神奈川県出身、幼い頃から幼稚園教諭を夢見て県内の大学に通い、幼稚園教諭免許と保育士資格を取得。卒業後、県内保育園で保育士として在職中。趣味は食べ歩き、音楽鑑賞。
いよいよ夏本番、子どもたちにとっては大冒険の夏休みですが、大人にとっては危険との隣合わせ。学校で発散できないぶん子どもたちはいろいろな要求をしてくることでしょう。そんなときに使える約束事や言葉がけなどをご紹介します。 ■夏休みの過ごしかたを家族で考えよう 子どもにとっても親にとっても、夏休みがはじまることで大きく生活はかわります。毎朝同じ時間におきて朝ごはんを食べて学校へ行く。それじゃあ、夏休みは何時に起きて朝飯を食べて何する? そこを一緒に考えましょう。 夏休みに関係なく仕事がある大人からすると、朝起きる時間なんていつもと一緒でいいじゃない、と思うかもしれません。しかし、それは大人の都合で子どもにとっては関係のないことです。 「ママとパパは、お仕事があるから何時に起きるね」 「だから◯◯くんも一緒に起きて朝ごはんは一緒に食べようね」 「何時から何時までは学童でお友達といっぱい遊ぶんだよ」 「何時にはお迎えに行くからね、一緒にスーパーに行ってご飯の材料を買って一緒に作ろうね」 このように、大人の生活の流れをお大まかに説明してあげることが大切です。大人のなかではわかっていることでも、子どもは大人の生活の流れを理解していないことがほとんどだということを忘れないでください。 ■要望に応じて約束事をしっかりきめよう 時には「学童に行きたくない」「友だちと一緒に遊びたい」なんて言うこともあるでしょう。そんなときは、まず「そっか、お友だちと遊びたいんだね」と笑顔で受け止めてあげましょう。 大人は、朝からお迎えの時間まで学童クラブにいてくれたほうが安心。とはいえ、子どもはせっかく夏休みになったのに毎日学童へ行くことに飽きてしまいます。そんなときには、まず子どもの気持ちを受け止めてあげるが大切です。 誰とどこで遊ぶのかを決めることはもちろんですが、このほかにも子どもだけで公園や児童館へ遊びにいくことになったときに4つの約束をしましょう。 1.知らない人についていかない。 2.困ったことがあったら電話をすること。 3.遊ぶ場所を変えるときには連絡を入れること。 4.帰る時間は絶対に守ること。 ほかにも、家に着いたら連絡を入れるなども追加してもいいかもしれませんね。といっても子どもはそんなにたくさんのことを覚えてはいられません。そのため、この4つをベースに状況に応じて変更したり、数を減らすことも必要です。 ■ママ友と密に連携を取ろう 夏休み中は子どもの遊ぶ範囲が広がるため、普段以上にママ友と連携をとることをおすすめします。 一緒に出かける友だちのお母さんはもちろん、子どもの遊び場近くに住んでいる知り合いなどに「うちの子が今日公園で遊んでて、17時には家に帰るように言ったんだけど、もしまだ遊んでるようだったらおしり叩いて!」なんて連絡するといいかもしれませんね。「家の近くで子どもだけで遊んでいる」ことを頭の片隅においてもらうことで、トラブルが起きる可能性を小さくすることができます。 また、子どもにも家族以外の頼れる存在が誰なのかを伝えておくことで、両親が仕事などで電話に出られないときに、誰に助けてもらえばいいかを教えてあげることができます。 夏休みの過ごし方を不安に感じる人も少なくはないはず。でも、仕事に追われていればきっとあっという間に終わってしまいますよ。今回ご紹介した3つのポイントを、夏休みが始まる前には固めておくのがポイント。忙しいを言い訳にしないように、楽しい夏休みを過ごしましょう。
2016年07月13日ジメジメした梅雨の季節。どんよりとした日が続いて洗濯物は乾かないし、気分も落ち込み気味。でも一番困るのは、天気に関係なく元気いっぱいな子どもたちとどうやって過ごしたらいいのか、ということではないでしょうか。 しかし、雨の日は子どもを教育するチャンス。室内でも室外でも、できることがたくさんあります。いくつかその例をご紹介しましょう。 季節の変化を教えてあげる衣替え まず一つ目に子どもとやりたいこと、それは衣替えです。これまで着ていた長袖をたたんで、「また寒くなったら長袖を着ようね」と伝えましょう。 また、衣替えは季節を教えてあげるタイミングにぴったり。「寒い季節はな~んだ?」と質問したり、「もうすぐ夏がくるから半袖を出そうね、ズボンは半ズボン!」「これを着ていっぱいお外で遊ぼうね」と季節が変わることに対する好奇心をくすぐってあげましょう。 子どもがまだ小さくて洋服を畳むことができなくても、「長袖はこっち、半袖はこっち」と仕分けるだけならば1~2歳児からでもできます。 ちなみに洗濯物も「ママが干すから、○○ちゃんはパタパタしてね」なんて言って、洋服をパタパタと広げる行為を子どもにお願いすると、「できたよ、ママ干して!」なんて喜んで洋服を渡してくれるはず。 大人にしかできないと思われがちな家事ですが、やり方によってはママと一緒に過ごす遊びの一つに変わります。 図鑑を見て本を読む楽しさを教える 夏にはたくさんの草花が芽を出します。中には摘み菜といって食べられる草も。インターネットでなんでも調べられる時代ですが、ここは図鑑を用意してあげるのがポイントです。 写真と本物を見比べてみる楽しさや次の季節がやって来る待ち遠しい気持ちを大切にし、晴れた日は実際に植物を見に行きましょう。図鑑で知った植物を見た時の喜びは「もっといろいろなことを知りたい」という子どもの前向きな心を育てます。 着脱マスターになるための練習 以前、「 1歳からスタートできる! 子どもが洋服を自分で着れるようにする方法 」でも紹介しましたが、梅雨の間にお着替えをマスターしてしまいましょう。 まずはズボンから挑戦。月齢が低ければ低いほど大人のやることをよく見ていて「いつかやってやろう」という気持ちでいっぱいです。 ただし、1つだけ大切なことがあります、それは楽しくやること。梅雨の時期はお部屋にこもりがちでついイライラしてしまいますが、それは大人も子どもも一緒。「お着替えできるようになったら、お外遊びももっと楽しいよ!」なんて言葉掛けを忘れずに。 五感を刺激する雨のお散歩 最後に、一番のおすすめはこれ。子どもは「雨が降ってるから、お気に入りのレインコートとレインブーツが着れる!」と喜ぶもの。 雨が体にあたる感覚や濡れた地面を歩くことはとても刺激的で、五感をはぐぐむ大きなきっかけになります。もちろん、ママはちょっぴり大変かもしれませんが、子どもにとっては、雨の日のお出かけや誰もいない公園でたっぷり遊ぶことってとっても楽しいのですよ。 いかがでしたか? 雨が降っているから何もできない、と考えるのではなく、雨の日にしかできないことを考えて子どもと向きあえば、できることはたくさんあります。 みなさんも楽しんで雨の日を過ごしてくださいね。
2016年06月06日「仕事が終わらず帰りが遅くなってしまうから…うちの子おねがい!!」とママ友から頼まれ、1時間程度子どもを預かるなんてことよくありませんか? 保育士の立場からしても、関わりの少ないベビーシッターのお迎えより「今日はうちで預かります!」とお友達のママが言ってくれるほうが安心して見送れるものです。 預かった側の子が翌日「もう家に来ないでほしい」と言うのはなぜ? しかし翌日、お友達の家に帰った子どもに「昨日は●●ちゃんと楽しかった?」と聞くと「楽しかったよ!」と言うのに対して、預かった側の子は「もうやだ、●●はもう家に来ないでほしい」と言うことが実はよくあるのです。なぜ、普段仲良く遊ぶ二人の感想が極端に分かれてしまうのでしょうか。 「私は招待していない」という気持ちの表れ 預けられた子は大好きなお友達と遊べる喜びで満ちていますが、預かった側の子は「私は招待してない」という気持ちでいっぱい。そのうえ、大好きなママは友達をもてなすために一生懸命。そんな姿を見ると、子どもは嫉妬心でいっぱいになってしまうのです。 当たり前のことをないがしろにしないで お友達を預かるときに大切にしてほしいことはただ一つ、「私はあなただけのママだよ」ときちんと伝えてあげることです。 日中一緒にいられない分、家にいるときはママを独り占めしたいと強く思うのは自然なことです。他のお友達がきてママがその子をもてなす姿なんて見てしまったら強く嫉妬していまうのは当たり前。普段と同じかそれ以上に大切に扱ってあげてください。 “かゆいところに手が届く”ママ同士の関係性 保育士をしていると、この他にもママ友同士の連携を見ることがよくあります。 猛スピードで自転車を走らせ保育園に向かうママと、子どもを預け急いで駅に向かうママがすれ違う一瞬のすきに「おはよう」というアイコンタクトをしたり、仕事から疲れて帰ってきたのにおもちゃを手放さないわが子に呆然と座り込むママを気遣い、一緒に帰ろうと子どもに対して促してくれたり…。例をあげればきりがないほど、“かゆいところに手が届きあっている”ママ同士の連携は多いものです。 育児は一人で完璧にこなそうと思えば思うほど辛くなってしまうもの。同じ悩みを抱える者同士、助け合いながら子育てを楽しんでくださいね。 (ポセイドン・ヨーコ)
2016年02月15日もうすぐやってくる冬休み。 いつもより子どもと長い時間を過ごすとなると、「実際何して過ごせばいいかわからない」というお母さんたちの声が私の耳に届いています。 出かけるとしても混んでいるし、家族みんなでとなると、出費もばかになりませんよね。 そんなお母さん、お父さんは、時間がたっぷりあるからこそ子どもと工作を楽しんでみてはいかがでしょうか。 熱中体験を通して集中力アップにつなげよう! 子どもの集中力がぐ~っと上がるきっかけはすべて熱中体験にあります。 子どもによって、それぞれ入り込む対象は違うのですが、何かを創造することに熱中する子どもはとても多いもの。そして作ることで満足するだけでなく、そこから遊びに展開するところまでもっていけたら100点満点。熱中することで養われる集中力と自己肯定感に勝るものはありません。 そのため、私は保育のなかで0歳から毎月自由画を取り入れるようにしています。 最初はクレヨンに興味を示さず薄い線やクレヨンの先っぽを打ち付けた点だけ、5分ももたない状態でしたが、少しずつ「絵」として完成していきます。色の使い方や発想にかなり差がでるように感じています。 基本的に子どもに何かをやらせるときに早いも遅いもありません。 首が座って自分で座れるようになったら、いろんなことをできる範囲でやらせてあげてください。 ただ、“工作”と聞くと「難しい、面倒だ」と感じる人が多いかもしれませんが、今回は家庭で簡単にできる遊びや工作を紹介しているサイトを国内外問わずご紹介。ぜひ参考にしてみてください。 保育士向けウェブサイト「保育のひきだし」 保育のひきだし 公式サイト 白梅学園が運営する保育士向けのサイトです。良い工作が思い浮かばないときに、保育士や幼稚園の先生が実際に参考にしています。身近なもので作るものや簡単な外遊びなど子どもとの楽しい時間を過ごすための情報が満載。保育士のプロによる実践ノウハウが載っています。 海外ならではのかわいい創作が詰まった「OH HAPPY DAY」 OH HAPPY DAY 公式サイト 外国のモノってキラキラ輝いて見えませんか? 色使いやデザインなど独特な可愛らしさがありますよね。このサイトは、主に子ども向けホームパーティなどに使う飾りやグッズなどの作り方をレクチャーしています。透明なカップを可愛いらしくデコレートするだけでも日々の食卓に彩りが増え、楽しく食事ができるかもしれませんね。ほとんどのデザインは簡単にプリントアウトすることができるので、親子でできそうなものから挑戦してみてください。 NHKまいにちスクスクでもおなじみの佐藤蕗さんのサイト 私が子どもとの時間を過ごすときに一番参考にしているのはこちら。 佐藤蕗 公式サイト NHK「まいにちスクスク」出演、有名育児サイトに連載中で注目を集めるおもちゃ作家・佐藤蕗さんのサイトです。簡単にできるおもちゃや工作の手順を教えてくれます。家庭にある簡単なもので、作った後も楽しめるおもちゃが紹介されています。 私はサイトだけでなく、著書の 『親子で笑顔になれる “魔法の手作りおもちゃ"レシピ』 も参考に子どもたちとおもちゃを作っているのですが、0歳から3歳まで一番吸収の良い時期にぴったりのおもちゃを紹介しているので各年齢にあったものを作って楽しんでいます。 本で紹介されているもの中でも、長時間の移動の際に役立つおもちゃは思わず拍手をしてたくなってしまうほど。「こんなに簡単で便利なおもちゃを買わずに自分の手で作ることができるのか」と子どもだけでなく親としての自己肯定感も芽生えそうなものばかりです! 冬の険しく長い寒い日、おうちのなかで子どもとゆっくりおもちゃ作りを通して向き合ってみてはいかがでしょうか? (ポセイドン・ヨーコ)
2015年12月09日乳児から始めたいトイレトレーニング方法 を書いて以降「保育園に子どもを預けている私達はどうすればいいの?」という声が多くのワーキングマザーのみなさまからの声が私のもとに寄せられています。 ということで今回は、「通園先の保育園ではトイレトレーニングをしてくれない」「男の子は女の子と比べておむつが外れづらいと言われた」「もうとっくに0歳なんて過ぎているけど、もしかしてトイレトレーニングを始めるのはもう遅い?」という、悩みを抱えている、保育園に通園しているお子さんを持つママたち向けたオムツの外し方をお伝えしたいと思います。 ステップ1「おむつを外す宣言をしよう」 保育園は公立か私立か細かく言えば認証、認可そして無認可などさまざまな園があります。 形態がそれぞれ違うのと同じで、トイレトレーニングについても園それぞれに方針があるので、まず保育園にトイレトレーニングをしたいことを伝えることが必要です。 園によっては「まだ大丈夫ですよ」「まだ適齢ではないです」なんて言われてしまう可能性もありますが、そもそも大丈夫なんてことはありませんし、オムツを外すのに適齢なんてありません。 そう言われても、先生たちから「まだ外さなくて良い」と言われると、返す言葉が見つからないと思ってしまう方もいらっしゃると思います。そんなときは「おむつ代もかさむし、外出時の荷物ももういい加減減らしたいのでぜひ協力してほしい」という思いを伝えてみましょう。 ステップ2「最後のおしっこ時間を教えてもらおう」 オムツを外すと宣言したら、いよいよ本格的なトイレトレーニングが始まります。お迎え時、保育園の先生に最後におしっこをした時間を必ず聞いてください。 たとえば1歳~2歳前後だと排泄間隔は平均的に1時間前後です。17時が最後のおしっこだとしたら次は18時前後と予想することができるわけです。 このように最後の排泄時間を確認しておくことで、次の見通しをたてることができます。家に帰って「そろそろかな」と思うタイミングでオマルに座らせましょう。成功するかしないかはさておき定期的に排泄に挑戦する、オマルでの排泄に慣れることを目的とします。 それ以降は以下の時間帯に必ずオマルに座らせるようにしてください。 ・寝る前 ・朝起きた直後 ・(余裕があれば)保育園に行く前 そして、何よりも大切なのは 乳児から始めたいトイレトレーニング方法 と同じ「排泄表」を作ることです。 たとえば、表を少し大きめに作り「オマルでおしっこできたらシール貼ろうね」なんてゲーム感覚で楽しめるようにしてあげるのもいいですね! 日中、保育園で過ごしていたとしても、家庭でできることを少しずつ行うだけで小さな経験値がたまっていきます。 千里の道も一歩から、毎日の小さな積み重ねを大切にして、オムツのいらない毎日を手に入れましょう。 (ポセイドン・ヨーコ)
2015年12月03日指先を使うと脳の発達に良いと言います。しかし、いったいどんな遊びを子どもたちにさせてあげれば良いのかわからない人も多いのでは。 そもそも、子どもの肢体感覚はおへそを中心に外側へと広がっていきます。腹筋がつくと、背筋を自然と鍛え、それと同時に腰まわりと首も自分で使えるようになり、この過程を経てお座りができるようになるのです。 お座りができると視界が広がるので、いろいろなものに興味を示し、手を広げつかもうとします。そのため、腕、手首、指先を動かします。それと同時に、少し離れたものをつかむため、股関節、膝、足首、足の指を動かそうとするのです。 このような、身体的な発達を利用して0歳の間にできる遊びがあります。その名も「マカロニ落とし」。用意するものは、細いマカロニと空のペットボトルのみ。 お座りした赤ちゃんの前でマカロニを散らばせ、一つだけ手にとってペットボトルに落とします。まずは大人がお手本を見せてあげてください。 きっと、マカロニが落ちる様子、底にマカロニが当たった音に反応するはずです。 もちろん、いきなりペットボトルの口に細長いマカロニを入れることは難しいのですが、何度も繰り返せば少しずつ赤ちゃんでもできるようになります。 この「マカロニ落とし」は脳を刺激するための大切なポイントが2つ隠されています。 1.「つまむ」 指先を使うことは、赤ちゃんにとって非常に困難なことです。手のひらの発達は指先の発達よりも早いので、複数のマカロニをつかむことは簡単ですが、一本のマカロニを指先でつまむのは至難の業。経験のない動作を行うことは脳への大きな刺激になります。 2.「集中する」 赤ちゃんにとって細いマカロニを1本つまみ、細い飲み口に落とすことは容易なことではありません。途中で落とさないように試行錯誤を繰り返し、頭をフル回転させなければいけません。 子どもにはたくさんの初体験が詰まっているマカロニ落とし。何より、マカロニは口に入れても害がないというのも安心ですね。気軽に始められるので、ぜひ試してみてください。 (ポセイドン・ヨーコ)
2015年10月28日おむつをはずしたあとに待ち構えるおおきな壁は「着脱」ではないでしょうか? さらっとできるようになりそうで、そうでもないこの「着脱」、実は簡単にマスターする方法があるのです。 まずは着脱に触れさせる機会を作りズボンからスタート 実は、着脱とはトイレトレーニングと同じ。まずはズボンからはじめてみましょう。 「 乳児から始めたいトイレトレーニング方法 」では、首がすわったらトイトレをはじめましょう、と書きましたが、実は着脱も同じタイミングできっかけを作ってあげることが大切です。 普段、乳児を着替えさせる場合は仰向けに寝かせて着替えさせると思いますが、ある程度月齢があがるとそう簡単に着させてくれないことありませんか? 足をジタバタさせたりゴロゴロ転がってみたり。「何すんだこのやろー!!!」とでも言っているように感じませんか? そうとなればこっちもの。さらっと抱えて足の間に座らせて自分の身に何が起こっているか教えてあげましょう。 また、立ち上がった状態ならば、「穴のなかに右足から通すよ」「ママの肩に捕まって」と履かせてあげてみてください。きっとキラキラし目で見てくれるはず。 以前「 子供のやる気と自信を引き出す方法 」でも書きましたが、月齢が低ければ低いほど大人のやること周りの動きをよく見ていて「いつかやってやろう」という気持ちでいっぱいです。 手とり足取り教えるのではなく、このように自然な流れから教えてあげることで、苦もなくズボンは履けるようになります。 ちょっと難しいけどじっくり挑戦したいTシャツ まず、自分がどういう方法がTシャツを着ているか分かりやすく着せてあげましょう。Tシャツに頭を入れて首元から顔が出てきたとき、一緒に大げさに喜んであげましょう。「おおきな穴からお顔だして~」なんて声がけがあればバッチリ。鏡の前で着替えさせてあげるのも一つの手です。 前後を間違えてしまっていたとしても本人は「やってやったぜ!」という真向きな気持ちでいるので、まず褒めてあげることが大切です。 どうしても気になってしまうママは「おやおや~」と濁しながら両腕を外し首のところで一回転させてあげてください、2歳後半には自分で首のところで回転させ直せるようになります。 トップスはブラウスやカーディガンなど、ズボンと違っていろいろな種類がありますよね。「この前はTシャツでできたのに、なんでこれはできないの…?」なんて思わずに、じっくりと取り組んであげることが大切です。 着脱マスターに大切なこと 工夫してあげた分だけ子どものモチベーションは上がっていきます。例えば、1歳前後の子どもにズボンの履き方を教えるとき。足の甲にペンでアンパンマンを書き、「ズボンのトンネルくぐったらまたアンパンマンに会えるよ!一回バイバイしようね」と足を通すよう促します。出てきたら「ほら!アンパンマン出てきた!」というのを繰り返したり、靴下の練習では靴下の足の甲の部分(指のところ)に名前を書いてあげるだけでも、前後の感覚がつかめスムーズに靴下を履けるようになります。 育児は乗り越える壁がたくさんあります。「めんどくさいな」と思うことでもちょっとした工夫で子どもから興味関心を持って取り組んでくれることがよくあるんですよ。 みなさんも楽しんで育児をしてみてくださいね。 (ポセイドン・ヨーコ)
2015年10月21日そろそろ巷では幼稚園の願書配布がスタートしたころだと思います。今回は何を基準に幼稚園を選んだほうが良いか少しお話したいと思います。 自由保育と一斉保育ってなにが違うの? よく幼稚園を探す中で「自由保育」「一斉保育」なんて言葉を聞くと思います。複合している園も多いのですが、基本となっているのはこの2つの保育形態です。 ■自由保育 クラスとしてまとまりはあるものの、園庭での自由遊びや制作など子ども一人ひとりのやる気を尊重することを重視している幼稚園。 ■一斉保育 小学校のように、30人前後を一つのまとまりとして考えクラス運営をしていく保育。集団社会での人との関わりなどを重視し、英語や体操などのカリキュラムを組んで「授業」のような保育を行っている幼稚園。 ■複合型保育 午前中は自由保育・午後はカリキュラムなど、自由な時間と集団で行動する時間を両方持ちメリハリをもつことを大切に保育を行っている幼稚園。 近年では、個性を尊重することと集団社会で生きていくことを二本の柱とした「複合型保育」を行っている幼稚園がほとんどだと思います。 しかし、「自由保育」「一斉保育」どちらに重き置いているか、一日にどれだけの時間一斉での活動をして自由な時間を設定しているかなどは幼稚園それぞれです。そのため、保育形態を含め行事などをよく見て、子どもの性格などを配慮することをおすすめします。 どんな子どもになってほしいかはいったん置いておこう 「こんな子になってほしい」「やっぱり運動させて集団行動できるようにさせたい!」など親として子どもへの希望ってありますよね? 幼稚園選びで必要なことは、その希望をいったん心の奥にしまうことです。 幼稚園に在園する2年間・3年間というのは自尊心や自己肯定感が一番はぐくまれる時期です。「できた!」「嬉しい!」「楽しい!」という気持ちから「やってみよう!」「頑張ってみよう!」という未来への希望や目の前にある障害を乗り越えようという強い精神力が芽生えます。 たとえば、「我が子の個性を伸ばしたい」という親の希望で入れた幼稚園。でも、子どもにとっては毎日さまざまなことに挑戦したいがために、幼稚園の保育では満たされず、フラストレーション発散のために周りのお友達に手を上げてしまうこともあります。幼稚園の先生から暴力が原因で叱られることを繰り返し「悪い子」「凶暴な子」などレッテルを貼られてしまう場合もあります。 一方で、「やっぱりビシバシやってほしい!」と体育会系の幼稚園に入れてみたものの、実はマイペースな性格で周りのスピードについていけず、気づけば「早くしないと置いて行っちゃうよ」なんて周りのお友達に声をかけられてしまう場合もあります。 精神的に大きく成長していく時間をどこで過ごすかはとても大切なことです。お父さん、お母さんが通園するわけでは決してありません。親としての子どもへの希望や期待はとても大切ですが、お子さんの性格を見極めて「ぼくはなんでもできる!」という輝く未来へ駆け出すきっかけを作ってあげてくださいね。 (ポセイドン・ヨーコ)
2015年10月20日ママにとってのイヤイヤ期の難所は「食事」と言っても過言ではないのでしょうか。 「うちの子ご飯食べなくって」「だらだら食べるので時間がかかるんです」なんて、なげくママたちの声をよく聞きます。何を言ってもこちらの話を聞いてくれない上に食事すらまともに食べてくれない。そんなときの必殺技をご紹介したいと思います。 1.我が子の食事を観察してみよう まず、子どもの食事の順番を観察しましょう。好きなものから食べる子をパターンA、好きなものを最後に残す子をパターンBとします。 ■好きなものを最初に食べる子の場合 好きなものから食べるパターンAのお子さんには、食事の順番を変えてみましょう。好きなものを食べられれば、そこで欲求が満たされてしまいます。嫌いなもの、苦手なものを食べるまでに時間がかかったり、スムーズな食事から一転し遊び食べに流れる子が多いです。 我慢すればするほど好きなものはおいしく感じるはず。「大嫌いなピーマンを乗り越えたさきに大好きなハンバーグがある! 乗り越えた分だけ好きなものがいっそう美味しい!」といったような体験をさせることが大切です。 ■好きなものを最後に残す子の場合 好きなものを最後に残す子が食事に時間がかかる理由として、食事の量に問題があるケースが多くあります。もしかしたら、「ちょっと量が多かったかも」なんてことがよくあるんです。 そのため、いったん量を減らしてみましょう。これだけで、きれいに食べきることがあります。もし全部食べられたら「お皿ピカピカになったね! ママ、すごく嬉しい!」と食事に対する達成感を感じられるようにしてあげることが重要です。 2.いったん食べさせないという選択をしてみる 以前、 「正しい子ども叱り方って? 良く使うあの一言が躾にはNGだった」 という記事にも書きましたが、子どもの学習能力を刺激するためには、経験を元に予測できるようなサイクルを作ってあげることが必要です。 これはさまざまなことに共通しているので、今回は食事サイクルを作ってあげればよいということになります。 せっかく一生懸命作ったごはんを楽しく「さぁ、食べよう」と言ったものの、まったく食が進まないわが子を見ると、カチンと来ることもありますよね。 そんなときは、食べ始める前にまず声をかけます。 「ママ、○○ちゃんのために一生懸命ご飯作ったからおいしく食べてほしいな」「一生懸命ご飯作ったのに食べてもらえないととっても悲しい」。 それでも食べなければ「ご飯食べたくない? 食べたくないなら食べなくていいよ」と伝えます。そこで「食べる」と言うならそのまま食べるのを見届けてあげましょう。大体イヤイヤ期間中の子どもは「食べる」と言って食べないでだらだらしているのがほとんどです。 こうなったら最終手段を告げることを伝えます。 「だらだして食べないなら、もうご飯下げるね」 5分待てど10分待てど、必死に食べようとする気配がなければ王手、食事を下げます。ちなみに、2歳児の食事時間は平均20分~25分に設定するのがおすすめです。 「やだやだ? なんで! 食べるよ! 食べる?!!」と相手は全力で泣くなり騒ぐなり反抗します。 ここで、トドメの一言 「ママはもう○回もお話したよ。それでも食べないなら無理して食べなくていいよ。だから今日はご飯おしまい!」自分の行動に対する責任は自分で取るべきだと教えてあげます。 夜寝る前に「お腹すいた?」と泣いたときには「だから、ママは何度もあのときお話したんだよ?」と話し寝ます。 ご飯を食べない→下げられる→お腹が空く→楽しく遊べない、夜寝れない→次は絶対最後まで食べよう→もりもり食べる→ママが喜ぶ→楽しく過ごせる→お腹いっぱい幸せな気持ちで寝る…。 こんな感じのサイクルを作ってあげてください。 サイクルが出来上がるまで平均2週間です。何度も何度も付き合ってあげることで信頼関係も自信も学習能力もついていきます。 (ポセイドン・ヨーコ)
2015年09月19日2歳後半になり、いろいろおしゃべりができるようになってきたお子さんを持つお父さんとお母さんから、お子さんが「なんで」「どうして」という質問ばかりしてくるという話をよく伺います。 今回は、何かするたび出てくる「なんで?」「どうして?」のメカニズムとその対処法をご紹介したいと思います。 みなさんは、お子さんの言葉数が増えると対等に会話をしてしまうことありませんか? 早い子では1歳頃から言葉数も増え、「こういう言い回しをするってことはもう大体わかっているんだな」と思うこともありますよね。 でも、相手はまだ生まれてから1、2年しか経っていません。生後20年、30年、40年も生きている大人と対等に会話することは不可能です。そのため、私たちに必要なことは“汲んであげること”です。 たとえば「にゃんにゃんがいるよ」と子どもの一言があったとします。 でも、これはいろいろパターンを考えることができます。 「にゃんにゃんがいるよ」 →(大きい)にゃんにゃんが(目の前に)いるよ →(茶色い)にゃんにゃんが(向こうに)いるよ この2つの文章にあるかっこの中を子どもは求めて大人に話をしていることがあります。 子どもが何か言ったら補足してオウム返ししてあげることが言葉の発達につながります。アウトプットすることでインプットできる脳の仕組みを活用してみてください。 だいたいここまでが1歳~2歳手前の子どもにできる大人のフォローです。 そして次からが本題。もう少しおしゃべりが上手になった2歳以降の子どもたちへの対応方法をお伝えします。 1.疑問の「なんで」「どうして」 子どもが「なんで」「どうして」と聞く理由は大きく分けて2パターンあります。まず1つ目は、疑問に感じたから聞いているというパターン。 「これはなんでだろう」「どうしてだろう」と、ただ疑問に感じただけ…。とはいえ、これが否応なしに月齢が上がるにつれ加速していくので、大人は「めんどくさいなぁ」「うっとうおしいなぁ」と感じてしまいますが、もうそれは耐えるしかありません(笑)。 ただ、頑張って応える必要はないのです。こういうときには大人の「めんどくさい」「うっとうしい」という感情を教えてあげるきっかけにもなります。 「ママにもわからないことがあるからそんなに質問されると困っちゃう」とか「んーわからないから一緒に考えてみよう・調べてみよう」なんていう対応が理想です。 2.確認の「なんで」「どうして」 文頭で書いたように子どもは頭の中で考えていることを全部言葉にはできません。語彙力や表現方法の知識が追いつかないからです。そのため、頭の中で思っていること、浮かんでいる言葉をなんと表していいのか探すために「なんで」「どうして」を使って大人から言葉を引き出そうとします。 母「今日は雨だから傘さしていこうね」 子「なんで?」 母「(雨だからって言ってんじゃん!!)だーかーらー」なんてことありませんか? このような状況を解説すると、 母「雨だから傘さしていこうね」 子「(傘をさすのは雨だからなのかな)なんで?」 と、こんな感じです。 子どもは、自分の耳に入ってきた情報が正しいか否かを確認するために「なんで?」「どうして?」と聞き返しています。この場合はきちんと答えてあげることが必要ですが、「なんでだと思う?」と聞き返してあげるのがおすすめです。 このように確認のために「なんで」「どうして」を用いる子は実際分かっているけど自信がないという場合がほとんど。 母「雨だから傘さしていこうね」 子「(傘をさすのは雨だからなのかな)なんで?」 母「どうしてだと思う?」 子「雨?」 母「そう! 大正解! 雨だから傘さすんだよね」 と対応してあげることで、自尊心が高まり語彙が増え一石二鳥! 自信をつけるためには間違えを恐れずに勇気を出して一歩前に出ることが必要です。うっとおしく感じる子どもの「なんで」「どうして」をうまく利用し、母子ともに自信をつけてみてはいかがでしょうか。 (ポセイドン・ヨーコ)
2015年09月18日もうすぐやってくるシルバーウィークに「どこかに連れて行ってあげたい」と考えているママも多いのでは。そこで、おすすめなのが埼玉県の大宮駅近くにある「 鉄道博物館 」です。 電車好きの“小鉄くん”のママたちは、毎日の子どもの遊びを見ているうちにだんだんと電車の面白さに魅了され、気づけば電車の虜になっているという人も多いのでは。 今回は親子で楽しめる鉄道博物館の魅力をご紹介します。 アクセスまでの電車も楽しい! JR東日本運営の鉄道博物館。実は、現地につくまでも館内でも楽しめる博物館なのです! 鉄道博物館(以下、鉄博)までのアクセスはJR大宮駅から ニューシャトル という電車に乗ります。 ちなみにこのニューシャトル、案内軌条式(新交通システム)というゴムタイヤで走行するシステム。ホームに入ってきたときタイヤを見てみてください、乗り心地も最高。電車好きにはたまりません。 鉄道博物館駅は大宮駅の隣に位置しています。かわいいフォルムのニューシャトルと別れ、駅構内をまっすぐ進むと、鉄博の入り口が。JRの運営というだけあって、入場には専用カードを借りるかsuicaで支払いをします。ここも楽しみポイントの一つですね。 入場したらまずすることは? 天井が高く広々としたエントランスは誰もが見とれてしまうほど。しかし、エントランスを超えたら、まず鉄博の目玉アトラクション「ミニ運転列車」の整理券をゲットしましょう。 3人乗りのミニ電車を運転することができるこのアトラクションは、子どもたちに大人気。山手線はもちろん、成田エクスプレスにブルートレインもあります。 整理券をゲットしたら運転士体験教室の申し込みを。他にも運転シュミレーターを体験することもできますが、これもかなりの行列になるので早めに行くのがおすすめです。 そして、鉄道博物館の最大の見どころは何かというと、 ゾーン別展示 エリア。「あぁ子どものときにこの電車乗ったことある!」なんて思い出を振り返るのにも最高の場所です。 子どもたちにとっては乗り降り自由な電車の数々とレイアウトも迷路のなかにいるような気持ちになり、ワクワクが止まりません! 子どもの迷子に気を付けて 鉄博のゾーン別展示は上記で書いたようにまるで迷路のよう。館内もとっても広いため、子どもと迷子にならないように気を付けましょう。 そのためにも、迷子になったときのためのルールを子どもと決めておきましょう。 ・迷子にならないように手を繋ぐ ・迷子になったら○○で待ち合わせ ・時計の長い針が12になったら、○○で待ち合わせ(小学生向き) こんな感じで展示に入るまえに一言お約束をしておくことがおすすめです。 館内マップの案内所の位置を確認しておくことも忘れずに! 展示に疲れたら屋上で休憩…その後は? たくさんの展示を見て疲れたらちょっと一息。鉄道博物館はJRの線路に沿って建てられているので、屋上に行くと新幹線や行きに乗ったニューシャトルを近くで見ることができます。大宮の景色を眺めるだけで気分もスッキリしますよ。 そして、鉄道博物館を出てから徒歩7分程度の場所に「 おふろcafe utatane 」という温泉があります。ここにはキッズスペースもあり、ごろ寝はもちろん鉄道博物館の興奮と疲労を癒すにはもってこい。 疲れた足を湯船で温めて、ごろ寝スペースでストレッチ。有料のマッサージもおすすめです。 タオルはもちろん館内着もレンタル可能まので手ぶらでも安心! 美味しいごはんもお酒もあって、家族みんなが癒やされる場所です。 帰りは温泉施設から大宮駅までを結ぶシャトルバスに乗ってのんびりした気持ちのまま帰ることができますよ。 関東エリアからならば日帰りで気軽に行ける鉄道博物館。ぜひ家族みんなで出かけてみては。 (ポセイドン・ヨーコ)
2015年09月13日最近「叱らない育児」という言葉をよく聞きます。今回は「叱る」ということはどういうことか、根本的な意味合いも含めて正しい叱り方についてお話したいと思います。 「脅し」と「叱る」の境界線 「ごはんを食べないと目が潰れる」とか「早く寝ないと鬼がくる」という台詞、昔からありますよね。最近では「鬼から電話」というアプリが使われていて、よく子どもたち同士で「先生の話を聞かないと“鬼電”来るよ」なんて言い合う姿を見ます。 鬼やおばけ、そして、目が潰れると言った言葉は、大人が勝手に「わかりやすく伝えないと子どもはわからない」と思い込んだ結果、出てくる言葉のように思います。 もちろん、わかりやすく伝えることは子どもと関わることにおいて必須条件です。でも「鬼」「おばけ」を使うことで実はとても大切なことをうやむやにしてしまっていることに気づいてください。 「ちゃんと」「しっかり」の使い方に注意して 例えば、よく「ちゃんとして」とか「ちゃんと歩いて」など、「ちゃんと」という言葉を使って子どもに語りかけるお母さんやお父さんの姿を見ます。でも、「ちゃんと」とはいったいどういう状態なのか子どもはわかりません。「ちゃんと歩く」の「ちゃんと」はまっすぐ歩く、手を繋いで歩くなどという具体的で明確な状態を「ちゃんと」という一言でうやむやにします。 基本的に、保育では「ちゃんと」という言葉は使いません。「まっすぐ壁にそって歩いてね」と具体的なお願いをします。 「早く寝ないと鬼が来る」も同じで、「鬼が来る」と言われた子どもは「早く寝ないと怖い思いをする」「よくわからない鬼というモノが私に会いにやってくる」と考えます。でも、大切なのはそこですか? 「早く寝ないと明日いっぱい遊べないよ? 早く寝たら早起きできるからいっぱい遊ぼうよ」というように具体的に明確に、「これをしなかった場合、何がおこるのか」を伝えたあげるほうが、「鬼」であしらうよりもぐっと理解力も語彙力も増えます。 そして、「ご飯を食べないと目が潰れる」→「ママ、一生懸命ご飯作ったから食べてほしいな」と言い換えることで、親も人間であり感情があることを理解します。そして、自分のために誰かがしてくれたことの喜びを感じることができます。 叱ることの本質 もちろん、「早く寝ないと明日いっぱい遊べないよ」「早く寝たら早起きできるからいっぱい遊ぼうよ」と言ったところで、子どもが素直に寝てくれるわけありません。育児に対して抱いてはいけない希望は「即効性」といっても過言ではないくらい、子どもを育てるのには時間がかかるのです。 「言ってみてと言われたからやってみたけどダメでした」なんてアドバイスした翌日に私のところにいらっしゃるお母さんがいますが、そんな簡単に終わるわけありません。 言っても寝なかったらそれでいいのです。「昨日寝付いたのが遅かったから今日はゆっくり寝かせておこう」という気持ちはまっさきに捨て、いつも通り起こしてください。 遊んでいる最中や食事中に眠そうにしている子どもに「ママ、昨日の早く寝ないと困っちゃうよって言ったじゃん」と軽く伝えましょう。ただ、その繰り返しです。 「遅く寝る→朝起きるのが辛い→たっぷり遊びたいけど疲れちゃう→ママの言うとおり」、という流れを頭の中で作ってあげることが大切。子どもは脳みそがスポンジのようなので繰り返せば繰り返すだけ覚え、学習していきます。 「鬼」や「おばけ」を使うのは簡単です。すぐ思い通りに子どもは動くはずです。 でも、それは叱るということではなく「脅し」だと考えてください。恐怖を感じる故すぐ動くのです。 自分が後悔しないしかり方 子どもの行動・言動にたいしてついカッときて、その勢いで叱りつけてしまうことありませんか?時間が経って気持ちが落ち着いたときに「あぁ叱ることじゃなかったな」とか「勢いで叱ってしまったな」なんて後悔するときありませんか? そんな後悔をしない方法をお伝えします。 ・人に迷惑をかける ・命の危険がある この2つのこと以外は叱る必要はありません。 それ以外のことでついカッなってしまったときは、子どもとの距離を一旦置きましょう。トイレやキッチンなどすこし冷静になる時間を作ります。そこから、「なぜ」「その行為を続けるとどうなるか」「(自分)がどんな気持ちになった」を整理してください。 整理がついたら、「○○の理由でママは悲しかったかったよ。もしそのまま続けていたらこう(想定される出来事)になってしまうから、やめようね」と具体的に端的に伝えてあげましょう。 叱るより諭す、子どもが自分で気づくことがなによりも子どもの成長に繋がるのです。大人になった時に、なぜ危ない場所に行かない方がよいのか、どうして悪いことはしてはいけないのかが判断できる子どもになるためには、小さい時から具体的な理由をちゃんと伝えて叱り続けるしかないのです。 もしカッとなって叱ってしまったら、「さっきはママ強く怒ってごめんね。でも、ママはとっても悲しかったんだ」といったように、後悔を感じた気持ちをそのまま子どもに伝えましょう。 感情を可能な限り伝えることで、行為→感情の流れが頭に組み込まれるので、人の気持ちを理解できる子に育ちます。 「叱らない」ということと「放任」は違います。正しい叱り方をマスターすることで、母子の関係が一層楽しくなりますよ。 (ポセイドン・ヨーコ)
2015年08月17日「 ひとまねこざる 」(岩波書店)という絵本をご存じでしょうか。黄色い帽子をかぶったおじさんによってアフリカの大草原から大都会・ニューヨークに連れてこられた主人公のジョージ。知りたがりやで目に映るものすべてに疑問を持ち、なんでも自分でやってみるというお話です。 絵本のなかでジョージが興味を持つ姿は、子どもたちの好奇心旺盛な姿とよく似ています。 子どもの観察力はすさまじいもの 子どもたちは大人が思っている以上に大人の行動を観察しています。たとえば、室内の自由遊びで携帯電話のおもちゃを出すと「あーすいません、あとでかけなおしますね」「洗い物だけやっといて、よろしく」「今から電車のるから!」なんて言葉が飛び交います。他にも首と肩の間に携帯電話を挟んで何か作業しながら「あーうんうん」なんてうなずく子どももいるほど。 子どもにとって大人は恰好の観察対象、そして憧れの存在なのです。 子どもを信頼して“任せること”が成長のカギ 何か人に頼られたり信頼してもらえることで「頑張ろう」「やってみよう!」と自信を持ち、成功したときに喜びを感じるのは大人も子どもの一緒です。自分の身の丈よりも少し難しいことを頼まれ成功することで自立と自尊心を伸ばすことにつながります。 子どもに頼るのに最適なことといえば「お手伝い」です。小さいころお使いをたのまれたとき、ドキドキしながら小銭を握りしめ近所のスーパーに行った記憶はありませんか? 頼まれたものを買って、無事家に戻ったときのお母さんの表情を、私は今でも覚えています。 お手伝いといえども、「小さい子どもになにを任せていいかわからない」と思う方もいるでしょう。そんな方々のために、簡単に頼めるお手伝いを少し紹介したいと思います。 ■ごはんの準備 「ママ、美味しいご飯つくりたいんだけど、一人だと大変だから混ぜ混ぜお願いしもいい?」とボールにご飯を入れて、しらすやシャケなど小皿に入れて渡してあげます。 説明は「ご飯にしらすを入れてスプーンでまぜまぜしてね」の一言のみ。 子ども自身に任せてあげてください。もし汚れるのがいやならば、テーブルの上にラップを敷いてあげたり、新聞紙を敷いてあげるのがおすすめです。 このほかにも、ハンバーグのこねる作業をお願いするなどいろいろな方法がありますが、大切なことは「できたことを実感する」こと。 おにぎりだと出来上がったら、自分が作った状態のまま食べることができますよね。月齢に合わせた料理のお手伝いをお願いしましょう。 ■洗濯物をたたむ 生活習慣について書いた記事 で「たたむ」ということに触れましたが、洋服をたたむことは指先を使う子どもに大人が思う以上に頭を使う行為です。 まずはタオルから頼んでみましょう。目の前で「はじっことはじっこをくっつける」「はんぶんこ」この2つの声がけで十分です。 たとえぐちゃぐちゃになってしまっていても否定はNG。「わぁ!どうもありがとう!」と笑顔で感謝します。回数をこなせばこなすだけ上手になります。そして、たたむという行為は折り紙にもつながり、手先が器用になります。 これ以外にも、洗濯物を干すことをお願いするのもおすすめです。洗濯ばさみに何か挟むという行為は集中力を要します。指先の運動も兼ねているので達成感も大きいのです。 日常にただ転がっているようなものも子どもにのっては多岐にわたる挑戦。現時点の成長度合いよりも、ちょっとレベルの高いことをこなしていくことで子どもはめまぐるしく成長しています。「これはできないかな」なんて思うことでもどんどん挑戦させてあげてくだいさいね! (ポセイドン・ヨーコ)
2015年08月04日育児の最初の関門と言っても過言ではない、トイレトレーニング。「難しそう…」なんて遠ざけてしまっていはいませんか? やり方さえ覚えてしまえば、実はゲーム感覚で楽しむことができるのです。 おむつの卒業に最適な時期はいつなのかという質問をよく受けますが、私は「首が座ったら最初の一歩をスタートしましょう」と必ず答えます。 なぜなら、紙おむつに慣れてしまう前に、おまるで排泄(はいせつ)する感覚を覚えることが大切だからです。 紙おむつで排泄することに慣れてしまうと、その分外すのに時間がかかってしまいます。時間がかかるということは、ママの労力も同じだけ費やすことになるのです。 赤ちゃんの首が座るころ、少し背中を支えてあげると座ることができますよね。「首が座る」「支えてあげれば座れる」という発達は、実はおまるデビューに最適な時期なのです。 赤ちゃんは体が小さいぶん体内のめぐりが早く、寝起きや授乳したあとなど、必ずおしっこをするタイミングがあります(おっぱいを飲みながらおしっこするなんていつものこともあります)。 まずはそのタイミングを見計らって、おまるで素早くキャッチしてみてください。 まずはおしっこ表を準備して おまるの準備ができたら、次に用意するのは「おしっこ表」。チラシの裏紙など、簡単なもので大丈夫です。 ○・◎・△が意味するものは下の通り ○…おむつのなかでおしっこが出た(出ていた) ◎…オマルでおしっこがでた △…うんちが出た(出てた) □…オマルでうんちが出た こんな感じで表に自分で決めた印を書き続けることによって、赤ちゃんの排泄リズムを体感することができます。 「昨日はこの時間におしっこが出たから今でるかも…」と思いオマルに座らせたら、オマルで出たという快感を感じてみてください。この快感にはまれば、おむつを卒業するのも楽しくなってきます。 おまるの選び方 おまるにはいろいろな種類がありますが、ここで大きく2つに分けて説明したいと思います。 ポットタイプ ポットのようなかたちが特徴の 琺瑯(ほうろう)おまる です。とてもシンプルなデザインで、片手で支えられるのでおっぱいあげながら片手でおまるを当てるができるのはとても便利。そして、付属のフタが匂いをそとに漏らすことを防ぐので、長時間の車移動などに最適です。 ただ、底の面積が狭いので一人で座っておしっこするにはバランスが取りずらく難しかしいとうい欠点も。 便座タイプ 自分で座ることができる 便座のおまる 。上の便座をはパカっと外して大人のトイレにつければ補助便座になるのもなるのでオススメです。 最後に、何よりも大切なことはおまるでおしっこしたときに、これでもかというくらいに喜んで褒めてあげてください。 ママの喜ぶ顔は赤ちゃんにとって最高の喜び。「おまるでおしっこするとママは嬉しいんだ! もう一回やってみよう!」と赤ちゃんも前向きな気持ちになれます。
2015年08月04日よくお母さまたちから「どんな習い事をすればよいか」という質問をされます。実はこれ、子どもの年齢によっては正直困ってしまう質問だったりします。 ワーキングマザーを母親に持つ子どもは、愛着を何よりも求めています。そのため、土日は習い事を入れるのではなく、その時間めいっぱい一緒に遊んでほしいと思うからです。しかし一方で、お母さんたちも数十分・数時間、自分の時間を求めているのだろうなと感じます。子ども・お母さん、それぞれの視点に立つと真逆の答えが出てしまいます。 そこで今回は、親子の時間を作りながら生活習慣を正すことが、習い事に変わるほどのメリットがあるということをお伝えしたいと思います。 そもそも生活習慣ってなんだろう 育児をはじめてから、よく「生活習慣」という単語を耳にしませんか? ざっくばらんに「生活習慣を大切に!」なんて言われても、少し曖昧で実際に何をどうするのかが提示されていません。 では、具体的に生活習慣は何かというと、下記の項目があげられます。 ・起床、睡眠時間(俗に言われる「生活のリズム」) ・洋服の着脱 ・排泄リズム ・食事(食べ方、食べる量、食事にかかる時間など) ・整理整頓(おもちゃのお片づけ、洋服のお片づけ) この生活習慣を身につけることで、習い事に負けないほど子どもの能力が伸びることを皆さんに知っていただきたいのです。 生活習慣は全てに通じている 例えば、さきほど紹介した生活習慣のなかでも整理整頓はいろいろなところにつながっています。 ■おもちゃの片付け おもちゃのお片づけは知育でいう「仲間集め」です。「お片づけして!」なんて一言で終わらせるなんてもったいない! 同じ種類・色・形を見分け、ひとつの場所に集めるということ。そのため、「黄色いブロックからお片づけしようか」や「これと同じ形のブロックからお片づけしよう」など、条件をつけることによりゲーム感覚でお片づけを楽しむことができます。これは楽しいだけでなく、かたちを理解する力・判断力、そして理解力を使います。「よーしママも負けないぞ」なんて一声で親子の楽しい時間に切り替わります。 ■洋服の片付け 洋服の片付けは実は奥が深いもの。「なぜ、洋服を片付けなければいけないのか」という基本中の基本から教えてあげることが大切です。 朝起きたときに子どもの目の前で「ママ、上手にたためるんだ~」なんて言いながら、脱いだパジャマを綺麗にたたんであげましょう。キラキラした目で食い入るようにみるはずです(寝起きが悪い子は少し落ち着いてからやってあげましょう)。 綺麗にたたんだものはしまわず、寝室など目の届くところに置いておきます。ここまでがいわゆる導入です。 時間をすすめます、夜お風呂に入るときにまた服を脱ぎます。そのときも「みてみて~、ママ綺麗にたためるんだ~」と言ってたたむ姿を見せてあげます、こうすることで朝のパジャマの存在を思い出します。 お風呂に入ってパジャマを着るとき、いつもよりオーバーリアクションで「朝ママが綺麗にたたんだんだよね!」と言ってたたまれたパジャマを見せてあげましょう。そして「綺麗にたたんであると着るときラクチンだね」と決め台詞を輝く笑顔で投げかけます。 すると、子どもの頭のなかで一つのサイクルが出来上がります。 脱ぐ→たたむ→着る→ラクチン→ママの笑顔→脱ぐ→たたむ→着る…。 ここまでできたらもうこっちのもの。「明日一緒にやってみる?」と輝く笑顔で聞いてあげてください。 たたみ方を教えるコツは4つ ・まずは半分に畳むことから始める ・はじとはじを合わせられるようにする ・ぐしゃぐしゃになりそうだったら気づかれない程度に手をだす ・オーバーリアクションで褒める まずは後ろから手をとって半分に畳むことから。ズボンが一番良い導入になると思います。「こことここ、はじっことはじっこをくっつける。はんぶんこ~」なんて声をかけてあげると良いと思います。 ちなみにこの洋服を畳むという行為は「折り紙」に繋がるのです。指先の運動を繰り返すことで頭はどんどん回転し、折り紙は子どもの創造性を高めます。一枚の紙からいろいろなものができあがる喜びと達成感は大きなものです。 生活習慣を見直しながら、親子の時間を過ごせるなんて一石二鳥。お子さんとの毎日の暮らしを楽しんでくださいね!
2015年08月02日子どもは大人の会話の中から単語を拾って語彙力を伸ばしていきます。周囲の人間からすれば大人の会話で使うような単語を発する子どもに対して、それと同等の理解力・精神力があると勘違いしてしまうことがありますが、子どもの記憶力は大人の記憶力に比べて5分の1以下程度と言われるほど。 まず最初にロボットのおもちゃで遊んでいて次に車で遊んでいたとしても、最初に何で遊んでいたかと聞くと、「くるま!」と、もっとも印象が強かったものを答える傾向にあります。そのため、出てくる単語が一定になったり、発した単語が正しい意味で使えるようになったりするのは、まだまだ先のことなのです。 子どもの語彙力を上げる一つの大切なルールは、耳と目、両方に訴えることです。車を教えるときは車を見せる、水を教えるときは水に触れさせる。ヘレンケラーとサリヴァン先生のイメージです。 そのほかにも、例えば何か欲しいときに「ちょうだい」と言えるようにするためには「ちょうだい」と何度も言わせるのでなく、ちょうだいと人に言ったらどんなことが起きるのかも一緒に教えてあげることが大切なのです。 現実と願望を同時に感じる子どもの能力 突然子どもが「公園に行ったんだよ」「アイスを一緒に食べたよね」なんて身に覚えのないことを言い出すことはないでしょうか? そんなときは「そうだね、今度一緒にいこうか」と笑顔でお返事してあげてください。どうしてこのような突拍子もないことを言うのでしょうか、それには子どもらしい言葉と記憶のメカニズムがあります。 現実世界と願望、すなわち夢見る世界が子どものあたまの中では介在しているのです。「アイスクリームをたべたいな~」と思ったとしても、「~したい」と未来を表す言葉の使い方は過去を表す言葉よりも後に理解するようになるので、唯一理解している過去を表す言葉「~した」を用いて記憶するのです。 すなわち、見に覚えの無い「公園に行ったんだ」「アイス一緒に食べたよね」などの経験談は子どもの願望を表しています。嘘だと思って叱ったり否定するようなことをしてしまうと、子どものサインを見逃すことになるので、是非これをきっかけに子どもの希望をキャッチしてあげてくださいね!
2015年07月29日絵本は子どもにとっての大切な教科書でもあり、心の友達のような存在です。私は幼いころ母に読聞かせしてもらった中の一番のお気に入りの絵本を今でも大切にしています。なにか仕事で落ち込んだり、辛いことがあると原点回帰のような気持ちで声に出して読み、子どものころの気持ちを取り戻しています。 学生時代、親の言う事は聞かないけど、他人から言われると納得できたという経験はありませんでしたか? それと同じで、子どももお母さんから怒られるより、絵本を通して知ることの方が素直に聞くことが多いのです。 実際、保育ではよく 「いやだ いやだ」(せなけいこ 福音館書店) を使います。読聞かせしたあとに「ルルちゃんはなんて言えばよかったのかな?」と子ども聞くと「できるできる!だよ」と教えてくれます。 そこまで言えなかったら絵本の中の「いやだ いやだ」を「できる できる」に置き換えて読んであげてください。きっと子ども顔がパ~っと明るくなるはずです! 言葉で魔法をかけてあげることでグンっと子どもの可能性は広がります。身近な見本として絵本の中の登場人物が活躍してくれるので、なかなか言うことを聞いてくれないときは、その状況に応じた絵本を見つけ出すのが解決に繋がるかもしれません。 絵本選びに困ったらどうする? 絵本と子どものつながりは切っても切れない大切なものです。現在の日本では子どもと絵本の出会いは早く、平均0歳~1歳代から絵本の読聞かせをスタートする家庭がほとんどと言われています。1992年にイギリスでスタートした「ブックスタート」というサービスが2001年に日本に入ってきたことも、早期読み聞かせスタートの要因になっているかもしれません。 ブックスタートとは 各地方自治体において開始されたサービス。保健所、保育者そして研究者らの幅広い専門家が関わり親子で楽しめる絵本を伝える運動。 NPOブックスタート たくさんある絵本の中から何を選べばいいか不安というママ。そして読み聞かせってどんな風にしたらいいの? と悩んでいるママにぴったりのブックスタート。全国923市区町村に広がるブックスタートを有効活用してみてはいかがですか? きっと親子で楽しめる絵本に出会えるはずです。
2015年07月27日子どもがイヤイヤ期を迎えるということは、精神面や理解力も育ってきている証拠。しかし、なんでも「イヤイヤ!」となってしまうから、ママはとにかく大変です。そこでおすすめなのが、どこかお出かけする前や一日の始まりに子どもと約束をする、ということ。 ただし、長々と約束ごとを話すのは逆効果です。「ママがいろいろなことを言ってるけど、よくわからなかった…」となってしまいます。例えば、「これからスーパーに行くよ。○○ちゃんに一緒に行ってほしいのだけど、ママとのお約束守ってほしいの。イヤイヤしないで欲しいの、ママは楽しくお買い物したいんだ」といった感じで、 ・目的 ・場所 ・約束ごと ・理由(なぜ約束をするのか) の4つを端的に伝えましょう。 これらを踏まえて、イヤイヤ期を楽しく過ごす2つの方法をご紹介したいと思います。 真正面から受け止めず、ちょっと横から見つめてみる 子どもと1日一緒にいるだけで疲れてしまい、精神的にも限界を迎えているママたち。子育てをする上でまず大切なことは「諦める」ことです。思い通りにいかないのが子育て。「自分の子どもだから自分でなんとかしないと」と、肩肘を張るほどつらくなってしまいます。 例えば「◯◯ちゃんのお腹のなかにイヤイヤ虫がいっぱいいるみたいだね…。ママ悲しい! イヤイヤ虫どっかいけー」と気分を変えてあげるのも一つの手段。いつも「イヤイヤ!」と言うと怒られていた子どもも、違う反応を見せてくれます。 大人も「イヤイヤ」になることを伝える 子どものイヤイヤ期に、大人も同じような気持ちになることはありませんか? そうであれば、その気持ちを子どもに伝えることも大切です。しかし、そこで大人の本音と建て前を見せてはいけません。 例えば、スーパーなどで「買って、買って!」と体をふんぞり返して泣き騒ぶ子どもたち。周りの人に見られて恥ずかしい! という気持ちは少し忘れて、全力で対抗しましょう。 「いやだ!ママは買わない!って言った!ヤダヤダ!!」と、大人の本気を見せると大抵の子どもはキョトンとします。 他には散歩の途中歩きたくないと泣いて座り始める子どももいますね。そんなとき「じゃあママ帰るよ」と置いていくことも一つの方法ですが、それを繰り返していると「どうせママは戻ってくるし、どこにもいかない」と効果は必ず無くなります。 「やだ!」「だっこして!!」と座り込み、こちらの様子を伺う子どもに屈してはいけません。膝を折り曲げ同じ目線に立ちこう言うのです、「やだ」「だっこしない」「ママだって疲れたからだっこできない!」。 もしも子どもが泣きだしたら、まず泣き止むまで待ちます。「えんえんが終わったらお話しよう」と伝え、そこからはひたすら待ちましょう。この時間がとにかく長く感じますが、待つということで子どもにママがあなたを信頼しているという意思表現となり、精神的自立の背中を押すことにつながります。 泣き止んで少し落ち着いたら、改めて話をすることが重要です。 「ママがイヤイヤしたら、困っちゃうよね。◯◯ちゃんがイヤイヤするとママ同じ気持ちになるんだ。だから、イヤイヤしないでママとお話ししようよ!」と伝えてあげてください。 この、方法には以下の効果があります。 ・子どもがイヤイヤしたときに親がどういう気持ちになるか擬似体験する 擬似体験を通し、人の感情を理解します。「ママは困っていたんだ。ママはちゃんとお話しを聞いてくれるみたいだ」と自分の気持ちを伝えることの大切さを感じるきっかけになったり、人の気持ちを理解できる大人への入り口になるきっかけはこういうものの影響だったりします。 ・子どもの気持ちに寄り添っているという子どもへのサインになる 子どもは寄り添ってもらうことで安心感を得ます。心理学でいうミラーリングです。自分と同じ行動を取る人に心をを開くのと同じ効果です。「あ、今ママは私の気持ちを分かろうとしてくれてる」と母子間の信頼関係も強まります。 子どもが本気で感情を表現してくるときは、大人も本気のやり合いを楽しんでください。それが子育てのヒントになるかもしれません。
2015年07月25日子どもたちは公園で初めて外の世界、そして自由に遊ぶことを覚えます。とはいえ、公園デビューでママたちの心配ごとは子どもの怪我や事故だけでなく、そこで仲良くなったママ友たちとの人間関係もありませんか? SNSが普及し、顔を見合わせてのコミュニケーションよりも画面を通して繋がることを重視する時代になってきました。「公園に連れて行きたいけど、ほかのお母さんもいるし、めんどくさい」という気持ちは自然なものです、そこで一歩踏み出してみませんか? 子どもはママのことをよく見ています。人との関わりかた、コミュニケーションの取り方はママが一番のお手本です。 大人同士のコミュニケーションが面倒であったら、公園にいる子どもと自分の子どもの仲立ちをしてあげることで十分なお手本になります。そして、人との関わりに疲れたとき、ゆっくり過ごすことも大切なお手本になります。 公園で子どもの考えるスイッチを入れよう 子どもは、高くそびえたつジャングルジムや大きな遊具を初めて見たとき「なんだこれは…」と、一瞬躊躇します。 そこで、「遊んでいいよ!」という声掛けはタブー。「~していい」というのは許可の意味を持ちます。許可の繰り返しを行っていると、何かやってみたいことがあっても許可が出ないと自ら動くことができなくなってしまうからです。 まずは、お手本を見せてあげることが大切です。例えば、ジャングルジムの一番上まで登り「高いところって気持ちがいいよ~」と声をかけてあげると、「高いところって気持ちがいいんだ! ママ、とっても楽しそう!やってみたい!」と高いところへの憧れと楽しみが芽生えます。 そこで、ジャングルジムの登り方を教えてあげます。一つひとつ手取り足取り教えるのではなく、ズボンのおしりの部分を掴んで支えてあげることだけで十分です。四肢の使い方やどうやったら上まで登れるかを考える時間を与えてあげることが重要です。 一段でも多く登れたときには目一杯褒めてあげましょう。認めてもらうことは自尊心を高めることに繋がります。 一緒に遊ぶことで芽生える親子の絆と、自分で考えることを楽しむ子どもの姿を是非楽しんでくださいね。
2015年07月03日発達心理学の実験の中で母子間の関係性を示す興味深い実験があります。 視覚的断崖と呼ばれる装置を使った実験です。この装置は深い穴が空いた道に強化ガラスを敷き赤ちゃんが歩けるようにしたもの。 赤ちゃんを強化ガラスの前に座らせ、目線の先にはお母さんがいる状態にします。その状態で、お母さんは赤ちゃんを呼びます。その時、 ・無表情 ・「落ちちゃう!」と焦る顔をする ・笑顔 という3種類の表情を見せた時の、赤ちゃんの反応を比べるのです。 実験から見る母子の関係性とは まず、無表情で呼ぶと、赤ちゃんは自らの手を使って、ガラスをバシバシ叩きます。バシバシ叩いて下をのぞいたり、今自分がどのような状態に置かれているかを考えます。 そして、焦る顔をして呼ぶと、ガラスを叩くことなくガラスの下を見て、高さを感じ泣きわめいてしまうのです。 最後に、笑顔で「おいで!」と呼ぶと、ガラスの前で少し躊躇(ちゅうちょ)しますが、恐怖を乗り越え近づくという結果になりました。 この実験は、ハイハイができる生後半年~9カ月ごろの赤ちゃんで行っていますが、新生児の頃から母親の表情をよく観察し、コミュニケーションの一環としてマネをしようとすることも証明されているのです。 赤ちゃんはママの顔を眺めているのが大好き。ママ自身が思っている以上に赤ちゃんはママの顔をよ~く観察しているのです! さわやかに去り行く母は美しい さきほど紹介した実験を通してみなさんに知っていただきたいのは、「赤ちゃんはお母さんの表情を通して、物事を学ぶ」ということ。 保育園にお子さんを預ける時、「いかないで~」と泣き叫ぶ我が子を振り切って仕事に行くのは、本当に切ないですよね。そんな時は、今回の実験の話を思い出してください。 どんなに赤ちゃんが泣いていたとしても「大丈夫! ママがお仕事頑張っている間に、楽しいこといっぱいしてきてね! バイバ~イ」と、爽やかに去ることが大切です。すると赤ちゃんは、「お、ママが爽やかに去ったということは、ここは安全なのか」と思うのです。 一方、別れ際に「お仕事なんてしてごめんね、ごめんね」と感傷的になると赤ちゃんは、「ママが悲しそうな顔しているということは、ここは悪の巣窟(そうくつ)! ママ!! 置いて行かないで!!!」となってしまうわけです。 ママの笑顔で赤ちゃんも笑顔になります、お忘れなく!
2015年07月02日初めてのお産を終え、やっと出会えたかわいい赤ちゃん。「おっぱい! おむつ! なんでも私がやってあげる!」と生まれたての我が子を病院で見つめる日々も終わり、我が家へ帰ってきた新米ママたち。 「赤ちゃんは泣くのが仕事」と頭ではわかってはいるけど、毎日の育児に気持ちがついていかないと悩んではいませんか。 赤ちゃんが泣けば「なんとかしないと! 私はお母さん! 私がなんとかしないと…!」と母としての責任を全うしようと頑張るママたちの姿が目に見えます。 しかし、そんなママたちこそ自分を追い込みすぎて辛くなってしまいがち。そんなときは、頭の片隅に「諦め」も肝心ということを置いておいてください。我が子がかわいいあまりに、こんなこと思うときはありませんか? 「私と赤ちゃんは繋がってるから大丈夫…! 私が冷静になればきっと泣き止む…!」。 でもそんな気持ちは一旦心の奥にしまってみませんか? 酷な言い方に聞こえてしまうかもしれませんが、心が繋がることで泣き止んでくれるのならば、「泣き止んで!」と思った瞬間泣き止んでくれるはず。しかしそう簡単にいかないのが現実です。次は赤ちゃんがどんな理由で泣いているのかを詳しく教えます。 泣き顔も我が子ならば愛おしい 生まれたての赤ちゃんが泣くということはどういうものか詳しく考えたことはありますか? 産科医院の新生児室で、一人の赤ちゃんが無くと周りの赤ちゃんも泣き出します。これは一種の「共感性」と呼ばれる反応なのです。 わかりやすく説明すると、一人の赤ちゃんが泣き、その泣き声に驚いてとなりの赤ちゃんが泣くのではなく、一人の赤ちゃんが「お腹すいたよ~」と泣くと隣の赤ちゃんが「わたしも! わたしもお腹空いたのよ! ウェ~ン!!」と共感して泣いているということです(もちろんただ驚いて泣く事もあります)。 新生児の赤ちゃんの前で、母親が感情に合わせて表情を変えると赤ちゃんが模倣するという実験結果もでています。 そして、赤ちゃんだけでなく、お母さんも出産後から誰に教えられるわけでもなく、赤ちゃんの泣き方のトーンを自然と判別し対応を考えるのです。この赤ちゃんの「共感性」と母さんの「判別能力」が合わさることで前ページで出た「私と赤ちゃんは繋がっている」という感覚が生まれるわけです。 赤ちゃんは"喜怒哀楽"をママやパパの表情から学び取ります。だから、「母親だから!」なんて肩肘張らず、「これが人間の喜怒哀楽よ!」と力を抜いた、自然体のお母さんを赤ちゃんに見せてあげてくださいね。そうすることで赤ちゃんが泣いている姿も違ったものにみえてくるでしょう。 泣き顔だって、かわいい我が子ならば愛おしくてたまらないもの。力を抜いて育児を楽しんでくださいね。
2015年07月01日