1987年兵庫県生まれ。小学校の半分をドイツで暮らす。同志社大学卒業後はテレビ局で記者として働き、その後退職。転勤族の夫と結婚して2013年、2015年に2人の男の子を出産し、2016年からウェブライターとして活動。趣味はドラマ鑑賞とお酒と食べ歩き。女性向けのサイトで、主にママ向けの情報を発信しています。
赤ちゃんや子どもの病気、ケガ、事故…突然の「どうしよう」が起こったとき、親はどうすればいいのでしょうか?病院に行く? 行かない? こういう時は様子を見ても大丈夫など、子どもの体の心配ごとを「教えて!ドクター」にお聞きします。
「子どもを自由にのびのび育てたい」と望んでも、「勉強したくない」「ゲームしたい」と子どもが言ったときに、なかなか100%自由にはさせられないもの。星野源さんなど多くの著名人を輩出し、点数評価にとらわれない学校がある。子どもと自由のバランス、そしてこだわりの学食について話を聞きました。
「熱中できる生きがい」を子ども、そしてママにも持ってほしいと話すのは「全米最優秀女子高生」の母で、「ワシントンの美しい25人」として紹介されたボーク重子さん。これからの時代、幸せに生きられるための最強ルールをお聞きしました。
女優の樹木希林さんが不登校などについて生前語った言葉と、その娘である内田也哉子さんがその思いを受けて語った内容がつづられてた『9月1日 母からのバトン』という書籍が発売されました。そこで不登校新聞の石井志昂編集長とともに、不登校で悩む親子に対する樹木さんからのメッセージを読み解きたいと思います。
水の事故で死亡したり行方不明になったりする子どもは後を絶ちません。なぜこのような重大な事故が起きてしまうのでしょうか。水の事故が起きる理由や予防方法や対処法を水難学会会長・斎藤秀俊教授に教えてもらいました。
子どもの成長は、親にとってとてもうれしい半面、時に寂しさをもたらすものでもありますよね。「子離れ」は、パパやママたちにとって大きなハードルとなる場合もあるかもしれません。 今回は、そんな「子どもの成長」に対する親の向きあい方について、アンケートをもとに考えてみたいと思います。 ■「子どもの成長」による寂しさを感じている親は? アンケートでは、子どもの成長で寂しさを感じたことがあるか聞きました。その結果、「ある」、「少しある」と答えた人が83%となり、8割以上の人たちが子どもの成長に寂しさを感じたことがあるとわかりました。 Q.お子さんの成長で寂しさを感じたことある? ある 52.4% 少しある 30.6% ほとんどない 11.5% ない 5.2% その他 0.3% ■寂しさを感じる瞬間1、手をつながなくなったとき まず、どのようなときに親が「寂しい」と感じるのか、コメントをもとに見ていきましょう。 「小1のとき、買い物中いつものように手をつないでいたら同級生の子が見え、 手を振り払われました 」(埼玉県 30代女性) 「小学6年生までは手をつないできて、 私の手を下の子と取り合いしてたのに 中学に入学した途端に手をつないでくれなくなりました…。寂しい」(佐賀県 40代女性) 「『ママ~!』と言って泣いていた息子が懐かしいです。 抱きついてくることもなくなり、 言葉や態度がだんだんと男っぽくなり つつ、寂しい限りです」(福島県 40代女性) 「どこに行くにも手をつないで歩いていたのが、いつの間にか 一人でどこでも行く ようになっていました。 寂しくもありうれしくもあり、ちょっと複雑です」(神奈川県 40代男性) 成長にともない、手をつないだりするスキンシップを嫌がるようになることは、自分自身に置き換えてもわかります。それでもその行動は、親にとって寂しさを感じるものですね。 ■寂しさを感じる瞬間2、“ひとりで”できるとき 子どもが小さいうちは、親が助けてあげるシーンが生活におけるさまざまなところで起こります。そうした行動を一人でできるようになったときに、寂しさを感じているママやパパももいるようです。 「着替えが一人でできるようになったり、一人でご飯を食べられるようになっったりとうれしい半面、『 ママの手助けは少しずついらなくなるのかなぁ 』とさみしいと思ってしまいます」(広島県 30代女性) 「座布団に収まって寝ていた新生児期から早7年。1つのベッドで寝ていた娘がとうとう 一人で寝るようになりました 。布団からはみ出る足を見て、大きくなったなぁとうれしくもあり、寂しい気持ちにもなりました」(神奈川県 30代女性) 「娘は6年生になった途端、 風呂に一緒に入らなくなりました 。『成長だよね?』と話していましたが、しばらくは寂しさもありました」(千葉県 40代男性) 「習い事で毎週歩いて一緒に行ってたのですが、ある日『 1人で行けるから大丈夫だよ! 』と 言われたとき寂しかったのと成長したなと複雑な思いでした」(宮崎県 20代女性) 子どもが生まれてすぐ、衣食住に関する何もかもに手を差し伸べる状態となり、親としても手伝ってあげることが当たり前となっていきます。 しかし、子どもによって個人差はあるにせよ、いつかは一人でできるようになるため、その日が突然訪れると「寂しい」と感じるのは無理もない気がします。 ■寂しさを感じる瞬間2、子どもの世界が広がるとき さらに、家族よりも友だちとの約束を優先するなどの行動によってさみしさを感じている親もいるようです。 「休日、朝から暗くなるまで友だちとの遊びに夢中な小6の息子。『家族でどこか出かけよう』と誘っても、 面倒くさがられてしまいます 。順調な成長、『遊んでくれる仲間がいて幸せだね~』と思いつつ、ちょっと寂しい気もします」(神奈川県 40代女性) 「親と遊ぶのが当たり前だったのに、小学校に上がったら子ども自身で お友だちと遊ぶ約束 を取り付けてくるようになった。親離れが始まっているなぁと寂しくなりますね」(神奈川県 30代女性) 「入園前まで、息子にとってはママと一緒に過ごす時間が一番幸せな時間だと感じてくれていたのが、いまは『 お友だちのおうちに行きたい 』と行ったり、休みの日でもお友だちのことを思い出したりしています。息子の世界がどんどん広がって、”家庭”という小さな世界から外に目を向けているのを感じると、成長はうれしいけど、何だか寂しくも感じます」(滋賀県 30代女性) 保育園や幼稚園に行き始めると、それまで家庭だけだった子どもの居場所が新しく増えることに。小さいうちは、子ども同士が遊ぶ時でも親は一緒でしたが、これも学校に通い始めるくらいの年齢になると、子ども同士だけの関係性が増えていきます。 子どもだけの世界はより広がっていき、最終的には自立していく…。親としては最大にうれしいことであり、もっとも寂しさを感じるときなのかもしれません。 ■寂しさを感じる瞬間4、節目の行事 さらに卒園式や入学式などの節目の時に寂しさを感じるという声は、多く寄せられていました。 「長男が中学生になっての初めての授業参観で、校内で会った時に そっぽ向いて無視された ときに、学校内で呼んではいけないと思いました」(神奈川県 30代女性) 「ピアノを習っています。 足台の調整を徐々に替える瞬間や、発表会やコンクール、オーディションの舞台で堂々としていく姿をみるとうれしい半面、寂しくて。なんだか 私の手が届かない所にいってしまう 感じの、なんとも言えない気持ちになります」(神奈川県 40代女性) 「今年の春、卒園式で卒園証を代表で受け取る我が子の姿。緊張しながらも立派にやり遂げ、はにかんだ顔が忘れられません。小さく産まれて他の子より何でも一番最後だったのに、大きくなったなぁ。うれしく思うと同時に、 その姿がまぶしくて寂しかった 」(宮城県 40代女性) 思わずその情景が頭に思い描けてしまうような、もらい泣きをしてしまいそうなエピソードが多く寄せられていました。 たしかに、行事で見かける子どもの姿はいつも以上に成長して見えるものですよね。筆者自身も、幼稚園の卒園式で見かけた長男がとてもたくましく見えて、入園した頃の小さかった姿を思い出しながら、胸に迫るものがあったことを思い出します。 ■寂しさを感じる瞬間5、身体の成長 そして、物理的に体のサイズが大きくなったことに対して、成長を感じて寂しくなるという意見も寄せられていました。 「重くて 抱き上げることができなくなった こと。喜ぶべきことではあるけれど、寂しく思います」(神奈川県 40代女性) 「抱っこもできなくなりましたし、小さい頃の写真や昔着ていた服などを見るたびに、『 あの頃はかわいかったな 』と感じます」(福島県 30代女性) 「私より背が高くなり、服のサイズも 私より大きくなった 時ですね。 成長がうれしいし、反面寂しさも感じます」(愛媛県 40代女性) 「久しぶりに手をつないだら、背が大きくなっていた時。 片手で抱っこできない ほど重くなっていた時。まだ小学生だけど、 もう小さい時には戻れない んなだなぁとしんみりする」(千葉県 30代女性) 確かに体が大きくなってくると、抱っこすらできなくなってきて、子どもの成長をあらためて感じることがありますよね。 ■成長は寂しさではなく「宝物」 一方で、子どもの成長に寂しさは感じないという声も一定数寄せられていました。 「甘え下手なクール男子だからか、自分の性分なのか、一つ一つの成長が喜びではあったけど、寂しくはないなあ。ああ、これでまた 自分でできる事が増えてうれしいな 、親はまた一つ楽になるなみたいな」(三重県 30代女性) 「さまざまなイベントを迎えるたびに、『 ここまで育ってくれてありがとう! 母としての経験をさせてくれてありがとう!』という思いはありますが、寂しくはないですね」(神奈川県 40代女性) 「『成長したなぁ』と感じる瞬間が子育てにおいての宝物」という言葉もあり、胸にグッときます。たしかに、成長は寂しく感じるだけのものではなく、子育てを頑張ってきたからこそもらえる「宝物」だと言えそうです。 ■子どもの自立のために「今」できること 最後に、子どもの成長に関して寄せられたコメントをいくつかご紹介したいと思います。 「成長がうれしくもあり、それと同時に子どもにしてあげられることが少なくなっていると日々感じます。子どもが小さい頃は、子育てに余裕がなく毎日大変だと思っていましたが、子どもたちが大きくなった今は、そんな 忙しい日々を懐かしく思います 」(三重県 40代女性) 「今はまだ『ママ~見て~!』ってうるさいけど、だんだんと減っていくんだろうなと思うと寂しいですね。世の子どもが巣立ったお母さんは 寂しさを飲み込んで送り出した んだなと思うと偉大ですね」(北海道 30代女性) 「1人で寝るようになった時。1人でお風呂に入れるようになった時。1人でバス、電車に乗れるようになった時。1人で自分の生き方を決め1人で玄関を出て行く後ろ姿を見た時。どのお父さんもお母さんも、お子さんの成長を楽しみ喜びながらもどこか寂しさを感じていらっしゃるんでしょうかね」(三重県 50代女性) ここまで、子どもの成長で感じる寂しさについて考えてきました。多くのママ、パパたちが子どもの成長をうれしく思う一方で、寂しさを感じていることがわかります。 子どもの成長にともなって、親の出番はどんどん減っていきます。親の手を借りずに一人でできることが増える、家庭よりも大切な子どもだけの居場所ができる、そしてついには独り立ちするなど、子どもは一人で生きていくためのステップを一つずつ登っていきます。 子どもが安心してそのステップを登れるように背中を押してあげることも、親にしかできない大切な役割のように思えます。そしておそらく子どもが自立して初めて、それまでの子どもとの時間が貴重な物だったと、強く実感するのではないでしょうか。 いま、家で過ごす時間が増えて、あらためて子どもと向き合う家庭も多くあるかと思います。これまでの忙しい時間で気がつかなかった子どもの成長、さらには子どもの考えに触れる機会ともいえるかもしれません。久しぶりに一緒に歩いてみたり、ときにはケンカしたりしながらも、一緒にいられる時間を大切に過ごせたらと思います。 Q.お子さんの成長で寂しさを感じたことある? アンケート回答数:4573件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2020年04月12日子育て中、周りの人から声を掛けられる機会が増えたという人も多いでしょう。外出先で、困っていたとき、励まされて涙が出るほどありがたく感じることも。 今回は、そんな外出先で声をかけられてうれしかったというエピソードを、パパやママから寄せられた声をもとに見ていきたいと思います。 ■8割が「外出先で声をかけられてうれしかった」と回答 アンケートでは、子育て中に外出先で声をかけられてうれしかったことについて聞きました。その結果、「ある」、「少しある」と答えた人があわせて80%となり、8割の人がうれしい体験をしていることがわかりました。 Q.子育て中、外出先で声をかけられてうれしかったことある? ある 58.1% 少しある 21.9% ほとんどない 12.7% ない 6.5% その他 0.8% ■ほっこり1、「ベビーカー持ちましょうか?」 8割の人たちが体験したことがあるという、外出先でのうれしかった出来事。コメントには、さまざまなエピソードが寄せられていました。そんな心温まるほっこり体験談を、内容別にみていきたいと思います! 「子ども2人が小さかった時、ディズニーランドの帰りに東京駅に着いたら 爆睡で起きない …。子ども抱えてトランクが持てなくて困っていたら、正面に座っていた男性が声をかけてくれて、新幹線口まで トランクを持ってくれました 。一生忘れられない思い出です」(三重県 40代男性) 「2歳の娘を連れて夕方のラッシュ時の電車に乗らざるを得ない状況になり、片手に娘、片手に大きな荷物を持って踏ん張っていたら…。隣の若いOLさんが 『お手伝いします!』 と声をかけて、荷物を持ってくれたことがあります」(神奈川県 40代女性) 「駅の階段で 『ベビーカーを持ちましょうか?』 と声をかけていただいたときは涙が出てしまいました」(新潟県 40代女性) 「たくさんの荷物を持って、段差でベビーカーが上がらず困っていたら、男性の方が手伝ってくれて 『毎日ご苦労さまです』 と声をかけてくれました。子育てに必死で気持ちに余裕がないなか、とても嬉しかったです」(東京都 40代女性) 小さな子どもを連れてのお出かけは、荷物が多くなりがちで、なかなか身軽に動けないものですよね。目の前に立ちはだかる階段に、恨めしい気持ちを抱えたことのあるママやパパも多いことでしょう。そんなときに、手を差し伸べてくれる人がいたという経験は、かけがえのないものになりそうです。 さらに、災害などの緊急時に関するエピソードも寄せられていました。 「 東日本大震災のとき に、2歳前の息子とビルの6階にいました。ベビーカー、息子、荷物を持って階段を降りる際、知らない女性が2人きて、 『荷物とベビーカー持ちます!』 と言ってくれて、無事に避難することができました。あのときのことは本当に忘れられないし、ちゃんとお礼がしたいとずっと思っています」(神奈川県 30代女性) 日常生活においても、子どもと荷物、ベビーカーを持って階段を移動するのは苦労がつきものですから、緊急時となると、予想外のことも多く、その大変さは増すように思います。そんな緊急時に、助けてくれる人がいたというエピソードには、心が温まります。 ■ほっこり2、ぐずった子どもをあやしてくれた また、電車や店の中などでぐずった子どもに対して、何かしらの働きかけをしてもらって嬉しかったというエピソードも、多く寄せられていました。 「生後2ヶ月くらいで初めて電車に乗ったとき、 電車の中で泣いてしまい 、どうしようって思っていたら、隣にいた一見怖そうな おじさまが一生懸命あやしてくれた 。涙が出るほど嬉しかった!」(東京都 40代女性) 「長男がまだ2歳くらいのとき、電車でぐずってしまい、一生懸命あやしてたら、近くにいた親子のお母さんが 『アンパンマン好きかなぁ?』 ってアンパンマンの絵を描いたメモを渡してくれて、少し息子の気分が紛れたことは今でも忘れません」(神奈川県 30代女性) 「病院の待ち合いでぐずる子どもに話しかけてくださり、ビニール袋で風船を作って遊んでくださった」(宮崎県 40代女性) 「オムツ替えるの苦戦してるとき、 嫌がる子どもをあやしてくれて 、本当に助かった」(佐賀県 30代女性) 外出先で、子どもが大きな泣き声を出してしまった時など、周囲に迷惑をかけてしまうことに対して、いたたまれない気持ちになることもありますよね。そんな 逃げ出したい瞬間 に、周囲の人が声をかけて助けてくれたなら、その経験はきっと忘れられないものになりそうです。 ■ほっこり3、「席を譲りましょうか?」 さらに、外出先で少しの気遣いや手助けが嬉しかった体験談も集まっていました。 「スーパーで買い物をしていたら、上の娘が 『トイレに行きたい!』 って言って、下の子もいるしどうしようと困っていたら、優しい店員さんが、『お姉ちゃん、 おばちゃんと一緒に行こう! 』と言って連れて行ってくれた。あのときは、本当に助かりました」(静岡県 40代女性) 「電車の遅延で満員になった電車に、ベビーカーをたたみ、子どもを抱っこで乗ったときのことです。電車が揺れ、ふらついたときに周りの若いサラリーマンの方やご年配の婦人など皆さんが 何度も支えてくれました 。他人の優しさに感激しました」(大阪府 40代女性) 「お出かけした帰り、上の子が寝てしまい、下の子を抱っこひもで前抱っこした状態で、さらに上の子3歳を抱っこして電車に乗り込んだ時。 若い女性二人がすぐに気が付いて 『席を譲りましょうか?』 と言ってくれて、本当に助かりました」(神奈川県 30代女性) この他にも、「息子2歳で人生初の飛行機に乗せたとき、CAの方がいろいろと話しかけてくれたり、折り紙を作ってプレゼントしてくれたりと、 とても素晴らしい空の旅 になりました」というコメントも寄せられていました。 ■ほっこり4、「お母さん、がんばってるね」 そして、外出先でかけられた言葉に勇気づけられたというママやパパたちも多くいるようです。 「電車に乗っている時に子どもがぐずり始めたけど、次の駅までかなり時間があって降りられない状況。『 お母さんもがんばってるね。 子どもは泣くのが仕事なんだから、気にしなくていいのよ』と。本当に救われる一言でした」(大阪府 40代女性) 「双子をベビーカーに乗せていたら、年配の男性から『自分の弟妹も男女の双子だが、60歳を過ぎてもなお仲が良いよ。この2人も ずっと仲良しでいると思うよ 』と聞いてとても嬉しくなりました」(兵庫県 40代女性) 「3歳と4歳の年子を連れて買い物中、年配の奥さんが声を掛けてくれて、最後には『お母さんエライぞ! 大変なのに エライ、頑張れ! 』と言われ泣きそうになりました。曇り空が一気に晴れた気分でした」(福島県 30代女性) 「病院の待合室で、診察が終わり子どもと一緒に遊んでいたおもちゃを片付けに戻ると、『あなたきちんと子育てできているわね、 立派ね 』と声を掛けていただき、とても嬉しかったです」(山口県 40代女性) 「イヤイヤ期の子育てに大奮闘していた頃、ご近所に迷惑なのではないかと気になっていました。ある時、隣の人に会って『いつも泣いてばかりで、うるさくてすみません...』と頭を下げて言うと、『あら、そういう子は自己主張がちゃんとできていて賢いんですよ』と。気持ちが救われ胸が熱くなったのを覚えています」(東京都 40代女性) 他にも、「『お母さんそっくりで かわいいね 』だけで嬉しい」とか、「小さく生まれたので、 『元気で健康そうね!』 と言われると、他人さまから見ても自分の子が人並みに大きくなってるんだと実感できてとても嬉しかった」などというコメントも寄せられていました。どのコメントを見ても、こちらまで心が温まって、穏やかな気持ちになれますね。 ■ほっこり5、思わず「プッ」でイライラも吹き飛んだ! なかには、思わず頬が緩んでしまうような面白エピソードもありました。 「知らないおばあちゃんに『かわいらしい子やねぇ~』と、50円玉をもらったことがあります。それとは別の日に、また別の知らないおばあちゃんから5円玉をもらいました。思い出すとなんかおもしろくて、微笑ましい気持ちになります」(三重県 30代女性) 「しまじろうのぬいぐるみを1歳の子どもが持っていたときに、 『阪神ファン?』 と聞かれました。疲れてイライラしていたけど、笑顔になれました」(三重県 50代女性) 「息子が小さいときに、スーパーのカートに足を通そうとしたら、息子がわざと足を引っ込めて苦戦。すると、プロレスラーみたいなお兄さんがひょいっと息子の足をカートに入れてくれて、さりげに親指立てて『グッ!』としてくれた(笑)」(北海道 30代男性) 「幼稚園のとき、体が大きい娘が熱を出し、病院の待合室で私に抱かれていたら、『こんなに大きいのに抱っこだなんて、恥ずかしいね』と声をかけられて、別の近くのおばあさんが 『うちのじーちゃんでも具合悪けりゃ甘える』 とつぶやいたのには笑えました」(茨城県 40代女性) 育児で疲れているときに、かけられた言葉やしてもらった行動によって、明るい気持ちになれることがあります。コメントを読むだけで、その時の情景が頭に思い描けて、こちらまで楽しい気持ちにしてもらえますよね。張り詰めている心をふっと優しく緩ませてくれるような、すてきな体験談が多く寄せられていました。 ■次は自分が恩返ししたい「幸せの数珠つなぎ」 ここまで、たくさんの体験談を見てきました。子育てをする中で、これまでは気軽に行けていた場所に行けなくなることも多くて、外出しづらいと感じる人も多いかもしれません。しかし、そんななかでも、子育て中の人たちに救いの手は多く差し伸べられていることが改めてわかりました。 そして、多くのママやパパたちが、 「次は自分が優しくする番だ」 という決意のコメントを多く寄せていたのが印象的でした。 「4歳の息子と電車で出かけたとき、座席に座っていました。数駅過ぎた頃、赤ちゃんを抱っこしながら3歳くらいの男の子を連れたママが乗ってくると、息子が私よりも先に立ち、 『座っていいよ』 と、手を引いて連れてきた。人見知りの息子のまさかの行動にビックリ! 優しい息子でとても誇らしかった です」(神奈川県 40代女性) 「子どもを連れて買い物に行ったとき、子どもを乗せられるカートがなかったため、抱っこして商品を選び、レジへ並びました。そのとき、前に並んでいた方が、『あらあら…』と言いながら、私のかごをスッと持ってくださり、『子育ては大変なんだから 甘えてもいい人には甘えちゃいなさい 』と、優しく笑ってくれました。私も子どもの手が離れたとき、こんな人になりたいと強く思いました」(愛知県 40代女性) 「子どもが小さかったとき、スーパーのレジの順番や、お店のトイレの順番や、電車の席を譲ってもらったことがあります。皆さん笑顔で声をかけてくだり、毎日育児でキリキリしていた私は、そのさりげない気遣いに心が温かくなったのを覚えています。今度は私が、子育て中のお母さんお父さんを応援する言動をとることが、 いただいた優しさへの恩返し になるのかなぁと思っています」(茨城県 40代女性) 「長女が3才の頃、私の母くらいの見知らぬ女性に『かわいいね、この子にジュース買ってあげて』と、100円を渡されました。その女性は続けて『うちの孫もきっとかわいがってもらえてるだろうから』と。こういう声かけを 『幸せの数珠つなぎ』 と思って、私も実行できる日を探しています」(広島県 40代女性) また、最後にこのようなコメントも紹介したいと思います。 「『かわいいね~』『上手にできたね~』 と周りの方からするとさ細な一言かもしれませんが、初めての子育てを『大丈夫だよ』と 肯定してもらえてる一言 。不安をリセットしてくれる言葉にもなり、ありがたかったです」(神奈川県 40代女性) 「外出先で脱がせた靴を履かせようとしていたとき。「自分でやらせて待ってあげるお母さんのそういうところ、私好きです」と隣の席から見ていた方に言われて、不覚にも涙が出てしまいました。 2歳児のイヤイヤと自分でやりたい気持ちとに振り回されて ささくれ立った心が柔らかくなって 、子どもにも優しくできました」(神奈川県 40代女性) 外出先で触れた他人の優しさによって、自らの子育てを肯定できたり、つらい気持ちが和らいで子どもにも優しくできたりと、大きな変化があることがよくわかります。そして、コメントにもあるように、思いやりのある行動が数珠つなぎのように次々と連鎖していけば、本当に優しい社会になっていくのかもしれないと思えます。 ただ、こうした温かいエピソードが多く寄せられる一方で、「つらい経験しかない」という胸が苦しくなるようなコメントも、わずかですが見られました。子連れで外出をしていると、なかなか自分の思いどおりに進まないことも多く、万全の準備をしたつもりでも、時に嫌な思いをする日もあるかもしれません。 筆者自身も、幼かった男児2人を抱えていた頃、外出先で予想外のつらい出来事が連続して起こり、「もう出掛けたくない…」と、子どもと外出すること自体を避けていた時期もありました。しかしある時、電車内で隣に座った女性から「同じくらいの孫がいるんだけど、大変でしょう。お母さん、よくがんばってるわね」と声を掛けられて、思わず涙ぐんでしまい、それまでの嫌な経験全てが吹き飛んでしまったように感じられたことがありました。 こうした外出先でのうれしい経験ができたのも、子どもがいたからこそ。そういった意味では、子どもが「ご縁」を導いてくれているようにも思えます。そのご縁を、次はさらに自分がつなげていくことで、きっとどんどんそのご縁がつながっていくような気がします。 現在、なかなか外出も厳しい日が続きますが、筆者も、この記事を書いて少し気持ちほっこりと温まり、誰かに幸せの数珠つなぎをしたくなってきました。みなさんはどんな体験談がありますか? Q.子育て中、外出先で声をかけられてうれしかったことある? アンケート回答数:4608件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2020年04月05日何日もうんちが出なくて、子どもがつらそうにしていると、心配になってしまいますよね。おうちでどんなケアをしてあげられるのかわからないというパパやママも多いのではないでしょうか。 なかなか病院には行きづらく、聞きづらい「子どもの便秘」。今回は便秘の予防法や対処法について書籍 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』 からご紹介します。 ■赤ちゃんも便秘になる?受診の目安とは 便秘とは、 排便の回数や排便の量が少ない状態 のこと。排便が週2回以下(3~4日に1回というお医者さんもいます)、排便時の肛門の痛みやいきみが強い、などの症状があります。 生後数ヶ月以内の赤ちゃんの時期には、便を出す力が弱かったり、踏んばり方が上手でなくて便が出にくいこともあります。必要な量の栄養が少ないために排便回数が少ないこともあります。便の回数が減っていても機嫌がよく、おなかが張らずに体重増加も順調であれば問題はありません。ただ、1週間以上の頑固な便秘を繰り返す場合には、生まれつきの病気が隠れている可能性もあるため、病院でご相談ください。 ▼受診の目安:診療時間内に受診 便秘が気になる場合には、診療時間内に受診をお勧めします。早めに受診し、治療を始めることで、予後を改善することができます。 病院に連れて行くかどうか迷ったら、次の項目に当てはまるかどうか確認しましょう。当てはまる場合には受診をお勧めします。 ●食欲がなく、食事量(母乳やミルクも含め)が減っている ●腹痛やおう吐などの症状がある ●1週間以上の頑固な便秘を繰り返す ●排便痛があるために排便を我慢してしまう ●排便時に出血する ■子どもの便秘はどうやって防げばいいの? 普段から便秘になりやすい子の場合、予防を心がけましょう。効果的なのは、 食生活の改善 です。 食生活についてのポイントは、 食物繊維が多い食品をたくさんとる こと。食物繊維は、消化できないため、便の量を増やし、腸の中で水分を含んで便を柔らかくする 便通改善効果 があります。 ▼食物繊維の多い食べ物 ●緑黄色野菜(ホウレンソウ、ニンジン、カボチャなど) ●イモ類(サツマイモ、ジャガイモなど) ●豆類(納豆、きなこなど) ●海藻(ワカメ、寒天など) ただ便が詰まった状態で食物繊維を含む食べ物だけ増やすと、腹痛がひどくなることがありますので、治療中の場合には医師と相談しながら進めましょう。 ■便秘の治療、どうやって進めるの? もしも便秘になってしまったら、病院では次のような治療を受けることができます。 ▼便秘の治療 1、つまった便の除去(下剤の内服、肛門からの浣腸、座薬など) 2、維持療法(食事療法と薬物療法) ところで、排便習慣を確立する過程で行う「トイレトレーニング」ですが、 トイレトレーニングを始めたことをきっかけに便秘になってしまう子 も少なくありません。トイレトレーニングの中で嫌なことやつらいことに出会うと、トイレに行くこと自体を嫌がるようになり、排便を我慢して便秘になってしまうという場合もあるのです。 一方、トイレトレーニングを始める前にすでに便秘がある場合、まずは便秘を治療してからトレーニングに入ることになります。 トイレトレーニングを始める際は、次のポイントに注意しましょう。 ▼トイレトレーニングのポイント ●保護者の 精神的・時間的なゆとりのある時期 に行う ● 座った状態で足が安定 するよう、必要ならフットサポートを置く ●排便できなくても 座っていられた努力にご褒美 を ● 早寝早起きして登園、登校前にトイレに座る習慣 をつけられると効果的 ●まずは 1日数回、5~10分 トイレに座る練習から トイレトレーニングを行う際には、 失敗しても怒らない ことが重要です。場合によっては「しかられるから便をしない」方向にいってしまうこともあるため、保護者がゆとりを持てる時期に始めましょう。 そして、排便ができなかったとしても、トイレに座っていられたという努力に対して、特別なおもちゃやシールや塗り絵などのご褒美をあげましょう。 食後の腸の動きは朝食後がもっとも活発なので、 登園・登校前にトイレに座る 習慣をつけるのがいいですが、朝は時間がなくて余裕がない場合には、夜でも大丈夫です。 ■【赤ちゃん、子どもの便秘】教えてドクターQ&A 最後に、「教えて!ドクタープロジェクト」に便秘にまつわる心配事について、聞いてみました! ――毎日うんちが出ていないけど、とっても元気。これって便秘ですか? 便秘とは便が腸にたまって出にくく、 排便が週に2回以下のこと を指します(3日以上出ない、とするお医者さんもいます)。 排便に苦痛を伴うことも多いですが、案外けろっとしていることも少なくないです。ただ、1週間以上出ない状況が何度も続くと、 「便秘の悪循環」 というサイクルに陥ることがあります。 これは 1、便が腸に長く停滞し、水分が吸収されてより硬くなる 2、排便時に肛門の痛みを伴いやすくなる 3、排便を避け、さらに便が硬くなる 4、常に腸に便がたまると、直腸に便があっても便意を感じにくくなる 5、さらに便秘がひどくなる というサイクルです。便秘治療の目的はこの悪循環を解消することです。気になった場合には一度医療機関でご相談ください。 ――綿棒浣腸の加減がわからず、出血させてしまいました。病院に行った方がいいですか? とくに乳児期には、まだいきみ方がよくわからず、便を出すのが難しいことがあります。このようなときには 綿棒浣腸でサポート してあげると出やすくなるといわれています。 一方で小児の便秘に関するガイドライン(*)では綿棒浣腸の効果について、医学的根拠による裏付けはないとされています。ただ日本の現場ではよく行われており、私たちもお勧めすることはあります。ときどき質問のように傷をつけてしまう場合もありますので、その場合は一度病院でご相談ください。 ――保育園や学校に行きだして便秘がちに。放っておくとどうなってしまうの? 便秘になりやすい時期は、主に3度あると言われています。 1、離乳食の時期 2、トイレトレーニングの時期 3、入園や入学で自宅外での排便が必要になる時期 人前でトイレに行くのが億劫になるのはよくあることです。「たかが便秘」と思われがちですが、便秘を放っておくと、先ほど述べたような「便秘の悪循環」に陥ってしまうリスクがありますので、便秘が気になったら、一度日中に医療機関でご相談ください。 ※本連載で紹介する情報は、2020年2月25日時点のものです。 *日本小児栄養消化器肝臓学会,日本小児消化管機能研究会(編):小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン、診断と治療社,東京,2013 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』 (佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクトチーム/KADOKAWA ¥1,430) 赤ちゃん・子どもの病気、ケガ、事故…突然の「どうしよう」この1冊があれば安心! 病院に行く? 行かない? こういう時は様子を見ても大丈夫など、子どもの体の心配ごと、 マンガと解説でわかります。突然起こる子どもの病気、ケガで不安になるときに、親が慌てずに対処するための常備本。 ●「教えて!ドクタープロジェクトチーム」とは? 長野県佐久医師会・佐久市による、子どもの病気、ホームケア、地域の子育て支援情報などを発信するプロジェクトチーム。地域の子育て力向上事業としてだけでなく、SNS発信により「医師による確実な情報」を、リアルタイムで全国に発信している。 公式HP: 教えて!ドクタープロジェクトチーム 【子どもの「病気・けが」教えて!ドクター】 連載 「第1回」から読む ≫ 【医師監修】赤ちゃんが発熱! 病院行く目安とおうちケア
2020年03月17日感染症の拡大、小学校の休校にともなってリモートワークやテレワークといった働き方に注目が集まっています。 しかし休校期間で子どもが家にいる状態のなか、リモートワークやテレワークでの働き方は、パパやママたちにとって子育てと仕事との両立が可能なのでしょうか? またいきなり準備もできずに在宅勤務を始めざるを得なかったという人もいることと思います。 今回は、在宅勤務という働き方に対する本音に迫り、課題について考えてみたいと思います! ■「在宅勤務している」割合は? 今回のアンケートは、2月21日から政府が一斉休校要請を発表した2月27日を含む3月6日までに募集した内容です。アンケートでは「在宅勤務について、どのように思っているか」を聞きました。その結果、「在宅勤務できる仕事内容ではない」と答えた人が46.8%ともっとも多く、そもそも在宅勤務できない人の数の大きさが浮き彫りになっています。 また、「在宅勤務をしたい・してほしい」と答えた人は39.0%で、4割程度の人が在宅勤務を希望していることがわかります。しかし実際に在宅勤務をしていると答えた人は、 3.3% という結果になりました。 Q.在宅勤務、どう思う? 在宅勤務できる仕事内容ではない 46.8% 在宅勤務したい・してほしい 39.0% 在宅勤務したいと思わない・してほしくない 6.9% その他 4.0% すでに在宅勤務をしている 3.3% ■感染症流行時の在宅勤務、あり?なし? 今回のように感染症が流行したときに、在宅勤務となることについて、パパやママたちはどのように考えているのでしょうか。 「勤務先に出向かなくても、仕事内容に支障がないのなら、 在宅勤務もあり だと思います」(茨城県 40代女性) 「感染が心配。在宅できる職種は実施してもらい、 満員電車をなくして 蔓延を防いでほしい」(神奈川県 50代女性) 「私自身は在宅勤務ができる仕事ではないですが、いろいろな職場によっては在宅勤務が可能ならば感染を防ぐ意味でもいいのではないかと思います」(岩手県 50代女性) 「夫婦で 在宅勤務は無理 ですね。家にいられても困る。ストレスが増える。在宅勤務だと 仕事に集中できない かも」(神奈川県 40代女性) アンケートに寄せられた声の中では、感染症の流行にあたって、在宅勤務できる人はした方がいいという意見が多く集まりました。 アンケート募集後に世界保健機関(WHO)が世界的な大流行、パンデミックを宣言しました。日本国内でも感染者が増加しているニュースを見聞きすると、もはや緊急事態だという認識の人が多いのかもしれません。 ■「在宅勤務ができない!」切実な事情 ただ、アンケートの中でもっとも多かったのは 「在宅勤務できる仕事内容ではない」 という回答です。今回のような感染症の流行を受けても、「在宅勤務という選択肢がない」という人たちからは、切実な声が集まりました。 「 訪問介護 をしているので、 在宅勤務は不可能 です。そもそも私はパソコンが苦手なので、無理です」(茨城県 30代女性) 「 保育士をしています 。子どもは休校、通っている学童は閉所…。在宅したくても、在宅できない」(鹿児島県 30代女性) 「個人情報も扱う仕事なので、書類を家に持ち帰ることができません」(福島県 40代女性) 「 看護師なので在宅勤務はできない 。外来は熱やせきの患者さんたちの対応に追われています。私は病棟で、現在熱の長引く方はおられませんがマスクが本当に足りません」(奈良県 40代女性) 仕事内容や勤務先によっては、在宅勤務がそもそも不可能な場合が多いということがみえてきます。そして、今回のような一斉休校という要請が出てしまった場合、介護や保育士、看護師など子どもが休校でも自分自身は休めないという葛藤を抱えて日々を過ごしていることがわかります。 さらに、こんな意見も寄せられていました。 「在宅勤務、できるならしたい。でも、そのための スキルも仕事もない 。時間を切り詰めて、外に働きに行くしかない。育児、家事、仕事に追われていた若い頃、きちんと将来を見据えてスキルを磨いておけば良かったと思うけど、目の前は常にやるべき事が山積みで、気持ちに余裕もなかったのも事実。昔の自分に教えてやりたい。今の現実を」(愛媛県 40代女性) 現在ではまだ在宅勤務できる仕事は一部の業種や職種に限られていて、そもそも選択できない人も多くいることがわかります。コメントにもあるように、なかなか在宅でできる仕事が見つけられない現状もあるようです。そうした人がたくさんいるという事実をしっかりと認識したうえで、在宅勤務について考える必要があるといえそうです。 ■在宅勤務のメリット「通勤がなくて楽!」 アンケートでは4割程度の人が「在宅勤務をしたい・してほしい」と答えていて、一定数以上の人たちが在宅勤務に魅力を感じているようです。そんな 「在宅勤務のメリット」 については、パパやママたちはどのように考えているのでしょうか。 「 通勤時間を省ける し、急な雨とかでもタイミング次第では洗濯物をしまえる。うらやましい」(千葉県 30代女性) 「在宅ですが、通勤時間を取られないから楽ですし、 ラッシュでの感染ストレス から解放されました」(東京都 50代女性) 「企画系の仕事なのでときどき 自宅でテレワーク しています。通勤がないだけで体がすごい楽です。テレワークすれば、地方でも東京と同じ仕事ができるので 東京一極集中への解決 にもつながると思います」(神奈川県 50代男性) 「週1~2回の在宅勤務を始めて4年になります。在宅勤務のときに、1週間分まとめて資料作成をするようにしていますが、 話しかけられない分、かなり 効率があがります 。テレワークできる方が積極的に実施することで、 満員電車も緩和 されるはずなので、テレワークできない方にとってもメリットが出ると思っています」(神奈川県 40代男性) そのほかにも、「在宅勤務は 育児や家事参加の時間が増える と思う」という男性からの意見も寄せられました。 たしかにどのコメントからは、子育て家庭にとってはありがたい働き方のように感じます。通勤ストレスが解消され、仕事の合間に家事や育児ができたりすることは、仕事に育児に忙しいママやパパたちにとっては大きなメリットといえそうです。 ■在宅勤務のデメリット「家事育児との両立ができない」 一方、「在宅勤務したいと思わない・してほしくない」という人は全体の7%程度と、けっして多いわけではありませんでした。しかし 「在宅勤務のデメリット」 に関してのコメントも多く寄せられました。 「夫婦ともに在宅勤務可能ですが、子どもが家庭にいるなかでの在宅勤務は大変です。顧客との大事な 電話中に犬がほえる わ、 兄弟喧嘩 がはじまるわ。会社の事務所で仕事する以上に ストレスがたまります 」(佐賀県 40代女性) 「在宅勤務できる仕事内容だとしても、上司が『どこでちゃんと仕事してるか』を見極めるのが難しいですよね。定期的に報告とか、できたものの提出物の確認が必要」(兵庫県 40代女性) 「デザイナーです。在宅で仕事をしていると、『いつでも自由に外出ができそう』に思われるのが困ります。お客さんから指定の時間に納品をしなければならないことを理解してくれる人も少なく、家族にすら『家にいていいな』と言われることがあります」(神奈川県 50代女性) 「子どもが小さいときは在宅ワークをしていました。在宅でできること、好きな時間にできることがメリットでしたが、昼間は家事育児に追われて 仕事は子どもが寝静まってから になり、徹夜で体を壊すこともありました」(神奈川県 50代女性) そのほかにも、「家にいると、自分の 仕事スイッチがなかなか入らなそう なので、外で働きたい」とか「在宅ワークですが、 収入面で厳しい ので、パートに出ようかなと就活中」といった意見も寄せられていました。 コメントを読んでみると、うなずけるようなものも多く、在宅勤務がけっして楽だったりスムーズに仕事ができたりするわけではないことがよくわかります。 ■子育て中の在宅勤務を両立するには? それでは、子育て中のパパやママたちが在宅勤務をするときには、どうすればうまくこなすことができるのでしょうか。 在宅勤務のコツ について考えてみたいと思います。 ▼在宅勤務のコツ1、自宅で働ける環境を整える 「今回の一斉休校で在宅勤務を申請。家で仕事をしても、いつもと 同じアビリティは発揮できない ことが多いです。 IT環境や場所、物がある程度そろうことで可能になる と思う。在宅でやる仕事はメールチェック、資料作成、など、個人で完結できるものになります」(宮城県 40代女性) 「テレワークが可能になれば、子育てや家事が両立しやすくなると思います。ですが、デメリットも対策をしないといけない。気になるのは、 時間管理が曖昧 であったり、端末の セキュリティ管理の甘さ です」(神奈川県 50代女性) ▼在宅勤務のコツ2、最初にルール作りをしっかりする 「職種によるとは思うけど、できないと最初から諦めるのではなく、できるように努力してほしい。 『ルール作りが大変だから』 、『本当に仕事しているのか把握できない』などと言うけれど、それを考えるのが管理職」(東京都 40代女性) 「在宅勤務ができるようなシステムが、各企業で始まっているのは知ってはいますが、人と顔を付き合わせてしっかりと意見を交換したり実働しないとできないことが多すぎると思う。 まずは体系を整えないと スムーズにはいかないんじゃないかなぁ」(神奈川県 40代女性) ▼在宅勤務のコツ3、モチベーションを保つための努力 「先週在宅勤務しました。人と話す機会が減り、体を動かさなくなるので、 モチベーションを維持 したり、精神的な弊害を考慮しないといけない。とはいえ、働き方のバリエーションが増えるのはいいことだと思います」(神奈川県 40代男性) また今回の休校といった事態の場合、子どもが家庭にいる状態での仕事にも大きな課題が見えてきたと思います。まだオンライン授業が普及していない日本では子どもの学習サポートや昼食準備といった負担が親にのしかかってきます。 ここまで、パパやママの在宅勤務について考えてきました。メリット、デメリットともに多くあげられていて、まさに議論が進みつつあるテーマだと感じます。また交通機関の混雑緩和や都会への一極集中から抜け出すための一つの方法としても、在宅勤務は有効な切り札ともいえそうです。 通常から通勤しなくても業務が進むような体制を作ってきた企業は強いですし、そのための仕組みも必要となってきています。また、在宅勤務ができない保育、看護、介護、飲食産業といった分野への影響についてもみんなで考えないといけません。また在宅勤務をしている人も時間管理と生産性の向上、ストレスマネジメントなどそれぞれの課題を発見できたと思います。 在宅勤務を3年続けている筆者自身も、在宅で子どもと過ごしながら働くことの難しさをここ最近あらためて実感しています。そのなかでも心がけていることは、少しの時間だけでも子どもと思いっきりいっしょに触れあってから仕事を始めること。メリハリをつけることを重視し、テレビ会議があるときは、あらかじめ「何時までは大事なお話をしているから、できるだけ静かにしていてね」と伝えています。それでもやはり子どもたちといっしょにいながらうまく仕事をこなすのは至難の業で、試行錯誤を繰り返している現状です。 まだまだ感染症の影響は大きく影を落としており、パパやママたちは仕事と育児のやりくりに追われる日が続きそうです。在宅勤務ができる、できないにかかわらず、1日でも早く、いつもの日々が戻ってくることを祈っています。 Q.在宅勤務、どう思う? アンケート期間:2020年2月21日~2020年3月6日 アンケート回答数: 5890件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2020年03月16日子どもの体温がいつもより高いと、「熱が出たかも!」と心配になってしまいますよね。ただ、何度以上あると危険なのか、どんな状態だと病院に行かなければいけないのかなど、判断基準がわからないという人も多いのでは? とくに、子どもの発熱は、小さな身体で熱を出してぐったりしているとき、また高熱にも関わらず元気いっぱいなときなど、症状もさまざまです。さらに入園、入学シーズンでは発熱を繰り返すという話もよく聞かれ、親にとっても毎日が闘いとなります。 そこで今回は、子どもが熱を出したときの対処法や受診の目安について、「佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクトチーム」が上梓された書籍 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』 からご紹介します。 ●「教えて!ドクタープロジェクトチーム」とは? 長野県佐久医師会・佐久市による、子どもの病気、ホームケア、地域の子育て支援情報などを発信するプロジェクトチーム。地域の子育て力向上事業としてだけでなく、SNS発信により「医師による確実な情報」を、リアルタイムで全国に発信している。 公式HP: 教えて!ドクタープロジェクトチーム ■熱が出るのは病原体と闘っている証拠 一般的に、子どもに関しては37.5度以上が発熱だと言われていますが、しょっちゅう発熱するという子も多いでしょう。 親としては子どもが発熱すると心配になってしまいますが、そもそも熱が出るのは、 小さな体が病原体と闘っている証拠 。特に、まだ体温を調節する機能が未熟な幼児期には、39度以上の発熱は珍しいことではありません。 ■発熱したときの対処方法 発熱の原因の大半は風邪などの感染症 で、熱が出ているのは体が病原体と戦っている証拠。慌てて熱を下げる必要はありません。 ただ、熱が出て苦しそうな場合は、次のような対処法で、快適に過ごせるように こまめに温度調節 してあげましょう。 ▼熱で苦しそうなときの対処法 ●汗を拭く ●薄着にする ●ぬれタオルで冷やす また、体を冷やす場合は次の場所を中心に冷やしてあげるのが効果的です。 ただ、もし手足が冷たくなっていたら、冷やさず保温をすることも大切です。 ▼熱が出たときのおうちでできるケア ●体温をこまめに測って、熱の経過を確認する ●こまめに水分補給する ※授乳中は母乳やミルクで大丈夫です。あえて飲んだことのないイオン飲料を慌てて与える必要はありません。 ※離乳食以降の子は経口補水液や乳幼児用のイオン飲料、お茶や湯冷ましなどで水分補給を行ってください。 おうちでできるケアの基本は、 こまめな温度調節と水分補給 。その都度、子どもの様子をこまめにみて、温度調節してあげましょう。 ■こんなときはすぐ受診! では、発熱したらどんなタイミングで受診すべきなのでしょうか。病院に連れて行く目安については、次の項目を基準にするとよさそうです。 ▼受診の目安:すぐに受診した方がよいとき ●生後3ヶ月までの赤ちゃん ●ぐったりしていて顔色が悪い ●呼びかけてもぼんやりしている(眠ってばかりいる) ●何度もおう吐する ●水分がとれず、半日以上尿が出ない ●初めてけいれんした 発熱したとき、上記のような場合にはすぐに受診してください。 発熱は、風邪、肺炎、胃腸炎など、さまざまな病気の症状の一部として現れます。発熱以外にほかの症状がないか観察が必要です。 ▼受診の目安:診療時間内に受診すればよいとき ●元気でも発熱が3~4日以上続いている 比較的元気で水分が取れていれば、熱が出ていても慌てず夜間や緊急に受診する必要はありません。ただ何日も熱が続く場合には、受診が必要です。 ■【赤ちゃん、子どもの発熱】教えてドクターQ&A 最後に、「教えて!ドクタープロジェクト」に発熱にまつわる心配事について、教えてもらいました! ――保育園、幼稚園の入園当初はよく熱が出ると聞きますが、これは理由がありますか? 対応方法はあるのでしょうか? たしかに保育園に入園すると熱を出すケースは多いです。保育園には多くのお子さんがいて、なかには 軽い感染症 にかかっている子もいます。 症状は目立たなくても、ウイルスなどを鼻水や唾液などを介して周りに広めていることもあり、その場合、本人や触ったおもちゃなどを介して接触し感染することになります。 ――では、保育園や幼稚園への入園は遅らせた方がいいのでしょうか? あるスウェーデンの研究(*)では、子どもは生まれてから3歳までに、 約14回の感染症にかかる と報告されています。 その研究では、病気のかかりやすさとして、次のことが挙げられています。 ●保育園の環境(子どもの人数や面積) ●小さい年齢での入園 ●上に兄弟がいること など ただ、そういった 子どもを取り囲む環境 だけでは、かかった感染症全体の たった8%しか説明がつかなかった とも報告しています。 つまり子どもの感染症は、周りの環境以上に、感染症へのかかりやすさ(抵抗力など)など、 子ども自身の体の要因 の影響が大きい可能性があるということです。 したがって対応方法としては、保育園や幼稚園の入園を遅らせることよりも、本人が病気にかかりにくいように 予防接種をしっかり打っておくこと 、たっぷり睡眠を取って睡眠不足を防ぎ、 規則正しい生活を送ること が大切だと考えています。 ――保育園に行くと熱が出ることが多いのですが、なぜでしょうか? 一般的な体のしくみとして、 熱は午後から夜にかけて上がり 、朝はいったん下がることも多いです。「保育園に行ったら熱が出た」ケースでは、実際には前日の夜から風邪気味だったり本調子ではなかった可能性があります。 ――なにか親が前もってとれる対策はありますか? 朝送り出した後に発熱で呼び出しがあり、仕事を早退するパターンはなかなかしんどいですよね。 前日の夜に発熱した場合 は、朝いったん下がっていても午後から再び高くなる可能性を考えて、 朝の体温にかかわらずお休みする というルールを決めておいた方が気持ちも楽かと思います。 今回は発熱のケアについて、「教えて!ドクタープロジェクト」に話を聞きました。次回は便秘への対処法について教えていただきます。 ※本連載で紹介する情報は、2020年2月25日時点のものです。 ※保育所等における新型コロナウイルス感染症の対応については、各自治体などの情報をご確認ください。 *Vissing NH, Chawes BL, Rasmussen MA, et al. Epidemiology and Risk Factors of Infection in Early Childhood. Pediatrics. 2018;141(6):e20170933 10.1542/peds.2017-0933 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』 (佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクトチーム/KADOKAWA ¥1,430) 赤ちゃん・子どもの病気、ケガ、事故…突然の「どうしよう」この1冊があれば安心! 病院に行く? 行かない? こういう時は様子を見ても大丈夫など、子どもの体の心配ごと、 マンガと解説でわかります。突然起こる子どもの病気、ケガで不安になるときに、親が慌てずに対処するための常備本。
2020年03月16日赤ちゃんが夜泣きをして、なかなか自分自身がゆっくり眠れないというママやパパは多いでしょう。親が寝不足で元気がなくなってしまうと、日中の過ごし方にも影響してしまい、生活全体の質が下がってしまうというリスクもありますよね。 今回は、「ねんねトレーニング」の進め方について、書籍 『家族そろってぐっすり眠れる 医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』 を元に医師でありママでもある森田 麻里子先生に、ねんねトレーニングの進め方や子どもの心への影響についてアドバイスをいただきます。 医師 森田 麻里子先生 1987年生まれ。東京都出身。医師。2012年東京大学医学部医学科卒業。12年亀田総合病院にて初期研修を経て14年仙台厚生病院麻酔科。16年南相馬市立総合病院麻酔科に勤務。17年3月に第一子を出産。小児睡眠コンサルタント。Child Health Laboratory代表 赤ちゃんの安眠サポート「ぐっすりBaby」公式サイト ■ねんねトレーニングとは 「ねんねトレーニング」という言葉は聞いたことがあるという人も多いでしょう。 【ねんねトレーニング(以下、ねんトレ)とは】 2週間ほどかけて、赤ちゃんに一人で寝つくことを教えるトレーニング 日本では添い寝文化があり、赤ちゃんを一人で寝かせることに罪悪感を持ったり、「トレーニング」と聞いて難しく感じたりする人も多いかもしれません。 しかし、赤ちゃんが一人でスムーズに寝つくようになると、たとえ夜中に目を覚ましても、眠りに戻るためにママやパパを泣いて呼ぶことはなくなります。そしてねんトレは、子どもにとってもママもパパにとっても「眠りの質を高める」ことができる一生役立つスキルとなります。 ねんトレの効果は、数多くの研究で証明されているのが特徴です (*1) 。 ■ねんねトレーニングの具体的なやり方は? では、どのようなステップでねんトレをすればいいのか、具体的な方法についてご紹介したいと思います。 ▼いつから「ねんトレ」を始めればいいの? ねんトレは、生後6ヶ月以降に開始します。 ほとんどの研究は、ねんトレは生後6ヶ月以上の赤ちゃんを対象にしています。この時期の赤ちゃんは、抱っこや母乳・ミルクがないと寝つかない場合、睡眠とそのような行動とのつながりが強くなっているためです。 生後6ヶ月以降になると、「眠い」以外の理由では泣かなくなってくるため、夜寝つくときや夜中に泣くということは、 「眠いのに寝つけないから」 であることが多くなります。 ▼ステップ1、夜のルーティーンが終わったら部屋を出る ●夜のルーティーンを行う ↓ ●赤ちゃんをお布団におろす ↓ ●子守歌を歌う ↓ ●「おやすみ」と言って部屋を出る 「夜のルーティン」とは、赤ちゃんがスムーズに寝るために、寝る時間の少し前の決まった時間に決まった順番で繰り返し行動することをいいます。 これにより赤ちゃんがリラックスし、赤ちゃん自身も「このルーティンが始まったら寝る時間なんだな」と条件づけられます。 <生後6ヶ月以降の夜のルーティーン例> ●部屋を薄暗くする ●お風呂 ●母乳・ミルク ●歯磨き ●絵本 ●おやすみのごあいさつ ●子守唄 これはひとつの例ですが、このようなルーティーンを行うと、寝つきやすくなるということが研究でもわかっています (*2) 。ルーティーンが終わったら、「おやすみ」と言って部屋を出ましょう。 ▼ステップ2、泣き続けたら、部屋に入って声をかける <「ぎゃー」「えーん」と泣き始めた場合> ●時計を見て、部屋に入るまでの時間を測る ↓ ●泣き続け、落ち着く気配がなければ部屋に入る ↓ ●「大丈夫だよ」などと声掛けをする ↓ ●声をかけ終わったら、数十秒ほどで部屋を出る ねんトレ初日であれば、赤ちゃんが泣いたらまずは 約3分間、外で様子を見ましょう。 それでも泣き止みそうになければ、赤ちゃんのそばに行きます。 赤ちゃんへの声掛けは淡々と「ねんねだよ」「大丈夫だよ」と行い、「いつもと違う状況になっているけれど、これで大丈夫なんだよ」と伝えてあげます。 <赤ちゃんが声をあげる、もぞもぞ反応するなどの場合> ●何も反応せずそっとしておく ▼ステップ3、部屋に入るまでの時間を少しずつ延ばす 部屋を出てすぐにまた泣き始めたり、ずっと泣き続けている場合は、初日であれば 次は5分程度待ってから 部屋に入ります。 ステップ2を繰り返したあと、再度泣く場合は、次は 10分待ちましょう 。このようにして、2日目、3日目と日がたつにつれてさらに時間を延ばしていくことによって、ねんトレが進んでいきます。 <部屋に入る時間の目安(一番右が最大待ち時間)> 1日目:3分 → 5分 → 10分 2日目:5分 → 7分 → 12分 3日目:10分 → 12分 → 15分 ▼ステップ4、寝つくまで繰り返す ●ステップ2、泣き続けたら、部屋に入って声をかける ↓ ●ステップ3、部屋に入るまでの時間を少しずつ延ばす ↓ ●部屋に入るまでの時間は、最大時間(1日目は最大10分)を寝るまで繰り返す <夜中に目を覚まして泣いたとき> ●部屋に入って声をかける(その日の一番短い時間から始める) ↓ ●ステップ4、寝つくまで繰り返す ママやパパが同じ部屋で寝ている場合は、完全に寝たふりをして、時間ごとに声掛けをしてあげましょう。 ■ねんトレは心の成長によくない? ここまでねんトレのステップについてみてきましたが、よくあるねんトレにまつわる不安のひとつに、「ねんトレは 心の成長によくない のではないか」というものがあります。 しかし、じつは、ねんトレは赤ちゃんの 心の成長に悪影響を与えない ことは、医学研究によって証明されています (*3) 。 泣いたら何がなんでもすぐに抱っこして泣き止ませなければ、心の成長に悪影響があるというわけではないのです。 ママやパパが赤ちゃんが夜泣きするたびに目をさまし、 睡眠不足になってしまう ことの方が大問題。寝不足によってママやパパの元気がなくなってしまい、日中に笑顔で子どもと向き合えなくなってしまうことは、家族にとっても苦しいことに思えます。 ▼ねんトレを成功させるには 【ねんトレ成功のカギ】 「不安になってもブレずにトレーニングを続けること」 ねんトレ中に一度不安になると、悪いことばかりを考えてしまって不安がどんどん大きくなり、ねんトレを中断してしまう原因になってしまいます。ねんトレに対する不安は、できる限りトレーニング前に解消しておきましょう。 ■「ねんトレが不安…」そんな声に森田先生がアドバイス! 「ねんトレを始めたいけれど、不安で…」というママのために、森田麻里子(もりた・まりこ)先生からアドバイスをいただきました。 ――子どものギャン泣きに罪悪感をいだいてしまうママやパパに、「ねんねトレーニング」を行うアドバイスをいただけますか? 赤ちゃんがギャン泣きしているのはやはり親としてつらいものですが、長期的に 「何が家族全体のためになるのか」 、ということを考えていただけたらよいのではと思います。 今までとまったく違う寝かしつけ方法に変えたとしたら、赤ちゃんが泣くのは当然ですよね。これまでずっと続けてきた習慣が、ガラッと変わるわけですから。でも、そうして寝つくための新しい方法を身につけられたら、ママ・パパも赤ちゃんもぐっすり眠れるようになります。 夜中も何度も授乳やミルク、抱っこをして、ママ・パパが日中フラフラになっているのと、夜中の授乳やミルク、抱っこをやめる代わりに日中笑顔で目一杯遊んであげられること。どちらが家族全員にとって良いでしょうか? ――たしかにそうですね。でも、やはりギャン泣きされるとつらいときもあります。 そうですよね、ただ、赤ちゃんを泣き止ませるのはすべて 親の責任というわけではない 、と私は思います。 赤ちゃんには個性があって 、あまり泣かない子もいれば、すごく泣きやすい子もいます。 もちろん、「おなかが空いた」とか「暑い」「寒い」といったような親が対応してあげられる理由で泣いているとしたなら、対応すべきだと思います。 でも、どうやっても泣き止ませられないこともありますよね。赤ちゃんだって、泣きたいときがあるのではないでしょうか。手を変え品を変え必死にあやし続けて疲れてしまうくらいでしたら、 そっと見守ってあげる だけでも良いと思います。 ついつい、とりあえず 「泣き止ませることだけ」 を目標にしてしまいがちですが、本当はどうするのが赤ちゃんやママ・パパにとって一番良いのか、考えてみていただけたらと思います。 ――心が折れて、ねんトレの最中に抱っこや添い乳をしてしまったら…。どうすればいいでしょうか? 抱っこや添い乳自体が悪いとはまったく思いません。もしママやパパが困っていないなら、夜中に起きて抱っこや添い寝などで寝かし続けても良いのです。 ただ、睡眠を改善するためには、「寝かしつけを変える必要なケースがある」というのはやはりあります。ご家庭の中で、 ねんトレした方が幸せなのか 、しなくてよいのか、ぜひ考えていただければと思います。 赤ちゃんが泣いてしまうというのは、ママやパパにとってやはりつらいものです。でもママやパパが悪いことをして、赤ちゃんが泣いているわけではないですよね。「泣いてしまっているけれど仕方ない」、「この子も上手に眠れるようにがんばっているんだね、がんばれ!」と思えるようになると、ねんトレもうまくいくと思います。 筆者自身も、子どもたちの夜泣きについて思い返してみると、連日子どもが寝ぐずりをして涙した深夜を思い出し、あの頃の自分にねんトレの存在を教えてあげたかったと思ってしまいます。 子どもの夜泣きや睡眠事情については、子どもによってまったく異なり、解決するための正解はひとつではありません。そこが難しいところで、ついつい孤独をかかえてしまうママやパパも少なくないと思います。 ねんトレを「する」、「しない」の正解はありませんが、ママやパパたちがぐっすり寝て、次の日に笑顔で過ごせることは、きっと子どもたちのためにもなるでしょう。そして、家族が笑顔ですごせることこそが、最高のゴールなのかもしれません。 ■医学書や医学論文に基づいた「最高の寝かしつけメソッド」 『家族そろってぐっすり眠れる 医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』 医者である著者が、睡眠時間を延ばすテクニック、月齢別睡眠スケジュール、正しい夜泣き対策など、医学研究にもとづいた快眠メソッド、正しいねんねトレーニングの方法を具体的に掲載。 赤ちゃんの寝つきをよくするための生活習慣や寝室環境を改善する方法、ママやパパが抱えがちなねんトレについての不安にまつわるQ&Aも掲載。 <参考文献> *1)オーストラリアでの試験(2002) 生後6カ月~1歳の赤ちゃん156人を対象に行われたランダム化比較試験。一方のグループにだけ段階的消去法(ご紹介したような部屋に入るまでの時間をだんだん延ばしていくねんトレ)、または寝かしつけに少しずつ手をかけないようにしていく方法でねんトレを行った。すると、ねんトレをしたグループでは2カ月後に70%が改善、何もしなかったグループで47%が改善した (*4) 。 *2)Mindell JA, Telofski LS, Wiegand B, Kurtz ES(2009) A nightly bedtime routine:inpact on sleep in young children and maternal mood, Sleep;32(5):599-606. *3)Price AM, Wake M, Ukoumunne OC, Hiscock H (2012) Five-year follow-up of harms and benefits of behavioral infant sleep intervention: randomized trial. Pediatrics; 130(4):643-51. *4)Hiscock H, Wake M(2002) Randomized controlled trial of behavioural infant sleep intervention to improve infant sleep and maternal mood,BMJ;324(7345):1062-5.
2020年03月08日子どもに安全な食材でおいしいご飯を毎日作ってあげたいという思いはどの親にも共通するでしょう。ただ、家事に育児に仕事に忙しい日々の中で、それを実現するのは簡単なことではありません。 星野源さんなど多くのアーティストを輩出している私立自由の森学園(埼玉県飯能市)では、創設時から35年に渡って、安全な調味料や食材を厳選した食事を提供し続けています。今回は、食生活部の泥谷さんに、子どもに必要な食について、話を聞きました。 「子どもに『自由』をどう教える?」 の続きです。 お話をうかがったのは… ●泥谷千代子(ひじや・ちよこ)さん 自由の森学園食生活部のリーダー的存在。栄養士の資格を持ち、学園創設時から学食の運営に携わり続けてきた。 ■ここがすごい! 自由の森学園の学食 ――そもそも、自由の森学園の学食はどのようにしてできたのですか? 35年前に自由の森学園が創設されることが決まったとき、学食で 「本来の食事」 を提供したいという話になったのです。伝統的な製法で作られた調味料や農薬や添加物を使用しない食材で、丁寧に作った食事を子どもたちに食べさせたいと。 軌道に乗るまでは手探りの状態でしたが、5~6年たつと、メニューが決まり、食材の仕入れやローテーションも確立されてきて、だいぶ落ち着いてきました。 食堂が大きく注目されたのは、2010年に「日本で一番まっとうな学食」(家の光協会)という本が出された時からでしょうか。今では、全国の学食の方々からの視察や、メディアからの取材もたびたび受けるようになりました。 ――自由の森の学食は、どういったことをモットーにしているのでしょうか。 自由の森では、子どもたちに 「自分が何をしたいか」 をじっくり見極めさせるような教育をしています。 私たちはそのサポーター で、家庭でお母さんが作っているような食事を、安心できる食材で提供したいと考えているんです。 ――調味料や材料について厳選されたもののみを使っているというのは、すごく特別なことのように思えます。 「 その子がその子らしく 生きてほしい」ということが、この学校の根本的な考えです。だから、食堂でも余計なものを使わない、本来の自然の生き方を子どもたちに伝えていきたいと思っています。 自然はお日様をもらい風を受けて、小さな種から大きくなりますよね。私たち人間も、そもそも自然の生き物なので、いろいろ加えるのではなく、本来のおいしさをそのまま体に入れる状態もいいんじゃないかなと。だから、 特別なことをしているとは思っていません ね。 ■大人気メニューのカレーにこめた思い ――カレーのバリエーションが多く、とても人気のメニューなんですよね。 ポークカレー、チキンカレー、ドライカレー、ベジタブルカレー、豆のカレー、ラムカレーなどがあります。生徒たちの要望に応える中で、どんどん増えてきたのですが、「ラムカレーなら食べる!」と言う生徒などもいて、好みはわかれているようですね。 ――どんなところが、他のカレーと違うのでしょうか。 スタッフがインドで学んできたレシピをベースに、市販のルーではなく、 複数のスパイスを調合 して、それを乾煎りしてから使っています。チキンカレーの場合は、鶏肉をヨーグルトなどの下味に漬けてから調理して、味をまろやかにしてみたり、仕上げにガラムマサラで香りづけをしています。 ――手が混んでいますね。 インドでは、日本での「みそ」のように、各家庭でカレーの味が違うそうなんです。だから、それと同じように、ここの学食でもいろいろなスパイスの調合を試して、今に至ります。 毎年入ってくる生徒によって、食の好みが違うのですが、それに合わせながらこちらも提供するものを調整していきます。 本来の家庭の形 を目指しているんですよね。 ――子どもたちは、学食の食事についてどう思っているんでしょうか。 ここの学食が特別だということは、あまり感じていないと思います。卒業生に聞くと、多くの子は「ここで食べていた時はもちろんおいしかったけど、それが普通だと思っていた。気づいたのは卒業してから」と話しますね。 ■簡単に家庭でもできる「本来の食事」 ――ここまでお話を伺ってきて、素晴らしい食事を提供されていると思ったのですが、家庭では同じようにするのは難しそうに思えてしまいます。 今のお母さんたちは、とても忙しいですよね。仕事をして、子どもにきちんとした教育を受けさせたいとなると、ゆっくりお茶を飲むとか、好きな映画をみにいくといった何か自分のための栄養になるようなことをする時間が取りにくくなっているように思います。 ――その中で、どういった食事作りができるか、何かアドバイスはありますか? 材料を入れるだけでさまざまなメニューが作れる電気調理鍋を使うのはいいですよね。煮込み料理など、とてもいいと思います。 また、冬の間は 鍋がおすすめ です。いろいろな味、食材が入れられますから、野菜もたくさん食べられるし、豆腐の日だったりお魚の日だったり、メインも変えられます。 ――「本来の食事」と聞くと、一汁三菜を用意しなければいけないのかなと思っていました。 学食では、マグロの刺身や、きゅうり、山芋、納豆、温泉卵などを全部ご飯にのせて食べる「とろとろ丼」というメニューも出しています。それに、おみそ汁さえあれば十分ですよね。 ほかにも「豆腐丼」とか「焼肉丼」とか、どんどん 「丼チャレンジ」 するのもいいですよ。 親が何を考えて出したかが子どもの栄養になる ので、そこが一番大事だと思っています。豆腐だけはお豆腐屋さんでおいしいものを買おうとか、それだけでもいいんです。完璧主義にならなくていいんです。 ――生徒の約6分の1が寮に住んでおり、三食をここでとっているそうですが、栄養バランスについてはどのように工夫していますか? 朝と夜はバイキング形式にしているので、 食材をたくさん使う ことで、「これは嫌いだけど、これなら食べられる」と、栄養が偏らないようにしています。舌が未発達な子どもたちは、苦いものが食べられなかったりしますが、大人になる中で変わってくるので、「少しずつでも食べてみて」と言っています。 ――一食だけで栄養バランスを完璧にするのは、家庭でもなかなか難しいところです。 毎食、栄養バランスを完璧にするのは無理ですよね。三食でバランスを考えると、なんとか整えることができます。 みそ汁の中に たくさん野菜を入れ たり、カレーにも定番の具材だけじゃなく、キノコやカブなどちょっと違う野菜を入れて一緒に煮込んでいくと、栄養バランスがとれるだけでなく、違う味も楽しめますよ。 ■子どもにとって本当に「いい食事」とは? ――子どもに「本来の食事」を提供したい、でも完璧にやり始めると、その弊害もあるように思います。 これは子どもに「食べてほしくない食物」は、親しか防ぐことができません。でも、友だちの家でおやつをいっぱい食べたらだめだということではないと思うんです。友だちと仲良く過ごす時間だって、とても大事ですよね。 親は、「家ではこういうものを選んでいるよ。こういうものもあるけど、こういった危険性もあるんだよ」と、 食を学びの場 にしていけばいい。子どもは必ず、舌で安全なものを覚えるから、そうした学びがあれば、安全なものを選んでいってくれると思います。 ――たしかに、食にこだわりすぎて完璧にやろうとすると、親自身が疲れてしまいそうです。 食にいくらこだわっていても、家族仲が悪かったら意味がないですから、何よりも家族が仲良くいることが一番大切です。その仲良くしているところを見て、子どもは育つから、それが 大きな心の栄養 になります。そこに安全なおいしいという要素が加わったら、最強じゃないですか。 ――忙しい中でも、やはり食事は未来の子どもたちにつながるから、大切にしていきたいところですよね。 本当にお母さんたちは忙しいけれど、その中でも自分も楽しみ、家族も楽しむような時間を作れるような生活の仕方にシフトしていけるといいですよね。外食をしてもいいし、買ってきてもいい。そこにちょっと何かを付け加えて家族が好きな味にしたり、安全なものを選んだりする。 気持ちをそこに添えてあげる だけで全然違うんです。食を通じて、 「お母さんが自分を見てくれている」 というふうに子どもたちは感じられると思います。それが、一番の「いい食事」なのではないかしら。 ここまで、子どもたちの食について、自由の森学園食生活部の泥谷さんに話を聞きました。学食の素晴らしさだけでなく、家庭でも生かせるヒントを多くもらえたのではないでしょうか? 二回にわたって自由の森学園の教育と学食についてお話を聞いてきました。「自由」との付き合い方はとても難しいけれど、やはり大人が子どもを温かく見守ることの大切さは、共通していたように感じます。親自身も自分の好きなことを実現しながら生きていけるよう、しっかりと子どもと向き合っていきたいものですね。 ■今回お話を伺った「自由の森食生活部」を取り上げた書籍 『日本一の「ふつうの家ごはん」 自由の森学園の学食レシピ』 (自由の森学園食生活部/講談社 ¥1,300(税抜))
2020年02月10日「子どもを自由にのびのび育てたい」というのは、どんな親も望んでいることだと思います。でも、「勉強はしたくない」「宿題するよりゲームしたい」と子どもが言ったときに、なかなか100%自由にはさせられないものです。 そんななか、テストや成績表もなく、生徒たちの多様性を伸ばす教育を実践している学校があります。卒業生には、俳優やミュージシャンとして活躍している星野源さんや浜野謙太さんなど多くの著名人を輩出している自由の森学園。今回は、そんな自由の森学園の鬼沢理事長に、子どもを自由に育てるとはどういうことなのかについて話を聞きました。 お話をうかがったのは… ●鬼沢真之(おにざわ・まさゆき)さん 1960年生まれ。1986年より自由の森学園社会科担当教師。2004年4月から、同学園高等学校校長。2013年より、同学園理事長を務める。 ●自由の森学園とは 埼玉県飯能市にある私立の中高一貫校。1985年に点数序列主義に迎合しない新しい教育をめざして設立。自分の取り組みを自身で評価する「学習の記録」や、生徒たちが自ら作り上げる行事などが注目を集めている。 ■「自由」は子どもたちにどんな影響を与える? ――なぜ点数と競争にこだわらない教育をしているのでしょうか? 勉強の目的は「テストでいい点を取ること」と捉えている子どもたちが多いのではないでしょうか? 子ども自身 「これを学んで何になるの?」 と疑問には思っているのだけれど、親や周りから「偏差値が大切」と言われて、テストのためだけに一生懸命やっているように感じます。 その現状に疑問を抱き、競争心を刺激する教育ではなく、子どもたちが主体的に課題に取り組み、知識を得て成長するという本来の学びを与えたいという思いから学校を設立することにしました。 ――子どもが小さいうちから自分で判断できるのでしょうか? 無制限に「自由」を与えるのも心配です。 ヨーロッパの国々ではかなり早い段階から「あなたが決めなさい。そのかわり、あなたが決めたことにはあなたが責任を持ちなさい」という教育がされています。 いつからその責任を持たせてもいいかというと、もちろん個人差もありますが、私は、日本はいつまでも子ども扱いする傾向が強いと感じています。 高校を出てから自由を得たと感じる人は多いと思いますが、はたしてそれは正しいのか。 近頃では、大学も出席をとるようになり、就職活動も早まり、子どもたちは 「自分自身が何者か」 、 「何をしたいか」 、 「どんな人生を歩みたいのか」 真剣に考える暇もなく、そのまま大人になっている気がしますね。目隠ししている時間が長すぎると、子どもたちは本当の自分の人生を選べないのではないかと懸念しています。 ■子どもたちにとって自由の弊害はないのか? ――自由の弊害はないのでしょうか? 「好きにしなさい」と言うと、学ばなくなる子も増えてしまうという懸念もありますよね。 そもそもの学ぶ目的は、 「自分の頭で自分の行く道を選択」 して、「自分らしく生きていく大人になる」ことですよね。 そのために学校というのは、10代というある一定の期間に多くのいろいろな体験をさせ、自分の生きていく道を見出すサポートしていくところだと思っています。これまで35年間教育をしていますが、子どもたちがまったく学ばなくなるということはありません。 ――また、自由すぎると社会に適応できないのはないかという声もあると聞きますが、どのように感じますか? そういう声はあるだろうなと思います。ただそういった声に疑問に思うのは、「はたして 子どもを何に適応 させようとしているのだろうか」ということなんです。 極端な言い方をすれば、自分で考える必要がない社会の歯車として、子どもをに適応させたいというように思っているならば、自由は与えないほうがいいわけですよね。 ■子どもたちにとって「自由であること」は幸せなのか ――自分のやりたいことが見つからない場合、「好きなように選択しなさい」という「自由」は子どもにとってつらい場合もある気がします。 たしかに、しんどい面もあると思います。学校でいい点数を取ることが目標にならない場合、子どもたちのアイデンティティを確立をする方法は、「やりたいことが見つかったかどうか」がひとつのキーとなる面はあります。だからこそ「やりたいことが見つからなくてしんどい」と言う子も多いです。 しかし、私はやりたいことを見つけられている子と見つけられていない子の 境界線は不確定 だと思っています。 例えば、「ギターをやりたい」と言う生徒がいたとしても、いつまでギターがやりたいかどうかなんてわからないじゃないですか。それに、見つかったからといって本当に幸せかどうかなんてわかりません。 ――たしかにそうですよね。では、何が大切なのでしょうか。 やりたいことと言うより、生きていく上で 「これは大事にしたい」 と思うことではないでしょうか。 例えば、「写真を撮りたい」と言っても、写真家として生きていける人はごくわずかです。でも、写真の周辺にはさまざまな仕事があるし、趣味で続けていくこともできますよね。明確に1つの職業として決めなくても、どういうジャンルの仕事にやりがいを感じるのかと言うことがある程度定まっていれば、自分のキャリアの方向性がみえてきます。 ■子どもが自由に生きるために家庭でできること ――子どもたちが自由に選択していくために、親としてはどういうサポートができるのでしょうか。 僕たちは、生徒がもう一歩先を行くために今どういう教材を投げかけたらいいのかを授業の中で考えますが、親もそれと同じで、子どもが何かする時に、 親なりのカリキュラム というものをある程度イメージしてみるといいですよね。 子どもが努力をして、「やった」と本人も思えるようなものを準備をしてあげるんです。子どもが自信を持つようになるには、 小さな成功体験を繰り返す 以外にはないですから、うまくいったときには きちんと褒めて あげましょう。 そして、失敗しても、 必要以上に責めない ことが大切です。その子の努力によって、小さな1歩を踏み出したとき、きちんとした評価をしてあげることを繰り返していくことで、子どもは自信を持って次の一歩を踏み出そうと思えます。 ――親としては、どうしても失敗をさせたくないと思ってしまいます。 生きていくなかで、さまざまな局面において、子どもにきちんと選ばせる事は必要です。つい先回りしてしまう気持ちはわかりますが、それでは親が子どもの代わりに選択することになってしまいますから。 ――子どもが自由に生きるために、やりたいことを見つけさせてあげたい。これまで生徒をみてきたなかで、心がけていることはどのようなことでしょうか? 自由の森学園では、できる限り多くのジャンルのものを見せて、実際に触れさせて体験させます。世の中のことって、数種類の教科ではわけられませんから。その中で、「これに手ごたえを感じたなぁ」とか、「これなら一生やっていけそうかもしれないなぁ」とか、そこまで導いてあげたい。 その先は、大学なり専門学校なり、もしくは弟子入りするなり、いろんな道がありますが、何をしている時に一番自分らしくいられるか、満足できるかを知ることにつなげてあげたいと思っています。 ――親にはどんなことができますか? 学校と同じようなことをするのは難しいとしても、学校と家の往復だけじゃなく地域での活動やさまざまなボランティア活動など、さまざまなジャンルの体験をさせてあげるといいかもしれません。 ■自由に生きるためには必要なものがある ――教育において、自由を与えるのがいいのはわかりますが、子どもにとっての自由とは何なのか、なかなか難しく感じてしまいます。 自由とは、なにものにも縛られないということですが、人間社会において、縛られないということはありえませんよね。法律はあるし、配慮しなければいけないことも多い。その制約の中で、どういう風に 自分の意志で 歩んでいけるか。 最終的に自由は何かと言えば、「自分の意志で自分らしく自分の人生を決める」ということ。そのためにはまずは社会的制約に何があるのかを知らなければいけないし、自分自身のことを知らないといけないし、能力もある程度は必要です。 ――どこまで自由にさせるか、見極めが難しいですよね。どう判断すればいいのでしょうか? 生徒たちが「挑戦したい」と言ったら、応援してあげることもあるし、長く教師をしていれば「それは無理だ」と言う時もある。時には、失敗することがなんとなくわかっていたとしても、 頭ごなしにダメだとは言わず 、失敗経験をさせてあげることもあります。 ――あえて失敗から学ばせるということもあるわけですね。ただ、親が同じことをするのはなかなか難しいなぁと感じます。 じつは、私の子どもは自由の森には通わなかったんです。もちろん私自身はここの教育がいいと思っているし、来たらいいなと思ったけれど、それは彼らの自由意志で決めるべきだと思いました。 必ずしも親がいいと思っていることを子どもが選ぶわけじゃないんですよね。そのときにどう振る舞うか、親としては試されているなと思います。 子どもを所有物みたいに感じてしまっている場合、親は過干渉になるかもしれません。でも、 子どもは自分とは違う ということが腹の底からわかれば、子どもとの付き合い方はそれなりに見えてくるでしょう。 ■親も自由に生きることが子どもにとって大切 ――子どもが自由に生きるために、親にできることはあると思いますか? 私は子どもたちに、節目ごとに自分が何を考えているかをしっかり伝えていました。「選ぶのは君の自由だけれど、僕はこういう風に感じて見ているよ」ということを、受験前や卒業などの節目で手紙を書いて送るんです。 やはり、親は 自分の意見 を子どもに伝えなきゃいけないと思います。「これは正しい」とか、「これが好き」とか。大人が思っていることを子どもに伝えることを躊躇(ちゅうちょ)していけないと思う。なぜなら、親が言わなくとも、子どもたちは 親の思い を感じ取ろうとしているから。 ――子どもが「自由」に生きていくために、親ができることはなんでしょうか。 親自身が自分らしく 生きていますか? みんな与えられた枠組みの中で、どれだけ自分の思いを実現するかという目的を持って生きていますが、たとえ、それがサラリーマンだろうと公務員だろうと、どこまで自分らしくその仕事を成し遂げられるかは同じですよね。 人工知能(AI)ではなく、 自分にしかできないこと にチャレンジすべきだし、さらに実践していかなければと思う。その中でどこまでできるかは、 大人自身も問われている ことです。その立ち位置や、向きが子どもに影響するんじゃないかと思っています。 ――親自身、子どもになってほしい姿があれば、自分がまずはそれに近づくことが大切なんですね。 私は、百の言葉よりそれが大事だと思います。とくに、一番重要な選択をしなくてはならないような場面で、どういう態度をとるかという事は、子どもにとっては 重要な授業になる んじゃないでしょうか。 親自身が自由ではないのに、子どもたちに自由を期待してはいけないと思います。 ここまで、自由と子どもについて、鬼沢理事長に話を聞いてきました。学校教育のメソッドを家庭でも生かせそうなヒントを多く教えていただけたと思います。次回は、日本一「ふつうの家ごはん」と言われる学食について話を聞きます。 ■今回お話を伺った「自由の森学園」の学食を取り上げた書籍 『日本一の「ふつうの家ごはん」 自由の森学園の学食レシピ』 (自由の森学園食生活部/講談社 ¥1,300(税抜))
2020年02月09日結婚すると、お互いに空気のような存在になり、いっしょにいてもドキドキしなくなるとよく言われます。子どものいるパパやママたちは、なかなか2人の時間がとれなくなるため、恋愛感情が持てなくなったという人は多いかもしれません。 今回は、夫婦間の恋心について考えてみたいと思います。 ■「パートナーに恋心ある?」夫婦間の恋愛感情とは アンケートでは、パートナーに恋心があるかどうか聞きました。その結果、「ある」、「少しある」と答えた人が46.9%、「ほとんどない」、「ない」と答えた人があわせて49.3%となりました。「ある」と「ない」がほぼ半数ずつの回答になり、恋心についての意見は真っ二つにわかれているようです。 Q.結婚してもパートナーに恋心はある? ある 24.7% 少しある 22.2% ほとんどない 25.3% ない 24.0% その他 3.8% ■夫婦の恋心ない派:「恋する余裕はなし」 まずは、「恋心はない」と答えた人たちの声を見ていきたいと思います。 「恋心はまったくありません。子どもたちを育てるための 志をいっしょにしたパートナー と言いますか。そんな感じです」(島根県 40代女性) 「付き合いたての頃のような『この人の前では一番かわいい私でいたい』って気持ちがなくなってしまった」(神奈川県 30代女性) 「最初はあったけれど、雑な扱いや向こうの気分でこちらを振り回そうとしてきたりが続いて、がんばって維持しようと努力したけれど、 恋心はほぼ消滅 しちゃいました」(神奈川県 30代女性) 「生活に終われ、 恋する余裕なんてありません 」(北海道 40代女性) それぞれの理由で、現在恋心がなくなっていることがわかりますね。なかには 「最初から恋心はなかった」 という意見もあって、結婚するまでに抱いていた気持ちも、夫婦によって違っているようです。 また、「恋心はないが、 家族としての愛情 はある」というコメントも寄せられていて、「恋心」から「愛情」へ変化したために、「恋心がない」と答えた人も一定数いるようです。 ■夫婦の恋心ある派:「ふとしたしぐさによみがえる恋心」 次に、「恋心がある」と答えた人たちの心温まるほっこりエピソードを見ていきましょう。 「たまに夫婦2人きりで出かけるときに、何を着ていこうかとか、どこに行こうとか、何を食べようとか、 ウキウキ でプランを考えちゃう」(埼玉県 40代男性) 「お互いにカサカサに枯れた歳になりましたが、たまに見せるちょっとかっこいいしぐさ、頭の回転の早さや頼りになるところ、いっしょに大笑いしあうときに、『やっぱり この人が好き だわ~』と思います」(神奈川県 50代女性) 「若い頃のような胸がキューっとなったり苦しくなったりはないけど、その代わりじんわり あたたかな幸せ に包まれる感じはあります。恋が愛に変わったというやつですかね?」(東京都 30代女性) 「心が不安になったとき、怖い、寂しいなどなど、そんなときに 夫が恋しく なります。普段は空気のような存在なのに、心が弱っているときはお互いに恋しくなります」(神奈川県 30代女性) どのコメントからも、パートナーに対する思いが伝わってきて、こちらまで恥ずかしいようなうらやましいような気持ちにさせられてしまいますよね。そのほかにも、「結婚して12年、付き合ってから24年。今でもほぼ毎日 手をつないで 寝ています」というラブラブなコメントも寄せられていました。 ■夫婦で恋心を持ち続けるコツはなに? 毎日顔を合わせて、お互いの悪いところも見えてきてしまう夫婦関係。そんななかで、何年も何十年もの間恋心を持ち続けるのは、なかなか難しいことのように思えます。 恋心を維持するコツ とは一体何なのでしょうか。 「結婚して16年たちましたが、子どもが学校に行っている間に 2人で出かけ ます。いまも『好き』の感情はかなりあります」(埼玉県 30代女性) 「 男女として成り立つ ように、お互いにオシャレに気を配ったりとか気をつけています」(佐賀県 30代女性) 「人間なので不満などはありますが、 言葉は『言霊』 。発言には気をつけて、相談やアドバイスをお互いにしています」(神奈川県 40代女性) 「恋心がまったくなくなってしまうのは寂しいので、2人で出かけることをデートと呼んだり、ごくたまに腕を組んだり、普段から 名前で呼び合ったり しています」(茨城県 40代女性) 子どもが生まれると、夫婦でゆっくり過ごす時間というのは激減してしまいますよね。筆者の家では、夫と会話をしようとすると、かなり高めの確率で「ねぇねぇ……」と子どもが割り込んできます。夫婦で会話する時間が減ってしまったために、大事なことを相談できないまま、日々が過ぎ去っていくこともあるような状況です。 もちろん、子どもの存在は夫婦にとって一番の宝物であることに違いはありませんが、努力しなければ夫婦で過ごす時間は作れないのだなと日々実感しています。 ■夫婦間に恋心は必要か? ここまで、結婚後の恋心について考えてきましたが、そもそも、 夫婦間に恋心って必要 なのでしょうか? パパやママたちが、夫婦の関係をどうとらえているのか、アンケートの答えから読み解いてみたいと思います。 ▼夫婦関係その1、空気のような存在 「結婚して20年たち子どもも大きくなり、 空気のような存在 になっていますが、ふたりの時はよく話をするし、この人だからいろんな話ができるんだなと思うと、まだ恋心もあると思っています」(神奈川県 50代男性) 「頼りにしている部分はあるので、 いないと困る し、夫婦だからこその精神的な安らぎもストレスも両方あります」(神奈川県 30代女性) ▼夫婦関係その2、一番の親友や同志 「恋人というより、相棒に近い気がします。運命共同体で 一番の親友 かなぁ。いろいろ大変なことも、腹が立つこともあるけど、なんだかんだ幸せです」(愛媛県 40代女性) 「お互いいて当たり前の存在。分かり合えている分、一から十までの説明もおうかがいも必要なし。一番しっくり来るのは 『同志』 ですかね。たくさんの喜びも悲しみも試練も、ともに乗り越え歩んできた! 恋心より上 の存在です」(神奈川県 40代女性) ▼夫婦関係その3、恋心よりも信頼関係 「恋は愛になって信頼になりました。 信頼は恋より強い 」(東京都 40代女性) 「恋というよりは、信頼という言葉が近いように思います。夫、妻、父、母……すべてを担うのに、相手に恋しているだけではこなせないと思います」(愛媛県 40代女性) ▼夫婦関係その4、どんなときも自分の味方 「友だちのような、息子のような、戦友とでもいった感じですかね。どんなときも味方でいてくれるので、 心強い存在 です」(滋賀県 30代女性) 「結婚生活が長くなってきた今では、何でも相談できていつでも味方になってくれて、 頼りになる大切な存在 です」(茨城県 40代女性) ▼夫婦関係その4、人生最高のパートナー 「恋心というより、 人生の最高のパートナー という思いです」(三重県 50代男性) 恋心を持つ、持たないにかかわらず、夫婦の関係はさまざまで、一言では表せないことがよくわかります。出会ってからいっしょに生きていこうと決めて、歩みをともにするパートナーだからこそ、深く知り合うう中でお互いにイヤな部分が見えてくることもあるかもしれません。 しかし、子どもがいる夫婦にとっては、その子をいっしょに育てていく仲間であることに間違いはありませんよね。そのなかで、空気であったり、親友や同志であったりと、新たな境地に入る夫婦も多くいるようですね。 きっと、夫婦の関係に正解はないでしょう。恋心があって胸をときめかせ続ける関係や、深い信頼に変わっていく関係、パートナーとして淡々と役割をこなす関係、どれもお互いが納得して決めた形であれば、それがその夫婦にとっての最良だと言えるのかもしれません。 最後に、夫婦関係についてのコメントをいくつかご紹介します。 「夫婦って、性格の違う者同士が一緒になって、子どもが生まれて子育てをして、ケンカもしながら人生を歩んでいく 修行の場 。嫌いになるより、好きになる努力を惜しみなくすることが大切だと思います」(北海道 50代男性) 「気づかせたのは震災。相手の安否がわからなかったとき、いてもいなくても変わらないって思っていたのに、 『戻らない』 って思ったあの時の気持ち。たまに振り返って、あの日を思い出します」(宮城県 40代女性) 「何かをしてもらった時、手を貸してもらった時、さ細な事でも 『ありがとう!』 と言っています。嫌でも、必ず永遠の別れが来るのですから、今一緒にいられる事、言い合いができる事などに感謝をしながら、これからも一緒にいられるだけいたいと思います」(埼玉県 50代女性) 毎日いっしょにいると、ついついいることが当たり前になってしまって、不満ばかりが募るというのはよくあることかもしれません。もちろん、お互いに耐えきれないほどの性格の不一致や、許せないことがあった場合には、離れるのも選択肢のひとつ。迷ったときには「この人がいなくなったらどうする?」と自身に問いかけてみてもいいかもしれません。 それでもいっしょにいると決めたなら、お互いに努力をしてみる、夫婦間で 感謝の気持ち を持つことは重要そうです。恋心があるにせよないにせよ、夫婦間も人間関係の一種で、「やってもらって当たり前」になっていないかどうか、今一度思い返してみることも必要かもしれません。 夫婦関係では、恋愛関係よりも 熟成された人間関係 を構築できるという考え方もできますよね。そこに、恋心があるかないかは、もしかしたらそこまで大きな違いではないのかも? 家族関係をうまく築いていくために、自分たちの夫婦はどんな形になっていきたいか、あらためて話し合ってみてはいかがでしょうか。 Q.結婚してもパートナーに恋心はある? アンケート回答数:4813件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2020年02月02日「イクメン」が「ユーキャン新語・流行語大賞」に選ばれたのは2010年、それから10年近くが経とうとしています。時の流れの影響もあってか、近頃「イクメン」という言葉を聞く機会が減ってきたようにも感じます。今回は、そんな「イクメン」に関するママとパパたちの声を聞いてみたいと思います。 ■6割近くは「『イクメン』は死語になる」と回答 アンケートでは、「イクメン」が死語になると思うか聞きました。その結果、「思う」と答えた人が59.1%となり、6割近くが「イクメン」が死語になると考えていることがわかりました。 Q.「イクメン」は死語になると思う? 思う 59.1% 思わない 33.7% その他 7.2% ■なぜ男性だけ特別扱い? ママたちが抱える違和感 なぜ、6割にものぼる人たちが「イクメン」という言葉が死語になると考えているのか。コメントを紐解くと、「イクメン」という言葉に対してママたちが抱える 複雑な思い が浮き彫りになってきました。 「今の世の中、母親だけ仕事に育児に……は無理があります! 自分の子でしょ、 当たり前で育児しろ! 父親はちょっとしてればイクメン扱い。母親はちょっと手抜きすると育児放棄扱い」(愛媛県 40代女性) 「夫にいつもありがとうの意味を込めて、『うちの旦那さんはイクメンだね!』って言っていたら、『やるのが当たり前なのに、そんな言葉でくくられるのはいやだな』って言われた。そりゃそうだ~!」(鳥取県 30代女性) 「イクメンって言葉、大嫌い。わが子を育てるのは当たり前なのに、 男だけが特別扱い されているところに腹が立つ」(福島県 40代女性) 「2人の子どもなのですから、 2人で協力して子育て するべき。母親が育児するのが当然で、父親の育児は称賛するものという響きの『イクメン』という言葉は、なくていいと思う」(茨城県 40代女性) 「なぜ男性だけが育児をすることを称賛されるのか?」という疑問の声が多く寄せられていて、そもそも「イクメン」という言葉に 嫌悪感 を抱いている人もいるようです。 専業主婦家庭が多かった一昔前と比べて、共働き家庭が多くなった現在では、こうした疑問の声が出ることは当然という気がします。 ■死語になって初めて男性の育児参加が当たり前に? さらに、「死語になる」という考えの裏側には、パパやママたちから「男性の育児参加が当たり前になること」への期待が込められているということもわかってきました。 「育児をしない人がいるからイクメンが目立つ。 『育児して当たり前』 となれば、イクメンも目立たなくなるはず。その期待を込めて、死語になると思いたい」(東京都 40代女性) 「 なくならなければならない言葉 だと思います。共働きが増え、育児や家事の分担が当たり前になりつつある今、イクメンという言葉があるようでは、男親は仕事だけしていればいいという文化が残っているって感じます」(千葉県 40代男性) 「父親の育児が当たり前の世の中になれば死語になって当然で、その方が 父親の育児が認知されたことの証明 になると思う」(島根県 30代女性) たとえば、第一線で働く女性を意味する「キャリアウーマン」という言葉は、1970年代からよく使われていましたが、現在ではあまり聞かなくなりました。女性が仕事を続けてキャリアを積むことが徐々に珍しくなくなったためだと考えられます。 男性においても、育児することが珍しくなくなれば、「イクメン」という言葉が死語になり、使われなくなっていくと予測できそうです。そうした 未来への期待 も込められた結果とも言えるかもしれません。 ■何はともあれ「イクメン」はありがたい! ただ一方で、「イクメン」が死語になると思わない人は全体の3割を超えていました。コメントを読んでいくと、「言葉はさておき 『イクメン』は必要だ 」というものが多く、肯定的に「イクメン」を受け入れ、これからも増えていってほしいという願いが込められていることがわかります。 「子どもが生まれてから、夜中のミルク、おむつの交換、お風呂などすべてやりました。これからは男も育児を率先してやらないと。 少子化対策は男がカギ になる!」(栃木県 40代男性) 「イクメン、いいんじゃないですか? お父さんも育児が当たり前 っていう世の中を作ろうとしている良い言葉です」(岩手県 40代女性) 「いい言葉だと思います。『良妻賢母』だって差別の言葉ではなくいい言葉ですから、いくら目くじらたてる人がいても、なくならないと思います。 『誉める』ポジティブな言葉 はいくらでも残ってほしい」(青森県 30代女性) 男性が育児をすること、それが可能になる背景ができることは、家族にとってありがたいことに違いはないですよね。そういった前向きな意味に注目している人も、たくさんいるようです。 ■「イクメン」という言葉に踊らされない家庭作り パパやママのさまざまな思いが交錯する「イクメン」というキーワード。「死語になる」のか「死語にならない」のか。このことを「男性の育児」という側面から、コメントをもとに考えてみたいと思います。 ▼「父親への期待」その1、子育て意識の変革 「子育ては、うれしいことばかりではなく、手がかかったり面倒だったり思いどおりにならないことの連続です。でも夫婦でそれを共有して乗り越えられたとき、この上ない幸せを感じます。男性にはそんな意識で子育てにかかわり、できることを少しでも協力してもらいたい。イクメンパパは 子どもとの絆 も結ばれていくはず」(東京都 40代女性) 「『育児する男』ではなく 『父親』 。育児に参加ではなく、育児を共に学び、夫婦で共有していくことが当たり前な時代になってほしい」(埼玉県 30代女性) ▼「父親への期待」その2、パートナーへの思いやり 「私の夫は20年前から変わらず朝5時にはキッチンにたち、朝御飯の支度とお弁当作り。ごく自然のなりゆきで、当たり前に『ありがたい』行為だったから、お互いに労いの 『ありがとう!』 を連発して家庭を守ってきました」(北海道 40代女性) 「お互い協力しあい、お互いに感謝し、育児をして自分たちの子どもを大事に育てていく、当たり前のことだと思います。時はあっという間に過ぎてしまいますが、子どもたちが側にいるのは意外に人生のうちで短い間なので、大切にしていきたい」(神奈川県 40代女性) ▼「父親への期待」その3、父親としての責任 「 父親になる ってどういうことか、よく夫婦で話し合ったり、妻の母親もしくは自分の母親から育児について話を聞いたりして、生まれてきた子どもを大切に育てることが大事だと思います」(鳥取県 40代男性) 「『イクメン』とちやほやしたり、もてはやしたりせずとも、夫婦でかわいい子どもたちを育てていければいい」(大阪府 50代女性) ▼「父親への期待」その4、子どもの成長に関わり続ける 「イクメンって、子どもが赤ちゃんの時にもてはやされるけど、それ以降の保育園、小中学校のPTAにも 参加し続けて もらいたい」(埼玉県 40代女性) 「育児って子どもが独立するまで続くもの。高校受験などの精神的にも金銭的にも大変な時期も、 夫の支え がとても大きい」(神奈川県 40代女性) ▼「父親への期待」その5、周囲も協力してくれる環境 「どんなにイクメンを推進しようとしても、『父親は仕事』の考えを持っている上司がいる会社では、 イクメンになりたくても無理 。また男性は仕事に対するプライドが高く、さらに家庭を第一に考える勇気がない人が多いような気がする。何らかの拘束がない限り、イクメンはいなくなってしまうと思う」(神奈川県 40代女性) ここまで、「イクメン」という言葉について考えてきました。実際にはまだワンオペ育児を行っている女性も多いでしょう。ただここ何年間かで「育児に参加するパパはカッコいい」から「家事育児を男性もするのは当たり前」といった声に変わりつつあります。 実際にコメントでも「一緒に住んでいるのだから家事育児を自分がするのは当たり前」「家事や育児は大変。でもやりがいある」といったパパからのコメントもあります。もちろんパパの職場状況などによっては、難しい側面もあるかもしれません。 しかし「男性が当たり前に育児する」ことは、流行によって左右されたり廃れたりしてはいけないもの。だからこそ「イクメン」というキーワードに対して、嫌悪感や違和感を覚えていても、その言葉だけに踊らされないことも大切なように思えます。 自分たちはどんな家庭を育て上げたいのか、パパとママは個々で何を大切にしていきたいのか、家族のなかではどんな時間を過ごしていきたいのか。それは、きっと、それぞれの家庭で、個人で答えが違うでしょう。でも築き上げる家庭のなかで一緒に暮らす家族が協力し、支えあうことはごく自然なこと。そんなことが日々の会話の中で気持ちを伝えあっていけるといいですね。 Q.「イクメン」は死語になると思う? アンケート回答数: 5051件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2020年01月19日「子どもにはやりたいことを見つけてほしい!」と考えているママ自身が、なかなかやりたいことが見つけられなかったり、時間がなくて諦めたり……ということは珍しくないですよね。 「誰かのために」「社会のために」という、外向きのエネルギーに子どもを向けるために、親が意識して声がけするといいと話すボーク重子さん。そんなボークさんに、ママの生き方についてお話を伺います。 『子どもの「やりたいこと」の見つけ方」』 の続きです。 ■ママが打ち込む姿が子どもの非認知能力を伸ばす ――子どもには本当にやりたいことを見つけてほしい。そう考えるママ自身、なかなか自分のやりたいことができずにいることも多いです。そうした現状をどう見ておられますか? ボーク重子さん(以下、ボークさん):子どもの非認知能力を育む秘密兵器は、「 ママがやりたいことを見つけて 、取り組むこと」なんですね。 「何かやりたいことを見つけなさい」と言うよりも、身近にいる大人がどう生きているかを見せることが、子どもたちにとって 一番のロールモデル になります。 私は、母親が「子どものお世話をする人」から、 「子どもを導く存在」 に変わっていくべきだと考えています。ママ自身が、子育てをしながらでも、自分のやりたいことを諦めずに両立させている、その姿こそが子どもたちにとって 最高のお手本 となるからです。 ――子どもに見せるのは、具体的にどのような姿がいいのでしょうか。 ボークさん:かっこいい姿だけじゃなくて、 失敗をたくさん見せて あげてください。ママは失敗もするけどその度に立ち上がっている、 失敗なんてどうってことない と気づかせてあげることができます。 私は、子どものお手本になるのは、かっこいい正しい人のことではなくて、 自分自身の成長過程を見せられる人 だと考えています。そのためにも、ママがやりたいことを見つけて、取り組んでいる姿というのは、子どもにとても大きな影響を与えると思います。 ■母親としての「罪悪感」との付き合い方 ――ただ、子育てに家事に仕事にと、ママたちのやることは多くて、自分の時間が持つことに対して罪悪感を抱く人も少なくないと思います。 ボークさん:どうしても「完璧な母親」のイメージにとらわれて、家事も育児も、そしてさらに仕事まで「完璧にやらなくては」と、自分を追い込んでしまうお母さんは多いですよね。 でも、子どもは「ダメなママでこめんね」と悲しげなママより、「ママは今日もがんばったよ!」と話す 笑顔のママ といる方が幸せなはずです。ママ自身が自分の人生を広く探し求めることが、子どもを導くロールモデルとして、おおいに役出つということを踏まえると、罪悪感を持つ必要はまったくありません! ――忙しい日々の中でどうやって自分の時間を作ればいいのでしょうか。 ボークさん:家事が完璧にできていることってどれだけ重要なのでしょう。 たとえば誰かが靴下を丸めたまま洗濯カゴに出していたら、そのまま洗ってそのまま干せばいい。自分が重要だと思わないのなら別にしなくてもいいんです。 「ToDoリスト」ではなく 「いたしませんリスト」 を作って、やらなくていいことは徹底的にやらない。そうすると、 自分の心に余裕 ができます。 あとは、 「ママは行方不明」 の時間を作るのもオススメです。たった15分でもいいので、「これからママは行方不明なので、自分のことは自分でやってください」と家族に言うんです。最初は文句を言われるかもしれないけれど、続けるうちにきっと慣れてきますから。 ■何をしたいか忘れてしまったママたちへ ――「何をしたいのか」。あらためて問われると難しく感じるのですが、どのような観点で見つけていけばいいのでしょうか。 ボークさん:私は、“楽しいパッション(情熱を持てること)”とは、結局は 自分と社会とのつながり だと思うんです。 自己満足で終わる内容も、悪くはないですが、家族がいるのに 「一人でホールケーキを全部食べちゃう」 ようなものですよね。家族や友だちと分けたら、自分の取り分は減るけれど、 幸せは何倍 にもなります。 自分のやりたいことで、だれか1人でもいいので、役に立つとか、幸せにできていると思えたときに、 自分自身の幸福度も高まる と思います。人生100年という長い時間を、楽しく過ごすためには重要な考え方だと思います。 ――なかには、「子育てこそが私のやりたいことだ」というママもいると思いますが、それではダメなのでしょうか? ボークさん:もちろん、「子育てが私のパッションだ」というのは、素晴らしいことですし、それも大いにありです。ただ、子どもは高校を卒業すると、ほとんどの場合、巣立っていってしまうんですね。だからこそ家庭の中という内向きの視点に自分と社会の接点というもう一つの視点を取り入れることが大切だと思います。 私自身50代で、ちょうど周りも子どもが巣立ち始めたのですが、「自分の人生これからだ! 」という人と、「何をすればいいのか…」という人との二つのグループに分かれてしまっている。何が二つを分けたかと考えてみると、 「自分の人生を止めたか、止めていないか」 なんです。 専業主婦をしていても、意識を変えることで 社会とのつながり を保つことができるでしょう。たとえば、自分の好きなパンを作って、それをご近所さんに配ること、それも社会とのつながりなんですよね。 ――母親という役割だけではなく、「自分自身がどんな人間か」という視点が大切なんですね。 ボークさん:そうですね、「子どもを育てている」だけでは、その人がどんな人間かはわかりません。何に関心を持ち、どんなことを考えているのか。 やりたいことは何か 、 楽しいと思うことは何か 、そうしたことを聞いて、初めてその人に対する興味がわいてきますよね。 母親としての役割には、責任が非常に重くのしかかってきますが、大切なのは、自分はどんな風に生きたいのか、何のために生きるのか、ということを忘れないことかもしれません。 ■十分に頑張っている自分をほめてあげる ――今、がんばっているママたちにメッセージをいただけますか。 ボークさん:今の時代は本当に過渡期で、女性の生き方も多様化しているし、教育改革も動いています。そんななか、ママたちは仕事もして家事もして子育てもして、大変なことも悩みも多いことと思います。 そうした時代であったとしても、心に余裕を持って生きることはとても大切です。そのためにも、自分ができなかったことではなく、できたことを思い出して、毎日 自分をほめてあげて ほしい。そして、自分を見つめる時間もぜひ作ってほしいと思います。 その子の子育てはたった1回しかないし、自分の人生もたった1回しかないからこそ、心の何処かに余裕を持って楽しんで欲しいなと思います。 ――ありがとうございました。 ここまで、ボーク重子さんにママの生き方についてお話を聞きました。子どもに対して親自身が、何か打ち込めるものを見つけて取り組む姿を見せることに大きな意味がある、それを思うとママ自身もがんばる力がわいてきそうですよね。 ママのタスクは多く、その中で自分のやりたいことが何か見つけて、実践するのは簡単ではありませんが、自分自身の人生についても、ぜひ考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。 ■今回お話を伺ったボーク重子さんのご著書 『「パッション」の見つけ方: 「人生100年ずっと幸せ」の最強ルール』 (ボーク重子/小学館 ¥1,400(税抜)) ボーク重子(ぼーく しげこ)さん 作家、ICF会員。米・ワシントンDC在住。2004年、アジア現代アートギャラリーをオープン、2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」のひとりとして紹介される。2017年、一人娘であるスカイが「全米最優秀女子高生コンクール」で優勝、多くのメディアに取り上げられた。現在は、日米で講演・執筆活動中。著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)のほか、近著に『「パッション」の見つけ方: 「人生100年ずっと幸せ」の最強ルール』がある。 Instagram: @shigekobork
2020年01月08日できれば親としては子どもが本当に好きなことを思いっきりさせてあげたいところですが、それがなかなか難しいと感じている人も少なくないでしょう。 そこで、 『「パッション」の見つけ方: 「人生100年ずっと幸せ」の最強ルール』 を上梓し、子育てやキャリア構築などについて日本やアメリカで講演会やワークショップを展開するボーク重子さんに、親ができることについてお話を伺いました。 ボーク重子(ぼーくしげこ)さん 作家、ICF会員。米・ワシントンDC在住。2004年、アジア現代アートギャラリーをオープン、2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」のひとりとして紹介される。2017年、一人娘であるスカイが「全米最優秀女子高生コンクール」で優勝、多くのメディアに取り上げられた。現在は、日米で講演・執筆活動中。 Instagram: @shigekobork ■いま必要な「考える力」と「楽しむ力」 ――人工知能(AI)が進化して、私たちの生活もどんどん便利になっています。そんな今の時代に、子どもたちに必要なのはどんな力だと思いますか? ボーク重子さん(以下、ボークさん):人工知能は、インプットしたら正確にほしいことを瞬時にアウトプットしてくれますよね。そういう部分では、もはや人工知能の方が人間よりも早くて、太刀打ちできないんです。ただ、人工知能には、「楽しんで仕事をする」とか、「だれかの役に立ちたい」とか、そういった感情を持つことはできません。 私たちには、 考えること、そして楽しむこと ができる。そういうところこそが大きな力となります。これこそが 「非認知能力」 と言われるもので、子どもたちは、今後この力を伸ばしていくことが重要だと思っています。 ――「非認知能力」を育むためには、何が必要となってくるのでしょうか? ボークさん:そうですね、子どもたち自身は、自分がやりたいと思えることについては、 「やる気」と「エネルギー」 がわいてきます。だれかに無理やりやらされたことについて、なかなかがんばれないのは大人も同じですよね。 だからこそ、子ども自身が 「こんなことがしたい」 という思いを持つことが重要なのです。これこそまさに、 「出る杭」と言われるようなものを持った人 だと私は考えています。 ■「出る杭は打たれる?」子どもがやりたいことを見つけるには ――日本では、どうしても「出る杭」は打たれる傾向にある気がします。そんななかで、子どもたちの考える力や楽しむ力をどう伸ばせばいいのか悩んでしまいます。 ボークさん:私は、思考力のベースにあるのは知識なので、知識を身につけさせることに重点を置いてきた日本の教育もすばらしいと考えています。そして、現在は非認知能力の大切さもだんだんと認識されてきて、学校での教育も徐々に変わってきています。 ただ、それでも非認知能力に重きを置く教育は、アメリカなどと比べると、まだまだ日本では進んでいるとは言えない状況です。そんな学校状況でも、家庭での 親から子どもに対する接し方 によっては非認知能力を伸ばすことができるんです。 ――具体的には、どのように接すればいいのでしょうか。 ボークさん:たとえば子どもが、「相撲取りになりたいから、今日からたくさん食べる!」と言い始めたとして…。ママの内心では「本当はサッカー選手になってほしかったな、大変だな」なんて思ったとしても、「わかった、ママも相撲大好き! がんばれ! がんばれ!」と言える家庭環境がいいですよね。 子どもの 意見をけっして否定せず 、意思を尊重して、 自分自身でいられる場所 を確保してあげてほしいです。 ――小さい子どもの場合だと、やりたいことがよくわからないこともあって、どう聞き取ってあげればいいか悩むこともあります。 ボークさん:乳児だと、まだ話せない子も多いですね。それなのに「何したいの?」と聞いても、知識と経験が格段に少ないので、何も言えません。 そうしたときは、 選択肢をいくつか与えて あげて、どれがいいか選ばせてあげる。そうすることで、 選ぶ力 、 選んだことに責任を持つ力 を少しずつ伸ばしてあげられると思います ■習い事で子どもの可能性を広げる! ――子どものやりたいことを見つけるために、習い事は効果的だと思っています。だから空いている時間があると、ついできるだけたくさん詰め込みたくなってしまうのですが。 ボークさん:わが家では、娘が本当にやりたいことを見つけるまで15ほどの習い事を試しました。でも同時にやるのは、 多くても2つまで と決めていたんです。 多くの習い事をすると、それだけ毎日のスケジュールがプログラミングされてしまって、子どもの自由時間がなくなってしまいます。そうしたことを続けると、子どもが 「指示待ち」 の状態になってしまいかねません。さらに、習い事が増えることによって、ママも子どもも 疲れ切っちゃうことが大きな問題 です。 ――子どもにとって、夢中になれる習い事を探してあげるにはどうすればいいですか? ボークさん:親が決めてさせるのではなく、子どもが 主体的に決める ことが大切です。見学や体験に行ってみて、もしイヤだというようなら、無理にはさせない。 また、習い事にこだわる必要はないと思います。仕事で忙しいママにとっては、習い事の送り迎えも大変ですから、無理をしてまでやるのは 本末転倒 です。 たとえばおうちでのお手伝いとか、近くの公園に行くとか。習い事でなくても、いろいろな体験をさせてあげることができますよ。 ■子どもの「やりたいこと」の見つけ方 ――たとえば、子どもにとってやりたいことが「ゲーム」だった場合、それでも「がんばれ!」と言っていいものか悩んでしまいます。 ボークさん:ゲームが大好きで、何時間もできるというのはすごいことですが、それは内向きで、自分が楽しいだけですよね。それを 外向きにしてあげる 。たとえば、おじいちゃんにゲームを教えてあげるといったように、じつはほんの少しだけ向きを変えるための働きかけをして、子どものすぐ身近にあるモノや人を使えばいいんです。 大事なのは、意識を変えること。やりたいこと、大好きなことがあったら、それを外向きに、 周りの人も巻き込んで いくことができないかと考えることが大切です。 ――意識を外向きにしていくために、親はどういった声がけをすればいいですか? ボークさん:日本ではよく「大きくなったら何になりたい?」って聞ききますよね? そうすると子どもは「サッカー選手」なんて答えが返ってきます。 一方、アメリカでは、 「どんな人間になりたい?」 と聞きます。そうすると、「僕が元気に走り回る姿を見てみんなに元気になって欲しいからサッカー選手になりたい」といったように答えます。この2つは似ているようで全然違うんです。 「どんな人間になりたいか」を考えることで、 社会と自分のつながりを意識 できます。 自分が社会の一部 で、何ができるのかということを考える、そうした生き方をこれからの子どもたちは意識できるように声がけできるといいですね。 ここまで、ボークさんには子どもたちが自分らしく生きていくためのヒントをお伺いしました。ちょっと意識を変えるだけで、子どもへの声がけや習い事の選び方など、子どもの非認知能力を高められそうなヒントが多く得られましたね。 次回は、子どもだけでなくママも自分のやりたいことを見つけていこうという、ボークさんの考えをさらにうかがっていきます! ■今回お話を伺ったボーク重子さんのご著書 『「パッション」の見つけ方: 「人生100年ずっと幸せ」の最強ルール』 (ボーク重子/小学館 ¥1,400(税抜))
2020年01月07日いっしょに過ごしてきたパートナーの口ぐせ、何か思いつくものがありますか? 一度気づくと、どうしても気になってしまうという人もいるかもしれませんね。 今回は、パートナーの口ぐせについて寄せられたパパやママたちの声を聞いてみたいと思います! ■パートナーの口ぐせが気になっている人の割合は? アンケートでは、パートナーの口ぐせについて聞きました。その結果、「気になる」、「少し気になる」と答えた人があわせて59%となり、 約6割の人はパートナーの口ぐせを気にしている ことがわかりました。 Q.パートナーの口ぐせ、気になる? 気になる 34.7% 少し気になる 24.3% ほとんど気にならない 19.1% 気にならない 11.6% 口ぐせがない 7.2% その他 3.0% ■パートナーの気になる口ぐせ1、「疲れた」…ネガティブワード 多くの声が集まったのは、「疲れた」や「しんどい」などの、 ネガティブなワード の数々。聞いている方まで疲れてしまうと、不満の声が寄せられていました。 「何でも 悪い方を仮定して話す 。少し体調が悪いと、『大きい病気かもしれないから、学費が払えなくなる』など。ネガティブなことばかり言われるのが苦痛です」(茨城県 40代女性) 「『 疲れた 』、『 あーしんどい 』など、ネガティブな言葉をしょっちゅう言われたら、こっちまで気分が悪くなります」(大阪府 50代女性) 「何かあると、『家のことは何もしないくせに』とか『自分には自由がない』と 自分ばかりが大変 な思いをしているような発言をする」(静岡県 40代男性) 「仕事で何かあるたび、愚痴と『仕事辞めようかな』って、その言葉を聞くたび不安になります。そのせいで ストレス性じん麻疹 になりました」(福岡県 30代女性) パートナーに甘えて弱音をはきたい。ネガティブなことを言っても受け止めて欲しいという人はきっと多いと思います。 ただ、あまりにネガティブなことばかり言われると、言われた側までもが、ネガティブな気持ちになってしまいかねません。体にも不調がでてくるようなネガティブワードを浴び続けるのは、つらいですよね。 また、ほかに多く声が集まったのは、「ため息」に関するコメント。「 『はぁ~』と言いながらため息 をつかれるとこっちも落ち込む」など、相手に暗い気持ちを伝染させるかのような「ため息」に、困っている人は多いようです。 ■パートナーの気になる口ぐせ2、「おい!」上から目線にイラッ! また、声のかけ方や呼び方など、失礼な発言が気になるという人も多くいました。 「『 おい! 』とか、動物の気を引くときにするチッチッという音を出したりして私を呼ぶのはほんとにやめてほしい」(愛知県 40代女性) 「『 女はこんなもんだ 』みたいなことをときどき言うのが、ものすごい腹が立ちます」(埼玉県 50代女性) 「『お弁当どうだった?』と聞くと、『 冷凍食品を使うのは手抜きだ 』、『うちの母親はすべて手作りのおかずだった』というフレーズが毎回鼻につく。共働きなのを理解しろ」(鳥取県 30代女性) 「お礼を言うときいつも『センキュ』。何しても 棒読みで『センキュ』 。感謝の気持ちなんてひとつも伝わってこない」(神奈川県 40代女性) 夫婦は長年いっしょにいるなかで、どうしても遠慮の気持ちが薄れていってしまう傾向にあるようです。ただ、あまりにも失礼な発言が口ぐせになってしまっている場合には、パートナーから「もううんざり」となってしまうのも無理はないですよね。コメントの中には「『 疫病神 』とよく言われていました」というものもあり、もはや「悪口」でしかありません。 ■パートナーの気になる口ぐせ3、モヤっとなる聞き返し言葉 さらに、会話の中で必ず同じようなやり取りになり、そのなかに出てくる発言が気になるという声も寄せられていました。 「話していたことに対して、『だから?』って言ってきたりするのがただただムカつく。続きなんてないよ! それだけだよ!」(神奈川県 30代女性) 「『どうする?』、『どっちがいい?』と、まあしつこい。『こっちかな?』というと、 『いや、そっちはさー』と却下 。それなら聞くなー!」(神奈川県 40代女性) 「なんでも『違う!』と 否定から入る 。8割方同じ意見でも、否定したり訂正してくる」(神奈川県 40代女性) 「『要は……』と言っておいて、話がややこしく長くなっている。自分はわかっているぞ感を出してそうやって言うのはやめてほしい」(埼玉県 40代女性) どの発言も、やり取りの中ではモヤっとした気持ちになってしまいそうですね。「こちらが何かを指摘すると、最後には決まって『 だって、しゃーないっしょ! 』のセリフでまとめてしまい、反省も直す気もない」というコメントも寄せられていて、モヤモヤとした気持ちに共感してしまいます。 筆者自身も、口ぐせとまではいきませんが、会話のなかで夫から「それでどうしたいの? どうしてほしいの?」とよく聞かれます。そのたびに「ただ聞いてほしいだけで解決は望んでいない」と返事をするのですが、ただ話を聞いてもらいたい私と、悩みは解決してあげたい夫との間にある スタンスの違い を実感させられます。 ■愛情たっぷりのうれしい口ぐせとは 口ぐせに悩まされている人が大勢いる一方で、愛情あふれる口ぐせについても、コメントが寄せられていました。 「『 好きだよ 』、『 かわいいね 』が11年間の口ぐせです。とても愛されている感じがあるので、とてもいい口ぐせです」(北海道 30代女性) 「口ぐせはないですが、私のことをすぐに呼びます。 常に私を探しています ね。面白いので隠れたりします」(愛知県 30代女性) 「何かと私を呼ぶときに『体だけじゃなくて態度もでかい母ちゃん』とか呼ばれますが、『 愛してるよ! 』も旦那の口ぐせです(笑)」(千葉県 40代女性) 「子どもが小さいときはパパのまねをしたり同じ口ぐせになっていて、よく笑いました」(神奈川県 30代女性) 口ぐせは、家族のなかでやり取りされる大切なコミュニケーションのひとつでもありますよね。その内容や受け答えの仕方によっては、家庭を明るく照らしてくれることもあるのだと、あらためて気づかされます。 わが家では、私自身が「これなんだ?」とよく言っているらしいのですが、それを聞いた子どもたちも小さいときから「これなんだ?」と頻繁に言っていました。「その言い方がかわいかったね」と夫婦で懐かしみながら会話したとき、 口ぐせっていいものだな と感じたものです。 ■パートナーの口ぐせとの付き合い方 「たかが口ぐせ」ではあるものの、毎日聞かされるため、その内容によっては大きなストレスとなる場合があるのもわかります。それでは、パートナーの口ぐせとはどのように付き合っていけばいいのでしょうか? ▼口ぐせの付き合い方その1、気にしない 「気にならないというより、『 気にしない 』です。気にするときりがないし、疲れちゃう。自分も口ぐせがあれこれあると思うので」(神奈川県 40代女性) 「主人は『正直…』と『~~な人間だから』が口ぐせ。初めは気になったが、最近は聞き流すようになった。ときどき思い出し、ツボにはまると笑ってしまい、 主人と笑い合う 」(宮崎県 30代女性) ▼口ぐせの付き合い方その2、口ぐせも受け入れる 「いっしょに暮らしていればお互いに思うところもあるでしょうが、たいして気にしていない。気にならないのは、 お互いを受け入れているから だと感じる」(千葉県 40代女性) 「30年近い付き合いがあるので、 もう慣れました 。相手の体調や心の状態によっても、その時々に出てくる言葉は変わってくると思います。お互いのちょっとした変化に気を付けて思いやっていけたらいいなと思います」(北海道 40代女性) ▼口ぐせの付き合い方その3、相手に伝える 「私は 気になったら伝える し、夫にも『気にする人もいる』と理解してもらえればいいです」(神奈川県 40代女性) 「口ぐせが気になったときは、そっくりそのまままねして言い返す時もある」(北海道 40代女性) ママやパパたちの多くが、何かしらの対策を立てて、パートナーの口ぐせとうまく付き合っているようです。 「気にしない」や「受け入れる」という優しめな態度もある一方で、気になることを「相手に伝える」という直接的なコメントも寄せられていました。確かに、その口ぐせが家庭内だけのものならいいですが、職場などの家庭外でも使われていれば、パートナー自身のためにも気づかせてあげたいと思うかもしれませんね。 また、こんな付き合い方もあるというヒントのようなコメントも寄せられていました。 「毎日の生活の中の一コマでいつものように聞かされていた口ぐせは、 いつか懐かしく感じるようになる 。いい意味で、これからも一日でも長く気になっていたいと思いますね!」(北海道 50代男性) ここまで、パートナーの口ぐせについて考えてきました。長くいっしょにいるからこそ、わかってしまうお互いの口ぐせですが、なかには「事務連絡だけで雑談はほとんどないから口ぐせなんてわからない」といったコメントも複数寄せられていました。 たしかに会話さえしなければ、どんな口ぐせがあるのかもわかりませんよね。「パートナーが無口だから口ぐせもない」という声もあって、口ぐせが気になるというのは会話がある証拠なのかもしれません。 口ぐせは、その内容によっては、いっしょにいることがしんどくなってしまうほど、つらい場合もあるかもしれません。聞き流せるのであればそれもひとつの方法ですが、どうしても我慢できなければ、それを相手に伝えることも大切でしょう。その忠告がパートナー自身のためになる場合もあるため、家族だからこそ言ってあげたいとことですね。 またパートナーのイライラする口ぐせばかり気になるものですが、もしかしたら自分にも口ぐせはあるのかもしれません。パートナーの口ぐせが気になったときは、自分自身も「ネガティブなことばかり言ってない?」「決めつけたような言い方をしていないか」など、見直してみるといいかもしれません。 自分が直すことによってパートナーも気が付くことがあるかもしれませんし、変わることで、お互いに感じていることを言いやすい雰囲気も生まれるかも。 そして、「パートナーの口ぐせが懐かしくなる」日がくるとコメントにもあったように、いつか、そんな風に大切な家族の歴史の1ページになるかもしれませんね。 Q.パートナーの口ぐせ、気になる? アンケート回答数:4808件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年12月08日「わが子に好きな子ができたかも?」と気づいて、あたふたしてしまうパパやママも少なくないのではないでしょうか。みずからの初恋を思い出して、ほほえましい気分になったり、心配してみたりと、親の気持ちもつい忙しく変化してしまいますよね。 今回は、子どもの初恋において親ができることについて、考えてみたいと思います。 ■お子さんの初恋に気づいた? アンケートでは、子どもの初恋に気づいたかどうか聞きました。その結果、「気づいた」、「なんとなく気づいた」と答えた人は合わせて35%となりました。さらに「子ども自身に教えてもらった」と答えたのは23.2%で、「気づいた」と答えた人と合わせると、 6割弱の人たちは子どもの初恋を認識 したことがわかりました。 Q.お子さんの初恋に気づいた? 気づいた 16.1% なんとなく気づいた 18.9% 子ども自身に教えてもらった 23.2% 気づかなかった 12.2% まだ初恋を迎えていない 26.8% その他 2.8% ■子どもの初恋物語1、「俺の好きな子!」 それでは、パパやママたちはどんなタイミングで子どもの初恋を知るのでしょうか。まずは、23.2%が回答した「子ども自身に教えてもらった」人たちの声を聞いてみたいと思います。 「小5と小3ですが、自分から クイズ形式 で好きな人を教えてくれます」(神奈川県 30代女性) 「3歳頃、『好きな子いるの?』ってなんとなーく聞いてみたらニヤニヤしながら名前を教えてくれました。恥ずかしいようで『パパには教えちゃダメ』と。教えてくれたときの 照れたしぐさがとてもかわいかった です」(静岡県 30代女性) 「『他の人から聞くのはいやだろうから』と、中学生だった息子から 彼女の存在を聞かされ ました。素直に話してくれたことが何よりうれしかったです」(宮崎県 40代女性) 「息子『 おかん、聞いて~。俺の好きな◯◯ちゃんて子がいるんだけどね…」 、私『◯◯ちゃんて子が好きなんだ』、 息子『…なんでわかった!? エスパー?』。 自分が冒頭に言ったことすら気がつかないすっとぼけた息子」(神奈川県 30代女性) 寄せられたコメントからは、何でも包み隠さずに話せる親子関係が築かれている様子がよく伝わってきます。自分から話すかどうかは、子どもの性格や年齢にもよりそうですが、正直に話す気持ちの裏側には、「聞いてもらいたい」「アドバイスをもらいたい」という子どもの本心が見え隠れしますよね。 ■子どもの初恋物語2、「いっぱいキスしようね」 次に、手紙やプレゼントのやり取りから、初恋に気づいたという声をご紹介します。 「息子が幼稚園のとき、 『これからもいっぱいキスしようね』 と書かれたラブレターをもらってきて、夫婦でぶっ倒れたのを思い出しました」(愛媛県 40代女性) 「幼稚園のときに長女が『お友だちに手紙を書いてもいい?』と聞いてきたので、許可したら、 落書き帳一面に『すき』 と書いてあり驚きました」(徳島県 40代女性) 「幼稚園の頃、『 バレンタイン に他の男の子と違うチョコをあげたい』と用意したのでわかりました」(千葉県 40代女性) 「娘の 初恋はお遊戯の相手役 でした。うれしすぎて終始笑顔でした」(福島県 40代女性) どのエピソードも初恋に胸をときめかせる子どもの様子が伝わってきますね。未就学の幼い子どもの場合、手紙やプレゼントのやり取りは親の助けが必要な場合が多いため、そうしたやり取りを通じて好きな子がいるとわかる場合があるようです。送る側も、受け取る側も、親子でいっしょにドキドキしてしまいますよね。 わが家の小学1年生の長男も、年長のころ「すきです」と書かれた手紙を突然持ち帰ってきたことがありました。その手紙を、照れながら無言で差し出してきたときは、「ついにこの日が来たか!」と、子どもの成長を実感したことを思い出します。 ■子どもの初恋物語3、「恋する女の子の表情」 さらに、子どもから頻繁に同じ子の名前があげられたり、表情が変化したりと、言動のちょっとした変化で子どもの初恋に気づいたという声も多数寄せられていました。 「小学校に通うようになって、毎日娘との会話に 同じ男の子の名前 が出てくることが続いた。その男の子の事を話してるときの娘の表情が、 恋する女の子 っぽかった」(神奈川県 40代女性) 「年長さんくらいのときに、 いつも話に出てくる女の子 がいました。お迎えのときに気になって、『どの子?』と偵察したのを覚えています」(福島県 30代女性) 「子どもたちとショッピングモールを歩いていると、反対側から歩いてくる同年代の男の子が。下の子たちが『あ、◯◯君だ!』って言った瞬間、中学生の娘とお相手の子の 表情が変わった 。自分自身にもそんな時代はあったので、何も聞きもせずにそっとしておきました」(埼玉県 40代男性) 「本人のタンスの引き出しの中に 相合い傘 が書かれていたときは笑いました!」(鳥取県 30代女性) そのほかにも、「6年生の娘が身だしなみに時間がかかるようになって気づいた」とか、「小3の娘に、『将来どんな人と結婚したい?』って言ったら顔を赤らめたのでピンと来た」と言ったコメントも寄せられていました。 毎日子どもの成長を見てきた親だからこそわかる、子どもの変化があるようです。思い返してみると、自分の初恋のときに、いつのまにか親に見抜かれていたという経験のある人も多いかもしれませんね。 ■子どもの初恋物語4、「先生から聞かされる!?」 また、自分では気づけなくても、子どもの友だちやママ友、保育士さんや先生などから教えてもらって知ったという人もいるようです。 「幼稚園のとき、相手のママに教えてもらいました!」(神奈川県 40代女性) 「息子が小学二年生の時、好きな子がいること、その子とラブラブなことは息子が仲良くしている クラスメイトから聞き ました」(東京都 40代女性) 「保育園の年長さんのときに、保育士さんから『〇〇ちゃんと一緒に散歩するときは、 手をつなぎたい と言っています』と聞き、ほっこりしました」(神奈川県 40代女性) 「娘も息子も 担任の先生から個人面談のとき に聞かされました。若い先生だったので、子どもたちの恋愛相談にものっていたんでしょうね」(千葉県 50代女性) 家以外での子どもの様子をよく知る人たちからは、さまざまな情報が入っているようですね。個人面談で担任の先生から、子どもの恋愛について話をされるとは、驚きです。 ■恋はまだ…「異性より動物大好き!」 一方、初恋に「気づかなかった」とか、「まだ初恋を迎えていない」という人も全体の約4割近くいました。 「6年生の息子ですが、初恋はまだだと思います。 虫と動物と魚が大好きな少年 です」(愛知県 30代女性) 「息子小1ですが、今のところまだ、 『好きな人はママ!』 と言ってくれています」(神奈川県 30代女性) 「高校生の娘ですが、まったくと言っていいほど男子には興味なし! この先、 そういう人が現れればいいな と思う母であります」(東京都 50代女性) 初恋を迎えていないであろう子どもたちに対しては、「早く恋してほしい」と感じている親も一定数いることがわかります。恋をしたらしたで心配だし、しなければしないで心配だし、親の気持ちはどうしても忙しくなってしまいがちですね。また、まだ幼い子どもの場合は、初恋がこれからという場合もあるようです。 ■子どもの初恋に親は何ができる? さまざまな経路から子どもの初恋を知ったパパやママたち。その先で、子どものためにできることとはいったいどんなことなのでしょうか。 ▼子どもの初恋対処法その1、子どもと対話する 「子どもにとって 1番の理解者 でありたいので、アドバイスや、自分の経験など、毎日1~2時間はしゃべります。 恋愛話、学校の話、将来的な話 もします」(奈良県 30代女性) 「男の子なので好きな子の話をすると照れて『いないよ』って言っていたんですが、『 好きな子がいるのはいいこと だよ、恥ずかしくなんかないよ』って言ってからは、話してくれるようになりました」(神奈川県 30代女性) ▼子どもの初恋対処法その2、そっとしておく 「誰にも伝えず心の中にそっととどめておき、静かにその人への思いが満たされてゆくのが恋なのかな。だから、 あえて言わなくていい し、こちらからも聞きません。ひとを『好き』と思う気持ちを大切にしてほしい」(東京都 40代女性) 「幼稚園や小学校の初恋なんてかわいいもの。これから大人になり、本当の恋ができるようになるためには、絶対に必要な成長過程だと思っているので、親がなんやかんやと口出したりして横やりを入れたりせずに、 静観すべき だと思って見ています」(神奈川県 40代女性) ▼子どもの初恋対処法その3、適度な距離間で見守る 「気づいたあとの接し方は十人十色。子どもたちはそれぞれ違う性格なので、子どもから親へも、親から子どもへも、接し方や対応はそれぞれ違います。 適度な距離感で接する ことを重視しながら、親も常に学んでいる日々です」(神奈川県 40代女性) 「小1の息子がラブレターをいただき、まだ恋とか付き合うとかはよくわからなかったようなのですが、『好きとかよくわからないけど、ありがとう。わかるようになったら、ちゃんと返事するね』と言ったようです。それを聞いて、 いい子に育ってくれた とほっとしました」(宮城県 20代女性) 何よりも大切なのは、子どもが恋をしていることや、好きな相手のことを否定しないことかもしれませんね。子どもが話してきてくれたらまずはゆっくりと話を聞き、「そうなんだ」と受け止めてあげられると子どもも安心するかもしれません。ただ親も初めて聞くときはドキドキしちゃいそうですが…。 子どもが直接言わずに初恋に気づいた場合には、しつこく追求せず、見守る姿勢も必要かも…。とくに難しい年齢に差し掛かる子どもには注意が必要ですし、「自分がされて嫌なことはしない」ということを鉄則にしておきたいところです。 ただし、やはり男女間のことである以上は、スキンシップには心配がつきものです。場合によっては子どもに対しては、性に関することを伝えるいい機会と捉えて、きちんと話をすることも重要かもしれません。 恋愛において、初めは未熟なやり取りによって、子どもが相手を傷つけてしまったり、傷つけられたりすることもあるかもしれません。そんな関係に子どもが困っている様子が見られたら、そのときは親から手を差し伸べられるとよさそうですね。 最後に、初恋に関してこのようなコメントも寄せられていました。 「今は中1の娘。小3の頃からその男の子の話がよく出るようになったので、きっと好きなんだろうなぁと確信。あと数年もしたらもう少しアオハルな恋をするんだろうなぁと思うと待ち遠しくもあり、心配でもあります。そして子どもの恋の心配をするなんて、 本当に母親になったんだなあ って思います」(奈良県 40代女性) 「にこにこしながらうれしそうにその子の話をいろいろしてくれるので、好きなんだろうなぁ~と。そんな時期を大切にしながらも、 恋を楽しんでほしい です」(滋賀県 30代女性) 恋愛は、人間関係が健全に深まり、広がりを見せているからこそできるもので、子どもが順調に成長している証ともいえますよね。恋愛を通じて学ぶことは多く、それが例え報われなかったとしても、かけがえのない経験をすることができるでしょう。 パパママ自身も、そうしたみずからの経験がよみがえることもあるかもしれません。人を好きになること、人に好きになってもらうこと、そのどちらもすばらしいことで、子どもが、人を、そして自分自身を認め受け入れるきっかけともなりえるでしょう。 そんな成長した子どもの様子には、親としてさまざまな感情が押し寄せるでしょう。親としてできることはほんのわずかかもしれませんし、子どもが求めてこない場合もあり、その時はかげながら様子を見守るのが親の仕事になりそうです。子どもがいい恋愛をして、一回り成長できるように、パパやママが一番の応援者でいたいものですね。 Q.お子さんの初恋に気づいた? アンケート回答数:4644件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年12月01日共働き家庭の数は年々増え続けていて、女性の社会進出の必要性が訴えられている今日この頃ですが、パパやママたちの中には、まだまだ働きにくいと感じている人もいるかもしれません。 今回は、パパやママたちに仕事と家庭の両立において何が重要なのか、アンケートをもとに考えてみたいと思います。 ■仕事と家庭の両立で一番重要なものは? アンケートでは、仕事と家庭の両立で一番重要なものについて聞きました。その結果、 「パートナーの協力度合い」 と答えた人がもっとも多い47%。全体の半数近くの人たちが、パートナーの協力が不可欠だと考えていることがわかります。 二番目に多かったのは、25%から声を集めた 「職場の制度や雰囲気」 で、職場を重視していることがわかりました。 続く「自分自身の意識」、「社会制度や雰囲気」、「保育施設問題」、そして「実両親/義両親の意識」はいずれも約1割程度かそれ以下となり、回答にはばらつきが見られました。 Q.仕事と家庭の両立で一番重要なものは? パートナーの協力度合い 47.0% 職場の制度や雰囲気 25.0% 自分自身の意識 11.6% 社会制度や雰囲気 6.4% 保育施設問題 3.5% その他 3.4% 実両親/義両親の意識 3.2% ■仕事と家庭の両立の鉄則1、「できる方がやる!」 まずは、もっとも多かった「パートナーの協力度合い」を重視する声を紹介します。 「うちは核家族だから、旦那さまさまでした。子どもはすぐ体調壊すし、大きくなれば習い事の送迎もある。料理はしない旦那ですが、洗濯、ゴミ捨ては毎日手伝ってくれるので、ありがたいです」(茨城県 30代女性) 「うちは、 できる時間のある方 が家事や子どもたちの事をするようにしています。子どもたちも、自分たちのことや、洗濯物を畳んだり、できる手伝いはしてくれています」(三重県 40代女性) 「仕事の時間が朝早かったり夜だったりするので、 主人の協力がないと やっていけません。子どもたちの学校の送迎はを手分けしたり、子どもの学校の準備を手伝ってもらったり、食事を作ってもらうこともあります」(茨城県 40代女性) 「ダブルワークを始めたので、主人に勇気をだして『家事を1つでもいいから手伝ってほしい』と言いました。それ以来洗い物係としてやってくれています」(神奈川県 40代女性) ほかにも、「子どもが小さいので、病気や行事のときは旦那さんに有給休暇を利用して休んでもらうときもある」というコメントもありました。どの夫婦も、 「できる方がやる」 というスタンスで、うまく協力し合って、仕事と家庭の両立を実現しているようです。 ただ一方で、「 パートナーの理解が得られない 」という切実な意見も寄せられていました。 「結婚して38年。 料理がまったくできない夫 。私の方が3時間くらい帰りが遅くなっても、何もしないで待っている」(三重県 50代女性) 「支え合って生活しているんだという意識を旦那には持ってほしい。でも給料では断然旦那の方が稼ぐし、旦那がいないとやっていけないし、感謝もしている。うん、 我慢しよう… 」(三重県 40代女性) 「 夫の勤務が不規則 でフォローは求められない。ようやく見つけた仕事ですが、朝からバタバタ、帰宅後は家事や育児など、やらなければならない事は変わらない。キャパオーバーで自分の時間や体力の問題も起きる」(茨城県 30代女性) 仕事と家庭をうまく両立させるために、1人でタスクを抱え込む 「ワンオペ」状態 の人が多くいるようですね。 そのつらさを訴える切実な声をきいてみると、つくづくパートナーの協力の必要性を感じさせられます。とは言え、仕事が忙しくてどうしても頼れない人や、そもそもいない人もいるため、そのほかの対策も必要になってきそうです。 ■仕事と家庭の両立の鉄則2、「職場の理解が得られる」 家庭でのパートナーの協力を重視する意見の一方で、仕事をする「職場の制度や雰囲気」が重要だと答えたのは、2番目に多い全体の4分の1でした。 「今の職場は、家族を優先させてくれて、急な病気はもちろん、参観日などもあたり前のように、 後ろ指さされることもなく 早退できます。本当にありがたいです」(広島県 40代女性) 「気持ちや大変さを少しでも理解してくれる方が少人数でも、職場にいるだけで本当に気分が楽になったことを覚えています。子どもが小さいうちはとくに迷惑をかけることが多いですからね」(福島県 30代女性) 「主人に先立たれ、私の両親もまだ働いているので、なかなか頼れません。普段は保育園や学童に預けていますが、子どもの体調不良や学級閉鎖の対応は、 職場で嫌な顔をされます 」(茨城県 30代女性) 「わが子はとても入院が多く、働いていると仲間にとても気を遣います。みんな小さな病気をしたりして、大きくなっていくことを忘れないでほしい」(青森県 40代女性) 「職場の理解が得られている」という意見も集まった一方で、「会社に制度があっても、同僚や上司から理解が得られない」というつらい声も寄せられていました。 職場には、さまざまな世代、そしてさまざまな境遇の人たちがいるため、常に子育て世帯への理解が得られるわけではないでしょう。時短制度を利用しているパパやママは多く、職場のほかの人に負担が大きくなってしまうことも、ときにあるかもしれません。そして、さらに理解が得られにくい上司や同僚がいる場合には、想像以上に苦労することもあるようです。 ■仕事と家庭の両立の鉄則3、「自分の意識改革」 また、働く本人の「意識」について言及するコメントも複数寄せられました。 「母親としての役割は、自分にしかできない。『しなくてはいけない』ではなく、自分と子どものために、自分がしっかり スタンスを持って働くべき だと思う」(広島県 40代女性) 「まず、自分自身が『どこまでできるか、 ここまではできない 』と、明確に意識して取り組むのが大事かと思います。私はパート勤務ですが、子どもたちの性格などを考えて帰宅時刻までに帰れるようにシフト希望を出して調整しています」(神奈川県 40代女性) 「1番大事なのは、相手に頼るのではなく自分自身が意識を持って生活していくこと。それが必然的にお互い協力できるようになっていくと思う」(茨城県 40代男性) たしかに、仕事と家庭の両立においては、「何かのせい」にしてしまうこともよくあります。しかし、その問題の根底には、自分自身が何のためにどれくらい働くのか、家族との時間をどれだけとりたいかなど、そもそもの意識があいまいになっているという可能性もあるようです。 一方で、がんばりすぎもよくないという「 手抜き推奨派 」のママからもコメントが集まりました。 「私は、 程よい手抜き をモットーにやっています。家事も仕事も、力まずがんばりすぎずというスタンスの方がうまくいく気がします」(東京都 40代女性) 「 私は手抜き派! 職場は徒歩圏内で、いつでも遅刻早退休み対応可。家事は食洗機やルンバを使う。育児は、楽しいことを率先することにしています」(神奈川県 40代女性) 「家事も仕事も完璧にしなければならない」という意識を変えて、ほどよく手抜きをしたり、みずから工夫をしたりすることで、負担を軽くするというアイデアも寄せられていました。 「何においても手を抜きたくない」というがんばり屋さんのママやパパたちは、ときに「仕事も家庭も完璧にしなれば」と抱え込み過ぎてしまうかもしれません。とくに新米ママパパにとっては、どの程度がんばればいいのか、どこまで手を抜いていいのか、なかなか加減がわかりませんよね。自分と家族が納得できるラインを見つけることも重要といえそうです。 ■重要4、保育施設や親の協力などさまざまな意見 それでは、この先はバラエティに富んだ意見をまとめてご紹介します。 <保育施設が充実していること> ●小さな子どもがいて働くには、まわりの協力と理解がなければ無理だと感じる ●実家が遠い私、一度保育園に落ち、働けなくて大変だった。 子どもを安心して預ける所 がある、子育ての悩みを先生に相談できるというのはとても助かった <親の助けを借りる> ●旦那が単身赴任でいない期間、実家に戻り子育てをした。 即戦力の家族はかけがえなく 、両親には感謝しかない ●お迎えが間に合わないときなどは実家の両親に頼んでいた。仕事を辞めずに続けてこられたのは、両親の理解、協力があったから <転職、引っ越しをする> ●福利厚生が整った会社へ30歳の時に転職。夫も転職して、私の 実家のそばに引っ越し 。お互い労わりつつ何とかやっている <段取りを整えておく> ● 事前の段取りが大切 。親に頼れない転勤族のため、ベビーシッターやファミリーサポート登録、病児保育ありの医院を事前に調べて復職した ●仕事で遅くなりそうでも、朝のうちにある程度夕飯の支度とか、学校や習い事のことを段取りしておけば、子どもたちにもそれほど負担をかけずに済む。逆に家の用事で仕事を休んだり遅刻早退しなければならない時も、ちゃんと 優先順位を決めて段取り しておけば、困ることはない どのコメントも、仕事と家庭を両立させるために大切なポイントで、うなずけるものばかりです。パートナーに頼れるかどうか、親がいるかいないか、どのような仕事をしているのか、子どもはいくつでどんな性格かなど、家庭によって状況はまったく異なりますよね。その一人一人の事情の違いによってもパパやママたちが重視するポイントも異なることがわかります。 筆者の場合、夫は全国に転勤の可能性があり、1ヶ月間のほとんどを出張でいないこともある不規則な勤務状況です。両方の実家も遠いため、夫がいないときに育児できる大人は筆者のみ。心の奥底では、正社員になり、残業もこなせる働き方をしたいという思いもありますが、まだ子どもが小さい今は、「フリーランス」という働き方が一番家庭との両立に合っていると感じています。それぞれの家庭が、さまざまな事情を抱えて、仕事と家庭の両立に挑戦しているようですね。 ■働くパパやママが持つべき心構えとは? ここまで、仕事と家庭の両立のために重要なことについて、考えてきました。さまざまなアドバイスや経験談が寄せられていましたが、具体的な工夫だけではなく、持つべき心構えについても、さまざまな意見が集まっていましたよ。 <1、自分の意識を見直す> ●「 周りに頼る勇気 」と「 手を差し伸べる優しさ 」を持つこと ●働くとは、組織の中での責任が生じ、それを負うことも覚悟する。家庭を築く上で重要なのは、 責任と覚悟 ではないかと思う ●メリハリをつける意識。働くときゃ働き、休むときゃ休む! 子どもと話すときは携帯を離し、スポーツするときは汗だくでがんばりきる <2、パートナーや周りの人への思いやり> ●自分が仕事したくても、夫や子どもたちの協力なくしてはできません。いつも 家族には感謝 ●助けてくれる義実両親、理解のある同僚、優しく厳しい保育園、受け入れてくれるパートナー、そして「もっと働いていーよ」と笑顔で言ってくれる子どもたちに対して「 ありがとう 」。嫌なこともうれしいことも全部私だけでは抱えきれません! <3、夫婦で価値観を共有する> ● 家族間で価値観を共有すること 。毎日絶対に守りたいことと、長期的に見てどういう家族像を目指しているかを確認できれば、みんなでがんばることも、がんばらなくてもいいことも見えてくるのかな ●アパレルは土日休めないし夜も遅い。旦那さんも出張ばかりで、実家も遠くて頼れない。このままだと家庭崩壊すると思って、 一番大事にするのは家族の時間 ということを旦那さんと話し合った 働きながら家庭で育児も家事も完璧にするというのは、なかなか難しいことで、いっぱいいっぱいになってしまう人も少なくないでしょう。筆者自身も、一日一日を乗り切るのに精いっぱいで、どうすれば毎日笑顔で過ごせるのかなと悩むこともあります。 コメントには、「子どもを一番に考える」という意見も寄せられました。パパやママたちが一生懸命働いているのも、子どもの笑顔のためという家庭も多いことでしょう。それでも仕事と家庭の両立は一筋縄ではいかないことも多く潜んでいます。 最後に、筆者もハッとさせられたコメントを紹介します。 「仕事と育児の両立という 言葉がそもそもおかしい 。男性に対しては、この言葉を使わないのはなぜですか? この言葉がなくなればいいのにと思う」(千葉県 40代女性) 「このクエスチョンについて考えているのは圧倒的に女性の方が多いのではないでしょうか? そうではない世の中になっていってほしいです」(北海道 40代女性) たしかに、普段友人との日常会話において「両立は大変だよね」という言葉を使っていましたが、夫に対しては「両立」という言葉は使ったことがありませんでした。寄せられたコメントも、その多くはママたちからのもので、いかに女性側の意識だけが高い問題なのかということを感じさせられます。 生活するために働き、子どもを育てるという両立は、本来は過酷なものではなくあたり前なことのはず。それが深刻な問題となっているのは、転勤、残業といった企業側の問題、保育園不足、若者の低収入、莫大な教育費といった国の問題というように、大きな枠組みが限界にきている側面もあるかもしれません。 さらに仕組み以外でも「育児は女性がするもの」「ママが働くとかわいそう」といった昔ながらの価値観にとらわれた人たちによる無理解な言葉など、共働き夫婦が立ち向かわなければいけない壁が幾重にも押し寄せてきます。 それでも最近では、共働き夫婦の声が世の中できかれるようになってきました。そうしたなかでまずは小さな一歩として、仕事と家事育児の両立については、夫婦で話すことで解消できる部分も多くあるでしょう。助けを求める、家事の手抜きをするなど、コメントにもあった対策のなかから取り入れられそうなものを1つずつ行ってみてもいいかもしれません。 また、この「両立」の問題は、子育て世代に限ったことではなく、高齢になった家族を介護している人や、夫婦だけの家庭にとっても、他人事ではありませんよね。 まだまだ時間はかかるかもしれませんが、社会全体が仕事家庭の両立について積極的に考え、取り組み、仕事と家庭の両立について、考える必要がなくなる時がきっとくると信じて、明日も仕事に家事に育児にがんばっていきましょう! Q.仕事と家庭の両立で一番重要なものは? アンケート回答数:5332件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年11月17日遠慮なくなんでも言い合える実の親子だからこそ、言い合うことも数知れず…という人はもしかしたら多いかもしれません。 思春期だったり、成人後だったり、結婚後だったり。さまざまなタイミングで親との衝突が訪れる可能性があります。今回は、さまざまな親子の在り方について、考えてみたいと思います。 ■親との衝突を経験したことある人の割合は? 自分の親と衝突したことがあるか聞いたアンケートでは、なんと約8割の人は親と衝突した経験があることがわかりました。その内訳は、「かなりある」が34.7%ともっとも多く、次いで「少しある」、「以前はあった」となります。 一方、残りの約2割の人たちは「ほとんどない」、「ない」と回答し、衝突した経験がないという人も一定数いることがわかります。 Q.自分の親と衝突したことある? かなりある 34.7% 少しある 20.8% 以前はあった 23.9% ほとんどない 16.3% ない 3.4% その他 0.8% ■親との衝突、反抗期「周りが見えてなかった」 まず、「衝突する」と答えた人たちからは、思春期に親と衝突したエピソードが寄せられていました。 「 思春期は自分のことでいっぱい で、周りなんて見えていなかった。人の気持ちがこんなにたくさんあって、いろいろな解決の仕方があることには子どもを産んで気付きました」(愛媛県 20代女性) 「かなり衝突していましたが、実家から離れて暮らして、親のありがたみがわかりました。わが子が思春期になり、自分が反抗していたときの親の気持ちが少しわかる気がして、 反省しています 」(茨城県 40代女性) 「 中高生の頃は親と衝突 しつつ、『これでも感謝してんだよ』と思っていました。進学を機に一人暮らしをして、親との距離のとり方を覚え、社会人になって子どもができて親の恩を実感できました」(石川県 40代男性) 思春期は、こころの発達の面からは小学校高学年から高校生年代の時期にあたるといわれ、その時期には理由もなく親に反抗したくなってしまうこともありますよね。「大人として一人前に扱ってほしい」という葛藤や「まだ一人では何者にもなれない」という子ども自身にとっても苦しい時期だったと思い出す人も多いのではないでしょうか。 そんな反抗期の態度を省みるコメントは多く、「 かなり激しめな反抗期 に見捨てることなく付き合ってくれた母親には感謝しかない。結婚して家を出て数十年たちますが、いまだに母親大好きっ子です」という感謝の声も寄せられていました。 ■親との衝突、子育てへの干渉「ライフスタイルが違う」 また、「衝突した」と回答した人たちからは、 子どもが生まれてから衝突 するようになったというコメントも寄せられました。 「孫が産まれてから、 母が過干渉になり衝突が増えた ため、距離を取っています。心配はわかるけど、ネガティブなことばかり聞かされてうんざり」(神奈川県 40代女性) 「同居のとき、孫大好きでばあばもじいじも孫のしたいようにさせ、私の意向は聞いてくれませんでした。 お母さんは一家に一人 でいいんだと思う」(千葉県 30代女性) 「子どものお稽古や進学に関して意見をズバズバ言われます。アドバイスというより 命令形 。『ハイハイ』とはいきませんね」(神奈川県 40代女性) 「専業主婦だった母、共働きの私。仕事をセーブして子どものそばにいろと。 ライフスタイルの違い でぶつかります」(神奈川県 40代女性) 親と自分だけだった関係に、「子ども」という存在が加わり、 関係性のバランスが変わった と感じている人が多いようです。子育ての方針に口出しをされてイライラしてしまったり、孫に甘すぎる祖父母にもどかしく感じたりと、衝突する機会が増えてしまうこともあることがわかります。 ■「衝突しない」裏にある親子の事情 一方、「衝突しない」という意見から理想的な親子関係を築いている人たちからのコメントが集まるかと思いましたが、どうやら「円満だから衝突しない」というコメントは少数派というようにも感じます。 「衝突しない」という回答の背景には複雑な思いがあるようです。 ●円満な関係にある 「幼い頃から 大好きな母を尊敬 しています。一生懸命頑張っている姿を見てきたので、今に至るまでケンカも言い合いもありません。」(岩手県 40代女性) 「結婚して子どもが生まれてからは、こんな思いで自分を育ててくれたんだと気付き、感謝の気持ちでいっぱいです。同じ敷地内に住んでいるので、 お互いに助け合って仲良く やってます」(茨城県 40代女性) ●親が他界している 「両親は私が 3歳頃に他界 しているので、衝突もできませんでした」(山口県 40代女性) 「母は20歳のときに前触れもなく亡くなってしまいました。私の成長を死ぬまで楽しみにしていたことは、亡くなった後に気付きました。親には傷つけることを言いたい放題だけど、 いなくなって初めてわかる ことがある」(鳥取県 50代女性) ●親とは距離感を取っている 「話すとすぐに衝突してしまうので、なるべく 距離感を保ち 、必要最低限の会話を心がけています」(福島県 30代女性) 「母は心配性でいつもワーワー言っている人。生まれた時からそういう環境なので、私は 聞き流す能力 に長けていて、衝突はないです」(神奈川県 40代女性) 「衝突しない」と一口に言っても、親子にはさまざまな事情があることが伝わってきます。親がすでに他界していたり、言いたいことを言わないようにガマンしていたりと、そこには、衝突するよりも切ない現実がある場合もあるようです。 親が亡くなってしまえば、もう親子関係を築くこともできなくなります。筆者自身は母親を亡くしているのですが、生きているときは衝突して苦しかったこともありましたが、今は衝突をしたくてもできないと、寂しく感じることもあります。 ■「心が許せない…」毒親に苦しむ声も さらに、寄せられた声の中で目立ったのは、「毒親」との関係に悩む人たちの叫びとも言えるものでした。 「 『いい子でいなくちゃ』 と必死で、衝突するなんて考えもしませんでした。情けないことに現在進行形です」(神奈川県 30代女性) 「 『親に口ごたえするな!』 と言われて育ったので、衝突はおろかいまだに親にちゃんと意見が言えません」(神奈川県 40代女性) 「何でも自分の言うとおりに子どもが動かないと気がすまない、いわゆる毒親でした。私は完全に心を閉ざしてしまい 親には何にも言えない 関係に。子どもの頃にできてしまった心の闇は消えません」(東京都 50代女性) 「衝突できるのは、親子関係がいいからだと思います。私は、 親から暴力 を受けていたため、恐怖で口答えすらできませんでした」(愛知県 30代女性) 「毒親」という言葉は、医療機関のコンサルタントのスーザン・フォワードが書いた『毒になる親 一生苦しむ子供』からついたもので、子どもを支配する、子どもに罰を与えるなどして、悪影響を与える親を意味しています。 小さいころだけではなく、結婚して子どもができても続くような毒親からの支配に悩み、「親と衝突して関りを持つことすら許せない」という心の叫びが伝わってきます。 ■親との衝突は悪いことなのか? 先ほど、毒親に苦しむ人たちの声を見てきたように、親との関係がうまくいっていないからこそ「衝突すらできない」と悩んでいる人たちもいるようです。そうすると、はたして親との衝突って悪いことなのでしょうか。 「たまには、 意見の相違があってもいい んじゃない! 生きているうちですよ、そんなことを言ってられるのは」(滋賀県 50代男性) 「衝突でも、言いたいことを 本音で言い合って お互いに思っていることを知るのも必要かと。言い合えるだけの元気がお互いにあるんですし」(神奈川県 40代女性) 「親が子を思えばこそ、真剣に向き合ってくれていたからこそ、 衝突してまで教えてくれた のだと今は思います。歳を重ねるごとに、ますます大切な存在になっていくような気がします」(神奈川県 40代女性) 確かに、衝突することでお互い本音が言えたり、衝突を経て関係性が良くなったりすることもありますよね。近い存在である家族だからこそ、遠慮なく物事が伝えられるのも事実です。お互いがストレスなく乗り越えられるならば、適度な衝突もアリなのかもしれませんね。 ■親子関係をうまく築くために 「適度な衝突はアリ」だとしても、衝突が毎日のように続くと、お互いにしんどくなってしまいます。意図しない衝突を防ぐためには、どうすればいいのでしょうか。 「戦うこともたくさんあったけど、 一定の距離を保つ ことで今では落ち着きました」(北海道 30代女性) 「衝突はたくさんありますが、親子だから泣くほどケンカしても、次会うときは また元通り です」(千葉県 50代女性) 「親だから言いたいことを100%言って、何度も衝突していた。知り合いに『言いたいことの1%で良いから 我慢してごらん 』とアドバイスしていただき、いまは仲良し親子です」(茨城県 40代女性) それぞれに対策を立てて、衝突を防いでいることがわかります。 さらに、多く寄せられたのは、親に対する感謝の気持ちについてのコメント。親と同じ子どもをもつ立場になってこそわかることがあるようです。 「親の苦労する姿をたくさん見てきたので、自分が子どもの親となった今はむしろ 感謝の気持ちでいっぱい です。けっして一人で育ったわけではないことを忘れず、今後は少しでも親に恩返しをしていけたらと思っています」(東京都 40代女性) 実の親子は、近い間柄の家族だからこそ、付き合いが難しいという側面があります。その関係性はさまざまで、衝突をする親子、しない親子、それぞれが自分の今を大切にするために努力し、工夫を重ねていることがうかがえます。 なかなか素直に感謝を伝えられなかったり、言い過ぎてしまったり。コメントにもあるように、ついなんでも言いたい放題になってしまう実の親子だからこそ、本当は最低限の遠慮や気遣いが必要になってくるのかもしれません。 今回は、パパママと自身の親との関係性をみてきました。そして自分の親との関係性を考えるときに、おそらく多くのパパママは自身と子どもとの関係性にも思いを馳せるのではないでしょうか。 親子で仲良く過ごしていきたいと願っても、個性や相性などによってどうしても心が通い合えない時期も出てくるかもしれません。自分の親との関係以上に、子どもとの衝突で心痛めている人もいるでしょう。親子の関係性は、これまでのコメントでわかるように、一筋縄ではいかず、どんなに親が一生懸命になってもそのときは届かない想いもあるのかもしれません。 それでも親子関係は敵ではありません。親子関係は一日で築かれるものではなく、子育ての長い「子どもの自立」という道のりのなかで構築したり、組みなおしたりが起こるものなのかもしれません。そのなかで子どもとどう向き合っていけばいいのか、たまには立ち止まって振り返ったり、見直したりすることも必要なのかもしれませんね。 Q.自分の親と衝突したことある? アンケート回答数:4602件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年11月03日「ガルガル期」という言葉を知っていますか? 女性が出産したあとに、動物的な本能から子どもを守るために気性が荒くなる時期のことを表す言葉で、インターネット上などで数年前から使われ始めたものです。 今回はそんな産後の「ガルガル期」についてのアンケートをもとに、産後のつらい時期の乗り越え方について考えてみたいと思います。 ■7割以上は「ガルガル期」を経験 アンケートでは、「産後のガルガル期」があったかどうか聞きました。その結果、「強くあった」、「少しあった」、「あった」と答えた人が合わせて71.9%となり、7割以上と多くのママとパパが産後のガルガル期を経験していることがわかりました。 Q.「産後のガルガル期」あった? 強くあった 34.1% 少しあった 27.7% あった 10.1% ほとんどなかった 15.2% なかった 9.5% その他 3.3% ■ガルガル期エピソード「赤ちゃんをとられる」 多くのママたちが陥る「ガルガル期」。どのような気持ちを抱いているのか、アンケートに寄せられたコメントをもとに紹介していきましょう。 「(親にとって)初孫だったからだと思いますが、やたらと干渉して毎日顔を見に来て、 とられるような気がして 、イライラしていましたね」(三重県 50代女性) 「自分と血のつながりがない人は すべて敵 。泣き止まない子どもを泣き止ませようと私の腕から取り上げた実母にすら『そうやって勝手に奪おうとするなら、おまえが最後まで育てろ!』と 半狂乱になった 」(神奈川県 40代女性) 「生まれたとき、旦那側の親戚がみんな、 『パパに似てるね』 などと、全部あっち側に似てると言うからガルガルしました! 男の子だと、 『跡取りだ』 と言うのにもガルガルしました」(神奈川県 40代女性) このほかにも、「ぐずったときのなだめ方が母の方が上手で、勝手に自分がイライラしていた」というコメントも見られました。 第一子の場合は、初めての子育てが大変だと感じるママやパパも多く、だれかの助けを必要とする場合もあるでしょう。ただ、産後のガルガル期に突入している場合には、周囲の助けをかえって苦痛に感じてしまう場合もあるようです。 ■ガルガル期エピソード「私の育て方に難癖つける気!?」 また、ガルガルする理由のもう一つとして、「育児に口出しをされたくない」という思いも隠されていることがわかりました。 「里帰りで実母にガルガルしました。二言目には『 自分のときはこうだった 』、『抱きぐせが付くから 泣いても放っておけ 』と。子育ての仕方は昔と変わってきているのに耳を貸さず、イライラしていました」(広島県 50代女性) 「私の母にイライラガルガルしていました。『そんな抱き方じゃ 赤ちゃんがかわいそう 』とか、初出産で心の余裕もなかったので、素直に受け止めることもできませんでした」(東京都 40代女性) 「娘が2、3ヶ月の頃に、顔に湿疹(しっしん)ができたんですが、それを夫に指摘されたときに思いっきりガン飛ばしてしまいました。 『私の育て方に難癖つける気!?』 って」(滋賀県 40代女性) 毎日必死で赤ちゃんと向きあうお母さんたち、さらに初めての育児だと、どうやって育てればいいかわからないという不安のなかでも、育児の正解を探して必死でがんばっています。 実母も娘の子育てをサポートしようと思っていたとしても、娘であるママから見るとあれやこれや口出しをされていると感じてしまい、思わずかみつきたくなってしまう気持ちも理解できます。子育ては人それぞれにやり方があり、それを押し付けられたと感じたときにママたちのストレスはとても大きなものとなっているようです。 ■ガルガル期エピソード「子どもは私が守る!」 さらに、衛生面や世話の仕方への不安など、子どもを守りたいという思いがゆえに、周囲にガルガルしてしまうママもいるようです。 「上の子たちが生まれた頃は、旦那の おばあちゃんのベッド に子どもを寝かされたりして、ものすごく腹が立った」(三重県 40代女性) 「義母が口の中に入れた鶏肉をかんで食べさせようとしていた。3日前に買った硬いドーナツを食べさせようとしていたときは、ゾッとしました」(愛媛県 20代女性) 「里帰り出産して、父が赤ちゃんを見ていると言うから任せてトイレに行ったら、大人用の 羽布団をあごの下までかけて 自分は別室に戻っていた。我慢できなくなり自宅に戻りました。 子どもの命を守るため に攻撃的になっていましたね」(神奈川県 40代女性) たしかに、大切な子どもを衛生面や安全面で危険に陥らせないでほしいというのは、どんなママでも感じることでしょう。 筆者自身も初めての子どもを出産したあとは、義実家や実家などを訪れた際には、家族の子どもへの接し方に過剰なまでに目を光らせていた記憶があります。いまとなっては、「この子の命を守れるのは私だけ」という思いが発動し、やや暴走していたかもしれないと思いますが、当時はただ一生懸命だったことを記憶しています。 ■「ガルガル期」は悪なのか!? 一方で、「ガルガル期」という言葉に関しては、そのネーミングに疑問の声が寄せられるとともに、そのこと自体には肯定的な意見も多く見られました。 「『ガルガル期』と呼ぶのは産婦じゃない側ですよね。まわりに理解がある人がいたり、助けてくれる人がいたら、心配なく子育てに専念できたら、産婦がそんな呼ばれ方しないんだろうな、とつくづく思います」(千葉県 50代女性) 「それだけわが子を いとおしい気持ち で育てていたのだと思う。子どもの命を守らなきゃという気持ちは、周りが敵だらけだと思う程。人間は動物なんですよ、しょせん。みんな 子育て必死なのさ 」(千葉県 40代女性) 「『ガルガル』。私には何か嫌な言葉に聞こえます。子どもを授かったら 守ろうとするのは当然 では?」(北海道 40代女性) 産後の母親を、本能的な動物が牙をむく様子に例えて「ガルガル期」と呼ぶことについて、否定的な声も見られました。また、母親になって子どもを守りたいという気持ちからガルガルしてしまうことは、そもそも当然のことではないかという指摘の意見も集まっていました。 どうしても「ガルガル期」というネーミングから、当事者にとっては産後のデリケートなママたちの状態を揶揄(やゆ)されているような不快な気分になってしまう人もいるかもしれません。 産後は、それまでの生活スタイルや対人関係がガラッと変わり、何が起きるかわからない赤ちゃんとの生活が続いていくため、ママたちは身体的にも精神的にも疲弊します。それでも、子どもを守らなければならないと、がんばりすぎてしまうがゆえに「ガルガル期」に突入してしまう場合も多くあり、それは当然のこととも言えそうです。 「ガルガル期」、どう乗り越えた? ここまで紹介してきたガルガル期の子育て家庭の実態ですが、どうすればガルガル期を回避する、もしくは乗り越えていけるのでしょうか。ママやパパが少しでも楽になれる方法はあるのか、アンケートの答えから、ヒントを探しましょう。 <その1、周囲に協力を仰ぐ> ●まわりに「ガルガル期」を説明し、大変さをわかってもらう ●出産後は不安が大きいので、親など周囲の人に配慮してもらえるようお願いする <その2、周囲の子育ての意見は聞き流す> ●実母、義母の子育ての話はあまり受け止めないようにして、聞き流す <その3、前もって産後の状態を予測しておく> ●「ガルガル期」いうものがあることを事前に自分もパパも理解しておく <その4、同じ立場のママ友と交流する> ●同じ立場のお母さんと話したり、遊んだりして心を和ませる <その5、時が過ぎるのを待つ> ●産後半年くらい過ぎて、気持ちが落ち着いてきて自然に冷静になれる。 いつか絶対落ち着く時がくる どのコメントも、自らの育児経験が反映され、先輩ママたちの重みのある言葉が残されています。「ガルガル期」で周囲の人だけでなく、ママ自身もつらい思いをしないために、こうしたアドバイスも心にとめておきたいですね。 「完璧な育児」を自分に課してしまうと、ママ自身の疲弊も激しくなり、さらに自分自身にも他人にも厳しくなってしまうかもしれません。コメントを読むと、「赤ちゃんの命を私が預かっている」と責任感を一手に引き受けてしまうママほど感じやすいようにも思います。 でもこれまで生きてきて、これほどひとつの命に一生懸命になり、愛情を注いだことはなかったのではないでしょうか。こう考えると、「ガルガル期」というのもママの溢れんばかりの愛情と防衛本能なのかもしれませんね。 ただ実際にそのときにはとても苦しい状態となっている人もいるでしょう。ガルガル期の間は夫に対しても攻撃的になる人もいるようです。でも、言葉にして苦しさを吐き出したり、「ガルガル期」の書籍などを読んでもらうことで、夫にも状況は理解してもらえると思います。 そうしてできるだけ近くにいる人に自分の気持ちを伝えることで、苦しさも少しずつやわらいていけるかもしれません。または少しの時間一人になったり、ゆっくり眠ったりと、ママの疲れを癒やしていくうちに、コメントにあるようにいつしかガルガル期は終了していけるかも。 きっと、大変だと感じる時期や程度は人それぞれでしょう。でもガルガル期を乗り越えられたときに、一生懸命なママをサポートしてくれた周囲にも思いが馳せられるようになっているといいですね。そしてそれだけがんばって赤ちゃんを守った自分をほめてあげてほしいなと思います。 Q.「産後のガルガル期」あった? アンケート回答数:4102件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年10月13日子どもたちが保育園や幼稚園、学校などにスムーズに通えることが、あたり前と思う人もいるかもしれません。でもときに子どもから「行きたくない」と言われ、頭を悩ませた経験がある人もいるでしょう。 今回は、子どもたちが「園や学校に行きたくない」と言ったときの対処法について、アンケートをもとに考えてみたいと思います。 ■6割以上の親が「行きたくない」を経験 アンケートでは、「園や学校に行きたくない」と言われたことがあるかどうか聞きました。その結果、「よくある」、「時々ある」、「数回だけある」と答えた人が合わせて63.3%となり、6割以上のパパやママたちが「ある」と答えたことがわかりました。 一方で、「ほとんどない」、「ない」と答えたのはあわせて35.6%で、「園や学校に行きたくない」と言われたことのある人の方が多い結果になりました Q.「園や学校行きたくない」と言われたことある? よくある 16.8% 時々ある 17.5% 数回だけある 29.0% ほとんどない 19.1% ない 16.5% その他 1.0% ■行きたくない理由1、「お母さんといっしょにいたい」 アンケートに寄せられたコメントからは、子どもたちが園や学校に行きたくない理由は複数あることがわかります。それぞれの理由について、具体的なエピソードをみていきたいと思います。 「息子が保育園の時によく言っていました。サービス業の私は日曜日仕事のことが多く、 一緒にいたかった みたいです」(新潟県 40代女性) 「保育園時代は毎日泣いていました。 泣きすぎておう吐 してしまうほど。仕事に行くのが、本当につらかったです」(福島県 30代女性) 「小学1年になって間もなく、ある日突然『行かない!』と。スクールカウンセラーの先生に相談したところ、 『赤ちゃんがえり』 だと言われました」(鳥取県 40代女性) 園児や小学校低学年の子どもたちの親を中心に、「親と離れたくない」という理由から登園や登校を嫌がるエピソードが多く寄せられました。嫌がる子どもを前に、後ろ髪を引かれる親たちの様子が目に浮かびます。 筆者自身も、2歳で幼稚園に通い始めて、毎朝号泣する長男を泣く泣く園のバスに乗せていました。幼稚園や保育園での生活は、初めて親と離れて過ごす第一歩。「離れたくない」という思いは、成長の証とも言えそうです。 ■行きたくない理由2、「いじめがつらくて教室に入れない」 学校生活を送る子どもたちの親から寄せられたのは、学校でのいじめや友人との人間関係に悩んだ子どもたちから発せられた「行きたくない」の声です。 「小学生のとき、 長い間いじめられ ていて、『行きたくない』と言いました。先生を信じて話したら否定されたときには、『もう学校やめたい』と」(神奈川県 40代女性) 「長男が1年生のときから意地悪されて、『行きたくない』と言っています。学童では、うちの子がやり返さずに泣いてしまうから面白がって 集団で意地悪された 。学童に行かないで済むならそうしたい」(静岡県 40代女性) 「長女は中2のときにクラスの グループメールのやりとりでトラブル になり、教室に入れなくなった。本人の気持ちとしては、学校には行きたいけど、どうしても教室には入れない、苦しかったと思う」(神奈川県 40代女性) どのコメントも、胸が痛くなるような子どもたちのエピソードがつづられています。学校に通い始めると、子ども同士だけのやり取りや関係性が深くなっていき、親がをすべて把握するのは難しくなっていきます。 しかし多くの親は、子どもたちの「行きたくない」理由がいじめによっているのであれば、その事実を把握したいと思っていることでしょう。 ■行きたくない理由3、「先生が怖い…」 また、子ども同士ではなく、先生との関係性に苦しんでいるという声も多く寄せられていました。 「幼稚園のとき、突然『園バスに乗らない。行きたくない』と泣きだし、これが何日も続きました。そのうち本格的に登園拒否が始まり、しばらくして、原因は 担任の先生が意地悪だから とわかりました」(神奈川県 50代女性) 「担任の先生に陰険なことをされたり、怒ってばかりで先生が怖かったりで、学校に行きたがらなくなりました」(和歌山県 40代女性) 「 原因は校長 でした。何かうまくできないことがあると、『そんな事もできないのか? 学校来なくていいから』と言われたり、1人だけ休み時間に個室に入れられて勉強させられたこともありました」(島根県 20代女性) 園や学校では、担任の先生といっしょに過ごす時間が長いため、うまく関係が築けないと子どもにとっては大きなストレスになってしまいます。もしかしたら本当に先生の方に原因がある場合もあるかもしれません。しかし、人間同士でのやりとりには相性の良し悪しが出てしまうことも事実としてあるように思えます。 コメントのなかには、「娘が男性の担任を嫌がり、学校に行きたくないと言った」というものもあり、担任の先生との付き合い方の難しさを実感させられます。 ■行きたくない理由4、「集団生活が合わない」 また、そもそも『集団生活が合わない』という声も寄せられていました。 「現在小1男児ですが、行きたくない時期に波があり、変化の時期はつらい様子。小学生になってからは、 あきらかに精神的な腹痛 が毎日のようになり、保健室登校をしています」(神奈川県 40代女性) 「下の子は人見知りが激しい性格のため、集団行動、団体生活になじめないようで、幼稚園から5年生になった今でも毎朝、 『気持ち悪い、おなかが痛い』 と嫌々登校していきます」(千葉県 30代女性) 「『HSC』をご存じでしょうか? とても 敏感に感じてしまう特性 です。 新しい環境、騒がしい教室、ちょとした言葉で傷つくなど普通の子にはなんてことはないことに、ストレスを感じ悩まされてるのです。わが子は騒がしい教室、先生が他の子をしかる声に、家で体を震わせていました」(神奈川県 40代女性) 人一倍敏感な気質の子どもを表す「ハイリー・センシティブ・チャイルド(HSC)」についてのコメントも寄せられていました。集団生活が合わないという子どものなかには、かなり深刻な理由を抱えている子もいて、それに悩む親子の様子がうかがえます。 ■行きたくない理由5、「通学がつらい」などさまざまな意見 園や学校に行きたくない理由は、本当にさまざまなようです。ここからはそのほかに寄せられたコメントをいくつかご紹介します。 ●通学がつらい ●偏食のため給食を食べることが苦痛 ●保育園で昼寝が嫌 さらに、「理由がわからない」という声も寄せられていて、園や学校に行けない理由が単純なものではないことが伝わってきます。 ■「学校が好きでたまらない!」 一方で、3割以上の親は、子どもが「園や学校に行きたくない」と言ったことは「ない」、もしくは「ほとんどない」とと答えています。 「園についたら一回ハグを求められて、後は振り向きもせず園庭に駆けていく。頼もしいけど ちょっとさみしい 」(広島県 30代女性) 「いつ言われるかと心の準備だけはしてきましたが、高校卒業まであと半年。心配は、取り越し苦労に終わりそうです。いまは中学高校通算6年間、皆勤賞を狙っているようです」(神奈川県 50代女性) 「 学校が好きでたまらない のか、登校指定時間の15分以上も早く学校に行ってます。家から5分とかからない場所ですが、『あと20分遅く出ればパパと一緒に出られるのに』と思ってしまいますね」(東京都 50代男性) 「学校に行きたくないと言われたことはなく、むしろ大事をとり休ませたくても 休んでくれなくて困った ことはありました。意地悪を言われたり嫌なこともあるみたいですが、学校を休む事自体がそもそも嫌みたいです」(神奈川県 40代女性) 寄せられた声からは、園や学校が大好きだという無邪気な姿と、真面目にがんばる姿の両方が目に浮かびます。「親としてはちょっと寂しい」という意見もありましたが、子どもたちにとっての居場所があるということには、親として安心できますよね。ただ、「体調を崩していても行きたい」という子どもたちの姿勢には、心配する声も寄せられていて、時にはストップをかけてあげるのも親の役目かもしれません。 ■「行きたくない」と言われたら…… それでは、「園や学校に行きたくない」と子どもから言われたとき、親としてはどのように対応すればいいのでしょうか。コメントからヒントを探してみたいと思います。 <その1、友だちや人の手を借りる> ●下の子が年少の時、行きたくないと泣いていましたが、仲良くしてくれる友だちができて、無事に行けるように。 友達の力は大きい ●学校で嫌がらせされていましたが、仲の良い友だちがかばってくれて改善した ●1年生の頃は集団登校が嫌で学校に行きたくないと泣いていた。ある日、事情を知った近所のおばさんが娘の登校時間に合わせて犬の散歩をしてくれて、登校できるようになりました <その2、必要に応じて親が介入する > ●イジメが原因だったので、担任に手紙を書き、道徳の授業で イジメに関して授業 をしてもらいました ●子どもたちの「行きたくない」はしょっちゅうです。そのなかで、本当にSOSを出しているものを見抜くのは親の役目。私がイジメにすぐ気づいて、担任に対処してもらい、解決したことがありました <その3、行きたくない気持ちを受け止める> ●元気がないときは「何かあった?」と声をかける。少し間を置いたときは、次の言葉が核心である可能性が高いので、 子どもの気持ちを受け止めて 、どうしたいか、どうできるかをいっしょに考えてあげる ●「なんで行きたくないの」と子どもを問い詰めるのは逆効果。「そうだね、行きたくないよね」と同調してあげると気分が落ち着いたようだった ●初めて幼稚園に行くときから数日は全身で拒否されましたが、成長と共に必ず通る道。私と家が 最高の避難場所 になってあげることが大事だなと思います <その4、一時的に休ませる> ●年長の時に「行きたくない」って言われたので 「行かなくていいよ!」 と話して、丸1日ズル休みをして遊びに行ったら「次の日にはやっぱり行く!」って言いました。つらい時はちょっと回り道するのもアリですよね ●幼稚園の時に小児科で「休ませるなら期間を決めること。両親でよく考えて決めること。決めたならそこからブレない事」と言われて、結局1週間休ませました ●「本当にだめそうかな?」って時は 休ませて悩みを聞く 。そうすると、本人もすっきりするみたいで次の日からは普通に行きます <その5、園や学校をやめる、長く休む> ●娘が高校で不登校になり、 通信制高校に転校 。いい同級生に囲まれて、1年遅れで無事に高校を卒業しました ●長女は学校に行っていません。でも毎日元気に過ごしています ●中2の夏休みから 長い休み をとりました。今では、高校は毎日行けるようになり、建築の勉強が楽しいみたいです どのコメントからも、子どもへの愛情が垣間見え、親として何がしてあげられるか考え、行動していることがわかります。 きっとどんなパパもママも、子どもの「行きたくない」という言葉を聞いたら、最初は戸惑ってしまったのではないでしょうか。それでも、子どもがどんな対応を求めているのか、親である自身には何ができるのか考えて行動したパパとママたちからのコメントは、大きなヒントとなります。 最後に、こんなコメントもご紹介します。 「長男が保育園登園をぐずり途方にくれていた時、先生に『保育園に行きたくないというのは、おうちで お母さんとの関係がとてもいい という証拠ですよ』と言われ、気持ちが楽になりました」(茨城県 40代女性) 「勉強できてもできなくても、運動できてもできなくても、『行きたくない』ってことはある。大人だって仕事に行きたくないってことあるんだから!」(山口県 40代女性) 「子どもの言葉を優先し、休ませると休み癖をつけてしまうのではないか? 子どもの気持ちを励まし、登校させてつらい思いを増やしてしまうのではないか? 命より大事なモノなどありませんが、欠席か登校させるかの判断は、やはり日々ともに過ごし、当人の顔を見ている家族のみんなで判断するしかないですよね」(神奈川県 50代女性) 子どもの「園や学校に行きたくない」という声は、転じて「家にいたい」というメッセージを発している場合もあるようです。家族との関係がうまくいっているからこそ、子どもがSOSを出せているということを聞くと、親としても少し落ち着いた判断ができる気がします。 嫌がる子どもを前に、最終的に園や学校に行かせるか休ませるか、親としては判断を迫られることもあるでしょう。「一度休ませたら、ずっと行けなくなってしまう」と思うと、なかなか休ませてあげられないと感じる人は多いと思います。また、筆者自身もそうですが、「仕事があるから、行ってもらわないと困る」という切実な思いがあることも確かです。そうした働くパパやママたちの思いを子どもももしかしたら敏感に感じ取っているかもしれません。 ただ、子どもたちが本当に深刻な状況になる前に、「園や学校に行きたくない」というSOSを出してきたら、そのときにできるだけ子どもに向きあって、いっしょにどうすればいいか考えてあげることが大切でしょう。忙しい日々の中でも、子どもの気持ちに寄り添う時間は少しでも作り、何か変わった様子がないか気にかける、そうした日々の積み重ねが、子どもたちの助けになると信じたいと思います。 Q.「園や学校行きたくない」と言われたことある? アンケート回答数:4482件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年10月06日共働き家庭が増えたことによって、女性だけでなく男性も育児休暇を取得する人が少しずつ増えつつあると聞きます。そんななか、男性の育児休暇を義務化を目指す動きも見られ始めています。今回は、男性の育児休業について、考えてみたいと思います。 ■育児休業の義務化には半数以上が「賛成」 アンケートでは、男性の育児休業義務化に賛成かどうか聞きました。その結果、 「賛成」と答えた人が50% を超え、半数以上のパパやママは男性の育児休業義務化を前向きに捉えていることがわかりました。一方で、 「どちらとも言えない」、「反対」と答えた人を合わせると5割弱 となり、簡単には結論が出ない問題だということがわかります。 Q.男性の育児休業義務化、賛成? 反対? 賛成 53.9% 反対 10.0% どちらとも言えない 36.1% 2016年10月から2017年9月までの間に妻が出産した男性において、2018年10月までに育児休暇をとった人は、 全体の6.16% となっています(※1)。10年前は、同様の結果が1.23%だったのに比べると、上昇していることがわかります。 この背景にあるのは、共働き家庭の増加。2017年には共働き世帯1219万世帯、専業主婦世帯600万世帯となっていて、 共働き世帯は専業主婦世帯の2倍 にもなっています(※2)。ただ、女性の82.2%が育児休業を取得しているのに比べると、男性の育児休業取得率は、6.16%という数字は高いとは言えません。 そこで、近頃提案されているのが、「男性の育児休業義務化」。今年6月に永田町の有志議員が、男性の育児休業取得の義務化を目指す議員連盟を発足させたことで、注目を集めています。 ■賛成派意見その1「夫にも育児の大変さを理解してほしい」 では、まず賛成派の意見から見ていきたいと思います。 「うちは帝王切開だったので、術後熱が出たりで動きづらかったので、1週間でしたが夫がお休みをもらえたときは とても心強かった のを覚えています。おむつ替えもミルクもここで覚えました」(神奈川県 30代女性) 「人生のうち何度もあるものではないのだからやってみるといいと思う。子どもを産むことはできなくても子育てを母親だけの仕事という思いを変えるにはいい機会」(茨城県 40代女性) 「二人目が生まれたときに1ヶ月とってもらいました。自分の体と赤ちゃんの世話だけで大変な時期なので、上の子の保育園の送迎や買い物、洗濯を 心おきなく任せる事ができ、大満足 でした」(静岡県 40代女性) 「わが家は共働きではなく専業主婦だったので、子育て家事は私がメインでした。産後1ヶ月休暇を取ってもらえたら子育ての大変さがわかってもらえると思うので お互いに優しくなれそう な気がします。何より 子どもの成長を一緒に見られるのは宝 です」(宮城県 40代女性) これらの意見の裏側にあるのは、「子育ては夫婦で行うもの」という思いです。また、「かわいい時期を共有することで夫婦関係もよくなるのではないか」という声も集まっていました。 たしかに、産後のママは身体的にも精神的にもかなり追い詰められた状況になるため、何らかの助けを必要とすることが多いでしょう。里帰り出産をした場合でも家に戻ってたった一人で育児をすることの怯えからも、 頼れる相手のパパ がいてくれることは、どれほど心強いことかと思います。 ■賛成派意見その2「義務化しないと取得率はあがらない」 また、制度はあってもなかなか利用が進まないため、義務化すべきだという声も多く集まっていました。 「実家が近かったり不要な家もあるとは思うけど、必要な家でも休めないという家が多い。義務化しないと、そういった家が休めないなら、該当の家はすべて休んだ方が 幸せな家族が増える と思う」(神奈川県 40代女性) 「 有休すら取りづらい 職種だと、そうでもしないとまとまった休みなんてお互い取ろうとしないので賛成です。2人目出産のときは、私が入院している間夫に休みを取ってもらいました。地味な家事も淡々とこなしてくれたので本当に助かりました」(鹿児島県 30代女性) 「仕事ばかりで育児に協力できていませんでした。悔いても取り返せません。ぜひ、義務化を」(千葉県 40代男性) たしかに、職場の環境によってはなかなか育児休業の取得を申し出づらい場合もあるでしょう。先述した議連が目指しているのは、本人からの申請がなくても、企業側から休暇の取得を促すことを義務付ける仕組み。個人からは言いにくくても、企業側から促してもらえることで、 制度を利用しやすくなる という側面は大いにありそうです。 ■反対派意見その1「夫がいてもワンオペ改善にならない」 一方、「反対」、もしくは「どちらとも言えない」と答えた人たちの思いを探ってみたいと思います。 「あくまでもうちの場合ですが、夫が家にいても 私の負担が増えるだけ 、ストレスが増えるだけなので嫌だな」(東京都 30代女性) 「夫の職場は、生まれてから1ヶ月の休暇制度ができて、二人目のときに夫も休暇をもらった。上の子のときは手伝ってくれなくても、仕事で疲れているから仕方ないと思えた。だけど、『 休みなのになんでなにもしないの? 』ってイライラするだけだったし、夫は邪魔でしかなかった」(東京都 30代女性) 「義務化で休んでもらっても家事や育児を安心して任せられない。仕事に行っててくれた方が安心して 自分のペースで子育てができる と思う」(広島県 40代女性) 「育児休暇はいいが、実際あまりなにもできない。男性は母乳が出ないのが、一番きつい。離乳食時期くらいからならいいと思うが」(神奈川県 40代男性) ほかにも、「ただのお休み状態でのんびり、ぐーたらされたら、 大きい子どもが増えただけ でイライラしそう」という意見も。たしかに、なんとなく育児休暇に入ってしまったら、パパ自身も手持無沙汰になってしまい、ただの休暇のように過ごしてしまいかねなさそうです。 パパからの「実際あまりなにもできない」というコメントには、切なさも感じてしまいます。ここにあがったような夫への辛らつな意見から制度が整うだけでは、夫婦で共同の育児参加、男女での協業体制は難しいように思えます。 ■反対派意見その2「給料減額、復帰後の待遇悪化が怖い」 また、「反対」という考えの裏側には、給料が下がる、待遇が悪くなることへの切実な思いもあることがわかってきました。 「サラリーマンの生涯年収は3億とか。私は絶対に稼げません。私はがんばって3人育てていますが、夫だって激務をがんばっています。お互いの役割を果たす時期、 私は育児と家事に専念 します。私は夫の負担を考えると育児休業は望みません。激務をこなして働いてくれる事こそが育児だと思ってます」(神奈川県 40代女性) 「育児休暇を長くとって、会社から不当な人事にあったという記事を見ると、育児休暇を取ることに賛成しかねてしまいます。夫の育児は休日に存分に参加してもらう方が、意外とお互いにありがたみを感じるような気がします」(神奈川県 50代女性) 「40代男、3歳の子がいます。 気持ちとしては賛成ですが、 夫側の収入の方が高く 、家計のウェイトが大きいご家庭もあるでしょうから、一概に義務化と言うのは疑問が残ります。職業や賃金の面ではまだ男性優位の日本社会においては、先にそこを見直さなければ、男性の育児参画も進まないと考えます」(神奈川県 40代男性) ほかにも、「 妻も減給、夫も減給 されたら、家計はつらい。お金がないとより家庭はギスギスする」というコメントも寄せられていました。夫婦でダブルで育児休暇をとった場合には、2人とも減給となり、生活が立ち行かなくなってしまう場合もあるでしょう。 日本ではまだまだ男性の給料の方が平均的に高いため、どうしても夫の給料に頼らざるを得ないという家庭が多く、義務化されたら困るという意見があるようです。また、「復帰後の待遇が不安」という声からは、取得すればいいのではなく、その先までしっかりと見通すことの重要性を実感させられます。 ■男性の育児休業、どう変わればいい? それでは、男性の育児休業については、現在の状況からどのように変わればいいのか、コメントをもとに考えてみましょう。 <その1、父親としての自覚を持ってほしい> ●妻の気持ちを受け止め、寄り添ってほしい。女性の自分の時間がないほどの大変さを感じて欲しい ●子どもにとっても父親の存在は大きい。子どもを愛おしいと思ってほしい ●男性には、「父親」として自覚を持ってほしい <その2、育休よりも継続的に休める制度へ> ●出産前後に1週間、健診や予防接種で14日分など休める日を作って欲しい ●子どもの風邪や病気で使える看護休暇が欲しい <その3、会社や環境が変わる必要あり> ●会社が育休を取りやすい雰囲気に。現在、暗黙で「取ってはいけない」空気、復帰後の冷たい態度、嫌がらせがある ●給料や立場が悪くなる状態ではなく、取得した方がより良い方向になる仕組みにしてほしい <その4、夫婦それぞれが役割を果たす> ●夫婦でしたいこと、夫に期待するフォローをきちんと話し合わないと、男性にとってはただの連休になる可能性がある ●性別関係なく得手不得手がある。女性が家事育児というレッテルを貼らないとうまくいくのでは <その5、上司が育休を後押しする> ●自分は育児休暇が取れなかった。だから部下が申し出たときに承認欄には印鑑を押す ここまで、男性の育児休業義務化について、さまざまな意見を見てきました。そもそもこの記事でも「男性の」育児休業という言い方をすること自体に、男女差があることをあらためて実感させられたような気がします。こうした議論をしなければならないこと事態にも、改善の必要性があるように思えます。 女性の就業状態や、実家や義実家の協力度合い、子どもの人数や住んでいる地域など、さまざまな要因から、夫の育児休業取得の賛否は、家庭ごとで異なるでしょう。 またコメントからもわかるとおり 義務化しただけで何もかもが解決する問題ではない ように思えます。男性側がただの連休となってしまわないようにするためには、意識改革も必要になるでしょう。そのためには男性の家事育児能力の向上のための教室などが必要かもしれませんし、妻としても、どうすれば夫が育児参加をしやすくなるのか十分にコミュニケーションをとる必要があると思います。とくに育児で主導権を握りがちな妻が夫にダメ出しばかりしてしまうと、 育児へのモチベーション も下がってしまうかも。 さらに育児休業中の給付金、 パタハラ (パタニティ・ハラスメント/男性の育児休業制度などを利用で 上司・同僚がいやがらせをすること)が起こらない組織づくり、女性の収入面向上など、問題は山積みのように思えます。 でも夫婦でお互いにできることとできないことを再確認して、補い合うことができれば、この先も同じ方向に協力しながら歩いていけるように思えます。子どもたちの大切な一瞬しかない幼い時期を、できれば夫婦どちらかが1人で抱え込み過ぎず、夫婦でいっしょに乗り越えていけるといいですね。 Q.男性の育児休業義務化、賛成? 反対? アンケート回答数:6400件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ <参考サイト> ※1厚生労働省: 平成30年度雇用均等基本調査 [PDF:4,784KB] ※2独立行政法人労働政策研究・研修機構: 専業主婦世帯と共働き世帯の推移1980年~2018年
2019年09月22日家の中でも外でも、どんな場所にいても、子どもたちが予想もできないような危険な行動をとることってありますよね。子どもたちが無事であればいいですが、時には命の危険を伴うような場合もあるため、親としては心配が尽きません。 ウーマンエキサイトでも思いがけないヒヤリハットなトラブルに直面して救急対応を迫られた経験を、コミックライターのみなさんに教えてもらいました。 》 トラブル発生! ケガ、病気、誤飲、転落…みんなのヒヤリハット体験 今回は、パパやママたちから寄せられた子どもたちの危ない行動についての体験談をもとに考えてみたいと思います。 ■95%が子どもの行動に肝を冷やした経験あり アンケートでは、子どもの行動に「危ない!」と肝を冷やした経験があるかどうか聞きました。その結果、「ある」と答えた人が95%となり、ほとんどの親は子どもの行動にヒヤッとしたことがあるとわかりました。 Q.お子さまの行動、危ない!と肝を冷やした経験は? ある 95.0% ない 5.0% 子どもの危ない行動は、時と場合によっては 命の危険 までもたらしてしまいます。2016年に消費者庁が行った人口動態調査によると、14歳以下の年齢別死亡原因で「不慮の事故」がいずれの年齢層でも4位以内に入っていました(※1)。 9割以上の親が、子どもの危険な行動を経験しているという結果にもうなずけます。 ■危険1、つないだ手を振りほどき突然車道へ まずは交通事故について見てみましょう。 「保育園のお迎えに行った時、たまたま正門近くにいた子どもが道路の反対側にいた私を見つけて飛び出してしまい、他の子のお迎えに来た 車にはねられそう になった。いまでも思い出すたびに胃の辺りが痛みます」(福島県 40代女性) 「2歳ごろでした。手をつないで歩道を歩いていたところ、その 手を振りほどき突然車道に飛び出し ました。タクシーがちょうど走ってきていて、大声をあげて子どもを捕まえ、タクシーは急ブレーキ。まるでドラマのような緊迫シーンで、生きた心地がしませんでした」(神奈川県 40代女性) 「幼稚園年長の時です。ペダルなしの子ども自転車で外出した帰り道、傾斜のある下り坂を思いっきりガーッと降りて行ってしまいました。『危ない!』と思った瞬間に、目の前で ゴロンゴロンと転がる娘 。転がり方が良かったのか、さいわい重傷にはならずにすみました」(埼玉県 30代女性) 「自転車で遊びに行けるようになった頃、お友だちといるときに 事故と隣り合わせのような 乗り方をしていたのは本当に怖かったです」(埼玉県 30代女性) 厚生労働省の調査によると、子どもの不慮の事故での死亡原因は、1歳児以上では交通事故が1位となっています(※1)。それを裏付けるような、ハラハラした子どもたちの行動を垣間見たようなエピソードばかりです。 寄せられたエピソードでは、幼児では急な道路への飛び出し、小学生では自転車の乗り方などについてのコメントが多く見られました。 飛び出しは、親が車の鍵を開けたり、買い物の会計を済ませようと、つないだ手を離した一瞬のすきに、発生してしまうことが多いようです。 ■危険2、トマトがのどに詰まった! 乳幼児を中心にコメントが多く集まったのは、食べ物が気管に入ってしまう誤嚥、体に害のあるものを飲み込んでしまう誤飲に関する事例です。 「4歳を過ぎていたからと油断して、通常の食事中にミニトマトや豚肉の炒め物を喉に詰まらせて焦った」(神奈川県 40代女性) 「娘が、適応年齢の赤ちゃんウエハースを喉に引っ掛け、 顔が真っ黒になって呼吸が止まる寸前 に! 慌てて取り出し事なきを得たけど、私のトラウマになりそれからウエハースは、かなり大きくなるまで食べさせませんでした」(北海道 40代女性) 「ハイハイができるようになった頃、食器棚の裏に置いていたゴキブリ退治用のホウ酸団子をいつのまにか舐めていた。救急病院で、『ホウ酸は毒性の強いものなので24時間点滴で体内から排出させましょう』と、一晩入院となりました」(千葉県 40代女性) 「2歳ごろ、 洗面所に置いた指輪 を自分の指にはめたまま、布団に寝転んだ拍子に飲み込んでしまい、窒息しそうになってました。病院でレントゲンをとってお腹に指輪があることが確認され、5日後うんちに紛れて出てきました」(埼玉県 30代女性) そのほか、「子どもが 頭痛薬をラムネだと思って かじってしまった」という声もありました。乳幼児については、食事の際に注意していても、突然ものをのどに詰まらせてしまうこともありますよね。また、食べ物以外のものをのどに詰まらせて、窒息してしまうという悲しい事故が起きているのも事実です。 筆者自身も、子どもが0歳のころに、うっかり落としたままになっていたパッケージのフィルムを子どもが口に入れてしまい、とても焦ったことがあります。フィルムがのどに張り付いて苦しそうに咳をする子どもの口に指を入れて、必死に取り出したことを思い出すと、今でも背中を汗が伝います。 ちょっとした不注意から起こりがちなのが、誤嚥や誤飲なのかもしれません。また、乳児の窒息や喉突き事故についてのコメントも寄せられていました。 「長男が生後1か月の時、頭の下に敷いていた小さい枕を自分で自分の顔に乗せていたことがあって、かなり焦りました。もう少し発見が遅かったら間違いなく 息を引き取っていた …と考えただけで、本当に怖かったです」(東京都 40代女性) 「歯ブラシを口に入れたまま転んだ。今思い出しても心臓ドキドキします」(千葉県 50代女性) 東京消防庁によると、平成19年から5年間に5歳以下の乳幼児が歯みがき中に歯ブラシで受傷した事故により、229人もの子どもが救急搬送されているといます(※2)。 子どもたちの身の回りの危機は本当にたくさんあるのだと、実感させられます。 ■危険3、覗き込んだ池に頭からポチャ!? さらに、海や川やプール、そして身近な自宅の風呂などで発生しがちな水の事故に関するヒヤリ体験も寄せられていました。 「下の子が2歳くらいのときに、夫や兄とおたまじゃくしを見たくて池を覗き込んでて危ないなあと思った直後、 頭から池ポチャした 時は一瞬時が止まった」(宮崎県 40代女性) 「3歳くらいの夏、 足を入れるタイプの浮き輪 でぷかぷか浮かせて、親は潜って遊んでいたとき、少し目を離した隙にいつの間にか逆さまになってしまっていて、慌てて海岸で足首を持って逆さにして水を吐き出させなんとか助かりました。本当に怖い思いをしました」(神奈川県 50代女性) 「潮干狩りで目を逸らしたすきに、 川の流れの強いところで溺れていた ときですかね。 水の中でバタバタもせず目が見開いていた顔を見たときは…。抱きかかえたらすぐに泣いたので、人生で一番安堵しましたね」(三重県 40代男性) 「お風呂入っているときに自分のシャンプー流してる最中つるっと滑って沈んでた。声が突然しなくなったからまさかと思ったけど、ほんのちょっと目が離れた隙が一番危ない。焦った」(山梨県 30代男性) 夏を中心に、小さな子どもが命を落とす水の事故が毎年起きていて、ご紹介したコメントからも、その恐ろしさが伝わってきます。 1歳児では、浴槽内での溺死が事故死の2位となっています(厚生労働省調べ)。海や川だけでなく、油断しがちな自宅のお風呂でも、子どもの事故は発生しうるのだと、あらためて気が引き締まります。 ■危険4、ベランダの柵によじ登っていた! 建物や階段からの転落の危機にヒヤリとした体験談も集まっていました。 「当時3歳と5歳ではロックされている鍵は開けられないだろうと思っていたら、2階のベッド脇にある 窓が全開だったとき 、心臓が一瞬止まりました」(神奈川県 40代女性) 「マンションの4階、目を離したすきに2歳の娘がベランダの柵によじ登って 布団干しのようにぶら下がって いた。今でもぞっとします」(神奈川県 40代女性) 「子どもが2歳くらいの頃、家の2階から鉛筆と鉛筆削りを持ったまま転げ落ちきたことがあります。擦り傷で済みましたが、とにかく鉛筆が刺さらなくて良かったと今でも思い出すと恐ろしいです」(千葉県 40代女性) 「近所の公園にある5段のジャングルジムで遊んでいた2歳の息子。私がちょっと目を離したら3段目のところで宙ぶらりんになっていて、冷や汗かきました」(千葉県 30代女性) そのほか、「『ママどこ?』と3歳の息子が2階のベランダの 室外機に登り 、下を覗いていた」という背筋の凍るような体験談も寄せられていました。3歳~4歳の子どもについては、活発に動き始める幼児期の子どもはとくに注意が必要そうです。 ■危険5、一瞬のスキをついていなくなる子どもたち また、迷子についての体験談も、多く寄せられていました。 「長女が2歳のとき、2人で公園に遊びに行ったのですが、私が1人でトイレに行って、戻ったら娘がいませんでした。 あわてて探しまくって、警察に電話するのを迷っていたら、駐車場の車の横からひょっこり出てきました。 『よかった~!』と、その場にへたり込んだのを覚えてます」(栃木県 50代男性) 「遊園地のプールに行ったとき、3歳の三男が好き勝手にどんどん進んでいって、人混みで一瞬にして見えなくなり、家族みんなで探しました。ずいぶん離れたわが家のシートの所に1人でちょこんと座っていて、『なんて子だ!』と拍子抜けしたことが忘れられません!」(島根県 40代女性) 「長男が2歳のとき、いつもよく行くスーパーでママ友と少し話をしていたらその隙に勝手におやつコーナーへ行っていました。私は血の気が引き必死に探していると、 おやつを持ってギャンギャン泣き ながら歩いてきました」(北海道 40代女性) 「幼稚園の頃、電車の乗り換え駅で行方不明に。ケンカの最中だったのでふざけているのかと思っていたのですが、何分待っても出てこない! 1時間後、 終点の駅で保護 されていると連絡がありました。迎えに行くと休憩中の駅員さんたちと談笑。喜怒哀楽を濃厚に経験しました」(千葉県 50代女性) 近所の公園やスーパー、レジャー施設や電車など、さまざまな場所で迷子は発生しているようです。子どもを見失って、ドキドキする気持ちは何とも言えないものがありますよね。 筆者自身も、ショッピングモールで3歳の次男を一瞬の間に見失ったことがあります。いなくなったのは数分間のことでしたが、次男を見つけるまでの時間は長く永遠のように感じたことを覚えています。 時に子どもの誘拐事件なども発生している現状を思うと、迷子といえどパパやママたちの心配は尽きません。 ■危険6、自宅で外出先で潜むさまざまな危険 最後に、さまざまな子どもの危険な行動にまつわる体験談をご紹介します。 <自宅に潜む危険> ●ブロックが眉間にあたり傷に。目だったら失明したかも ●鼻の中に子ども用の指輪が入っていて、耳鼻科で取ってもらった ●ベランダで洗濯物を干していたら、子どもに内側から鍵をかけられた ●包丁を握って笑って立っていた ●カーテンタッセルに首をかけて遊んでいた ●かき氷の機械に指を突っ込んでケガをした <外出先に潜む危険> ●冬の下校時に深い用水路に落ちて、たまたま通りかかった人に助けてもらった ●鉄板でヤケドした ●エレベーターの戸袋に巻き込まれた ●コンクリートの柵に頭を入れて抜けなくなった ●車の窓を閉めようとしたら、子どもが窓から手を出していた 生活のさまざまな場面において、子どもたちの行動に驚かされ、冷や冷やさせられているパパやママたちは多いようです。家の中でも、外でも、まさに親が油断するひまはなさそうですね。 ■子どもの危ない行動、親はどうすれば? それでは、親としては、子どもたちの危険な行動とどのように向きあえばいいのでしょうか。 「突発的に走り出したときに対応するために、リードを使っていました。周りにどう思われようが何かあってからじゃ遅いし、誰も責任なんてとってくれるわけでもない。リード使うことにためらいはなかったです」(神奈川県 40代女性) 「小さい頃からずっとハラハラしどおしで、休まる時がありません。『振り返れば奴はいない』の毎日。いまは中学生になりましたが、いまだに事故らないかとハラハラしています。息子のおかげで、 多少のことでは動揺しなく なりました」(愛媛県 40代女性) 「命に関わるようなことでないならば、少しくらいは痛い目をみることも必要かな、なんて思います。これ以上やったらケガをする…など、そのラインを知っておくことも大事なのかなと。それを 学習する機会を奪っている ような気がするので、過保護す過ぎるのも考えものですね」(佐賀県 40代女性) 命の危険から子どもたちを守るために、ある程度干渉や対策が必要だという声が寄せられる一方、子どもがこの先危険から自分で身を守るためにはある程度経験も必要という意見も。 子どもの年齢や性格によっても、親の助けが必要かどうか、答えは異なってくるとは思います。まずは子どもたちに命の危険がないことが最重要。そのうえで、「どういったことが危険なのか」「どこまですると危ないのか」をどう教えていくかも課題となってきそうです。 このようなコメントも寄せられていました。 「生まれた頃は、寝ていても息をしてるか気になり、寝返りをうつようになれば、何か口に入れないか、ハイハイをするようになれば、玄関や吐き出し窓からおちないかなど、成長に伴い肝を冷やすことはあると思います。自分が 死ぬまで肝を冷やしっぱなし かも知れませんね」(埼玉県 50代女性) ここまで、子どもの危険な行動について、親から寄せられた体験談をもとに考えてきました。何よりも大切なのは、子どものたったひとつの命、それはどの親にも共通する思いでしょう。どんなに親が気を付けていても、一瞬の隙をついて起こってしまう事故。それを防ぐためには、今回の体験談などを踏まえて、日々の生活を振り返ってみることも大切なことのひとつではないかと思います。 たしかに、命の危険にまでも及ぶような事故になってしまった場合、親の感じる後悔は想像もできません。「無事五体満足で生きてるのって奇跡」というコメントもありましたが、日々のあたり前の日常のなかで子どもを観察することも、事故予防にはつながりそうな気がします。 子どもの特性、住んでいる環境などによってもヒヤッとすることは違ってくるでしょう。小さなヒヤリが起きてしまったとしても、原因と対策を考えていかれれば、少しでも悲しい事故は減らせると思いたいです。 そしていつか子どもが身を守る術を自分で覚えて、考えて行動できる日が迎えられればうれしいですね。 <子どもを事故から守るための参考サイト> ●消費者庁: 子どもを事故から守る!!事故防止ハンドブック [PDF:8.4MB] ●消費者庁: 子どもの窒息事故に注意! [PDF:501KB] ●消費者庁: 子どもを自転車の事故から守ろう [PDF:599KB] ●東京くらしWEB: 乳幼児の身の回りの製品事故防止ガイド (PDF:2,510KB) ●東京くらしWEB: 小学生の身の回りの事故防止ガイド (PDF:4,319KB) <参考サイト> ※1、消費者庁: 子どもの事故の現状について ※2、消費者庁: 乳幼児の歯ブラシによる事故に注意! Q.お子さまの行動、危ない!と肝を冷やした経験は? アンケート回答数:7191件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年09月08日子どもが成長するに従い、子どもたちだけの社会が形成されていきます。そういったなかで、残念ながら時としていじめが起きてしまうことも。 わが子には被害者にも加害者にもなってほしくないいじめ問題。今回はパパやママたちの体験談をもとに、親にできることを考えてみます。 ■3割以上が「いじめの被害者になったことがある」 アンケートで、子どもがいじめに巻き込まれたことがあるかどうか聞いたところ、「被害者になったことがある」と答えた人が3割を超えて、もっとも多い結果となりました。 また、「両方ある」、「傍観者または加害者になったことがある」とあわせると47.5%となり、約半数の親が子どもの何らかのいじめを経験したことがあるようです。 Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある? いじめの被害者になったことがある 32.8% ない 29.8% わからない 20.6% 両方ある 7.2% 傍観者になったことがある 4.1% いじめの加害者になったことがある 3.4% その他 2.2% ■幼稚園や学校で…いじめの実態 全体の3割以上が「いじめの被害を受けたことがある」と回答したアンケートには、具体的ないじめのエピソードがたくさん集まっていました。まずは、どのようないじめが起きているのか見ていきます。 「小さい頃から仲良く遊んでいたお友だちが、幼稚園に入った途端にグループで うちの子をたたいている のを見たときは凍りつきました。その後幼稚園に行きたくないと言うようになり、夫が相手の家に話をしに行ったら、『 いじめられる方が悪い 』とピシャリ」(滋賀県 40代女性) 「2年生のときに6年生にいじめられていました。学校に相談に行き、なるべく先生や支援員さんがいてくれる環境で対処してくれました。今年になって、息子は 1年生をいじめて います。やめるように言ってもなかなかやめません。今はどうしたら止められるのか試行錯誤しているところです」(静岡県 30代女性) 「4月に小学校に入学したばかりですが、さっそく いじめのターゲット にされてしまいました。最初は様子見していましたが、階段で押されたり足を後ろから踏まれたり危険を伴ってきたので、担任に話していまは解決済みです。 低学年でもいじめがある という現実に驚がくしました」(三重県 40代女性) 「娘が高校1年の時、 部活でいじめ にあいました。先輩や同級生から暴言、目配せして笑われる、仲間外れにされる。先生に相談しても『弱いおまえが悪いんや』って怒鳴られた。ようやく退部できて落ち着いたが、我が子がいじめにあうなど考えてもいなかったし、私が進めてしまった高校だったので責任を感じた」(埼玉県 40代女性) そのほかにも、「小学2年でいじめを受けた息子は精神的にダメージを受け、中学生になったいまでも通院治療中。 心の傷は長期の戦い 」とか、「子どもが 『悪口ノート』 を作られた」など、つらいいじめの告白が集まっていました。 幼稚園や小学校低学年でもいじめがあるとは聞いていましたが、現実的にそこまで いじめの低年齢化 が進んでいるのかと驚きです。また、 いじめの連鎖 やいじめの後も続く 心のケア について訴える声もあり、いじめの深刻さがより身近に伝わってきます。 ■いじめと遊びの境目とは いじめ問題の難しいところは、何をもって「いじめ」とするかというところ。コメントでも、その難しさについての悩みの声が寄せられていました。 「 いじめといじりは紙一重 。長男はすごく体が小さかったので、担いで女子トイレや更衣室に投げ込まれたりして、先生からは『 いじられキャラ です』と説明されました。しかし家では、『つらい』と泣いてました」(大阪府 40代女性) 「小3の息子が、よく消しゴムを粉々にされたり、鉛筆を折られたり、ノートや筆箱に落書きされたりして帰ってきます。相手はふざけてやっているのか、 いじめや嫌がらせ の分類なのか、難しいところ」(福島県 30代女性) 「いじめまで発展してはいませんが、小3の息子がちょくちょく同じ子から ちょっかい をかけられているみたいです」(岩手県 30代女性) 「 いじられキャラ 」や「 嫌がらせ 」、「 ちょっかい 」などというキーワードからは、「いじめ」との明確な違いを見つけることの難しさを実感させられます。 また、している方とされている方との間に、 意識の違い が生じている場合もありそうで、「いじめ」の判定が簡単ではないことがよくわかります。 ■勇気ある行動に出る子どもたち 親たちから寄せられたエピソードのなかには、いじめをみずから解決したり、仲裁したりという子どもたちの勇気ある行動がいくつも集まっていました。 「中2の息子は 平和主義 で、いわゆる『いじめ』を嫌います。性格的にも、男女を問わず嫌がらせを受けている友人を無視することができず、『やめとけ!』と言えるような子です。親としては、『ターゲットが息子に向けられるのでは?』と心配もしましたが、『放っておけばいいから! オレは大丈夫! 』と、強く逞しい内心を聞き安堵(あんど)しました」(広島県 40代女性) 「いじめられている子、いじめている子、分け隔てなく仲良くしていたら 『あいつと仲良くするんだったら仲間はずれにする』と言われた。無視されたりしながら、それでも『どんな子でも 差別したくない 』と、どちらとも変わらず接することをやめなかった」(北海道 30代女性) 「小学生のときに、『1つ解決しても、また違う子からいじめにあう』と言ってきたことがありました。その場で相手に、『なんでそんなことするのか聞いてみなさい』と言ったら、娘はそのとおりに加害者の子に直接聞いてこれまで解決してきました。いまでは、誰かがいじめていたら『 そんなことはしちゃいけない! 』と言える子になりました」(茨城県 30代女性) 大人でもなかなかできないような 勇気ある行動 の数々に、子どもたちの持つ力の大きさを感じます。 ただいじめの仲裁に入ることでみずからが標的になってしまうこともあるため、親としてはどのように伝えればいいのか、本当に実行して大丈夫なのか悩みどころではあります。 でも子どもたちが勇気を持ってみずから起こした勇気ある行動には称賛を送ってあげたいですよね。 ■加害者がわずか「3.4%」に疑問の声も アンケートによると、「いじめの加害者になったことがある」のは わずか3.4% 。いじめは1対多数となることが多いことが考えられ、本来は被害者の数よりも多くなるはず。この結果からはどのようなことが読み解けるのでしょうか。 「被害者率が高いが、加害者側は ただ知らないだけ なんじゃないかって思うほど、子どもの世界を親は知らないものです」(滋賀県 30代女性) 「加害者が少ないことにビックリ。わが子が学校でどうなのか、親子での話し合いをしてる家庭が少ないのかなって感じました」(茨城県 40代女性) 「加害者にも被害者にもなってもらいたくないし、いままでもいじめはないとは思う。でも本当に 『ない』とは言いきれない 。他人がさ細なことだと感じるようなことでも当事者が『いじめ』だと受け止めれば、それは『いじめ』。『ない』と自信を持って答えている方々、大丈夫ですか?」(神奈川県 40代女性) たしかに、被害者だけではなく、子どもが「いじめの加害者になっている」ことにも、親としては気づきにくい現状があるかもしれません。アンケートでも「わからない」と答えた人が2割以上いることから、子どもたちのなかで、どのようなやり取りがあったのか、どんな関係性なのか、すべてを把握するのは至難の業です。 筆者の小学1年生の長男も、最近友だちと帰宅中にもう一人の友だちを走って置き去りにしてきたことがありました。本人が帰宅後、「逃げてきた!」とうれしそうに言ってきたことで発覚。親同士も仲が良かったのですぐに謝罪して事なきを得ましたが、悪気のなかった長男の態度に驚き、反省させられました。 その後、あらためて「なぜしてはいけないのか」「されたらどんな気持ちになるか」について、親子で話し合い、長男自身も涙目になって反省しましたが、「いじめの加害者」と相手には映った可能性もあった出来事でした。 こうしたことは日常で頻繁に起こっているのかもしれません。そうだとすると、だれもがいじめの被害者にも加害者にもなりえるといえそうです。ではそんなとき、親としてはどのようなことができるのでしょうか。 ■子どもが加害者にならないために いじめの加害者にどうしてなってしまうのでしょうか? 「家では良い子の親こそ、学校ではおとなしい下級生に対して弱い者いじめをしているのに、『わが子は優等生だ』と思っている気がする。圧力を親からかけられてる子どもは外で弱い者に圧力をかけるのでは? ある意味 子どもも犠牲者 」(三重県 40代女性) 「いじめをしてしまう子は、 家庭で精神的な問題 があるのだと思う。発見した場合は、いじめる側の子の心の問題も見つけてあげないと、ずっと変わらないのではないかと思います」(三重県 30代女性) たとえば家庭や習い事、そして学校などで、別の問題を抱え、そのストレスによっていじめを始めてしまう…、コメントにもあるように、こういったストレスなどがいじめる側が抱えている可能性はあるかもしれません。でもだからと言って、いじめはけっして許される行為ではありません。 ただ家庭の対応が無力だとも思いたくない。もし家庭でそのストレスを少しでも受け止められれば、いじめの加害者が一人でも減らせるのではないか? そう信じたいものです。 それでは、そのとき親は子どもにどのようなメッセージを伝えればいいのでしょうか。 「『やられたらやり返せ』という教育はダメだと思う。人にやられて嫌だったことは誰かに対してもやっちゃいけないと教えるべき。我慢できないストレスを受けたら、 やり返す以外の対処法 を教えるべき」(千葉県 30代女性) 「相手が嫌だと思ったらその 相手にはそれをしない ことを心がけることだと思います。言葉や行動で誰しも相手を陥れることがあることを、大人も子どももしっかり認識すべきだと思います」(神奈川県 30代女性) 「どんな場合でも、 大勢対一人は卑怯(ひきょう) 。大勢で一人をいじめるのは絶対あってはならないことだと、親は厳しく教えていかなきゃいけないと思います」(佐賀県 40代女性) たしかに、「 相手が嫌がること 」を想像できたなら、「 相手が嫌がることをしない 」と子どもたちが立ち止まって考えられるかもしれません。さらに、あたり前のことではありますが、「大勢対一人」という構図は絶対にダメだということを伝え続けることも重要なポイントになりそうです。 ■子どもをいじめの被害者にさせない 最後に、子どもがいじめの被害者にならないためにすべきこと、また、いじめの被害者になってしまったら親としてどう対処すればいいか、考えてみたいと思います。 ●子どもの出すSOSを見逃さない 「いじめの被害者になったとき、子どもの 目に覇気を感じなかった ので問いかけました。自分から言えない子どもが多いので、『わが子は大丈夫』じゃなく、基本的に信じるべきですが、疑うべきでもあります」(徳島県 40代男性) 「何でも話しやすいように小言はぐっと我慢して、子どもの学校の話を聞いてます。子どもも自分からいじめの話をしたくないんですよね。ふさぎ込んでたり、変なテンションだったりしないか、いつも気にかけます」(東京都 40代女性) ●子どもに寄り添い守ってあげる 「いじめまでとは言わないけれど、仲良くしていた子とギクシャクしていた。大切にしていたお友だちだったので、メンタルが心配でしたが、 できるだけ寄り添って 話を聞いてあげました」(岩手県 40代女性) 「息子が幼稚園の頃、毎日のように意地悪されていた。幼稚園も学校も、先生がいるとは言え、大人の目が届きにくい子どもたちだけの社会。自分の子どもの声を拾い、 子どもを守るのは自分しかいない のだと親は認識すべきでしょうね」(東京都 50代女性) ●子どもを見守る 「息子が一度いじめられてると話してきました。びっくりしましたが、本人は『 自分で解決する! 』と勇気ある一言。息子には『どうしてもうまくいかないときは相談してね』と伝えました。今では人の気持ちをくみとれる優しい息子になっています」(石川県 40代女性) ●相手や学校に相談して連携する 「深刻なからかいではなくふざけ合いの延長みたいな感じでしたが、どうしても許せないことは、話を聞いた上で相手の子に話をしました。学校の先生には恵まれたので、よく相談もして、 学校、家庭、本人の連携 で問題は乗り切っていたと思います」(山梨県 50代女性) ●学校をやめることも視野に入れる 「いじめられている友だちを助けて娘が標的に。下駄箱の上履きに画びょう、クラスに机がない、物がなくなるなど散々でした…。その後、 学校を転校 しました」(千葉県 50代女性) ここまで、子どものいじめについて、加害者、被害者どちらにもならないための方法について考えてきました。最後にこのようなコメントも紹介したいと思います。 「いじめに関わらない人間なんていないと思うんです。見て見ぬふりもいじめだと思います。いじめられてつらい思いをしても、今度はいじめる側。大人になってもいじめはなくなりません。もっと 相手を思いやる気持ち を持たないといけないですよね」(福島県 40代女性) 「いじめがニュースになる度に、子どもに『あなたはどう?』と いじめについての話し合い をして『傍観者になるな』って言っています」(茨城県 40代女性) もしかしたら、「傍観者になる」人たちが一番多いのかもしれませんね。いじめられるのが怖くて、見て見ぬふりをしてしまうということは、親の私たちにも身に覚えがある人は多いでしょう。いじめていた子が、次の日にはいじめられる側になるかもしれない。どんなときにも、 「相手を思いやる気持ち」 が必要だと感じます。 「あなたは大切な存在」と親が子どもに伝え、子ども自身もそう思えたら、自分のことも相手のことも大切にしていこうという気持ちが芽生えるのかもしれません。そのことだけは、できる限り親から子どもに、言葉だけではなく行動でも示していきたいなと思います。 「大人になってもいじめはある」というコメントも多く目にしました。実際に、いじめ問題は子どものものだけでなく、大人間でも問題となることがたびたびあります。親である自分たちが、お手本となれるように、相手に思いやりを持ち、普段から「いじめは絶対にしてはいけないことだ」と行動で示していきたいものですね。 Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある? アンケート回答数:5222件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年09月01日「死なないで…」 子どもの自殺がもっとも多いといわれる9月1日に、祈るようにこの言葉をつぶやいていた 樹木希林さん 。樹木さんの娘の内田也哉子さんが母の言葉を残そうと、 『9月1日 母からのバトン』 という書籍が生まれました。 1回目では樹木さんの言葉の意味するところ、伝えたかったメッセージについて考えてきました。 今回は、 「学校に行くのってあたり前なの?」 というテーマで、学校以外の選択肢や具体的に親子が救われる方法について、前回に引き続き 不登校新聞の石井志昂(いしい しこう)編集長 といっしょに考えていきたいと思います。 「『学校に行けない子どもたち』に最後まで想いを寄せ続けたワケ」 の続きです。 ■「学校に行くのがあたり前」の日本で苦しむ親子 小学1年生になると、日本では義務教育が始まり、社会のあたり前のこととして、子どもたちは学校に通います。 石井さんは、「不登校っていまの学歴社会のなかでは一大事なわけです。だから、将来を考えたときに、親は心配で学校に行かせたいと思うのは当然ですよね。ただ、 『学校がすべて』 だと親が思っていると、子どもは “学校に行ける子”だけが存在価値がある と思って苦しんでしまいます」と話します。 そんな「あたり前」という風潮がある学校との付き合い方において、樹木さんは彼女ならではの考え方を発揮し、まだ小学生だった頃の内田さんにこんな言葉をかけたといいます。 東京の公立だったんですけど、そのときはすごく合わなかったですねえ。私という“異物”が突然入ってきたことで、そのクラスにあったコミュニティがざわざわしてしまって。今思えば“いじめ”だったと思うんですけど、お友達ができないまま数か月を過ごして、毎日泣いて家に帰っていました。 (中略) ある日、私があんまりつらそうだったからか、「やめれば?」と言ってきたんですよね。「そんなにつらいのに、何をガマンしてるの。やめればいいじゃない」って。私まだ、「やめる」の「や」の字も言ってないのに(笑)。 出典: 『9月1日 母からのバトン』 この樹木さんの言葉について石井さんは、「大事なのは、学校が主なのではなくて、 『子どもが主』 だという軸をしっかりとしておくことです。樹木さんのように、大事なのはあくまでも“あなた”なんだということを、子どもに伝えてあげることが大切です」と考察します。 ただ、「やめればいいじゃない」と娘に伝えた母親としての樹木さんの対応は、常識にとらわれていては、なかなかできるものではありません。子どもが主であるという軸がしっかりあったからこそ、こうした発言ができたのだろうと思うと、「肝が据わっているな」と石井さんは感心していました。 ■不登校だからって将来は決まらない それでは、「学校には行かない」と決めたとして、その後どうすればいいのか。樹木さんは書籍のなかで、このように語っています。 不登校でも、ある日ふっと何かのきっかけで、学校はやめるかもしれないけど、もっと自分に合った、っていうと自分中心だけどそうじゃなくて、自分がいることによって、人が、世の中が、ちょっとウキウキするようなものに出会うということが、絶対にあると思うの。 出典: 『9月1日 母からのバトン』 子どもたちにとって、自分がワクワクできるようなものを見つけるまでは、おそらく紆余曲折あることでしょう。不登校になった子どもたちは、どのように成長していくのでしょうか。 文部科学省では、15歳で不登校だった子どもたちに、5年後「自分の不登校を振り返ってどう思うか」という調査を行っていて、「行けばよかった」が38.9%、「仕方がなかった」が31.7%、「何とも思わない」と「行かなくてよかった」が29.3%と、「否定」、「肯定」、「どちらとも言えない」という回答が、それぞれ大体3分の1ずつに分かれています(※)。 この結果から、「不登校については、 肯定と否定のどちらかはっきり答えられない実情 が見えます。ただ、みんなそれなりに山あり谷ありの人生を送り、大人になっていく。不登校だから将来こうなるということは言えないのです」と石井さんは分析します。 ■子どもにとっての「居場所」は外にあるとは限らない 書籍では、ロバート・キャンベルさんが「学校以外にも 魅力的なハッチ(非常口) が必要だ」と語られています。子どもたちにとってどんな場所が非常口となるのでしょうか。 義務教育期間の子どもたちにとって、学校以外の選択肢を石井さんに教えてもらいました。 【学校以外の主な選択肢(小中学生)】 ●教育支援センター(適応指導教室) 小中学校の不登校児童や生徒を指導、支援するため、全国の市町村の教育委員会が設置している。学校以外の場所や学校の余裕教室を使って開催されていて、無料で利用できる ●フリースクール 民間の教育機関で、利用料金の月額平均は33000円。全国に約500か所あり、その目的はそれぞれ異なっていて、内容もさまざま ●ホームエデュケーション 家庭をベースに学び育っていく教育方法のこと 「魅力的なハッチ(非常口)」となる子どもたちに合った居場所の見つけ方については、石井さんは次のようにアドバイスします。 「子どものために開かれている場所には必ず人が集まってきます。その場所の人の集まり具合を見ること、そしてその場にいる子どもたちの表情を確認してください。子どもって、心から楽しければ笑顔が出ますから」(石井さん) さらに石井さんは、「子どもにとって 必ずしも居場所は外にあるわけではない 」と言います。「子どもにとっての居場所が、“自分の部屋”ということも大いにありえます。本人が 『いま、そこにいたい』と思える場所 を尊重してあげてほしいですね」と話します。 ■子どもが心を閉ざす前に、親ができること 書籍の中で、内田さんが母として不登校への向きあい方について、悩み、答えを探る様子がつづられています。不登校経験者との対談のなかで、内田さんは次のように問いかけます。 私も、息子や娘が心を閉ざす瞬間に「もうちょっとヒントちょうだい!」って思っちゃう。「間違えたことを言っちゃってるんだったら、どの部分がダメだったのかを教えて」って。 出典: 『9月1日 母からのバトン』 この内田さんの切実な想いの根底にあるのは、「親が子どもとどのように関わるのが正解なのかわからない」という想いなのかもしれません。この問いかけに対して不登校経験者は、 「親との距離が近すぎたこと」 と回答しています。 石井さんも「私自身もそうだったのですが、親との距離が近すぎて、その期待に答えられず悩んでいる子どもは多くいます。毎日顔を突き合わせるなかで、煮詰まってきてお互いに苦しくなり、いがみあってしまう親子もこれまで目にしてきました」と語ります。 お互いの幸せを願っているはずの親子間で、そうした悲しいすれ違いを起こさないためには、どのようにすればいいのでしょうか。石井さんは取材をするなかで、親子の分離がまったくできていない人と出会ったそうです。 「幼児期は親のケアを必要としますが、子どもはどんどん自立しはじめますよね。親として戸惑いがあるのは当然だと思います。それでもやはり、 親と子は別人 で、親は他人として子どもを支えるんだという距離感は必要です」と石井さんはアドバイスします。 親にとっては、失敗が許されないと思える子育ての現状。しかし石井さんによると、不登校をきっかけに、 親子関係を再構築 する人も多いといいます。 親子の「距離感」はとても難しい問題で、簡単に正解は見つかりません。でも、親は子どもの意志を支えるということを意識しておくことが大切なのかもしれません。 ■「この子があぶない!」親だけができることとは? 樹木さんが亡くなる直前に思いをはせていた9月1日、今年もまもなくその日が訪れます。実際に親たちは、夏休み中の子どもたちのどんな様子に気をつければいいのでしょうか。石井さんによると、注意するのは次の4つのポイントです。 【夏休み中の子どもに注意すべきポイント4つ】 ・食欲がわかない ・眠れない ・イライラして情緒不安 ・勉強が手につかない もし子どもたちにこのような様子があれば、「すぐにでも学校から距離を取らせてあげた方がいい」と石井さんは言います。 「親が 『この子は危ない』と感じる勘 を信じてください。それが一番間違いないからです。『学校に無理して行かなくてもいいんだよ』という最初の“ドクターストップ”をかけてあげられるのは、専門家ではなく 一番身近な親だけ なんです。その後、医師などの専門家に相談してください」と石井さんは語気を強めました。 「死なないで、ね……どうか、生きてください……」という樹木さんから届けられたメッセージ。親自身が一人ひとりしっかりと受け止め、子どもたちの様子を見て、最初に対応してあげる必要性を強く感じます。 ■樹木希林流「親がつらいときの対処法」 最後に、樹木希林流のしんどい時の対処法について、考えてみたいと思います。樹木さんは、「しんどいときにどうやり過ごすか」という質問に対して、「笑う」と答えています。 私にもしんどいときはもちろんあります。 (中略) しんどいんだけど、そのときにしんどいって顔をしないで、こうやって笑うの。笑うのよ。ね? あんた頑張ったわよって、頭をなでて、笑う。 ほかの人がいるときにそうやってたら馬鹿みたいだけど(笑)、そうやって笑って、「いいなあ、いいなあ」って言ってるうちに忘れちゃうの。 出典: 『9月1日 母からのバトン』 内田さんも樹木さんから生前にこのアドバイスを教わり、実際にやってみたそうです。「本当に無気力になって、もうこれは笑えないないと思った時にそれをやってみたら、心なしか気持ちが軽くなっていって、バカバカしいことをしている自分に対してクスッと笑えた」と書籍で打ち明けています。 “しんどいときに笑う” 。なかなか難しいとは思えますが、不登校の子どもに対しても、親はできれば笑顔でいてほしいと石井さんも話します。 「子どもが不登校になると、どうしても思いつめてしまうとは思いますが、できれば悲しむ様子や涙は外で出して、子どもの前では見せないであげてほしい。 親の楽しそうな様子や笑顔 は、理屈ではなく 子どもを勇気づけ ますよ」(石井さん) ここまで樹木さんの言葉をもとに、石井さんと学校に行きづらいと悩んでいる子ども、そして親との関わりについて考えてきました。 いま学校に行くことがつらい人、「学校に行けない」ということを言えない人、“みんな”と同じようにできなくて苦しんでいる人がいるかもしれません。そして子どもの想いと将来を思いやって、どうすることが正解なのか苦悩している親御さんもいるでしょう。 樹木さんの人生を通じて語られた言葉は、大きな学びとなったように思います。樹木さんと内田さん母娘の思いに触れて、あらためて自分自身は親として子どもに何ができるのか、考えるきっかけにしてはいかがでしょうか? 樹木さんは、次のようなメッセージを贈っています。 この子の苦しみに寄り添うしかないのよね。だから、ああしろ、こうしろとは、もちろん言わない。言って治るようならとっくに治ってるでしょう? 出典: 『9月1日 母からのバトン』 「9月1日」子どもたちみんなに居場所がありますように。 ■樹木 希林さん、内田 也哉子さんの著書 『9月1日 母からのバトン』 (ポプラ社 ¥1,620(税込み)) 女優・樹木希林さんが生前、不登校の子どもたちへの思いを語った言葉などをもとに、娘の内田也哉子さんがさまざまな立場の人たちと対談しながら、その考えをたどる様子を記録した書籍。今回取材した不登校新聞の石井編集長が樹木さんを取材した記録や内田さんと対談した様子も収録されています。 ●不登校新聞とは 1998年に創刊された不登校に関する専門誌。当事者の視点を大切に、不登校についての情報を発信し続けている。 ●石井志昂(いしい・しこう)さんプロフィール 1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行ってきた。 <参考サイト> ※文部科学省: 「不登校に関する実態調査」
2019年08月26日子どもが生まれると、保育園に始まり、学校や習い事など、数々の局面で親としての選択を迫られることがありますよね。そんなときに、「子どもの生き方」について思いを寄せることもあるかもしれません。 子どもたちが歩む人生にはさまざまな選択肢が待ち受けていますが、そんなときに親としてはどのように関わればいいのでしょうか。子どもの生き方についてのアンケートをもとに、考えてみたいと思います。 ■「自分のような生き方をしてほしい」親はたった3割!? アンケートでは、子どもに自分のような生き方をしてもらいたいか聞きました。その結果、「すごくそう思う」、「そう思う」、「少しそう思う」と答えた人があわせて32.3%となり、その度合いに大小はあるものの「子どもに自分のような生き方をしてほしい」と思っている親は約3割にとどまることがわかりました。 一方で、「思わない」という回答は65.5%となり、6割以上の親たちが「自分のような生き方をしてほしくない」とは考えているようです。 Q.子どもには自分のような生き方をしてほしい? すごくそう思う 8.3% そう思う 6.1% 少しそう思う 17.9% 思わない 65.5% その他 2.2% ■親の思い1、「諦めた夢、子どもにはかなえさせたい」 それでは、まずは 「自分のような生き方はしてほしくない」 と考えている親たちの思いについて、掘り下げていきたいと思います。 「私は学生時代、 友だちとは自由に遊べない 、夢を持つこと、何かをやり遂げることができない家庭環境だったので、娘には自分をしっかり持って生きていってほしいです」(鳥取県 40代女性) 「幼少期に 否定されて育った ため、かなりマイナス思考な自分のようにはなってほしくないです。わが子には『いーじゃん! やってみよー!』と言うように心掛けております」(愛知県 40代男性) 「バブルに踊らされ、 人生しくじりどん底見ている ので、子どもたちには後悔しない人生を歩んでほしい」(三重県 50代女性) 「私は、 経済的に夢を諦めた ので子どもたちには、自分の夢をかなえてほしいです。夢をかなえてあげられるように、自分もがんばろうと思います」(静岡県 40代女性) どのコメントからも、自らのつらい経験を思い返して、子どもにはできれば同じ思いはさせたくないと考える親の気持ちが伝わってきます。 ほかにも、「自分のように モラハラな男性とは結婚しないで 」とか、「生活のためにいやいやしている仕事なので、子どもにはそんな仕事はさせたくない」などという切実な声も届いていました。 家庭環境や経済状況、また結婚や仕事など、人生のさまざまな局面で、親自身も苦労してきた場合、どうしても子どもには 同じつらさを経験させたくない と思ってしまいますよね。大事な存在だからこそ、守ってあげたいという親の思いが伝わってきます。 ■親の思い2、「子どもは自分のコピーじゃない!」 また、子どもと親は別の人間だから同じ人生は歩めないという意見も多く寄せられていました。 「子どもには 自分とは違う可能性がある ので、その可能性を少しでもサポートしていけたらと思う」(愛媛県 40代男性) 「子どもは 自分のコピーではない 。性格や特性が違うから、自分に合った生き方をしてほしい」(千葉県 50代女性) 「小3の長女に対して、義母も夫も『将来は○○になるのが一番!』など勝手に将来を決めてうるさく言うけど、 娘の将来は娘のもの 。親なんて二の次で良いと思う」(茨城県 30代女性) 筆者は男子2人の母なのですが、長男は自分と性格がまったく違うため、何をするときも少し離れたところから応援してきました。しかし、次男とは性格がとても似ていて、失敗の予測がつきやすく、 つい口出しをしてしまう ことが多くなってしまいがちです。 子どもが歩む人生を見据えつつ、どの程度のサポートをしてあげればいいのか、悩みは深まるばかりです。 ■親の思い3、「私以上の幸せに」 なかには「自分よりもいい人生を送ってほしい」という願いを抱く親たちもいるようです。 「生き方とか人生観とか難しい話はともかく、子どもには 自分以上に幸せになってほしい と思うのが親心」(千葉県 40代女性) 「『何となく』、その言葉がぴったりの私の人生でした。先を深く考えず決める事ばかりで、後悔しまくりです。 同じ人生を歩んでほしくない ので、いろんな知識や常識を子どもには教えています」(神奈川県 30代女性) 「自分の今までを全部否定する訳ではありませんが、 私の様にはなってほしくない 。嫌なことも良いこともいろいろな経験をして、後悔のないような生き方をしてほしいと思います」(岩手県 40代女性) そのほかにも「しっかり勉強して、知識、社会性、専門性を身に付けて 親を越えて行って ほしい」という声もありました。 たしかに、親としては子どもにはいい人生を送ってほしいと思うものですよね。そして比較できるものではありませんが、自分が歩んだものよりもいい人生を送ってほしいと考えてしまうのは、あたり前なのかもしれません。 ■親の思い4、「自分を見て同じ道を歩いて」 一方、 「自分のような生き方をしてもらいたい」 と考えている人たちは、どのような考えを持っているのでしょうか。 「『後悔のないように前進あるのみ!』というのが私のポリシー。そんな姿を見て、 同じ道を歩いてくれている 娘です」(宮崎県 40代女性) 「信頼できる最愛のパートナーと結ばれ、かわいい子宝に恵まれてほしい。温かい家庭と信頼関係、そこだけは、 自分と同じような生き方になって ほしいな」(宮城県 30代女性) 「子どもの頃からなりたかった職業につき、やりがいをもって仕事ができていて、嫁ぎ先でたくさんの良い友人ができて毎日楽しく過ごせている。娘にも息子にも自分がやりたいことを見つけ、楽しく 充実した生活を送ってほしい なと思います」(神奈川県 40代女性) そのほかには、「学校を出て、普通に就職して家庭をもった。子どもにも同じような人生を送ってほしい」、「子どもには自分と同じように早く結婚して出産してもらいたい」などという、それぞれの人生を経た経験から来るアドバイスが寄せられていました。 100%同じ人生を送ることはできなくても、自分が人生で「よかった」と思えたことは、子どもにもできれば同じように経験させてあげたいと思う人も多いでしょう。 人生の先輩だからこそ の親の助言ができるポイントにもなりそうですね。 ■子どもに身につけてほしい力とは 子どもに「親と同じような生き方」または「まったく異なる生き方」を望むとしても、親はどのような力を子どもに身につけてほしいと願っているのでしょうか? 「自分の思うように生きてほしい。自分の選んだ道なら、失敗も受け入れざるを得ないし、その失敗の痛みと、はい上がる力、成功の快感を感じながら、 なりたい自分になってほしい 」(神奈川県 40代女性) 「今は、私の時代とは全く違います。どんなに生きづらい世の中でも、 強く楽しくまっすぐに 歩んでいってほしいと願っています」(茨城県 40代女性) 「元気で 人の気持ちがわかる人間 になってほしい。うそ付かずに、真っすぐな人間になってほしいです」(埼玉県 40代女性) 「『あなたに会えてほんとうによかった』、そう言われる生き方をしてほしい。ただそれだけです」(東京都 40代女性) 「 人の迷惑にならない 、犯罪を犯さない、できれば社会の役に立つ人間になってほしいです」(東京都 40代女性) 「とにかく、事故や病気で 親より早く逝く事がないよう に、大人になってほしいです」(埼玉県 40代女性) 「一人一人、顔や性格が、違うように、生き方も違うと、思います。誰かのまねではなく、自分の人生を思い切り生きてほしい。願うなら、人に囲まれ、 笑顔の多い人生を 」(愛媛県 40代女性) ■子どもの人生に親はどうかかわるべき? それでは親としては、子どもの生き方にどのように関わっていけばいいのでしょうか。いくつか、コメントからヒントが見つけられそうです。 「子どもは 親と同じような生き方 をしなくてもいい。自分のありようを考えながら、つまずきながらでも。つまずいた時は、立ち止まってまた歩けばいいのです。歩き出すサポートはいくらでもします」(山梨県 50代女性) 「子の可能性や将来の選択肢の 幅を広げる手伝いまでが親の仕事 」(宮崎県 40代女性) 「子どもの人生は親が決めるものでもないし、親が決めていいものでもない。しかし、親を見てその後をついていきたいと思われるように、 自分を磨いていきたい 」(茨城県 30代男性) 「適当に生きてきた事を後悔してるので子どもには私の失敗談をたくさん話して 反面教師にしてほしい 。適当に過ごすのではなく、自分できちんと考えて進んでいってほしい」(奈良県 30代女性) ここまで、子どもの生き方について、親の人生との関わりも含めて考えてきました。さまざまな理由から、子どもに親のような生き方をしてもらいたい人としてもらいたくない人がいること、その背景には親自身が生きてきた人生が大きく関わっていることが理解できます。 寄せられたコメントのなかでもっとも多く出てきた言葉は、「子どもの人生は子どもの人生」というもの。子どもを心配する気持ちから、つい口出ししてしまったり、先回りして失敗を遠ざけたりしてしまう親のふるまいは、時に重要な役割を果たすこともあります。 ただ、その度合いによっては、子どもの道を邪魔してしまいかねない場合もあるかもしれません。親と子の人生は別物だということを、強く認識しておく必要があるのだと痛感させられます。 子どもの人生を考えるとき、忘れがちとなってしまう「自分の人生」。親と子の人生が同一のものではないということは、親の人生も親だけのものでもあります。もちろん親としてふるまわなければいけない側面もあるでしょうし、子育て中に我慢しなければいけないこともあるでしょう。 でもパパママである前に、一人の人間として「したいことをする」「夢を持ってみる」「毎日を楽しく過ごしてみる」ことも、とっても大事なことだと思います。子どもの人生を応援しつつも、自分の人生を楽しむ親の姿は、子どもにも希望と勇気を与えられそうな気がします。 Q.子どもには自分のような生き方をしてほしい? アンケート回答数:4974件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年08月25日「死なないで、ね……どうか、生きてください……」 亡くなる2週間前にこんな言葉を残したのは、昨年2018年9月に亡くなった女優の 樹木希林さん 。樹木さんは、学校に行けなくてつらい思いをしている子どもたちにメッセージを贈っていました。 樹木さんが不登校などについて生前語った言葉と、その娘である 内田也哉子さん がその思いを受けて語った内容がつづられた書籍 『9月1日 母からのバトン』 が発売されました。 樹木さんに取材経験があり、書籍内で内田さんとも対談されている不登校新聞の石井志昂(いしい しこう)編集長とともに、不登校で悩む親子に対する樹木さんからのメッセージを読み解きたいと思います。 お話をうかがったのは… ●石井志昂(いしい・しこう)さん 1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行ってきた。 ●不登校新聞とは 1998年に創刊された不登校に関する専門誌。当事者の視点を大切に、不登校についての情報を発信し続けている。 ■樹木希林さんの言葉が持つ力 「死なないで、ね……どうか、生きてください……」 去年の9月1日、母は入院していた病室の窓の外に向かって、涙をこらえながら、繰り返し何かに語りかけていました。あまりの突然の出来事に、私は母の気が触れてしまったのかと動揺しました。それから、なぜそんなことをしているのか問いただすと、 「今日は、学校に行けない子どもたちが大勢、自殺してしまう日なの」 「もったいない、あまりに命がもったいない……」 と、ひと言ひと言を絞り出すように教えてくれました。 この2週間後に、母は75年の生涯に幕を閉じました。 出典: 『9月1日 母からのバトン』 より 夏休み明けの 9月1日は、子どもの自殺が最も多くなる日 。内閣府の調査でも明らかになったこの数字(※1)。書籍の冒頭で、亡くなる直前に病床で語られた樹木さんが語られた言葉は胸に迫るものがあります。 書籍には、生前語られた樹木さんの言葉がつづられています。そして樹木さんのメッセージは、子どもたちからの切実なSOSの代弁にも感じられ、さらに親に対する思いも込められていました。 ■樹木希林さんは、なぜ不登校の子どもに思いをよせたのか? 石井さんが初めて樹木さんと会ったのは、2014年7月。不登校新聞の取材に、樹木さんが答えたときのことでした。 「こちらは不登校について話を聞く。樹木さんは自分が人生で得たものについて答える。お互いに生きざまのぶつけ合いのような取材でした。直接的な答えがなかったとしても、希林節の言葉が不思議と心に響く。信じられないくらいおもしろい取材ができました」と石井さんは振り返ります。 その後、2015年に再び樹木さんに会った石井さんは、「毎年9月1日前後に、18歳までの若い人たちがたくさん自殺している現状」を伝えます。そのとき「自殺するよりはもうちょっと待って、世の中を見ててほしい」と語った樹木さんが、この日のことをその後もずっと覚えてくれていたのだと、娘の内田さんからの連絡で知ります。 「樹木さんが、自分と同じ気持ちでいてくれたことを知り、感動で震えました。闘っているのは自分だけじゃないんだと思えましたね」(石井さん) ■樹木希林さんの「親としての価値観」とは 書籍では、樹木さんの娘である内田さんが、さまざまな立場の人たちと対談しながら、樹木さんの思いをたどっていきます。 樹木さんは母親としてどのような考えだったのか、書籍からみえてきたことは、 「親の価値観」 の持ち方を重視していたということです。 子どもには子どもの社会があるんですよね。大人から見て「そんなの!」って言ったってだめだから。そういうときはもう、寄り添ってやるしかないかなと思っています。 (中略) 不登校の子どもよりも、私は親の価値観(の問題)なんだと思うんです。もっと、何かと比べるとかはなしでいいじゃないですか。違っててもいい。 出典: 『9月1日 母からのバトン』 より 親にとっては、子どもが不登校になるのは人生の一大事で、どうしても学校に行けるほかの子どもと比べてしまいがちです。 でも樹木さんの言葉からは、そういった状況のなかでも「親の価値観」をしっかりと持ち、子どもの個性を 「違っていてもいい」 と認めてあげることのほうが大切だという考えが伝わってきます。 ■苦しみは「わかってもらえなくてあたり前」という考え 自身も不登校の経験があり、「不登校新聞」の取材で多くの不登校の子どもたち、親と話す機会がある石井さんによると、親とくに母親は、子どもが不登校になると、深く傷つくのだそうです。 「 『私がダメな母親だから、子どもが不登校になった』という加害意識 と、『でもだれも助けてくれなかった』という被害意識が堂々巡りして、母親は、 孤独な状態に追い込まれて いきます」(石井さん) そんな母親たちにとって、同じ立場の人と出会い、自分が置かれている大変な状況を認識して、「自分自身も救われていいんだ」と思えることが、大切なのだそう。 そうした傷つき、孤独な親の気持ちにも、樹木さんは思いを寄せていました。 みんなそれぞれの苦しみを抱えてられていることがわかったんだけど、それを「わかってくれ」って、「わかってくれない」って、嘆いてもはじまらないの。わからないの、人の苦しみは。(中略) 「わかってもらえなくて当たり前なんだ」と思ったときに、もっと楽になっていくんじゃないかな、というふうに思いました。 出典: 『9月1日 母からのバトン』 より 「自分の苦しみはわかってもらえなくて当然」 という樹木さんの言葉は、一見突き放したようにも思えます。ただ、樹木さんは苦しみから救われるために、「自分でも不幸な思いをした人が、不幸な思いで苦しんでいる人に会ったときに、すごく気持ちをわかってあげられることがある。それが ”寄り添う” こと」とも語り、同じ立場の者同士が寄り添い、理解し合うことをすすめています。 「子どもの気持ちを理解したいのに、わからない」とか「だれもこの苦しみをわかってくれない」とつらい状況にいる親の気持ちに寄り添ったうえで、親をその苦しみから解放してあげる術を樹木さんは考えていたのかもしれません。 また「同じ悩みを持つ人同士が話し合う」という方法については、石井さんも「不登校の子どもやその親にも当てはまる。私自身、不登校になって初めてフリースクールに行ったときは、 ”自分だけじゃないんだ” と体に入ってくる安心感がありました。親も同じで、同じ立場の人と出会うだけですごく安心できるんです」と、同調しました。 ■子どもの最後の命綱を握れたという信頼関係 9月1日に寄せた樹木さんからのメッセージ。一体私たちはどのように受け止めればいいのでしょうか。石井さんは、不登校の子どもをもつ親に対して、 「どうか自分を責めすぎないでほしい」 とメッセージを送ります。 不登校になったきっかけについて、文部科学省の調査によると、小学生では「家庭生活が起因する」とする答えた人が54.1%ともっとも多くなります。そして中学生では「学校生活に起因する」の割合がもっとも高くなります(※2)。 石井さんは、こうした不登校理由の1位が「家庭」となることもあって、責任を感じすぎてしまう親が多いと言います。しかし、「『不登校になって、 家で引きこもることで苦しさを出せた 』ということは、それだけ親を信頼していることの表れ」だとも話します。 「 『あなたの子育ては間違いじゃなかった』 ということをぜひ親御さんには伝えたいです。不登校になった子が 命綱を親に差し出し、その命綱を親が握ることができたこと 。そういう信頼関係を築けたことを親は誇りにしてもらいたいんです」(石井さん) さて、ここまで樹木さんの言葉を石井さんといっしょにひもとき、不登校への親の対応や意識の持ち方について考えてきました。樹木さんならではの言葉はどのように胸に響いたでしょうか。 次回は、「学校に行くことって当たり前?」というテーマで、より具体的な対策について引き続き石井さんとともに考えていきたいと思います。 ■樹木 希林さん、内田 也哉子さんの著書 『9月1日 母からのバトン』 (ポプラ社 ¥1,620(税込み)) 女優・樹木希林さんが生前、不登校の子どもたちへの思いを語った言葉などをもとに、娘の内田也哉子さんがさまざまな立場の人たちと対談しながら、その考えをたどる様子を記録した書籍。今回取材した不登校新聞の石井編集長が樹木さんを取材した記録や内田さんと対談した様子も収録されています。 <参考サイト> ※1、内閣府: 「学生・生徒等の自殺をめぐる状況」 ※2、文部科学省: 「平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」 (PDF:3006KB)
2019年08月25日子どもたちから何気なくかけられた言葉に、思わず胸がキュンとした経験はありませんか。忙しい日々の中で、そうした言葉はパパやママたちの大きな励みになりますよね。 今回は、アンケートに寄せられた子どもたちの胸キュンな言葉とエピソードをご紹介したいと思います。 ■子どもの発言に胸キュンする親が8割超え アンケートで、胸キュンした子どもの名言があるかどうか聞いたところ、8割以上が「ある」と答え、多くの人たちが子どもたちの発言に心を動かされたことがあることがわかりました。 Q. 胸キュンした子どもの名言ある? ある 83.5% ない 13.9% その他 2.6% ■胸キュン1、「大好きなママの笑顔が見たいから」 子どもたちから親に向けて、気持ちを率直に伝えてくれることに胸がキュンとしたというコメントから見ていきましょう。 「息子から小学校の謝恩会で渡された手紙に 『どんなことがあっても、お母さんは俺のこと理解して受けとめてくれて、 いつでも味方でいてくれたね 』って。感激しすぎて涙が止まらなくなりました」(岩手県 40代女性) 「家族の俳句を作る宿題で、小3の息子が 『大好きなママの笑顔がみたいから』 と書いていた。ホロリと涙が出ました」(茨城県 40代女性) 「1年生のわが子。『給食おいしかった!』と笑顔で帰宅。その後、『でもね、 ママのご飯が1番だった! 』ですって。その日は張り切ってハンバーグを作ってあげました」(愛知県 30代女性) 「大好き」の言葉にキュンとしているというコメントが多数! 忙しい日々のなか、心が少しすさんでしまったときに「大好き」と言われたら、じーんとしてしまう気持ちには共感しかないですよね。 筆者の1年生の息子も、ママ宛てに「だいすき」というお手紙を書くのにハマっていた時期があり、すべて大事にとってあります。少し気は早いですが、将来反抗期が来たらその手紙を見て癒やされる予定です。 ■胸キュン2、「愛してくれてありがとう」 さらに、パパやママたちの大きな力になっているのは子どもたちからの感謝の言葉。さまざまな種類の「ありがとう」に胸キュンしたエピソードが寄せられていました。 「5歳の息子がふと、『ママ、 産んでくれてありがとう 』と言ってくれた時に、キュンとしました」(広島県 40代女性) 「『いただきます、 ママありがとう 』。2歳の息子が、ご飯を食べる前に必ず言ってくれます。この言葉で幸せになれます」(広島県 20代女性) 「小学校卒業時にもらった娘の手紙のなかの一言。 『愛してくれてありがとう』 。1人の人間として人を愛する大切さと喜びを、愛されるよりも愛することの偉大さを、娘から教えてもらいました」(新潟県 40代女性) ほかにも、パパから「『僕たちのために仕事がんばってくれてありがとう』って言われて泣きそうになった」というコメントも寄せられていました。 どのエピソードを読んでも、それぞれの家庭で記憶に残るステキな思い出になっていることがわかりますね。親としては、子どもから「ありがとう」と言われると、「いやいや、こちらこそありがとうだよ!」と思ってしまうことも。つくづく 「ありがとう」の持つ力は強大 だなと実感させられます。 ■胸キュン3、「パパに心がチュウになった」 なかには、「もしかして詩人なの?」と思ってしまうような想像力豊かな発言も寄せられていました。 「朝目覚めた時に、私の方にコロコロ転がってきて 『お届け物で~す!』 」(神奈川県 40代女性) 「4才の娘に 『パパに心がチュウになった』 と言われ、チュウされた」(茨城県 30代男性) 「娘が保育園児の頃、強風の日に洗濯物を見て 『ケンカしちゃダメよー!』 と言っていた。取り込む時に『仲直りしたんだ、良かったね』とニコニコ」(滋賀県 40代女性) 「夜高速道路を走っていたときに、年中さんだった息子が星空を見て一言『ほら、星さんたちのささやきが聞こえるよ』」(神奈川県 50代男性) どのコメントを読んでも、子どもたちの 想像力の豊かさ には驚かされますよね。大人では到底思いつかないようなこうした言葉は、もしかするとその時だけしか聞くことのできない貴重なものなのかもしれません。 ■胸キュン4、「お母さんはがんばっている」 また、子どもからの褒め言葉にグッと来たというコメントも寄せられていました。 「『ママかわいい~』。 もういい歳なので夫さえも言ってくれなくなりましたが、年少さんの息子だけは言ってくれます」(千葉県 30代女性) 「仕事と家事と育児が忙しくて、つい娘に八つ当たりしてしまった日。娘に『お母さんがあんなに怒っても、お母さんのこと嫌いにならない?』と聞くと、『うん、 だってお母さんがんばってるから 』と。ちゃんと見てくれてるんだなぁとうれしくて、ボロボロ泣きながら娘を抱きしめました」(兵庫県 40代女性) 「娘が高校生の時に、『 一番尊敬するのはお母さん 。お母さんのような看護師になりたい』と言ってくれました。今では看護大学生、私よりうんとステキな看護師になってほしいなぁ」(宮崎県 40代女性) 疲れて、つい子どもにイライラをぶつけてしまったとき、そんなときでも子どもが優しく受け止めてくれることがあります。よく親の子どもへの愛は無償の愛と言われますが、子どもが寄せてくれる親への愛こそが本当に純粋で泣けてきますよね。 子どもたちからもらえる褒め言葉は、親を認めてくれる言葉でもあるから、うれしいだけではなく、喜びにもつながりそうです。 ■胸キュン5、「俺が稼ぐから無理しないで」 さらに、子どもの成長の印とも言えるでしょうか、頼りがいのある言葉や励ましの言葉にキュンとしたというコメントもありました。胸に迫るエピソードがたくさん寄せられていましたよ。 「子どもたちが寝静まった頃、仕事から帰宅してラップした夜ご飯の上にメモ用紙。『お疲れさま。ゆっくり食べてね』。娘からのラブレターに泣きそうになりました」(宮崎県 30代男性) 「高校生になった息子。毎日くたくたで帰宅する私を見て『お袋、自分の体壊してまで仕事しなくてもよくない? 仕事を変えてもいいんだよ』と。大人になったなぁと思いました」(東京都 40代女性) 「私の年齢は57歳、息子は7歳です。高血圧や不整脈になり、毎日薬の力を借りてがんばっています。息子が『大きくなったら、立派な医者になって パパの病気を治してあげる からね! だからたくさん勉強がんばるよ!』と言っていて、感激して涙が出てきました」(北海道 50代男性) そのほかにも「パパがお仕事でいない時は 僕が家族を守る からね」とか、「大きくなったら、たくさん稼いで ラクさせてあげる から長生きしてね」など、子どもたちの優しさが伝わってくるコメントも。 さらに、親自身がつらいときに力になったという子どもたちの言葉もたくさん寄せられていました。 「三人目を流産してふさぎ込んでいた時に、娘が『私は遠くには絶対に行かないから 大丈夫だよ 』と言って抱きついて来てくれたことに、このままじゃダメだ、前向きにならなきゃと思い起こさせてくれました」(鳥取県 30代女性) 「私の母が亡くなったとき、泣けずにいた私に向かって『ママ、 泣きたいときには泣いていいんだよ 』と言ってくれた」(神奈川県 50代女性) 「持病があり体調が悪くて仕事を休んで 寝ていたとき、次男が『俺が働けるようになったらお母さんは仕事しないでいいよ、 俺が稼ぐから 』って言われた時はすごくうれしくて泣いてしまいました」(千葉県 40代女性) 子どもには、「いつの間にそんなに大きくなったんだろう」と思わせられることがたびたびありますよね。親自身が体調を崩したり、つらい出来事に直面したとき、そんな姿を見て子どもたちはきっと「しっかりしなくちゃ」と思うのかもしれません。そうしたときにかけてくれた言葉は、きっと親にとっても忘れられない 大切な宝物 になるのでしょう。 ■子どもたちの胸キュンな言葉を活力に では、子どもたちからのたくさんの言葉に対して、親は何を返せるのでしょうか。 「娘が幼稚園の頃、何回言っても聞かずイライラして、怒った後に『お母さんの絵を描いた』と持ってきてくれて、怒った顔だろうと思っていたら、 にっこり笑って イヤリングをつけた顔が描いてあり、こんなに怒る私でも好きでいてくれてありがとうとキュンとしました。いまでもその絵は大事な宝物です」(宮崎県 40代女性) 「『お母さん、私を産んでくれてありがとう』と言ってくれたとき。私も『 産まれてきてくれてありがとう 』と言って返しています」(宮崎県 40代女性) 「幼稚園でのお弁当最後の日、息子と手をつないでの帰り道。『ママ、いままで お弁当を作ってくれてありがとう 』、『こちらこそ、いつも残さず食べてくれて、ありがとう』。二人で顔を見合わせて笑いました。とても 幸せな思い出 です」(神奈川県 50代女性) 子どもたちからの温かい言葉の数々。親としては、そんな言葉に耳を傾け、胸にとめて、応えてあげることが大切なのかもしれませんね。 筆者も子どもの発言を振り返ろうとしましたが、意外に忘れてしまっている言葉も…。コメントでは、「その時々で胸キュン発言を日記やメモに残しておく」という意見もあり、参考にしたいなと思いました。 もしかしたら子どもたちの言葉を心にしたためていくことで、親子関係がつらいときや悩んだときに、自分を奮い立たせてくれるかもしれませんね。 子どもたちからの言葉は、親にとって大切な宝物になります。純粋な子どもたちだからこそ、ふとした瞬間に親の胸をキュンとする、心にグッとくるような言葉をかけてくれるのでしょう。 子どもからの胸キュンの言葉は、親にとってのエネルギー。毎日たくさんくれる子どもからの胸キュンセリフを活力に変えつつ、子どもたちにも返していきたいですね。 Q. 胸キュンした子どもの名言ある? アンケート回答数:4593件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年08月11日「目に入れても痛くない」と表現されることもあるわが子。ただ、悲しいことに子どもの成長にともなって時に親に対してきつい言葉を投げかけてくることもありますよね。 今回は、そうした言葉に傷ついたパパやママたちの思いに迫ってみたいと思います。 ■7割以上が子どもの言葉に傷ついた経験あり!? アンケートでは、子どもに言われてショックだった言葉があるかどうか聞きました。その結果、「ある」と答えた人が7割を超え、多くのパパやママたちが子どもたちの言葉に傷ついた経験があることがわかりました。 Q.子どもに言われてショックだった言葉、ある? ある 75.4% ない 17.2% わからない 7.4% ■ショックな言葉1、「お母さん、トドの生まれ変わり?」 7割の親たちは、果たしてどのような言葉にショックを受けているのでしょうか。いくつかの種類に分けながら、アンケート結果をみていきましょう。まずは、体形について子どもから指摘されたという声です。 「参観日に 『ママが一番太ってる!』 ですね。それからは参観日近くなると、こっそりダイエットしています」(愛媛県 40代女性) 「『お母さん、 トドの生まれ変わり ? 違います!あなたと同じ人間ですけどー!」(千葉県 50代女性) ほかにも「 『おなかに子供がいるの?』 と言われた」などというコメントも。自分があまり触れてほしくない部分にも、無邪気で素直な子どもならではでのキツイ一言があるようです。 さらに、容姿や年齢についての言葉にショックを受けた人も多くいるようです。 「高齢出産ということもあり、周りのお母様たちとは、かなり歳の差があるのはわかっていましたが。娘がある日 『お母さんがもうちょっと若かったらな~』 と…。ガーン!」(鹿児島県 40代女性) 「娘は『お母さんはスッピンだと ブサイク! 眉毛がない!』と言います」(神奈川県 40代女性) 母になり、なかなか自分の容姿に構うひまもないという人も多いでしょうが、子どもたちの声から、ハッとさせられそうですね。 ■ショックな言葉2、「ママが死んじゃっても忘れない」 また、親への思いを伝える言葉にショックを受けたという声も寄せられています。 「1年生の娘が『ママのこと大好きだから、ママが死んじゃっても ずっと忘れないよ 』と。まだ死にたくない」(千葉県 40代女性) 「息子が体の不調で救急外来が続いた時期、私のうつ病が再発し泣いてばかりいたとき『 ママは悪くない 。ボクがこんな体だからいけないんだ』と抱きしめられた。強くならなくちゃと反省しました」(神奈川県 30代女性) ■ショックな言葉3、「ママの子じゃなかったら良かった」 また、反抗期の子どもたちからは、パパとママに大きなショックを与えうるような 攻撃的な言葉 がかけられることもあるようです。 「反抗期の娘に『ママの子じゃなかったら良かった、 死んで 』って言われて久々に泣けてしまった。後日LINEで『本当は思ってないし、感謝してる』と連絡がきて、またまた泣けた」(北海道 40代女性) 「反抗期まっただなかの娘は、 『なんで産んだの?』 、 『うざい、ババア』 など、かなりきつい言葉をたくさん言います。自分の子どもだから、落ち着くまで待つしかないのもわかっているけど、さすがに頭にくることも多々」(神奈川県 40代女性) 何を言っても素直に受け止めてはくれない時期、親の注意や呼びかけに対して、想像をはるかに超えるようなきつい言葉を返してくることがあるようですね。 さらに、親自身の対応や人間性、能力などを批判されてつらかったという体験談も集まりました。 「 『ママには私の気持ちわからないよ!』 と言われた。小3になり、友達といろいろある年ごろ。だんだん親から離れ、自分の世界を持つようになったからこその発言だと思いますが、やはり寂しい…。複雑な親心です」(神奈川県 30代女性) 「家族が私の不器用な話で盛り上がっているのを聞いて、 『ママは何ならできるの?』 って。下手なりに家事もお裁縫もがんばっていたので、かなりショックでした」(静岡県 40代女性) 親と子どもも人と人、一般的な人間関係でも起こるようなトラブルが起きていることがわかります。さらに、子どもから親への言葉はオブラートに包むことが少ないため、遠慮のない否定の言葉に傷ついている親がたくさんいるようです。 筆者自身も、息子から「ママはパパより 頭よくないもんね 」と言われ、ショックを受けたことがあります。ただ思い返すと、息子の質問を「ママ算数できないからパパに聞いて~」と夫に投げていたことがよくありました。そうした自分自身の言葉をもとに、息子なりにそうした結論に至ったのだなと、納得しましたが、心は少し傷つきました…。 ■ショックな言葉4、「俺なんて死んだ方がいいんだ…」 コメントを読んでいて、親にとっておそらく最大級のショックを与えうるだろうと感じたのが、自らが生まれてきたこと自体を否定するような子どもたちの言葉です。読むだけでつらいと感じられるような体験談が寄せられていました。 「 自己肯定感の低い息子 が、『俺なんて死んだ方がいいんだ』とか 『死にたい』 とか言っているのを聞くと、深いため息が出ます」(神奈川県 30代女性) 「片付けをしない子どもを怒ったとき、『死にたい』と言われたことがとてつもなくショックでした。一瞬にして頭が真っ白になり、がく然としました。時間がたつと共に情けなくなり、無気力になりました」(鳥取県 40代女性) 「『私のこと 産まなきゃ良かった じゃん』って…。小学2年生の長女に言われた。いままでで1番つらかった」(福島県 40代女性) みずからの「生」を否定する言葉や「死」をほのめかすような言葉に対してショックを受けている親は一定数以上いるようで、コメントも複数寄せられていました。 ■ショックな言葉5、「ロボットになってほしいの」 子どもの言葉に隠された親自身の問題もありそうです。 「さ細な内容で叱ることが続いたときに、娘に 『せっかくやさしいママだと思って生まれてきたのに』 と言われてしまい。5才の子どもにこんなことを言わせてしまい落ち込みました。もう少し余裕を持って向き合わなきゃと反省」(神奈川県 40代女性) 「長男に、 『お母さんのロボットになってほしいの?』 と言われたことがありました。最初の子育てに必死の余りに、いつの間にか長男を苦しめていたのかと反省。ショックでしたが、目を冷まさせてもらいました」(埼玉県 50代女性) 「子どもが2歳の頃、『僕はまだ小さいから良いことと悪いことがわからないから、 何が悪いか教えてから怒って 』と号泣しながら言われました。一番愛してるはずの息子なのに、そういう思いをさせていたのかとショックで、泣きながら抱きしめてとにかく反省しました」(佐賀県 40代女性) ショックな言葉は、ときにはパパやママ自身の学びにもつながることがあるようです。親だって人間ですから、いつもいつも正しいとは限らず、間違ってしまうこともあるでしょう。 もし子どもの発言が的を射ていて正しければ、時には自分自身をあらためる必要もあるかもしれません。言われたときはつらくても、そうした気付きを与えてくれる大事なチャンスにもなりえそうです さらに親の懐の大きさを問われるコメントも。 「現在、反抗期真っ盛りですから、ショックな言葉は山ほどあるし、それに対して怒ったことも山ほどある。それも自立のための 大切なプロセス と思えば、ほどほどに付き合わないとですね~」(三重県 30代女性) 子どもがきつい言葉を言ってくるのは、精神的に親から自立し、親を客観的に見はじめたということの表れとも考えられます。それまでは自分の親という絶対的な存在だったものが、自らの成長に伴い、同じ人同士という視点を得たと言えるかもしれません。 なかには「子どもは正直だから思った事をストレートに言ってしまうだけ」とか、「かわいい子どもの発言だから、ショックを受けても すぐに忘れちゃう 」という声も寄せられました。 最後に、こんなコメントも紹介したいと思います。 「救われたことならあります。私が難病で寝たきりになってしまい…大黒柱だった私はどん底。そんなとき 真っすぐ前を向いて『そう…育ててくれたでしょ!』と長男からの言葉。感謝しきれないくらい私の胸に今でも勇気をくれています」(千葉県 40代女性) つくづく、子どもの言葉の持つ力の強さを実感します。 自分自身の発言を振り返ってみると、子どものことを傷つけてしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。親子関係では、時に傷つけ傷つけられ、そうしたやり取りをとおして、より強い関係性を築いていけるという側面もあるかもしれません。 また、たとえば子どもに「ママなんていつも家にいて楽だよね」なんて言われたら、夫に「ママはいつもおいしいご飯を作ってくれてすごいね」と返してもらえれば、心の傷も少しは癒えそうです。そんな夫婦での会話もときには子どもの言葉遣いにも影響を与えることもあるのではないでしょうか。 家族でも、最低限の思いやりや遠慮はきちんと持っておきたいもの。あらためて話すことさえ気恥ずかしく感じがちな親子関係ですが、やはりお互いに思いを伝えあい、愛情を持つことが大切だと言えるかもしれません。世のお父さん、お母さんたち、子どもに言われてショックな言葉をパワーに変えて、明日もがんばりましょう! Q.子どもに言われてショックだった言葉、ある? アンケート回答数:6641件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年08月04日実家や義実家への帰省でいただくお土産や、子どもをとおしたお付き合いなどで手土産を渡したり、いただいたりする機会は多くあります。 今回は、パパやママたちに行ったアンケートから、手土産にまつわるさまざまな思いに触れ、手土産のルールについて考えてみたいと思います。 ■もらって迷惑な手土産を経験している割合は? アンケートでは、もらって迷惑な手土産の経験があるか聞きました。その結果、6割を超える人が迷惑な手土産をもらったことがあることがわかりました。 一方で約3割の方は、手土産に満足している、または迷惑だと思ったことがないと答えています。それぞれの思いは、一体どのような体験によるものなのでしょうか。 Q.もらって迷惑な手土産の経験ある? ある 63.5% ない 34.3% その他 2.2% ■迷惑な手土産1、好みの合わない食品 アンケートに寄せられたコメントによると、迷惑な手土産に「食品」をあげた人が多くいました。どのような食品の手土産に迷惑と感じているのでしょうか? 「『妊娠中に酸っぱいのが欲しくなるでしょ?』と梅干しをいただきましたが、私は自家製の酸っぱいものが好きだけど、いただいのは蜂蜜漬けの甘くて防腐剤が入っているもの。私のことを考えていただいたのでお気持ちはすごくうれしかったのですが…」(神奈川県 30代女性) 「お酒を飲めない主人が、仕事関係の方々からお酒をもらって帰ってくると本当に困る。私自身もあまり飲めないから、何とかしてほしい」(神奈川県 40代女性) 「好みが合わない」というと、ただ好き嫌いをしていると取られる場合もありますが、コメントの内容は切実です。ほかにも、「果物は食べないからもらっても困る」、「野菜ジュースは飲まないので余らせてしまう」という 好みの違いに悩む声 が寄せられました。 ■迷惑な手土産2、生鮮食品 食べ物については、好み以外にも 生ものを中心に迷惑な経験 を訴えるコメントが寄せられました。 「義実家にいただいた 調理前のハモ 。私にどうしろと…?」(神奈川県 50代女性) 「 義父が作る野菜 。味が悪くてアクが強い、小さな虫が多くて、じゃがいももゴルフボールのように小さくて使いにくい。『ありがたく受け取れ!』とくれるけど、お金払ってでもおいしい野菜を買う方がストレスなくていいです」(徳島県 40代女性) 「 義母から大量の干物 。小さい子どもには塩がきつくて食べさせられないし、冷凍庫がいっぱいになってしまい離乳食を冷凍する場所がなくなる。時期を考えてほしかった」(茨城県 40代女性) 趣味で作っている野菜や魚などは、農薬の問題が少なかったり、新鮮だったりで、喜ぶ人も多いでしょう。ただ普段使い慣れていない食材や食べなれていないものは、調理以前に気持ちがなえてしまうことも理解できます。 ほかにも、「正月前にカニをもらったが、食べた後のゴミ捨てができず困った」、「くさやをもらったが、しばらく家の中が臭くなり大変だった」、「釣り好きの父が、食べられないほど魚を持ってきて困る」など、生もの特有のにおい、調理の面倒さといったものがあるようです。 ■迷惑な手土産3、手作り、賞味期限切れの食品 食べ物の場合、好みなどもありますが、衛生面も気になるところ。またその価値観は、人それぞれの部分もあり、だれもが同じように喜ぶとは限らない面もあります。 「手作りの食べ物は、どんな環境で作っているのか、衛生面が不安。昔ポテトサラダをいただいて、 髪の毛が入っていた ことがありました。入れている容器の パッキンのところには黒カビ が…」(山口県 30代女性) 「ママ友からいただいたパウンドケーキ。『味が染みるから何日か置いてから食べてね』と言われた、すぐ次の日に その家族全員がノロに 。食べなくて本当に良かったけど、その容器はうちにあったので除菌スプレーかけまくりながら袋に入れて破棄しました」(千葉県 40代女性) 「主人の実家からしょっちゅう 賞味期限がとっくに切れた 冷凍された物をもらう。『冷凍してあるから大丈夫よ~!』と言って残飯処理させるのは本当にやめてほしい。冷凍していれば半永久的に食べられると思っているんだろうなあ」(神奈川県 40代女性) 手作りの惣菜やお菓子というものを、そもそも苦手とする人もいます。また衛生観念もとても気になる人と、ほとんど気にならない人もいて、どうしても気になってしまう人の場合には手土産はとても困る代物になってしまうことは想像にかたくありません。 「賞味期限が半年以上切れてるおせんべいやクッキーをママ友が手土産で持ってきた」という声も寄せられて、期限切れの食品に関する認識も各家庭で異なるようです。 ■迷惑な手土産4、サイズの合わない衣類 次に、衣服や身に付けるものに対して困った経験をした人たちの声を聞いてみましょう。 「革靴をいただいたのですが、サイズが少し小さく細身の靴だったため、履かずに保管していました。ある日その革靴をくれた方から『うちに遊びにこないか?』と誘いがあり、その靴を履いて行ったのですが、 足が痛くて大変な思い をしました」(千葉県 50代男性) 「まだ子どもが生まれる前、義母に『大阪のおばちゃんか!』っていうぐらい ど派手なヒョウ柄の服 をもらいました。本当にこんなの売っているんだって驚かされました」(千葉県 30代女性) 「裁縫、手芸が趣味だった義母が作った服。『私、こんなに痩せていないんですが!』ってくらい 小さいサイズな仕上がり 。苦笑しかできなかった」(東京都 40代女性) 「ベビー服! 定員さんに聞いて買ってきてくれたみたいなんですが、うちの子は普通の子より大きめで着れなかった。服は好みもあるし、 その子によってサイズも違う 」(茨城県 30代女性) そのほかにも、「義母のお下がりをもらうが、世代も趣味も違うのでタンスの肥やしになって困る」という意見はいくつも寄せられていました。 衣服は、年齢、体形、趣味などあらゆる観点から選んで購入している人が多く、いただいても身に着けられない場合が多いのかもしれませんね。 ■迷惑な手土産5、趣味が合わない置物 さらに、家に飾る置物などの装飾品について、迷惑な体験をしたという人もいるようです。 「お隣のおばあちゃんから木箱に入った花瓶をいただきましたが、 箱をあけるとヒビが 入ってました。お年寄りなので見えなかったのかもしれません」(沖縄県 30代女性) 「ペットボトルで作ったオブジェ。私にその芸術はわかりませんでした。結構高かったらしく、何年もうちの玄関に飾っておきましたが、最後は捨てました」(広島県 30代女性) 「木彫りの熊! 送り主が旦那の親戚だったので処分するにも躊躇(ちゅうちょ)して、結局、旦那の両親やその他親戚が来る時だけ玄関に置いています。急に来る時もあるからしまう場所はシューズクローゼット。 正直ちょっと邪魔 」(神奈川県 30代女性) そのほかにも、観光地名が入った置物やコケシ、大きな天使の置物など…。食品や身に付けるものとは違い、消耗できないし、捨てるのは失礼な気がするものは、その後がつらいところですよね。 ■「もらえるものは何でもありがたい」派も… 一方で、「もらえるものなら何でもありがたい」という手土産に不満を感じたことがないという声もご紹介します。 「とくに困ったものはありません。手土産を用意するためにお手間をかけていただいてるのですからありがたくいただきます」(兵庫県 50代女性) 「どんなものでも、気持ちよくいただきます。 相手の気持ち考えて迷惑などと思わないようにしています。迷惑などと感じたことはないに等しい!」(栃木県 40代男性) たしかに、手土産を持ってくる手間や、何を持っていくか考えてくれたということだけでも、うれしいものです。ただ、自分の場合に振り返って考えると、持って行った手土産を「迷惑だな」と思われていたらどうしようと心配になってしまう時もあります。せっかくあげるなら、できるだけ喜んでもらいたいですよね。 気持ちよい手土産のやりとりに必要なことは? それでは、あげる方ともらう方、それぞれがどのようなことに気をつければ気持ちよい手土産のやりとりができるのでしょうか。コメントからそれぞれの心得について、まとめてみます。 ▼手土産をあげる側 ●事前に確認しておく 「あらかじめ相手に好きなものを聞いて和菓子、洋菓子など持って行きます。自分がもらって困るものは持って行かないように気を付けています」(奈良県 30代女性) ●もらう側の気持ちを考える 「受け取る側の気持ちになって選ぶのがマナーだと思います。自分もそうでありたいと思います」(千葉県 40代女性) ●詳しくないものは贈らない 「『お酒が好きだから』とよくいただくのですが、飲まないようなものだと困ります。高そうでも好みじゃなかったり。だからウチから持っていくときは、相手の好きなジャンルにし、自分が詳しくないものは贈らないよう気を付けるようになりました」(千葉県 50代女性) ●あえてあげない選択肢も持つ 「働いていたときに 私からしてみれば土産物くばりの数合わせみたいな品物をもらいました。相手への気持ちのないものは、買わない、渡さないのが一番!!」(大阪府 60代男性) もし相手の趣味や家族構成などを知っている場合には、そこまで考えられるといいのかもしれません。ただ受け取る側の気持ちを考えているつもりでも、ついつい自分本位で選んでしまうこともありますよね。 土産物は、買うのが好きな人がいる一方で、いただくのが苦手な人もいます。どちらの立場だとしても、相手を傷つけずに伝えられる、相手の行動を尊重できると、うまくお付き合いができるのかも…。 ▼手土産をもらう側 ●いらないものははっきりと断る 「主人の実家は農家で、たくさん野菜やお歳暮を分けてくださるのですが、多すぎて冷蔵庫にそもそも入らない。一生懸命消費しようと思っても無理で、捨てることになるので、結婚3年目くらいからは、もらっても食べないものはハッキリと断るようにしました。もらっても捨てるのは心苦しいので」(福岡県 30代女性) ●欲しい物をリクエストする 「『なにか欲しいものある?』と 聞かれるので、リクエストしています」(埼玉県 20代女性) ●いらないものはあげたり売ったりする 「冠婚葬祭の引き出物が消えものや選べるタイプではなく見るからに趣味ではないものだったら、人に譲ったりバザーに出したりリサイクルショップに売ったりしてしまいます。物であふれた生活は嫌なのでそういう手段で片付けています」(神奈川県 40代女性) ●こだわりなく受け入れる姿勢をもつ 「自分では買わないものだったら、『こういうものもありかな』とポジティブに考えます」(千葉県 40代女性) 手土産をもらう側にも、モヤモヤする気持ちを抱かないようにするための対処法がたくさんあるようです。それぞれの相手との関係性、お付き合いの深さ、いただく手土産の心理的重さなどによって、対応は異なると思います。迷惑だと思いつつも、お礼を伝え、無難に対処するという方も多いことでしょう。 それでも頻度や心理的圧迫の度合い、親しさによっては、自分の思いを伝えることで、手土産の「こんなはずじゃなかった」は少なくなるかもしれません。 もちろん「こだわりなく受け入れる姿勢をもつ」ができ、「自分が普段買わないものを手にできた」といった柔軟な姿勢も自分の幅を広げる良い機会となる場合もあります。またストレートに好みを言ったり、ときには「いらない」ということも、今後の付き合いをする上で、プラスに働く場合もあるでしょう。 筆者自身は、「手土産は何がいい?」と聞いてもらったときは、「その場でみんなで食べられるものがありがたい!」と伝えています。そうすることで会話のネタにもなりますし、感想をその場で直接伝えることができます。反対に手土産持っていく際には、好き嫌いやアレルギーを聞いて、その場で食べられそうな食品を選ぶようにしています。 手土産は、人との付き合いにおいて潤滑油となってくれる大事なアイテム。でもそれが原因で相手がつらい思いをしたり、嫌な気持ちを持ったりするのは避けたいもの。「手土産どうしようかな?」と思ったとき、「手土産どうぞ」と言われたとき、少しだけ相手へ思いを馳せることができれば、今後のお付き合いにおいては、うまく作用するのではないでしょうか。 きっとそれぞれに、どんな手土産のやり取りをしたいか、希望は違うと思います。また、どちらか一方の思いだけでは成り立たないのが手土産の難しいところでもあり、面白いところ。心得を少し頭の片隅に置きつつ、手土産のやり取りを楽しめるといいですね。 Q.もらって迷惑な手土産の経験ある? アンケート回答数:4473件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年08月01日夫婦は、「何でも言い合える間柄が理想」と考えられることも多いですよね。ただ反面、遠慮もなくなり、思ったことをそのまま口に出して相手を傷つけてしまうことも珍しくありません。今回は、アンケート結果をもとに、夫婦間の言葉のやり取りについて考えてみます。 ■「衝撃の一言」経験は8割! アンケートでは、パートナーに言われた衝撃の一言について聞きました。その結果、「ある」と答えた人が8割近く! 多くのパパやママたちはパートナーからの言葉にショックを受けたことがあることがわかりました。 Q.パートナーに言われた衝撃の一言ある? ある 79.3% ない 18.0% その他 2.8% ■衝撃度1、「外で働いていないのに」モラハラ発言 まずは、言葉や態度での嫌がらせなどの 精神的な暴力 、つまり「 モラルハラスメント 」ともとれるような発言の数々をご紹介します。 「小さな子どもを連れの外食で、子どもに食べさせて自分のご飯が冷めてしまったら、『俺にこんな 冷めたメシを食わせるのか 』と言われた」(神奈川県 40代女性) 「結婚当初、『たまには家の事を手伝ってよ。パンにバターを塗るくらいできるでしょ』と言ったら、夫が『何で俺がバター塗らんといけんだ。 家事は女の仕事だろ 』と言った」(鳥取県 30代女性) 「週4~5で働き、土日は子どものスポーツに付き合う毎日なのに、『お気楽パートのくせに』と言われました」(神奈川県 40代女性) 「夫に育児のことを愚痴ったら、『 オレと同額稼ぐなら 代わってあげるよ』と言われた! いま思い出しても、頭の中が煮え立つほど頭にきます」(神奈川県 40代女性) 「長男の授乳と夜泣きが続いてつらかったときに、主人から『三食昼寝付きでうらやましいよ。 1日中家にいるのに 、掃除機もかけられないの?』と言われて、何を言ってもわかりあえないと思った」 多かったのは、パートナーから浴びせられるモラハラワードの数々。仕事や家事、育児など、それぞれの家庭で決めただろうことにも、一方的に相手を攻めるような発言が目立ちます。 ■衝撃度2、「まるでビッグゴリラ」容姿や体形を指摘 また、見た目の良し悪しに関して、衝撃的な言葉をかけられたというコメントもありました。 「1人目妊娠中に、『 信楽のたぬきみたい 』と主人に言われた…。『は? せめて、ドナル●ダックやろ!』と言い返し、このやりとりはマタニティーダイアリーに書き留めました(笑)」(三重県 30代女性) 「私が昼寝している姿を見て『 まるでビッグゴリラだな 』と言い放った! 腹が立って仕方がないけど、太った私が悪いのね…」(千葉県 40代女性) 「結婚、出産を経て体重増加した私に『詐欺師』って。自分だって髪は薄くなっておっさんになったくせに!」(北海道 40代女性) 「初めての産後、授乳中の私の背中越しに、『 背中でかくなったね 』と言ってきました。その後、『先輩の奥さんは子どもを産んでも体重は何キロしかない』という話をずっと聞かされました」(神奈川県 40代女性) そのやりとりに思わず笑みがこぼれてしまうようなものもありましたが、本人が気にしている度合いによってもその言葉の攻撃力は変わってきそうです。本人がコンプレックスだと感じていたら、その言葉は大きなストレスの原因になってしまいそう。 ■衝撃度3、「母乳出なくなったら用なし」異性への無理解 出産や育児を通して、 異性への理解を示さない ような発言にショックを受けたという人たちもいるようです。 「主人に『母乳が出なくなったら お前は用なし だな』と言われました。いまだに許せない気持ちでいます」(神奈川県 40代女性) 「2人目出産後、子どもたちを両脇に抱えて毎日寝かしつけ。そんななか、乳腺炎になり、40度を越える熱でどうしようもないときに『2人どうすんの? 体調管理もできないの? 俺も仕事あるのに 迷惑なんだけど 』と言われ離婚が頭をかすめた」(神奈川県 30代女性) 「妊娠後期に重たいソファーを運ばされて、途中でちょっと降ろそうとしたら、『えー、こんなのも持てないの?』と。泣きそうになりながら運んで、1ヶ月以内に切迫早産で入院しました」(千葉県 40代女性) 「妊娠中に『絶対男! 女だったらいらない 』と言われたこと。絶対に男の子を産まなければと、必要以上に神経質になってしまい、検診のたびに性別を確かめ、祈る毎日でした」(岩手県 40代女性) つわりでなかなか起き上がれないときに、「『そんなにつらい?』と言われて悲しくなった」というコメントも。妊娠や出産を経て、女性は体調も体も大きく変化していきます。女性自身でもその変化や育児の大変さがのしかかるときに、それを理解してもらえないことは、大きくショックを受けるという人は多いようですね。 ■衝撃度4、「仕事辞めてきた」突然の告白に衝撃 また、パートナーからの 突然の告白 に衝撃を受けたという声も集まっていましたよ。 「小遣い足りないから 結婚指輪売ったよ 」(愛媛県 40代女性) 「単身赴任から帰ってきた主人がいきなり『あ、俺 洗礼受けたから 』。いきなり過ぎて何も言えませんでした」(神奈川県 40代女性) 「『◯◯日付けで 会社退職する ことが決まったから』と言われビックリ」(神奈川県 40代女性) 「話がある…。大変なことになった…。浮気しててその女と警察沙汰になった…」(神奈川県 30代女性) ほかにも、「『仕事やめて農業やる!』と夫が言い、両家を巻き込んだ」というコメントも。もちろんその内容にも驚きますが、なによりもショックなのは、何の相談もなく判断をして、 事後報告される ことなのかもしれません。夫婦間でも「報告、連絡、相談」は重要な要となり得そうです。 ■衝撃度5、「俺が一生守るから!」ラブラブな衝撃発言 一方で、感動的な 愛のこもった言葉 に衝撃を受けたという人たちからのラブラブエピソードも寄せられていましたよ。 「私は夫より少し年上。プロポーズされたときに、『私がおばさんになったら、若い女の子の方に行っちゃうでしょう?』と言ったら、『家族になるのに、年をとってるから嫌いっていう人いる?』と言われました。 なんて心の広い人なんだ と衝撃をうけました」(千葉県 50代女性) 「バス停に腰の曲がったおばあちゃんがバスを待っていました。私が『あんなお年で1人でバスを利用してお出掛けするなんてスゴイ!』と言うと、夫が『君が白髪のおばあさんになっても、 俺がいつも隣にいるから 大丈夫だよ』と。プロポーズをされたような錯覚をしてしまいました」(千葉県 40代女性) 愛のあふれるエピソードには、「こっちの衝撃もあるのか」と目からうろこです。こうした衝撃の一言だったらきっとお互いに大歓迎かもしれませんね。 ■パートナーから衝撃の一言…どう対応する? それでは、パートナーから何かショックな言葉をかけられたときに、パパやママたちはどのように対応しているのでしょうか? 乗り越えるためのヒントを、コメントからいくつか見つけてみましょう。 ●話し合う、溝を埋める 「お互いけんかをして、そんな一言を言うこと自体フェアでないと思います。どんなけんかにもルールは存在します。溝を深くする事より、 溝を埋める 事を考えるべきではないですか?」(北海道 50代男性) ●忘れる 「数々ありましたが、覚えていないものですね。結婚生活が続いている一つの要因、 『忘れる』 を証明した感じです。私自身が放った言葉ももう忘れてます。蒸し返されたら時効だと伝えます(笑)」(三重県 40代女性) ●距離をとる 「心ない一言なんてお互いあるんでしょうが、年齢と共に少しずつですがお互いイライラしないように 距離を取る ようになりました」(宮城県 40代男性) ●自分が強くなる 「『母は強し!』です。夫の言葉に傷ついても、それ以上に 私が強くなり ました」(神奈川県 40代女性) どのコメントも、心の葛藤を乗り越えてきた重みがあるものですね。パートナーから浴びせられた衝撃の発言の中には、どうしても許せないというものもあるかもしれません。もしかしたら夫婦の信頼関係を揺るがすような事態にも陥りかねないこともあるでしょう。 ただ、それでもコメントにもあったように「話し合う」「忘れる」「距離をとる」などして夫婦関係を取り戻す努力をしてみると、お互いに理解し合い、許すことができる場合もあるかもしれません。 そして、攻撃的な言葉の裏には、言った側も社会での立場や働き方、家族との関わり方などに悩んでいるという複雑な事情が隠れていることもあるかもしれません。 また妊娠出産については、どうしても女性側の知識が大きくなり、男性が追い付けない面もあるため、誤解を与えかねない失言をしてしまっている可能性もあります。さらに女性側も自分が気が付かないだけで、産後のガルガル期といったように、相手へのイライラが強くなってしまい、夫側を傷つけている可能性も。 一番身近な他人である夫婦だからこそ、気持ちをぶつけることができて理解できることもあるかもしれません。ただし、どんな理由があるにせよ、言葉の暴力は許されるものではありませんよね。その言葉が限度を超えて暴力的だった場合には、自分だけでは抱え込まず、家庭の外に相談することも時には必要かもしれません。 さらに、衝撃の一言は、自分からパートナーに対して発してしまう場合もあるでしょう。夫婦だからこそ気兼ねなく言える、そんな関係は大切ですが、夫婦とは言え、相手を思いやれば、そこまで無遠慮な発言は生まれないのではとも思えます。その言葉がパートナーにとって、「どうしても許せない一言」とならないよう、思いやりを持って接していきたいですね! Q.パートナーに言われた衝撃の一言ある? アンケート回答数:4963件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年07月28日子どもの成長に伴い家計が圧迫されて、やりくりに悩んでいるという人も多いのではないでしょうか。うまくやりくりをするための手立てとして家計簿をつけようと思っても、「つけるのが面倒だし、時間もなくて難しい…」というママもいるでしょう。 そんな人たちに人気主婦ブロガー・あきさんによる「ズボラ家計簿」をご紹介します。2年間で350万円貯まったという魔法のようなノート。今回は、 『1日1ステップ 実行するうちにお金が貯まる! 「ズボラ家計管理」トレーニング』 と 『1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖』 からその家計簿の秘密に迫ります! あきさん 東京都在住、夫、子ども3人の5人家族。家計簿歴10年以上なのに貯められなかった主婦が一転。1日1行つけるだけの家計簿に変えただけで、わずか2年で350万円の資産を作ることに成功。このオリジナル家計簿のコツを紹介したブログは、読者からの問い合わせが絶えない人気ブログに。 あきさんのブログ: 2年間で350万円貯めた!ズボラ主婦の節約家計簿管理ブログ ■「ズボラ家計簿」とは 「ズボラ家計簿」 とは一体どのようなものなのでしょう。これまで家計簿をつけて続かなかった人、「面倒くさそう」とやったことがない人。どちらの人にもおすすめなのが、あきさんの「ズボラ家計簿」です。 あきさんは、家計簿を長く続けるコツは「がんばりすぎないこと」といいます。まずはユルイ気持ちでズボラ家計簿に取り組んでみるだけで、家計管理ができるようになり、いつの間にか“一生もののやりくり力”が身に付きます。 前半では、ズボラ家計簿の簡単な付け方をご紹介します。そして後半では、「どうやってもお金が貯まらない」を解決するための第1歩をご紹介いたします。 ■「ズボラ家計簿」の付け方 「ズボラ家計簿」の付け方は、たった3ステップ。費目分けして、1行家計簿をつけて、振り返るだけ。さっそく付け方をご紹介します。 ▼ステップ1、費目を決める あきさんは、「家計簿で最も重要なのが費目を決めること」といいます。そしてズボラ家計簿を成功させるカギも 「費目分け」 にあります。 大切なのは支出の性格に基づいて、できるだけ費目を少なくすること。費目の数が多すぎると、家計簿付けに時間がかかったり、「この支出、何費にしようかな?」と迷ったりします。さらに、「雑貨」や「その他」というあいまいな費目を作ってしまうと、「わからないものは雑貨やその他に入れておけばいいや…」となってしまいムダが浮き彫りにならなくなります。 <費目の決め方> ●できるだけ費目を少なくする ●基本は、「固定費」、「生活費」、「特別費」、「預貯金」の4つ ●「なくてもいい支出」は「食費」や「日用品」には入れない ●「なくても生活できるもの」は「娯楽費」にする ●旅行費、車検代など比較的高額で、年単位で考える支出は、「特別費」にする 毎月管理するのは4~7費目にすると、記入も集計も楽になります。なくても生活できて、月に何度か支払いが発生するものは「娯楽費」、高額で年に何度かしかないものは「特別費」とします。 ▼ステップ2、1行家計簿をつける 用意するのは、ノート1冊。1ヶ月分は、片面1ページ分だけです。ここに1日1回、お財布からレシートを出して、その合計金額を書く。たったこれだけです。 いつからでも始められますが、あきさんは「給料日から始めることがおすすめ」といいます。 <1行家計簿のポイント> ・初めは予算を気にしない、細かい残高計算もなし! ・まずはレシートの合計金額をもとに、1日1行で支出を書く ・費目ごとに分けることで「必要なもの」と「必要ではないもの」が明確化される <あきの家計簿・ズボラルール> ●最初のうちは残高が合わなくてもOK!(残高が合わない時は、無理やり合わせてもOK!) ●毎日つけなくてOK! ●数日分まとめて1日分にしてつけてもOK! ●面倒なら端数を繰り上げて、だいたいで書いてもOK! ●数字が苦手なら毎日の計算はしなくてOK!(月末にまとめて計算) ●サボってしまった月があっても、その月は未記入にして、また翌月から再開すればOK!(ためているレシート分を全部つけようとしない) 出典: 『1日1ステップ 実行するうちにお金が貯まる! 「ズボラ家計管理」トレーニング』 ▼ステップ3、1ヶ月後に振り返ってみる まずは1ヶ月、「1日1行」家計簿をつけてみたら、どんなことにお金を使ったのか振り返ってみます。 もちろんこれだけで家計が改善することはできません。でも、今まで「1ヶ月にいくら使っているかわからない」と思っていたものが、 “見える化” して把握できただけで、いざ! わが家の支出と向き合うことができそうですね。 ■「どうしてもお金が貯まらない!」解決の1歩とは 「ズボラ家計簿」の大きな特徴は、 「必要なもの」か「必要ではないもの」か分類していく というところ。それは先ほど行った費目分けに大きな秘密があります。 費目分けで「娯楽費」「特別費」を作ることは先ほど説明しました。この2つをうまく使うことができると、ムダ遣いが見えてくるように。これこそがほかの家計簿にはない部分で、そこを明確化することによって、1日1行書くだけでも、節約できる部分が浮き彫りになってきます。 これまで「食費」だと思っていたもののなかにも「なくてもいい支出」が隠れていることがあります。これこそがムダ遣いとなるのですが、実際に買うときにはムダだと思っていないはず。そこで、「ムダ遣いになりやすい支出」を意識することが大切になってきます。 ▼「必要な支出」と「必要のない支出」、どう分ければいい? 具体的にどうやって「必要な支出」と「必要ない支出」を分けていけばいいのでしょうか。あきさんは、まず買い物した後のレシートを使って、 「なくても生活できる」と思う支出にマーカーで印をつける ことをおすすめしています。 たとえば、スーパーでの買い物にも、食事以外で食べるお菓子や、雑貨や雑誌などが含まれていることがあるでしょう。そうした支出は、すべて「必要のない支出」としてカウントします。 ただし「必要のない支出」はすべてムダなもので、削らなければいけないのか? という疑問。この点に関して、あきさんは、次のように説明しています。 「必要ではない支出」がたくさんあったからと落ち込まなくても大丈夫! ムダ遣いになりやすい支出は、必ずしもやめなくてはいけない支出ではありません。全くなくなってしまうと、潤いのないただのケチケチ家計になってしまいます。 出典: 『1日1ステップ 実行するうちにお金が貯まる! 「ズボラ家計管理」トレーニング』 より一部抜粋 あくまで大切なのは、 お金の行動パターンの把握をすること 。そうすることで 本当に必要な支出が明確になり、自分で家計をコントロールできるように なっていくのだそうです。 ▼買い物のサイクルを見つける レシートから「必要な支出」と「必要ない支出」に分類できたら、次は「必要な支出」から 支出のサイクル を見つけ出します。 支出には、「日単位」「週単位」「月単位」「年単位」とサイクルがあります。でも家計管理が苦手でお金を貯められない人は、「『月にいくら必要なのか?』がわかっていないことが多い」とあきさんはいいます。 そこで、効率よくお金を貯めるために、「日」「週」「月」「年」の支払いサイクルを分けて考えるクセを付けることが大切となってきます。たとえば、年単位の支出に分類する車検の支払いがあっても、月の支出とは別枠にしていれば、「今月は車検があるから節約しなくちゃ」と慌てる必要がなくなりまです。 <買い物サイクルの見つけ方> ●レシートのなかにある「週に1回」「月に数回」のサイクルで購入したものをチェックする ●「必要な支出」から「月単位」「それほど必要なかった支出」を外す これで「日」または「週」単位で必要な支出が見えてきます。「1日に必要なお金」がわかると、「今日1日で必要なお金だけを使う生活」ができるようになり、予算を意識できるようになります。 ▼生活の潤い「娯楽費」を分類する 「ズボラ家計管理」では、一般的な家計簿で「交通費」「レジャー費」「子ども費」などの費目で管理される支出を「娯楽費」としています。 <「娯楽費」の考え方> □いままで「食費」だったもの:カフェ代、自動販売機のジュース、外食など □いままで「日用品費」だったもの:100円均一ショップで購入した雑貨など ↓ すべて「娯楽費」へ 「娯楽費」は、「なくても生活できるもの」。でも友人との飲み会、ちょっとした雑貨など、日々の潤いのために娯楽費は少しくらいほしいものですよね。 この娯楽費を「月単位」の支出としてしまいます。娯楽費は、「出してはいけない支出」ではなく、収入に合わせて「毎月これくらいならあっても…」というように大まかな金額を決めたら、気持ちよくその時間を楽しめますよね。 ▼ステップ4.旅行などめったにない支出「特別費」を分類する 夏の海外旅行、家電の買い替え、冬物コートなど、「めったにない支出」は、高額になりやすい支出といえます。こうした毎月あるわけではない支出は、「特別費」として、「年単位」で考えると、うまく管理できるようになります。 <こんなものも特別費です> ・旅行に行った時の外食や交通費 ・クリスマスや誕生日プレゼント ・予防接種 ・季節もののクリーニング ・布団 ・コートやスーツなどの高額衣類 <「必要な支出」の中にもある特別費> ・固定資産税 ・車検代 ・年払いの保険料などの支払いの免れない高額支出 出典: 『1日1ステップ 実行するうちにお金が貯まる! 「ズボラ家計管理」トレーニング』 ▼1週間に必要なお金を考える ここまでで「1日に必要な最低限のお金」が見えてきます。あきさんは、「家計管理を成功させる秘訣の第一ステップとして重要なのが、1週間に使うお金を決めること」といいます。では「1週間に使うお金」をどうやって計算すればいいのでしょうか? <1週間に使うお金の計算方法> 1週間に必要な最低限のお金:「1日に必要なお金」×7 1週間に使うお金:「1週間に必要な最低限のお金」+「週単位に必要なお金」+「1週間に使う娯楽費」 この1週間のお金のなかには、「特別費」は入りません。月単位のお金とする「お米」「ガソリン代」などは、かかるときにその分を追加してお財布に入れてOKというルールにします。 こうした「月単位」「年単位」の支出は、「別に用意しておく」とすると、同じくらいの金額で毎週生活することは意外と大変ではなくなるそうですよ。 お金は、節約していても、貯めているつもりでも不安になることがあります。それは先が見えないから。「1日いくら必要なお金なのか」がわかると、少しずつ「予算」を意識できるように。「今日1日で必要なお金だけを使う生活」の次は、「1週間」へ、そして「1ヶ月」「1年」と家計管理できるようになっていけそうです。 ■「ズボラ家計簿」でお金が貯まる秘密 最後に、あらためて「ズボラ家計簿」を作るためにすべきことをまとめたいと思います。 「ズボラ家計簿」でお金が貯まる秘密 ●家計簿の費目分けでムダを浮き彫りにする ●支出を把握して、「必要なもの」と「必要ではないもの」に分類する ●レシートの合計を1日1行にまとめて、家計簿をつける ここまで「ズボラ家計簿」の基本的な考え方についてご紹介してきました。筆者自身も家計簿をつけるのが大の苦手で、これまでほとんど続いた試しはありません。 ただ、「ズボラ家計簿」について知ってみると、「これならやってみようかな」と思えるようになりました。また、今回は毎月の家計簿についてのみご紹介しましたが、書籍では年間の家計簿についても、どうやってつければいいか詳しく紹介されています。 あきさんの著書で繰り返し出てきたのは、 「メリハリ家計で人生を豊かにする」 という言葉。ケチケチしてお金を貯めることをいいとするのではなく、自分が何にお金を使いたいかはっきりさせ、使うところには積極的に使う、そうした姿勢こそが「ズボラ家計簿」によって得られるもの。たかが家計簿、されど家計簿、あなたは何にお金を使う人生を送っていきたいでしょうか? ■参考図書、イラスト出典: ● 『1日1ステップ 実行するうちにお金が貯まる! 「ズボラ家計管理」トレーニング』 ● 『1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖』 (あき/著 講談社)
2019年07月15日結婚生活は山あり谷ありとも言われるように、楽しいことだけではなく、つらいこともともに乗り越えていかなければならないときがありますよね。パートナーに対して「もう少しこうだったら…」と思ったり、「もっとあんな人と結婚したかったな」と思ってしまうこともあるかもしれません。 結婚経験がある人たちは、もし生まれ変わったら結婚相手に何を求めるのでしょうか。今回はアンケートから、子をもつパパやママたちの本音をひもといていきたいと思います。 ■生まれ変わって結婚するなら、何が重要? アンケートでは、生まれ変わって結婚するなら、何を一番重視するか聞きました。その結果、 「経済力」 と答えた人がもっとも多い43.7%となりました。続いて「考え方や価値観が合うか」という回答が2番目に多く、3割を超えました。 Q.生まれ変わって結婚するなら何を重要視する? 経済力 43.7% 考え方や価値観が合うか 32.9% 家事・育児能力 8.9% その他 5.5% もう結婚はしたくない 5.4% 趣味、食事などの相性 3.6% ■パートナーの条件1位、「経済力」 もっともパパやママたちが重視したのが「経済力」。アンケートに添えられたコメントから、その裏に潜んだ思いを読み解いていきたいと思います。 「 絶対に経済力 です。旦那はもちろん、自分も資格を身に付けて子育てしながらでも正社員で働けたら、今よりも子どもたちにやりたい事をやらせられると思うので」(岩手県 40代女性) 「現在は夫婦が共働きで、私は毎日夕方6時に帰ってきてから、家事や育児に明け暮れる毎日です。家のローンや養育費、習い事など、出費が多く 心に余裕もなくなって しまいます。経済力があれば、旦那にももっと優しくなれるんだけどなぁ」(福島県 30代女性) 「経済的に余裕がある方がいい。お金がないから家事や育児を全部自分でする、そうなると旦那が手伝ってくれないと愚痴が出る、気晴らしに買い物したくてもお金がないから買えない。結婚相手によって、豊かになるかキツキツで暮らすか差が出る。愛は全てを変える、けど 愛じゃ飯は食えない (笑)」(神奈川県 40代女性) そのほか、「ある程度の経済力があり、普通の生活ができれば充分」とか、「お金があればケンカも減るし、人間穏やかになれる」などという、パートナーの経済力を重視する意見が寄せられていました。 集まっていたのは、ただ単に「お金持ちと結婚したい」「楽な人生を送りたい」という夢見心地な声ではありませんでした。 その裏に込められていたのは、「パートナーと仲良く暮らせるのに」「子どもに笑顔が向けられるのに」といった、「お金があれば心に余裕が持てる」という 現実的な実感 に基づいた意見のようです。 ■パートナーの条件2位、「考え方や価値観」 次に、考え方や価値観が合うことを最も重視するという人たちの意見を聞いてみたいと思います。 「考え方や価値観が合っていると一緒にいて 居心地がいい し、楽ちんです」(岩手県 40代女性) 「経済力で結婚したけど、考え方や価値観が違いすぎてつらい。ありがたく生活させてもらってるけど、生まれ変われるなら、 考え方や価値観があっている人 、もしくは違う意見も聞ける耳を持っている穏やかな人と出会いたい」(三重県 50代女性) 「 『どうしても許せない事』 。これが一緒じゃないと、本当にキツイ。人生では先の読めないイベントがたくさん起こります。家族ならチームとして助け合いたいけれど、価値観が違ったらその度に衝突しなきゃいけない。 身内との戦い は本当に疲れる。家は元気を蓄える場所にしないと、長い人生やってけませんよね」(神奈川県 30代女性) アンケートに寄せられた声からは、価値観や考え方が合わないパートナーとのつらい生活も垣間見えました「もちろん経済力も大切だけど…」という前置きをする人も多く、悩みつつも価値観や考え方が近いことを最重視しているということがわかります。 筆者自身、夫とは性格は正反対なのですが、子育てに関する考え方や、人生における 価値観の軸 はとても似ています。そのおかげなのか、小さなもめごとがあっても、大きなケンカには発展しにくいと感じています。 毎日の生活において、大きなケンカがたくさんあるとお互いに疲れ果ててしまいますよね。価値観や考え方が合うことを重視する人たちは、そうしたいさかいを避けられることにも、メリットを見いだしているのかもしれません。 ■パートナーの条件3位以下、「家事や育児力」など そのほかにも、結婚で重視することについては、さまざまな意見が寄せられていました。 「 家庭的で家事や育児に協力 してくれる人だと、相手の気持ちもわかると思う。誰に対しても平等で思いやりのある人と結婚したかった」(神奈川県 40代女性) 「お金は普通でいい。それより、 共通の趣味がある事 はとても大事。うちは夫婦でゲームが大好きなので、子どもができた今もみんなで楽しんでやっています!」(東京都 30代女性) 「 旦那と親との関係性 が私は1番大事だと思います。何でも義親の言いなりで自分の考えはなし。何か言われた時に親に対して自分の考えを言えるか、嫁を守る事ができるのか、唯一の味方になれるかどうかは育ってきた環境によると思う。結婚は当人同士が好きでもお互いの親も必然的についてきますから」(鹿児島県 30代女性) 家事や育児への協力姿勢や共通の趣味、親との関係など、それぞれの背景に基づき、重視するものは違っていて、人によって、結婚生活に求めるものは異なるのだと、あらためて実感します。 さらに少数派ではあるものの、 「結婚しない」 という意見も寄せられていました。「生まれ変われるなら 結婚をしない人生 も歩んでみたい。バリバリ働いて趣味も充実させつつ人生を謳歌してみたい」というコメントもあり、自分が歩まなかった人生への憧れに似た思いもあるようですね。 ■「来世も一緒に爆笑したい!」いまの相手が一番という人も… 生まれ変わって結婚相手に求めることをいろいろと見てきましたが、「やっぱり 今のパートナーと結婚したい 」というほっこりするコメントも寄せられていました。 「ケンカもするし、『大っ嫌い!』と思うこともたびたびありますが、どんな私でもまるごと受け入れ、許して、気味が悪いくらい愛し続けてくれる夫は多分ほかにいないので、生まれ変わっても 夫と結婚したい です。だから重視するのは『相手が夫であること』ですかね」(神奈川県 40代女性) 「じつはいま、結婚して本当に良かったと思うのは旦那のおかげなので、 このラッキーな相手をもう一度見つけたい 、誰かに取られないようにしたい」(東京都 40代女性) 「いまのダンナと結婚したい。 価値観も趣味も経済観念も似ているし 子どもや人間以外の生物にもやさしい。笑いのツボも近いから 来世も一緒に爆笑したい 」(神奈川県 50代女性) そのほかにも、「大病をして死にかけて主人にすごく助けられた。来世も主人のような思いやりのある人とのご縁を切に願いたい」という胸を打つコメントも寄せられていました。 これまで歩んできた生活や、してきた経験にもよりますが、今のパートナーに満足しているという人も一定数いるようで、ほほえましい関係性には心が温まります。 ■結婚生活において相手に何を求める? 結婚生活において求めるものは人それぞれで、「もし生まれ変わったら…」と、いろいろと思い描いてしまう気持ちはよく理解できます。ただ、やはり目の前あるのは現在の結婚生活、どうすればより快適に過ごしていくことができるのでしょうか。 「結局は すべてが必要 なんじゃないかな。お金がなくても愛があればなんて最初だけだし、お金があっても精神的に安定していなければいけないし。考え方や価値観も全く一緒って訳にはいかないけど、許容範囲で譲り合えるなら問題はないし。どれが欠けても強すぎてもいけない、ほどほどがよろしいのではないでしょうか?」(愛媛県 40代女性) 「経済力、価値観など、すべて必要だけど、自分の理想ばかりを相手に求め過ぎてもうまくいかないと思います。理想と現実は違うだろうし、お互いに譲りあいながら、相手に対して 『いつもありがとう』 と感謝する気持ちも必要だと思います」(山梨県 50代女性) 「どんな人と結婚しようと苦しみや不幸はあるかもしれません。何もなかった人生がよい人生なのではなく、苦しみや不幸にも意味を見つけ出せた人生こそがよい人生なのではないかと思います。来世のことを期待するのではなく、いままでよりももう少し 優しく相手を思いやり ながら、この旅を続けていこうと思います」(東京都 40代女性) 「いま幸せです。でも、いろいろと頑張って今の幸せがあると思っています。生まれ変わりたいとは思わない。別の人生を生きたいと思わない。 ただただ今を一生懸命に生きて ます」(東京都 40代女性) 結婚生活においてがすべてがバランスよく大切、そして相手への感謝の気持ちも忘れてはいけないというコメントを読むと、気がひきしまる思いがします。 育児に家事に仕事に毎日忙しい日々が続くと、パートナーに対していろいろと求めすぎてしまうこともあるかもしれません。「お互いに思いやりを持つ」というのは、あたり前のことのようでつい忘れがちなことですよね。長い時間いっしょにいるパートナーだからこそ、あらためてその大切さを見直してみてもいいかもしれません。 そしてパートナーに望むことは、現実の世界で自分たちが不安に感じているものの正体なのかも。その不安をパートナーに打ち明けたり、話したりできれば、もしかしたらいま感じていることを変化させられるかもしれません。 「もし生まれ変わって結婚するなら…」というあくまで空想上の話ではありましたが、そう考えることで、現実の生活で少し思いやりを持てたり、視野が広がったりする手助けとなるかもしれません。あなたはもし生まれ変わって結婚するなら、何を重視しますか? Q.生まれ変わって結婚するなら何を重要視する? アンケート回答数:5720件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年07月14日