世界の育児法を検証!~フランス・メリハリ式子育て~
■フランスの子どもは間食をせず、食事を完食する子が多い!?日本のファミリーレストランでは、子どもが食べることに飽きて走り回ったり、駄々をこねたりしている光景をよく見かけます。しかし、フランスではこうした光景はほとんど見られないそう。さらに、間食をしないので、食事の時間にしっかりお腹が空いていて、好き嫌いなく完食する子がほとんどだそうです。
これはフランスの親が、子どもが小さいうちから「食べることを楽しむこと」を一番に教えるからです。「子どもに生まれつき好き嫌いはない。食べ物の味や風味を楽しむことを学ばせよう」という考えのもと、調理法を変えたり、ユーモアを交えたりして、子どもが食べられるようになるまでさまざまな工夫をするそうです。
また、保育園(託児所)や幼稚園でも、レストランで提供されるような食事が出されます。そして、園児にもきちんと料理の説明をし、「完食しなくてもいいけれど、すべての食事をテイスティング(味見)して、味や香りを楽しみなさい」と教えているそうです。
決して、「栄養があるから!」と無理に食べさせはしないのです。
■子どもへの叱り方も日本とは違う!?日本では、「子どもは親の所有物」のように扱われてしまうケースがありますが、フランスでは生まれた時から子どもに対し、「小さなおとな」として接しています。
ですから、子どもを叱る時も、家庭や社会の枠組みの観点から叱ることが多いそうです。たとえば、子どもがお友達の行動を気に入らなくて叩いた場合、「痛いでしょ」「嫌な気持ちになるからダメでしょ」という言い方ではなく、「あなたには○○くんを叩く権利はない」という叱り方をします。
買い物時、会計が済んだ後に、勝手に子どもが商品を持ってきてしまった場合は、どんなにスーパーが広くても、どんなにその子が小さくても自分で戻しに行かせるそうです。
そのほかにも、子どもがやってはいけないことの境界線がはっきりしていて、その境界線の中では子どもは何をしてもいいけれど、境界線を越えた時、親は子どもを躊躇(ちゅうちょ)なく厳しく叱ります。そうすることで子どもに、社会生活の中でいかに自分をコントロールするかを徹底して教えているのです。
なるべく子どものうちにたくさんのことを経験させてから、ルールを身につけさせようという考えの米国、日本、中国とは違い、子育てにおいてはなによりもまず、社会性が優先されるようです。
【参考文献:『Bringing Up Bebe(「赤ちゃん」を育てるということ)』Pamela Druckerman・著(Penguin Books)】
ご紹介した内容には、共感できる部分もできない部分もあると思いますが、ママ自身がいいなぁ! と感じた部分は、今後の子育ての参考にしてみるのもよいのではないでしょうか。
子育てに完璧なレシピや考え方はありません。さまざまな事例を参考に、ぜひあなただけの子育て法を作っていってください。