江原啓之さん、コロナ禍を語る「これは人間の醜さ暴く“あぶり絵”」
身近にある手ぬぐいや新聞紙などでいくらでも代用が利くというのに、そこに思いは至らない。人生も『この道でなければならない』という思い込みが道を阻みます。山の頂きに行く道は、決して一本道ではないのです」
そして江原さんは、このコロナ禍によって「今まで隠されてきた人間の心の醜さや世の中の問題が、あぶり絵のように浮き出てきている」と指摘する。
たとえば、人々が買い占めに走る姿や、緊急事態宣言が出た後も観光地に人が押し寄せる光景は「自分さえよければ」という心のあぶり出しであるということ。
「多くの人が待望したオリンピックイヤーに蔓延したこの危険なウイルスは、仕事、学業、娯楽、スポーツから日常生活まであらゆるものを停滞させました。そして、残念ながらこれは長い闘いになるでしょう。収束したとしても、その後は経済の低迷、治安の悪化などが懸念され、私たちは生き方を根本から見直す必要に迫られるでしょう」
では、私たちは未来をどう生きていくべきなのか。江原さんはこう続ける。
「まず、この事態は“有事”であり、戦争のような出来事だという認識を持つこと。そのなかで医療従事者の方は命を顧みず役目を果たしてくれているのですから、何より彼らに敬意と感謝の念を示しましょう。