「キャラクターの思想に触れる」グループ展「キャラクターの絵画」 を12月6日〜18日までMEDEL GALLERY SHUにて開催
/MASATAKA CONTEMPORARY(東京)
2022年 「ポルターガイスト/回転」/女子美術大学ガレリアニケ(東京)
2023年 「RABBIT HOLE」/Sansiao gallery(東京)
<賞歴>
2013年 福沢一郎賞受賞
2014年 トーキョーワンダーウォール2014 入選
アーティスト_野澤梓
野澤梓はパステルのスペクトラムのなかで微睡む少女を幾重にも描き綴る。そこにはアーティストが幼少からの記憶を辿って、画布に絵筆を動かす祈りも似た行為が再現されている。
野澤の少女の姿は、聖ヴェロニカが手にする聖顔布にあるキリストの顔を思い起こさせる。全人類の罪を贖うため十字架を背負ってゴルゴダの丘を登ったキリストを見送った聖女ヴェロニカ。ヴェロニカはキリストの汗を拭うように、一枚の白い布にキリストの顔を写し取った。その布には、キリストの苦難の物語とヴェロニカがキリストを慕う気持ちが転写され、今なお聖顔布として生き続ける。
同様に野澤が描く少女には、幼い頃からの掘り起こされた自己の姿が現れ、少女から大人への物語が記憶として閉じ込められている。さらにその記憶を戸惑いながら愛おしむ画家の思いが溢れ出る。