虫歯にならないコツ!「唾液」を意識するだけ!?【カラダジム】
「歯磨きをきちんとしていれば、むし歯は防げる」と思っている人は多いのではないでしょうか。確かに歯磨きは大切ですが、もっと重要なものがあります。それは「唾液」。唾液は、口の中でどのような役割をしているのでしょうか。日本大学歯学部教授 植田耕一郎先生に聞きました。
――虫歯予防のための唾液の役割はどのようなものですか?
植田先生:唾液の役割は、消化作用、抗菌作用、円滑作用などいくつかありますが、歯に直接かかわる作用は3つあります。口の中を洗い流す洗浄作用、歯の表面に皮膜をつくって歯の保護作用、虫歯になりかけた歯の再石灰化作用です。この唾液の役割はとても重要です。
以前、脳卒中を発症して3カ月経つ患者さんの口腔ケアを行いましたが、ほとんどの歯が虫歯になってしまっていました。これは、歯磨きができなかったからだけではありません。筋肉の麻痺によって口の運動ができなくなり、唾液が出づらくなったり、口の中での唾液の循環が上手くいかなくなってしまったりすることが原因です。
例えば、健康な人が3カ月歯磨きをしなかったとしても、食べる、話すなどの日常的な機能が働いていれば、そんなに簡単に虫歯はできません。