテキ』の大根仁氏が務め、『オールナイトニッポン』のヤングリスナーから高い支持を得たという。3月4日に行われる日本アカデミー賞授賞式では、『永遠の0』で前回の話題賞・俳優部門を受賞した岡田准一がプレゼンターとなり、受賞者への贈賞を予定。岡田は2002年に大根監督演出のドラマ『TEXAS』(フジテレビ『演技者。』内で放送)にも出演しており、注目を集めている。また、ニッポン放送では同日、授賞式の模様を『オールナイトニッポンGOLD 第39回日本アカデミー賞スペシャル』(22:00~24:00)として放送する。(C)2015平田オリザ・講談社/フジテレビジョン 東映 ROBOT 電通 講談社 パルコ(C)2015映画「バクマン。」製作委員会
2016年02月12日第43回アニー賞が6日(現地時間)に発表され、最多14部門でノミネートされた『インサイド・ヘッド』が最優秀作品賞、監督賞、脚本賞など10部門で受賞を果たした。日本から『バケモノの子』と『思い出のマーニー』がノミネートされていたインディペンデント長編作品賞はブラジルのアレ・アヴレウ監督の『父を探して』(3月公開)が受賞した。今年は『火垂るの墓』『かぐや姫の物語』の高畑勲監督が功労賞にあたるウィンザー・マッケイ賞を贈られた。実写映画におけるアニメーション映像に対する賞では、最優秀キャラクター・アニメーション賞を『レヴェナント:蘇えりし者』が受賞、最優秀視覚効果賞を『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』が受賞した。映画部門最優秀長編作品賞:『インサイド・ヘッド』最優秀長編作品賞(インディペンデント):『父を探して』監督賞:ピート・ドクター(『インサイド・ヘッド』)脚本賞:ピート・ドクター、メグ・レフォーヴ、ジョシュ・クーリー(『インサイド・ヘッド』)編集賞:『インサイド・ヘッド』視覚効果賞:『アーロと少年』音楽賞:『インサイド・ヘッド』キャラクター・アニメーション賞:『インサイド・ヘッド』美術賞:『インサイドヘッド』キャラクター・デザイン賞:『インサイド・ヘッド』絵コンテ賞:『インサイド・ヘッド』ヴォイス・キャスト賞:フィリス・スミス(『インサイド・ヘッド』)キャラクター・アニメーション賞(実写映画):『レヴェナント:蘇えりし者』視覚効果賞(実写映画):『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』ウィンザー・マッケイ賞:ジョー・ランフト、フィル・ローマン、高畑勲(text:Yuki Tominaga)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン 2015年7月4日より全国にて公開(C) Marvel 2015
2016年02月07日“アニメーション界のアカデミー賞”といわれるアニー賞のセレモニーが現地時間2月6日に行われ、『インサイド・ヘッド』が作品賞に輝いた。監督賞をはじめ3部門へのノミネートを果たしたジブリ作品『思い出のマーニー』は惜しくも受賞を逃す結果となった。2015年5月より、英題『When Marnie Was There』としてニューヨーク、ロサンゼルスを皮切りに全米公開された『思い出のマーニー』。本作では、イギリスの作家ジョーン・ロビンソンによる同名児童文学を原作に、海辺に暮らす親せきに預けられることになった少女・杏奈と、海辺に佇む“湿っ地屋敷”に暮らす金髪の少女・マーニーがひと夏を過ごし、ある秘密を分かち合う姿を描く。本作は第43回アニー賞の最優秀監督賞、最優秀脚本賞、インディペンデント作品賞にノミネートされていた。同じくインディペンデント賞へのノミネートを果たした細田守監督『バケモノの子』(『The Boy and the Beast』/英題)も受賞には至らなかった。『思い出のマーニー』は2月28日(現地時間)に開催される第88回アカデミー賞の長編アニメーション部門にもノミネートされており、同賞での受賞に期待がかかる。(text:cinemacafe.net)■関連作品:思い出のマーニー 2014年7月19日より全国東宝系にて公開(C) 2014 GNDHDDTK
2016年02月07日1月30日(現地時間)、第22回全米映画俳優組合(SAG)賞が発表になり、映画部門の作品賞にあたるキャスト賞を『スポットライト世紀のスクープ』が受賞した。4月に日本公開予定の『スポットライト世紀のスクープ』は、アメリカの「ボストン・グローブ」紙がカトリック教会で起きていた性的虐待の実態を暴いた実話を映画化した社会派ドラマ。「スポットライト」と題された特集記事を担当する記者たちを演じたブライアン・ダーシー・ジェームズ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、マーク・ラファロ、リーヴ・シュレイバー、ジョン・スラッテリー、弁護士を演じたビリー・クラダップとスタンリー・トゥッチが受賞した。主演男優賞はレオナルド・ディカプリオが『レヴェナント:蘇えりし者』で受賞。主演女優賞に輝いた『ルーム』のブリー・ラーソンとともに2月28日(現地時間)発表の第88回アカデミー賞での主演賞受賞に王手をかけた。SAG賞に投票する映画俳優組合員は、アカデミー賞で投票権を持つアカデミー会員と顔ぶれが重なることが多く、アカデミー賞の俳優賞と授賞結果がしばしば一致する。助演男優賞に輝いたのは『ビースト・オブ・ノー・ネーション』のイドリス・エルバ。アカデミー賞候補にはならなかったものの、今回「刑事ジョン・ルーサー」でTV部門のTV映画・ミニシリーズ男優賞も受賞している。助演女優賞は『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデルが受賞、彼女もオスカー受賞にまた一歩近づいた。映画スタント・アンサンブル賞は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が受賞した。今年はアカデミー賞の俳優部門の候補者が全員白人で、多様性に欠けるという批判が寄せられ、ウィル・スミス夫妻やスパイク・リー監督が授賞式のボイコットを表明しているが、SAG賞ではイドリスのほかに、TV映画・ミニシリーズ女優賞をクイーン・ラティファ(「BESSIE/ブルースの女王」)、TV部門ドラマシリーズ女優賞をヴィオラ・デイヴィス(「How to Get Away with Murder」原題)、同コメディシリーズ女優賞をウゾ・アドゥバ(「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」)、と計4人のアフリカ系俳優が受賞した。(text:Yuki Tominaga)
2016年02月01日ゲイ、レイズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーを正確かつ公平に描く作品に贈られるGLAADメディア賞のノミネーションが発表された。その他の写真映画部門(拡大公開)に候補入りしたのは、『キャロル』『リリーのすべて』『Dope(ドープ)』『Freeheld(フリーヘルド)』『愛しのグランマ』。『キャロル』は、離婚しようとしている年上の女性(ケイト・ブランシェット)と若い女性(ルーニー・マーラ)の恋愛を描くもの。『リリーのすべて』は、性同一性障害という言葉すらなかった時代に、性転換手術に挑んだ実在のアーティスト(エディ・レッドメイン)の物語。『Freeheld(フリーヘルド)』も実話で、レズビアンカップル(ジュリアン・ムーア)が主人公)。L.A.の若者を描く『Dope(ドープ)』は、昨年のサンダンス映画祭で話題を呼び、『愛しのグランマ』(原題は『Grandma』)では、リリー・トムリンがゴールデン・グローブにノミネートされている。授賞式は(現地時間)4月2日。『キャロル』2月11日(木・祝)全国公開『リリーのすべて』3月18日(金)全国公開文:猿渡由紀(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED
2016年01月28日カンヌ国際映画祭を始めとする世界の映画賞42部門ノミネート13部門受賞の快挙を果たし、本年度アカデミー賞主題歌賞にノミネートとなった映画『YOUTH』(原題)が邦題『グランドフィナーレ』として、4月16日(土)より公開されることが決定。併せて、本作のポスタービジュアルが解禁となった。世界的にその名を知られる、英国人音楽家フレッド(マイケル・ケイン)。今では作曲も指揮も引退し、ハリウッドスターやセレブが宿泊するアルプスの高級ホテルで優雅なバカンスを送っている。長年の親友で映画監督のミック(ハーヴェイ・カイテル)も一緒だが、現役にこだわり続ける彼は、若いスタッフたちと新作の構想に没頭中だ。そんな中、英国女王から出演依頼が舞い込むが、なぜか頑なに断るフレッド。その理由は、娘のレナ(レイチェル・ワイズ)にも隠している、妻とのある秘密にあった──。『グレート・ビューティ/追憶のローマ』でアカデミー賞外国語映画賞に輝いたイタリアの奇才パオロ・ソレンティーノがメガホンを握り、観る者を陶酔へと誘う壮麗な映像美で、引退した音楽家がキャリアの最後に大輪の花を咲かせるべく人生のすべてを賭けて大舞台に挑むまでの愛と葛藤を描く本作。主人公の音楽家・アルフレッドには『ハンナとその姉妹』『インターステラー』など数々の映画に出演する名優マイケル・ケイン。また彼の娘に『ナイロビの蜂』『ボーン・レガシー』のレイチェル・ワイズ、親友の映画監督には『天使にラブ・ソングを…』『スモーク』のハーヴェイ・カイテル、人気俳優役を『ルビー・スパークス』『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』のポール・ダノが好演。さらに圧巻の演技を魅せた大女優ジェーン・フォンダは、本作でゴールデン・グローブ助演女優賞にノミネートされた。本年度アカデミー賞にノミネートされた主題歌「シンプル・ソング」を始め、ストラヴィンスキーやドビュッシーなどの名曲が彩る本作。ゴージャスでエレガントな非日常の世界の先には、どんなフィナーレが待ち受けているのか――公開を楽しみに待ちたい。『グランドフィナーレ』は4月16日(土)より新宿バルト9、シネスイッチ銀座、Bunkamura ル・シネマ、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年01月27日2015年9月に公開されたアニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』が、第39回日本アカデミー賞の優秀アニメーション作品賞を受賞した。各部門の最優秀賞は、3月4日に発表される。本作は、長井龍雪監督、脚本の岡田麿里氏、キャラクターデザインの田中将賀氏が『とらドラ!』(08~09年)、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下『あの花』)シリーズに続いて、再びタッグを組んで製作されたオリジナルアニメ作品。『あの花』と同じく秩父を舞台に、幼少時のトラウマからうまく言葉が話せなくなった主人公・成瀬順(水瀬いのり)ら高校生を中心として心の傷や葛藤など、自分自身の姿に真正面から向き合いながら、人と人との絆などを描いた。昨年、全国142の劇場で公開されると、累計興行収入11億2,000万円、累計動員82万人を記録。第19回文化庁メディア芸術祭"アニメーション"部門に、審査委員会推薦作品としても選出された。TVシリーズ発ではない、完全オリジナル劇場用アニメ作品が興収10億円を超えるのは、スタジオジブリ作品(『千と千尋の神隠し』や『もののけ姫』など)、大友克洋監督作品の『スチームボーイ』、細田守監督作品(『サマーウォーズ』や『おおかみこどもの雨と雪』など)に次ぐ快挙となった。3月30日には、ブルーレイおよびDVDのリリースも決定。完全生産限定版(BDは8,500円/DVDは7,500円)と本編ディスクのみの通常版(BDは5,500円/DVDは4,500円)で発売され、限定版には、昨年放送された公開記念特番や初日舞台あいさつの模様を収録した特典ディスクや総作画監督修正集など掲載の特製ブックレット、劇場パンフレットの縮小版などが付属する(価格はいずれも、税別)。(C)KOKOSAKE PROJECT
2016年01月19日放送映画批評家協会賞が発表され、『スポットライト世紀のスクープ』が作品賞に選ばれた。その他の画像主演男優賞は『レヴェナント蘇りし者』のレオナルド・ディカプリオ、主演女優賞は『ルーム』のブリー・ラーソンが受賞した。主な受賞結果は、以下のとおり。作品賞:『スポットライト世紀のスクープ』主演男優賞:レオナルド・ディカプリオ(『レヴェナント』)主演女優賞:ブリー・ラーソン(『ルーム』)監督賞:ジョージ・ミラー(『マッドマックス怒りのデス・ロード』)コメディ作品賞:『マネー・ショート華麗なる大逆転』コメディ男優賞:クリスチャン・ベール(『マネー・ショート』)コメディ・女優賞:エイミー・シューマー(『Trainwreck』)助演男優賞:シルベスター・スタローン(『クリード/チャンプを継ぐ男』)助演女優賞:アリシア・ヴィキャンダル(『リリーのすべて』)脚本賞:『スポットライト』脚色賞:『マネー・ショート』アンサンブル演技賞:『スポットライト』アニメ映画賞:『インサイド・ヘッド』
2016年01月19日1月18日(月)、「第39回日本アカデミー賞」優秀賞が発表され、『海街diary』が作品賞をはじめ最多12部門を受賞。主演女優賞に綾瀬はるか、助演女優賞に長澤まさみと夏帆、新人俳優賞に広瀬すずとメインキャスト4人がみな受賞を果たしたことが分かった。そのほか作品賞を『海難1890』、『日本のいちばん長い日』、『母と暮せば』、『百円の恋』が受賞した。同賞は、2014年12月14日~2015年12月15日の間に、東京地区において有料で初公開された優秀な劇場用映画およびアニメーション作品を表彰したもの。授賞式の女性司会者は、前年の最優秀主演女優賞を獲得した女優が務めるのが恒例となっており、今年は昨年、『紙の月』で最優秀主演女優賞を受賞した宮沢りえが、西田敏行とともに司会を務める。今回も作品賞には昨年を代表する邦画5作品が選出。吉田秋生の人気漫画の実写化で、鎌倉に暮らす3姉妹の元に腹違いの妹がやってきて、一緒に暮らし始めての1年を描いた『海街diary』は、作品賞をはじめ12部門を受賞。メインキャストの4人がそれぞれ主演女優賞、助演女優賞、新人俳優賞に輝いており、是枝裕和監督が監督署と脚本賞を受賞。菅野よう子が音楽賞、そのほか撮影賞や照明賞などにも輝いた。役所広司、松坂桃李ら実力派俳優たちが勢揃いした『日本のいちばん長い日』。半藤一利氏のノンフィクションを映画化した歴史超大作で、戦争完遂か降伏かの決断を迫られる阿南惟幾陸軍大臣の苦悩を軸に、日本の未来を案じ、身をていした人々のドラマを通して、「終戦前夜、日本で何が起こったのか」に迫る。本作で役所さんは主演男優賞を受賞。昭和天皇の玉音放送を見事に再現した本木雅弘は助演男優賞を受賞した。また原田眞人監督は監督賞と脚本賞をW受賞している。二宮和也と吉永小百合の初共演で話題をよんだ『母と暮せば』。山田洋次監督通算83作品目にして初めてのファンタジー作品。敗戦から3年、長崎で助産婦をして暮らす伸子の元に原爆で亡くなった息子の浩二が亡霊となって現れ、2人の奇妙な暮らしを通じ、大切な人を失った遺族の悲しみ、戦争の傷から立ち直ろうとする人々の姿が描かれる。本作は作品賞とともに、二宮さん、吉永さんがそれぞれ主演男優・女優賞を受賞。昨年、最優秀主演男優賞に輝いた事務所の先輩・岡田准一のあとに、二宮さんが続くことになるのか注目が集まる。そして、安藤サクラ主演の『百円の恋』。自堕落に暮らしてきた主人公の一子が、勤め先の100円ショップの常連客である中年ボクサーとの出会いに触発され、自らもボクサーになることを決意し奮闘するさまが描き出される。安藤さんは主演女優賞を受賞。共演の新井浩文は助演男優賞に輝いている。日本トルコ合作映画として大きな注目を集めた『海難1890』。125年前に串本町樫野崎沖で遭難したトルコ軍艦の乗組員を現地の人々が救助、治療をし、彼らの命を救った「エルトゥールル号海難事故」と、その95年後に戦禍のテヘランで取り残された日本人たちをトルコ機が救出した「イラン・テヘラン在留邦人救出劇」という二つの史実が題材となっている。主演の内野聖陽は、本作で主演男優賞を受賞した。各賞の最優秀賞の発表、授賞式は3月4日(金)16時よりグランドプリンスホテル新高輪にて開催。【第39回日本アカデミー賞優秀賞/受賞結果一覧】<優秀作品賞>■『海街diary』■『海難1890』■『日本のいちばん長い日』■『母と暮せば』■『百円の恋』<優秀主演男優賞>■内野聖陽:『海難1890』■大泉洋:『駆込み女と駆出し男』■佐藤浩市:『起終点駅ターミナル』■二宮和也:『母と暮せば』■役所広司:『日本のいちばん長い日』<優秀主演女優賞>■綾瀬はるか:『海街diary』■有村架純:『映画ビリギャル』■安藤サクラ:『百円の恋』■樹木希林:『あん』■吉永小百合:『母と暮せば』<優秀助演男優賞>■浅野忠信:『母と暮せば』■新井浩文:『百円の恋』■伊藤淳史:『映画ビリギャル』■染谷将太:『バクマン。』■本木雅弘:『天空の蜂』■本木雅弘:『日本のいちばん長い日』<優秀助演女優賞>■夏帆:『海街daily』■黒木華:『母と暮せば』■長澤まさみ:『海街daily』■満島ひかり:『駆込み女と駆出し男』■吉田羊:『映画ビリギャル』<優秀アニメーション作品賞>■『心が叫びたがってるんだ。』■『百日紅~MISS HOKUSAI~』■『ドラゴンボールZ復活の「F」』■『バケモノの子』■『ラブライブ!The School Idol Movie』<優秀監督賞>■大根仁:『バクマン。』■是枝裕和:『海街diary』■武正晴:『百円の恋』■田中光敏:『海難1890』■原田眞人:『日本のいちばん長い日』<優秀脚本賞>■足立紳:『百円の恋』■小松江里子:『海難1890』■是枝裕和:『海街daily』■原田眞人:『日本のいちばん長い日』■山田洋次/平松恵美子:『母と暮せば』<優秀外国作品賞>■『アメリカン・スナイパー』■『キングスマン』■『セッション』■『マッドマックス 怒りのデス・ロード』■『007スペクター』<新人俳優賞>■有村架純:『映画ビリギャル』■土屋太鳳:『orange-オレンジ-』■広瀬すず:『海街diary』■藤野涼子:『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』■藤原篤:『恋人たち』■野田洋次郎:『トイレのピエタ』■山崎賢人:『orange-オレンジ-』『ヒロイン失格』■山田涼介:『映画暗殺教室』<優秀音楽賞>■大島ミチル:『海難1890』■菅野よう子:『海街diary』■サカナクション:『バクマン。』■富貴晴美:『日本のいちばん長い日』■安川午朗:『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(text:cinemacafe.net)
2016年01月18日第73回ゴールデン・グローブ賞で作品賞と主演男優賞を受賞したマット・デイモン主演『オデッセイ』(2月5日公開)の特別映像が13日、公開された。リドリー・スコット監督とマット・デイモンが初めてタッグを組んだ『オデッセイ』は、NASAの全面協力のもと、火星に独りぼっちで取り残された宇宙飛行士の運命を描いたサバイバル・アドベンチャー。全米2週連続1位のロケットスタートを記録し、公開4、5週目にも返り咲き1位を達成、先日発表されたゴールデン・グローブ賞で作品賞(ミュージカル・コメディ部門)、主演男優賞(マット・デイモン/ミュージカル・コメディ部門)に輝いた。このたび公開された特別映像では、火星でひとり奮闘する主人公ワトニーだけでなく、3つのドラマが絡みあって繰り広げられるストーリーが明らかに。ワトニーのサバイバルと並行して、不眠不休であらゆる手段を尽くしてワトニー救出の可能性を探るNASA科学者たち、同僚の生存を知り無謀とも思える作戦に身を投じていく宇宙船ヘリウム号のクルーたちの物語が描かれている。ゴールデン・グローブ賞初受賞(俳優として)のデイモンは「リドリーは観客からもっと大きな感動を呼ぶものであれば、喜んでルールを破る。彼が使うキャンバスは、ほとんどの人たちよりも大きいから、それだけのスケールで演じるのはワクワクする経験だ」と監督の手腕を絶賛しつつ、感動のストーリーであることに言及。自身の演じたワトニーについても、「彼が象徴するのは1人の命以上のものだ。彼は、人間の開拓精神や将来への希望を体現している。この役を演じられて光栄に思うよ」と語った。(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved
2016年01月13日フロリダ映画批評家協会賞が発表された。作品賞に輝いたのは『マッドマックス怒りのデスロード』。同作品は、監督賞、撮影賞、ビジュアルエフェクト賞も獲得している。その他の画像主演男優賞は『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』のポール・ダノ、主演女優賞は『Room』のブリー・ラーソン。助演男優賞は『Ex Machina』のオスカー・アイザック、助演女優賞は『アクトレス~女たちの舞台~』のクリステン・スチュワート。脚本賞には『スポットライト世紀のスクープ』、脚色賞には『マネー・ショート華麗なる大逆転』が選ばれた。また、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のデイジー・リドリーは、ブレイクアウト賞を獲得した。『マッドマックス怒りのデス・ロード』ブルーレイ&DVDセット(2枚組/デジタルコピー付)3D&2Dブルーレイセット(2枚組/デジタルコピー付)ブルーレイ スチールブック仕様(1枚組/デジタルコピー付)マッドマックス アンソロジー ブルーレイセット(5枚組/デジタルコピー付)発売中発売・販売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント文:猿渡由紀
2015年12月25日ヨーロピアン映画アカデミーがヨーロピアン映画賞を発表した。作品賞に輝いたのは、パオロ・ソレンティーノ監督の『Youth』。作品賞のほかソレンティーノは監督賞、マイケル・ケインは男優賞を受賞している。その他の情報女優賞は、『45 Years』のシャーロット・ランプリング。コメディ映画賞は、ロイ・アンダーソンの『さよなら、人類』。ドキュメンタリーには『Amy』、アニメには『Song of the Sea』が選ばれた。ヨーロピアン映画賞を受賞した作品は、オスカーの外国語映画賞を獲得することが多いが、『Youth』は英語であるため、外国語映画部門の資格がない。しかし、作品部門、主演男優部門での候補入りは可能性が十分ある。文:猿渡由紀
2015年12月14日LINEは1日、LINEの公式アカウントを利用したニュース配信機能を外部メディア向けに開放する「LINE アカウントメディア プラットフォーム」を発表した。同日より、第1弾として新聞社/通信社/TV局などの24メディアをパートナーに迎えた、公式アカウントの提供を開始している。LINEでは、プラットフォーム戦略の一環として、2013年7月よりニュースアプリ「LINE NEWS」を公開した。2014年4月には「LINE NEWS」の公式アカウントを通じ、ニュースを1日3回ダイジェスト形式で配信する「LINE NEWS DIGEST」をスタートしている。2015年4月からは、ユーザーが自身の好みに応じて選択したマガジンを週1から2回程度、公式アカウントからダイジェスト形式でプッシュ配信を行う「LINE NEWS マガジン」を展開してきた。新たに提供される「LINE アカウントメディア プラットフォーム」は、「LINE NEWS DIGEST」および「LINE NEWS マガジン」のノウハウを活かし、ニュース配信機能を外部メディア向けに開放するもの。これにより、参画メディアは自社の公式アカウントを開設後、LINEが提供するニュース配信CMSを通じ、当該公式アカウントをフォローしているユーザーに対し、ニュースのプッシュ配信を行うことができる。同プラットフォームにおいてLINEでは、参画メディアのアカウントへの集客支援や、各メディアが配信するダイジェスト記事内における広告掲載スペースの提供を行っていくという。ユーザーは、「LINE」アプリ内から、「その他」から「LINE NEWS」、「第1弾ラインナップはこちら」と進むことで、各メディアの公式アカウントを追加できる。また、「LINE アカウントメディア プラットフォーム」の展開開始を記念して、計3つのアカウントを友だち登録したユーザーに「選べるニュース X 大長編ドラえもん」スタンプをプレゼントするキャンペーンも実施する。
2015年12月01日文化庁メディア芸術祭実行委員会は27日、「平成26年度文化庁メディア芸術祭」の受賞作品・受賞者を発表した。今年で19回目を迎えた「文化庁メディア芸術祭」の受賞作記者発表会。11月27日、東京・六本木の新国立美術館で開催された。文化庁メディア芸術祭は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門別に優れた作品を選出し、表彰する制度。19回目となる今回は、7月7日から9月9日の受付期間内に、世界87の国と地域から過去最高となる4,417作品が寄せられた。このうち2,216作品が海外からの応募となり、国内の応募作品とともに過去最多を記録した。受賞作品は、各部門で大賞1作品、優秀賞4作品、新人賞3作品が選出された他、功労賞としてメディア芸術分野に貢献した4名が表彰される。受賞者には賞状、トロフィーの他、副賞として大賞60万円、優秀賞30万円、新人賞20万円が贈呈される。アート部門の大賞は、香港生まれのメディアアーティストCHUNG Waiching Bryan氏の「50 . Shades of Grey」が受賞。額装した6枚のシートで構成されるグラフィックアートで、プログラミング言語を使用した、コンセプチュアルであると同時に視覚的な作品。見た目は、幾何学的で素っ気なくさえ見える簡素な作品だが、その奥に異質な世界観が層になって徐々に見えてくる豊かさが評価されたのが主な受賞理由だ。エンターテインメント部門の大賞は、岸野雄一氏による音楽劇「正しい数の数え方」が選ばれた。人形劇、演劇、アニメーション、演奏といった複数の表現で構成される、観客参加型の作品で、フランス・パリのデジタル・アートセンター「ラ・ゲーテ・リリック」の委嘱作品として2015年6月に上演されたものだ。1900年のパリ万国博覧会を舞台に、公演のために日本からパリを訪れた「川上音二郎一座」が、万博のパビリオン"電気宮"に現れた"電気神"が観客にかけた呪いを解くため、「正しい数の数え方」を求めて旅へ出る冒険譚。批評性と実験性が染み込み、時代を超え、手軽なテクノロジーに埋没しない原初的な魂が宿った、メディア性、芸術性が高く評価された。アニメーション部門の大賞は、フランスのアーティスト・Boris LABBE氏の「Rhizome」。圧倒的な緻密さと極端な構図で展開される短編アニメーションで、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズと精神科医フェリックス・ガタリの共著「千のプラトー」で複雑に展開される"リゾーム(Rhizome)"の概念にインスパイアを受け、創作された独創的な作品。仮想のスケール空間のなかで、生物とも無機物ともつかない抽象的な形態が常に変化し、個々の動きが全体の動きへと連なっていくなどユニークな感覚や、絵に疑似的な生命感を与えるアニメーションの原始的なおもしろさがある点などが評価を受けた。マンガ部門の大賞に選ばれたのは東村アキコ氏の「かくかくしかじか」。 集英社の「Cocohana」で2012年1月号から2015年3月号まで連載されていた作品で、 作者が少女マンガ家を夢見ていた時代から、夢をかなえてマンガ家になるまでとその後の半生を題材にした自伝的マンガ。作者に多大な影響を及ぼした恩師の個性的なキャラクターが笑いと涙の要素を盛り込みながらさまざまなエピソードを通して語られるおもしろさや、個人的な経験から普遍的な物語へと昇華されている点などが審査員一同に感銘を与えたことなどが受賞理由となった。各部門のその他の受賞者、および受賞作品は以下のとおり。【アート部門】■優秀賞Adam BASANTA(カナダ)「The sound of empty space」(メディアインスタレーション)Marcel・li ANTUNEZ ROCA(スペイン)「Ultraorbism」(メディアパフォーマンス)KASUGA(ドイツ)「Wutburger」映像インスタレーション長谷川愛(日本)「(不)可能な子供、01:朝子とモリガの場合」(写真、ウェブ、映像、書籍)■新人賞山本一彰(日本)「算道」(計算手法、パフォーマンス)Lorenz POTTHAST(ドイツ)「Communication with the Future - The Petroglyphomat」(インタラクティブアート)Louis-Jack HORTON-STEPHENS(英国)「Gill & Gill」(映像作品)【エンターテインメント部門】■優秀賞Jesse RINGROSE / Jason ENNIS(カナダ)「Dark Echo」(ゲーム)Sougwen CHUNG(カナダ)「Drawing Operations Unit: Generation 1」(インタラクティブインスタレーション)Assocreation / Daylight Media Lab(オーストリア)「Solar Pink Pong」(インタラクティブインスタレーション、 デジタルデバイス)Marc FLURY / Brian GIBSON(米国)「Thumper」(ゲーム)■新人賞吉開菜央(日本)「ほったまるびより」(映画)Christian WERNER / Isabelle BUCKOW(ドイツ)「Black Death」(ウェブ、ルポルタージュ)橋本麦/ノガミ カツキ(日本)「group_inou 「EYE」」(ミュージックビデオ)【アニメーション部門】■優秀賞岩井俊二(日本)「花とアリス殺人事件」(劇場アニメーション)Riho UNT(エストニア)「Isand (The Master)」(短編アニメーション)NGUYEN Phuong Mai(フランス)「My Home」(短編アニメーション)Gabriel HAREL(フランス)「Yul and the Snake」(短編アニメーション)■新人賞新井陽次郎(日本)「台風のノルダ」(劇場アニメーション)Agnes PATRON / Cerise LOPEZ(フランス)「Chulyen, a Crow’s tale」(短編アニメーション)Natalia CHERNYSHEVA(ロシア)「Deux Amis (Two Friends)」(短編アニメーション)【マンガ部門】■優秀賞志村貴子(日本)「淡島百景」田亀源五郎(日本)「弟の夫」HO Tingfung(ポルトガル)「Non-working City」業田良家(日本)「機械仕掛けの愛」■新人賞おくやまゆか(日本)「たましい いっぱい」ネルノダイスキ(日本)「エソラゴト」(同人誌)安藤ゆき(日本)「町田くんの世界」【功労賞】飯村隆彦(映像作家/批評家)上村雅之(ハードウェア開発者/ビデオゲーム研究者)小田部羊一(アニメーター/作画監督/キャラクター・デザイナー)清水勲(漫画・諷刺画研究家)なお、今回の受賞作、および優秀作品計160点を集めた受賞作品展が2月3日から14日の期間、国立新美術館をはじめ、TOHOシネマズ六本木などで開催される予定だ。
2015年11月28日14日(現地時間)、アカデミー賞名誉賞の授賞式がロサンゼルスのドルビー・ボールルームで行われ、ハリウッド・セレブたちが勢ぞろいした。この日はスパイク・リー(Spike Lee)監督と女優のジーナ・ローランズ(Gena Rowlands)が名誉賞を、女優のデビー・レイノルズ(Debbie Reynolds)がジーン・ハーショルト友愛賞を受賞、表彰された3人の功績を称えるために豪華な顔ぶれがそろった。出席者で注目の的だったのはアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)のドレスを着たルーニー・マーラ(Rooney Mara)。赤とゴールドのテーラード・スタイルのトップにスカート部分は透ける素材のティアードというユニークなデザインでひと際目立った。ジーナ・ローランズの賞のプレゼンターを務めたケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)はジョルジオ アルマーニ プリヴェ(Giorgio Armani Prive)の黒のトップスとパンツ。衿の部分のドレープがアクセントになっている。今年ママになったばかりのズーイー・デシャネル(Zooey Deschanel)やキャリー・マリガン(Carey Mulligan)もドレスアップして出席。ズーイーはカラーブロックのミニドレス、キャリーはスコットランド発ジョナサン サンダーズ(JONATHAN SAUNDERS)のペール・イエローのドレス。くるぶしの見える丈で、アクアズーラ(Aquazurra)のパンプスが映えた。
2015年11月16日ネクストマーケティングは10月29日、オウンド・メディアを容易に構築・運営でき広告に頼らずに顧客を獲得できるとするオウンド・メディア構築運営システム・ソリューションである「オウンドメディア.engine(オウンドメディアエンジン)」を販売開始した。価格は、月額3万円(60回の分割払い)。新ソリューションは、多言語に対応し、オウンド・メディアの複数構築が可能。集客に効果的という記事を無料で24本提供するため、記事作成ノウハウも身に付くという。また、初期費用が不要なため、導入ハードルが低いとしている。PCサイト用のHTMLソースをスマートフォン用サイトのHTMLへ自動変換するため、スマートフォン用サイトの構築が不要とのこと。また、複数の言語に自動変換でき、変換内容をリアルタイムでの確認・管理が可能なため、外国人顧客の獲得がコスト・手間を掛けずに実現可能という。独自ドメインで複数のオウンド・メディアを管理可能であり、一括取り込み機能により同デザインで別テーマのオウンド・メディアをワンクリックで作成できるとのことだ。
2015年10月30日テレビ界のアカデミー賞とも言われ、全世界の放送業界において最も権威と歴史あるアワードであるエミー賞。9月20日(現地時間)、アメリカ ロサンゼルスにて「第67回エミー賞」受賞結果が発表された。1948年に設立され、1949年の第1回授賞式以来、世界の放送業界において顕著な実績のあった番組や俳優、プロデューサー、制作技術者に贈られているエミー賞。67回目を迎える今年は、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」が最多24ノミネートされ注目を集めていた。今回、ドラマシリーズ部門作品賞を受賞したのは、「ゲーム・オブ・スローンズ」。本作はほかにも脚本賞、監督賞、助演男優賞と、合計4部門を獲得。また、「Veep」(原題)がコメディシリーズ部門作品賞、主演女優賞、助演男優賞、脚本賞を受賞。「Olive Kitteridge」(原題)がリミテッドシリーズ作品賞ほか、計6部門を受賞し、結果、ケーブル局HBOの作品が最多14部門を受賞し主要部門を総なめにした。そして、「MAD MEN マッドメン」のジョン・ハムが、8度目のノミネートにして、初のドラマシリーズ部門主演男優賞を受賞。授賞式では、念願の受賞を果たしたジョン・ハムが、会場中が彼を祝福しスタンディングオベーションが起きる中、階段を使わずにステージによじ登り、受賞の喜びをスピーチで語る一幕も。ドラマシリーズ部門の主演女優賞は、「殺人を無罪にする方法」のヴィオラ・デイヴィスが獲得し、エミー賞史上初めてアフリカ系アメリカ人女優の受賞者となった。同じくアフリカ系アメリカ人女優で、「Empire 成功の代償」のタラジ・P・ヘンソンもノミネートされていたが、ヴィオラ・デイヴィスが賞を勝ち取る形となった。「第67回エミー賞 授賞式」の模様は海外ドラマ専門チャンネル AXNにて9月27日(日)18時より字幕版が放送予定。(text:cinemacafe.net)
2015年09月22日博報堂DYメディアパートナーズは7月14日、メディア企業等のコンテンツホルダーを対象に、動画事業に必要な機能をワンストップで提供する動画ビジネスマネジメントシステム 「VMS : Video Business Management System (以下、VMS)」を開発・提供することを発表した。VMSは、あらかじめ用意された汎用的なデザインテンプレートを選択し、基本情報を入力することでオリジナルの動画サイトを簡単に構築することが可能。動画サーバー・広告サーバーの提供や物販/Eコマース連携、DMP連携などの機能を通じ、ビジネスを多様な領域に拡張することできる。また、一つの動画サイト内での広告収益創造に留まらず、VMS導入済みのメディアサイトを複数ネットワーク化し、横断的なコンテンツ配信や広告主のオウンドメディアへのコンテンツ提供の推進、地域自治体との連携による地域コンテンツ拡充、観光誘致・インバウンド施策への活用など動画コンテンツの価値を最大化し、継続的に収益をもたらす好循環なビジネスモデル(メディアスパイラル思想)の構築も目指す。同システムにより、メディア企業やコンテンツホルダーは、初期コストをかけずに動画配信を開始し、動画広告収益の創造に積極的に取り組むことが可能になる。
2015年07月15日東京都・新橋のアド・ミュージアム東京は、日本最高峰の広告コピー賞「TCC賞」の2015年度受賞作品を紹介する広告賞展「おいしいコピーが焼けました。TCC 広告賞展 2015」を開催している。会期は8月2日まで(日・月曜休館、ただし月曜日が祝日・振替休日の場合は翌平日休館、8月2日は開館)。開館時間は平日11:00~18:30、土・祝日11:00~16:30。入場無料。同展は、コピーで選ぶ広告賞、「TCC賞」の2015年度受賞作の中から、一般部門はTCCグランプリ1点・TCC賞11点・審査委員長賞2点、新人部門は最高新人 賞1名・新人賞21名の受賞作を紹介するもの。2015年度のTCCグランプリに選ばれたコピーは、サントリーホールディングス「ペプシネックス ゼロ」のTVCMから「自分より強いヤツを倒せ。」(多田琢氏/TUGBOAT)。また、TCC最高新人賞はダイハツ「WAKE」のTVCM「あんちゃん!WAKE だよ!ドデカクつかおう。WAKE だよ!」などで山本友和氏(電通)が受賞した。また、関連企画として、同ミュージアム内に併設の広告図書館(日・月・祝日・振替休日は休館)で、一倉宏(2015年度TCC賞審査委員長)をはじめ、多田琢(グランプリ受賞)、山本友和(最高新人賞)、仲畑貴志(2015年度HALL OF FAME - コピーの殿堂)ら4人のコピーライターが日頃読んでいる本、若い世代にすすめたい本を、メッセージとともに紹介する展示「コピーライターの本棚」が開催されている。また、展示会場には生のコピーライターが登場し、コピーはどんな人から生まれたのか、普段どんな発想で仕事をしているのかを、本人の生の声で届ける「コピーライター行動展示」が行われる。なお、コピーライター登場スケジュールや、会期中のTCC賞受賞者によるトークイベントの詳細などが同ミュージアムWebページに掲載されている。そのほか、広告コピーに焦点をあてた資料をピックアップし、江戸時代から現代に至る日本の広告歴史の紹介も、同ミュージアムの常設展示として行われているということだ。
2015年07月01日