睡眠障害を引き起こすといわれる「グリア細胞」とは?
科学の進歩は病気で苦しむ人にとっては本当にうれしく、ありがたいことに違いありません。今回は、最新の研究によって明らかになったグリア細胞の働きに注目します。この新事実によって私たちはどのような恩恵を受けることができるのでしょうか?
睡眠障害とグリア細胞の関係
私たちの脳の中には「グリア細胞」と呼ばれる細胞が存在します。これは脳内の神経細胞以外の細胞のことで、脳の免疫の修復などさまざまな働きをしています。
文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムの一環として行われたマウスを使った研究によって、このグリア細胞の機能不全が睡眠障害やうつ病にみられる異常行動を引き起こす、ということが判明したそうです。
一体どのようなことなのか、研究内容をかみくだきながら少し詳しくみていきたいと思います。
マウス実験で判明したこと
人間の脳は、主に神経細胞とグリア細胞の2つで構成されていると言われています。数としては、グリア細胞のほうが多いそうですが、この細胞が精神疾患や神経疾患に対してどのような役割を担っているのかについてはわからないことがたくさんあったそうです。
そこでグリア細胞を人為的に欠損させたマウスを用いて実験したところ、正常なマウスに比べてうつ病患者に多くみられる入眠からレム睡眠までの時間短縮やレム睡眠時間の延長などが現れたそうです。