犬を飼うと認知症リスク4割減!「猫ではだめ?」研究者に聞いてみた
それらが認知症リスクを下げることにつながっているのではないかと思います」(谷口さん、以下同)
■散歩する習慣や人とつながる行動が重要
ここで、納得できない猫派の読者も多いのでは……。
「猫を飼うことで飼い主の心理的な側面によい影響を及ぼすことが報告されています。
猫がいることで“気分が安定する”ことは考えられますが、『猫の飼育が認知症リスクを軽減できる』とまでは言えないでしょう」
犬を飼うことによって機会が増える「散歩する習慣や、人とつながる行動」こそが認知症リスクを下げると谷口さんは強調する。
さらに関連する研究では、ペットの飼育をしている人は、飼育をしていない人に比べて「月額の介護費が約半分に抑えられる」という結果も出たそうだ。
超高齢社会に差し掛かり、医療・介護費の増大は国家の大問題となっているが、犬などペットの飼育がその是正に役立つのかもしれない。「昨今は『飼育崩壊』が問題視され、高齢の方がペットを飼うことをネガティブに思われる風潮もあるかと思われます。
しかし、ペットがいることは、生きがいにもなりますし、認知症リスクの低減や介護費削減にもつながる。ご家族や地域で飼育をサポートする仕組み作りも必要ではないかと思っています」
飼っている犬や猫はもちろん、家族やご近所と向き合うことも、認知症予防には大切だ。